JP2017156214A - トルク測定装置付回転伝達装置及びその製造方法 - Google Patents

トルク測定装置付回転伝達装置及びその製造方法 Download PDF

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央成 石橋
智治 齋藤
Tomoharu Saito
智治 齋藤
潤司 小野
Junji Ono
潤司 小野
優香 金子
Yuka Kaneko
優香 金子
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Abstract

【課題】トルク伝達軸により伝達される両方向(正転方向、逆転方向)のトルクを精度良く測定する事ができる構造を実現する。【解決手段】トルク伝達軸1aが伝達するトルクと、第一、第二両センサの出力信号同士の間の位相差との関係を表すデータを、前記トルク伝達軸1aが正転方向のトルクを伝達する第一の場合と、前記トルク伝達軸1aが逆転方向のトルクを伝達する第二の場合とに分けて作成し、これらの作成したデータを、図示しない演算器に記憶させる。この演算器に、当該データを利用して、前記位相差から前記トルクを求める機能を持たせる。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車用自動変速機に組み込んで、トルクを伝達すると共に、伝達するトルクの大きさを測定する為に利用する、トルク測定装置付回転伝達装置の改良に関する。
自動車用自動変速機を構成する軸の回転速度と、この軸により伝達しているトルクの大きさとを測定し、その測定結果を当該変速機の変速制御又はエンジンの出力制御を行う為の情報として利用する事が、従来から行われている。又、トルクの大きさを測定する為に利用可能な装置として従来から、軸の弾性的な捩れ変形量を1対のセンサの出力信号の位相差に変換し、この位相差に基づいてトルクの大きさを測定する装置が知られている(例えば特許文献1、2参照)。この様な従来構造に就いて、図5〜7を参照しつつ説明する。
この従来構造の場合、運転時にトルクを伝達するトルク伝達軸1の軸方向2箇所位置に、1対のエンコーダ2、2を外嵌固定している。被検出部である、これら両エンコーダ2、2の外周面である被検出面の磁気特性は、円周方向に関して交互に且つ等ピッチで変化している。又、これら両被検出面の磁気特性が円周方向に関して変化するピッチは、これら両被検出面同士で互いに等しくなっている。又、これら両被検出面に、1対のセンサ3、3の検出部を対向させた状態で、これら両センサ3、3を、図示しないハウジングに支持している。これら両センサ3、3は、それぞれ自身の検出部を対向させた部分の磁気特性の変化に対応して、その出力信号を変化させるものである。
上述の様な前記両センサ3、3の出力信号(図6のA相、B相のパルス信号)は、前記トルク伝達軸1と共に前記両エンコーダ2、2が回転する事に伴い、それぞれ周期的に変化する。この変化の周波数(及び周期)は、前記トルク伝達軸1の回転速度に見合った値をとる。この為、この周波数(又は周期)に基づいて、この回転速度を求められる。又、前記トルク伝達軸1によりトルクを伝達する事に伴って、このトルク伝達軸1が弾性的に捩れ変形すると、前記両エンコーダ2、2が回転方向に相対変位する。この結果、前記両センサ3、3の出力信号同士の間の位相差δが変化する。又、この位相差δは、前記トルク(前記トルク伝達軸1の弾性的な捩れ変形量)に見合った値をとる。即ち、これらトルクと位相差δとの間には、例えば図7に示す様な所定の関係が成立する。この為、この関係を利用して、前記位相差δから前記トルクを求める事ができる。
