JP2019099690A - 弾性層(a)と塗膜層(b)からなる積層体、該積層体を用いた物品、該積層体の製造方法。 - Google Patents

弾性層(a)と塗膜層(b)からなる積層体、該積層体を用いた物品、該積層体の製造方法。 Download PDF

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正昭 高嶋
Masaaki Takashima
正昭 高嶋
芳紀 林
Yoshinori Hayashi
芳紀 林
渡辺 孝司
Koji Watanabe
孝司 渡辺
茂樹 川▲崎▼
Shigeki Kawasaki
茂樹 川▲崎▼
前田 吉弘
Yoshihiro Maeda
吉弘 前田
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Abstract

【課題】弾性層(A)と塗膜層(B)からなる積層体において、接着剤を介すること無しに強固に接着してなる伸縮・追随性に優れた積層体を提供する。【解決手段】弾性層(A)と塗膜層(B)からなる積層体において、次の(i)、(ii)の少なくともいずれか一方を満たす積層体によって課題解決を図る。(i)弾性層(A)が、塗膜層(B)を構成する熱硬化性樹脂(b)の主剤(b1)、硬化剤(b2)のいずれか一方のみと化学結合する有機化合物(F)を含有してなる弾性層(A)。(ii)弾性層(A)の表面を脱脂処理、粗面化処理、プライマー処理、プラズマ処理、コロナ放電処理の群から選択される少なくとも1種の処理を施してなる弾性層(A)。【選択図】 図1

Description

本発明は、弾性層(A)と塗膜層(B)からなる積層体に関し、詳しくは、弾性層(A)と塗膜層(B)とが強固に接着し、高強度、高伸長、高回復性に優れた積層体に関する。
一般に多岐にわたる特性を兼備するいわゆる万能型のゴムや樹脂は、現状では未だ見出されていない。そこで、新たな機能を付与させるには、当該ゴムあるいは当該樹脂では得られない機能を、他種ゴムまたは他種樹脂をブレンドする方法や積層する方法あるいは機能性付与物質をブレンドし、配合組成物とする形態あるいはこれらの組み合わせによって対応しているのが現状である。
一般に、機能性付与物質は、ゴムあるいは樹脂に混練・混合させる場合が多い。固形ゴムの場合には、一般に密閉式混練機(ニーダー、バンバリーミキサ−など)による混練あるいは混合する方法が採られる。しかしながら、この方法では機能性が十分に発揮できない場合がある。特に表面特性が重要視されるような物質(例えば異方性物質やウィスカ−等)では、高シアレートによって当該物質に負荷が大きく掛かり、その結果として本来発揮されるべき当該物質の特徴を破壊乃至は、弱めてしまうことである。
これに対して、低粘度あるいは液体状態で混合する方法は、当該物質への負荷が小さいことから、その機能が低下しないという利点がある。熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーにおいては、高温下で低粘度化した後に当該物質を添加することが可能である。一方、先述した固形ゴムの場合は、この方法を用いることは現状では困難である。固形ゴムの特徴を維持した状態で当該物質を機能させる方法としては、積層構造を形成することが考えられる。積層構造としては、固形ゴムの表面に塗料を塗布し塗膜を形成する方法がある。塗膜を構成する塗料中に当該機能性付与物質を添加することによりその機能を発揮させる方法である。
一般に塗料は、その形態によって分類すると、溶液型、分散型、粉体型に区分される。溶液型はさらに溶剤型、水性型、無溶剤型に区分される。溶剤型塗料は、樹脂、硬化剤を溶剤に溶解し、顔料などを分散、混合したもので、最も一般的な塗料である。溶剤型塗料のメリットは、乾燥性、塗装作業性に優れ、均質な塗膜が得られるところにあるが、塗料中の揮発性有機化合物(VOC)が、環境問題化している。水性型塗料は、溶剤を水に置き換えた塗料であり、建築用のエマルション塗料が、水性型塗料の例であり、このエマルション塗料は、0.1〜1μm程度の粒径のポリマーエマルションを使用している。工業用途にもポリマー粒子分散型の水性型塗料が多く用いられているが、水性塗料では、乾燥の所要時間が溶剤型に比し長すぎることが欠点である。
これに対して無溶剤型塗料は、溶剤を使用せず、100%固形分になる液状の塗料であり、環境上好ましい。この無溶剤型塗料は、主剤と硬化剤からなり、これらが反応して塗膜を形成する。硬化時間が速く、現場施工性には特に有効である。
環境面・現場施工・効率性から、この無溶剤型塗料は有用であること、特にポリウレア塗料は主剤(ポリイソシアネート)と硬化剤(ポリアミン)との反応によって得られ、硬化速度も極めて速いことが特徴的であり、特にスプレーガンによる塗工が多用されている。国防用車両、一般自動車、建設用重機などの塗装にとどまらず、例えば、地震、洪水、津波といった災害による橋梁・建築物等の破損・亀裂発生・成長の防止のためにその被塗装物(基材)の表面コート等に好適に適用されている。これらの被塗装物(基材)は、固定状態あるいは微小変形状態で使用されるため、被塗装物(基材)と塗膜との界面問題はさほど問題視されない。ところが、非塗装物(基材)が、伸縮変形するようなゴムあるいは熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーの場合には、その物体と塗膜との密着性・接着性が特に問題となる。
また、塗膜に対して電磁波シールド性・帯電防止性・導電性・放射線遮蔽性(硫酸バリウム粉末、タングステン粉末などの粉状物質のゴム配合物)・放熱性(熱伝導性)・高強度・耐候性等の機能を付与させた場合、ゴム層の伸縮動作に対する追随性不足から、塗膜に亀裂・ひび割れ等が発生し、その箇所で機能が寸断、損なわれてしまい折角の機能が発揮されない問題があった。
これまで、例えば特許文献1ではエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合ゴム架橋物からなるゴム層とポリプロピレン樹脂組成物からなる樹脂層との積層体において、ゴム層にジカルボン酸とジオール等を重縮合して得られる高分子量且つ高水酸基価のポリエステルを配合し、樹脂層にマレイン化ポリプロピレン等の分子内にカルボキシル基又は酸無水物基が結合した重合体を配合する方法、特許文献2では、エチレン・α・オレフィン系共重合体ゴム、架橋剤及び分子鎖中に水酸基、チオール基あるいはアミノ基を有するオリゴマーを含有するゴム層の架橋とウレタン樹脂層の硬化を同時に行う方法が開示されている。また、特許文献3では、ポリウレタン塗膜密着性のゴム配合物として、ゴム配合物中にポリエステルポリオールを配合することが開示されている。しかしながら、単純に接着するだけではなく、伸縮変形を与えても容易に剥離を生じないような積層体は得られていない。
特開2000−94582号公報 特開平8−150684号公報 特開平9−77933号公報
一般に、積層体に関しては、両層の界面の濡れ性、相溶性に富むことあるいは化学的に結合すること等が望まれる。しかしながら、相溶性に優れる場合には、お互いに機能を補間するという点では必ずしも十分とは言えない。むしろ互い非なる物同士の組み合わせが、好ましい系といえる場合が多い。相手層と反応しやすい官能基を有するものを含ませる方法、各層を構成する成分の一部を相手層に含有させる方法等によって界面近傍における層間の化学結合を生起させる方法が考えられる。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、弾性層(A)と塗膜層(B)との積層体において、接着剤を介すること無しに強固に接着してなる積層体であって、高伸縮性に優れた積層体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、弾性層(A)と塗膜層(B)からなる積層体において、次の(i)、(ii)の少なくともいずれか一方を満たす積層体によって上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
(i)弾性層(A)が、塗膜層(B)を構成する熱硬化性樹脂(b)の主剤(b1)、硬化剤(b2)のいずれか一方のみと化学結合する有機化合物(F)を含有してなる弾性層(A)。
(ii)弾性層(A)の表面を脱脂処理、粗面化処理、プライマー処理、プラズマ処理、コロナ放電処理の群から選択される少なくとも1種の処理を施してなる弾性層(A)。
即ち、本発明は、以下の発明を提供する。
(1)弾性層(A)と塗膜層(B)からなる積層体において、次の(i)、(ii)の少なくともいずれか一方を満たす積層体。
(i)弾性層(A)が、塗膜層(B)を構成する熱硬化性樹脂(b)の主剤(b1)、硬化剤(b2)のいずれか一方のみと化学結合する有機化合物(F)を含有してなる弾性層(A)。
(ii)弾性層(A)の表面を脱脂処理、粗面化処理、プライマー処理、プラズマ処理、コロナ放電処理の群から選択される少なくとも1種の処理を施してなる弾性層(A)。
(2)ゴム、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーの群から選択される少なくとも1種の高分子基材を含む弾性層(A)からなる(1)に記載の積層体。
(3)ポリウレア樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレアウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂の群から選択される少なくとも1種の熱硬化性樹脂(b)を含む塗膜層(B)からなる(1)〜(2)の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
(4)主剤(b1)がポリイソシアネ−ト、硬化剤(b2)がポリアミンであるポリウレア樹脂を含む塗膜層(B)からなる(1)〜(3)の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
(5)ゴム組成物(a)に有機化合物(F)として、主剤(b1)、硬化剤(b2)のいずれか一方のみを含有してなるゴム組成物(aa)を含む弾性層(A)からなる(1)〜(4)の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
(6)ゴム組成物(a)、ゴム組成物(aa)のいずれか一方のみを含む単層構造の弾性層(A)からなる(1)〜(5)の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
(7)ゴム組成物(a)を内層、ゴム組成物(aa)を外層とする積層構造の弾性層(A)からなり、内層と外層との厚さの比が、60/40〜95/5である(1)〜(6)の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
(8)架橋剤(C)で架橋してなる弾性層(A)からなる(1)〜(7)の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
(9)真空プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、大気圧低温プラズマ処理から選択される少なくとも1種のプラズマ処理を施してなる弾性層(A)からなる(1)〜(8)の少なくとも1項に記載の積層体。
(10)プラズマ放電用ガスが、希ガスあるいは希ガスと反応性ガスとの混合ガスであって、希ガスが、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン、クリンプトンの群から選択される少なくとも1種であり、反応性ガスが、酸素、水素、炭化水素、アンモニア、二酸化炭素、窒素の群から選択される少なくとも1種、特に窒素あるいはアンモニアであって、当該希ガス雰囲気下あるいは当該希ガス/反応性ガスの混合ガス雰囲気下で大気圧低温プラズマ処理を施してなる弾性層(A)からなる(1)〜(9)の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
(11)希ガスと反応性ガスとの混合比が、90/10〜99.9/0.1の混合ガス雰囲気下で大気圧低温プラズマ処理を施してなる弾性層(A)からなる(1)〜(10)の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
(12)脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミンから選択される少なくとも1種のポリアミンからなる硬化剤(b2)を含む塗膜層(B)からなる(1)〜(11)の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
(13)弾性層(A)、塗膜層(B)の少なくとも一方に機能性付与物質(D)を含有してなる(1)〜(12)の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
(14)機能性付与物質(D)の表面をシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤の群から選択される少なくとも1種のカップリング剤(E)で処理してなる(1)〜(13)の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
(15)弾性層(A)の表面の一部あるいは全部を塗膜層(B)で被覆してなる(1)〜(14)の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
(16)エアスプレー工法、エアレススプレー工法、静電スプレー工法、シャワーコート工法、ディップ塗装工法、ハケ塗装工法、ロール塗装工法から選択される1種の塗布工法によって塗膜層(B)を形成してなる(1)〜(15)の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
(17)弾性層(A)と塗膜層(B)との厚さの比が、60/40〜99/1である(1)〜(16)の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
(18)弾性層(A)と塗膜層(B)とのモジュラスの比が、1/1000〜1/10である(1)〜(17)の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
(19)(1)〜(18)の少なくともいずれか1項に記載の積層体を用いた自動車用部品、工業用部品、建設用部品、医療用部品、OA機器用部品、シート、ホース、チューブ、ベルト、各種ロール、Oーリング、各種シール部品、ルーフィングなどの建築用部品、電線ケーブル、履物、AV機器、OA機器等の電気機器部品、放射線遮蔽部品、パソコン、タブレット、スマートホン用放熱シート。
