JP5780663B1 - 既製杭内部への採熱管設置方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プレボーリング工法によって既製杭と採熱管とを地中に設置するに際して、採熱管の接続作業を無くすとともに、採熱管の巻き癖直しの作業を無くし、かつソイルセメントが硬化する前に、既製杭の挿入設置と併行して既製杭の内部に採熱管を螺旋状に効率良く設置する。【解決手段】往き管2と還り管3とを巻き束ね、それぞれの管の末端をU字型継手4により接続した採熱管ユニット1を既製杭8の内部に、前記採熱管ユニット1の末端側端部を既製杭8の下端部に固定した状態で設置し、前記採熱管ユニット1の上端部を地上側で保持した状態で、前記既製杭8を掘削孔23に挿入することにより、前記採熱管ユニット1の往き管2と還り管3とを掘削孔の方向に螺旋状に伸張させ、前記採熱管ユニット1を既製杭8の全長に亘って螺旋状に伸張させる。【選択図】図13

Description

本発明は、建築物等の基礎杭(既製杭)を設置するに際して、この既製杭の内部に採熱管を設置するための採熱管設置方法に関する。
近年、地中熱を利用した省資源・省エネルギー化技術が注目されている。地中深さ10m以深の地中温度は季節に関わらず1年の間ほぼ安定しているため、この安定した熱エネルギーを地中から取り出して、冷暖房や給湯、融雪などに利用することが盛んに行われている。
地中熱を地中から取り出すには、採熱管を地中に埋設して、水や不凍液等の熱媒を循環させて地中熱を採熱し、これを冷暖房や給湯、融雪などに利用するようにしているが、前記採熱管を地中に埋設する方式には、大別してボアホール方式と基礎杭利用方式との2種類が存在する。
前者のボアホール方式では、例えば地中に採熱管設置用の穴を掘り、その後にUチューブと呼ばれる採熱管を機械と人力によって穴深くまで送り込み、砂礫等で埋め戻す方法が一般的に採用される。
後者の基礎杭利用方式は、建物の基礎杭とともに、採熱管を埋設し、基礎杭としての機能と採熱管としての機能を兼用させるものである。採熱管の設置は、前記ボアホール方式と同様に、地中に採熱管設置用の穴を掘り、この穴に基礎杭を設置した後に、基礎杭の内部に採熱管を挿入する方法が一般的に採用される。採熱管の挿入に際しては、杭内部にはソイルセメントが充填されているため、採熱管の先端に重りを取り付け、重力によって採熱管を徐々に沈めながら杭内部に採熱管を設置する方法が採られることが多い。本発明は、後者の基礎杭利用方式に関するものであり、また基礎杭には場所打ち杭と既製杭とがあるが、特に既製杭の内部に採熱管を設置する方法に関するものである。
前記採熱管(Uチューブ)としては、一般的に高密度ポリエチレン製のチューブが使用されているが、設置方法としては、往き管と還り管とを末端でU字継手によって連結したものを1セットとして埋設する方式が主流であったが、近年は採熱量を増加させるために、ダブルで設置するダブルUチューブ方式や、採熱管を螺旋状に設置する方式も採用されている。
前記既製杭を用いた基礎杭利用方式の採熱管設置方法としては、例えば下記特許文献1〜3に記載される方法を挙げることができる。
下記特許文献1では、熱媒を器内通過させる対地熱交換器(採熱管)を土木建設用の杭に一体的に付設しておき、この付設状態で前記杭を地中に設置施工する対地熱交換設備の製造方法が提案されている。
下記特許文献2では、以下のようにして、予め掘削された杭穴内に、中空の既製杭と共に熱交換用のパイプを埋設することを特徴とする杭穴内へのパイプの埋設方法。
(1)最下段の既製杭の下端部に、ワイヤー折り返し手段を取り付ける。
(2)前記既製杭の中空部に挿入でき、あるいは前記既製杭の外周に配置できるパイプ埋設具に、前記パイプの下端部を固定する。
(3)パイプ埋設手段にワイヤーを取り付け、該ワイヤーの中間部を前記ワイヤー折り返し手段に係止して、前記ワイヤーの他端を地上に配置する。
(4)最下段の既製杭に前記パイプ埋設具を取り付けし、前記ワイヤーを延ばしながら、前記最下段の既製杭を所定の方法により杭穴内に下降する。
(5)以下、必要な既製杭又は最上段の既製杭を連結して、連結した既製杭を埋設する。
(6)前記(5)の各既製杭を埋設しながら、あるいは埋設した後に、前記ワイヤーを引いて、前記パイプ埋設具を既製杭に沿って、所定深さ位置まで移動させる。
更に、下記特許文献3では、中空に形成された杭を地中に埋設する際に上記杭の中空部内に流入した杭内熱伝導材中に、杭埋設後速やかに、通水管をその管先端より水を噴射しつつ挿入し、所定深度まで上記通水管を挿入した後、その通水管を引き抜いて、上記杭内熱伝導材中に採熱管挿入部を形成し、上記通水管を引き抜いた後速やかに、上記採熱管挿入部内に、地中熱と熱交換可能な熱媒体が内部に供給される採熱管を挿入することを特徴とする採熱管施工方法が提案されている。
特開2003−148079号公報 特開2012−215338号公報 特開2012−172937号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3記載の発明にはそれぞれ下記のような問題があった。
