JP2017166946A - トルク測定装置付回転伝達装置 - Google Patents

トルク測定装置付回転伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】トルク測定の信頼性の向上と、装置全体の小型化との両立を図る事ができる構造を実現する。【解決手段】第一のエンコーダ9aを、転がり軸受7aを構成する内輪28aの軸方向他端側の肩部に外嵌固定すると共に、第二のエンコーダ10aを、内軸8aの軸方向他端部に外嵌固定する。又、第一のセンサ19a及び第二のセンサ20aを支持したセンサユニット17aを、転がり軸受7aを構成する外輪27aに支持固定する。そして、この状態で、第一のエンコーダ9aの軸方向他側面である被検出面35に、第一のセンサ19aの検出部42aを軸方向に対向させると共に、第二のエンコーダ10aの軸方向他側面である被検出面40に、第二のセンサ20aの検出部42bを軸方向に対向させる。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば自動車用自動変速機に組み込んで、トルクを伝達すると共に、伝達するトルクの大きさを測定する為に利用する、トルク測定装置付回転伝達装置の改良に関する。
自動車用自動変速機を構成する軸の回転速度と、この軸により伝達しているトルクの大きさとを測定し、その測定結果を当該変速機の変速制御又はエンジンの出力制御を行う為の情報として利用する事が、従来から行われている。又、トルクの大きさを測定する為に利用可能な装置として従来から、軸の弾性的な捩れ変形量を1対のセンサの出力信号の位相差に変換し、この位相差に基づいてトルクの大きさを測定する装置が知られている(例えば特許文献1、2参照)。この様な従来構造に就いて、図4を参照しつつ説明する。
図4に示した従来構造の場合、運転時にトルクを伝達するトルク伝達軸1の軸方向2箇所位置に、1対のエンコーダ2、2を外嵌固定している。これら1対のエンコーダ2、2のそれぞれの外周面である被検出面の磁気特性は、円周方向に関して交互に且つ等ピッチで変化している。又、これら両被検出面の磁気特性が円周方向に関して変化するピッチは、これら両被検出面同士で互いに等しくなっている。又、これら両被検出面に、1対のセンサ3、3の検出部を対向させた状態で、これら1対のセンサ3、3を、図示しないハウジングに支持している。これら1対のセンサ3、3は、それぞれ自身の検出部を対向させた部分の磁気特性の変化に対応して、その出力信号を変化させるものである。
上述の様な前記1対のセンサ3、3の出力信号は、前記トルク伝達軸1と共に前記1対のエンコーダ2、2が回転する事に伴い、それぞれ周期的に変化する。この変化の周波数(及び周期)は、前記トルク伝達軸1の回転速度に見合った値をとる。この為、この周波数(又は周期)に基づいて、この回転速度を求められる。又、前記トルク伝達軸1によりトルクを伝達する事に伴って、このトルク伝達軸1が弾性的に捩れ変形すると、前記1対のエンコーダ2、2が回転方向に相対変位する。この結果、前記1対のセンサ3、3の出力信号同士の間の位相差比(=位相差/1周期)が変化する。又、この位相差比は、前記トルク(前記トルク伝達軸1の弾性的な捩れ変形量)に見合った値をとる。この為、この位相差比に基づいて、前記トルクを求められる。
ところが、上述した様な従来構造のトルク測定装置付回転伝達装置の場合には、2個のセンサ3、3を、軸方向に離隔した状態で、それぞれ高精度な相対位置関係でハウジングに取り付ける必要がある。この為、これら両センサ3、3の取り付け作業が面倒になる。又、合計2本のハーネス4、4が必要になる為、これらハーネス4、4の配線作業が面倒になる(取り回し性が悪くなる)と共に、コスト及び重量の増大を招く。
この様な事情に鑑みて、本発明者等は本発明に先立って、特許文献3に記載されたトルク測定装置付回転伝達装置を完成させた。以下、この特許文献3に記載された、先発明に係るトルク測定装置付回転伝達装置の構造に就いて、図5を参照しつつ簡単に説明する。
先発明に係るトルク測定装置付回転伝達装置5は、中空円筒状に構成されたトルク伝達軸6を、ハウジングに支持固定された転がり軸受7により回転自在に支持している。又、このトルク伝達軸6の内径側に内軸8を配置し、この内軸8の軸方向一端部(図5の右端部)を、このトルク伝達軸6の軸方向一端部に相対回転不能に連結すると共に、前記内軸8の軸方向他端部(図5の左端部)を、前記トルク伝達軸6の軸方向他端開口から軸方向他側に突出させている。
又、前記転がり軸受7を構成する内輪に、第一のエンコーダ9を支持固定すると共に、前記内軸8の軸方向他端部に、第二のエンコーダ10を支持固定している。これら第一、第二のエンコーダ9、10は、支持環(芯金)11、12と、これら各支持環11、12の外周面に固定された、永久磁石製のエンコーダ本体13、14とから構成されている。そして、これらエンコーダ本体13、14の外周面である被検出面15、16には、それぞれS極とN極とが、円周方向に関して交互に且つ等ピッチで配置されており、磁気特性を円周方向に関して交互に且つ等ピッチで変化させている。