(20)(1)〜(18)の少なくともいずれか1項に記載の積層体を用いた空気圧ゴム人工筋肉、該人工筋肉を用いたロボット、医療用ロボット、産業用ロボット、介護用ロボット。
(21)(1)〜(18)の少なくともいずれか1項に記載の積層体を用いたプール用壁面シート、底面シート。
本発明によって、弾性層(A)と塗膜層(B)とが強固に接着し、しかも伸縮性に優れることから、高変形下、繰り返し変形下においても十分に機能を発揮できる。静電防止・帯電防止・放熱・抗菌・防汚・放射線遮蔽、耐候性、高強度等の機能を要する用途・分野への適用が可能となった。
さらに、従来自動車に求められる強度・頑丈性に耐え得るものとして、金属材に依存していたものが、本発明の積層体に機能性付与物質(D)としてCNF(以降、セルロースナノファイバーとも記す場合がある)を含有することによって、強度・頑丈さのみならず、低比重化が図れることから軽量化延いては低燃費化へと繋がるものである。また、本発明の積層体に機能性付与物質(D)として放射線遮蔽剤(例えば、硫酸バリウム、タングステン)を含有することによって、柔軟性・高強度を兼備した積層体が得られ、放射線汚染領域・放射線汚染機器・容器等の覆い、医療分野において従来の鉛に頼っていた用途に本積層体が代替できる可能性がある。さらには、従来、金属製リングが用いられていた空気圧ゴム人工筋肉は、動作時にズレを生じる不具合があった。本発明の積層体を用いることによって不具合が解消され、人工筋肉を用いたロボット、医療用ロボット、産業用ロボット、介護用ロボットのへの適用も可能である。
図1は、本発明による積層体(弾性層(A)の表面全体を塗布した例)の概略を示したものである。 図2は、本発明による積層体(発泡構造の弾性層(A)の表面全体を塗布した例)の概略を示したものである。 図3は、本発明による積層体(弾性層(A)の表面の一部分を塗布した例)の概略を示したものである。 図4は、本発明による積層体の製造方法の概略を示したものである。
1 本発明の積層体
2 塗膜層(B)
3 弾性層(A)
4 気泡
以下、本発明を詳細に説明するが、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。また、本発明はその要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
本発明の積層体を構成する弾性層(A)としては、高分子基材であって、ゴム(主として固形ゴムであり、以降単にゴムと表記する場合がある)、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーから選択される少なくとも1種からなる。
前記ゴムとしては、ジエン系ゴムまたは非ジエン系ゴムである。この中、ジエン系ゴムとしては、JIS K 6397による表記方法で示すと、ABR、BR、CR、ENR、HNBR、IIR、IR、MSBR、NBIR、NBR、NIR、NR、NOR、PBR、PSBR、SBR、E−SBR、S−SBR、SIBR、XBR、XCR、XNBR、XSBR、BIIR、CIIR等を挙げることができる。
一方、非ジエン系ゴムとしては、ACM、AEM、ANM、CM、CSM、EPM、EPDM、EVM、FEVM、FFKM、FKM、IM、NBM、SEBM、SEPM、CO、ECO、GCO、GECO、GPO、FMQ、FVMQ、MQ、PMQ、PVMQ、VMQ、AFMU、AU、EU、OT、EOT、FZ、PZ等を挙げることができる。これらは単独あるいは2種以上を併用することができる。
前記ゴムにおいて、強度、ゴム弾性を重視する場合は、ジエン系ゴムを、耐候性を重視する場合は非ジエン系ゴムが適宜選択される。さらには両者を併用する方法も可能である。
前記熱可塑性樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリニトリル系樹脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポリビニル系樹脂、セルロース系樹脂、フッ素系樹脂、イミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等を挙げることができる。ポリアミド系樹脂としては、ナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン69(N69)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66(N6/66)、ナイロン6/66/12(N6/66/12)、ナイロン6/66/610(N6/66/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン6/6T、ナイロン9T、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体、芳香族ナイロン等を挙げることができる。ポリエステル系樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミド酸/ポリブチレートテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル等が挙げられる。ポリニトリル系樹脂としては、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体等が挙げられる。ポリメタクリレート系樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル等が挙げられる。ポリビニル系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体等が挙げられる。セルロース系樹脂としては、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース等が挙げられる。フッ素系樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体(ETFE)等が挙げられる。イミド系樹脂としては、芳香族ポリイミド(PI)等が挙げられる。ポリスチレン系樹脂としては、ポリスチレン(PS)等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上を併用することができる。
前記熱可塑性エラストマーとしては、例えば、熱可塑性ポリウレタン;ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの結晶性の芳香族ポリエステルをハードセグメントとし、ガラス転移温度の低い脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリカーボネート、脂肪族ポリエステルポリカーボネートなどをソフトセグメントとするポリエステルエラストマー;スチレン系重合体をハードセグメントとし、ポリイソプレン、ポリブタジエン、水素添加ポリイソプレン、水素添加ポリブタジエンなどをソフトセグメントとするスチレン系エラストマー;シリコーン系エラストマー;結晶性ポリ塩化ビニル、結晶性ポリエチレンの少なくとも一方をハードセグメントとし、非晶性ポリ塩化ビニル、非晶性塩素化ポリエチレンの少なくとも一方をソフトセグメントとする塩素化ポリマー系エラストマー;ポリプロピレンをハードセグメントとし、エチレンプロピレンゴムや部分架橋エチレンプロピレンゴムなどをソフトセグメントとするポリオレフィン系エラストマー;フッ素系樹脂をハードセグメントとし、フッ素系ゴムをソフトセグメントとするフッ素系重合体エラストマー;1,2−ブタジエン系重合体エラストマー;ウレタン/塩ビ系エラストマー;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸−アクリル酸ナトリウム三元共重合体などのエチレン系共重合体などを挙げることができる。これらは単独あるいは2種以上を併用することができる。
本発明の積層体を構成する塗膜層(B)は、塗料であって、液状塗料、粉体状塗料のいずれであってもよい。好ましくは液状塗料である。液状塗料としては、溶剤型塗料、無溶剤型塗料、水性型塗料が挙げられるが、好ましくは無溶剤型塗料である。溶剤型は弾性層(A)を膨潤させ、機械的性質を低下させる場合があり、また塗装時の環境上も好ましくない。 無溶剤型塗料は、1液型、2液型があり、前者は予め主剤(b1)と硬化剤(b2)が混合されたものである。一方後者は、主剤(b1)と硬化剤(b2)が、区別され塗装時に混合されるものである。前者は硬化に要する時間が長く、後者は短いことが特徴的である。
無溶剤型塗料は、熱硬化性樹脂(b)からなる塗料であり、これらの熱硬化性樹脂(b)としては、例えば、メラミン樹脂(メラミン−ホルムアルデヒド樹脂)、ユリア樹脂(尿素−ホルムアルデヒド樹脂)、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコ−ン樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、グアナミン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、ポリウレアウレタン樹脂等を挙げることができる。これらの熱硬化性樹脂(b)は、単独あるいは2種以上を併用することもできる。なかでも、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、ポリウレアウレタン樹脂が好ましくポリウレア樹脂が特に好ましい。
上記熱硬化性樹脂(b)は、主剤(b1)と硬化剤(b2)からなる。この主剤(b1)と硬化剤(b2)との化学反応によって熱硬化性樹脂(b)が生成される。この反応速度が早過ぎると弾性層(A)と塗膜層(B)との接着性が不良となり、遅過ぎると工程上問題である。接着硬度を向上させるには主剤(b1)と硬化剤(b2)とを分離した2液型が好ましく、この主剤(b1)と硬化剤(b2)の種類や量を適宜選択することによって弾性層(A)と塗膜層(B)との接着力を向上することができる。
本発明に用いられる熱硬化性樹脂(b)の中、ポリウレア樹脂は、主剤(b1)がポリイソシアネート、硬化剤(b2)がポリアミンからなる。ポリイソシアネートとしては、特に制限はない。ポリウレア、ポリウレタンの製造に一般的に用いられるポリイソシアネートを特に制限なく使用できる。
上記ポリイソシアネートとしては、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート及びその変性物が含まれる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数2〜18のものが含まれ、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート及びこれらの混合物等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、炭素数4〜15のものが含まれ、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5(または6)−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート及びこれらの混合物等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く。以下同様。)6〜20のものが含まれ、例えば、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート及びテトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数8〜15のものが含まれ、具体的には、m−又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)及びこれらの混合物等が挙げられる。
ポリイソシアネートの変性物には、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基及び/又はオキサゾリドン基を含有する変性物等が含まれ、具体的には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI及びトリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等)、ウレタン変性TDI及びこれらの混合物[例えば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との混合物]等が挙げられる。
上記ポリアミンとしては、特に制限なく使用できる。例えば、脂肪族ポリアミン、脂肪族ポリアミンのアルキル(炭素数1〜4)又はヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)置換体、脂環式又は複素環含有脂肪族ポリアミン、芳香環含有脂肪族ポリアミン及び芳香族ポリアミンが含まれる。
脂肪族ポリアミンとしては、炭素数2〜12のアルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等)、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、及びポリアルキレン(炭素数2〜6)ポリアミン[ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン及びペンタエチレンヘキサミン等]等が挙げられる。
脂肪族ポリアミンのアルキル(炭素数1〜4)又はヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)置換体としては、炭素数2〜20のものが含まれ、具体的には、ジアルキル(炭素数1〜3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン及びメチルイミノビスプロピルアミン等が挙げられる。
脂環式又は複素環含有脂肪族ポリアミンとしては、炭素数4〜15の脂環式ポリアミン{1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4’−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)及び3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等}及び炭素数4〜15の複素環式ポリアミン[ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、及び1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン等]等が挙げられる。
芳香環含有脂肪族ポリアミンとしては、炭素数8〜15のものが含まれ、具体的には、キシリレンジアミン及びテトラクロロp−キシリレンジアミン等が挙げられる。
