JP2020128672A - 洋上風力発電用のモノパイル基礎の施工方法および洋上風力発電用のモノパイル基礎 - Google Patents

洋上風力発電用のモノパイル基礎の施工方法および洋上風力発電用のモノパイル基礎 Download PDF

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Abstract

【課題】岩盤または硬質地盤が露出している場所及びその上に堆積層を有する水底地盤にモノパイル基礎を高い位置精度で施工できる洋上風力発電用のモノパイル基礎の施工方法および洋上風力発電用のモノパイル基礎を提供する。【解決手段】昇降式の作業構台16をモノパイル杭の建込予定位置に据え付ける。次に、作業構台16に据え付けた全周回転掘削機23にケーシングパイプ29を取り付け、岩盤層3の所定の深さに達するガイド孔を先行削孔した後、ケーシングパイプ29に拡径掘削装置33を取り付け、ガイド孔を拡径掘削して杭孔35を掘削する。そして、作業構台16に設置した挿入用ガイドにモノパイル杭を通し、杭孔35に建て込む。その後、杭孔35とモノパイル杭との間に水中コンクリートを充填してモノパイル基礎を完成する。【選択図】図7

Description

本発明は、洋上風力発電用のモノパイル基礎の施工方法および洋上風力発電用のモノパイル基礎に関するものである。
近年、再生可能エネルギーのひとつである風力発電の建設場所は、設備の大型化や周囲への影響、風況などにより陸上から洋上へと移行している。洋上風車の基礎構造形式の中では、構造が単純で経済性の高いモノパイル基礎が最も一般的である。モノパイル基礎は油圧ハンマー等による打撃工法により地盤に打設される。
また、支持層の上に厚い軟弱層が存在する場合には、未改良部位を残して軟弱層を地盤改良し、未改良部位を掘削してモノパイルを根入れする方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許第4664636号公報
しかしながら、打撃工法によってモノパイル基礎を施工する場合、施工対象地盤は打ち込み可能な土砂に限られ、露岩している部分は施工できない。また、杭材の材質や肉厚を打撃に耐え得るものにする必要があるため、風車の大型化に伴ってモノパイル基礎の製作費や輸送費が増大する。杭打ち精度の補正が必要となる場合もある。
また、我が国における洋上での風力発電の建設場所は風況の良い沖合での計画が主流となるため、水深が深く堆積層が浅い沖合においては特許文献1記載の方法では、根入れ深さの確保が困難となることがある。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすることは、打撃工法が適用できない岩盤または硬質地盤にモノパイル基礎を高い位置精度で施工できる洋上風力発電用のモノパイル基礎の施工方法および洋上風力発電用のモノパイル基礎である。
前述した目的を達成するために第1の発明は、岩盤または硬質地盤に洋上風力発電用のモノパイル基礎を施工する方法であって、昇降式の作業構台を、モノパイル杭の建込予定位置に据え付ける工程aと、前記作業構台を上下方向に貫通する作業空間上に据え付けた全周回転掘削機により、前記岩盤または硬質地盤の所定の深さに達する杭孔を掘削する工程bと、前記作業空間にモノパイル杭の挿入用ガイドを設置し、前記挿入用ガイドを通してモノパイル杭を前記杭孔に建て込む工程cと、前記杭孔と前記モノパイル杭との間に水中コンクリートを充填する工程dと、を具備することを特徴とする洋上風力発電用のモノパイル基礎の施工方法である。
第1の発明では、全周回転掘削機を用いて岩盤または硬質地盤の所定の深さに達する杭孔を掘削してモノパイル杭を建て込むことにより、打撃工法が適用できない岩盤または硬質地盤にモノパイル基礎を施工することができる。また、打撃工法を用いないためモノパイル杭が打撃による衝撃荷重を受けず、モノパイル杭の材質の選択肢が広がる。さらに、作業空間に設置した挿入用ガイドにモノパイル杭を通すことにより、モノパイル杭を高い位置精度で建て込むことができる。
前記岩盤または硬質地盤の上に堆積層が存在し、前記工程aの前に、前記堆積層を前記岩盤または硬質地盤まで改良して改良体を形成する工程eをさらに具備し、前記工程bで、前記改良体を貫通して前記杭孔を掘削してもよい。
