JP6806465B2 - 基礎構造物の施工方法 - Google Patents

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本発明は、ケーソン基礎などの基礎構造物の施工方法および基礎構造物に関するものである。
従来、分割セグメントを用いて立坑など鉛直方向の地下構造物を構築するセグメント圧入工法としてアーバンリング工法(登録商標)が知られている。この工法は、リングピースを沈設地点でセグメントリングに組み立てて、圧入装置でこれを地中に圧入した後、セグメントリング内部を掘削して排土し、その上にセグメントリングを増設するといった作業工程を所定の深度まで繰り返すことにより、立坑など地下構造物を構築するものである。この工法では最終的に立坑の底版として無筋の水中コンクリートが施工される。
この工法を仮設土留工事に適用してケーソン基礎を構築する場合、明確な設計基準が無いことから、無筋の水中コンクリートで施工される底版上面をケーソン基礎の先端と捉えて設計するケースが一般的である。そのため、底版の厚さ分だけセグメントリングの根入れが深くなるとともに、この工法による底版上にケーソン基礎本体としての底版をさらに施工する必要があり、工期が長期化して工費が増大するおそれがあった。
セグメントリングの底版の内部に必要鉄筋を配筋し、これをケーソン基礎本体としてみなすことが可能であれば底版を二重で施工する必要が無くなるので、セグメントリングの設置深さおよび掘削深さも減じることが可能となる。これにより設計を合理化することが可能となるが、施工には以下の問題点がある。
ケーソン基礎では底版の位置が大水深となることが多く、水中での鉄筋の施工は困難である。また、加工した鉄筋とともにセグメントリングを沈設する場合、沈下掘削が非常に困難である。また、セグメントリング内を排水する場合、水位差により盤ぶくれやボイリング等が発生するおそれがある。
一方、従来の基礎構造物の構築方法として、掘削装置を用いて地盤に立坑を形成し、その立坑に鉄筋籠を建込んだ後、コンクリートを打設して基礎構造物を構築する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2004−36142号公報
上述したようなセグメント圧入工法を仮設土留工事に適用してケーソン基礎などの基礎構造物を構築する場合において、セグメント圧入工法で施工される底版を基礎構造物本体として利用することが可能で、施工コストを低減することのできる合理的な技術が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、セグメント圧入工法を仮設土留工事に適用して基礎構造物を構築する場合において、セグメント圧入工法で施工される底版を基礎構造物本体として利用することが可能で、工程を短縮し工費を低減することのできる合理的な基礎構造物の施工方法および基礎構造物を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る基礎構造物の施工方法は、リング状のセグメントを地盤に圧入した後、圧入したセグメントの内部の地盤を掘削して排土し、その後、既設のセグメントの上にリング状のセグメントを増設する工程を繰り返すことで地中に仮設土留としての立坑を構築する工程と、構築した立坑の底部に地上で地組した鉄筋籠を沈設する工程と、立坑の底部に沈設した鉄筋籠を埋設する態様でコンクリートを打設する工程とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他の基礎構造物の施工方法は、上述した発明において、鉄筋籠には、その形状を保持するための形状保持部材と、沈設精度を確保するための案内部材が設けられていることを特徴とする。
また、本発明に係る他の基礎構造物の施工方法は、上述した発明において、打設するコンクリートの上面に対応するリング状のセグメントの内面側に、想定される不良コンクリートの区間を内包する高さの防護部材をあらかじめ設けておき、鉄筋籠を埋設する態様でコンクリートを打設した後、立坑の内部の水を排水する工程と、立坑の内部の水を排水した後、コンクリート上面の不良コンクリートを斫って撤去する工程と、不良コンクリートを撤去したコンクリート上面に、基礎構造物用のコンクリートを気中で打設する工程とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他の基礎構造物の施工方法は、上述した発明において、構築した立坑の底部に地上で地組した鉄筋籠を着底させず吊った状態で沈設して、固定具で鉄筋籠を位置決めするとともに、コンクリートを打設した際の下からの打設圧力で浮き上がるのを防止した後、鉄筋籠を埋設する態様でコンクリートを打設することを特徴とする。