芳香族ポリアミンとしては、炭素数6〜20のものが含まれ、具体的には、非置換芳香族ポリアミン、アルキル基を有する芳香族ポリアミン、電子吸引基を有する芳香族ポリアミン及び2級アミノ基を有する芳香族ポリアミン等が挙げられる。
非置換芳香族ポリアミンとしては、芳香環中の水素原子がアルキル基等で置換されておらず、1級アミノ基を2個以上有するものが含まれ、具体的には、1,2−、1,3−又は1,4−フェニレンジアミン、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリアミン、ナフチレンジアミン及びこれらの混合物等が挙げられる。
アルキル基を有する芳香族ポリアミンとしては、芳香環中の水素原子のうち少なくとも1つが炭素数1〜20のアルキル基で置換されており、1級アミノ基を2個以上有するものが含まれ、具体的には、2,4−又は2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4−ジエチル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジブチル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1,3,5−トリエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリイソプロピル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジイソプロピル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジブチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、3,3’,5,5’−テトライソプロピルベンジジン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3’−メチル−2’,4−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジイソプロピル−3’−メチル−2’,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−2,2’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン及びこれらの混合物等が挙げられる。
電子吸引基を有する芳香族ポリアミンにおいて、電子吸引基としては、Cl、Br、I及びF等のハロゲン原子;メトキシ基及びエトキシ基等のアルコキシ基;及びニトロ基等が挙げられる。電子吸引基を有する芳香族ポリアミンとしては、芳香環中の水素原子のうち少なくとも1つが電子吸引基で置換されており、1級アミノ基を2個以上有するものがふくまれ、具体的には、メチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロロ−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロロ−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−アミノアニリン;4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−5,5’−ジブロモ−ジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)オキシド、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)デカン、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)テルリド、ビス(4−アミノフェニル)セレニド、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)ジスルフィド、4,4’−メチレンビス(2−ヨードアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−ブロモアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−フルオロアニリン)及び4−アミノフェニル−2−クロロアニリン等が挙げられる。
2級アミノ基を有する芳香族ポリアミンとしては、上記非置換芳香族ポリアミン、アルキル基を有する芳香族ポリアミン及び電子吸引基を有する芳香族ポリアミンの−NH2の一部又は全部が−NH−R’(R’はアルキル基であり、例えばメチル基及びエチル基等の炭素数1〜4の低級アルキル基)で置換されたもの[例えば4,4’−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン及び1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼン等]、ポリアミドポリアミン:ジカルボン酸(ダイマー酸等)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミン類(上記アルキレンジアミン及びポリアルキレンポリアミン等)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミン:ポリエーテルポリアミン:及びポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコール等)のシアノエチル化物の水素化物等が挙げられる。
塗膜層(B)を構成する成分としては、主剤(b1)、硬化剤(b2)の他に必要に応じて他の添加剤を含有することができる。まず、顔料としては、有機顔料、無機顔料、体質顔料、防錆顔料、その他の機能性顔料。
製造時に必要な添加剤としては、分散剤、湿潤剤、増粘剤、カップリング剤、貯蔵時に必要な添加剤としては、沈降防止剤、皮張り防止剤、重合防止剤、塗装の時に必要な添加剤としては、消泡剤、静電塗装性改良剤、タレ防止剤、色分防止剤、レベリング剤、硬化促進剤、ハジキ防止剤、塗装後に必要な添加剤としては、粘着防止剤、擦り傷防止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤その他防錆剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、防腐剤、防カビ剤などを挙げることができる。
塗膜層(B)には、上記添加剤の他にそれぞれ必要に応じて、界面活性剤、発泡剤、フォーム安定剤、染料、充填剤、殺菌剤、殺バクテリア剤、各種補強剤、内部離型剤、酸化防止剤、耐候性安定剤等の添加剤が添加されていてもよい。
前述したとおり、本発明の弾性層(A)を構成する高分子基材は、ゴム、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーから選択される少なくとも1種からなる。この中、特に好ましくはゴムである。該ゴムからなるゴム組成物(a)は、未架橋状態であってもよいが、一般には架橋剤(C)を用いて架橋される。熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーに関しては、架橋剤(C)の添加は不要である。
架橋剤(C)としては、硫黄架橋剤、硫黄供与架橋剤、有機過酸化物架橋剤、キノイド架橋剤、樹脂架橋剤、金属酸化物架橋剤、含硫黄有機化合物架橋剤、アミン架橋剤、トリアジン架橋剤、ポリオール架橋剤、金属石けん架橋剤、マレイミド架橋剤、ヒドロシリル化反応用架橋剤等を挙げることができる。これらの架橋剤(C)は、ゴム種によって適宜選択される。
硫黄架橋剤としては、例えば粉末硫黄、硫黄華、高分散性硫黄、不溶性硫黄、沈降硫黄、表面処理硫黄、コロイド硫黄、塩化硫黄、一塩化硫黄、二塩化硫黄等が挙げられる。これらの硫黄架橋剤は、単独でまたは2種以上を併用してもよい。また、架橋剤として硫黄架橋剤を使用する場合には、架橋促進剤を併用することもできる。
架橋促進剤としては、例えばヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒド・アンモニア等のアルデヒドアンモニア類;n−ブチルアルデヒドーアニリン縮合品、ブチルアルデヒドーモノブチルアミン縮合品、ヘプトアルデヒドーアニリン反応品、トリクロトニリデン・テトラミン等のアルデヒドアミン類;ジフェニルグアニジン、ジーoートリルグアニジン、オルト・トリル・ビグアニド、ジカテコール・ホウ酸のジオルト・トリル・グアニジン塩等のグアニジン塩類;2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン類;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトチアゾリン、ジベンゾチアジル・ジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2−(2,4−ジニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾール、2−(N,N−ジエチルチオ・カルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2−(4−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、4−モルホニル−2−ベンゾチアジル・ジスルフィド等のチアゾール類;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド等のスフェンアミド類;チオカルバニド、エチレン・チオ尿素(2−メルカプトイミダゾリン)、ジエチル・チオ尿素、ジブチル・チオ尿素、混合アルキルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジラウリルチオ尿素等のチオ尿素類;ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸鉛、ジアミルジチオカルバミン酸鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジアミルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジエチルジチオカルバミン酸カドミウム、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸鉄、ジメチルジチオカルバミン酸ビスマス、ジメチルジチオカルバミン酸ピペリジン、メチルペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペコリン、活性化ジチオカルバメート等のジチオカルバミン酸塩類;テトラメチルチウラム・モノスルフィド、テトラメチルチウラム・ジスルフィド、活性テトラメチルチウラム・ジスルフィド、テトラエチルチウラム・ジスルフィド、テトラブチルチウラム・ジスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラム・ジスルフィド、ジペンタメチレンチウラム・ジスルフィド、ジペンタメチレンチウラム・テトラスルフィド、混合アルキルチウラム・ジスルフィド等のチウラム類;イソプロピル・キサントゲン酸ナトリウム、イソプロピル・キサントゲン酸亜鉛、ブチル・キサントゲン酸亜鉛等のザンテート類;4,4’−ジチオジモルホリン、アミノジアルキルジチオホスフェート、亜鉛−o,o−n−ブチルホスホロジチオエート、3−メルカプトイミダゾリン−チオン−2、チオグリコール酸エステル等が挙げられる。これらの架橋促進剤は、単独または2種以上を併用してもよい。
硫黄供与架橋剤としては、架橋温度で硫黄を放出する架橋剤であって、単体で硫黄を使用しないでしかも架橋形式は硫黄結合という特徴を有する。単体硫黄による架橋形式がポリチオエーテル結合に対し硫黄供与剤ではジチオエーテルまたはモノチオエーテル結合が生成する。
このような硫黄供与架橋剤は、例えばテトラメチルチウラム・モノスルフィド、テトラメチルチウラム・ジスルフィド、テトラエチルチウラム・ジスルフィド、テトラブチルチウラム・ジスルフィド、ジペンタメチレンチウラム・ジスルフィド、ジペンタメチレンチウラム、テトラスルフィド、ジモルホリル・ジスルフィド、2−(4−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等を挙げることができる。これらの硫黄供与架橋剤は、単独または2種以上を併用してもよい。このような硫黄供与架橋剤の架橋速度を向上させるために、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン亜鉛、2-メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、チオ尿素系促進剤を併用してもよい。
有機過酸化物架橋剤としては、例えば1,1−ジ第三ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ第三ブチルパーオキサイド、第三ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルパーオキシ)ヘキサン)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3−ビス(第三ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、第三ブチルパーオキシ−イソプロピルカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルフォニルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジアリルパーオキシジカーボネート、ジプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、ジ(メトキシイソプロピル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、第三ヘキシルパーオキシネオヘキサネート、ジ(3−メチル−3−メチロキシブチル)パーオキシジカーボネート、第三ブチルパーオキシネオデカネート、第三ヘキシルパーオキシネオデカネート、第三ブチルパーオキシネオヘキサネート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、第三ヘキシルパーキシピバレート、第三ブチルパーヘキシピバレート、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、クミルパーオキシオクテート、アセチルパーオキサイド、第三ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサネート)、ベンゾイルパーオキサイド、第三ブチルパーオキシイソイソブチレート、1,1−ビス(第三ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、第三ブチルパーオキシマレイックアシッド、第三ブチルパーオキシラウレート、第三ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサネート、シクロヘキサノンパーオキサイド、第三ブチルパーオキシアリルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,2−ビス(第三ブチルパーオキシ)オクタン、第三ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(第三ブチルパーオキシ)ブタン、第三ブチルパーオキシベンゾエート、ブチル−4,4−ビス(第三ブチルパーオキシ)バレレート、ジ第三ブチルジパーオキシイソフタレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、α,α’−ビス(第三ブチルパーオキシ−mーイソプロピル)シクロヘキサン、ジイソプロピルベンゼン−ヒドロパーオキサイド、pーメンタンヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、第三ブチルヒドロパーオキサイド等が挙げられる。これらの有機過酸化物は、単独または2種以上を併用してもよい。