一方、前記転がり軸受7を構成する外輪に、センサユニット17を支持固定している。このセンサユニット17は、合成樹脂製のセンサホルダ18内に、第一のセンサ19及び第二のセンサ20を保持する事により構成されている。これら第一、第二のセンサ19、20の検出部には、ホール素子、ホールIC、MR素子等の、自身を通過する磁束密度に応じて出力信号を変化させる磁気検出素子がそれぞれ設けられている。又、前記外輪に前記センサユニット17を支持した状態で、前記第一のエンコーダ9の被検出面15に、前記第一のセンサ19の検出部を径方向の微小隙間を介して対向させると共に、前記第二のエンコーダ10の被検出面16に、前記第二のセンサ20の検出部を径方向の微小隙間を介して対向させている。
前記特許文献3に記載された構造の場合には、上述の様な構成を採用する事で、前記第一、第二のセンサ19、20の出力信号に基づいて、前記トルク伝達軸6の軸方向両端部同士の回転方向の相対変位を測定し、伝達しているトルクの大きさを求める事ができる。更に、前記内軸8を利用する事で、前記第一、第二のエンコーダ9、10を軸方向に隣接配置する事を可能としている為、前記第一、第二のセンサ19、20を、前記センサホルダ18に取り付けた状態でまとめて取り扱う事ができる。この為、センサの取り付け作業性を良好にできると共に、ハーネス4の配線作業の簡略化を図れ、コスト及び重量の低減を図れる。更に、前記センサユニット17を、前記転がり軸受7を構成する外輪に支持固定している為、前記第一、第二のセンサ19、20のそれぞれの検出部と、前記第一、第二のエンコーダ9、10のそれぞれの被検出面15、16との径方向に関する隙間を、容易に且つ厳密に管理する事もできる。
但し、上述した様な特許文献3に記載された構造の場合には、トルク測定に関する信頼性の向上と、装置全体の小型化とを両立させる面からは、未だ改良の余地がある。
先ず、本発明者等の研究によると、永久磁石製のエンコーダの被検出面(着磁面)に対し、径方向の微小隙間を介して配置されたセンサの検出部(磁気検出素子)により検出される磁束密度は、前記被検出面の幅方向中間部の領域では一定となるが、幅方向両端部の領域では、両端縁に向かうに従って低下する事が確認された。この理由は、前記被検出面の幅方向両端部から外れた部分には、磁束の発生源が存在しない為、幅方向両端部の領域を通過する磁束の本数が、両端縁に向かう程少なくなる為であると考えられる。従って、前記エンコーダが前記センサに対して軸方向(エンコーダの幅寸法)に変位する等により、このセンサの検出部が、幅方向中間部の領域から幅方向両端部の領域にはみ出した場合、このセンサの検出部が検出する磁束密度が大幅に低下する可能性がある。そして、この様な場合には、センサの出力信号が小さくなり、ジッタの影響が大きくなる為、この信号を利用したトルク測定に関する信頼性が低下する可能性がある。
センサの検出部が検出する磁束密度を十分に確保する面からは、例えば、エンコーダの被検出面のうち幅方向中間部には、使用時にエンコーダとセンサとが相対変位した場合にも、このセンサの検出部が対向する対向部を設け、幅方向両端部には、使用時にもセンサの検出部が対向しない非対向部を設ける事が考えられる。又、本発明者等の研究によると、使用時にセンサの検出部により検出される磁束密度の低下を実質的に防止する為には、非対向部の幅寸法を1.5mm程度とする必要がある。
そこで、前記特許文献3に記載された構造に関して、トルク測定に関する信頼性を向上すべく、前記第一、第二のエンコーダ9、10の被検出面15、16のそれぞれに、幅方向中間部の対向部の領域と、幅方向両端部の2つの非対向部の領域とを設ける事を考える。すると、図6に示した様に、第一のエンコーダ9の軸方向一端縁から第二のエンコーダ10の軸方向他端縁までの軸方向寸法Lは、対向部21の軸方向寸法Aの2倍の値(2A)と、非対向部22の幅寸法Bの4倍の値{4B(6.0mm)}と、第一、第二のエンコーダ9、10同士の間部分に存在する隙間23の大きさXとの合計値{L=2A+4B(6.0mm)+X}となる。この様に、トルク測定の信頼性を向上する事を意図した場合には、軸方向に隣接配置した第一、第二のエンコーダ9、10の軸方向寸法が嵩むと共に、これに伴って、センサユニット19の軸方向寸法も嵩む事になる。従って、前記特許文献3に記載された構造の場合には、トルク測定の信頼性の向上と、装置全体の小型化とを両立する事が難しくなる。
特開平1−254826号公報 特開昭63−82330号公報 特開2015−172563号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、トルク測定の信頼性の向上と、装置全体の小型化との両立を図れる構造を実現すべく発明したものである。
本発明のトルク測定装置付回転伝達装置は、トルク伝達軸と、転がり軸受と、1対のエンコーダと、1対のセンサとを備える。
このうちのトルク伝達軸は、使用時にトルクを伝達するものである。
又、前記転がり軸受は、外輪と、内輪と、複数個の転動体とを備え、前記トルク伝達軸を、使用時に回転しない部分に対し、回転自在に支持するものである。
