JP2019100665A - 地下熱交換装置及びその組立方法 - Google Patents
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Abstract
Description
地中に埋設される中空円筒状の筒体と、
前記筒体内に配置され、熱媒体のための往路及び復路を構成する地中熱採熱管と、
前記地中熱採熱管の往路及び復路を前記筒体に固定する固定部材と、を備え、
前記筒体は、前記筒体の軸線方向に延在するとともに前記地中熱採熱管よりも幅広のスリットを有し、
前記固定部材は、
前記地中熱採熱管の往路及び復路を把持可能な1対の把持部と、
前記1対の把持部を相互に連結する連結部と、
前記スリットに嵌合する嵌合部と、を有する。
前記固定部材は、前記保持部に連なる張出部を更に有し、
前記張出部は、前記筒体の外周面における前記スリットに隣接する領域に重ね合わされる。
前記筒体の外周面に取り付けられたスペーサを更に備え、
前記スペーサは、前記張出部と同心上に配置されている。
地中に埋設される筒体と、
前記筒体内に配置され、熱媒体のための往路及び復路を構成する地中熱採熱管と、
前記地中熱採熱管の往路及び復路を前記筒体に固定する固定部材と、を備え、
前記筒体は、前記筒体の軸線方向に延在するとともに前記地中熱採熱管よりも幅広のスリットを有し、
前記固定部材は、
前記地中熱採熱管の往路及び復路を把持可能な1対の把持部と、
前記1対の把持部を相互に連結する連結部と、
前記スリットに嵌合する嵌合部と、を有する、地下熱交換装置の組立方法であって、
縦孔内に前記筒体を下降させながら、前記筒体内に前記スリットを通じて前記地中熱採熱管を挿入するチューブ挿入工程と、
前記チューブ挿入工程と並行して間欠的に行われ、前記地中熱採熱管に取り付けられた前記固定部材の嵌合部を前記スリットに固定する固定部材取付工程と、
を備える。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
建造物3は、杭基礎5と、杭基礎5によって支持された上部構造7とを備えている。杭基礎5は、地中に立接された複数の杭9と、各杭9の杭頭部を囲むように設けられたパイルキャップ11と、パイルキャップ11を相互に繋ぐ基礎梁13とによって構成されている。
地下熱交換装置1は、互いに隣接する杭9間に位置し、地中に埋設されている。地下熱交換装置1は、必ず隣接する杭9間に設置されるものではなく、予め設計等によって決定された位置に設置される。
地下熱利用システム15は、例えば、杭基礎5上に配置された地上熱交換装置17と、地下熱交換装置1とを備え、地下熱交換装置1は地盤に形成された縦孔19内に設置されている。地下熱交換装置1と地上熱交換装置17とは流体的に接続されており、地下熱交換装置1は、地上熱交換装置17から受け取った熱を地下に放出し、あるいは、地下から得た熱を地上熱交換装置17に渡す。地上熱交換装置17は、例えば上部構造7の空調システム(不図示)に接続されており、上部構造7の冷房又は暖房のために用いられる。
なお、地中熱採熱管25の長さに応じて、複数の筒体21が連結されていてもよい。この場合、複数の筒体21は、スリット27が相互に連通するように連結される。筒体21は、筒体21同士を連結するためのフランジやネジ部を有していてもよい。
熱媒体は、図示しないポンプにより地中熱採熱管25の直線部29によって構成される往路及び復路を順に流れ、この間に、地下に熱を放出し、あるいは地下から熱を奪う。そして、熱媒体は、地上熱交換装置17にて、地下へ放出するべき熱を吸収し、あるいは地下からの熱を放出する。
1対の把持部31は、地中熱採熱管25の直線部29、すなわち往路及び復路をそれぞれ把持可能である。把持部31は、例えば平面視にてU字形状を有し、直線部29を相対変位不能に把持可能である。
連結部33は、1対の把持部31を相互に連結している。例えば、連結部33は長方形の板形状を有し、連結部33の両端に1対の把持部31が連なっている。
嵌合部35は、スリット27に嵌合可能であり、筒体21の軸線方向での固定部材23の変位を規制する。例えば、嵌合部35は連結部33と一体に設けられ、弾性的にスリット27と嵌合可能である。
固定部材23は、例えば金属製であり、1対の把持部31、連結部33及び嵌合部35が一体に形成されている。
筒体吊り下げ工程S1程では、予め掘削された縦孔19の上方に、筒体21を吊り下げる。
チューブ挿入工程S2では、吊り下げられた筒体21を連続的又は間欠的に縦孔19内に下降させながら、地上にいる作業者が、地上付近にある筒体21の部分に、スリット27を通じて地中熱採熱管25を挿入する。つまり、筒体21の下降に合わせて、地中熱採熱管25を筒体21内に連続的又は間欠的に挿入する。