有機過酸化物架橋剤を使用する場合には、共架橋剤を併用することもできる。共架橋剤としては、例えば硫黄、pーキノンジオキシム、p−ベンゾキノンジオキシム、p,p’ージベンゾイルキノンジオキシム、NーメチルーN’ー4ージニトロソアニリン、N,N−m−フェニレンビスマレイミド、ジペンタメチレンチウラムペンタスルフィド、ジニトロソベンゼン、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアジンチオール、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメトロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジアリルメラミン、ジビニルアジペート、ビニルブチラート、ビニルステアレート、液状ポリブタジエンゴム、液状ポリイソプレンゴム、液状スチレンーブタジエンゴム、液状アクリロニトリルーブタジエンゴム、(メタ)アクリル酸マグネシウム、(メタ)アクリル酸カルシウム、(メタ)アクリル酸アルミニウム、(メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸第一錫、(メタ)アクリル酸マグネシウム等が挙げられる。これらの共架橋剤は、単独または2種以上を併用してもよい。
キノイド架橋剤としては、例えばp−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム、テトラクロロ−p−ベンゾキノン、ポリ−p−ジニトロベンゼン等が挙げられる。これらのキノイド架橋剤は、単独または2種以上を混合して使用することができる。
樹脂架橋剤としては、例えばアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、メラミンーホルムアルデヒド縮合物、トリアジン−ホルムアルデヒド縮合物、オクチルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノール・スルフィド樹脂、ヘキサメトキシメチル・メラミン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂架橋剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。金属酸化物架橋剤としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、一酸化鉛等が挙げられる。これらの金属酸化物架橋剤は、単独または2種以上を併用してもよい。
含硫黄有機架橋剤としては、例えばモルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、N、N’−ジチオ−ビス(ヘキサヒドロ−2H−アゼピノン−2)、チウラムポリスルフィド、2ー(4’ーモルホリノ・ジチオ)ベンゾチアゾール等が挙げられる。これらの含硫黄有機架橋剤は、単独または2種以上を併用してもよい。
ポリアミン架橋剤としては、例えばヘキサメチレンジアミンカルバメ−ト、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)カルバメ−ト、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン、アンモニウムベンゾエ−ト等が挙げられる。これらのポリアミン架橋剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。トリアジン架橋剤としては、例えば2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。これらのトリアジン架橋剤は、単独または2種以上を併用してもよい。
ポリオ−ル架橋剤としては、例えばビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルAF、ハイドロキノン、ペンタエリトリト−ル等が挙げられる。これらのポリオール架橋剤は、単独または二種以上を混合して使用することができる。金属石けん架橋剤としては、例えばステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム等が挙げられる。これらの金属石けん架橋剤は、単独または2種以上を併用してもよい。マレイミド架橋剤としては、例えばN,N’−m−フェニレンジマレイミド等が挙げられる。
ヒドロシリル化反応用架橋剤としては、一分子中に平均2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンである。該オルガノポリシロキサンの分子構造は特に限定されないが、例えば、直鎖状、分岐状、環状、または三次元網状構造の樹脂状物のいずれでもよい。ケイ素原子に結合している有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が例示され、好ましくは、メチル基である。
このようなオルガノポリシロキサンとしては、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、およびこれらのオルガノポリシロキサンの2種以上の混合物が例示される。
ヒドロシリル化反応を促進させるためのヒドロシリル化反応用触媒としては、白金系触媒、ロジウム系触媒、イリジウム系触媒、パラジウム系触媒、ルテニウム系触媒が例示され、好ましくは、白金系触媒である。具体的には、白金微粉末、白金黒、塩化白金酸、四塩化白金 、アルコール変性塩化白金酸、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体、白金のカルボニル錯体、これらの白金系触媒を含むメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シリコーン樹脂等の熱可塑性有機樹脂粉末を例示することができる。
上記架橋剤(C)及びその添加量については特に制限はない。ゴムの種類、架橋時間、架橋温度により適宜選択すればよい。
本発明の積層体は、新たな機能を付与するために、弾性層(A)あるいは塗膜層(B)の少なくともいずれか一方に機能性付与物質(D)を含むことができる。
付与する機能として、補強、抗菌、ガスバリア、軽量、浮力、導電、磁性、熱伝導、圧電、制振、遮音、摺動、断熱、電磁波吸収、光反射、光散乱、熱線輻射、難燃、放射線防護、紫外線防護、脱湿、脱水、脱臭、ガス吸収、アンチブロッキング、吸油、吸水等の機能を挙げることができる。このような機能性付与物質(D)は単独あるいは2種以上を併用することもできる。
上述の機能を有する機能性付与物質(D)について、補強性付与としては、非晶質シリカ、カーボンブラック、ウオラストナイト、チタン酸カリウム、ゾノトライト、石膏繊維、アルミボレート、MOS、アラミド繊維、セルロースナノファイバー(CNF)、カーボンファイバー(炭素繊維)、ガラス繊維、タルク、マイカ、ガラスフレーク、ポリオキシベンゾイルウィスカー等を挙げることができる。これらは単独あるいは2種以上を併用することができる。
補強性付与の中、セルロースナノファイバーとしては、例えば、β−1,4−グルカン構造を有する多糖類で形成されている限り特に制限されない。例えば、高等植物由来のセルロース繊維[例えば、木材繊維(針葉樹、広葉樹などの木材パルプなど)、竹繊維、サトウキビ繊維、種子毛繊維(コットンリンター、ボンバックス綿、カポックなど)、ジン皮繊維(例えば、麻、コウゾ、ミツマタなど)、葉繊維(例えば、マニラ麻、ニュージーランド麻など)などの天然セルロース繊維(パルプ繊維)など]等を挙げることができる。また、動物由来のセルロース繊維(ホヤセルロースなど)、バクテリア由来のセルロース繊維(ナタデココに含まれるセルロースなど)、化学的に合成されたセルロース繊維[例えば、ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロースなど);カルボキシアルキルセルロース(カルボキシメチルセルロース(CMC)など);アルキルセルロース(メチルセルロース、エチルセルロースなど)などのセルロース誘導体など]などを挙げることができる。これらのセルロースナノファイバーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
さらに、セルロースナノファイバーは、用途に応じて、α−セルロース含有量の高い高純度セルロース、例えば、α−セルロース含有量70〜100質量%、好ましくは95〜100質量%さらに好ましくは98〜100質量%のセルロースで形成されていてもよい。さらに、本発明では、リグニンやヘミセルロース含量の少ない高純度セルロースを使用することにより、木材繊維や種子毛繊維を使用しても、均一な繊維径を有するセルロースナノファイバーを調製できる。リグニンやヘミセルロース含量の少ないセルロースは、特に、カッパー価(κ価)が0〜30、好ましくは0〜20、さらに好ましくは0〜10のセルロースであってもよい。なお、カッパー価は、JIS P8211の「パルプ−カッパー価試験方法」に準拠した方法で測定できる。
これらのセルロースナノファイバーのうち、生産性が高く、適度な繊維径及び繊維長を有する点から、高等植物由来のセルロース繊維、例えば、木材繊維(針葉樹、広葉樹などの木材パルプなど)や種子毛繊維(コットンリンターパルプなど)などのパルプ由来のセルロースナノファイバーが好ましい。
セルロースナノファイバーの平均繊維径としては、好ましくは10〜90nm、更に好ましくは25〜60nm、特に好ましくは30〜50nmである。繊維径が大きすぎると、耐熱性が低下し、小さすぎると、製造が困難となる。
さらに、セルロースナノファイバーは、均一なナノメータサイズであり、ミクロンオーダーサイズの繊維を実質的に含有しないファイバーであってもよい。繊維径分布の標準偏差は、例えば、1〜100nm、好ましくは3〜50nm、さらに好ましくは5〜40nm特に好ましくは10〜30nmである。さらに、セルロースナノファイバーの最大繊維径は、40〜200nm、更に好ましくは50〜100nm特に好ましくは60〜90nmである。
セルロースナノファイバーは、その分子内に多数の水酸基を有しており、極めて親水性が高い。したがって、疎水環境中あるいは乾燥状態では自己凝集を起こす。その結果、極めて疎水性が高く、一般的な熱可塑性樹脂であるPPやPE、あるいはPSなどとの間で、セルロースナノファイバーと樹脂を混練することは容易ではなく、期待される機械的強度を発揮できない。そこでこのような問題に関しては、疎水化処理したセルロースナノファイバーを用いることが好ましい。疎水化の方法については特に制限はない。
抗菌性付与としては、カテキン、銀イオン担持ゼオライト、銅フタロシアニン、ガスバリア;合成マイカ系、クレー、合成マイカのナノフィラー等を挙げることができる。これらは単独あるいは2種以上を併用することができる。
軽量化(浮力)付与としては、 発泡剤であり、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等の無機発泡剤;N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物;アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレート等のアゾ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、P,P’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジド化合物;カルシウムアジド、4,4’−ジフェニルジスルホニルアジド、P−トルエンスルホニルアジド等のアジド化合物などをあげることができる。これらは単独あるいは2種以上を併用することができる。これらは単独あるいは2種以上を併用することができる。発泡剤の配合量は、共重合体ゴム組成物中のゴム成分を100質量部として、好ましくは0.01〜15質量部であり、より好ましくは0.05〜8質量部である。
発泡助剤としては、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、しゅう酸等の有機酸;尿素またはその誘導体などをあげることができる。発泡助剤の配合量は、共重合体ゴム組成物中のゴム成分を100質量部として、好ましくは0.01〜15質量部であり、より好ましくは0.05〜8質量部である。
マイクロバルーンを用いることで、外層の機械的強度を維持しつつ、軽量化を図ることができる。前記マイクロバルーンとしては、有機マイクロバルーン、無機マイクロバルーンのいずれも使用できる。有機マイクロバルーンとしては、熱可塑性樹脂からなる中空粒子、熱可塑性樹脂の殻に低沸点炭化水素が内包された樹脂カプセルなどが挙げられる。これらのマイクロバルーンは、単独あるいは2種以上を併用することができる。
前記樹脂カプセルの具体例としては、Akzo Nobel社製のエクスパンセル、松本油脂製薬社製のマツモトマイクロスフェアー(登録商標)などが挙げられる。無機マイクロバルーンとしては、中空ガラス粒子(シリカバルーン、アルミナバルーンなど)、中空セラミックス粒子などが挙げられる。
前記樹脂カプセル(膨張前)の体積平均粒子径は、特に制限はないが、好ましくは5〜90μm、更に好ましくは6〜70μm、特に好ましくは9〜60μmある。