ところで、上述の様なトルク測定装置付回転伝達装置を、より実用的な構造で実施する場合には、前記トルク伝達軸1と、前記両エンコーダ2、2のうちの少なくとも何れか一方のエンコーダ2との間に、回転方向の組立隙間(回転方向のがたつきの原因となる円周方向隙間)が介在する可能性がある。更に、この様な組立隙間が介在した場合には、前記トルク伝達軸1により伝達されるトルクの方向(正転方向、逆転方向)が反転する際に、前記両エンコーダ2、2同士が前記組立隙間の分だけ相対回転する事も考えられる。そして、この様な相対回転が生じる構造の場合には、前記トルクと前記位相差δとの関係が、零点(トルク=0の点)に於いて不連続になる(本発明の実施の形態の1例を示す、図4参照)。即ち、当該関係に於いて、正転方向のトルクが0になった場合の位相差δの値Pと、逆転方向のトルクが0になった場合の位相差δの値Qとが、不一致になる。
しかしながら、従来から知られている各種構造のトルク測定装置付回転伝達装置の場合には、上述の様な回転方向の組立隙間の有無を考慮する事なく、トルクを測定する際に利用する、このトルクと前記位相差δとの関係を表すデータを作成していた。具体的には、例えば、何れか一方(正転方向又は逆転方向)のトルクが伝達される際の位相差δの変化のみを測定する事により、これらトルクと位相差δとの間に成立する関係の比例定数を求め、この比例定数を用いて、図7に示す様な(零点に不連続部を有しない)トルクと位相差δとの関係を表すデータを作成していた。この様に作成されたデータは、零点に不連続部を有していない為、実際には不連続部を有する(上述の様な組立隙間を有する)構造に関しては、少なくとも何れか一方(正転方向又は逆転方向)のトルクを測定する際に、測定誤差が大きくなると言う問題があった。
特開平1−254826号公報 特開昭63−82330号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、両方向(正転方向、逆転方向)のトルクを精度良く測定する事ができる構造及びその製造方法を実現すべく発明したものである。
本発明のトルク測定装置付回転伝達装置は、トルク伝達軸と、1対のエンコーダと、1対のセンサと、演算器とを備える。
このうちのトルク伝達軸は、使用時にトルクを伝達する。
又、前記1対のエンコーダは、それぞれの被検出面の特性を円周方向に関して交互に変化させ、前記トルク伝達軸に直接又は他の部材を介して支持されている。
又、前記1対のセンサは、前記各エンコーダの被検出面にそれぞれの検出部を対向された状態で、使用時にも回転しない部分に支持される。
又、前記演算器は、前記1対のセンサの出力信号同士の間の位相差に基づいて、前記トルク伝達軸が伝達するトルクを求める機能を有する。
特に、本発明のトルク測定装置付回転伝達装置の場合、前記演算器は、前記トルク伝達軸が正転方向のトルクを伝達する第一の場合には、(予め作成された、)この第一の場合に生じる前記トルクと前記位相差との関係を表すデータを利用して、前記位相差から前記トルクを求めると共に、前記トルク伝達軸が逆転方向のトルクを伝達する第二の場合には、(予め作成された、)この第二の場合に生じる前記トルクと前記位相差との関係を表すデータを利用して、前記位相差から前記トルクを求める。
尚、前記トルクと前記位相差との関係を表すデータには、前記トルクと、前記位相差との間に相関関係のある変数{例えば、前記位相差を前記両センサの出力信号の1周期で割った位相差比(=位相差/1周期)}との関係を表すデータが含まれる。
又、本発明の製造方法の対象は、上述した本発明のトルク測定装置付回転伝達装置である。
この様な本発明のトルク測定装置付回転伝達装置の製造方法は、前記トルクと前記位相差との関係を表すデータを、前記第一の場合に生じるものと、前記第二の場合に生じるものとに分けて作成し、これらの作成したデータを、前記演算器に記憶させる。
上述の様な構成を有する本発明のトルク測定装置付回転伝達装置及びその製造方法によれば、トルク伝達軸により伝達される両方向(正転方向、逆転方向)のトルクを精度良く測定する事ができる。