前記1対のエンコーダは、それぞれの被検出面にN極とS極とを円周方向に関して交互に配置した永久磁石製であり、前記トルク伝達軸に直接又は使用時にこのトルク伝達軸と同期して回転する部材に支持されている。
前記1対のセンサは、前記1対のエンコーダの被検出面にそれぞれの検出部を対向させ、この検出部を通過する磁束密度に応じて出力信号を変化させるもので、使用時にも回転しない部分に支持されている。
そして、前記1対のセンサの出力信号(例えば出力信号同士の位相差、位相差比)を利用して、前記トルク伝達軸が使用時に伝達するトルクを測定可能としている。
又、本発明の場合には、前記1対のエンコーダ(及び前記1対のセンサ)を、前記トルク伝達軸の軸方向に関して1個所位置(例えば軸方向片端側又は軸方向他端側)に隣接配置(まとめて配置)している。
特に、本発明のトルク測定装置付回転伝達装置の場合には、前記1対のセンサのそれぞれの検出部を、被検出面である前記1対のエンコーダの軸方向側面に対し、前記トルク伝達軸の軸方向(アキシアル方向)に対向させている。
又、本発明を実施する場合、前記1対のエンコーダを、前記トルク伝達軸の軸方向に関して1個所位置に隣接配置する為に、より具体的には、例えば、前記トルク伝達軸を中空状とし、このトルク伝達軸の内径側に、内軸を配置する。そして、この内軸の軸方向一端側部分を、このトルク伝達軸の軸方向一端側部分に直接又は間接的に(他の部材を介して)相対回転不能に連結する。
又、前記1対のエンコーダのうち、一方のエンコーダを、前記トルク伝達軸の軸方向他端側部分に直接又は間接的に支持固定し、他方のエンコーダを、前記内軸の軸方向他端側部分(トルク伝達軸の軸方向他端部から突出した部分)に、前記一方のエンコーダと隣接した状態で直接又は間接的に支持固定する。
又、上述の様に、前記トルク伝達軸の内径側に前記内軸を配置する構成を採用した場合には、この内軸を中空状(中空筒状、中空管状)に構成し、この内軸を軽量化すると共に、この内軸の内部空間を潤滑油を各部に供給する為の流路として利用する事もできる。
又、前記内軸の軸方向中間部外周面を、前記トルク伝達軸の内周面によって案内支持する構成を採用する事もできる。この場合には、前記内軸の軸方向中間部外周面(前記トルク伝達軸の内周面によって案内される面)に、摩耗防止の為の表面処理を施す事ができる。又、前記内軸の外周面と前記トルク伝達軸の内周面との間に、ブッシュ(例えば滑り軸受やラジアルニードル軸受)を配置する事もできる。
又、本発明を実施する場合には、例えば、前記1対のエンコーダを、前記トルク伝達軸の軸方向に関して重畳しない様に配置する事ができる。別な言い方をすれば、前記1対のエンコーダのうち、外径側のエンコーダの内径寸法を、内径側のエンコーダの外径寸法よりも大きくする。
又、本発明を実施する場合には、例えば、前記1対のエンコーダを、前記トルク伝達軸の径方向に関して重畳する様に配置する事ができる。
更に、本発明を実施する場合には、例えば、前記1対のエンコーダをそれぞれ、永久磁石製で円輪板状のエンコーダ本体と、このエンコーダ本体を支持する為の円環状の支持環とから構成する事ができる。
又、本発明を実施する場合には、例えば、前記1対のセンサを、使用時にも回転しない部分に支持された金属製のセンサキャップの内側に、合成樹脂製のセンサホルダを介して支持する事ができる。
更に、本発明を実施する場合には、例えば、前記センサキャップを、前記外輪の内周面のうち、外輪軌道から軸方向に外れた軸方向端部に内嵌固定する事ができる。
更に、本発明を実施する場合には、例えば、前記トルク伝達軸に関して、表面硬さをHV400以上とし、且つ、表面炭素濃度を0.2%以上とする事ができる。
又、本発明を実施する場合に、前記トルク伝達軸にトルクを入力する為の入力部の位置(形成位置、設置位置)は特に限定されず、例えば軸方向一端部に設ける事もできるし、軸方向中間部、又は、軸方向他端部に設ける事もできる。又、入力部としては、例えば、前記トルク伝達軸の外周面又は内周面に、スプライン部(雄スプライン部又は雌スプライン部)、キー係合部、嵌合面部、螺子部を直接形成する構成を採用できる他、入力歯車、入力プーリ、入力スプロケット等を、前記トルク伝達軸と一体に設けたり、或いは、別体として結合固定する構成を採用できる。
又、同様に、前記トルク伝達軸からトルクを出力する為の出力部の位置(形成位置、設置位置)は特に限定されず、例えば軸方向一端部に設ける事もできるし、軸方向中間部、又は、軸方向他端部に設ける事もできる。又、出力部としては、例えば、前記トルク伝達軸の外周面又は内周面に、スプライン部(雄スプライン部又は雌スプライン部)、キー係合部、嵌合面部、螺子部を直接形成する構成を採用できる他、出力歯車、出力プーリ、出力スプロケット等を、前記トルク伝達軸と一体に設けたり、或いは、別体として結合固定する構成を採用できる。又、前記トルク伝達軸には、複数の出力部を設ける事も可能であり、この場合には、例えば歯数の異なる複数の出力歯車を設けたり、種類の異なる出力部(例えば出力プーリと出力歯車等)を設ける事ができる。