導電性付与としては、電子伝導体及びイオン伝導体のいずれのものも使用可能である。上記電子伝導体としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、カーボン繊維、金属粉、金属繊維、金属酸化物、導電性高分子等を挙げることができ、上記イオン伝導体としては、金属塩、アンモニウム塩等を挙げることができる。上記金属塩としては、陽イオン半径の小さいリチウム、ナトリウム、カリウム等のI族又はII族の塩が好ましい。これら金属塩の陰イオンとしては、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、フルオロホウ酸イオン等を挙げることができる。上記アンモニウム塩としては、例えば、カルボン酸、リン酸、ホウ酸、スルホン酸等を挙げることができる。これらの電子伝導体やイオン伝導体は単独あるいは2種以上が併用されてもよい。
磁性付与としては、軟磁性金属物や軟磁性金属酸化物を用いることが出来る。具体的にはNi−Zn系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Mn-Mg系フェライト、Li−Zn系フェライトなどのソフトフェライト、鉄、ニッケル、コバルト、Fe−Co、Fe−Cr、Fe−Si,Fe−Al,Fe−Cr−Al,Fe−Si−Cr,Fe−Si−Al,Fe−Al−Si,パーマロイ、カルボニル鉄などの鉄合金を用いることが出来る。これら軟磁性粉体は単独あるいは2種以上を組み合わせて用いても良い。
熱伝導性付与としては、金属水酸化物または金属酸化物等が好ましい。金属水酸化物は、他の熱伝導性充填剤と比較して樹脂との相溶性が高く、難燃性が高い傾向にある。また、金属酸化物は特に熱伝導性と電気絶縁性が高い。このような金属水酸化物粉と金属酸化物粉としては、分解温度が250℃以上の金属水酸化物粉、金属酸化物粉であることが好ましく、具体的には金属水酸化物粉としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム等の粉末、金属酸化物粉としてはアルミナ、マグネシア、酸化亜鉛等が挙げられる。前記分解温度が250℃未満では、得られるシート状成形体に十分な熱伝導性を付与することが困難となる傾向にある。
このような金属水酸化物粉、金属酸化物粉の大きさ、形状等は特に制限されるものではないが、形状としては球状又は擬球状であることが好ましい。これらは、単独あるいは2種以上を併用することができる。
また、このような金属水酸化物粉、金属酸化物粉の粒径は0.5〜30μmであることが好ましい。前記粒径が0.5μm未満では前記金属水酸化物粉、金属酸化物粉を樹脂組成物中に含有せしめた際に、組成物の粘度が高くなり過ぎてシート状成形体を製造することが困難となる傾向にあり、他方、前記粒径が30μmを超えると前記金属水酸化物粉が樹脂組成物中に混入し難いため均一に分散し難くなる傾向にある。
さらに、このような金属水酸化物粉、金属酸化物粉としては、粒径の異なるものを組み合わせて用いることも可能である。このようにして粒径の異なるものを数種類組み合わせた金属水酸化物粉と金属酸化物とを樹脂組成物に含有させることによって、得られる樹脂組成物の粘度を低下させることが可能となるし、同じ粒径のものを組み合わせるより高充填することが可能である。
さらに、このような金属水酸化物及び金属酸化物は、他の熱伝導性充填剤を組み合わせて用いることも可能である。このような他の熱伝導性充填剤としては、窒化硼素、窒化アルミ等の窒化物や炭化珪素、黒鉛、銅、銀、アルミ等の金属粉末を添加することも可能であり、更には、熱伝導的には必ずしも優れない炭酸カルシウム等の炭酸金属や、クレー、カオリン等の充填剤等を添加することも可能である。
黒鉛は天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛の中から少なくとも1種類を使用することが出来る。天然黒鉛は燐状、土状、燐片状、塊状等があり特に制限するものではないが、その中でも、性能、価格の観点から燐片状黒鉛が好ましい。
さらに、このような燐片状黒鉛としては、同じ組成の燐片状黒鉛の平均粒径の異なるものを組み合わせて用いることも可能である。このようにして平均粒径の異なるものを数種類組み合わせて前記燐片状黒鉛を含有させることによって、シート状成形体を構成する樹脂組成物の粘度を低下させることが可能となる。
蓄熱性付与としては、特に制限されないが、単位体積当たりの蓄熱量が大きく、安全で腐食しにくく、融解と凝固を繰り返しても安定して放熱と蓄熱作用が得られるとともに、安価であるノルマルパラフィン、有機酸及びアルコール等を用いることが好ましく、n−テトラデカン、n−オクタデカン、n−ペンタコサン、ステアリン酸、セチルアルコール等を用いることがより好ましい。このような蓄熱剤は、使用目的に応じて適宜選択可能であり、例えば、目的の温度範囲に融点を有する1種の蓄熱剤を選択して用いたり、2種以上の蓄熱剤を混合して用いたりすることも可能である。上記、蓄熱剤はそのまま用いても良いが、蓄熱剤を内包したマイクロカプセルとして用いても良い。マイクロカプセルは皮膜の内側に蓄熱剤を内包した微小な粒子である。
また、上記マイクロカプセルの皮膜を形成する膜材としては特に制限されず、例えば、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアクリルアミド、エチルセルロース、ポリウレタン、アミノプラスト樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。これらの膜剤は、単独であるいは混合して皮膜を形成することができる。特にユリア樹脂及び/またはメラミン樹脂により形成された皮膜が好ましい。また、蓄熱剤をマイクロカプセル化する方法としては特に制限されず、適宜公知の方法を採用することができる。なお、このような蓄熱剤を内包したマイクロカプセルとしては、市販されている蓄熱剤を内包したマイクロカプセルを適宜用いてもよい。
また、マイクロカプセルの平均粒子径としては、好ましくは1〜100μm、更に好ましくは5〜50μmである。平均粒子径が1μm未満では、シート状成形体を構成する組成物中に混合せしめた際に、該組成物の粘度が高くなり過ぎて加工性が低下する傾向にあり、他方、平均粒子径が100μmを超えると、マイクロカプセルを上記組成物中に均一に混合させることが困難であるためシート状成形体に均一に分散し難くなる傾向にある。
誘電性付与としては、無機質誘電材であって、CaTiO、BaTiO、SrTiO、CoTiO、ZnTiO、MgTiO等のペロブスカイト系誘電材、Al、SiO、Si、AlN等のAlやSiの酸化物や窒化物、MgTio、TiO、BaFeO、サイアロン、フェライト等を挙げることができる。これらの中でも、CaTiO、BaTiO、SrTiO等のペロブスカイ系誘電材、Al、SiO、TiO等が好ましい。これらは、単独で使用でき又は2種以上を併用できる。無機質誘電材の粒径は特に制限されないが、通常0.1〜50μm、好ましくは0.5〜10μmである。また、無機質誘電材の形状も特に制限されず、例えば、粉末状、繊維状、板状、薄片状、鱗片状等のいずれでもよい。形状の異なる無機質誘電材を併用しても良い。
圧電性付与としては、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、及びポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を併用することができる。
制振性付与としては、マイカ、黒鉛、チタン酸カリウム、ゾノトライト、炭素繊維、フェライト等を挙げることができる。これらは、単独あるいは2種以上を併用することができる。
遮音性付与としては、鉄粉、鉛粉、硫酸バリウム等を挙げることができる。これらは、単独あるいは2種以上を併用することができる。
摺動性付与としては、黒鉛、六方晶BN、硫化モリブデン、PTFE粉、タルク等を挙げることができる。これらは、単独あるいは2種以上を併用することができる。
断熱性付与としては、ガラスバルーン、シラスバルーンなどのバルーン等を挙げることができる。これらは、単独あるいは2種以上を併用することができる。
電磁波吸収性付与としては、カーボンブラック及び磁性金属が用いられる。
カーボンブラックとしては、粒子径が0.01〜300μmのものを用いることが好ましい。特に、電磁波吸収性能の観点からは、粒子径が1〜300μmである大径粒子と粒子径が1μm未満の小径微粒子とを配合してなるカーボンブラックを用いることが好ましい。また、粒子径が1〜300μmの鱗片状粒子(鱗片状粒子の長径)は、広い表面積を有することから電磁波吸収性能に優れ、かつ、その形状によって薄い電磁波吸収層2を形成することができる。なお、粒子径は、電子顕微鏡にて観察することにより確認することができる。
また、磁性金属の材料としては、鉄珪素合金、鉄アルミ珪素合金、鉄ニッケル合金、マグネタイト等の磁性金属粒子(磁性金属粉末)を用いることができる。なお、磁性金属の形状は、鱗片状、棒状、針状、球状、不定形等のいかなる形態であってもよいが、電磁波吸収性能の観点からは、鱗片状の磁性金属を用いることが好ましい。
磁性金属粒子の粒子径は、好ましくは0.01〜300μm、特に好ましくは0.2〜100μmである。なお、磁性金属粒子の粒子径とは、磁性金属粒子の形状が球状以外の場合、例えば鱗片状の場合は、最も長い対角線の長さ(長径)をいう。これらは、単独あるいは2種以上を併用することができる。
光反射(光散乱)性付与としては、酸化チタン、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、アルミ粉、マイカ等を挙げることができる。これらは、単独あるいは2種以上を併用することができる。
熱線輻射性付与としては、酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、MOS、アルミナ、木炭粉末等を挙げることができる。これらは、単独あるいは2種以上を併用することができる。
難燃性付与としては赤燐、膨張黒鉛、ポリ燐酸アンモニウム、燐酸エステル系、燐酸アンモン、炭酸アンモン、錫酸亜鉛、トリアジン化合物、メラミン化合物、グアニジン化合物、硼酸、硼酸亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、酸化アンチモン、水酸化アルミ、水酸化マグネシウム等を挙げることができる。これらは、単独あるいは2種以上を併用することができる。
放射線防護性付与としては、鉛、硫酸バリウム、タングステン、チタン、クロム、コバルト、ニッケル、モリブデン粉末等を挙げることができる。これらは、単独あるいは2種以上を併用することができる。
紫外線防護性付与としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄等を挙げることができる。これらは、単独あるいは2種以上を併用することができる。
脱湿(脱水)性としては、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等を挙げることができる。これらは、単独あるいは2種以上を併用することができる。
吸水性付与としては、吸水用高分子ゲル、酸化カルシウム、酸化マグネシウムを挙げることができる。これらは、単独あるいは2種以上を併用することができる。
上記した機能性付与物質(D)は、弾性層(A)または塗膜層(B)の一方あるいは両方に含有してもよい。一般には弾性層(A)を構成するゴム、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーの高分子基材に含有する場合が多い。この中、ゴムの場合には、一般に密閉式混練機(ニーダー、バンバリーミキサ−など)混練あるいは混合する方法が採られる。この方法では、表面特性が重要視されるような異方性物質やウィスカ−等では、高シアレートによって当該物質に負荷が大きく掛かり、当該物質の特徴を破壊乃至は、弱めてしまう場合が多い。
これに対して、液状で機能性付与物質(D)を混合する方法は、プラネタリーミキサー等を好適に用いることができる。この方法は、当該機能性付与物質(D)への負荷が小さいことから、その機能が低下しないという利点がある。熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーにおいては、高温下で低粘度化した後、当該物質を添加することが可能である。
一方、先述したゴムの場合は、この方法を用いることは現状では困難である。ゴムの特徴を維持した状態で当該機能性付与物質(D)を機能させるには、熱硬化性樹脂(b)からなる塗膜層(B)との積層構造を形成する方法が好ましい。熱硬化性樹脂(b)中、更に詳しくは、当該熱硬化性樹脂(b)を構成する主剤(b1)中あるいは硬化剤(b2)中の少なくとも一方、特に主剤(b1)と当該機能性付与物質(D)とを前記したプラネタリーミキサー等によって攪拌混合する方法によりその機能を保持・発揮させる方法が好ましい。
上記した機能性付与物質(D)の種類によっては、機能性付与物質(D)の表面をカップリング剤(E)によって処理したものでもよい。
本発明の積層体を構成するカップリング剤(E)は、機能性付与物質(D)と弾性層(A)を構成する高分子基材あるいは塗膜層(B)を構成する熱硬化性樹脂(b)との界面で起こる現象を調節する表面改質剤である。このような特性を有するカップリング剤(E)には有機金属系化合物が多く、クロム系カップリング剤、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、更には、フッ素系カップリング剤などがある。例えば以下のようなものが挙げられるが、これらに限られるものではない。これらのカップリング剤(E)は、単独あるいは2種以上を併用してもよい。
シラン系カップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス−(3−〔トリエトキシシリル〕−プロピル)−ジサルファン、ビス−(3−〔トリエトキシシリル〕−プロピル)−テトラサルファン(TESPT)などを挙げることができる。これらは単独あるいは2種以上を併用してもよい。
アルミネート系カップリング剤としては、例えばアルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート等のアルミニウムアルキルアセトアセテート・ジアルキレート;アルミニウムアルケニルアセトアセテート・ジアルキレート;アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等を挙げることができる。これらは単独あるいは2種以上を併用してもよい。
上記チタネート系カップリング剤としては、例えば、カルボン酸型チタネートカップリング剤、亜リン酸型チタネートカップリング剤、ピロリン酸型チタネートカップリング剤、アミン系チタネートカップリング剤、アルキルベンゼンスルホン酸型チタネートカップリング剤等が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上を併用してもよい。
