JP6952582B2 - パイプ保持スペーサー - Google Patents

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Description

本発明は、地中熱交換用のパイプを保持するためのスペーサーに関し、詳細には、作業性に優れ且つ地中熱交換用のパイプを強固に保持することができるスペーサーに関する。
地中の温度は、年間を通して10〜15℃とほぼ一定であり、外気温に比べると、夏は低く、冬は高くなっている。この外気との温度差に着目し、地中に熱交換器を埋設して地中熱を採熱し、熱源として利用することが行われている。
地中熱利用技術は、地中においてほぼ一定である地中熱を利用して熱交換を行うものである。冬には高温エネルギーとして地中熱を採熱し、暖房用熱源または融雪用熱源等に利用することができる。また、夏には地中熱を低温エネルギーとして冷房用途等に利用することができる。地中熱は大気よりも温度が安定していて効率的な熱源であり、かつ二酸化炭素の発生の少ない熱源である。そのため、地中熱利用システムは、省エネルギーで地球環境に優しいシステムとして普及が期待されている。
地中熱利用システムとして、地中に垂直に熱交換チューブを設置した垂直埋設方式が知られている。この方式では、例えば十数mm径の鋼製U字管やプラスチック製U字管を、地表から下方に掘削された垂直な削孔に挿入して周りを土質材料(グラウト材)で充填する。この方式には、設置のために占有する地表面積が小さく、また地表面のヒートロスが少ないという利点がある。
例えば特許文献1には、垂直埋設方式において、平行な直管部分の下端部同士を連通したU字管を用いることが提案されている。しかしながら、垂直埋設方式において地中熱を効率よく利用するためには、地中深くまで熱交換チューブを埋設する必要があり、埋設のための削孔深度は数十m〜約100mの深さが必要であった。そのため、U字管の長さも数十m〜約100m必要であった。
また、出願人は先に特許文献2において、高い熱交換効率を実現しながら削孔深度を浅くする地中熱交換器として、地面から鉛直下方に形成された熱交換領域において、循環流体を対地熱交換させる流体路として、循環流体を地表側から地中へ向けて流す往路と、その往路を通過した流体を地中から地表側へ向けて流す復路を有する樹脂製流体路を、少なくとも3つ用いて形成されている地中熱交換構造を備えている地中熱交換器を提案している。特許文献2の地中熱交換器によれば、掘削深度を浅くすることができるが、それでも掘削深度は数十mほどある。そのため、樹脂製流体路の長さも数十m必要であった。
このように垂直埋設方式により地中熱を利用するにあたっては、長い地中熱交換用パイプを削孔に埋設する必要がある。長いパイプを深い削孔に挿入する際、パイプには揺れやねじれ等に起因する応力が加わり、パイプ同士を適切な距離に保持しながら挿入することが難しい。パイプの位置がずれ、パイプ間距離が過度に短くなると、熱交換効率が低下するショートサーキットの問題につながることもある。
そのため、パイプ保持スペーサーを使ってパイプを正しい位置に保持することが広く行われている。パイプ保持スペーサーは、パイプに一定間隔ごとに取り付けられて使用される。例えば長さ30mのパイプに1.5m間隔で取り付けるのであれば、合計20個のスペーサーが必要である。
パイプ保持スペーサーとして、例えば特許文献3に、削孔内に挿入され、管軸方向が鉛直方向に沿った3本以上の管を有する地中熱交換器の、該3本以上の管の各々を支持する3つ以上の支持部を有し、前記支持部は、前記3本以上の管の各々を、法線方向が前記鉛直方向である仮想円の円周上に保持する保持部材が開示されている。
特開平11−182943号公報 特開2014−185822号公報 特開2014−70697号公報
特許文献3の保持部材は、パイプを削孔に挿入する際に取り付けねばならず、上記の例のように30mのパイプに1.5m間隔で取り付けるのであれば、20回もの取り付け作業を繰り返す必要がある。挿入作業において、パイプは、削孔内の泥水を抜きながら、また、浮力で浮いてこないように強い力をかけながら、削孔に押し込まなければならず、更に場合によってはパイプについた巻きグセを直しながら押し込まなければならないところ、特許文献3の保持部材は、複数回の取り付け作業まで発生させるので、作業性に劣っていた。更に、保持強度に関しても改善の余地があった。