又、本発明を実施する場合には、前記トルク伝達軸を、ハウジング等の使用時にも回転しない部分に対し、1乃至複数の軸受(少なくとも1個の転がり軸受を含む)を用いて回転自在に支持する。この場合に使用する軸受としては、例えば深溝型、アンギュラ型等の玉軸受、円すいころ軸受、円筒ころ軸受、ラジアルニードル軸受、自動調心ころ軸受、滑り軸受等を使用できる。又、複数の軸受を使用する場合には、例えば、前記トルク伝達軸の軸方向中間部のうち、トルクの入力部と出力部との間部分を、回転自在に支持する事ができる。
又、本発明を実施する場合には、例えば、前記トルク伝達軸にトルクを入力する動力源の回転軸を、このトルク伝達軸と同軸、平行、又は直角に配置する事ができる。
尚、本明細書で、軸の軸方向一端側とは、当該軸の中央部よりも軸方向一端に近い側に存在する部分(一端部を含む)を言い、反対に、軸方向他端側とは、当該軸の中央部よりも軸方向他端に近い側に存在する部分(他端部を含む)を言う。
上述の様に構成する本発明のトルク測定装置付回転伝達装置によれば、トルク測定の信頼性の向上と、装置全体の小型化との両立を図る事ができる。
即ち、本発明の場合には、1対のセンサのそれぞれの検出部を、被検出面(着磁面)である1対のエンコーダの軸方向側面に対し、トルク伝達軸の軸方向に対向させている。
この為、トルク測定の信頼性を向上する事を意図して、前記1対のエンコーダの被検出面に関して、幅方向中間部の対向部と幅方向両端部の非対向部を設ける等、幅寸法(径方向寸法)を大きくした場合にも、前記1対のエンコーダの軸方向寸法は大きくせずに済む。この為、前記1対のセンサを含んで構成するセンサユニットの軸方向寸法に就いても大きくせずに済む。
この様に本発明によれば、前記1対のエンコーダの被検出面の幅寸法に関係なく、これら1対のエンコーダ及び前記センサユニットの軸方向寸法を決定できる。
従って、本発明によれば、被検出面の幅寸法を大きくする事によるトルク測定の信頼性の向上と、1対のエンコーダ及び前記センサユニットの軸方向寸法を小さくする事による装置全体の小型化との両立を図る事ができる。
本発明の実施の形態の1例を示す、トルク測定装置付回転伝達装置の断面図。 同じく図1のA部拡大図。 同じく1対のエンコーダ及びセンサユニットを取り外した状態で示す、図2に相当する図。 従来構造のトルク測定装置付回転伝達装置を示す略側面図。 従来構造の別のトルク測定装置付回転伝達装置を示す断面模式図。 従来構造の問題点を説明する為に示す1対のエンコーダ及びセンサユニットの断面模式図。
[実施の形態の1例]
本発明の実施の形態の1例に就いて、図1〜3を参照しつつ説明する。本例のトルク測定装置付回転伝達装置5aは、例えば自動車用の自動変速機に組み込んで使用する。この様なトルク測定装置付回転伝達装置5aは、ハウジング(ミッションケース)24と、ベルト式CVT等のインプットシャフト(又はカウンタシャフト)として機能する中空状(中空筒状)のトルク伝達軸6aと、1対の転がり軸受7a、7bと、入力歯車25と、出力歯車26と、内軸8aと、第一のエンコーダ9aと、第二のエンコーダ10aと、1個のセンサユニット17aとを備える。
前記トルク伝達軸6aは、炭素鋼の如き合金鋼により中空円筒状に造られたもので、焼き入れ、焼き戻し処理等の熱処理を行い、このトルク伝達軸6aの表面硬さをHV400以上とすると共に、表面炭素濃度を0.2%以上としている。又、本例の場合には、前記トルク伝達軸6aにトルクを入力する為の前記入力歯車25を、このトルク伝達軸6aの軸方向中間部に、このトルク伝達軸6aとは別体に設けており、トルクを出力する為の前記出力歯車26を、このトルク伝達軸6aの軸方向一端寄り部分(図1の右端寄り部分)に、このトルク伝達軸6aとは別体に設けている。又、このトルク伝達軸6aのうち、前記入力歯車25及び前記出力歯車26が設置された部分を挟んだ両側部分(軸方向他端部分及び軸方向一端部)を、前記1対の転がり軸受7a、7bにより、前記ハウジング24に対し回転自在に支持している。
前記入力歯車25及び前記出力歯車26は、炭素鋼の如き合金鋼製のはすば歯車又は平歯車であり、前記トルク伝達軸6aとは別体に設けられている。この為に、前記入力歯車25及び前記出力歯車26の嵌合部に関して、同心性を確保する為の円筒面嵌合部と、相対回転を防止する為のインボリュートスプライン係合部とを、軸方向に隣接配置した構成を採用している。
前記1対の転がり軸受7a、7bはそれぞれ、例えば深溝型、アンギュラ型等の玉軸受、円すいころ軸受、円筒ころ軸受、ラジアルニードル軸受、自動調心ころ軸受等(図示の例は玉軸受)であり、それぞれが円環状の外輪27a、27b及び内輪28a、28bと、複数個の転動体(玉)29a、29bとから構成されている。このうちの外輪27a、27bは、使用時にも回転しない静止輪であり、前記ハウジング24に内嵌固定されている。前記内輪28a、28bは、使用時に回転する回転輪であり、前記トルク伝達軸6aに外嵌固定されている。前記各転動体29a、29bは、前記外輪27a、27bの軸方向中間部内周面に形成された外輪軌道と、前記内輪28a、28bの軸方向中間部外周面に形成された内輪軌道との間に、保持器により保持された状態で、転動自在に設けられている。又、本例の場合には、前記1対の転がり軸受7a、7b同士で、互いの接触角を逆向きとしている。