また、本発明に係る基礎構造物は、内周面がリング状のセグメントからなる仮設土留で被覆された立坑と、この立坑の底部に配置された鉄筋籠と、鉄筋籠を埋設する態様で設けられたコンクリートとを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他の基礎構造物は、上述した発明において、鉄筋籠には、その形状を保持するための形状保持部材が設けられていることを特徴とする。
また、本発明に係る他の基礎構造物は、上述した発明において、鉄筋籠には、位置決め用の固定具が設けられていることを特徴とする。
本発明に係る基礎構造物の施工方法によれば、リング状のセグメントを地盤に圧入した後、圧入したセグメントの内部の地盤を掘削して排土し、その後、既設のセグメントの上にリング状のセグメントを増設する工程を繰り返すことで地中に仮設土留としての立坑を構築する工程と、構築した立坑の底部に地上で地組した鉄筋籠を沈設する工程と、立坑の底部に沈設した鉄筋籠を埋設する態様でコンクリートを打設する工程とを備えるので、セグメント圧入工法により施工される底版を基礎構造物本体として利用することが可能となり、構造の合理化を図ることができるという効果を奏する。また、セグメントリングの沈設深さも従来工法で施工していた無筋の水中コンクリートの底版分だけ浅くすることが可能となり、工程の短縮および工費の低減を図ることができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の基礎構造物の施工方法によれば、鉄筋籠には、その形状を保持するための形状保持部材と、沈設精度を確保するための案内部材が設けられているので、地組した鉄筋籠の形状を保持したまま精度良く沈設することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の基礎構造物の施工方法によれば、打設するコンクリートの上面に対応するリング状のセグメントの内面側に、想定される不良コンクリートの区間を内包する高さの防護部材をあらかじめ設けておき、鉄筋籠を埋設する態様でコンクリートを打設した後、立坑の内部の水を排水する工程と、立坑の内部の水を排水した後、コンクリート上面の不良コンクリートを斫って撤去する工程と、不良コンクリートを撤去したコンクリート上面に、基礎構造物用のコンクリートを気中で打設する工程とを備えるので、水中コンクリート上面付近のリング状のセグメントは防護部材により防護される。このため水中コンクリート上面の不良コンクリートを斫る際にリング状のセグメントを損傷して、そこから出水するという事態を未然に防止することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の基礎構造物の施工方法によれば、構築した立坑の底部に地上で地組した鉄筋籠を着底させず吊った状態で沈設して、固定具で鉄筋籠を位置決めするとともに、コンクリートを打設した際の下からの打設圧力で浮き上がるのを防止した後、鉄筋籠を埋設する態様でコンクリートを打設するので、コンクリートに埋設される鉄筋籠を立坑の底部より所定の高さ位置に固定することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る基礎構造物によれば、内周面がリング状のセグメントからなる仮設土留で被覆された立坑と、この立坑の底部に配置された鉄筋籠と、鉄筋籠を埋設する態様で設けられたコンクリートとを備えるので、セグメント圧入工法により施工される底版を基礎構造物本体として利用することが可能となり、構造の合理化を図ることができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の基礎構造物によれば、鉄筋籠には、その形状を保持するための形状保持部材が設けられているので、地組した鉄筋籠の形状を保持することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の基礎構造物によれば、鉄筋籠には、位置決め用の固定具が設けられているので、鉄筋籠を所定の位置に位置決めすることができるという効果を奏する。
