JP6161914B2 - 地中熱交換器の設置工法とその設置装置 - Google Patents

地中熱交換器の設置工法とその設置装置 Download PDF

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Description

本発明は、地中に埋設して熱交換を行なう地中熱利用システムにおける地中熱交換器の設置工法とその設置装置に関する。更に詳しくは地中熱交換器を錘体の自重のみで高比重・高粘性流体内に設置、固定できる地中熱交換器の設置工法とその設置装置に関する。
建造物あるいは土木関係の基礎として使用される杭あるいは掘削孔等に地中熱交換器を埋設させて地中熱交換を行なうことは従来から知られている。地中は外気に比し温度変化が少なく、このため外気との温度差による地中の熱エネルギーを利用するために地中熱交換器を使用している。即ち、地中は一種の蓄熱体の機能を有している。地中熱交換器を地中に埋設するためには、掘削工事が欠かせない。
このため例えば掘削の伴う杭設置工事の際同時に地中熱交換器の設置が行なわれることがある。これに使用される地中熱交換器はチューブ式あるいはパイプ式と称されているもので、ステンレス製のU字管あるいはポリエチレン等のプラスチック製のU字管(Uチューブ)である。この地中熱交換器を複数セットで杭孔に埋設し、周囲をグラウト材で充填し杭を構築しながら地中熱交換器を設置する。
その設置例として、中空部を有する削孔鋼管と離脱可能な先端鋼管を有し、掘削孔の底部に達したとき削孔鋼管の中空部内に地中熱交換器を挿入し先端鋼管に結合させ、その後削孔鋼管を切り離して地上に回収し地中熱交換器を掘削孔に設置する工法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この工法は設置段階で削孔鋼管を回転させる動作を必要とし、最終的に地中熱交換器を切り離された先端鋼管とともにクラウド材の充填で掘削孔に設置するものである。
又、中空杭体の中空部に地中熱交換器用パイプが付設されたもので、このパイプの浮上を防止する浮上防止手段を設けているものが開示されている(例えば、特許文献2参照)。更に、根固めされた後の既製杭体に設置されるもので、この杭体を案内ガイドとしてその外周部に中間部をリングで固定された地中熱交換ユニットを設置する工法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。更に不凍液等の熱交換媒体を上下方向に循環できるようなU字管を複数個並べて取り付ける熱交換器の設置工法も開示されている(例えば、特許文献4参照)。この熱交換器は固定バンドの取り付け構成とし、温度計測用センサーを装着したものとなっている。
特開2002−303088号公報 特開2008−96063号公報 特開2009−85556号公報 特開2012−57824号公報
前述したように、杭設置施工で地中熱交換器を設置する技術は、基本的には杭体を伴う設置方法で、杭体の内部又は外部への設置の相異はあるものの杭体を伴うものが大半でその設置技術は公知である。しかしながら、以上説明した従来の地中熱交換器の設置構成は簡素化され、低コストの構成とは言いがたいものであった。
特許文献1の技術は、離脱された先端鋼管に関連し、地中熱交換器を掘削後に削孔鋼管内に後で挿入し、先端鋼管に接続させ、削孔鋼管を引き抜き地中熱交換器を設置するものであるが、削孔鋼管の回転動作を要し地中熱交換器の接続構成が複雑で確実性に難点がある。浮き上がり防止は地底に張り出すスクリューによっているが、地盤が軟弱の場合にはその機能を果たせないことになる。
又、他の例において、既製コンクリート杭体の内部に地中熱交換器を挿入し、地中へ設置するものであるが、浮き上がり防止手段は杭体の底部に設けられたカバーに地中熱交換器を固定したとするものである。この基礎杭に地中熱交換器を固定し埋設する構成のものであり、高比重・高粘性流体が充填された杭体の内側又は外側に埋設する地中熱交換器に適用できるものではない。
特に、高比重、高粘性流体(例えば、グラウド材)は発生する浮力が大きく、Uチューブ等の地中熱交換器を高比重・高粘性流体(グラウド材)が満たされた中に簡素な方法で挿入することは困難であった。例えば、高比重・高粘性の安定液やソイルセメント、コンクリート等の流体で満たされたPHC杭の中に地中熱交換用のUチューブ(ポリエチレン製のパイプ)を挿入する場合は、内部を満たしている流体の浮力に打ち勝つ重量の錘を取り付けて降下させる必要があった。又は流体を排出させ、清水に置換してからパイプを設置する等の方法が施工されていた。
しかし、浮力に打ち勝つ重量の錘体をUチューブの先端に取り付けて降下させると、Uチューブのパイプ部に大きな引っ張り力が作用し、挿入作業時に損傷等のトラブルの危険性のおそれがあった。Uチューブを簡素な構成で所定深度まで正確に安定して設置するのは、実際面では極めて困難であった。このように、地中熱交換器を設置するときの設置時間、設置コストが増大することは、地中熱利用システムの普及拡大を阻害する要因の一つとなっていた。
本発明は上述のような技術背景のもとになされたものであり、下記目的を達成する。本発明の目的は、杭体の施工工事している過程において地中熱交換器の設置が容易にでき、構成を簡素化した浮き上がり防止機能を有して杭体の内側又は外側に確実に容易に設置ができ、地中熱交換器を設置するときの設置時間、設置コストを削減することができる地中熱交換器の設置工法とその設置装置を提供することにある。