前記内軸8aは、炭素鋼の如き合金鋼又は合成樹脂により略円柱状(又は円管状)に造られたもので、前記トルク伝達軸6aの内径側に、このトルク伝達軸6aと同心に配置されている。又、前記内軸8aは、その軸方向一端部(図1の右端部)を、このトルク伝達軸6aの軸方向一端部に相対回転不能に連結すると共に、その軸方向他端部(図1の左端部)を、前記トルク伝達軸6aの軸方向他端開口から軸方向他側に突出させている。図示の構造の場合には、前記内軸8aの軸方向一端部を、前記トルク伝達軸6aの軸方向一端部に相対回転不能に連結する為に、この内軸8aの軸方向一端部に設けた大径部30の外周面と、このトルク伝達軸6aの軸方向一端部内周面とを、相対回転不能に締り嵌めにより嵌合固定している。尚、これら両周面同士を、相対回転不能に連結する為に、例えばインボリュートスプラインやキーによる係合を採用する事もできる。又、本例の場合には、前記内軸8aのうち前記大径部30から軸方向に外れた部分の外周面と、前記トルク伝達軸6aの内周面との間部分に隙間(微小隙間)を設けている。この間部分には、潤滑油を充満させて、フィルムダンパとして機能させる事もできる。
前記第一のエンコーダ9aは、前記転がり軸受7aを構成する内輪28aに支持固定されている。言い換えれば、この第一のエンコーダ9aは、この転がり軸受7aを構成する内輪28aを介して、前記トルク伝達軸6aの軸方向他端部に間接的に取り付けられている。この為、前記第一のエンコーダ9aは、このトルク伝達軸6aの軸方向他端部と共に(同期して)回転可能である。これに対し、前記第二のエンコーダ10aは、前記内軸8aのうちで、前記トルク伝達軸6aの軸方向他端開口から軸方向他側に突出した部分(軸方向他端部)に外嵌固定されている。言い換えれば、前記第二のエンコーダ10aは、前記内軸8aを介して、前記トルク伝達軸6aの軸方向一端部に間接的に取り付けられている。この為、前記第二のエンコーダ10aは、このトルク伝達軸6aの軸方向一端部と共に(同期して)回転可能である。
特に本例の場合、前記第一のエンコーダ9aは、金属板製の支持環(芯金)31と、ゴム磁石、プラスチック磁石等の永久磁石製のエンコーダ本体32とから構成されている。このうちの支持環31は、断面逆L字形で、全体を円環状に構成されており、前記転がり軸受7aを構成する内輪28aの軸方向他端側の肩部に外嵌固定される嵌合筒部33と、この嵌合筒部33の軸方向他端縁から径方向内方に向けて直角に折れ曲がった円輪部34とを備えている。又、前記エンコーダ本体32は、ゴム、合成樹脂等の高分子材料中に磁性粉を分散させて全体を円輪板状としており、前記円輪部34の軸方向他側面に接着等の固定手段により支持固定されている。そして、本例の場合には、前記エンコーダ本体32の軸方向他側面を、被検出面(着磁面)35としている。
これに対し、前記第二のエンコーダ10aは、金属板製の支持環(芯金)36と、ゴム磁石、プラスチック磁石等の永久磁石製のエンコーダ本体37とから構成されている。このうちの支持環36は、断面L字形で、全体を円環状に構成されており、前記内軸8aの軸方向他端部に外嵌固定される嵌合筒部38と、この嵌合筒部38の軸方向他端縁から径方向外方に向けて直角に折れ曲がった円輪部39とを備えている。又、前記エンコーダ本体37は、ゴム、合成樹脂等の高分子材料中に磁性粉を分散させて全体を円輪板状としており、前記円輪部38の軸方向他側面に接着等の固定手段により支持固定されている。そして、本例の場合には、前記エンコーダ本体37の軸方向他側面を、被検出面(着磁面)40としている。
尚、前記エンコーダ本体32、37中に含有する磁性粉としては、例えば、ストロンチウムフェライト、バリウムフェライト等のフェライト系の磁性粉や、サマリウム−鉄、サマリウム−コバルト、ネオジウム−鉄−ボロン等の希土類元素の磁性粉を採用できる。
又、本例の場合、前記第一のエンコーダ9aを、前記転がり軸受7aを構成する内輪28aの軸方向他端側の肩部に外嵌固定すると共に、前記第二のエンコーダ10aを、前記内軸8aの軸方向他端部に外嵌固定した状態で、前記第一のエンコーダ9aと前記第二のエンコーダ10aとは、径方向に関しては重畳するが、軸方向に関しては重畳しない状態で配置されている。この為、外径側に位置する前記第一のエンコーダ9aの内径寸法は、内径側に位置する第二のエンコーダ10aの外径寸法よりも大きくなっている。又、前記第一のエンコーダ9aの被検出面35と前記第二のエンコーダ10aの被検出面40とは、互いに同心に、且つ、径方向に隣り合う状態で近接(例えば径方向に10mm以内、好ましくは5mm以内の間隔をあけて)配置されており、前記トルク伝達軸6aの中心軸に直交する同一仮想平面上に位置している。
又、前記両被検出面35、40にはそれぞれ、S極とN極とが、円周方向に関して交互に且つ等ピッチで配置されており、磁気特性を円周方向に関して交互に且つ等ピッチで変化させている。又、前記両被検出面35、40の磁気特性が円周方向に関して変化するピッチ(中心角ピッチ)は、これら両被検出面35、40同士で互いに等しくなっている。この為、前記両被検出面35、40の磁極(S極、N極)の総数は、互いに等しい。尚、第一のエンコーダ(エンコーダ本体)を、内輪に対して支持環を介する事なく直接取り付けても良い。又、第二のエンコーダを構成する支持環の内周面に雌ねじを形成し、この雌ねじを内軸の軸方向他端部に形成した雄ねじ部に螺合させる事により、第二のエンコーダを内軸の軸方向他端部に取り付けても良い。