上記カルボン酸型チタネートカップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリn−ステアロイルチタネート、イソプロピルジイソステアロイルアクリルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、ジメタクリルエチレンチタネート、イソステアロイルメタクリルエチレンチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、イソプロピルジイソステアロイルクミルフェニルチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート、イソプロピルジステアロイルメタクリルチタネート、イソプロピルトリメタクリルチタネート、イソプロピルトリアクリルチタネート、イソプロピルトリアントラニルチタネート、ジイソプロピルオキシアセテートチタネート、イソステアロイルメタクリルオキシアセテートチタネート、イソステアロイルアクリルオキシアセテートチタネート、ジメタクリルオキシアセテートチタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、ジクミルフェノレートオキシアセテートチタネート、ジアクリルエチレンチタネート、ジアントラニルエチレンチタネート、チタンメチルフェノキサイド、チタンアリルアセトアセテートトリイソプロポキサイド、チタンビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキサイド、チタンジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンジイソプロポキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタンジイソプロポキサイドビス(エチルアセトアセテート)、チタンメタクリルオキシエチルアセトアセテートトリイソプロポキサイド、チタンオキシドビス(ペンタンジオネート)、ジアクリルオキシアセテートチタネート等を挙げられる。これらは単独あるいは2種以上を併用してもよい。
上記亜リン酸型チタネートカップリング剤としては、例えば、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、テトライソプロピルジ(ジラウロイルホスファイト)チタネート、ジ(ジオクチルホスフェート)オキシアセテートチタネート、ジ(ジオクチルホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上を併用してもよい。
上記ピロリン酸型チタネートカップリング剤としては、例えば、イソプロピルジオクチルパイロホスフェートチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、トリス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルオクチル,ブチルパイロホスフェートチタネート、イソプロピルジ(ブチル,メチルパイロホスフェート)チタネート、ジ(オクチル,ブチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ジ(ブチル,メチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上を併用してもよい。
上記アミン系チタネートカップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、イソプロピル4−アミノベンゼンスルホニルジ(ドデシルベンゼンスルホニル)チタネート、イソプロピルジ(4−アミノベンゾイル)イソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(N,N−ジメチルエチルアミノ)チタネート、4−アミノベンゼンスルホニルドデシルベンゼンスルホニルオキシアセテートチタネート、4−アミノベンゾイルイソステアロイルオキシアセテートチタネート、4−アミノベンゼンスルホニルドデシルベンゼンスルホニルエチレンチタネート、4−アミノベンゾイルイソステアロイルエチレンチタネート等が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上を併用してもよい。
上記アルキルベンゼンスルホン酸型チタネートカップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリス(ドデシルベンゼンスルホニル)チタネート、イソプロピルトリス(デシルベンゼンスルホニル)チタネート、イソプロピルトリス(ウンデシルベンゼンスルホニル)チタネート、イソプロピルトリス(トリデシルベンゼンスルホニル)チタネート、イソプロピルトリス(テトラデシルベンゼンスルホニル)チタネート等が挙げられる。これらのチタネート系カップリング剤は、単独あるいは2種以上を併用してもよい。
カップリング剤(E)の添加量は、機能性付与物質(D)100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部であり、より好ましくは0.5〜10質量部である。0.1質量部未満では、混練性が不十分となり、機械的性質(引張強度、破断伸び)が不足し好ましくない。一方、20質量部を超えると価格的に問題がある。
カップリング剤(E)による機能性付与物質(D)の表面処理方法としては、直接処理法としての乾式法、湿式法(スラリー法)、スプレー法がある。また、機能性付与物質(D)に対して処理を行うインテグラルブレンド法としての直接法、マスターバッチ法、更には、ドライコンセントレート法がある。これらの処理方法の中では、直接法が簡便な方法である。一方、湿式法(スラリー法)では、各種溶媒(水系、有機系各種溶媒を処理剤との関係で選択できる)中で実施するものであり、機能性付与物質(D)を分散させた状態でカップリング剤による処理を施すことができる。
弾性層(A)を構成する高分子基材には、本発明に支障のない範囲内において、一般に使用されている各種の添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、ラジカル連鎖開始阻止剤(重金属不活性化剤、紫外線吸収剤)、ラジカル捕捉剤(HALS、フェノール系酸化防止剤)、過酸化物分解剤、光安定剤、可塑剤、軟化剤、老化防止剤、酸化防止剤、加工助剤、活性剤、滑剤、奪水剤、ワックス、内部離型剤、スコーチ防止剤、粘着付与剤、発泡剤、発泡助剤、難燃剤、素練り促進剤、蓄熱剤、蓄光剤、応力発光剤、熱伝導付与剤、放熱剤、着色剤、抗菌剤等を配合することもできる。
弾性層(A)の形態としては、ソリッド状あるいはスポンジ状のいずれかあるいは両方を含んでもよい。スポンジ状においては、スキン層を有するものがより好ましい。塗膜層(B)を形成する場合の密着性・接着性に有利である。
本発明の積層体を構成する弾性層(A)と塗膜層(B)とが強固に接着するためには、層間が化学的に結合することが望ましい。具体的には次の(i)、(ii)を挙げることができる。(i)、(ii)の少なくともいずれか一方を満たす弾性層(A)が好ましい。より好ましくは(i)及び(ii)を満たす弾性層(A)である。
(i)弾性層(A)が、塗膜層(B)を構成する熱硬化性樹脂(b)の主剤(b1)、硬化剤(b2)のいずれか一方のみと化学結合する有機化合物(F)を含有してなる弾性層(A)。
(ii)弾性層(A)の表面を脱脂処理、粗面化処理、プライマー処理、プラズマ処理、コロナ放電処理から選択される少なくとも1種の処理をしてなる弾性層(A)。
化学結合の種類については特に制限はなく、イオン結合、共有結合および金属結合のいずれであってもよい。中でも弾性層(A)と塗膜層(B)を強固に接着するためには、特に共有結合が好ましい。該有機化合物(F)は、単量体、プレポリマー(オリゴマーを含む)、ポリマーのいずれでもよい。このような有機化合物(F)として例えば、熱硬化性樹脂(b)を構成する主剤(b1)、硬化剤(b2)の中のいずれか一方のみを含有するものが挙げられる。なお、主剤(b1)、硬化剤(b2)の詳細については前記のとおりである。
脱脂処理とは、アルコール、ベンジン、トルエン等で弾性層(A)の表面の油・汚れ・その他ブルーム、ブリード成分を取り除くことを狙ったものである。
粗面化処理とは、弾性層(A)の表面積を増やすことで、接着力を向上させること及び投錨効果を狙ったものである。粗面化処理としては、研磨処理、エッチング処理、プレス処理、ブラスト処理などを採用することができる。研磨処理としては、例えば機械研磨、化学研磨、電解研磨、化学機械研磨などを採用することができ、表面に微細な凹凸を形成するために、弾性層(A)の表面を少なくとも2方向、例えば第1の方向と第1の方向に直交する第2の方向とに2回研磨処理することが好ましい。このように研磨処理することで、弾性層(A)の表面に、網目状の溝が形成されることで、微細な凹凸が形成される。
エッチング処理としては、例えば化学エッチング、電解エッチング、乾式エッチングなど挙げることができる。
プレス加工処理とは、微細な凹凸を有する金型を用いてプレス加工することであり、微細な凹凸を弾性層(A)の表面に転写することができる。
ブラスト処理としては、ショットブラスト、サンドブラスト、グリットブラストなどを挙げることができる。ショットブラスト処理は、研磨剤を弾性層(A)表面に衝突させることによる表面加工方法であり、乾式、湿式などの手法があるが、作業性の観点から乾式が好ましい。研磨剤としては、例えば、金属粒、セラミック粒、ガラスビーズ、樹脂ビーズなどが挙げられる。研磨剤の番手としては、好ましくは#22〜#2000である。この範囲を超えると弾性層(A)の機械的強度が低下あるいはアンカー効果が期待できない。
プライマー処理とは、一般に下地の吸い込み留め及び上塗り塗料との密着性の向上が狙いである。即ち、弾性層(A)への塗料の吸い込み防止と、弾性層(A)と塗膜層(B)との密着性向上のために用いられる。
またプライマー処理は、弾性層(A)表面にプライマーを塗工し、プライマー層を形成する方法である。
上記プライマーとしては、特に制限はない。例えばポリイソシアネート系プライマー、ウレタン系プライマー、エポキシ系プライマー、シリコーン系プライマー、極性基を有するシクロペンタジエン系プライマー、オレフィン系プライマー、ジエン系プライマーなどが挙げられる。この中、好ましくは、ポリイソシアネート系プライマー、ウレタン系プライマー、エポキシ系プライマーであり特に好ましくは、ポリイソシアネート系プライマーである。
ポリイソシアネート系プライマーとしては、ポリイソシアネート化合物を含有するプライマー組成物が挙げられる。ポリイソシアネート化合物は、分子中に複数のイソシアネート基を有する化合物であり、例えば脂肪族、芳香族、脂環式などの各種ポリイソシアネート、およびポリイソシアネートとポリオールとを反応させて得られるポリイソシアネートプレポリマーを挙げることができる。これらのポリイソシアネート化合物の中では、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させて得られる、分子中に複数のイソシアネート基を有するポリイソシアネートプレポリマーが、硬化後のプライマー層に強靱性を与えることができる点から好ましい。
このうち、ポリイソシアネート化合物に使用される上記各種ポリイソシアネートとしては、例えば脂肪族、芳香族、脂環式など各種のポリイソシアネート化合物を用いることができる。ポリイソシアネート化合物の具体例としては、例えばキシリレンジイソシアネート、ポリフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物、およびこれらの重合物を挙げることができ、さらに分子構造中にアロファネート結合、イソシアヌレート結合、カルボジイミド結合などを有し、複数のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物、例えば上記のジイソシアネート化合物の二量化物や三量化物、ポリメリックフェニルメタンジイソシアネートなどであってもよい。これらの化合物は、単独で、あるいは2種類以上組み合わせてポリイソシアネート化合物を構成することができる。
また、ポリイソシアネートプレポリマーの合成に使用されるポリオールの具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール誘導体、ソルビトール、ネオペンチルグリコールなどの多価アルコール類;前記多価アルコール類と、アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなど)との付加重合により得られるポリエーテルポリオール;前記多価アルコール類と、多塩基酸類(例えば、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、酒石酸、テレフタル酸、イソフタル酸など)との縮合反応により得られるポリエステルポリオール;ラクトン類(例えば、ε−カプラクトン、γ−バレロラクトンなど)の開環重合により得られるポリエステルポリオール;水酸基を含有する重合性モノマー(例えば、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシブチル、トリメチロールプロパンモノアクリレートなど)を単独で重合し、またはこれらと共重合可能なモノマー(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、アクリロニトリル、α−メチルスチレンなど)とを共重合して得られるアクリルポリオール;ヒマシ油およびその誘導体;両末端にエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどとを反応させて得られるエポキシポリオールなどを挙げることができる。これらの化合物は、単独で、あるいは2種類以上組み合わせてもよい。
上記ポリイソシアネート化合物は、イソシアネート基の全部あるいは一部がブロック化されていてもよい。このブロック化のためのブロック剤としては、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノールなどのアルコール類、フェノール、クレゾール、キシレノール、p−ニトロフェノールなどのフェノール類、マロン酸エチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトンなどのカルボニル化合物類、アセトアミド、アクリルアミドなどの酸アミド類、コハク酸イミド、マレイン酸イミドなどの酸イミド類、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類、2−ピロリドン、ε−カプロラクタムなどのラクタム類、アセトキシム、メチルエチルケトキシム、ジアセチルモノオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム類などを挙げることができる。