固定部材取付工程S3では、作業者が、固定部材23の把持部31に地中熱採熱管25を取り付け、地中熱採熱管25とともに固定部材23の把持部31及び連結部33を筒体21内に挿入し、固定部材23の嵌合部35をスリット27に嵌合させる。
かくして、筒体21を下降させながらスリット27を通じて地中熱採熱管25を筒体21内に挿入するとともに、所定間隔で固定部材23によって地中熱採熱管25を筒体21に対して固定することで、地下熱交換装置1が組み立てられる。なお筒体21の下降中、必要に応じて筒体21は継ぎ足される。
なお、上述した組立方法では、筒体21を下降させながら、地中熱採熱管25に固定部材23を取り付けたが、この組立方法に限定されるものではなく、筒体21を下降させる前に、予め地中熱採熱管25に全ての固定部材23を取り付ける方法を用いても良いし、地中熱採熱管25及び固定部材23を筒体21に取り付けた後に筒体21を吊り下げながら縦孔19内に挿入する方法を用いても良い。
図9は、他の実施形態に係る地下熱交換装置40の概略的な横断面図である。図10は、地下熱交換装置40の概略的な縦断面図である。
図9及び図10に示したように、地下熱交換装置40では、筒体21に他のスリット42が形成されている。スリット42は、スリット27の180度反対側に位置し、筒体21の軸線方向に所定の長さを有する。
一方、地下熱交換装置40に用いられる固定部材44は、地下熱交換装置1の固定部材23よりも長く、1対の把持部46のうち、嵌合部35と反対側に位置する把持部46は、スリット42に挿入される。つまり、スリット42は、把持部46を受け入れ可能な大きさを有し、筒体21の軸線方向での把持部46の変位を規制可能である。
図11〜図13に示したように、固定部材52は4つの把持部54を有している。4つの把持部54は、筒体21の軸線の周りに略90度間隔で配置され、3つの連結部56によって相互に接続されている。
連結部56は、図13に示すように弾性変形可能であり、連結部56を弾性変形させた状態で4つの把持部54をスリット57を通じて筒体21内に挿入可能である。なお、この場合、スリット57の幅は、4つの把持部54を通すために上記各実施形態で示したスリット27よりもやや大きく形成され、これに合わせて嵌合部58の幅も拡大されている。
また、図11に示すように、2本(2対)の地中熱採熱管25が、筒体21の内周面に近接する位置に設けられているため、限られた筒体21の大きさにおいて、2本(2対)の地中熱採熱管25同士を最大限離間させることができる。このため、ショートサーキットの問題の発生をより適切に抑制することが可能となる。
地下熱交換装置60は、筒体21の外周面に取り付けられたスペーサ61を更に備えている。スペーサ61は、縦孔19の中心に対し筒体21の中心を合わせる調心機能を有する。
また、スペーサ61は、例えば平面視にて扇形状を有し、地下熱交換装置60の固定部材62の張出部64と同心上に配置されている。
筒体21の径方向におけるスペーサ61の厚さと張出部64の厚さは同一であり、張出部64も縦孔19の中心に対し筒体21の中心を合わせる調心機能を有する。
上記構成によれば、スペーサ61及び張出部64によって、筒体21と縦孔19との局所的な摺動を回避することができ、地下熱交換装置60を縦孔19内に設置可能である。
また、縦孔19の中心に対して筒体21の中心を合わせる調心機能を有することで、縦孔19の内周面と筒体21の外周面の距離を全周にわたって一定に保つことができる。これにより、縦孔19の内周面と筒体21の外周面の間を通過する地下水の流量や存在する地下水量を周方向において略同一にすることができる。
スペーサ61が無くて縦孔19の中心に対して筒体21の中心が偏心している場合には、例えば、往路側の地中熱採熱管25が縦孔19の内周面近傍に配置されるとともに復路側の地中熱採熱管25が縦孔19の内周面から離れて配置される場合がある。係る場合には、往路側の熱交換効率が著しく低下して所望の熱交換容量を得られないおそれがある。
しかしながら、本実施形態ではスペーサ61を備えることにより、縦孔19の内周面と筒体21の外周面の距離を全周にわたって一定に保つことができるため、所望の熱交換容量を得ることができて良好な熱交換効率を達成可能である
なお、張出部64に調心機能を持たせる場合は、持たせない場合に比べて張出部64は厚く形成される。