従って、本発明の目的は、作業性に優れ且つ地中熱交換用のパイプを強固に保持することができるパイプ保持スペーサーを提供することである。
本発明によれば、複数の地中熱交換用のパイプを保持するための、熱可塑性樹脂製のパイプ保持スペーサーであって、
無端状の枠体からなり、
該枠体には、複数の挿入孔が所定の間隔で貫通しており、
前記複数の挿入孔のうち少なくとも2つは、前記パイプを挿入するための挿入用凹部と、前記パイプを固定するための固定用凹部とが連結した孔であり、
前記固定用凹部の開口は、前記挿入用凹部の開口と一致しており、且つ、前記パイプの外径より小さい幅を有しており、
前記固定用凹部は、平面視で円弧状の湾曲面と、該湾曲面に連なる2つの側面により形成されているか、または、平面視で円弧状の湾曲面により形成されており、
前記固定用凹部における湾曲面の曲率半径が、前記パイプの外面における半径rより小さいことを特徴とするパイプ保持スペーサーが提供される。
前記固定用凹部における湾曲面の曲率半径が、前記半径rより0.1〜0.5mm小さい前記パイプ保持スペーサーは、本発明の好ましい態様である。
前記固定用凹部の開口が、前記パイプの外径の90〜99%の幅を有している前記パイプ保持スペーサーは、本発明の好ましい態様である。
前記固定用凹部が、平面視で円弧状の湾曲面と、該湾曲面に連なる2つの側面により形成されており、
前記2つの側面が、前記湾曲面から前記枠体の径方向内方に向かって互いに略平行に延びている平行領域と、該平行領域より前記枠体の径方向内方に位置し、互いに漸次近づくように前記枠体の径方向内方に向かって伸びている非平行領域とからなる前記パイプ保持スペーサーは、本発明のより好ましい態様である。
平面視して前記2つの側面の内端が、直径が前記パイプの外径より0.1〜0.5mm大きく且つ中心が前記湾曲面を平面視した円弧の中心と一致している仮想円上に位置している前記パイプ保持スペーサーは、本発明の更に好ましい態様である。
尚、本明細書において「パイプの外面における半径r」および「パイプの外径」は、スペーサー挿入時等における撓みや巻グセが無い状態で測定される値を意味する。
本発明のパイプ保持スペーサーはパイプを通すための挿入孔を有しているが、そのうち少なくとも2つが、挿入用凹部と固定用凹部が連結して形成されたひょうたん型挿入孔となっているため、予め挿入用凹部側にパイプを通しておき、そのパイプを固定用凹部にスライドさせるだけで、簡単に且つ強固にパイプを固定させることができる。
本発明のパイプ保持スペーサーの一例を示す、上から平面視したときの概略平面図である。 図1に示されたスペーサーにおける固定用凹部の形状を示す概略部分拡大平面図である。 挿入用凹部の他の形状を示す概略部分拡大平面図である。 固定用凹部の他の形状を示す概略部分拡大平面図である。 本発明のパイプ保持スペーサーの他の例を示す概略平面図である。 本発明のパイプ保持スペーサーの使用方法を説明するための写真である。
本発明は、地中熱交換用のパイプを保持するためのスペーサーに関する。
本発明のパイプ保持スペーサーは、熱可塑性樹脂製である。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル;ポリアミド;等の公知の樹脂を用いればよいが、ポリオレフィンが好ましく、ポリエチレンおよびポリプロピレンがより好ましく、ポリエチレンが特に好ましい。
図1には、本発明のスペーサーの一例が示されている。本発明のスペーサー1は、全体として、無端状の枠体2にパイプを通すための挿入孔3が所定の間隔で複数貫通した構造を有する。
挿入孔3の数は、保持するパイプの数に応じて決めればよい。例えば、特許文献2に開示されているように往路と復路を有するU字管を保持する場合であれば、同一の削孔に埋設するU字管の本数の少なくとも2倍の数の挿入孔3を設ける必要がある。