即ち、本発明の場合には、トルク伝達軸が正転方向のトルクを伝達する第一の場合には、予め作成された、この第一の場合に生じる前記トルクと1対のセンサの出力信号同士の間の位相差との関係を表すデータを利用して、前記位相差から前記トルクを求めると共に、前記トルク伝達軸が逆転方向のトルクを伝達する第二の場合には、予め作成された、この第二の場合に生じる前記トルクと前記位相差との関係を表すデータを利用して、前記位相差から前記トルクを求める。この為、前記トルクと前記位相差との間に成立する関係の零点に不連続部が生じる(当該関係に於いて、正転方向のトルクが0になった場合の位相差比の値と、逆転方向のトルクが0になった場合の位相差比の値とが、不一致になる)様な構造である場合でも、前記両方向のトルクを精度良く測定する事ができる。
本発明の実施の形態の1例に関する、トルク測定装置付回転伝達装置の断面図。 同じく、第一〜第三スプライン係合部の円周方向一部分を、回転方向の組立隙間が存在しない状態(A)と存在する状態(B)とでそれぞれ示す拡大断面図。 同じく、1対のセンサの出力信号を示す線図。 同じく、トルク伝達軸により伝達されるトルクと1対のセンサの出力信号同士の間に位相差比との関係を示す線図。 従来から知られているトルク測定装置付回転伝達装置の1例に関する、略側面図。 同じく、1対のセンサの出力信号を示す線図。 同じく、トルク伝達軸により伝達されるトルクと1対のセンサの出力信号同士の間に位相差比との関係を示す線図。
[実施の形態の1例]
本発明の実施の形態の1例に就いて、図1〜4により説明する。
本例のトルク測定装置付回転伝達装置は、自動車用の自動変速機に組み込んで使用するもので、図示しないハウジング(ミッションケース)と、カウンタ軸として機能するトルク伝達軸1aと、それぞれがカウンタギヤとして機能する、入力歯車4及び出力歯車5と、入力側スリーブ6及び出力側スリーブ7と、1対の転がり軸受8a、8bと、内軸9と、第一エンコーダ10及び第二エンコーダ11と、1個のセンサユニット12と、図示しない演算器とを備える。
尚、本例に関する以下の説明中、軸方向に関して「片側」とは、図1の右側を言い、軸方向に関して「他側」とは、図1の左側を言う。
前記トルク伝達軸1aは、炭素鋼の如き合金鋼により中空円筒状に造られたもので、外周面のうち、軸方向片端部にトルクの入力部である第一雄スプライン部13を、軸方向他端部にトルクの出力部である第二雄スプライン部15を、それぞれ有する。
前記入力歯車4は、炭素鋼の如き合金鋼により円環状に造られた、はすば歯車又は平歯車であり、前記トルク伝達軸1aの軸方向片端部に、前記入力側スリーブ6を介してトルク伝達を可能に外嵌支持されている。この為に、本例の場合には、次の様な構成を有する。
先ず、前記入力側スリーブ6は、炭素鋼の如き合金鋼により略円筒状に造られたもので、内周面の軸方向片半部に第一雌スプライン部14を有すると共に、外周面のうち、軸方向中間部に第三雄スプライン部17を、軸方向他端寄り部分に軸方向他側に向いた段差面19を、それぞれ有する。この様な入力側スリーブ6は、前記トルク伝達軸1aの軸方向片端部及び中間部に外嵌した状態で、前記第一雌スプライン部14を、前記第一雄スプライン部13に係合させている。
又、前記入力歯車4は、内周面の軸方向片半部に、第三雌スプライン部18を有する。この様な入力歯車4は、前記入力側スリーブ6の軸方向中間部に外嵌した状態で、前記第三雌スプライン部18を前記第三雄スプライン部17に係合させている。尚、前記入力歯車4は、前記入力側スリーブ6と一体に形成する事もできる。
前記出力歯車5は、炭素鋼の如き合金鋼により円環状に造られた、はすば歯車又は平歯車であり、前記トルク伝達軸1aの軸方向他端部に、前記出力側スリーブ7を介してトルク伝達を可能に外嵌支持されている。この為に、本例の場合には、次の様な構成を有する。
先ず、前記出力側スリーブ7は、炭素鋼の如き合金鋼により略円筒状に造られたもので、内周面の軸方向他半部に第二雌スプライン部16を有する。この様な出力側スリーブ7は、前記トルク伝達軸1aの軸方向他半部及び前記入力側スリーブ6の軸方向他端部に外嵌した状態で、前記第二雌スプライン部16を、前記第二雄スプライン部15に係合させている。