これにより、岩盤または硬質地盤の上に堆積層がある地盤において、堆積層の厚さに関わらず根入れ深さを確保してモノパイル基礎を施工することができる。また、堆積層に改良体を形成するため、モノパイル杭の周囲の洗掘防止工の省略が可能となる。
前記工程bが、前記全周回転掘削機にケーシングパイプを取り付け、ガイド孔を先行削孔する工程fと、前記ケーシングパイプに拡径掘削装置を取り付け、前記ガイド孔を拡径掘削して前記杭孔を掘削する工程gと、を具備してもよい。
小径のガイド孔を先行削孔すれば、大径の杭孔を鉛直方向に確実に掘削することができる。
この場合、前記工程fまたは前記工程gで、前記ケーシングパイプの中心を把握し、前記工程cで、前記挿入用ガイドを通した前記モノパイル杭の中心と前記ケーシングパイプの中心とが一致するように前記挿入用ガイドを設置することが望ましい。
これにより、モノパイル杭の中心をケーシングパイプで掘削した杭孔の中心に合わせることができるので、モノパイル杭をより高い位置精度で建て込むことができる。
前記工程aと前記工程bとの間に、前記作業構台の中央部に架台を設置し、前記架台に前記全周回転掘削機を据え付けることが望ましい。
これにより、作業構台にモノパイル杭を通すための作業空間より全周回転掘削機が小型である場合にも、全周回転掘削機を安定して取り付けることができる。
前記工程dの間、前記モノパイル杭を天端が所定の高さとなるように保持することが望ましい。
これにより、モノパイル杭を所定の高さに固定できる。
第2の発明は、岩盤または硬質地盤の上に堆積層を有する地盤に施工された洋上風力発電用のモノパイル基礎であって、前記堆積層を前記岩盤または硬質地盤まで改良して形成された改良体と、前記改良体を貫通し前記岩盤または硬質地盤の所定の深さに達する杭孔に建て込まれ、前記杭孔よりも径の小さい既製のモノパイル杭と、前記モノパイル杭と前記杭孔との間に充填された水中コンクリートと、からなり、前記改良体の強度が、前記杭孔の削孔時に孔壁が崩壊しない強度に設定されたことを特徴とする洋上風力発電用のモノパイル基礎である。
第2の発明では、堆積層に改良体が形成され、改良体を貫通して岩盤または硬質地盤の所定の深さに達する杭孔にモノパイル杭が建て込まれる。これにより、岩盤層などの上に堆積層がある地盤において、堆積層の厚さに関わらずモノパイル基礎の根入れ深さを確保することができ、杭孔の孔壁崩落対策も不要となる。また、堆積層に改良体が形成されるため、モノパイル杭の周囲の洗掘防止工の省略が可能となる。さらに、杭孔が先行掘削されるためモノパイル杭が打撃による衝撃荷重を受けず、モノパイル杭の材質の選択肢が広がる。
前記モノパイル杭が鉄筋コンクリート製またはプレストレストコンクリート製であることが望ましい。
これにより、大型の洋上風車に対応する大径のモノパイル杭の製作費を削減できる。
前記水中コンクリートは、固化後に前記岩盤または硬質地盤と同等以上の強度を発現することが望ましい。
これにより、モノパイル杭を杭孔に確実に固定することができる。
本発明によれば、岩盤または硬質地盤が露出している場所及び岩盤または硬質地盤の上に堆積層を有する水底地盤にモノパイル基礎を高い位置精度で施工できる洋上風力発電用のモノパイル基礎の施工方法および洋上風力発電用のモノパイル基礎を提供できる。
地盤1に改良体9を形成する工程を示す図。 昇降式海上作業構台15を曳航する工程を示す図。 昇降式海上作業構台15を据え付ける工程を示す図。 全周回転掘削機23を据え付ける工程を示す図。 ガイド孔31を先行削孔する工程を示す図。 拡径掘削装置33を取り付ける工程を示す図。 杭孔35を掘削する工程を示す図。 作業構台16に挿入用ガイド47を設置する工程を示す図。 モノパイル杭39を杭孔35に建て込む工程を示す図。 水中コンクリート41を打設する工程を示す図。 昇降式海上作業構台15を撤去する工程を示す図。 モノパイル基礎45aの例を示す図。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。図1は、地盤1に改良体9を形成する工程を示す図である。図1(a)はモノパイル基礎の施工予定位置付近の鉛直方向の断面図、図1(b)は堆積層5の水平方向の断面図である。本実施形態では、図1に示すような岩盤層3の上に堆積層5が存在する地盤1にモノパイル基礎を施工する。