更に本例の場合には、前記センサユニット17aを、前記転がり軸受7aを構成する外輪27aに支持固定している。そして、前記センサユニット17aを、第一のセンサ19aと、第二のセンサ20aと、センサホルダ18aと、センサキャップ41とを含んで構成している。このうちの第一、第二のセンサ19a、20aは、ホール素子、ホールIC、MR素子(GMR素子、TMR素子、AMR素子を含む)等の、自身を通過する磁束密度に応じて出力信号を変化させる磁気検出素子を備えた検出部42a、42bを備えている。
又、前記センサホルダ18aは、合成樹脂製で、全体を円板状に構成されている。そして、この様なセンサホルダ18aに対し、前記第一、第二のセンサ19a、20aをそれぞれ取り付けた状態で、これら各部材19a、20a、18aを、前記センサキャップ40の内側に配置している。本例の場合には、前記センサホルダ18aの軸方向一側面に環状凹部43を形成し、この環状凹部43のうちの外径側半部の円周方向一個所位置に、前記第一のセンサ19aを配置し、この環状凹部43のうちの内径側半部の円周方向一個所位置(第一のセンサ19aの設置位置とは位相がずれた部分)に、前記第二のセンサ20aを配置している。これにより、前記第一、第二のセンサ19a、20aは、径方向に関して重畳した状態になる。
前記センサキャップ41は、1対のキャップ素子44a、44bを軸方向に互いに組み合わせる(嵌合する)事により構成している。これら1対のキャップ素子44a、44bはそれぞれ、例えば板厚が0.5〜1.3mm程度のSPCC等の圧延鋼板にプレス加工を施して造られたものである。
前記1対のキャップ44a、44bのうち、一方のキャップ素子44aは、断面略コ字形に構成されており、円形状の底部45と、この底部45の外径側端部から軸方向一端側に向けて直角に折れ曲がる状態で設けられた外側筒部46とを備えている。又、前記底部45の円周方向1個所位置には、図示しないハーネスを引き出す為のハーネス引出孔が設けられている。
これに対し、前記1対のキャップ素子44a、44bのうち、他方のキャップ素子44bは、内側筒部47と、この内側筒部47の軸方向中間部内周面から径方向内方に突出する状態で設けられた円輪状の挟持板部48とを備える。又、本例の場合、自由状態で、前記内側筒部47の外径寸法を、前記一方のキャップ素子44aを構成する外側筒部46の内径寸法よりも僅かに大きく設定している。
そして、本例の場合には、前記一方のキャップ素子44aを構成する外側筒部46に、前記他方のキャップ素子44bを構成する内側筒部47の軸方向他半部を圧入(締り嵌めにより内嵌固定)する事で、前記一方のキャップ素子44aと前記他方のキャップ素子46bとを軸方向に組み合わせて、前記センサキャップ41を構成している。又、この様に、前記1対のキャップ素子44a、44b同士を組み合わせた状態で、前記センサホルダ18aの径方向外端部を、前記一方のキャップ素子44aの底部45の外径側端部と、前記他方のキャップ素子44bの挟持板部48との間で、軸方向両側から挟持する。又、前記ハーネスを、前記底部45の一部に形成したハーネス引出孔を通じて軸方向他側に引き出す。
又、本例の場合には、上述の様な構成を有する前記センサキャップ41を、前記転がり軸受7aを構成する外輪27aに支持固定している。この為に、この外輪27aの内周面のうちで、軸方向中央部に形成された外輪軌道49の軸方向他側に設けられた肩部50の軸方向他端部に、内径寸法が大きくなった嵌合段差部51を形成している。そして、この嵌合段差部51に対し、前記センサキャップ41を構成する他方のキャップ素子44bのうち、前記内側筒部47の軸方向一方側半部を、圧入締め代が例えば20〜400μm程度となる範囲で圧入固定している。これにより、前記センサキャップ41の脱落を防止すると共に、圧入時の破損を防止している。又、前記肩部50のうちで、前記外輪軌道49と軸方向に隣接した部分の内径寸法を小さいままとして、前記転がり軸受7aを構成する転動体29aが、前記肩部50に乗り上げるのを防止している。
又、本例の場合には、前記センサキャップ41を前記外輪27aの嵌合段差部51に圧入固定した状態で、内側に設置された前記第一のセンサ19aを構成する検出部42aを、前記第一のエンコーダ9aの被検出面35に対し、軸方向に関する微小隙間を介して対向させると共に、前記第二のセンサ20aを構成する検出部42bを、前記第二のエンコーダ10aの被検出面40に対し、軸方向に関する微小隙間を介して対向させている。この為、前記第一のセンサ19aは、前記第一のエンコーダ9aの磁気特性変化に対応して出力信号を変化させ、前記第二のセンサ20aは、前記第二のエンコーダ10aの磁気特性変化に対応して出力信号を変化させる。そして、前記第一、第二のセンサ19a、20aのそれぞれの出力信号を、軸方向に引き出された1本のハーネスを通じて、図示しない演算器に送信する。又、このハーネスを通じて、前記第一、第二のセンサ19a、20aに電力を供給する。