本発明は、前記目的を達成するため、次の手段を採る。
本発明1の地中熱交換パイプの設置方法は、
掘削された杭孔内に設けられた杭体の内側又は外側に、地中熱利用システムにおける地中熱交換器を挿入し所定の深さ位置に設置する工法であって、
錘体昇降装置により昇降動作可能な錘体を、前記地中熱交換器を支持している支持装置又は支持部材に当接させて、前記杭体の内側又は外側に充填された高比重・高粘性流体内に、前記地中熱交換器及び前記錘体を前記錘体の自重で降下させる工程と、
前記地中熱交換器を前記高比重・高粘性流体内の所定の深さ位置に降下させた後、前記高比重・高粘性流体から受ける浮力により前記地中熱交換器が浮上することを制止して前記地中熱交換器を前記杭体又は前記杭孔に固定する工程と、
前記地中熱交換器を前記高比重・高粘性流体内に固定した状態で、前記錘体のみを地上に引き上げる工程とからなり、
前記地中熱交換器を固定する工程は、前記支持装置又は前記支持部材に設けた制止部材を前記杭体又は前記杭孔の孔壁に制止させ、前記地中熱交換器を前記杭体又は前記杭孔に固定する工程であり
前記制止部材は、一端が前記支持装置又は前記支持部材に固定され、他端に歯形部材を有する弾性変形可能な部材であり、
前記地中熱交換器を固定する工程は、前記制止部材を前記浮力により前記杭体側に付勢し、前記歯形部材が前記杭体の壁面を押圧することで制止し、固定する工程である。
本発明2の地中熱交換器の設置工法は、
掘削された杭孔内に設けられた杭体の内側又は外側に、地中熱利用システムにおける地中熱交換器を挿入し所定の深さ位置に設置する工法であって、
錘体昇降装置により昇降動作可能な錘体を、前記地中熱交換器を支持している支持装置又は支持部材に当接させて、前記杭体の内側又は外側に充填された高比重・高粘性流体内に、前記地中熱交換器及び前記錘体を前記錘体の自重で降下させる工程と、
前記地中熱交換器を前記高比重・高粘性流体内の所定の深さ位置に降下させた後、前記高比重・高粘性流体から受ける浮力により前記地中熱交換器が浮上することを制止して前記地中熱交換器を前記杭体又は前記杭孔に固定する工程と、
前記地中熱交換器を前記高比重・高粘性流体内に固定した状態で、前記錘体のみを地上に引き上げる工程とからなり、
前記地中熱交換器を固定する工程は、前記支持装置又は前記支持部材に設けた制止部材を前記杭体又は前記杭孔の孔壁に制止させ、前記地中熱交換器を前記杭体又は前記杭孔に固定する工程であり
前記制止部材は、一端が前記支持装置又は前記支持部材に固定され、他端に係止部を有する弾性変形可能な部材であり、
前記地中熱交換器を固定する工程は、前記制止部材を前記浮力により前記杭体又は前記杭孔側に付勢し、前記係止部を前記杭体の結合部に設けられた被係止部又は前記杭孔の前記孔壁に係止させて、前記地中熱交換器を前記杭体又は前記杭孔に固定する工程であることを特徴とする。
本発明3の地中熱交換器の設置工法は、
掘削された杭孔内に設けられた杭体の内側又は外側に、地中熱利用システムにおける地中熱交換器を挿入し所定の深さ位置に設置する工法であって、
錘体昇降装置により昇降動作可能な錘体を、前記地中熱交換器を支持している支持装置又は支持部材に当接させて、前記杭体の内側又は外側に充填された高比重・高粘性流体内に、前記地中熱交換器及び前記錘体を前記錘体の自重で降下させる工程と、
前記地中熱交換器を前記高比重・高粘性流体内の所定の深さ位置に降下させた後、前記高比重・高粘性流体から受ける浮力により前記地中熱交換器が浮上することを制止して前記地中熱交換器を前記杭体又は前記杭孔に固定する工程と、
前記地中熱交換器を前記高比重・高粘性流体内に固定した状態で、前記錘体のみを地上に引き上げる工程とからなり、
前記錘体は、磁石製のガイドリングを介して昇降動作可能なものである ことを特徴とする。
本発明の地中熱交換器の設置工法は、本発明1からにおいて、
前記高比重・高粘性流体は、高比重・高粘性のソイルセメント、コンクリート、高粘性掘削安定流体、ベンナイトから選択される1種、又は、これらの混合物の流体である ことを特徴とする。
本発明の地中熱交換器の設置装置は、
掘削された杭孔内に設けられた杭体の内側又は外側に、地中熱利用システムにおける地中熱交換器を挿入し所定の深さ位置に設置する地中熱交換器の設置装置であって、
前記地中熱交換器の先端部を支持している支持装置と、
前記支持装置の上部に当接して自重を付与し、前記自重により前記支持装置に支持された前記地中熱交換器を、前記杭体の内側又は外側に充填された高比重・高粘性流体内の所定の深さ位置に降下させるための錘体と、
前記錘体を昇降動作させる錘体昇降装置と、
一端が前記支持装置に固定され、他端に歯形部材又は係止部を有する弾性変形可能な部材であって、前記地中熱交換器が前記高比重・高粘性流体から浮力を受け上昇しようとするとき前記浮力の作用により弾性変形して、前記歯形部材が前記杭体に押圧、又は、前記係止部が前記杭体に設けられた被係止部又は前記杭孔の孔壁に係止され、前記地中熱交換器が前記浮力により上昇することを制止するための制止部材とからなり、
前記錘体は、前記地中熱交換器を前記制止部材の作用により前記高比重・高粘性流体内に固定させた後、前記錘体昇降装置の作用により地上に引き上げられるものである ことを特徴とする。