又、前記出力歯車5は、前記出力側スリーブ7の外周面の軸方向片半部に一体に形成されている。尚、前記出力歯車5は、前記出力側スリーブ7と別体の部材とし、この出力側スリーブ7に対して、スプライン係合等によりトルク伝達を可能に組み合わせる事もできる。
又、本例の場合には、前記入力側スリーブ6の外周面の軸方向他端部と前記出力側スリーブ7の内周面の軸方向片端部との間に、ラジアル滑り軸受である円筒状のスリーブベアリング20を設けると共に、前記入力側スリーブ6の前記段差面19と前記出力側スリーブ7の軸方向片端面との間に、スラスト滑り軸受である円輪状のスラストワッシャ21を設けている。これにより、前記入力側スリーブ6の軸方向他端部と前記出力側スリーブ7の軸方向片端部とを、相対回転を可能に組み合わせている。
前記1対の転がり軸受8a、8bはそれぞれ、外輪と、内輪と、これら外輪の内周面に形成された外輪軌道と内輪の外周面に形成された内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体とから構成されている。図示の例では、これら1対の転がり軸受8a、8bを、正面組み合わせの状態で配置した1対の円すいころ軸受としている。この様な1対の転がり軸受8a、8bは、前記トルク伝達軸1aの軸方向両端部を、前記ハウジングに対し、前記入力側スリーブ6及び前記出力側スリーブ7を介して回転自在に支持している。この為に、軸方向片側の転がり軸受8aは、内輪を、前記入力側スリーブ6の軸方向片端寄り部分に外嵌固定すると共に、外輪を、前記ハウジングに内嵌固定している。これに対し、軸方向他側の転がり軸受8bは、内輪を、前記出力側スリーブ7の軸方向他端寄り部分に外嵌固定すると共に、外輪を、前記ハウジングに内嵌固定している。
前記内軸9は、炭素鋼の如き合金鋼又は合成樹脂により略円柱状(又は円管状)に造られたもので、前記トルク伝達軸1aの径方向内側に、このトルク伝達軸1aと同心に配置されている。又、前記内軸9は、軸方向片端部を、前記入力側スリーブ6を介して前記トルク伝達軸1aの軸方向片端部に連結すると共に、軸方向他端部を、このトルク伝達軸1aの軸方向他端開口から軸方向他側に突出させている。図示の例では、前記内軸9の軸方向片端部を、前記入力側スリーブ6を介して前記トルク伝達軸1aの軸方向片端部に連結する為に、前記内軸9の軸方向片端部に設けた大径部22の外周面と、前記入力側スリーブ6の内周面の軸方向片端部にスプライン係合させている。
前記第一エンコーダ10は、前記内軸9のうちで、前記トルク伝達軸1aの軸方向他端開口から軸方向他側に突出した部分(軸方向他端部)に外嵌固定されている。言い換えれば、前記第一エンコーダ10は、前記内軸9及び前記入力側スリーブ6を介して、前記トルク伝達軸1aの軸方向片端部に間接的に取り付けられている。この為、前記第一エンコーダ10は、このトルク伝達軸1aの軸方向片端部と共に(同期して)回転可能である。
これに対し、前記第二エンコーダ11は、前記出力側スリーブ7の軸方向他端部に支持固定されている。言い換えれば、前記第二エンコーダ11は、前記出力側スリーブ7を介して、前記トルク伝達軸1aの軸方向他端部に間接的に取り付けられている。この為、前記第二エンコーダ11は、このトルク伝達軸1aの軸方向他端部と共に(同期して)回転可能である。
又、前記第一、第二両エンコーダ10、11は、前記内軸9の軸方向他端部又は前記出力側スリーブ7の軸方向他端部に支持固定される、磁性金属製の支持環23a、23bと、これら各支持環23a、23bの外周面に固定された、永久磁石製で円筒状のエンコーダ本体24a、24bとから成る。それぞれが被検出面である、これら両エンコーダ本体24a、24bの外周面は、互いの直径が等しく、互いに同軸に、且つ、軸方向に隣り合う状態で近接(例えば軸方向に12mm以内、好ましくは5mm以内の間隔をあけて)配置されている。又、前記両エンコーダ本体24a、24bの外周面には、それぞれS極とN極とが、円周方向に関して交互に且つ等ピッチで配置されており、磁気特性を円周方向に関して交互に且つ等ピッチで変化させている。前記両エンコーダ本体24a、24bの外周面の磁極(S極、N極)の総数は、互いに一致している。