地盤1にモノパイル基礎を施工するには、まず、図1(a)に示すように、CDM船(深層混合処理船)等の地盤改良船7により、堆積層5を岩盤層3の深さまで改良して改良体9を形成する。
改良体9は、杭孔35等の削孔に際し、孔壁の安定が確保され崩壊しないような強度に設定される。改良体9による地盤改良範囲は、モノパイル杭に作用する風車からの風圧、波力、潮流力及び地震力といった水平力に対して改良体の強度に応じた地盤反力を期待できるように、堆積層5の下端からの受働崩壊線43を包括するものとする。改良体9は、図1(b)に示すように平面視で円形の範囲に形成することが望ましい。
図2は、昇降式海上作業構台15を曳航する工程を示す図である。図2(a)はモノパイル基礎の施工予定位置付近の鉛直方向の断面図、図2(b)は昇降式海上作業構台15を上方から見た図である。
改良体9を形成したら、図2に示すように、昇降式海上作業構台15にフロータ13を取り付け、モノパイル基礎の建込予定位置まで曳船11で曳航する。昇降式海上作業構台15は、作業構台16と、作業構台16に対して上下方向に移動可能なレグ17とからなる。曳航時には、レグ17は地盤1に接触しない高さに固定される。
作業構台16は、図2(b)に示すように中央部に作業空間25を有するロの字型であり、コの字型の本体16aと、コの字型に開いた部分を埋めるように本体16aに対して着脱可能な着脱式床版16bとからなる。曳航時には、本体16aに着脱式床版16bが取り付けられた状態とする。
図3は、昇降式海上作業構台15を据え付ける工程を示す図である。昇降式海上作業構台15をモノパイル基礎の建込予定位置まで曳航したら、図3に示すように、レグ17を地盤1に着底させ、作業構台16を鉛直方向に移動させてフロータ13を取り外し、作業構台16を水上の所定高さに固定する。このとき全てのレグ17を改良体9上に着底させることにより、レグ17が不均等に沈むことがなくなるので昇降式海上作業構台15を安定して据え付けることができる。
図4は、昇降式海上作業構台15に全周回転掘削機23を据え付ける工程を示す図である。図4(a)はモノパイル基礎の施工予定位置付近の鉛直方向の断面図、図4(b)は昇降式海上作業構台15を上方から見た図である。
昇降式海上作業構台15を据え付けたら、図示しないクレーン船を用いて図4に示すクローラクレーン19、架台21、掘削装置である全周回転掘削機23を作業構台16上に載せる。
図4に示すように、作業空間25は作業構台16を上下方向に貫通する。架台21は、作業空間25を跨ぐように作業構台16の上面に設置される。全周回転掘削機23は、架台21に装着される。
図5は、ガイド孔31を先行削孔する工程を示す図である。全周回転掘削機23を作業構台16に据え付けたら、全周回転掘削機23にケーシングパイプ29を取り付ける。そして、ケーシングパイプ29を作業構台16上で継ぎ足しつつ全周回転掘削機23を用いて地盤1に回転させながら押し込み、ハンマーグラブ27によって内部を掘削することにより、図5に示すように地盤1に改良体9を貫通して岩盤層3の所定の深さに達するガイド孔31を削孔する。
図6は、拡径掘削装置33を取り付ける工程を示す図である。ガイド孔31の削孔が完了したら、図6に示すようにケーシングパイプ29を引き上げ、ケーシングパイプ29に拡径掘削装置33を取り付ける。
図7は、杭孔35を掘削する工程を示す図である。ケーシングパイプ29に拡径掘削装置33を取り付けたら、先行削孔したガイド孔31(図6参照)を図7に示すように拡径掘削装置33を用いて拡径掘削し、杭孔35を形成する。
図5から図7に示す工程でガイド孔31や杭孔35を削孔する時、削孔で生じた掘削ずりは、クローラクレーン19によりハンマーグラブ27を用いてケーシングパイプ29内から搬出され、図示しない土運船に積み込まれる。
ここで、改良体9は上記したように削孔時に孔壁の安定が確保されるような強度に設定されている。そのため、図6に示すようにケーシングパイプ29を引き上げてもガイド孔31は崩壊しない。また図7に示すように拡径掘削しても杭孔35は崩壊しない。さらに全周回転掘削機23を用いてガイド孔31や杭孔35の真円度を高めれば、リング効果によって肌落ちを防いで孔壁をさらに安定させることができる。