先ず、上記特許文献1記載の方法の場合は、採熱管を既製杭に対して予め付設しておくため、既製杭の挿入設置と同時に採熱管の設置が行える利点を有する。しかしながら、通常既製杭は10mほどの長さしかなく、例えば50mの深さに既製杭を埋設する場合には、既製杭を連結しながら埋設する必要がる。従って、予め既製杭に採熱管を付設する場合には、既製杭の連結作業とともに、採熱管の連結作業が伴うことになるため作業が繁雑で手間が掛かり、作業時間の長期化と施工コストの増大を招いていた。
上記特許文献2記載の方法の場合は、既製杭の下端部にワイヤー折り返し手段を設けるともに、ワイヤ折り返し手段で折り返したワイヤーの一端を地上で保持し、他端を既製杭に装着して上下に移動できるパイプ埋設手段を使って、熱交換用のパイプを埋設するので、前記問題点を解決することが可能になる。しかしながら、採熱管(ポリエチレン管)は通常巻かれた状態で現場に搬入されるため、挿入時にこれを直管に戻しながら挿入する必要があり、この巻き癖を直すのに多大な手間が掛かっていた。また、既製杭の外周部に採熱管を設置する態様の場合は、掘削部の土との接触により採熱管が傷つくおそれがある。更に、採熱効率を上げるために採熱管を螺旋状に埋設したい場合の方法としては適用できないという問題があった。
一般的に地中に既製杭を埋設する際、杭の挿入に先行して地中に掘削孔を形成するプレボーリング工法の場合は、掘削孔の壁面と既製杭外面との間の隙間を充填するとともに、既製杭の中空部を充填する目的でソイルセメントを掘削孔内に充填している。このソイルセメントは自己硬化性があり、既製杭の挿入設置(挿入及び連結作業)に時間が掛かると、粘度が徐々に増し、硬化した状態となるため、採熱管を挿入し難くなったり、挿入できない事態となったりすることがあった。このような場合は、別途オーガを現場に持ち込んで、挿入穴を形成することになるため、施工費用が大幅に嵩むという問題があった。
これに対して、上記特許文献3記載の方法は、所定深度まで上記通水管を挿入した後、その通水管を引き抜いて、上記杭内熱伝導材中に採熱管挿入部を形成し、上記通水管を引き抜いた後速やかに、上記採熱管挿入部内に、地中熱と熱交換可能な熱媒体が内部に供給される採熱管を挿入するため、ソイルセメントがある程度硬化した状態でも採熱管を所定深度まで確実に挿入することが可能になる利点を有するけれど、採熱効率を上げるために採熱管を螺旋状に埋設したい場合の方法としては適用できないとともに、採熱管の挿入作業時に巻き癖を直すのに多大な手間が掛かる問題点は依然として解消されていない。
そこで本発明の主たる課題は、プレボーリング工法によって既製杭と採熱管とを地中に設置するに際して、採熱管の接続作業を無くすとともに、採熱管の巻き癖直しの作業を無くし、かつソイルセメントが硬化する前に、既製杭の挿入設置と併行して既製杭の内部に採熱管を螺旋状に効率良く設置する方法を提案することにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、地中に埋設される既製杭の内部に採熱管を設置するための採熱管設置方法であって、
地中に形成された掘削孔内にソイルセメントを充填する第1手順と、
前記採熱管の往き管と還り管とを巻き束ねるとともに、それぞれの管の末端をU字型継手により接続した採熱管ユニットを、採熱管設置対象となる既製杭の内部に、前記採熱管ユニットの末端側端部を該既製杭に固定した状態で設置する第2手順と、
前記採熱管ユニットの上端部を地上側で保持した状態で、前記既製杭を掘削孔に挿入することにより、前記採熱管ユニットの往き管と還り管とを掘削孔の方向に螺旋状に伸張させる第3手順と、
前記採熱管ユニットを既製杭の長手方向に亘って螺旋状に伸張させ、前記ソイルセメントの硬化を待って前記既製杭の内部に採熱管を螺旋状に設置する作業を完了する第4手順と、を含むことを特徴とする既製杭内部への採熱管設置方法が提供される。
上記請求項1記載の発明は、既製杭同士を連結することなく、1本の既製杭とともに、採熱管を設置する場合及び長手方向に複数段の既製杭の内、特定の1段の既製杭に対して採熱管を設置する場合の方法である。
先ず、地中に形成された掘削孔内にソイルセメントを充填したならば、前記採熱管の往き管と還り管とを巻き束ねるとともに、それぞれの管の末端をU字型継手により接続した採熱管ユニットを、採熱管設置対象となる既製杭の内部に、前記採熱管ユニットの末端側端部を該既製杭に固定した状態で設置する。そして、前記採熱管ユニットの上端部を地上側で保持した状態で、前記既製杭を掘削孔に挿入することにより、前記採熱管ユニットの往き管と還り管とを掘削孔の方向に螺旋状に伸張させるようにする。既製杭を掘削孔の底部側に挿入することにより前記採熱管ユニットを既製杭の長手方向に亘って螺旋状に伸張させたならば、前記ソイルセメントの硬化を待って前記既製杭の内部に採熱管を螺旋状に設置する作業を完了する。