尚、本発明においては、必ずしも全ての挿入孔3にパイプを通す必要はなく、挿入孔3の数が多ければ、過剰分の挿入孔3にはパイプを通さなくてもよい。しかし、挿入孔3が多すぎると、パイプ間距離が短くなり、熱交換効率が低下する虞があるので、必要な数だけ設けておくほうが好ましい。
好適な挿入孔3の数は、6個以上、特に6〜10個である。
隣り合う挿入孔の間の距離は、熱交換効率やパイプの大きさ、枠体の大きさ等を考慮して適宜決定すればよい。また、挿入孔3は、枠体2に略等間隔で設けてもよく、非等間隔で設けてもよい。例えば、保持対象となるパイプが往路と復路を有するU字管の場合、復路用の挿入孔を密集させ、往路用の挿入孔同士の間の距離を広くとることも考えられる。通常は、略等間隔で挿入孔3を設けることが好ましい。
本発明では、挿入孔3のうち少なくとも2つは、パイプを挿入するための挿入用凹部4と、パイプを固定するための固定用凹部5とが一体となって連結した孔である。図1では、挿入用凹部4は、枠体の径方向内側に位置し、固定用凹部5は外側に位置している。また、挿入用凹部4は、パイプを簡単に通すことができ、通したパイプをその軸方向上下に自由に動かすことができるだけの大きさを有する。一方、固定用凹部5は、パイプの外面に密着する程度の大きさを有しており、そのため、挿入用凹部4に比べると小さな凹部となっている。かかる構造を有する挿入孔を、ひょうたん型挿入孔3´と呼び、かかる構造を有さない挿入孔を、他の挿入孔3´´と呼ぶ。図1では、ひょうたん型挿入孔3´は4つ設けられている。
本発明においては、全ての挿入孔をひょうたん型挿入孔3´としてもよく、一部の挿入孔をひょうたん型挿入孔3´としてもよい。尚、ひょうたん型挿入孔3´の挿入用凹部4に通したパイプは必ずしも固定用凹部5にスライドさせずともよく、作業時間等の条件に応じて、必要な数のパイプを固定用凹部5にスライドさせればよい。
図1では、挿入用凹部4は、曲面6aと、かかる曲面6aに一体となって連なる2つの内方壁面6bと、かかる内方壁面6bに一体となって連なる2つの外方壁面6cとで形成された凹部である。
曲面6aは、平面視して枠体径方向内方に凸の円弧状であり、且つ、水平面に対して略直角にまたは若干鋭角に立ち上がった面である。
図1のように上から平面視したときの曲面6aの曲率半径は、パイプの外面における半径rより大きく、好適には2〜10mm大きい。曲率半径が小さすぎると、パイプを通しづらい、通したパイプを上下に動かしづらい等の不都合が生じる虞がある。曲率半径が大きすぎると、パイプの丸みが曲面に沿わないので、パイプが枠体周方向に動きやすくなり安定性が損なわれる虞がある。
曲面6aは、平面視して、中心角が140〜200度となる円弧であることが好ましい。中心角が小さすぎると、パイプを通すために必要な幅を確保しづらくなる虞がある。中心角が大きすぎると、パイプが枠体周方向に大きく動き、安定性が損なわれる虞がある。
内方壁面6bは、水平面に対して略直角にまたは若干鋭角に立ち上がっている面であり、平面視して枠体径方向外方に向かって互いに徐々に近づく直線状をしている。
2つの内方壁面6b、6bによって形成される角度は、前記した曲面6aの形と後述の固定用凹部の開口の大きさのバランスによって決定され、通常は30〜80度が好ましい。
内方壁面6bの枠体径方向長さは、特に制限はないが、通常は6〜12mmが好ましい。
外方壁面6cも、平面視して枠体径方向外方に向かって互いに徐々に近づく直線状であり、水平面に対して略直角にまたは若干鋭角に立ち上がっている面である。外方壁面6cは、挿入用凹部4から固定用凹部5にパイプをスライドさせるときのガイドとしての役割を有する。
そのため、2つの外方壁面6c、6cは、前述した2つの内方壁面6b、6bよりも緩やかな角度で互いに近づきながら伸びている。具体的には、2つの外方壁面6c、6cで形成する角度は、前述した2つの内方壁面6b、6bで作る角度よりも小さく、好適には5〜15度である。
外方壁面6cの枠体径方向長さは、8〜14mmが好ましい。外方壁面が短すぎるとガイドとしての役割を十分に果たせない虞がある。長すぎると、スライドに時間がかかる虞がある。
固定用凹部5は、挿入用凹部4からスライドしてきたパイプを嵌合させて強固に保持するために設けられている。図2は、図1に示されるスペーサーにおける固定用凹部5の概略部分拡大平面図である。