図8は、作業構台16に挿入用ガイド47を設置する工程を示す図である。図8(a)はモノパイル基礎の施工予定位置付近の鉛直方向の断面図、図8(b)は昇降式海上作業構台15を上方から見た図である。
杭孔35の形成が完了したら、削孔に用いた装置類を撤去し、図8に示すように作業構台16に挿入用ガイド47を設置する。挿入用ガイド47は、モノパイル杭39(図9参照)を挿入する環状部材47aと、作業構台16に架け渡して環状部材47aを保持する保持部材47bとからなる。挿入用ガイド47は例えば上下2段に配置される。
なお、前記した図4から図7に示す工程のいずれかの段階で、ケーシングパイプ29の中心の位置を把握しておき、その位置に合わせて挿入用ガイド47を設置してもよい。例えば、ケーシングパイプ29の中心に挿入用ガイド47の環状部材47aの中心を合わせ、挿入用ガイド47の設置個所を作業構台16上にマーキングしてもよい。このマークに合わせて挿入用ガイド47を設置すれば、杭孔35の中心と挿入用ガイド47の中心とを確実に合わせることができる。このため、挿入用ガイド47を通したモノパイル杭39の中心とケーシングパイプ29により掘削された杭孔35の中心とを一致させることができる。
図9は、モノパイル杭39を杭孔35に建て込む工程を示す図である。挿入用ガイド47を設置したら、図9に示すように起重機船37でモノパイル杭39を吊り下げ、挿入用ガイド47を通してモノパイル杭39を杭孔35に建て込む。
モノパイル杭39は、トランジションピースの代わりとなる風車タワーの接続部が一体となっているタイプである。モノパイル杭39は、例えば、鉄筋コンクリート製、プレストレストコンクリート製のプレキャスト杭である。モノパイル杭39は杭孔35よりも径が小さい。モノパイル杭39の下端部は閉塞されていてもよいし、開放されていてもよい。
モノパイル杭39は、下端付近に、モノパイル杭39の外周面と杭孔35の孔壁との間隔を調整するための図示しない調整機構を有してもよい。調整機構としては、モノパイル杭39の外周の全周又は複数個所に突出するものである。例えば、モノパイル杭39の建て込み中にはモノパイル杭39の断面内に格納されて外周面から突出せず、建て込み後に油圧で張出量を調整することによってモノパイル杭39の外周面から杭孔35の径方向に張出す機構を適用することができる。これによりモノパイル杭39を杭孔35内の正確な位置に固定できる。
図10は、水中コンクリート41を打設する工程を示す図である。杭孔35にモノパイル杭39を建て込んだら、図10に示すように杭孔35とモノパイル杭39との間に図示しないコンクリートプラント船等により水中コンクリート41を充填する。水中コンクリート41は、杭孔35内に隙間なく回り込むように流動性や充填性の高いものとし、固化後に岩盤層3と同等以上の強度を発現するものとする。
水中コンクリート41を充填する際には、起重機船37で吊り下げることによりモノパイル杭39を天端が所定の高さとなるように保持する。また、作業構台16に図示しない固定手段を設けてモノパイル杭39の頭部を固定することにより波や潮流の影響を避けることが望ましい。
さらに、モノパイル杭39の下端部が閉塞されている場合は、モノパイル杭39の内部に水を入れて水中コンクリート41からの揚圧力による浮き上がりを防ぐ。モノパイル杭39の下端部が開放されている場合は、水中コンクリート41をモノパイル杭39の内部の地盤1の表面付近まで回し込んで強度を高める。
図11は、昇降式海上作業構台15を撤去する工程を示す図である。水中コンクリート41が固化したら、図11(a)に示すようにモノパイル杭39の吊下げを終了し、改良体9、モノパイル杭39、水中コンクリート41等からなる洋上風力発電用のモノパイル基礎45を完成する。
モノパイル基礎45が完成したら、図11(b)に示すように作業構台16から着脱式床版16bを取り外す。次に、作業構台16の本体16aの下にフロータ13を差し込み、昇降式海上作業構台15をフロータ13で支持した後、レグ17を地盤1から上昇させる。そして、モノパイル基礎45が着脱式床版16bの取り外しによってできた空間を通るように曳船11で昇降式海上作業構台15を図11の右方向に移動させて撤去する。その後、図示しない風車タワーをモノパイル基礎45に取り付ける。