以上のポリイソシアネート化合物のうちで、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの重合体、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの重合体とポリエーテルポリオールもしくはポリエステルポリオールとの反応で得られるポリイソシアネートプレポリマー、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェートの重合体、およびトリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェートとポリエーテルポリオールもしくはポリエステルポリオールとの反応で得られるポリイソシアネートプレポリマーが好ましい。
上記ポリイソシアネートプレポリマーの数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ法によるポリスチレン換算値で、100〜30,000が好ましく、さらに好ましくは250〜18,000のものである。数平均分子量がポリスチレン換算値で、100未満では塗膜が脆く、接着性能が得られず、一方、30,000を超えると製品の保存安定性が低下しやすくなる。
ポリイソシアネート系プライマーにおいて、以上のポリイソシアネート化合物とともに、極性基を有するスチレン系ポリマーを配合してもよい。配合される極性基を有するスチレン系ポリマーとしては、スチレン成分を含む重合体であって、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、メルカプト基、シアノ基、アルキルエステル基、アミド基、エポキシ基などの極性基が導入された変性ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレートなどの極性モノマーとのランダム共重合体、ブロック共重合体またはグラフト共重合体などを用いることができる。
なお、ポリイソシアネート系プライマーにおいて、ポリイソシアネート化合物として、ポリイソシアネートプレポリマーを用いる場合には、弾性層(A)表面に塗布されたプライマーの湿気硬化を促進するために、通常、触媒が使用される。この触媒の具体例としては、ステアリン酸亜鉛、ジブチルスズジラウレート、オクチル酸スズ、銅アセチルアセトネート、鉄アセチルアセトネート、マンガンアセチルアセトネート、ニッケルアセチルアセトネート、亜鉛アセチルアセトネート、コバルトアセチルアセトネートなどの有機金属化合物類、2−メチルトリエチレンジアミン、トリエチレンジアミン、N,N,N′−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルアミノエチルモルホリン、N,N−ジメチルピペラジン、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下「DBU」ともいう)などのアミン類、DBUのフェノール塩、DBUの2−エチルヘキサン酸塩、DBUのオレイン酸塩、DBUのギ酸塩などのアミン塩類、ならびにこれらの混合物などが挙げられる。
この触媒の使用量は、ポリイソシアネート化合物(および極性基を有するスチレン系ポリマー)100質量部に対し、通常、0.001〜5質量部であり、5質量部を超える場合には、プライマーの保存安定性が低下しやすくなる。
プライマーは、通常、溶剤に溶解して用いる。溶剤は、特に限定されないが、プライマー濃度が低く多量のプライマー溶液を弾性層(A)に塗布する場合など、弾性層(A)に対する貧溶媒を用いることが好ましい。本発明にいう弾性層(A)に対する貧溶媒とは、弾性層(A)に塗布しても実質的に浸食がない溶媒をいう。しかし、比較的高濃度のプライマー溶液をプライマー層が薄くなるように用いる場合には、溶剤がなにであっても、用いる量が少ないため、弾性層(A)の表面が多少浸食されても実用上問題のない場合がある。
なお、プライマーに上記ポリイソシアネート系プライマーを使用する場合には、イソシアネート基やスチレン系ポリマーの極性基に対して不活性な有機溶剤が使用される。具体例としては、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、メチレンクロライド、1,1,1−トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、およびこれらの混合物が挙げられる。これらの中、好ましくは酢酸メチル、酢酸エチルであり、特に好ましくは酢酸メチルである。塗布後に要する乾燥時間が短く、しかも弾性層(A)表面の洗浄作用をも有するので好ましい。
プライマーの濃度(質量%)としては、1〜50%好ましくは2〜40%特に好ましくは5〜30%である。この範囲を超えると弾性層(A)と塗膜層(B)との接着性が不十分あるいはプライマーの乾燥時間が長くなり作業性に問題がある。
プライマーへは、必要に応じて、老化防止剤、可塑剤、充填剤、粘着付与剤、反応促進剤、耐候安定剤、耐熱防止剤、顔料、染料などの着色剤などを添加してもよい。また、プライマーには、塗布後の乾燥を促進、あるいは接着性を向上するために、本発明の目的を損なわない範囲であれば、必要に応じて、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリプロピレン、塩素化マレイン化ポリエチレン、水酸基含有塩素化ポリプロピレン、スチレン・ブタジエン・ブロック共重合体やその水素添加物、スチレン・エチレン・プロピレン・ブロック共重合体やそれに塩素、水酸基、カルボキシル基、カルボン酸無水物などを導入した変性共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体などを、特性改良剤として添加することもできる。
プライマーの塗布方法は特に限定されず、スプレー法、刷毛塗り法、浸漬、ロールコート法、スピンコート法など各種の方法が採用可能である。塗布量は、液量換算で、通常、5〜200g/m2程度である。5g/m2未満であるとプライマー層が薄くなるため、強固な接着性が得られない可能性があり、一方、200g/m2を超えるとプライマー層の形成速度が遅くなり、充分な強度のプライマー層が得られず、プライマー層で凝集破壊を起こす可能性が高くなる。プライマーを塗布した後、乾燥させて有機溶剤を除去する。乾燥方法も、プライマーの組成により異なり、本発明の目的を損なう方法でなければ、特に限定されず、通常、自然乾燥でも充分である。
コロナ放電処理とは、弾性層(A)にコロナ放電を照射させることで弾性層(A)の表面を改質させる技術であり、高周波電源により供給される高周波・高電圧出力を放電電極−処理ロール間に印加することでコロナ放電が発生する。このコロナ放電下に弾性層(A)を通過させコロナ処理を行なう。コロナ放電処理によって、放電自体の物理的な表面改質と極性官能基生成による化学的な表面改質の相乗効果により著しい濡れ性の向上が得られる。化学的表面改質は高エネルギーの電子やイオンが衝突してプラスチック表面にラジカルやイオンが生成し、これらに周囲のオゾン、酸素、窒素、水分などが反応して、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、シアノ基などの極性官能基が導入される。これらの官能基が塗膜層(B)との接着力を強化する。
プラズマ処理方法としては特に制限はない。真空プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、大気圧低温プラズマ処理等を挙げることができる。特に低圧(真空)下ではなく、大気圧(常圧)下でプラズマを生成させる方法が好ましい。価格的あるいは基材に対するダメージの少ないことも大気圧プラズマ処理、大気圧低温プラズマ処理が好ましく、特に大気圧低温プラズマ処理がより好ましい。大気圧プラズマ処理は、対抗する電極の間に被処理体である弾性層(A)を配置させ、その装置内で発生した大気圧プラズマにより、上記弾性層(A)表面を親水化処理する方法であって、プラズマ放電用ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン、クリンプトンなどの希ガスを挙げることができる。希ガスは単独あるいは複数を組み合わせて利用できる。希ガスの他に弾性層(A)の表面の親水性を高める場合には、反応性ガスを用いることができる。
反応性ガスとしては、酸素、水素、炭化水素、アンモニア、二酸化炭素、窒素、オゾン、水蒸気、霧状の水を含む空気等を挙げることができる。更に親水性を高める表面処理を行うためのガスとして上記以外の反応性ガスとして窒素元素含有化合物ガスあるいはSO2、SO3等の硫黄元素含有化合物ガスが利用できる。これらの中から選択される一種以上を、希ガスとの混合ガス雰囲気下で大気圧低温プラズマによる処理を行う方法である。中でも特に、希ガスに窒素あるいはアンモニアを含む混合ガスの雰囲気下での大気圧低温プラズマ処理が、弾性層(A)表面にアミノ基を付与することができより好ましい。
希ガスと反応性ガスとの混合比(体積比)としては、50/50〜99.999/0.001好ましくは70/30〜99.99/0.01更に好ましくは90/10〜99.9/0.1である。希ガスの比率が50未満ではプラズマの発生が不十分、希ガスの比率が99.999を超えると親水性表面を得ることが不十分となる場合がる。
化学的に結合させる方法として上述した(i)、(ii)はそれぞれ単独であってもよいが、(i)及び(ii)を併用することが、弾性層(A)と塗膜層(B)とをより強固に接着することができ好ましい。
弾性層(A)を構成する高分子基材の中、特にゴムは、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーに比してその伸縮性に富むために塗膜層(B)との接着性が困難とされる。したがって、ゴムを弾性層(A)に用いる場合には、次の方法が好ましい。弾性層(A)は、ゴムからなるゴム組成物(a)とゴム組成物(a)に有機化合物(F)を添加してなるゴム組成物(aa)のいずれか一方のみからなる単層構造であってもよいが、ゴム組成物(aa)を外層、ゴム組成物(a)を内層とする積層構造がより好ましい。積層構造の場合、内層と外層との厚さの比については特に制限はないが、好ましくは内層/外層の厚さの比が50/50〜99/1、より好ましくは60/40〜95/5である。ゴム組成物(aa)が、塗膜層(B)との界面における接着剤的な機能を発揮するためにこの範囲にあることが好ましい。ゴム組成物(aa)は接着的な機能、弾性層(A)としての機能はゴム組成物(a)が担う構成が好ましい。
本発明のゴム組成物(a)の製造方法については、特に制限はない。該ゴム組成物(a)を構成する各成分の所定量を計量し、混練機として、密閉式ミキサー(バンバリーミキサー、インテンシブミキサー、プラストミル、ニーダーなど)、オープンミキサー(二軸押出し機、オープンロールなど)等を用いて、一般的な混練加工条件下で混練りすることによりゴム配合物を得る。次いで当該ゴム配合物に架橋剤(C)を添加し、さらに混練してゴム組成物(a)を得る。ゴム組成物(aa)は、ゴム組成物(a)にさらに有機化合物(F)を添加・混練りすることによって得る。なお、機能性付与物質(D)については、その機能を阻害しない場合には、ゴム組成物(a)を製造する工程で添加してもよい。
本発明の積層体を構成する弾性層(A)は、先述したようにゴム組成物(a)、ゴム組成物(aa)のいずれか一方のみからなる単層構造の弾性層(A)としてもよいし、ゴム組成物(a)とゴム組成物(aa)の積層構造からなる弾性層(A)としてもよい。
弾性層(A)は、プレス架橋、オーブン架橋、UHF架橋、UV架橋、HAV架橋、電子線架橋、室温架橋等の架橋方法によって所望の形状に架橋することにより架橋された弾性層(A)を得ることができる。
上記方法によって得られた弾性層(A)は、そのまま用いてもよい。また、弾性層(A)の表面を脱脂処理、粗面化処理、プライマー処理、プラズマ処理、コロナ放電処理から選択される少なくとも1種の処理を行ったほうがより好ましい。さらにこれらの処理を2種以上併用したほうがより好ましい。例えば、粗面化処理とプライマー処理の2種併用、プライマー処理とプラズマ処理の2種併用、粗面化処理とプライマー処理とプラズマ処理の3種併用等が推奨される。
一方、本発明の積層体を構成する塗膜層(B)の製造方法について、熱硬化性樹脂(b)を構成する主剤(b1)と硬化剤(b2)において、主剤(b1)あるいは硬化剤(b2)のいずれか一方特に主剤(b1)に機能性付与物質(D)を含有させる。含有させる方法としては、プラネタリーミキサーを用いて主剤(b1)と機能性付与物質(D)とを攪拌混合する。次いでこの混合物と硬化剤(b2)とを混合する。混合して得られる熱硬化性樹脂(b)がその特性を十分に発揮するために、混合物及び硬化剤(b2)に気泡を含まないことが重要である。したがって、両者を混合する前段階で、脱泡・脱気する。方法については特に制限はない。例えば、特開2009−148693に記載されている液体塗料の脱泡方法および液体塗料の脱泡装置を挙げることができる。脱泡装置としては、例えば株式会社シンキー社製の自転/公転ミキサー「あわとり練太郎(大気圧タイプ) AR−100、ARE−310、ARE−400TWIN」、クラボウ社製「マゼルスター(大気圧タイプ)KK−250WS、KK−400W」等を挙げることができる。
本発明の塗膜層(B)は、室温下で硬化可能であるが、硬化速度を上げるには、加熱環境下においてもよい。例えば30℃〜200℃、好ましくは50℃〜100℃である。
本発明の弾性層(A)と塗膜層(B)からなる積層体の製造方法としては、上記した方法によって得られた弾性層(A)の表面に対し、塗料を塗布・硬化させ塗膜層(B)を形成して本発明の積層体を得る。
本発明の積層体の製造方法としては、弾性層(A)が単層構造の場合は、(1)弾性層(A)を構成するゴム組成物(a)あるいはゴム組成物(aa)を架橋後に塗膜層(B)を形成、(2)ゴム組成物(a)あるいはゴム組成物(aa)が未架橋状態で塗膜層(B)を形成後に架橋、また、弾性層(A)が、積層構造を有する場合には、(3)ゴム組成物(a)とゴム組成物(aa)を積層し両者を同時に架橋した後に塗膜層(B)を形成、(4)ゴム組成物(a)を架橋した後にゴム組成物(aa)を積層して架橋の後に塗膜層(B)を形成、(5)両者未架橋状態のまま積層して塗膜層(B)を形成後に架橋する方法を挙げることができる。なお、弾性層(A)と塗膜層(B)がより強固に接着するには、弾性層(A)の表面を前述の各種処理を行った後に塗膜層(B)を形成する。
塗膜層(B)の塗装方法としては、特に制限はなく、エアスプレー、エアレススプレー、静電スプレー、シャワーコート、ディップ塗装、ハケ塗装、ロール塗装等を挙げることができる。これらは単独あるいは2種以上を併用することができる。また、これらは、硬化速度に応じた方法を用いることが好ましい。