以上の様な構成を有する本例のトルク測定装置付回転伝達装置5aの場合にも、前記センサユニット17aを構成する第一、第二のセンサ19a、20aのそれぞれの出力信号は、前記トルク伝達軸6aと共に前記第一、第二のエンコーダ9a、10aが回転する事に伴い、それぞれ周期的に変化する。ここで、この変化の周波数(及び周期)は、前記トルク伝達軸6aの回転速度に見合った値をとる。従って、これら周波数(又は周期)と回転速度との関係を予め調べておけば、この周波数(又は周期)に基づいて、この回転速度を求められる。又、前記トルク伝達軸6aによりトルクを伝達する際には、前記入力歯車25及び前記出力歯車26との間部分が弾性的に捩れ変形する事に伴い、前記トルク伝達軸6aの軸方向両端部同士(第一、第の二エンコーダ9a、10a同士)が回転方向に相対変位する。そして、この様に第一、第二のエンコーダ9a、10a同士が回転方向に相対変位する結果、前記第一、第二のセンサ19a、20aの出力信号同士の間の位相差比(=位相差/1周期)が変化する。ここで、この位相差比は、前記トルクに見合った値をとる。従って、これら位相差比とトルクとの関係を予め調べておけば、この位相差比に基づいて、このトルクを算出する事ができる。尚、この算出処理は、前記演算器により行う。この為、この演算器には、予め理論計算や実験により調べておいた、前記位相差比と前記トルクとの関係を、計算式やマップ等の型式で組み込んでおく。
特に本例のトルク測定装置付回転伝達装置5aによれば、トルク測定の信頼性の向上と、装置全体の小型化との両立を図る事ができる。
即ち、本例の場合には、前記第一、第二のセンサ19a、20aのそれぞれの検出部42a、42bを、前記第一、第二のエンコーダ9a、10aの軸方向他側面である被検出面35、40に対しぞれぞれ軸方向に対向させている。
この為、トルク測定の信頼性を確保する事を意図して、前記第一のエンコーダ9aの被検出面35及び前記第二のエンコーダ10aの被検出面40に、例えば前記図6に示した様に、幅方向(径方向)中間部の対向部21と幅方向(径方向)両端部の非対向部22を設ける等、前記各被検出面35、40の幅寸法(径方向寸法)を大きくした場合にも、前記第一、第二のエンコーダ9a、10aの軸方向寸法は大きくせずに済む。この為、前記第一、第二のセンサ19a、20aを含んで構成される前記センサユニット17aの軸方向寸法に就いても、大きくせずに済む。
この様に本例の構造によれば、前記第一のエンコーダ9aの被検出面35及び前記第二のエンコーダ10aの被検出面40の幅寸法(径方向寸法)に関係なく、前記第一、第二のエンコーダ9a、10aの軸方向寸法を決定できると共に、前記センサユニット17aの軸方向寸法を決定できる。従って、本例の場合には、前記第一のエンコーダ9aの被検出面35及び前記第二のエンコーダ10aの被検出面40の幅寸法をそれぞれ大きく確保する事によるトルク測定の信頼性の向上と、前記第一、第二のエンコーダ9a、10a及び前記センサユニット17aの軸方向寸法をそれぞれ小さくする事による装置全体の小型化との両立を図る事ができる。特に本例の場合には、それぞれが円環状(円輪状)の前記第一、第二のエンコーダ9a、10aを径方向に重畳する状態で配置すると共に、前記第一、第二のセンサ19a、20aを径方向に重畳する状態で配置している為、前記第一、第二のエンコーダ9a、10a及び前記センサユニット17aの軸方向寸法を十分に小さくできる。
又、本例の場合には、前記第一、第二のセンサ19a、20aを支持した前記センサキャップ41を、前記転がり軸受7aを構成する外輪27aに支持固定している為、この転がり軸受7aを利用して、この転がり軸受7aを構成する内輪28aに支持固定された前記第一のエンコーダ9aに対する前記第一のセンサ19aの位置決めを容易に図る事できる。この為、これら第一のエンコーダ9aと第一のセンサ19aとの位置関係を、容易に且つ厳密に規制する事ができる。又、本例の場合には、前記第二のセンサ20aに就いても、前記転がり軸受7aを利用して位置決めを図る事ができる。従って、前記第一、第二のセンサ19a、20aの検出部42a、42bと、前記第一、第二のエンコーダ9a、10a(特に内輪に支持された第一エンコーダ9a)の被検出面35、40との軸方向に関する隙間(アキシアル隙間)を、容易に且つ厳密に管理する事が可能になる。
又、本例の場合には、前記ハーネスを軸方向に引き出している為、前記センサユニット17aを取り付けた前記転がり軸受7aを、前記ハウジング24に内嵌固定する際に、前記ハーネスが邪魔にならずに済み、取り付け作業性が低下する事を防止できる。
又、前記第一のエンコーダ9aを、前記トルク伝達軸6aに比べて、寸法が小さく且つ重量の軽い前記転がり軸受7aを構成する内輪28aに取り付けている為、この第一のエンコーダ9aを、前記トルク伝達軸6aに直接取り付ける場合に比べて、この第一のエンコーダ9aの取り付け作業性を良好にする事ができる。更に、本例の場合には、前記トルク伝達軸6aの表面硬さをHV400以上とすると共に、表面炭素濃度を0.2%以上としている為、このトルク伝達軸6aの耐久性の向上を図れる。従って、本例のトルク測定装置付回転伝達装置5aを、自動車や風力発電装置等、特に耐久性が要求される用途に好ましく適用できる。しかも、本例の場合には、前記トルク伝達軸6aを前記1対の転がり軸受7a、7bにより回転自在に支持している為、滑り軸受により支持する構成を採用した場合に比べて、前記トルク伝達軸6aに作用する摩擦トルクを小さく抑えられる。この為、このトルク伝達軸6aが伝達するトルクを大きく確保できて、前記第一、第二のセンサ19a、20aの出力信号から得られるトルクの測定精度を良好にできる。