図2において、点xと点xの間が固定用凹部5の開口である。固定用凹部5の開口は、挿入用凹部4の開口と一致している。両矢印で表されている開口の幅は、パイプの抜けにくさの観点からパイプの外径より小さくなっており、パイプの抜けにくさと嵌合しやすさのバランスの観点から、パイプの外径の90〜99%が好ましく、95〜99%がより好ましい。
図2に示す態様では、固定用凹部5は、湾曲面7aと2つの側面7b、7bにより形成されている。
湾曲面7aは、パイプの外形に沿うように、平面視で枠体径方向外側に凸の円弧状であり、水平面に対して略直角にまたは若干鋭角に立ち上がっている面である。
湾曲面7aの曲率半径は、パイプの外面における半径rより小さく、パイプの抜けにくさと嵌合しやすさのバランスの観点から、半径rより0.1〜0.5mm小さいことが好ましい。
湾曲面7aの円弧の中心角θも、パイプの抜けにくさと嵌合しやすさのバランスの観点から、180度より大きく220度以下であることが好ましい。
2つの側面7b、7bは、湾曲面7aに連なっており、水平面に対して略直角にまたは若干鋭角に立ち上がっている面である。2つの側面7b、7bは、湾曲面7aの端から枠体径方向内方に向かって互いに略平行に延びる平行領域7b´、7b´を有していることが好ましい。
平行領域7b´を設けると、パイプを固定用凹部5に嵌合させたときに、パイプ外面が固定用凹部5の内面に過度に密着することを防ぎ、それによって、固定用凹部5からのパイプの抜けをより確実に防ぐことができる。詳述すると、地下の削孔に挿入する際、パイプにはあらゆる方向に揺れが生じる。仮に固定用凹部を曲面7aのみで形成していると、パイプと固定用凹部が密着しているので、揺れが生じたときに、その揺れを吸収するだけの逃げがない。その結果、せっかく固定したパイプが固定用凹部から外れる場合が出てくる。しかし、湾曲面7aに側面7bの平行領域7b´を連結させると、湾曲面7aとパイプは密着しても、側面7bとパイプとは、間に隙間ができるなどしてあまり密着しない。そのため、作業時に生じる揺れが、側面7bとパイプの間の逃げに吸収され、より確実にパイプを固定用凹部5に保持することができる。
更に、側面7bは、平行領域7b´より枠体径方向内方に位置し、平行領域7b´から互いに漸次近づくように枠体径方向内方に向かって伸びる非平行領域7b´´を有することが好ましい。非平行領域7b´´は、パイプを固定用凹部5から挿入用凹部4にスライドさせて外したくなったときに、パイプを抜きやすくするガイドの役割を有するからである。詳述すると、パイプは、基本的には固定用凹部5に嵌合された後は外さないのであるが、固定位置を間違えたときやパイプを修理・交換する必要が生じたとき等には、固定用凹部5から外さなくてはならない。そうしたときに、非平行領域7b´´がガイドとなるので、パイプが固定用凹部5にしっかりと保持されているにも関わらず簡単にパイプを外すことができる。
上述の通り図2に示す側面7bは、作業時の揺れを吸収してパイプをより強固に保持する役割とパイプ解放時のガイドの役割とを有するのであるが、揺れ吸収のための逃げを十分に確保し、同時に、非平行領域7b´´がガイドとして十分に機能できるようにする観点から、平面視して、2つの側面7b、7bの、枠体径方向内側に位置する内端x、xが、直径がパイプの外径より0.1〜0.5mm大きく且つ中心が湾曲面7aを平面視した円弧の中心と一致している仮想円(図2では二点鎖線で表されている)上に位置していることが好ましい。
平行領域7b´の長さは、作業時の揺れを吸収する効果を最大限に付与する観点から、1.5〜4.5mmが好ましい。
2つ非平行領域7b´´、7b´´で作る角度は、パイプ解放時のガイドの役割を十分に発揮する観点から、30〜70度が好ましい。
本発明のスペーサーにおいては、全ての挿入孔3をひょうたん型挿入孔3´とすることもできるが、他の挿入孔3´´を設けることもできる。他の挿入孔3´´は、パイプを簡単に通すことができ、且つ、垂直方向に自在に動かすことができるだけの大きさを有していればよい。また、その形に特に制限はなく、円形、楕円形、多角形等任意の形とすればよい。