本発明の地中熱交換器の設置工法とその設置装置は、地中熱交換器を錘体の自重により降下させる動作のみで、杭体の内側又は外側に充填されている高比重・高粘性流体内に降下、設置できるようになった。又、この地中熱交換器の設置工法は、杭体の施工工事している過程において地中熱交換器の設置が容易にでき、構成を簡素化した浮き上がり防止機能を有して杭体の内側又は外側に確実に容易に設置ができ、地中熱交換器を設置するときの設置時間、設置コストを削減することができるようになった。このことは、杭体を設置している過程で地中熱交換器を設置でき、地中熱交換器の設置費用、設置期間等を削減することができ、地中熱利用システムの普及拡大に貢献することができる。
本発明の地中熱交換器の設置装置は、自重を付与して地中熱交換器を杭体の内側又は外側に充填されている高比重・高粘性流体内に降下させる錘体と、地中熱交換器を支持する支持装置(支持部材)に一端が固定され、他端に杭体を押圧する歯形部材、被係止部材又は杭壁に係止される係止部を有し、地中熱交換器を杭体又は杭孔に制止させるための制止部材とを有する簡素な構成のものであり、地中熱交換器の設置がたいへん容易である。又、制止部材は、高比重・高粘性流体からが受ける浮力を利用して確実に杭体又は杭孔に制止するものであり、低コストでの設置が可能で、地中熱利用システムの普及拡大に貢献することができる。
図1は、地中熱利用システムの地中熱交換器の設置装置の構成を示す断面図であって、杭体の内部に地中熱交換器を設置する形態を示す断面図である。 図2は、図1をA−A線で切断したA−A断面図で、地中熱交換器とリング体との結合状態を示す断面図である。 図3は、制止部材の構成を示す説明図である。 図4は、制止部材の変形例の構成を示す部分断面図である。 図5は、地中熱交換器を杭体の内部に設置する設置工法の手順を示す工程図である。 図6は、他の実施の形態1の地中熱交換器の設置装置を示す図であって、地中熱交換器を杭体の外側に設置する形態を示す部分平面図である。 図7は、他の実施の形態1の地中熱交換器の設置装置の部分正面図である。 図8は、他の実施の形態2の地中熱交換器の設置装置を示す図であって、杭体の外側に一つの地中熱交換器を設置する形態を示す部分正面図である。 図9は、他の実施の形態2の地中熱交換器の設置装置の変形例である。 図10は、他の実施の形態3の地中熱交換器の設置装置を示す図であって、錘体の変形例を示す部分断面図である。 図11は、図10をC−C線で切断したC−C断面図である。
次に、本発明の実施の形態を図1から5に基づき説明する。図1の構成は、本発明の地中熱利用システムの地中熱交換器の設置装置の構成を示す断面図である。なお、地中熱利用システム1は、例えば、地中熱交換器2を含む一次側熱交換システム、ヒートポンプ(図示せず)、二次側熱交換システム(図示せず)等から構成されるものである。このような地中熱利用システム1は公知なものであり、この形態では詳細な説明を省略する。本発明の基本形態は、地中熱利用システム1における一次側熱交換システムの一部を構成する地中熱交換器であるUチューブ2を錘体4の自重で杭体3の内側(中)又は外側に降下させた後、支持装置5及び制止部材12で固定する設置工法とその設置装置である。図は、支持装置5で支持された複数のUチューブ(地中熱交換器)2が、錘体4の自重を支持装置5に付与し、支持装置5を介してUチューブ2が杭体3に設置される構成を示している。
なお、このUチューブ(地中熱交換器)2は、蓄熱用として利用することもできる。すなわち、このUチューブ2は、太陽熱で造成した温水を循環して杭の中、地中に蓄熱するものであってもよい。例えば、6対のUチューブを設置して、3対はヒートポンプの熱源水を循環し、残りの3対には太陽熱で造成した温水を循環して杭の中、地中に蓄熱して暖房熱源として利用してもよい。このようにすることにより、ヒートポンプの運転効率の向上を図ることができる。又、6対のUチューブを設置して、3対はヒートポンプの熱源水を循環し、残りの3対のUチューブに夜間の冷気、雪氷冷熱等を利用して冷熱を蓄熱してもよい。この冷熱を蓄熱して、ヒートポンプの冷房運転を行うことで、ヒートポンプの運転効率を上げることができる。
Uチューブ2は、掘削された杭孔内に設けられた杭体3の内側(中)又は外側に充填された高比重・高粘性流体13内に、かつ、所定の深さ位置に設置されるものである。又、錘体4はワイヤ6によって吊り下げられている。錘体4は、ワイヤ6を介して錘体昇降装置7により昇降することができる。錘体4とワイヤ6との間にはスイベル体4aが設けられ、スイベル体4aを介して錘体4を支持する構成としている。スイベル体4aはベアリング機構を内蔵し、ワイヤ6の捩れによる回転力がUチューブ2側に伝達させないためのものである。この錘体昇降装置7は、クレーン、電動ウィンチ等昇降手段、ワイヤ6等から構成されるものであり、錘体昇降装置7により錘体4は昇降動作を行う。複数のUチューブ2はこの錘体4の周囲に上下方向に沿って配置されている。
錘体4とUチューブ2との関係はフリー状態になっていて、Uチューブ2を杭体3の内側又は外側に充填された高比重・高粘性流体13内に降下させる。従って、Uチューブ2を高比重・高粘性流体13に降下させるに際しては、Uチューブ2は高比重・高粘性流体13が発生する浮力が作用し、Uチューブ2単独で降下させることは困難である。このため、Uチューブ2を降下、設置する際は、Uチューブ2が取り付けられた支持装置5の上部に錘体4を当接させて錘体4の自重で高比重・高粘性流体13内にUチューブ2を降下させるものである。錘体4の重量は、Uチューブ2が受ける浮力に抗してUチューブ2を高比重・高粘性流体13内に降下させることが可能な重量のものである。