上述した各実施形態では、地中熱採熱管25は、1本の往路と、当該往路に連続した1本の復路とからなる構造としたが、これに限定されるものではなく、例えば1本の往路と、当該往路の下端から複数に分岐させた複数本の復路とからなる構造としても良い。
また、上述した各実施形態では、熱媒体を縦孔内に供給するものとして地中熱採熱管25を用いた場合について説明したが、これに限定されることはなく、鋼管等を用いても良い。なお、地中熱採熱管2として鋼管を用いた場合、固定部材23,44によって、筒体21内で鋼管が傾くことを防止でき、往路を構成する鋼管と復路を構成する鋼管が接近してショートサーキットが発生することを防止することができる。
3 建造物
5 杭基礎
7 上部構造
9 杭
11 パイルキャップ
13 基礎梁
15 地下熱利用システム
17 地上熱交換装置
19 縦孔
21 筒体
23,44,52,62 固定部材
25 地中熱採熱管
27,57 スリット
29 直線部
30 折返部
31,46,54 把持部
33,56 連結部
35,58 嵌合部
37,64 張出部
42 スリット
61 スペーサ
Claims (4)
- 地中に埋設される中空円筒状の筒体と、
前記筒体内に配置され、熱媒体のための往路及び復路を構成する地中熱採熱管と、
前記地中熱採熱管の往路及び復路を前記筒体に固定する固定部材と、を備え、
前記筒体は、前記筒体の軸線方向に延在するとともに前記地中熱採熱管よりも幅広のスリットを有し、
前記固定部材は、
前記地中熱採熱管の往路及び復路を把持可能な1対の把持部と、
前記1対の把持部を相互に連結する連結部と、
前記スリットに嵌合する嵌合部と、を有する
ことを特徴とする地下熱交換装置。 - 前記固定部材は、前記把持部に連なる張出部を更に有し、
前記張出部は、前記筒体の外周面における前記スリットに隣接する領域に重ね合わされる
ことを特徴とする請求項1に記載の地下熱交換装置。 - 前記筒体の外周面に取り付けられたスペーサを更に備え、
前記スペーサは、前記張出部と同心上に配置されている
ことを特徴とする請求項2に記載の地下熱交換装置。 - 地中に埋設される筒体と、
前記筒体内に配置され、熱媒体のための往路及び復路を構成する地中熱採熱管と、
前記地中熱採熱管の往路及び復路を前記筒体に固定する固定部材と、を備え、
前記筒体は、前記筒体の軸線方向に延在するとともに前記地中熱採熱管よりも幅広のスリットを有し、
前記固定部材は、
前記地中熱採熱管の往路及び復路を把持可能な1対の把持部と、
前記1対の把持部を相互に連結する連結部と、
前記スリットに嵌合する嵌合部と、を有する、地下熱交換装置の組立方法であって、
前記地中に形成された縦孔内に前記筒体を下降させながら、前記筒体内に前記スリットを通じて前記地中熱採熱管を挿入するチューブ挿入工程と、
前記チューブ挿入工程と並行して間欠的に行われ、前記地中熱採熱管に取り付けられた前記固定部材の嵌合部を前記スリットに固定する固定部材取付工程と、
を備えることを特徴とする地下熱交換装置の組立方法。
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---|---|---|---|
JP2017234405A JP6993568B2 (ja) | 2017-12-06 | 2017-12-06 | 地下熱交換装置及びその組立方法 |
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CN111426084A (zh) * | 2020-04-10 | 2020-07-17 | 河南省有色工程勘察有限公司 | 中深层高效换热地热井系统 |
WO2023157259A1 (ja) * | 2022-02-18 | 2023-08-24 | 三菱自動車工業株式会社 | 蓄電設備及び蓄電設備の構築方法 |
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JP2011237007A (ja) * | 2010-05-12 | 2011-11-24 | Daikin Industries Ltd | ダクト継手およびダクト構造 |
JP2013253743A (ja) * | 2012-06-07 | 2013-12-19 | Jfe Steel Corp | 地中熱交換器 |
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2017
- 2017-12-06 JP JP2017234405A patent/JP6993568B2/ja active Active
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