本発明では、採熱管については、予め往き管と還り管とを巻き束ねるとともに、それぞれの管の末端をU字型継手により接続した採熱管ユニットとしておき、これを既製杭の内部に、前記採熱管ユニットの末端側端部を既製杭に固定した状態で設置し、既製杭の挿入に伴って螺旋状に伸張させるようにしたため、採熱管の接続作業が無くなるとともに、採熱管の巻き癖直しの作業が無くなる。また、ソイルセメントが硬化する前に、既製杭の挿入設置と併行して既製杭の内部に採熱管を螺旋状に設置することができるため、採熱管を効率良く螺旋状に設置することが可能となる。
請求項2に係る本発明として、地中に埋設される既製杭の内部に採熱管を設置するための採熱管設置方法であって、
地中に形成された掘削孔内にソイルセメントを充填する第1手順と、
前記採熱管の往き管と還り管とを巻き束ねるとともに、それぞれの管の末端をU字型継手により接続した採熱管ユニットを、採熱管設置対象となる既製杭の内、最下段となる既製杭の内部に、前記採熱管ユニットの末端側端部を該既製杭に固定した状態で設置する第2手順と、
前記採熱管ユニットの上端部を地上側で保持した状態で、前記最下段の既製杭を掘削孔に挿入することにより、前記採熱管ユニットの往き管と還り管とを掘削孔の方向に徐々に螺旋状に伸張させる第3手順と、
前記最下段の既製杭を挿入し終えたならば、次段の既製杭を最下段の既製杭の上端に接続し、前記採熱管ユニットの上端部を地上側で保持した状態で、既製杭を掘削孔に挿入することにより、前記採熱管ユニットの往き管と還り管とを更に螺旋状に伸張させる第4手順と、
前記採熱管設置対象となる既製杭が3段以上である場合、前記第4手順を所定の段数分だけ繰り返すことにより、前記採熱管ユニットを採熱管設置対象となる既製杭の長手方向に亘って螺旋状に伸張させる第5手順と、
前記ソイルセメントの硬化を待って前記既製杭の内部に採熱管を螺旋状に設置する作業を完了する第6手順と、を含むことを特徴とする既製杭内部への採熱管設置方法が提供される。
上記請求項2記載の発明は、既製杭同士を連結する作業を伴いながら、既製杭の全長に亘って採熱管を設置する場合及び長手方向に複数段の既製杭の内、特定の2段以上の既製杭に対して採熱管を設置する場合の方法である。
先ず、地中に形成された掘削孔内にソイルセメントを充填したならば、前記採熱管の往き管と還り管とを巻き束ねるとともに、それぞれの管の末端をU字型継手により接続した採熱管ユニットを、採熱管設置対象となる既製杭の内、最下段となる既製杭の内部に、前記採熱管ユニットの末端側端部を該既製杭の下端部に固定した状態で設置する。そして、前記採熱管ユニットの上端部を地上側で保持した状態で、前記最下段の既製杭を掘削孔に挿入することにより、前記採熱管ユニットの往き管と還り管とを掘削孔の方向に螺旋状に伸張させるようにする。最下段の既製杭を挿入し終えたならば、次段の既製杭を最下段の既製杭の上端に接続し、前記採熱管ユニットの上端部を地上側で保持した状態で、既製杭を掘削孔に挿入することにより、前記採熱管ユニットの往き管と還り管とを更に螺旋状に伸張させる。前記採熱管設置対象となる既製杭が3段以上である場合は、上記手順を所定の段数分だけ繰り返すことにより、前記採熱管ユニットを採熱管設置対象となる既製杭の全長に亘って螺旋状に伸張させ、前記ソイルセメントの硬化を待って前記既製杭の内部に採熱管を螺旋状に設置する作業を完了する。
本発明の場合も、採熱管については、予め往き管と還り管とを巻き束ねるとともに、それぞれの管の末端をU字型継手により接続した採熱管ユニットとしておき、これを前記最下段の既製杭の内部に、前記採熱管ユニットの末端側端部を既製杭に固定した状態で設置し、最下段の既製杭の挿入に伴って螺旋状に伸張させるようにし、更に前記採熱管ユニットの上端部を地上側で保持した状態で、次段以降の既製杭を順番に連結しながら掘削孔に挿入して、前記採熱管ユニットの往き管と還り管とを螺旋状に伸張させるようにしたため、採熱管の接続作業が無くなるとともに、採熱管の巻き癖直しの作業が無くなる。また、ソイルセメントが硬化する前に、既製杭の挿入設置と併行して既製杭の内部に採熱管を螺旋状に設置することができるため、採熱管を効率良く螺旋状に設置することが可能となる。
請求項3に係る本発明として、前記採熱管ユニットには、螺旋状に伸張する際に、往き管及び還り管の間隔を所定間隔に保つための間隔保持手段が設けられている請求項1,2いずれか一項に記載の既製杭内部への採熱管設置方法が提供される。
上記請求項3記載の発明は、前記採熱管ユニットが螺旋状に伸張する際、往き管及び還り管の間隔が一定となるように間隔保持手段を設けるようにしたものである。この間隔保持手段として、ワイヤやロープなどの索材を上下方向に渡し、この索材に往き管及び還り管を所定間隔毎にクランプで固定するようにした構造が好適に採用される。