この高比重・高粘性流体13は、高比重・高粘性のソイルセメント、コンクリート、高粘性掘削安定流体、ベンナイトから選択される1種、又は、これらの混合物である。従って、本形態では、この高比重・高粘性流体13からUチューブ2が受ける浮力を上回る重量の錘体4を、Uチューブ2とは独立した形態での動作で降下させ、Uチューブ2を支持している支持装置5の上部に当接させ、高比重・高粘性流体13の中を降下、挿入するようにしている。
Uチューブ2を支持装置5とともに高比重・高粘性流体13内の所定の深さ位置に降下させ、支持装置5を杭体3に制止させてUチューブ2及び支持装置5を設置した後は、錘体4のみを地上に回収する。これら複数のUチューブ2は、図5(d)に示すように中間部位が所定の間隔L毎にリング体8を介して連結されている。このリング体8は、Uチューブ2を杭体3の内側に、所定の間隔Lで保持するためのものであり、深さ数mの間隔で設置される。又、リング体8は、Uチューブ2の間隔も所定の間隔に設定することができる。リング体8は、金属製あるいはプラスチックパイプ製のリングであり、簡易な構成のものである。
Uチューブ2をこのリング体8の任意位置に手作業で、結束部材である結束バンド(例えば、インシュロック;登録商標)、針金等の結紮部材8aを介して結紮させる。このようにして、所定位置に複数のUチューブ2を連結できるようにしている。図2は6セットのUチューブ2を連結したものとしている。なお、Uチューブは、図2において実線で示すUチューブ2のように2本一緒に結紮部材8aでリング体8に結紮してもよく、図2において2点鎖線で示すUチューブ2のように、任意の位置(任意の角度毎)に結紮部材8aでリング体8に結紮してもよい。
Uチューブ2は公知のものであるが、本形態の場合はポリエチレン製のUチューブ(地中熱採熱管)のものとしている。即ち、Uチューブ2は、2本のチューブを並列に構成して端部を連結したものをセットとしている。図1において矢印で示すように、循環ポンプ(図示せず)により一次側循環路を循環している熱媒体は、一方の入口から地中内に供給され、Uチューブ2内を循環することで地中と熱交換をし、出口から温度の異なる熱媒体として吐出される。この熱媒体は、清水、不凍液、水と不凍液との混合液等である。
リング体8はUチューブの上下方向に複数個配置していて、複数のセット構成をなすUチューブ2を上下方向の所定位置で間隔をおいて複数ヶ所で保持している。Uチューブ2の下端は先端部2aを介して支持装置5に取り付けられていて、このUチューブ2の先端部2aに形成された支持装置5の上部に取り付けられた連結部材9を介して支持されている。
従って、各々のUチューブ2は中間部がリング体8で整列して、杭体3の内側に保持されると同時に、下部は支持装置5に支持された構成になっている。支持装置5は錘体4とは離間状態の関係にあるが、高比重・高粘性流体13内に挿入される際は、浮力で上向きの力が生じている状態となる。Uチューブ2を杭体3に挿入するときには、錘体4が支持装置5に当接し、Uチューブ2とともに一体になって錘体4の自重で降下することになる。
錘体4と支持装置5とは、挿入時に円周方向に大きくぶれが生じないように、錘体4の軸方向端部を凸状にして、支持装置5の円筒体10に嵌め込むように構成している。即ち、支持装置5のベースは円筒体10で構成されるが、この円筒体10内に錘体4の下部の軸部4aを挿入させる構成としている。従って、Uチューブ2が地中に設置される場合は、錘体4の軸部4bの段差部が円筒体10の端部10aに当接する。支持装置5の上部外周には、即ち円筒体10外部に、杭体3の内壁3a方向に張り出す形の支持部材11が固定されている。
この支持部材11の端部にUチューブ2の先端部2aが連結部材9を介して取り付けられている。更に、この支持部材11の下部に、この支持装置5を杭体3の内壁3aに制止させるための制止部材12が取り付けられている。この制止部材12は、杭体3の内壁3aに直接接触する歯形部材12aと、歯形部材12aが直結され弾性変形可能なバネ部材12bとで構成されている。バネ部材12bは、一端12cが支持装置5の円筒体10に固定され、他端12dに歯形部材12aが設けられ、歯形部材12aは、バネ部材12bの弾性力で常時内壁3a側に押圧されている。歯形部材12aは、支持装置5が錘体3の自重で降下するとき、バネ部材12bが弾性変形しながら杭体3の内壁3aに接触し移動可能である。又、図3に示すように、Uチューブ2、支持装置5等が浮力により上昇しようとするときには、浮力の作用により歯形部材12aが内壁3aに押圧され上昇することが規制されるようになっている。
バネ部材12bは前述のように、円筒体10の外周に固定されており、バネ部材12bと直結している歯形部材12aは、本形態では円周方向の3方向に等角度に張り出して設けられている。歯形部材12aはバネ部材12bに比し上方に位置して設けられていて、Uチューブ2が降下するときには、弾性力で杭体3の内壁3aに所定の形状(例えば、三角形状)の歯形面が接触している状態になっている。
Uチューブ2が所定の深さ位置に到達すると、その状態で錘体4を地上に引き上げる。高比重・高粘性流体13が充填されているので、杭体3内に挿入されたUチューブ2、支持部材5等には浮力が生じ、Uチューブ2等を地上側に押し上げる力が生じる。