前記センサユニット12は、合成樹脂製のホルダ25と、このホルダ25の先端部に軸方向に隣接する状態で包埋(保持)された、第一センサ26及び第二センサ27とを備える。これら第一、第二両センサ26、27のそれぞれの検出部には、ホール素子、ホールIC、MR素子(GMR素子、TMR素子、AMR素子を含む)等の磁気検出素子が組み込まれている。前記ホルダ25を前記ハウジングに支持固定した状態で、このうちの第一センサ26の検出部を、前記第一エンコーダ10の被検出面(前記エンコーダ本体24aの外周面)に、前記第二センサ27の検出部を、前記第二エンコーダ11の被検出面(前記エンコーダ本体24bの外周面)に、それぞれ近接対向させている。この為、前記第一センサ26は、前記第一エンコーダ10の被検出面の磁気特性変化に対応して出力信号を変化させ、又、前記第二センサ27は、前記第二エンコーダ11の被検出面の磁気特性変化に対応して出力信号を変化させる。本例の場合には、この様な第一、第二両センサ26、27の出力信号を、図示しない1本のハーネスを通じて、図示しない演算器に送信可能としている。
上述の様な構成を有する本例のトルク測定装置付回転伝達装置の場合、前記センサユニット12を構成する第一、第二両センサ26、27の出力信号(図3のA相、B相のパルス信号)は、前記トルク伝達軸1aと共に前記第一、第二両エンコーダ10、11が回転する事に伴い、それぞれ周期的に変化する。ここで、この変化の周波数(及び周期)は、前記トルク伝達軸1aの回転速度に見合った値をとる。従って、これら周波数(又は周期)と回転速度との関係を予め調べておけば、この周波数(又は周期)に基づいて、この回転速度を求められる。
又、前記トルク伝達軸1aによりトルクを伝達する際には、このトルク伝達軸1aのうち、前記第一雄スプライン部13と前記第二雄スプライン部15との間部分が弾性的に捩れ変形する事に伴い、前記トルク伝達軸1aの軸方向両端部同士(第一、第二両エンコーダ10、11同士)が回転方向に相対変位する。そして、この様に第一、第二両エンコーダ10、11同士が回転方向に相対変位する結果、前記第一、第二両センサ26、27の出力信号同士の間の位相差δが変化する。又、この位相差δは、前記トルク(前記トルク伝達軸1aの弾性的な捩れ変形量)に見合った値をとる。即ち、これらトルクと位相差δとの間には、図4又は図7に示す様な、所定の関係が成立する。
即ち、本例の場合、前記第一雄スプライン部13と前記第一雌スプライン部14との係合部である第一スプライン係合部28と、前記第二雄スプライン部15と前記第二雌スプライン部16との係合部である第二スプライン係合部29と、前記第三雄スプライン部17と前記第三雌スプライン部18との係合部である第三スプライン係合部30とが、それぞれ図2の(A)に示す様に、回転方向の組立隙間(回転方向のがたつきの原因となる円周方向隙間)が存在しない状態で組み立てられている場合には、前記トルク伝達軸1aが伝達するトルクの方向(正転方向、逆転方向)が反転する際にも、前記第一、第二両エンコーダ10、11同士が(前記組立隙間に基づいて)相対回転する事はない。従って、この場合には、前記トルクと前記位相差δとの間に、図7に示した様な(零点に不連続部を有しない)関係が成立する。即ち、当該関係に於いて、正転方向のトルクが0になった場合の位相差比の値と、逆転方向のトルクが0になった場合の位相差比の値とが、一致する。