図1は、本発明に係る基礎構造物の施工方法および基礎構造物の実施の形態1を示す側面図である。 図2は、本発明に係る基礎構造物の施工方法および基礎構造物の実施の形態1を示す底部の平面図である。 図3は、本発明に係る基礎構造物の施工方法および基礎構造物の実施の形態1を示す底部の側面図である。 図4は、図2のA部分の拡大図である。 図5は、図3のB部分の拡大図である。 図6は、図3のC部分の拡大図である。 図7は、本発明に係る基礎構造物の施工方法および基礎構造物の実施の形態2を示す図である。 図8は、本発明に係る基礎構造物の施工方法および基礎構造物の実施の形態3を示す図である。
以下に、本発明に係る基礎構造物の施工方法および基礎構造物の実施の形態について、ケーソン基礎の場合を例にとり図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1について説明する。
図1は、施工途中のケーソン基礎100(基礎構造物)を示した側面図である。この図に示すように、まず、上述したアーバンリング工法(登録商標)などのセグメント圧入工法により地盤G内に仮設土留としての立坑10を構築する。なお、本実施の形態ではケーソン基礎100および立坑10の直径が例えば5.5m程度、高さが30m程度であることを想定している。
より具体的には、立坑を構成する円弧状断面のセグメントピースを地上で周方向に連結して円形のセグメントリング12(リング状のセグメント)に組み立てて、図示しないグラウンドアンカーに固定された圧入装置でこれを地盤G内に圧入した後、セグメントリング12内部を掘削機で掘削して排土し、その上にセグメントリング12を増設して地盤G内に圧入する作業工程を所要の深さまで繰り返す。セグメントリング12としては鋼製またはコンクリート製のものを用いることができるが、本実施の形態では、厚さが15cm程度の鋼製のセグメントリング12の場合を例にとり説明する。なお、円形のセグメントリング12を構成する個々のセグメントピースは、長方形のプレートを円弧状に湾曲させた面状部分と、このプレートの上下左右の端部に設けられた主桁部分と、プレートの内面側に所定間隔で設けられた複数の中主桁とからなり、全体として内側の一面が開口した略円弧状箱型の形態を有している。
次に、あらかじめ地上で地組した鉄筋籠14を、図示しないクローラークレーン等を用いて吊下げ、立坑10の底部16に沈設する。
図2は底部16の平面図、図3は側面図である。図4〜図6はそれぞれ図2のA部分、図3のB部分、C部分の拡大図である。これらの図に示すように、鉄筋籠14は鉄筋18(例えばD22やD38など)を円筒の籠状に組み上げた形態を有している。鉄筋18の配筋については、ケーソン基礎100本体の設計における当該箇所の発生断面力に対して必要鉄筋量を設計する。なお、本実施の形態では鉄筋籠14の高さが例えば3m程度であることを想定している。
鉄筋籠14の外側周囲には、その形状を保持するための形状保持部材として円形保持材20、22と、形状保持ワイヤー24が設けられており、それぞれに鉄筋18が固定されている。
円形保持材20は孔あきの水平リング状のH型鋼からなり、鉄筋籠14の外側近傍の上側、中側、下側の3箇所に設けられている。円形保持材22は円形保持材20を鉛直方向に連結する孔あきのH型鋼からなり、鉄筋籠14の前側、後側、左側、右側の4箇所に設けられている。形状保持ワイヤー24は、図2および図4に示すように、鉄筋籠14の円筒の直径方向に架設され、対向する鉄筋18どうしを直径方向に連結している。この形状保持ワイヤー24は周方向に等間隔に4本、上下方向に所定間隔に複数箇所設けられている。円形保持材20、22は、鉄筋18に比べて高い剛性を有するので、沈設時に鉄筋籠14の形状を保持することができる。
また、円形保持材22の近傍には、図3、図5および図6に示すように、沈設精度を確保する案内部材としての吊下しガイド26が設けられている。この吊下しガイド26は図4に示すようにT字状断面の鋼材からなり、鉄筋籠14の外側であって円形保持材20の外縁に固定され、鉄筋籠14の上下から若干量突き出るように鉛直方向に延在配置されており、その上下端部は沈設時のガイド機能を果たすべく円筒の内方に向けて若干傾斜している。クローラークレーン等で鉄筋籠14を立坑10に吊下す際に、鉄筋籠14の端部がセグメントリング12に当たった場合でも、吊下しガイド26の傾斜した端部が鉄筋籠14を底部16に挿入する方向に案内するように作用するので、これをスムーズに底部16に沈設することができる。
