JP6932022B2 - 熱交換パイプの埋設装置、熱交換パイプの埋設方法および熱交換パイプの埋設用治具 - Google Patents
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Description
また、一般に、縦穴(杭穴)を掘削するためには、掘削ヘッド付きの掘削ロッドを備えた掘削機が必要であった。
また、複数本の熱交換パイプを束ねて縦穴内に埋設するためには、縦穴内で生じる浮力に抗してある程度の重さを有する埋設用治具が必要であった(特許文献1)。この場合、浮力に抗するために、上向きの高圧水の推進力を利用していた。
したがって、狭い現場内で、掘削のための手段とクレーンなどの吊り上げるための手段を用意しなければならなかった。
また、前記埋設用治具では、浮力に抗する重量を確保するためや、杭穴壁や熱交換パイプを高圧水の圧力から保護するために、埋設用治具の長さ(高さ)など埋設用治具が大きくならざるを得なかった。
(1) 掘削機の回転昇降装置に押し込みロッドを取り付けて、前記押し込みロッドの先端に上下に開口した平面視で四角形または六角形の略筒状の埋設用治具を保持した。
(2) 前記埋設用治具は、内側をセメントミルク類が通過できる構造とした。
(3) 前記熱交換パイプの複数を、折り返し端部を下に向けて両開口端を上に向けて配置し、前記折り返し端部を前記埋設用治具の「外面」または「内面および外面」に固定し、前記両開口端を前記押し込みロッドの上端部または前記回転昇降装置に設けた保持具に保持した。
(1)上下に開口した平面視で四角形または六角形の筒状の基体の内側に取付部材を配置して、
前記取付部材を介して、掘削機の押し込みロッドに装着できる差し込み部材を立設して、前記差し込み部材の上端部を前記基体の上縁より上方に突出させた。
(2) 前記基体は、その内側をセメントミルク類が通過できる構造とし、かつ前記基体の外面および内面に熱交換パイプを取り付けるスペースを設けた。
なお、この出願は平成26年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「再生可能エネルギー熱利用技術開発/地中熱利用トータルシステムの効率化技術開発及び規格化」委託事業の成果に係る特許出願である。
取付部材7の上面で軸心6付近(四角筒2の中心付近)に、丸パイプからなる差し込み部材8を立設固定する。差し込み部材8の上端は、四角筒2の上端から十分に上方に突出している(図1(a))。
例えば、縦穴40の深さを10mとした場合、パイプ材料12は、10m×8=80m程度で形成する。したがって、熱交換パイプ10は、8本のパイプ材料が縦に並んだ構成となっており、パイプ材料12を保形する水平リング17、17を、所定高さ毎(例えば、2m毎)に取り付けてある(図4(c))。
このように構成した掘削機20で、オーガー26の下端部にウインチ30(回転巻き上げ具。=パイプ保持具)を取り付ける。ウインチ30は、内蔵したワイヤー31を引き出しおよび巻き上げが自在であり、熱交換パイプ10の上端部にワイヤー31を係止して巻き上げて、熱交換パイプ10の上端部をウインチ30の近く(オーガー26の下端の近く)に保持できる。
ソイルセメントを生成したならば、掘削ヘッド36および掘削ロッド35を地上39に引きあげる(図4(b))。なお、ここで、縦穴40内にはソイルセメントを生成したが、周辺地盤と熱交換パイプ10との間で熱伝導に大きな影響が無ければ、泥水などをセメントミルクに置換することもでき、あるいは残置した泥水を脱水固化させることもできる。
続いて、オーガー26から掘削ロッド35を取り外す。
続いて、通常の方法で、押し込みロッド33の上端をオーガー26の回転部28に装着すると共に、ウインチ30のワイヤー31を巻き戻して、熱交換パイプ10を押し込みロッド33に沿って立ち上げる。
周囲に熱交換パイプ10を配置した押し込みロッド33を略垂直に立て、押し込みロッド33を縦穴40の上方に移動させる。また、ウインチ30でワイヤー31の長さを調整して、押し込みロッド33の先端が丁度、埋設用治具1の十字の取付部材7を軽く押した状態にしておく(図1(b)(c))。
また、押し込みロッド33の下端は十字状の取付部材7に当たるので押し込みロッド33の押し込み力を埋設用治具1に伝えることができ、かつ押し込みロッド33が多少上下方向にずれた場合であっても、差し込み部材8が押し込みロッド33の中空部に挿入されているので、ずれるおそれが無い。