請求項4に係る本発明として、前記採熱管ユニットは、該採熱管ユニットの末端側端部を既製杭の下端部に固定するための末端側固定金具を備えるとともに、該末端側固定金具は既製杭の回転を採熱管ユニットに伝達させないためのスイベル機構を備え、かつ前記採熱管ユニットの上端部を地上側で保持したり、既製杭の上端部に固定したりするための上端側保持金具を備えるとともに、該上端側保持金具は、既製杭の回転を採熱管ユニットに伝達させないためのスイベル機構を備えている請求項1〜3いずれか一項に記載の既製杭内部への採熱管設置方法が提供される。
上記請求項4記載の発明では、採熱管の末端側端部を既製杭に固定する金具及び採熱管ユニットを地上側で保持(吊持)したり既製杭に固定したりする金具にスイベル機構を備えるようにして、既製杭を吊持して掘削孔に挿入したり、最終回転圧入工程によって杭頭位置を調整したりする際に、既製杭に働いた回転力を採熱管ユニットに伝達しないようにすることが可能となる。
請求項5に係る本発明として、既製杭の挿入完了時に最終回転圧入工程を有し、この最終回転圧入工程時に、前記採熱管ユニットは前記末端側固定金具及び前記上端側保持金具により上端部と末端部とが夫々、既製杭に対して固定されるとともに、これら末端側固定金具及び上端側保持金具がスイベル機構を備えていることにより、前記既製杭を回転させても、この回転力が前記採熱管ユニットに伝達されないようにしてある請求項4記載の既製杭内部への採熱管設置方法が提供される。
上記請求項5記載の発明は、前記末端側固定金具及び上端側保持金具がスイベル機構を備えていることにより、前記既製杭を回転させても、この回転力が前記採熱管ユニットに伝達されないようにしたものである。
請求項6に係る本発明として、前記採熱管ユニットは、往き管の上端口と、還り管の上端口とを連結管によって接続するとともに、管内部に所定の圧力状態で流体を封入し、前記連結管に管内部の圧力を計測するための圧力計を設けている請求項1〜5いずれか一項に記載の既製杭内部への採熱管設置方法が提供される。
上記請求項6記載の発明は、前記採熱管ユニットの往き管の上端口と、還り管の上端口とを連結管によって接続することにより管路を密閉した閉回路とし、管内部に所定の圧力状態で流体を封入し、前記連結管に管内部の圧力を計測するための圧力計を設けるようにしたため、施工中に前記圧力計を監視することにより、管の破損や接続部の漏れが無いかの確認を行うことができ、気密或いは水密試験を大幅に省力化することが可能となる。
以上詳説のとおり本発明によれば、プレボーリング工法によって既製杭と採熱管とを地中に設置するに際して、採熱管の接続作業を無くすとともに、採熱管の巻き癖直しの作業を無くし、かつソイルセメントが硬化する前に、既製杭の挿入設置と併行して既製杭の内部に採熱管を螺旋状に効率良く設置するが提供できるようになる。
本発明に係る採熱管ユニット1を螺旋状に伸展した状態を示す全体図である。 本発明に係る採熱管ユニット1を螺旋状に伸展した状態を示す、(A)は正面図、(B)は側面図である。 本発明に係る採熱管ユニット1の末端部を示す、(A)は正面図、(B)は側面図である。 本発明に係る採熱管ユニット1の上端部を示す、(A)は正面図、(B)は側面図である。 本発明に係る採熱管ユニット1の底面図である。 図2のA部を示す横断面図である。 採熱管の設置方法(第1形態例)のフロー図である。 本発明に係る採熱管ユニット1を巻き束ねた状態で既製杭内部への設置要領を示す縦断面図である。 本発明に係る採熱管の設置方法を示す手順図(A)〜(C)である。 本発明に係る採熱管の設置方法を示す手順図(D)〜(F)である。 既製杭の最終回転圧入工程の要領を示す既製杭上部の縦断面図である。 採熱管の設置方法(第2形態例)のフロー図である。 第2形態例に係る採熱管の設置方法を示す手順図(A)〜(C)である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
〔採熱管ユニット1〕
先ず、本発明の既製杭内部への採熱管設置方法で使用する採熱管ユニット1について、図1〜図6に基づいて詳述する。
採熱管ユニット1は、図1及び図2に示されるように、往き管2と還り管3とが長手方向に交互となるように二重螺旋状に巻かれたものであり、それぞれの管2,3の末端をU字継手4により接続したものである。前記往き管2と還り管3の上端部には立上管2a、3aが夫々設けられている。前記往き管2及び還り管3は、耐久性、耐衝撃性、耐腐食性に優れるとともに、樹脂の中では比較的熱伝導率の高い高密度ポリエチレンからなる管材であり、この種の採熱管として広く一般的に使用されているものである。また、前記U字継手4は内部に反転流路が形成された継手であり、往き管2を流れる熱媒を反転させて還り管3に戻すようにするものである。
前記採熱管ユニット1の末端部(埋設時の深部側)には、既製杭の下端部に固定するための末端側固定金具5を備えている。また、上端部(埋設時の地上側)には、既製杭を挿入する際に地上側で吊り状態で保持したり、及び既製杭の最終回転圧入工程時に採熱管ユニット1の上端部を既製杭に固定するために上端側保持金具6を備えている。