しかし、歯形部材12aは歯形面が杭体3の内壁3aに押圧される力によりこの浮力に抗し支持装置5等の上昇を制止している。このことはUチューブ2を杭体3内に留める機能を有していることになる。図3の部分図に示すように、支持装置5に下方から浮力により上方向に浮き上がり力が生じると、支持装置5には上方に向けて矢印で示す力F1が作用する。支持装置5が降下しているときには歯形部材12aが杭体3の内壁3aにバネ部材12bのバネ力のみで押圧された状態になっているが、浮力によるで力F1が作用すると、バネ部材12bは二点鎖線で示すように撓み、バネ部材12bに杭体3の内壁3a方向への分力F2がバネ部材12bに生じる。歯形部材12aは、バネ部材12bのバネ力と分力F2とにより杭体3の内壁3aに食い込むような押圧力が生じ、支持装置5の上昇を制止している。
このことで歯形部材12aは、錘体4を上昇させ、錘体4の自重が付与されない状態になっても、杭体3の内壁3aに強固に押圧される。この押圧力により、支持装置5が杭体3に対して上昇するおそれが解消され、錘体4が錘体昇降装置7の作動により地上に引き上げられる。Uチューブ2は、高比重・高粘性流体13が充填されていても、杭体3内に留まることができる。Uチューブ2の設置装置はこのような構成になっている。
図5に従って、Uチューブ(地中熱交換器)2を杭体3の内部(中)に設置する設置工法について説明を行う。このUチューブ2は、杭体3を施工している時、杭体3の内側又は外側に設置することができる。図5(a)〜図5(d)は、杭体3の内側にUチューブ2を設置する設置工法の手順を示す工程図である。図5(a)は、Uチューブ2を支持している支持装置5の上部に錘体4が当接し、錘体4の自重で杭体3内に降下される途中段階を示している。杭体3内には高比重・高粘性流体13が充填されている。
支持装置5に支持されたUチューブ2は、錘体昇降装置7に吊り下げられている錘体4とともに高比重・高粘性流体13内に挿入される。すなわち、支持装置5の上部に錘体4が当接して一体になった状態で高比重・高粘性流体13内に挿入される。錘体昇降装置7の作動によりワイヤ6、錘体4を下方側に移動させると、ワイヤ6は緩んだ状態になって、錘体4は自重で降下する。このとき前述したように、Uチューブ2は複数セットの状態で、中間部がリング体8に、下部は支持装置5に連結しているので安定的な姿勢を維持して錘体4に当接し高比重・高粘性流体13内に降下する。又、これに伴い支持装置5の下部に設けられた制止部材12は、歯形部材12aがバネ部材12bの弾性力に抗して、杭体3の内壁3a側に接触しながら下方へ移動する。
図5(b)は、錘体昇降装置7を下方に更に作動させて錘体4、支持部材5及びUチューブ2を錘体4の自重で降下させ、Uチューブ2を杭体3の所定の深さ位置に到達させた状態を示している。歯形部材12aはバネ部材12bのバネ力で杭体3の内壁3aに押圧された状態を維持している。このとき錘体4は上下動可能であるが、Uチューブ2は支持装置5の歯形部材12aが杭体3の内壁3aに押圧された状態を維持しているので、高比重・高粘性流体13より浮力を受けても上昇することなく高比重・高粘性流体13内に留まることになる。
続いて図5(c)に示すように、錘体昇降装置7を上方に作動させワイヤ6を巻き上げると、ワイヤ6が錘体4を吊り上げる状態となり、錘体4がUチューブ2及び支持装置5から離間する。更に錘体昇降装置7を上方に作動させると、錘体昇降装置7により錘体4が吊り上げられ地上に回収される。
錘体4が切り離されても、前述のとおりUチューブ2は制止部材12の歯形部材12aの押圧動作で高比重・高粘性流体13内に留まっている。各々のUチューブ2はリング体8により保持されている。錘体4が切り離されると、図3に示したように、高比重・高粘性流体13からの受ける浮力によりUチューブ2等に浮き上がり力が生じ、支持装置5への上向きの力がバネ部材12bを介して分力となり、歯形部材12aを杭体3の内壁3aに押し付ける力が発生する。このため浮き上がり力が生じてもUチューブ2は浮き上がることなく杭体3に設置される。
図5(d)は錘体4が地上に回収された後の状態を示した図である。Uチューブ2は高比重・高粘性流体13に埋設され、制止部材12で制止、固定された状態である。時間経過とともに高比重・高粘性流体13は固化するので、杭体3の中にUチューブ2が内蔵された構成の杭体3ができることになる。
本発明は、基本的に以上説明した実施の形態のように簡素なUチューブの設置工法とその設置装置としている。すなわち、Uチューブを設置するに際し、錘体4の自重を利用してUチューブ2を、杭体3に充填されている高比重・高粘性流体13内に降下させている。又、支持装置5、Uチューブ2が高比重・高粘性流体13から受ける浮力を利用して、Uチューブ2を支持している支持装置5に設けられた歯形部材12aが杭体3の内壁3aに食い込むように押圧され、Uチューブ2が杭体3に固定されている
前述したように、高比重・高粘性流体13内に、Uチューブ2の先端に浮力以上の重量の錘体4を設けて降下させ設置することは、Uチューブに大きな引っ張り力が作用する等の関係で困難であった。本実施の形態では、Uチューブ2とは離間可能な錘体4を当接させて錘体4の自重で降下させる工法とした。この結果、錘体4の重量を大きくできる上、杭体3に高比重・高粘性流体13が充填されていても、充分安全に降下することができる。又、所定深さに到達後、錘体4を引き上げることで、高比重・高粘性流体13から受ける浮力により制止部材12が杭体3の内壁3aに食い込むように押圧され、Uチューブ2を所定の位置に設置できるようにした。