このように、本実施形態によれば、岩盤層3などの上に薄い堆積層5がある地盤にも根入れ深さを確保してモノパイル基礎45を施工することができる。本実施形態では、削孔時に孔壁が崩壊しない強度に設定された改良体9を堆積層5に形成するため、ガイド孔31や杭孔35の孔壁崩落対策が不要となる。堆積層5に改良体9を形成すれば、一般的に必要とされるモノパイル杭39の周囲の洗掘防止工の省略も可能である。
本実施形態では、掘削装置として全周回転掘削機23を用い、全周回転掘削機23でガイド孔31を先行削孔した後、拡径掘削装置33でガイド孔31を拡径掘削して杭孔35を掘削する。そのため、強度が高い改良体9や岩盤層3に大径の杭孔35を鉛直方向に確実に掘削することができる。
本実施形態では、打撃工法を用いず、杭孔35を掘削してモノパイル杭39を建て込む。そのため、モノパイル杭39が打撃による衝撃荷重を受けず、モノパイル杭39の材質の選択肢が広がる。例えばモノパイル杭39を鉄筋コンクリート製またはプレストレストコンクリート製のプレキャスト杭とすることが可能になり、大型の洋上風車に対応する大径のモノパイル杭39の製作費及び防蝕に要する維持費を縮減できる。
本実施形態では、作業構台16のレグ17を地盤1に着底させるので、波や潮流によって作業構台16が揺れることがない。そのため、作業構台16の作業空間25から杭孔35を削孔しモノパイル杭39を建て込むことで、削孔位置や建込位置の精度を確保できる。また、杭孔35の削孔時にケーシングパイプ29の中心を把握しておき、モノパイル杭39の中心とケーシングパイプ29の中心とが一致するように挿入用ガイド47を設置してモノパイル杭39を建て込むことで、建込位置の精度をより高めることができる。このように本実施形態ではモノパイル杭39を高い位置精度で設置できるので、位置補正および風車タワーとの接続ためのトランジションピースを省略し、風車タワーとの接続部が一体となったモノパイル杭39を適用することが可能となる。
本実施形態では、モノパイル杭39を天端が所定の高さとなるように保持した状態で、杭孔35とモノパイル杭39との間に固化後に岩盤層3と同等以上の強度を発現する水中コンクリート41を充填する。これにより、モノパイル杭39を所定の高さで傾きなく確実に固定することができる。
なお、本実施形態では、風車タワーとの接続部が一体となったモノパイル杭39を用いる場合について述べたが、本発明は風車タワーとの接続部が一体となっていないモノパイル杭を用いる場合にも適用できる。
図12は、モノパイル基礎45aの例を示す図である。図12(a)はモノパイル基礎45aの鉛直方向の断面図、図12(b)は昇降式海上作業構台15aを上方から見た図である。モノパイル基礎45aでは、風車タワーとの接続部が一体になっていないモノパイル杭39aが用いられる。
図12に示す例では、図12(b)に示すロの字型の作業構台16cを有する昇降式海上作業構台15aを用いてモノパイル基礎45aを施工する。図12(a)に示すように、モノパイル杭39aは、風車タワーと接続するための接続部が一体となっていないため、天端が図11に示すモノパイル杭39より低い水面付近に位置する。
モノパイル基礎45aが完成したら、作業構台16cの下にフロータ13を差し込み、作業構台16cの下面がモノパイル杭39aの天端より上に位置するように昇降式海上作業構台15aをフロータ13で支持し、レグ17を地盤1から上昇させる。そして、モノパイル杭39aが作業構台16cの下をくぐるように曳船11で昇降式海上作業構台15aを移動させて撤去する。その後、モノパイル杭39aの上部に風車タワーとの接続のためのトランジションピースを取り付ける。
本実施形態や図12に示す例では、モノパイル基礎の支持層として岩盤層3を示したが、支持層は岩盤層3以外の硬質地盤であってもよく、堆積層5がない露岩部であってもよい。堆積層5がない露岩部等にモノパイル基礎を施工する場合には、改良体9を形成しない。また、昇降式の作業構台として昇降式海上作業構台15を用いたが、昇降式作業構台付き作業船(SEP)やその他の台船を用いてもよい。昇降式作業構台付き作業船を用いた場合は曳船11やフロータ13が不要である。
本実施形態では先行掘削したガイド孔31をガイドとして杭孔35を拡径掘削したが、杭孔の径によってはガイド孔31を先行掘削しなくてもよい。さらに、モノパイル杭は、鋼製や、鋼とコンクリートとの合成構造であってもよい。掘削装置を据え付ける架台21やモノパイル杭の挿入用ガイド47は図示したものに限らない。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………地盤