前記末端側固定金具5は、詳細には図3に示されるように、水平配向部材10の両端に夫々、上方側に向けた第1シャックル11,11を備え、中央に下部側に向けた第2シャックル12を備え、この第2シャックル12にスイベルジョイント13が連結されている。スイベルジョイント13の下側環状部には左右対でワイヤー14,14が設けられ、これらワイヤー14の先端に既製杭の内面にボルト又はネジによって固定される固定具15が設けられている。従って、図3(B)に示されるように、前記固定具15が既製杭の内面、または下端部に固定されることにより前記採熱管ユニット1の末端部が既製杭に固定されるとともに、この状態で、既製杭に回転力が掛かっても、前記スイベルジョイント13により回転力が採熱管ユニット1に伝達されないようになっている。
一方、前記上端側保持金具6は、詳細には図4に示されるように、水平配向部材16の両端に夫々、下方側に向けた第3シャックル17,17を備え、中央に上方側に向けた第4シャックル18を備え、この第4シャックル18にスイベルジョイント19が連結されている。従って、起重機等の吊りフックによって採熱管ユニット1を吊持した際、吊りフックが回転しても採熱管ユニットには回転力が伝達されないようになっているとともに、後述するように、既製杭の最終回転圧入工程時に前記スイベルジョイント19を介して既製杭に固定すると、既製杭に回転力が掛かっても、前記スイベルジョイント19により回転力が採熱管ユニット1に伝達されないようになっている。
前記末端側固定金具5と前記上端側保持金具6とは、前記末端側固定金具5の第1シャックル11と前記上端側保持金具6の第3シャックル17とがワイヤ、ロープ又はベルト等からなる索材7、7によって連結され、前記索材7,7と往き管2及び還り管3とは、長手方向に一定間隔毎に、図6に示されるように、クランプ20によって相互に連結されている。従って、前記索材7,7の外面を通る円に沿って前記往き管2及び還り管3が螺旋状に伸展されるようになっているとともに、前記往き管2及び還り管3を伸展させた状態時に、前記往き管2及び還り管3の間隔が所定間隔に保たれるようになっている。前記索材7、7とクランプ20とが本発明における「間隔保持手段」を構成している。前記往き管2及び還り管3の間隔Pに関して、単位長さ当りの採熱量を大きくするには、前記往き管2及び還り管3の間隔Pを大きくすることが望ましいが、間隔Pが大きすぎると結果的に管長が減少するため全体の採熱量が減少することになる。本発明者らに検討によれば、前記往き管2及び還り管3の間隔Pは250〜300mmとするのが望ましい。すなわち、往き管2及び還り管3のそれぞれの間隔は500〜600mmとするのが望ましい。
前記採熱管ユニット1の長さは、螺旋状に伸張させた場合の長さがほぼ既製杭の全長となる長さとする。
〔採熱管の設置方法(第1形態例)〕
次に、図7に示したフロー図及び図8〜図11に示した手順図に基づいて、既製杭同士を縦方向に連結しながら、地中に埋設される既製杭8の内部に、その全長に亘って前記採熱管ユニット1を設置する方法について詳述する。なお、図8〜図10は模式的に図示してある。
具体的手順を説明する前に、前述した採熱管ユニット1の既製杭8への装着状態について、図8に基づき説明する。
既製杭8は、コンクリート杭又は鋼管杭などであり、内部が中空のものが対象となる。既製杭8は、製作の際に杭長をある程度調整できるが、基本的には5m、10mであり、例えば30mの深さに杭を施工する場合は、10mを3本使い、端部同士を継手で接続して一体化させながら挿入する。本例では、既製杭を3本使って、これを連結しながら挿入する場合の例について詳述する。
同図に示されるように、最下段となる既製杭8Aの中空部内に前記採熱管ユニット1を装着する。採熱管ユニット1は管同士の間隔を無くした状態、すなわち巻き束ねた状態で装着する。前記末端側固定金具5の固定具15を既製杭の下側であって内面にボルト又はビスによって固定した状態とする。既製杭8は起重機の吊りワイヤ21によって吊持し、採熱管ユニット1については、上端側保持金具6のスイベルジョイント19に対して揚重機の孫フック22を連結する。なお、前記スイベルジョイント19と揚重機の孫フック22とは、作業の利便性からガイドワイヤーを間に介して連結するようにしてもよい。
<第1手順>
図9(A)に示されるように、対象なる地中に、プレボーリング工法によって、既製杭8を挿入設置するための掘削孔23を形成するとともに、掘削孔23内にソイルセメントを充填した状態とする。
<第2手順>
次に、同図9(A)に示されるように、前述した要領によって採熱管ユニット1を装着した最下段の既製杭8Aを吊りワイヤ21によって起重機により吊り上げ、前記掘削孔23内に挿入する。前記採熱管ユニット1については、前記上端側保持金具6のスイベルジョイント19を介して揚重機の孫フック22によって吊り状態で保持する。前記採熱管ユニット1の吊り位置は、ほぼ地上面の高さとし、既製杭8Aを挿入する際にも位置を変えずに保持するようにする。
<第3手順>