このように、これら円形保持材20、20、形状保持ワイヤー24、吊下しガイド26により、地上で地組した鉄筋籠14を、その形状を保持したまま精度良く立坑10の底部16に沈設することができる。
上記の構成の鉄筋籠14(および円形保持材20、20、形状保持ワイヤー24、吊下しガイド26)を立坑10の底部16に沈設した後、鉄筋籠14等を埋設する態様で水中コンクリート28をトレミー管等で天端30まで打設し、図示しないグラウンドアンカーとセグメントリング12を固定する。こうすることで、ケーソン基礎100を施工する際の仮設土留としての立坑10と、ケーソン基礎100本体として利用可能な底版が完成する。なお、本実施の形態では底版の高さが例えば3m程度であることを想定している。この後、底版の上部に図示しないケーソン基礎用の鉄筋を配筋するとともにコンクリートを打設することで、本発明のケーソン基礎100が完成する。
本実施の形態によれば、場所打ち杭と同様に底部16に地上で地組した鉄筋籠14を沈設することにより底部16への配筋を可能とする。これにより、セグメント圧入工法により施工される底版(底部16)をケーソン基礎本体として利用することが可能となり、構造の合理化を図ることができる。また、セグメントリング12の沈設深さも従来工法で施工していた無筋の水中コンクリートの底版分だけ浅くすることが可能となり、工程の短縮および工費の低減を図ることができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
上記の実施の形態1のような工法で立坑10を構築する場合には、地上でセグメントリング12を組み立てながら地下水以下は水中掘削しつつセグメントリング12を降ろしていくというオープンケーソンに近い工法となる。本発明では、本来ケーソン基礎の構造体と想定していなかった最下部に鉄筋籠14を入れてから水中コンクリート28を打込むことで、底版を二重で施工する無駄を省いている。
ところで、上記の工法において水中数十mという深い場所に水中コンクリート28を打込む場合には良好な締固ができないので、コンクリートの表層(例えば水中コンクリート28の上部30〜50cm程度の箇所)に、硬化状態の悪い不良コンクリート部ができることがある。
この場合、水中コンクリート28の硬化後に立坑10内部をドライアップ(水替え)してから不良コンクリート部を斫り、撤去することが望ましい。しかし、セグメントリング12の近くのコンクリートを斫る際にセグメントリング12本体を損傷してしまい、そこから出水するという事態が懸念される。
そこで、本実施の形態2では、図7に示すように、打設する水中コンクリート28の上面32に対応するセグメントリング12Aの内面側に、想定される不良コンクリート34の区間Sを内包する高さの養生鉄板36(防護部材)をあらかじめ設けておく。つまり、養生鉄板36は、少なくとも不良コンクリート34の下面以下の高さから不良コンクリート34の上面32の高さ以上に延在配置する。この養生鉄板36は、溶接等により取り付けることができる。また、養生鉄板36の設置タイミングは、設置対象のセグメントリング12Aを地上で組み立てた後、その上方に次のセグメントリング12を組み立てて継ぎ足した後ならば何時でもよい。
なお、各セグメントリング12は、上述したように内面が開口した略円弧状箱型のセグメントピースを周方向に連結して構成されており、セグメントピースは、外側に配置されるプレート40と、このプレート40の上下端に設けられる主桁42と、図示しない中主桁とからなる。養生鉄板36は、斫り作業時の水中コンクリート上面32付近のセグメントリング12Aの防護養生機能と、セグメントリング12A内部への水中コンクリート28の流入を防止する機能を有している。
その後、鉄筋籠14を埋設する態様で水中コンクリート28を打設し、立坑10の内部の水を排水する(ドライアップ)。そして、水中コンクリート28上部の不良コンクリート34を斫って撤去した後、養生鉄板36を撤去する。この後、不良コンクリート34を撤去した水中コンクリート天端30に、基礎構造物用のコンクリート38を気中で打設する。このようにすることで、水中コンクリート28上部の不良コンクリート34を斫る際にセグメントリング12Aを損傷して、そこから出水するという事態を未然に防止することができる。
上記の実施の形態においては、防護部材として養生鉄板36の場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、組み立ての際に対象のセグメントリング12Aの内部に発泡スチロール等の緩衝材を間詰めし、これを防護部材として用いてもよい。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