本発明において、無端状の枠体2は、前述した挿入孔3が貫通できる限り、種々の形とすることができる。
枠体2は、全体として、円形、楕円形、多角形等の任意の形のリング状であるが、パイプ同士の距離を均等に保ちやすいという観点から、円形のリング状が好ましい。
更に、無端状枠体2の外周面2aと内周面2bの間の幅がひょうたん型挿入孔3´の枠体径方向長さ以上且つ他の挿入孔3´´の枠体径方向長さ以上となるように、外周面2aを、内周面2bと同心同形で内周面2bより大きくしてもよい。例えば、内周面2bを円形とし、外周面2aを、内周面2bと同心であり且つ内周面2bより大径の円形としてもよい。
しかし、樹脂量を減らすためには、図1に示すように、外周面2aと内周面2bの間の幅を、強度が確保できる程度に薄肉とすることが好ましく、例えば挿入孔同士をつなぐ連結部分の幅を3〜50mmとすることが好ましい。このとき、ひょうたん型挿入孔3´の挿入用凹部4の周囲は、その形状に沿って枠体を部分的に径方向内方に突出させてよい。固定用凹部5の周囲も、その形状に沿って枠体を径方向外方に部分的に突出させてよい。同様に、他の挿入孔3´´の周囲も、その形状に沿って枠体を径方向内に突出させてよく、また、径方向外方に突出させてよい。
樹脂量をより減らしたい場合には、枠体の所望の部分に肉盗みと呼ばれる溝を設けるとよい。
枠体2の突出させた部分には、図1に示されているように、金型離型時の突出しピン用のリブ8を設けることがある。
枠体2の大きさは、削孔の大きさやパイプの本数等の条件に応じて適宜決定されるが、一般的には、枠体2の外周の円相当径(直径)が20〜30cmであることが好ましい。図1のように枠体に径方向外方に突出した部分が存在する場合、非突出領域の外周で測定する円相当径が前記範囲内に含まれるとよい。
枠体2の垂直方向厚みは、枠体の強度や樹脂量等を考慮して適宜決定され、通常は、5〜20mmである。
枠体2は、安定性付与のために、底面に向かうにつれて、枠体径方向幅を徐々に増やしてもよい。
枠体2においては、作業者の手へのあたりを優しくするために、各連結部位や各角部に丸みをつけてもよい。
本発明のスペーサーは、図1に表された態様に限定されるものではなく、その効果を発揮できる限りにおいて種々の設計変更を施すことができる。
例えば、挿入用凹部4は、図1に示された形状に限定されず、その内部にパイプを通し垂直方向に自在に動かすことができる限り、他の形状であってもよい。図3は、挿入用凹部4の他の形状を表す概略部分拡大平面図である。この図3に示されているように、内方壁面6bを設けずに、替わりに曲面6aを図1の態様よりも中心角の大きな円弧とし、曲面6aに外方壁面6cを連結させてもよい。
図4は、固定用凹部5の他の形状を表す概略部分拡大平面図である。パイプの揺れを吸収する効果をあまり重要視しないのであれば、図4(a)に示されるように、側面7bに平行領域7b´を設けない態様としてもよい。あるいは、図4(b)に示されるように、固定用凹部5を湾曲面7aのみで構成してもよい。
図1では、ひょうたん型挿入孔3´´において挿入用凹部4を枠体径方向内側に、固定用凹部5を枠体径方向外側に配置したが、この配置にとらわれず、挿入用凹部を外側に、固定用凹部を内側に配置してもよい。
更に、地中熱利用システムにおいては、その効果を確認するために、削孔に温度計を挿入する場合がある。かかる場合に備えて、スペーサーに温度計挿入孔を設けてもよい。図5は、本発明のパイプ保持スペーサーの他の例を示す概略平面図である。図5のスペーサーは、温度計挿入孔9が設けられている点において図1に示すスペーサーと相違している。
温度計挿入孔9は、リング部10の内面に囲まれた領域に形成される孔である。
温度計挿入孔9は、温度計を通すことができる程度の大きさが確保できる限り、任意の形をしていてよく、例えば円形、楕円形、多角形等の形をしてよい。
リング部10は、枠体2から伸びるアーム11によって支持されている。アーム11の数は任意である。枠体2におけるアーム11の位置も任意である。
図5のように、アーム11を複数本設け、うち2本を接近させると、特開2017−101867に記載されているようにU字パイプの往路または復路のどちらか一方を挿入孔3に通し、他方を束ねて、2本のアーム11,11によって形成される領域Yにこれを挿入することができる。