これに対して、前記第一〜第三スプライン係合部28〜30のうち、少なくとも1つのスプライン係合部に、図2の(B)に示す様な、回転方向の組立隙間(回転方向のがたつきの原因となる円周方向隙間)31が存在する場合には、前記トルク伝達軸1aが伝達するトルクの方向(正転方向、逆転方向)が反転する際に、前記第一、第二両エンコーダ10、11同士が(前記組立隙間31の分だけ)相対回転する。従って、この場合には、前記トルクと前記位相差δとの間に、図4に示した様な(零点に不連続部を有する)関係が成立する。即ち、当該関係に於いて、正転方向のトルクが0になった場合の位相差比の値Pと、逆転方向のトルクが0になった場合の位相差比の値Qとが、不一致になる。
尚、図2の(B)に示した様な回転方向の組立隙間31は、意図的に(例えばスプライン係合部の組立性を向上させる為に)設けられる場合と、意に反して(例えば製造誤差によって)設けられる場合とがある。
何れにしても、前記トルクと前記位相差δとの間には、図4又は図7に示した様な、所定の関係が成立する。従って、この関係を予め調べておけば、前記位相差δに基づいて、前記トルクを求められる。
この為に、本例の場合には、前記トルク伝達軸1aが正転方向のトルクを伝達する第一の場合と、前記トルク伝達軸1aが逆転方向のトルクを伝達する第二の場合とに分けて、それぞれ前記トルクと前記位相差δとの関係を表すデータを実験等により作成し、これらの作成したデータを、前記演算器に記憶させている。そして、この演算器により、当該データを利用して、前記位相差δから前記トルクを求める計算を行う様にしている。
上述の様に、本例のトルク測定装置付回転伝達装置の場合には、前記トルクと前記位相差δとの関係を表すデータを、前記第一の場合と前記第二の場合とに分けて作成する為、前記第一〜第三スプライン係合部28〜30に、図2の(B)に示した様な回転方向の組立隙間31が存在するか否かに拘わらず、前記トルクと前記位相差δとの関係を表すデータとして、前記第一の場合と前記第二の場合とにそれぞれ適合した(図4又は図7に示した様な)データを得られる。従って、本例の場合には、前記トルク伝達軸1aにより伝達される両方向(正転方向、逆転方向)のトルクを精度良く測定する事ができる。
尚、本発明を実施する場合には、前記位相差δを、この位相差δと相関関係のある位相差比{前記位相差δを前記第一、第二両センサ26、27の出力信号の1周期Lで割ったもの(位相差δ/1周期L)}に置き換える事もできる。
本発明のトルク測定装置付回転伝達装置を構成するトルク伝達軸は、自動車のパワートレインを構成する回転軸に限らず、例えば、風車の回転軸(主軸、増速器の回転軸)、圧延機のロールネック、鉄道車両の回転軸(車軸、減速機の回転軸)、工作機械の回転軸(主軸、送り系の回転軸)、建設機械・農業機械・家庭用電気器具・モータの回転軸等、各種機械装置の回転軸を対象にする事ができる。
又、自動車のパワートレインを構成する場合には、例えば、トルクコンバータからトルクが入力されるインプットシャフト(タービンシャフト)や、カウンタシャフトを対象とする事ができる。
又、本発明のトルク測定装置付回転伝達装置を組み込んで変速機を構成する場合の変速機の形式は、特に限定されず、オートマチックトランスミッション(AT)、ベルト式やトロイダル式等の各種無段変速機(CVT)、オートメーテッドマニュアルトランスミッション(AMT)、デュアルクラッチトランスミッション(DCT)、トランスファー等、車側の制御により変速を行う変速機を採用できる。
又、変速機の設置位置と駆動輪との関係は特に限定されず、前置エンジン前輪駆動車(FF車)、前置エンジン後輪駆動車(FR車)、及び、四輪駆動車等が対象となる。
又、前記変速機の上流側に置かれる動力源は、必ずしもガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関である必要はなく、例えばハイブリッド車や電気自動車に用いられる電動モータであっても良い。