本実施の形態3は、鉄筋籠14の固定と浮き上がり防止についてのものである。立坑10内部の最下端にはスライム等があるために、本実施の形態3では、鉄筋籠14は立坑10内部の最下端に着けず吊った状態で水中コンクリート28を打設する。
図8は、本実施の形態3の概略手順図である。上記の実施の形態2の養生鉄板36がセグメントリング12Aの内面側にあらかじめ取り付けられている。鉄筋籠14については図示を省略している。まず、図8(1)に示すように、固定具44を備える吊下しガイド26を、図示しない鉄筋籠14とともに地上より底部に向けて吊下ろす。固定具44はL字状断面の部材であり、L字の角部の水平軸部46で吊り下しガイド26に回転自在にあらかじめ固定されている。ここで、L字の一方の端部は吊り下しガイド26に沿うように配置し、他方の端部は外側(セグメントリング12Aに向く側)に向くように配置して吊下ろす。L字の端部には地上からの外側ワイヤー48、内側ワイヤー50がそれぞれ接続しており、両ワイヤー48、50を地上より押し引き操作することで固定具44の回転位置を調整可能となっている。
図8(2)に示すように、吊下しガイド26の下降により固定具44が養生鉄板36の位置に到達すると、固定具44のL字の外側に向いた端部の下面が養生鉄板36に当たって固定具44は時計方向に回転変位する。吊下しガイド26をさらに下ろすと、固定具44は養生鉄板36に当接または近接した状態で吊下しガイド26とともに下降する。
図8(3)に示すように、養生鉄板36を通り過ぎたところで吊下しガイド26の下降を停止する。次に、図8(4)に示すように、外側ワイヤー48を緩めて内側ワイヤー50を引っ張る。こうすることで、固定具44は反時計方向に回転変位して最初の位置に戻り、L字の外側の端部がセグメントリング12の内部に挿入された格好となる。図8(5)に示すように、この状態で吊下しガイド26を若干引き上げると、固定具44のL字の外側の端部44Aの上面がセグメントリング12の主桁42の下面に当たって係止する。地上にて両ワイヤー48、50を固定する。このようにすることで、固定具44、吊下しガイド26を介して鉄筋籠14の位置決めをすることができる。また、セグメントリング12の主桁42に係止した固定具44は上方に移動できないので、後工程で水中コンクリート28を打設した際に鉄筋籠14が下からの打設圧力で浮き上がるのを防止することができる。
なお、必要に応じて両ワイヤー48、50を押し引き操作して固定具44の回転位置を変え、主桁42に対する係止を解除することも可能である。
また、上記の実施の形態においては、固定具44の回転位置を制御する方法として、外側ワイヤー48、内側ワイヤー50を用いる場合につてい説明したが、これに限るものではない。例えば、固定具44の回転位置を初期状態(図8(1)の状態)に維持する方向に付勢するバネを備える構成としてもよい。この場合、吊下しガイド26の下降により固定具44が養生鉄板36の位置に到達すると、固定具44のL字の外側に向いた端部の下面が養生鉄板36に当たって時計方向に回転変位し、養生鉄板36の区間を通り過ぎると元の回転位置に復帰する構成としてもよい。
以上説明したように、本発明に係る基礎構造物の施工方法によれば、リング状のセグメントを地盤に圧入した後、圧入したセグメントの内部の地盤を掘削して排土し、その後、既設のセグメントの上にリング状のセグメントを増設する工程を繰り返すことで地中に仮設土留としての立坑を構築する工程と、構築した立坑の底部に地上で地組した鉄筋籠を沈設する工程と、立坑の底部に沈設した鉄筋籠を埋設する態様でコンクリートを打設する工程とを備えるので、セグメント圧入工法により施工される底版を基礎構造物本体として利用することが可能となり、構造の合理化を図ることができる。また、セグメントリングの沈設深さも従来工法で施工していた無筋の水中コンクリートの底版分だけ浅くすることが可能となり、工程の短縮および工費の低減を図ることができる。
また、本発明に係る他の基礎構造物の施工方法によれば、鉄筋籠には、その形状を保持するための形状保持部材と、沈設精度を確保するための案内部材が設けられているので、地組した鉄筋籠の形状を保持したまま精度良く沈設することができる。