従って、本発明は簡素な構成で確実な地中熱利用システム1におけるUチューブ2の設置工法とその設置装置となっている。錘体4の重量設定は、Uチューブ2の設置深さ、本数、高比重・高粘性流体13の高比重・高粘性の状態をみて浮力を想定し決定することになる。このような設置工法及び設置装置により、錘体4の重量は従来に比し重くすることができる。
図4に従って、支持装置5の円筒体10を杭体3に制止、固定させる制止部材の変形例について説明を行う。なお、この変形例の説明では、前述した実施の形態と同一の部位には同一の符号を付与し、詳細な説明を省略している。図4は杭体3の内壁3aに設けた被係止部材14に制止部材22を係止させて固定している状態を示した部分断面図である。
杭体3は長い場合であると、短い杭体を連結して構成されるが、この制止部材の変形例では連結部に被係止部材14が設けられている。この場合、被係止部材14には、内壁3aより突出している係止凸部が設けられている。制止部材22は、図4に示したような所定の形状に変形可能なバネ部材であり、制止部材22の一端(下端)22aが円筒体10に固定されている。制止部材22の他端が係止部22bであり、係止部22bは、制止部材22の弾性により一端22aを支点にして他端側が弾性変形が可能になっている。従って、支持装置5が降下する場合、制止部材22の他端が弾性変形して2点鎖線で示す制止部材22’のように弾性変形する。このとき、係止部22bは、被係止部材14を乗り越えて降下することができる。
そして、制止部材22の係止部22bが被係止部材14の下方に移動した後、支持装置5、Uチューブ2等が高比重・高粘性流体13の浮力により上昇しようとすると、制止部材22の係止部22bが被係止部材14の係止凸部の端部14aに係止し、支持装置5、Uチューブ2等を制止、固定することができる。この固定状態になると、Uチューブ2等が地上側に上昇することが規制される。又、被係止部材14には、上部側に案内テーパ部14bが形成されているので、支持装置5、Uチューブ2等が錘体4の自重により降下するとき、制止部材22の係止部22bは被係止部材14を容易に乗り越えることができる。このような構成にすることにより、Uチューブ2が上昇することを強固に防止できる。被係止部材14は、杭体間に挟んだり、杭体に溶接やねじ機構等で取り付けられる。
このようにすることで、確実にUチューブ2を所定位置に設置することができる。どのような形態であっても本発明の技術は適用可能である。以上説明したように、本発明の要旨はこの実施の形態に限定されないことはいうまでもない。次にUチューブ(地中熱交換器)の設置に関わる事例として他の実施の形態を説明する。
(他の実施の形態1)
この他の実施の形態1は、図6、7に示すように杭体30の外側にUチューブ2を設置する場合の形態例である。錘体31及びUチューブ2は杭体30の外側の壁面に沿って配置されることになる。Uチューブ2は杭体30の外側に複数個設置可能である。
図6、7に示すように錘体31は杭体30の外側に配置され、その下部にフリーの状態で先端金具32が設けられている。先端金具32の上面32bが、錘体31の当接端面31bに当接するとともに、先端金具32の穴部32aに、錘体31の軸部31aが嵌り込み挿入時の相互のぶれを防止している。Uチューブ2を高比重・高粘性流体13内に降下させる場合は、前述同様にこの他の形態1においても錘体31の当接端面31bを先端金具32の上面32bに当接させて、錘体31の自重で降下させる。
Uチューブ2は、先端部2aが、先端金具32に連結体33を介して連結されている支持部材34を介して支持されている。連結体33は、杭体30の外側に形成されているものであって、先端金具32に固定されている。連結体33には任意の位置に支持部材34が固定されている。Uチューブ2は先端部2aが支持部材34に針金等の結合部材34aを介して結合されている。Uチューブ2の中間部は図示しない連結部材により保持されている構成となっている。この連結部材は、前述のリング体8と同様に簡易な構成のものである。先端金具32は、高比重・高粘性流体13内への降下が容易なように円筒状になっている。この他の形態1では、先端金具32、連結体33、支持部材34等が支持装置を構成している。又、支持部材34には、杭孔の孔壁38に当接するための制止部材35が取り付けられている。制止部材35はバネ板からなる部材であり、孔壁38に沿わせてUチューブ2を導くためのものである。制止部材35の一端35aは支持部材34に固定され、他端35bが孔壁38と接するように設けられている。制止部材35は、Uチューブ2を降下させるとき他端35bが孔壁38と接して安定化を図ることができる。又、制止部材35は高比重・高粘性流体13より浮力を受けた場合、浮力により他端35bが孔壁38側に食い込むように押し付けられる作用をし、孔壁38に他端35bが係止されて、前述した制止部材と同様の作用を行う。
この他の形態1では、Uチューブ2が連結体33を介して複数個(例えば、4個)連結され、一つの錘体31の自重により一緒に設置できるようにしている。この他の形態1を適用することにより、高比重・高粘性流体13が充填されている杭体30の外側と孔壁38との間の部分に複数個のUチューブ2を容易に設置することができる。
(他の実施の形態2)
図8、9に基づいて、他の実施の形態2の説明を行う。この他の形態2は、一つのUチューブ2を配置する場合に適した形態例である。