3………岩盤層
5………堆積層
7………地盤改良船
9………改良体
11………曳船
13………フロータ
15、15a………昇降式海上作業構台
16、16c………作業構台
16a………本体
16b………着脱式床版
17………レグ
19………クローラクレーン
21………架台
23………全周回転掘削機
25………作業空間
27………ハンマーグラブ
29………ケーシングパイプ
31………ガイド孔
33………拡径掘削装置
35………杭孔
37………起重機船
39、39a………モノパイル杭
41………水中コンクリート
43………受働崩壊線
45、45a………モノパイル基礎
47………挿入用ガイド
47a………環状部材
47b………保持部材

Claims (9)

  1. 岩盤または硬質地盤に洋上風力発電用のモノパイル基礎を施工する方法であって、
    昇降式の作業構台を、モノパイル杭の建込予定位置に据え付ける工程aと、
    前記作業構台を上下方向に貫通する作業空間上に据え付けた全周回転掘削機により、前記岩盤または硬質地盤の所定の深さに達する杭孔を掘削する工程bと、
    前記作業空間にモノパイル杭の挿入用ガイドを設置し、前記挿入用ガイドを通してモノパイル杭を前記杭孔に建て込む工程cと、
    前記杭孔と前記モノパイル杭との間に水中コンクリートを充填する工程dと、
    を具備することを特徴とする洋上風力発電用のモノパイル基礎の施工方法。
  2. 前記岩盤または硬質地盤の上に堆積層が存在し、
    前記工程aの前に、前記堆積層を前記岩盤または硬質地盤まで改良して改良体を形成する工程eをさらに具備し、
    前記工程bで、前記改良体を貫通して前記杭孔を掘削することを特徴とする請求項1記載の洋上風力発電用のモノパイル基礎の施工方法。
  3. 前記工程bが、
    前記全周回転掘削機にケーシングパイプを取り付け、ガイド孔を先行削孔する工程fと、
    前記ケーシングパイプに拡径掘削装置を取り付け、前記ガイド孔を拡径掘削して前記杭孔を掘削する工程gと、
    を具備することを特徴とする請求項1または請求項2記載の洋上風力発電用のモノパイル基礎の施工方法。
  4. 前記工程fまたは前記工程gで、前記ケーシングパイプの中心を把握し、
    前記工程cで、前記挿入用ガイドを通した前記モノパイル杭の中心と前記ケーシングパイプの中心とが一致するように前記挿入用ガイドを設置することを特徴とする請求項3記載のモノパイル基礎の施工方法。
  5. 前記工程aと前記工程bとの間に、前記作業構台の中央部に架台を設置し、前記架台に前記全周回転掘削機を据え付けることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の洋上風力発電用のモノパイル基礎の施工方法。
  6. 前記工程dの間、前記モノパイル杭を天端が所定の高さとなるように保持することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の洋上風力発電用のモノパイル基礎の施工方法。
  7. 岩盤または硬質地盤の上に堆積層を有する地盤に施工された洋上風力発電用のモノパイル基礎であって、
    前記堆積層を前記岩盤または硬質地盤まで改良して形成された改良体と、
    前記改良体を貫通し前記岩盤または硬質地盤の所定の深さに達する杭孔に建て込まれ、前記杭孔よりも径の小さい既製のモノパイル杭と、
    前記モノパイル杭と前記杭孔との間に充填された水中コンクリートと、
    からなり、
    前記改良体の強度が、前記杭孔の削孔時に孔壁が崩壊しない強度に設定されたことを特徴とする洋上風力発電用のモノパイル基礎。
  8. 前記モノパイル杭が鉄筋コンクリート製またはプレストレストコンクリート製であることを特徴とする請求項7記載の洋上風力発電用のモノパイル基礎。
  9. 前記水中コンクリートは、固化後に前記岩盤または硬質地盤と同等以上の強度を発現することを特徴とする請求項7または請求項8記載の洋上風力発電用のモノパイル基礎。
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