また、万一、縦穴40内に砕石などが残っていた場合であっても、埋設用治具1と補強パイプ16、16が熱交換パイプ10の下端部に位置するので、熱交換パイプ10(パイプ材料12)を保護できる。
セメントミルクが固化したならば、熱交換パイプ10の埋設が完了する(図4(d))。
また、前記において、熱交換パイプ10を縦穴40内で回転あるいは小さく回動させる必要がある場合には、ウインチ30をオーガー26の回転部28に取り付け、あるいは、ウインチ30を押し込みロッド33の上端部に取り付けることもできる(図示していない)。これにより、オーガー26を回転させれば、押し込みロッド33に合わせて熱交換パイプ10を回転させることができる。
また、前記において、撹拌手段や練り付け手段を設けた掘削ロッド35とは、別途の外周に何も突起物がない押し込みロッドを使用したが、熱交換パイプ1の埋設に支障が無い範囲で突起物が存在しても良い(図示していない)。したがって、掘削ヘッド36を設けた掘削ロッド35(押し込みロッド33兼用)から掘削ヘッド36を取り外して、押し込みロッド33とすることもできる(図示していない)。
また、U字状のパイプ材料12の開口11、11を上に向けた状態で、4つ並べて、隣接する開口を連通させずに、他の縦穴40の熱交換パイプ10の開口11、11とともに、ヘッダー状の装置で各開口11、11を地上配管42、42に連結して、熱交換システムを構成することもできる(図3(b))。
また、埋設用治具1の四角筒2の内側に、四角筒2より小さな四角筒2Aを配置して、かつ四角筒2Aを取付部材7の上または下に配置することもできる(図2)。そして、同様に、外側の四角筒2の外面4、4に熱交換パイプ10の補強パイプ16(下屈曲13)を固定し、内側の四角筒2Aの外面4A、4Aに他の熱交換パイプ10Aの補強パイプ16A(下屈曲13A)を固定することもできる(図2(a)(b))。これにより、倍の長さの熱交換パイプ10、10Aを同時に埋設できる。さらに、四角筒2の内外面3、4に熱交換パイプ10、10を固定し、四角筒2Aの内外両面3A、4Aに熱交換パイプ10A、10Aを固定すれば、4倍の長さの熱交換パイプ10、10Aを一度に埋設できる(図示していない)。
また、前記各場合において、熱交換パイプ10は長いパイプ材料を屈曲して構成したが、短い(縦穴40の深さより短い)直線状のパイプ材料の上下をU字状のジョイントで連結して構成することもできる(図示していない)。
2、2A 埋設用治具の四角筒(基体)
3、3A 四角筒の内面
4、4A 四角筒の外面
7 埋設用治具の取付部材
8 埋設用治具の差し込み部材
10、10A 熱交換パイプ
11 熱交換パイプの開口
12、12A パイプ材料
13、13A パイプ材料の下屈曲部
14 パイプ材料の上屈曲部
16、16A 熱交換パイプの補強パイプ
17 熱交換パイプの水平リング
20 掘削機
26 掘削機のオーガー(回転昇降装置)
30 ウインチ(保持具)
31 ウインチのワイヤー(保持具)
33 掘削機の押し込みロッド
35 掘削機の掘削ロッド
36 掘削ロッドの掘削ヘッド
39 地上
40 縦穴
42 地上配管
Claims (2)
- 地中熱を地上に得る熱交換パイプを縦穴に沿って埋設する装置であって、以下のように構成したことを特徴とする熱交換パイプの埋設装置。
(1) 掘削機の回転昇降装置に押し込みロッドを取り付けて、前記押し込みロッドの先端に上下に開口した平面視で四角形または六角形の略筒状の埋設用治具を保持した。
(2) 前記埋設用治具は、内側をセメントミルク類が通過できる構造とした。
(3) 前記熱交換パイプの複数を、折り返し端部を下に向けて両開口端を上に向けて配置し、前記折り返し端部を前記埋設用治具の「外面」または「内面および外面」に固定し、前記両開口端を前記押し込みロッドの上端部または前記回転昇降装置に設けた保持具に保持した。 - 以下のように構成したことを特徴とした熱交換パイプの埋設用治具。
(1)上下に開口した平面視で四角形または六角形の筒状の基体の内側に取付部材を配置して、
前記取付部材を介して、掘削機の押し込みロッドに装着できる差し込み部材を立設して、前記差し込み部材の上端部を前記基体の上縁より上方に突出させた。
(2) 前記基体は、その内側をセメントミルク類が通過できる構造とし、かつ前記基体の外面および内面に熱交換パイプを取り付けるスペースを設けた。
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