図8に示すように、Uチューブ2は、先端部2aを取り付ける支持装置(支持部材)の機能を兼ねる先端金具42に固定部材42aにより固定されている。Uチューブ2の中間部は、針金、テープ、結束バンド等中間固定部材44を巻き付けたり、テーピングしたりすることで、先端金具42に固定されている。先端金具42の先端部43は、側面視下側が尖った三角形状に形成され、高比重・高粘性流体13に挿入し易くなっている。なお、先端金具の先端部は、フォーク状、槍状、パイプ状等他の形状のものであってもよい。この先端金具42に浮力防止機能を付与する場合には、例えば先端部を矢じり状にし、高比重・高粘性流体13の下方の地盤に矢じり状の先端部を突き刺して固定する方法をとるとよい。
先端金具42の上部には錘体41が設けられており、錘体41の自重で先端金具42及びUチューブ2を、高比重・高粘性流体13に挿入する構成は前述のものと同様である。すなわち、錘体41の凹部の凹部面41aが先端金具42の上面42bに当接することで自重を付与している。錘体41と先端金具42とが凹凸形状で嵌め込まれているため、細い先端金具でも、確実に自重を付与することができる。先端金具42には、孔壁48に制止するための制止部材45が取り付けられている。制止部材45はバネ板からなる部材であり、杭孔の孔壁48に沿わせてUチューブ2を導くためのものである。Uチューブ2を降下させるとき安定化を図ることができる。又、制止部材45は一端45aが先端金具42に固定され、他端45bが孔壁48に接するものであり、高比重・高粘性流体13より浮力を受けた場合、前述した他の実施の形態1の制止部材と同様の作用を行う。言い換えると、制止部材45は高比重・高粘性流体13より浮力を受けた場合、浮力により他端45bが孔壁48側に食い込むように押し付けられる作用をし、孔壁48に他端45bが係止されて、前述した制止部材と同様の作用を行う。
更に、図9は、他の実施の形態2の変形例を示す図である。図9に示すように、錘体と先端金具とは、上部に凹部142aが設けられた先端金具142と、この先端金具142の凹部142aに挿入される凸部141bが形成された錘体141とからなるものであってもよい。この他の形態2の変形例では、先端金具142の上面142bと錘体141の端部141aとが当接し、錘体141の自重が先端金具142に付与される。
(他の実施の形態3)
図10、11に基づいて、他の実施の形態3の説明を行う。
この他の実施の形態3は、錘体の変形例で、図10、11にその構成を示す。SMW(ソイルミキシングウォール)の芯材であるH形鋼50の溝空間50c内に、H形鋼50に沿ってUチューブ2を設置する場合に適用した例である。図10に示すようにUチューブ2を設置する対象は円形状の杭体3と異なり、H形鋼50の平坦な壁に沿って設置する構成である。このH形鋼50の溝空間50c内に設置する形態は、前述した他の実施の形態1の円筒状の連結体、支持部材等の構成を平面状に引き延ばした構成のものである。
この他の形態3では、H形鋼50が前述した形態の杭体に相当する。磁石製のガイドリング52を4個配置し、錘体51を常にH形鋼50のウェブ面50aに沿って引き寄せ配置するようにした構成である。ガイドリング52は、錘体51に回転可能に設けられた回転軸53に固定されている。磁石製のガイドリング52にしたことで、錘体51はH形鋼50のウェブ面50aに案内され、ウェブ面50aに沿ってスムースに昇降動作できるようにした。
Uチューブ2は、H形鋼50のフランジ50b間の溝空間50c内に錘体51の両側に配置している。錘体51の下部には支持装置の円筒体56が設けられ、円筒体56に固定された連結体57にUチューブ2の先端部が固定されている。この他の形態3では、支持装置が円筒体56、連結体57等から構成されている。Uチューブ2の姿勢を維持するため中間部に複数の中間支持部材55が設けられていてもよい。すなわち、Uチューブ2は、中間部が、中間支持部材55に結束バンド、針金等の結紮部材58を介して結紮されていてもよい。円筒体56は、前述した円筒体10に相当するものであり、中間支持部材55は、前述したリング体8に相当するものである。支持装置の連結体57、複数の中間支持部材55に取り付けられたUチューブ2は、ウェブ面50aに沿って降下できるようになっている。なお、支持装置は、図8に示すような他の実施の形態2の構成のようなもの(例えば、円筒体が図8に示す三角状の先端部を有する先端金具状になっているもの、円筒体の下部に三角形状等の先端部が形成されたもの等)であってもよい。
この他の形態3の設置工法は、錘体51の自重で支持部材56、Uチューブ2等が降下する前述した形態と同様であるので詳細な説明は省略する。図10ではUチューブ2の配置はH形鋼50のウェブの片面側のみとしているが、反対側にも同様の配置が出来ることはいうまでもない。この他の形態3を適用することにより、SMW工法において心材として設置されるH形鋼50のウェブの近傍に任意の数のUチューブ2を設置することができる。例えば、大きいH形鋼の場合には、3〜4本のUチューブを設置することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内での変更が可能なことはいうまでもない。例えば、地中熱利用システム1は、ヒートポンプを循環する熱媒体が、直接、負荷側熱交換部と熱交換を行う直膨式のヒートポンプであってもよい。
1…地中熱利用システム
2…地中熱交換器(Uチューブ)
3、30…杭体
4、31、41、51、141…錘体
5…支持装置
6…ワイヤ
7…錘体昇降装置
8…リング体
12、22、35、45…制止部材
13…高比重・高粘性流体
38、48…孔壁

Claims (5)

  1. 掘削された杭孔内に設けられた杭体の内側又は外側に、地中熱利用システムにおける地中熱交換器を挿入し所定の深さ位置に設置する工法であって、