図9(B)に示されるように、前記採熱管ユニット1の上端部を地上側で孫フック22により保持した状態のまま、吊りワイヤ21を下降させることにより最下段の既製杭8Aを掘削孔23内に挿入する。既製杭8Aを下降させると、前記採熱管ユニット1は、下方向への張力が発生するため、上部側から徐々に管と管との間の間隔を拡大させるようにしながら、前記採熱管ユニット1の往き管2と還り管3とが掘削孔の方向に螺旋状に伸張される。なお、前記採熱管ユニット1の往き管2と還り管3とが伸張する際、前述した間隔保持手段によって、往き管2と還り管3との間隔は所定の間隔に保持される。
前記採熱管ユニット1を螺旋状に伸展させる際、既製杭8Aの下降速度が速いと、螺旋状に巻いた採熱管2,3において、特定の箇所に力が掛かってしまい座屈や捻れを起こしてしまうことがあるため、既製杭8Aの挿入速度は、3〜4m/分(50〜67mm/s)程度とするのが望ましい。この速度は、通常の既製杭の挿入速度に比べて遅いが、既製杭8の挿入と同時に採熱管2,3が設置されることになるため、既製杭8を設置した後に、採熱管を挿入する従来の方法に比べると、格段に早い速度で既製杭8と採熱管2,3との設置を終えることが可能となる。
<第4手順>
前記最下段の既製杭8Aが掘削孔3に挿入されたならば、次段の既製杭8Bを最下段の既製杭8Aの上端に接続する。
次段の既製杭8Bの接続に当たっては、前記採熱管ユニット1の吊り位置と、最下段の既製杭8Aの上端との位置をほぼ同じ高さとしておく。先ず、最下段の既製杭8Aを、杭の外周にワイヤを巻き付けたり、仮固定具を使用するなどして地上部にて仮固定する。また、前記採熱管ユニット1についても、前記上端側保持金具6を孫フック22から取り外して、同様に仮固定する。この仮固定は、例えば鋼材を杭の上端部に横架させ、これに上端側保持金具6を接続するなどして行うことができる。
次に、揚重機により次段の既製杭8Bを上部に吊り上げ、最下段の既製杭8Aと次段の既製杭8Bとの間に高さ方向に作業用の隙間を設ける。間隔は、50cm〜100cm程度で十分である。この状態で、孫フック22を既製杭8Bの中に挿入し、前記採熱管ユニット1の上端側保持金物6を前記孫フック22に盛り代えたならば、次段の既製杭8Bを吊り降ろし、最下段の既製杭8Aの上面に載せ、両者を接続する。接続方法として、例えば機械式継手方式や溶接等によって行うことができる。既製杭8A、8Bの接続を完了した状態が図9(C)の状態である。
次に、図10(D)に示されるように、前記採熱管ユニット1の上端部を地上側で孫フック22により保持した状態のまま、吊りワイヤ21を下降させることにより次段の既製杭8B(及び既製杭8A)を掘削孔23内に挿入する。既製杭8Bを下降させると、前記採熱管ユニット1は、下方向への張力が発生するため、上部側から徐々に管と管との間の間隔を拡大させるようにしながら、前記採熱管ユニット1の往き管2と還り管3とが更に掘削孔の方向に螺旋状に伸張される。
<第5手順>
前記第4手順を所定の段数分(本形態例の場合は既製杭8Cの1回分)だけ繰り返すことにより(図10(E)参照)、図10(F)に示されるように、前記採熱管ユニット1が既製杭8の全長に亘って螺旋状に伸張される。
<第5(2)手順>
既製杭8の挿入完了に当たっては、既製杭の杭頭高さを調整するために最終工程で回転圧入を行う場合がある。この時の既製杭8の回転速度は、一般的に1分間に10〜20回転(rpm)と高速であるため、既製杭8の内部がソイルセメントなどのある程度高粘度の流体で満たされているとしても、採熱管2,3の上端及び末端を杭に固定してしまうと、杭と共に採熱管が回転してしまい、徐々に採熱管2,3に捻れによる剪断力が発生し、管の曲げや折れが発生する懸念がある。
しかし、本採熱管ユニット1では、前記末端側固定金具5と前記上端側保持金具6にそれぞれスイベル機構を備えているため、既製杭8の最終回転圧入工程時に、既製杭8を回転させても、この回転力が前記採熱管ユニット1に伝達されないようになっている。
以下、具体的に説明する。前記末端側固定金具5を既製杭8Aに固定する要領については、既に説明済みであるため、図11に基づき、前記上端側保持金具6を既製杭8Cに固定する要領及び最終回転圧入工程要領について説明する。
既製杭8Cを挿入し終えた状態では、前記採熱管ユニット1は起重機の孫フック22により吊持されている状態であるため、採熱管ユニット1の上端部を既製杭8Cによって支持させるために既製杭8Cの上端部に固定金具24を設け、前記採熱管ユニット1の支持を孫フック22から前記固定金具24に盛り代える。
前記固定金具24は、既製杭8Cの上端面に横架させた梁鋼材25と、この梁鋼材25の中央に設けられた吊りフック26とからなる。前記梁鋼材25は例えば十字形とし強度を持たせるのが望ましい。前記梁鋼材25の端部は既製杭8Cの上端面にタッピングビス27によって固定され、前記吊りフック26を前記採熱管ユニット1の上端側保持金具6のスイベルジョイント19に掛止し吊持する。なお、前記梁鋼材25は、既製杭8Cの外径よりも外側に突出しない寸法とする。