本発明のトルク測定装置付回転伝達装置を構成するトルク伝達軸は、自動車のパワートレインを構成する回転軸に限らず、例えば、風車の回転軸(主軸、増速器の回転軸)、圧延機のロールネック、鉄道車両の回転軸(車軸、減速機の回転軸)、工作機械の回転軸(主軸、送り系の回転軸)、建設機械・農業機械・家庭用電気器具・モータの回転軸等、各種機械装置の回転軸を対象にする事ができる。又、自動車のパワートレインを構成する場合には、例えば、トルクコンバータからトルクが入力されるインプットシャフト(タービンシャフト)や、カウンタシャフトを対象とする事ができる。又、本発明のトルク測定装置付回転伝達装置を組み込んで変速機を構成する場合の変速機の形式は、特に限定されず、オートマチックトランスミッション(AT)、ベルト式やトロイダル式等の各種無段変速機(CVT)、オートメーテッドマニュアルトランスミッション(AMT)、デュアルクラッチトランスミッション(DCT)、トランスファー等、車側の制御により変速を行う変速機を採用できる。又、変速機の設置位置と駆動輪との関係は特に限定されず、前置エンジン前輪駆動車(FF車)、前置エンジン後輪駆動車(FR車)、及び、四輪駆動車等が対象となる。又、測定した回転速度及びトルクは、変速制御やエンジンの出力制御以外の車両制御を行う為に利用しても良い。又、前記変速機の上流側に置かれる動力源は、必ずしもガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関である必要はなく、例えばハイブリッド車や電気自動車に用いられる電動モータであっても良い。又、本発明を実施する場合に、トルクを測定する事は必須であるが、回転速度を測定する事は必須ではない。回転速度が必要であっても、別途簡易な構造により測定する事もできる。
又、前記実施の形態では、第一エンコーダを構成する支持環を、転がり軸受を構成する内輪に支持した構造を例に説明したが、トルク伝達軸の軸方向他端部外周面に直接支持する(外嵌固定する)構成を採用しても良い。同様に、センサキャップを、転がり軸受を構成する外輪に代えて、ハウジングに対して支持固定する構成を採用しても良い。又、実施の形態の各例では、トルク伝達軸を回転自在に支持する為の転がり軸受として玉軸受を使用した場合に就いて説明したが、本発明を実施する場合には、深溝玉軸受、円すいころ軸受、ニードル軸受、円筒ころ軸受、アンギュラ玉軸受等、従来から知られた各種構造の転がり軸受を使用できる。
1 トルク伝達軸
2 エンコーダ
3 センサ
4 ハーネス
5、5a トルク測定装置付回転伝達装置
6、6a トルク伝達軸
7、7a、7b 転がり軸受
8、8a 内軸
9、9a 第一のエンコーダ
10、10a 第二のエンコーダ
11 支持環
12 支持環
13 エンコーダ本体
14 エンコーダ本体
15 被検出面
16 被検出面
17、17a センサユニット
18、18a センサホルダ
19、19a 第一のセンサ
20、20a 第二のセンサ
21 対向部
22 非対向部
23 隙間
24 ハウジング
25 入力歯車
26 出力歯車
27a、27b 外輪
28a、28b 内輪
29a、29b 転動体
30 大径部
31 支持環
32 エンコーダ本体
33 嵌合筒部
34 円輪部
35 被検出面
36 支持環
37 エンコーダ本体
38 嵌合筒部
39 円輪部
40 被検出面
41 センサキャップ
42a、42b 検出部
43 環状凹部
44a、44b キャップ素子
45 底部
46 外側筒部
47 内側筒部
48 挟持板部
49 外輪軌道
50 肩部
51 嵌合段差部

Claims (1)

  1. 使用時にトルクを伝達するトルク伝達軸と、
    このトルク伝達軸を使用時に回転しない部分に対し、回転自在に支持する為の転がり軸受と、
    それぞれの被検出面にS極とN極とが円周方向に関して交互に配置された永久磁石製で、前記トルク伝達軸に直接又は使用時にこのトルク伝達軸と同期して回転する部材に支持された1対のエンコーダと、
    前記1対のエンコーダの被検出面にそれぞれの検出部を対向させ、この検出部を通過する磁束密度に応じて出力信号を変化させる、使用時にも回転しない部分に支持された1対のセンサと、を備え、
    前記1対のエンコーダを、前記トルク伝達軸の軸方向1個所に隣接配置した、
    トルク測定装置付回転伝達装置であって、
    前記1対のセンサのそれぞれの検出部が、被検出面である前記1対のエンコーダの軸方向側面に対し、前記トルク伝達軸の軸方向に対向している、
    事を特徴とするトルク測定装置付回転伝達装置。
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