    錘体昇降装置により昇降動作可能な錘体を、前記地中熱交換器を支持している支持装置又は支持部材に当接させて、前記杭体の内側又は外側に充填された高比重・高粘性流体内に、前記地中熱交換器及び前記錘体を前記錘体の自重で降下させる工程と、
    前記地中熱交換器を前記高比重・高粘性流体内の所定の深さ位置に降下させた後、前記高比重・高粘性流体から受ける浮力により前記地中熱交換器が浮上することを制止して前記地中熱交換器を前記杭体又は前記杭孔に固定する工程と、
    前記地中熱交換器を前記高比重・高粘性流体内に固定した状態で、前記錘体のみを地上に引き上げる工程とからなり、
    前記地中熱交換器を固定する工程は、前記支持装置又は前記支持部材に設けた制止部材を前記杭体又は前記杭孔の孔壁に制止させ、前記地中熱交換器を前記杭体又は前記杭孔に固定する工程であり
    前記制止部材は、一端が前記支持装置又は前記支持部材に固定され、他端に歯形部材を有する弾性変形可能な部材であり、
    前記地中熱交換器を固定する工程は、前記制止部材を前記浮力により前記杭体側に付勢し、前記歯形部材が前記杭体の壁面を押圧することで制止し、固定する工程である
    ことを特徴とする地中熱交換器の設置工法。
  2. 掘削された杭孔内に設けられた杭体の内側又は外側に、地中熱利用システムにおける地中熱交換器を挿入し所定の深さ位置に設置する工法であって、
    錘体昇降装置により昇降動作可能な錘体を、前記地中熱交換器を支持している支持装置又は支持部材に当接させて、前記杭体の内側又は外側に充填された高比重・高粘性流体内に、前記地中熱交換器及び前記錘体を前記錘体の自重で降下させる工程と、
    前記地中熱交換器を前記高比重・高粘性流体内の所定の深さ位置に降下させた後、前記高比重・高粘性流体から受ける浮力により前記地中熱交換器が浮上することを制止して前記地中熱交換器を前記杭体又は前記杭孔に固定する工程と、
    前記地中熱交換器を前記高比重・高粘性流体内に固定した状態で、前記錘体のみを地上に引き上げる工程とからなり、
    前記地中熱交換器を固定する工程は、前記支持装置又は前記支持部材に設けた制止部材を前記杭体又は前記杭孔の孔壁に制止させ、前記地中熱交換器を前記杭体又は前記杭孔に固定する工程であり
    前記制止部材は、一端が前記支持装置又は前記支持部材に固定され、他端に係止部を有する弾性変形可能な部材であり、
    前記地中熱交換器を固定する工程は、前記制止部材を前記浮力により前記杭体又は前記杭孔側に付勢し、前記係止部を前記杭体の結合部に設けられた被係止部又は前記杭孔の前記孔壁に係止させて、前記地中熱交換器を前記杭体又は前記杭孔に固定する工程である
    ことを特徴とする地中熱交換器の設置工法。
  3. 掘削された杭孔内に設けられた杭体の内側又は外側に、地中熱利用システムにおける地中熱交換器を挿入し所定の深さ位置に設置する工法であって、
    錘体昇降装置により昇降動作可能な錘体を、前記地中熱交換器を支持している支持装置又は支持部材に当接させて、前記杭体の内側又は外側に充填された高比重・高粘性流体内に、前記地中熱交換器及び前記錘体を前記錘体の自重で降下させる工程と、
    前記地中熱交換器を前記高比重・高粘性流体内の所定の深さ位置に降下させた後、前記高比重・高粘性流体から受ける浮力により前記地中熱交換器が浮上することを制止して前記地中熱交換器を前記杭体又は前記杭孔に固定する工程と、
    前記地中熱交換器を前記高比重・高粘性流体内に固定した状態で、前記錘体のみを地上に引き上げる工程とからなり、
    前記錘体は、磁石製のガイドリングを介して昇降動作可能なものである
    ことを特徴とする地中熱交換器の設置工法。
  4. 請求項1からのいずれか1項に記載の地中熱交換器の設置工法において、
    前記高比重・高粘性流体は、高比重・高粘性のソイルセメント、コンクリート、高粘性掘削安定流体、ベンナイトから選択される1種、又は、これらの混合物の流体である
    ことを特徴とする地中熱交換器の設置工法。
  5. 掘削された杭孔内に設けられた杭体の内側又は外側に、地中熱利用システムにおける地中熱交換器を挿入し所定の深さ位置に設置する地中熱交換器の設置装置であって、
    前記地中熱交換器の先端部を支持している支持装置と、
    前記支持装置の上部に当接して自重を付与し、前記自重により前記支持装置に支持された前記地中熱交換器を、前記杭体の内側又は外側に充填された高比重・高粘性流体内の所定の深さ位置に降下させるための錘体と、
    前記錘体を昇降動作させる錘体昇降装置と、
    一端が前記支持装置に固定され、他端に歯形部材又は係止部を有する弾性変形可能な部材であって、前記地中熱交換器が前記高比重・高粘性流体から浮力を受け上昇しようとするとき前記浮力の作用により弾性変形して、前記歯形部材が前記杭体に押圧、又は、前記係止部が前記杭体に設けられた被係止部又は前記杭孔の孔壁に係止され、前記地中熱交換器が前記浮力により上昇することを制止するための制止部材とからなり、
    前記錘体は、前記地中熱交換器を前記制止部材の作用により前記高比重・高粘性流体内に固定させた後、前記錘体昇降装置の作用により地上に引き上げられるものである
    ことを特徴とする地中熱交換器の設置装置。
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