また、本発明に係る他の基礎構造物の施工方法によれば、打設するコンクリートの上面に対応するリング状のセグメントの内面側に、想定される不良コンクリートの区間を内包する高さの防護部材をあらかじめ設けておき、鉄筋籠を埋設する態様でコンクリートを打設した後、立坑の内部の水を排水する工程と、立坑の内部の水を排水した後、コンクリート上面の不良コンクリートを斫って撤去する工程と、不良コンクリートを撤去したコンクリート上面に、基礎構造物用のコンクリートを気中で打設する工程とを備えるので、水中コンクリート上面付近のリング状のセグメントは防護部材により防護される。このため水中コンクリート上面の不良コンクリートを斫る際にリング状のセグメントを損傷して、そこから出水するという事態を未然に防止することができる。
また、本発明に係る他の基礎構造物の施工方法によれば、構築した立坑の底部に地上で地組した鉄筋籠を着底させず吊った状態で沈設して、固定具で鉄筋籠を位置決めするとともに、コンクリートを打設した際の下からの打設圧力で浮き上がるのを防止した後、鉄筋籠を埋設する態様でコンクリートを打設するので、コンクリートに埋設される鉄筋籠を立坑の底部より所定の高さ位置に固定することができる。
また、本発明に係る基礎構造物によれば、内周面がリング状のセグメントからなる仮設土留で被覆された立坑と、この立坑の底部に配置された鉄筋籠と、鉄筋籠を埋設する態様で設けられたコンクリートとを備えるので、セグメント圧入工法により施工される底版を基礎構造物本体として利用することが可能となり、構造の合理化を図ることができる。
また、本発明に係る他の基礎構造物によれば、鉄筋籠には、その形状を保持するための形状保持部材が設けられているので、地組した鉄筋籠の形状を保持することができる。
また、本発明に係る他の基礎構造物によれば、鉄筋籠には、位置決め用の固定具が設けられているので、鉄筋籠を所定の位置に位置決めすることができる。
以上のように、本発明に係る基礎構造物の施工方法および基礎構造物は、セグメント圧入工法を仮設土留工事に適用して基礎構造物を構築する場合において、セグメント圧入工法で施工される底版を基礎構造物本体として利用するのに有用であり、特に、施工期間や施工コストを低減するのに適している。
10 立坑
12,12A セグメントリング(セグメント)
14 鉄筋籠
16 底部
18 鉄筋
20,22 円形保持材(形状保持部材)
24 形状保持ワイヤー(形状保持部材)
26 吊下しガイド(案内部材)
28 水中コンクリート
30 天端
32 上面
34 不良コンクリート
36 養生鉄板(防護部材)
38 コンクリート
40 プレート
42 主桁
44 固定具
46 水平軸部
48 外側ワイヤー
50 内側ワイヤー
100 ケーソン基礎(基礎構造物)
G 地盤
S 区間

Claims (3)

  1. リング状のセグメントを地盤に圧入した後、圧入したセグメントの内部の地盤を掘削して排土し、その後、既設のセグメントの上にリング状のセグメントを増設する工程を繰り返すことで地中に仮設土留としての立坑を構築する工程と、
    構築した立坑の底部に地上で地組した鉄筋籠を沈設する工程と、
    立坑の底部に沈設した鉄筋籠を埋設する態様でコンクリートを打設する工程とを備える基礎構造物の施工方法であって、
    打設するコンクリートの上面に対応するリング状のセグメントの内面側に、想定される不良コンクリートの区間を内包する高さの防護部材をあらかじめ設けておき、鉄筋籠を埋設する態様でコンクリートを打設した後、立坑の内部の水を排水する工程と、
    立坑の内部の水を排水した後、コンクリート上面の不良コンクリートを斫って撤去する工程と、
    不良コンクリートを撤去したコンクリート上面に、基礎構造物用のコンクリートを気中で打設する工程とをさらに備えることを特徴とする基礎構造物の施工方法。
  2. 構築した立坑の底部に地上で地組した鉄筋籠を着底させず吊った状態で沈設して、固定具で鉄筋籠を位置決めするとともに、コンクリートを打設した際の下からの打設圧力で浮き上がるのを防止した後、鉄筋籠を埋設する態様でコンクリートを打設することを特徴とする請求項1に記載の基礎構造物の施工方法。
  3. 鉄筋籠には、その形状を保持するための形状保持部材と、リング状のセグメントと鉄筋籠の間隔を一定に保ち、沈設精度を確保するための案内部材が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の基礎構造物の施工方法。
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