又、上述した実施の形態では、エンコーダを永久磁石製とすると共に、エンコーダの被検出面にN極とS極とを、円周方向に関して交互に配置する構成を採用した構造を例に説明したが、エンコーダを単なる磁性材製とすると共に、このエンコーダの被検出面に凸部、舌片、又は柱部等の充実部と、凹部、切り欠き、又は透孔等の除肉部とを、円周方向に関して交互に配置する構成を採用する事もできる。この様な構成を採用する場合には、センサ側に永久磁石を組み込む。
又、上述した実施の形態では、エンコーダの被検出面を円筒状とし、この被検出面にセンサの検出部を径方向に対向させた構造を例に説明したが、本発明を実施する場合には、エンコーダの被検出面を円輪状とし、この被検出面にセンサの検出部を軸方向に対向させる構造を採用する事もできる。
又、本発明を実施する場合、トルク伝達軸と1対のエンコーダとの間に設けられる回転方向の組立隙間が存在する部分は、上述した実施の形態に限定されるものではない。
又、上述した実施の形態では、内軸を利用して、1対の「エンコーダとセンサとの組み合わせ」を互いに近接配置する構造を採用したが、本発明はこれに限らず、1対の「エンコーダとセンサとの組み合わせ」を、大きく離隔して配置する構造を採用する事もできる。
又、上述した実施の形態では、トルク伝達軸を回転自在に支持する為の転がり軸受として円すいころ軸受を使用した場合に就いて説明したが、本発明を実施する場合には、深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、円筒ころ軸受、ニードル軸受等、従来から知られた各種構造の転がり軸受を使用する事もできる。
又、本発明を実施する場合、1対のエンコーダはそれぞれ、トルク伝達軸に対して直接支持されていても良いし、スリーブ、歯車、軸受用内輪等の他の部材を介して支持されていても良い。
1、1a トルク伝達軸
2 エンコーダ
3 センサ
4 入力歯車
5 出力歯車
6 入力側スリーブ
7 出力側スリーブ
8a、8b 転がり軸受
9 内軸
10 第一エンコーダ
11 第二エンコーダ
12 センサユニット
13 第一雄スプライン部
14 第一雌スプライン部
15 第二雄スプライン部
16 第二雌スプライン部
17 第三雄スプライン部
18 第三雌スプライン部
19 段差面
20 スリーブベアリング
21 スラストワッシャ
22 大径部
23a、23b 支持環
24a、24b エンコーダ本体
25 ホルダ
26 第一センサ
27 第二センサ
28 第一スプライン係合部
29 第二スプライン係合部
30 第三スプライン係合部
31 組立隙間

Claims (2)

  1. 使用時にトルクを伝達するトルク伝達軸と、
    それぞれの被検出面の特性を円周方向に関して交互に変化させ、前記トルク伝達軸に直接又は他の部材を介して支持された1対のエンコーダと、
    前記各エンコーダの被検出面にそれぞれの検出部を対向された状態で、使用時にも回転しない部分に支持された1対のセンサと、
    前記1対のセンサの出力信号同士の間の位相差に基づいて、前記トルク伝達軸が伝達するトルクを求める機能を有する演算器と、を備えた
    トルク測定装置付回転伝達装置であって、
    前記演算器は、前記トルク伝達軸が正転方向のトルクを伝達する第一の場合には、この第一の場合に生じる前記トルクと前記位相差との関係を表すデータを利用して、前記位相差から前記トルクを求めると共に、前記トルク伝達軸が逆転方向のトルクを伝達する第二の場合には、この第二の場合に生じる前記トルクと前記位相差との関係を表すデータを利用して、前記位相差から前記トルクを求める事を特徴とする
    トルク測定装置付回転伝達装置。
  2. 請求項1に記載したトルク測定装置付回転伝達装置の製造方法であって、
    前記トルクと前記位相差との関係を表すデータを、前記第一の場合に生じるものと、前記第二の場合に生じるものとに分けて作成し、これらの作成したデータを、前記演算器に記憶させる事を特徴とする
    トルク測定装置付回転伝達装置の製造方法。
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