本発明のスペーサーは、押出成形等の公知の方法により製造することができる。
本発明のスペーサーに挿入および固定するパイプに特に制限はなく、地中熱交換用パイプとして公知のものを広く用いることができる。通常は、外径が10〜24mmであり、特に13〜21.5mmのものを用いることが好ましい。また、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂製のパイプを用いることが好ましい。
本発明のパイプ保持スペーサーは、例えば図6に示されるようにして使用される。即ち、図6(a)に示されるように、まず、複数のパイプを用いて地中熱交換器を作製し、使用する全てのスペーサーの挿入孔にパイプを通しておく。ひょうたん型挿入孔においては、挿入用凹部のほうに通しておく。次いで、パイプを削孔に送っていく。一定の長さを送ったところで、図6(b)に示されるように、一番下方に位置するスペーサーのひょうたん型挿入孔において、パイプを、挿入用凹部から固定用凹部にスライドさせる。これにより、この一番下方のスペーサーにパイプが固定される。次いで、一番下方のスペーサーごとパイプを削孔に送る。一定の長さを送ったところで、残りのスペーサーのうち一番下方のスペーサーにパイプを固定する。パイプを送る作業とスペーサーにパイプを固定する作業を繰り返すことで、パイプの位置を正しく保持しながら削孔にパイプを挿入することができる。
このように、本発明のパイプ保持スペーサーは、パイプ埋設作業時にはパイプを挿入用凹部から固定用凹部にスライドさせる動作を繰り返すだけでよいので作業性に優れている。しかも、固定用凹部の形状に起因してパイプを強固に保持することができる。
1.パイプ保持スペーサー 2.枠体 2a.外周面
2b.内周面 3.挿入孔 3´.ひょうたん型挿入孔
3´´.他の挿入孔 4.挿入用凹部 5.固定用凹部
6a.曲面 6b.内方壁面 6c.外方壁面
7a.湾曲面 7b.側面 7b´.平行領域
7b´´.非平行領域 8.リブ 9.温度計挿入孔
10.リング部 11.アーム

Claims (5)

  1. 複数の地中熱交換用のパイプを保持するための、熱可塑性樹脂製のパイプ保持スペーサーであって、
    円形のリング状の枠体からなり、
    該枠体には、複数の挿入孔が所定の間隔で貫通しており、
    前記複数の挿入孔のうち少なくとも2つは、前記パイプを挿入するための挿入用凹部と、前記パイプを固定するための固定用凹部とが連結した孔であり、
    前記固定用凹部の開口は、前記挿入用凹部の開口と一致しており、且つ、前記パイプの外径より小さい幅を有しており、
    前記固定用凹部は、平面視で円弧状の湾曲面と、該湾曲面に連なる2つの側面により形成されているか、または、平面視で円弧状の湾曲面により形成されており、
    前記固定用凹部における湾曲面の曲率半径が、前記パイプの外面における半径rより小さいことを特徴とするパイプ保持スペーサー。
  2. 前記固定用凹部における湾曲面の曲率半径が、前記半径rより0.1〜0.5mm小さい、請求項1に記載のパイプ保持スペーサー。
  3. 前記固定用凹部の開口が、前記パイプの外径の90〜99%の幅を有している、請求項1または2に記載のパイプ保持スペーサー。
  4. 前記固定用凹部が、平面視で円弧状の湾曲面と、該湾曲面に連なる2つの側面により形成されており、
    前記2つの側面が、前記湾曲面から前記枠体の径方向内方に向かって互いに略平行に延びている平行領域と、該平行領域より前記枠体の径方向内方に位置し、互いに漸次近づくように前記枠体の径方向内方に向かって伸びている非平行領域とからなる、請求項1〜3の何れかに記載のパイプ保持スペーサー。
  5. 平面視して前記2つの側面の内端が、直径が前記パイプの外径より0.1〜0.5mm大きく且つ中心が前記湾曲面を平面視した円弧の中心と一致している仮想円上に位置している、請求項4に記載のパイプ保持スペーサー。
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