杭の回転圧入用の工具30は、同図11に示されるように、既製杭8Cの杭頭部に被せるように設置する工具であり、既製杭8Cの側面に設けた突起31に対して引っ掛かるように鈎状に細工されている。前記回転圧入用の工具30を回転圧入装置によって回転させながら圧入し、杭頭高さを調整する。
本方法の場合は、前記末端側固定金具5及び前記上端側保持金具6にそれぞれスイベル機構を備えているため、既製杭8の最終回転圧入工程時に、既製杭8を回転させても、この回転力が前記採熱管ユニット1に伝達されないようになっている。
<第6手順>
前記ソイルセメントの硬化を待って前記既製杭8の内部に採熱管2,3を螺旋状に設置する作業を完了する。
<その他>
(1)従来から採熱管試験としては、採熱管を設置し終えた後に、空気又は水を封入して管内部を加圧し、管の破損や接続部の漏れが無いか、気密或いは水密試験を行っていたが、これらの試験作業に多くの手間と時間が掛かっていた。
そこで本発明では、図11に示されるように、前記採熱管ユニット1は、往き管2の立上管2aの上端口と、還り管3の立上管3aの上端口とを連結管32によって接続するとともに、管内部に所定の圧力状態で流体(水又は空気)を封入し、前記連結管32に管内部の圧力を計測するための圧力計33を設けるようにした。この作業は、採熱管ユニット1を既製杭8Cに取り付ける前に行い、施工中は前記圧力計33を監視することにより、施工中に管の破損や接続部の漏れが無いかの確認を行うことができ、気密或いは水密試験を大幅に省力化することが可能となる。
(2)上記第1形態例では、3段の既製杭の全長に亘って採熱管を設置する場合について述べたが、長手方向に複数段の既製杭8の内、特定の2段以上の既製杭に対して採熱管を設置する場合についても同様の手順により行うことができる。この場合は、採熱管ユニット1を、採熱管設置対象となる既製杭の内、最下段となる既製杭の内部に、採熱管ユニット1の末端側端部を該既製杭に固定した状態で設置するようにし、採熱管設置対象となる所定段数の既製杭の挿入時に前記採熱管ユニット1の往き管と還り管とを螺旋状に伸張させるようにすればよい。
〔第2形態例〕
上記第1形態例では、所定長さの既製杭を長さ方向に複数段連結しながら設置する場合について述べたが、地盤の支持層が浅い場合は既製杭は1段のみで良い場合もあるため、既製杭同士を連結することなく、1本の既製杭とともに、採熱管を設置する場合の方法について説明する。前記第1形態例において、既製杭の連結作業が省略されるだけであり、基本的に前述した方法によって既製杭の内部に螺旋状に採熱管2,3を設置することが可能である。以下、図12に示したフロー図及び図13に示した手順図に基づいて詳述する。
<第1手順>
図13(A)に示されるように、対象なる地中に、プレボーリング工法によって、既製杭8を挿入設置するための掘削孔23を形成するとともに、掘削孔23内にソイルセメントを充填した状態とする。
<第2手順>
図13(A)に示されるように、前述した要領によって採熱管ユニット1を装着した既製杭8を吊りワイヤ21によって起重機により吊り上げ、前記掘削孔23内に挿入する。前記採熱管ユニット1については、前記上端側保持金具6のスイベルジョイント19を介して揚重機の孫フック22によって吊り状態で保持する。前記採熱管ユニット1の吊り位置は、ほぼ地上面の高さとし、既製杭8を挿入する際にも位置を変えずに保持するようにする。
<第3手順>
図13(B)に示されるように、前記採熱管ユニット1の上端部を地上側で孫フック22により保持した状態のまま、吊りワイヤ21を下降させることにより既製杭8を掘削孔23内に挿入する。既製杭8のみを下降させると、前記採熱管ユニット1は、下方向への張力が発生するため、上部側から徐々に管と管との間の間隔を拡大させるようにしながら、前記採熱管ユニット1の往き管2と還り管3とが掘削孔の方向に螺旋状に伸張される。
<第4手順>
図13(C)に示されるように、既製杭8を掘削孔23の底部まで吊り降ろすことにより前記採熱管ユニット1は既製杭8の全長に亘って螺旋状に伸張され、前記ソイルセメントの硬化を待って前記既製杭8の内部に採熱管2,3を螺旋状に設置する作業を完了する。
<その他の手順>
(1)前記第4手順において、前記既製杭8を掘削孔23の底部まで吊り降ろした際、既製杭8の杭頭高さを調整するために最終工程で回転圧入を行う場合は、前記第1形態例の<第5(2)手順>に倣って杭頭高さの調整を行うようにする。
(2)上記第2形態例では、1本の既製杭の挿入とともに、その全長に亘って採熱管を設置する場合について述べたが、第2形態例は長手方向に複数段の既製杭の内、特定の1段の既製杭に対して採熱管を設置する場合についても同様に適用することができる。具体的には、採熱管ユニット1を、採熱管設置対象となる1段の既製杭を挿入する際、採熱管ユニット1の末端側端部を該既製杭の内部に固定した状態で設置し、前記採熱管設置対象となる既製杭の挿入時に前記採熱管ユニット1の往き管と還り管とを螺旋状に伸張させるようにすればよい。なお、当該採熱管設置対象となる1段の既製杭の上段側及び/又は下段側に接続される既製杭の連結要領は第1形態例で説明した要領によればよい。
〔他の形態例〕
(1)最終的に既製杭8及び採熱管ユニット1の設置後、基礎工事の段階で杭内部に設置された採熱管2,3を取り出して配管を延長する際には、杭頭部のソイルセメントを削る必要がある。本作業を簡素化する方法として、杭頭部近傍の採熱管2,3に予め保護シートなど巻いて養生を行うことで、ソイルセメントを削る作業において採熱管2,3を傷つけることなく、杭頭部から採熱管2,3を取り出すことができる。保護シートによる養生は、杭頭部から1m程度とすることが望ましい。
1…採熱管ユニット、2…往き管、3…還り管、4…U字継手、5…末端側固定金具、6…上端側保持金具、7…索材、8A〜8C…既製杭、13・19…スイベルジョイント、21…吊りワイヤ、22…孫フック

Claims (6)

  1. 地中に埋設される既製杭の内部に採熱管を設置するための採熱管設置方法であって、
    地中に形成された掘削孔内にソイルセメントを充填する第1手順と、
    前記採熱管の往き管と還り管とを巻き束ねるとともに、それぞれの管の末端をU字型継手により接続した採熱管ユニットを、採熱管設置対象となる既製杭の内部に、前記採熱管ユニットの末端側端部を該既製杭に固定した状態で設置する第2手順と、
    前記採熱管ユニットの上端部を地上側で保持した状態で、前記既製杭を掘削孔に挿入することにより、前記採熱管ユニットの往き管と還り管とを掘削孔の方向に螺旋状に伸張させる第3手順と、
    前記採熱管ユニットを既製杭の長手方向に亘って螺旋状に伸張させ、前記ソイルセメントの硬化を待って前記既製杭の内部に採熱管を螺旋状に設置する作業を完了する第4手順と、を含むことを特徴とする既製杭内部への採熱管設置方法。
  2. 地中に埋設される既製杭の内部に採熱管を設置するための採熱管設置方法であって、
    地中に形成された掘削孔内にソイルセメントを充填する第1手順と、
    前記採熱管の往き管と還り管とを巻き束ねるとともに、それぞれの管の末端をU字型継手により接続した採熱管ユニットを、採熱管設置対象となる既製杭の内、最下段となる既製杭の内部に、前記採熱管ユニットの末端側端部を該既製杭に固定した状態で設置する第2手順と、
    前記採熱管ユニットの上端部を地上側で保持した状態で、前記最下段の既製杭を掘削孔に挿入することにより、前記採熱管ユニットの往き管と還り管とを掘削孔の方向に徐々に螺旋状に伸張させる第3手順と、
    前記最下段の既製杭を挿入し終えたならば、次段の既製杭を最下段の既製杭の上端に接続し、前記採熱管ユニットの上端部を地上側で保持した状態で、既製杭を掘削孔に挿入することにより、前記採熱管ユニットの往き管と還り管とを更に螺旋状に伸張させる第4手順と、
    前記採熱管設置対象となる既製杭が3段以上である場合、前記第4手順を所定の段数分だけ繰り返すことにより、前記採熱管ユニットを採熱管設置対象となる既製杭の長手方向に亘って螺旋状に伸張させる第5手順と、
    前記ソイルセメントの硬化を待って前記既製杭の内部に採熱管を螺旋状に設置する作業を完了する第6手順と、を含むことを特徴とする既製杭内部への採熱管設置方法。
  3. 前記採熱管ユニットには、螺旋状に伸張する際に、往き管及び還り管の間隔を所定間隔に保つための間隔保持手段が設けられている請求項1,2いずれか一項に記載の既製杭内部への採熱管設置方法。
  4. 前記採熱管ユニットは、該採熱管ユニットの末端側端部を既製杭の下端部に固定するための末端側固定金具を備えるとともに、該末端側固定金具は既製杭の回転を採熱管ユニットに伝達させないためのスイベル機構を備え、かつ前記採熱管ユニットの上端部を地上側で保持したり、既製杭の上端部に固定したりするための上端側保持金具を備えるとともに、該上端側保持金具は、既製杭の回転を採熱管ユニットに伝達させないためのスイベル機構を備えている請求項1〜3いずれか一項に記載の既製杭内部への採熱管設置方法。
  5. 既製杭の挿入完了時に最終回転圧入工程を有し、この最終回転圧入工程時に、前記採熱管ユニットは前記末端側固定金具及び前記上端側保持金具により上端部と末端部とが夫々、既製杭に対して固定されるとともに、これら末端側固定金具及び上端側保持金具がスイベル機構を備えていることにより、前記既製杭を回転させても、この回転力が前記採熱管ユニットに伝達されないようにしてある請求項4記載の既製杭内部への採熱管設置方法。
  6. 前記採熱管ユニットは、往き管の上端口と、還り管の上端口とを連結管によって接続するとともに、管内部に所定の圧力状態で流体を封入し、前記連結管に管内部の圧力を計測するための圧力計を設けている請求項1〜5いずれか一項に記載の既製杭内部への採熱管設置方法。
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