特に長尺物のシート、ベルト、チューブ、ホースなどの場合は、連続生産される場合があり、スプレー方式が効率的で好ましい。例えば、図4に示した各製造工程を部分的あるいは全体を連続的に行う場合にはスプレー方式が好ましい。
このようにして得られた本発明の積層体において、弾性層(A)と塗膜層(B)の厚さの比としては、特に制限はないが、好ましくは50/50〜99.9/0.1、より好ましくは60/40〜99/1である。弾性層(A)が50未満では柔軟性が不足し、一方99.9を超えると強度が不足し好ましくない。また、本発明の積層体を構成する弾性層(A)と塗膜層(B)とのモジュラス(引張応力と記す場合がある)の比[弾性層(A)/塗膜層(B)]が、1/1000〜1/10であることが好ましい。この範囲内であれば、本積層体をホースあるいはチューブとして用いた場合に、金具等によるカシメを使用することなしに利用可能となり、軽量化にもつながる。この範囲を超えるとカシメの機能の低下または剛直化に伴う取付け作業性に劣り好ましくない。
弾性層(A)の表面を塗膜層(B)で覆う場合、弾性層(A)の一部あるいは全部のいずれを覆ってもよい。求める用途によって適宜選択すればよい。図1及び図2は、弾性層(A)の表面全部を覆った例、図3は、表面の一部を覆った例を示したものである。特に図3については、チューブ形状の弾性層(A)の周方向に部分的に塗膜層(B)を形成したものであり、ゴム人工筋肉を想定したものであって、従来、の金属リングに相当する役割を塗膜層(B)で置換できる機能を有する。
本発明の積層体の用途としては、自動車部品、工業用部品、建設用部品、医療用部品、OA機器用部品。例えば、シート、ホース、チューブ、ベルト、各種ロール、Oーリング、各種シール部品、ルーフィングなどの建築用部品、電線ケーブル、履物、AV機器、OA機器等の電気機器部品、放射線遮蔽部品、パソコン、タブレット、スマートホン用放熱シート。
さらに、上記以外の用途としては、空気圧ゴム人工筋肉及び各種ロボットへ好適に用いることができる。
現在、空気圧ゴム人工筋肉に用いられるゴムは、強度が不十分で繊維等をブレンドあるいは積層している。また、伸縮動作をさせるために金属製リングが用いられているが、この金属製リングは、伸縮動作に伴う位置ズレによって、ロボットに動作機能に支障を来す恐れがある。本発明の積層体は、この危惧が解消されること、また、補強のための繊維のブレンドあるいは積層という煩雑な工程を省略できることから空気圧人工筋肉本体及びこれを用いたロボット、医療用ロボット、産業用ロボット、介護用ロボットに適用が可能である。
さらに、上記以外の積層体の用途としては、貯水槽・プールの壁面・底面用シートであって、特にプールの飛び込み時に底面への衝突に伴う頭部・顔面の打撲といった危険性回避のための緩衝機能を有する発泡性ゴム・発泡性熱可塑性エラストマー等の発泡体に塗装してなるシートであって、当該シートを用いたプール用壁面シート、底面シートに好適である。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。なお、本発明で用いた弾性層(A)の詳細を表1に、塗膜層(B)の詳細を表2に示した。また、評価結果については、表3に示した。
各測定は以下の方法で行った。
(イ)引張試験;JIS K6251に準拠し3号ダンベル試験片を用いて引張試験を行った。
弾性層(A)、塗膜層(B)各々について100%モジュラス、引張強度及び伸びを測定。結果は、弾性層(A)の100%モジュラス、引張強度及び伸びを各々100として塗膜層(B)の100%モジュラス、引張強度及び伸びを相対比較しその相対値で示した。
(ロ)剥離試験;JIS K6256に準拠し、塗膜層(B)と弾性層(A)との180度剥離試験による評価。
積層体を用いて短冊状の試験片(長さ100mm、幅10mm、厚さ2.5mm)を作製、標線間距離50mmにセットして、50mm/分の引張速度で引張試験を実施、100%伸び、300%伸びを与えた時点で各々試験片を取外し、この試験片を用いて180度剥離試験を行った。剥離しないものを◎、剥離するものを×で表記した。


<参考例1>
表1に示したとおり、ゴムとして、JSR社製のNBRのN230S、機能性付与物質(D)として、東海カーボン社製のカーボンブラックのシーストS、その他は表1に示す配合内容で3L加圧ニーダーを用いて混練してゴム配合物を作製した。次いで、6インチ型2本ロール機を用いて、該ゴム配合物を巻き付けて架橋剤(C)として鶴見化学工業社製の粉末硫黄のサルファックス200を、更に表1に示す架橋促進剤を添加、混練して未架橋配合物であるゴム組成物(a)を得た。該ゴム組成物(a)を2分割した後、一方に、新たに、有機化合物(F)として三新化学工業社製のヘキサメチレンジアミンカルバメートのサンフェル6−MCを添加してゴム組成物(aa)を作製した。次にゴム組成物(a)の2.5×150×150mmの未架橋シート(1)、ゴム組成物(aa)の0.5×150×150mmの未架橋シート(2)を得た。未架橋シート(1)を2×150×150mmの金型に挿入してプレス架橋(170℃、15分)して架橋シートを作製した。次いで、未架橋シート(2)を架橋シート上に重ねた後、大気圧プラズマ発生装置内に入れ、ヘリウムガス/窒素ガスの混合ガス比(体積比)=90/10の混合ガスを導入し表面をプラズマ処理して弾性層(A)を得た。
<参考例2>
表1に示したとおり、ゴムとして、JSR社製のNBRのN220Sを用いた他は表1に示す配合内容で参考例1に準拠して、ゴム組成物(a)、ゴム組成物(aa)を作製した。次いでゴム組成物(a)の2×150×150mmの未架橋シート(1)、ゴム組成物(aa)の0.5×150×150mmの未架橋シート(2)を得た。未架橋シート(1)の上に未架橋シート(2)を重ねて2×150×150mmの金型に挿入してプレス架橋(170℃、15分)して弾性層(A)を得た。
<参考例3>
表1に示したとおり、ゴムとして、JSR社製のEPDMのEP21、機能性付与物質(D)として東ソーシリカ社製の非晶質シリカのニップシールLPカップリング剤(E)としてモメンティブ社製のシランカップリング剤のTSL8370を用いた他は表1に示す配合内容で参考例1に準拠してゴム組成物(a)、ゴム組成物(aa)を作製した。次いでゴム組成物(a)の2×150×150mmの未架橋シート(1)、ゴム組成物(aa)の0.5×150×150mmの未架橋シート(2)を得た。未架橋シート(1)の上に未架橋シート(2)を重ねて2×150×150mmの金型に挿入してプレス架橋(170℃、15分)して架橋シートを作製した。次いで、当該架橋シートを大気圧プラズマ発生装置内に入れ、ヘリウムガス/アンモニアガスの混合ガス比(体積比)=99/1の混合ガスを導入し、架橋シート表面をプラズマ処理して弾性層(A)を得た。
<参考例4>
表1に示したとおり、ゴムとして、三井化学社製のEPDMの三井3042EHを用い、機能性付与物質(D)として堺化学工業社製の沈降性硫酸バリウムの#100、カップリング剤(E)として味の素ファインテクノ社製のチタネート系カップリング剤のプレンアクトTTS、その他は表1に示す配合内容で3L加圧ニーダーを用いて混練してゴム配合物を作製した。次いで、6インチ型2本ロール機を用いて、該ゴム配合物を巻き付けて、架橋剤(C)として化薬アクゾ社製の有機過酸化物架橋剤のパーカドックス#14/40を、更に表1に示す架橋促進剤を添加混練して未架橋配合物であるゴム組成物(a)を得た。該ゴム組成物(a)を2分割した後、一方に、新たに、有機化合物(F)として三新化学工業社製のヘキサメチレンジアミンカルバメートのサンフェル6−MCを添加してゴム組成物(aa)を作製した。次いでゴム組成物(a)の2×150×150mmの未架橋シート(1)、ゴム組成物(aa)の0.5×150×150mmの未架橋シート(2)を得た。未架橋シート(1)の上に未架橋シート(2)を重ねて2×150×150mmの金型に挿入してプレス架橋(170℃、15分)して架橋シートを作製した。次いで当該架橋シートを大気圧プラズマ発生装置内に入れ、ヘリウムガス/窒素ガスの混合ガス比(体積比)=99/1の混合ガスを導入し、架橋シート表面をプラズマ処理して弾性層(A)を得た。
<参考例5>
表1に示したとおり、参考例4と同様のゴム組成物(a)を得た。このゴム組成物(a)を用いて2.5×150×150mmの未架橋シート(1)を得た。当該未架橋シート(1)を2×150×150mmの金型に挿入してプレス架橋(170℃、15分)して架橋シートを作製した。当該架橋シートの表面をプライマー(ポリウレアのメチルアセテート溶液)処理して弾性層(A)を得た。
<参考例6>
表1に示したとおり、ゴムとして、JSR社製のNBRのN220S、機能性付与物質(D)として、バンダービルト社製のハードクレーのデキシークレーと、白石工業社製の軽質炭酸カルシウムのシルバーW、東海カーボン社製のカーボンブラックのシーストSを用いた他は表1の配合内容で参考例1に準拠してゴム配合物を作製した。次いで、6インチ型2本ロール機を用いて、該ゴム配合物を巻き付けて、架橋剤(C)として鶴見化学工業社製の粉末硫黄のサルファックス200を、更に表1に示す架橋促進剤を添加混練して未架橋配合物であるゴム組成物(a)を得た。次いで、ゴム組成物(a)を2分割して、一方に、新たに、有機化合物(F)として、東レ社製のヘキサメチレンジアミンのHMDAを添加してゴム組成物(aa)を作製した。また他方のゴム組成物(a)には表1に示した発泡剤及び発泡助剤を添加して発泡用ゴム配合物を得た。これらについて、発泡用ゴム配合物の2.3×150×150mmの未架橋シート(1)、ゴム組成物(aa)の0.2×150×150mmの未架橋シート(2)を得た。未架橋シート(1)の上に未架橋シート(2)を重ねて2×150×150mmの金型に挿入してプレス架橋(170℃、15分)して発泡架橋シートを作製した。次いで、当該発泡架橋シートを大気圧プラズマ発生装置内に入れ、ヘリウムガス/窒素ガスの混合ガス比(体積比)=90/10の混合ガスを導入し、発泡架橋シート表面をプラズマ処理して弾性層(A)を得た。
<参考例7>
表1に示したとおり、ゴムとして、JSR社製のNBRのN230S、機能性付与物質(D)として東海カーボン社製のカーボンブラックのシーストSを用いた他は表1の配合内容で参考例1に準拠してゴム配合物を作製した。次いで、6インチ型2本ロール機を用いて、該ゴム配合物を巻き付けて架橋剤(C)として鶴見化学工業社製の粉末硫黄のサルファックス200を、更に表1に示す架橋促進剤を添加混練して未架橋配合物であるゴム組成物(a)を得た。このゴム組成物(a)を用いて2.5×150×150mmの未架橋シート(1)を得た。当該シートを2×150×150mmの金型に挿入してプレス架橋(170℃、15分)して架橋シートを作製した。当該架橋シート表面をブラスト処理(#100酸化アルミナ砥粒、圧力6kg/cm2、10分間)して、その後表面を洗浄したものを大気圧プラズマ発生装置内に入れ、ヘリウムガス/アンモニアガスの混合ガス比(体積比)=99/1の混合ガスを導入しプラズマ処理して弾性層(A)を得た。
<参考例8>
表1に示したとおり、参考例4と同様のゴム組成物(a)を得た。このゴム組成物(a)を用いて2.5×150×150mmの未架橋シート(1)を得た。次いで、ゴム組成物(a)を2分割して、一方に、新たに、有機化合物(F)として、NUKOTE COATING SYSTEMS社製の硬化剤(b2)であるポリウレアBG(SideB)を添加してゴム組成物(aa)を作製した。これらについて、ゴム組成物(a)の2×150×150mmの未架橋シート(1)、ゴム組成物(aa)の0.5×150×150mmの未架橋シート(2)を得た。未架橋シート(1)の上に未架橋シート(2)を重ねて2×150×150mmの金型に挿入してプレス架橋(170℃、15分)して架橋シートを作製した。当該シート表面をブラスト処理(#100酸化アルミナ砥粒、圧力6kg/cm2、10分間)し、その後表面を洗浄した後、プライマー(ポリウレアのメチルアセテート溶液)処理して弾性層(A)を得た。
<参考例9>
表1に示したとおり、参考例8のブラスト処理をせずに、プライマー(ポリウレアのメチルアセテート溶液)処理のみ行って弾性層(A)を得た。
<参考例10>
表1に示したとおり、参考例2とゴム組成物(a)を用いて、チューブ押出機及びUHF架橋機によって内径20mm、外径24mmチューブ形状の架橋物を得た。次に、当該チューブの表面をプライマー(ポリウレアのメチルアセテート溶液)処理してチューブ形状の弾性層(A)を得た。また、引張試験用として、2×150×150mmの架橋シートを作製し、同様に表面をプライマー処理してシート形状の弾性層(A)を得た。
<参考例11>
表1に示したとおり、参考例2と同じゴム組成物(a)を用いて2×150×150mmの架橋シートを作製した。表面処理は実施しなかった。
「参考例A」
表2に示したとおり、主剤(b1)としてBayer社製のHD−100を50質量部、機能性付与物質(D)として三井金属鉱業社製の銀粉SPQ03Rを40質量部用い、株式会社シンキー製の自転/公転ミキサー「あわとり練太郎AR−100」(装置仕様:自転800rpm、公転2000rpm)を用いて攪拌分散させ脱気した分散液を得た。次いで新たに硬化剤(b2)としてUOP社製のクリアリンク1000を50質量部用い、同様にして撹拌機で攪拌して脱気した。このようにして得られた分散液と硬化剤(B)とを同様の装置を用いて混合し脱気し塗料を作製した。次いで当該塗料を用いて150×150×2.0mmの硬化したシートを作製した。
「参考例B」
表2に示したとおり、参考例Aの機能性付与物質(D)をライオン社製電子導電性物質 ケッチェンブラックEC600JDを5質量部に変更した他は参考例Aに準じて塗料及びシートを作製した。
「参考例C」
表2に示したとおり、参考例Aの機能性付与物質(D)を昭島化学工業株式会社製イオン伝導性物質 LiClO4 とCH3OCH2CH2OCH2CH2OHの錯体 MP−100−Aを2質量部に変更した他は参考例Aに準じて塗料及びシートを作製した。
「参考例D」
表2に示したとおり、主剤(b1)としてNUKOTE COATING SYSTEMS社製のポリウレアHT(SideA)52.1質量部を用い、硬化剤(b2)としてNUKOTE COATING SYSTEMS社製のポリウレアHT(SideB)47.9質量部を用い、それぞれ別個に同装置を用いて脱気した。次いで両者を再び同装置に入れて攪拌分散させ脱気して塗料及びシートを作製した。
「参考例E」
表2に示したとおり主剤(b1)としてNUKOTE COATING SYSTEMS社製ポリウレアBG(SideA)80.7質量部、機能性付与物質(D)として、窒化アルミニウム500質量部を用い参考例Aに準じて分散液を得た。次いで新たに硬化剤(b2)としてNUKOTE COATING SYSTEMS社製のポリウレアBG(SideB)19.3質量部を用い同様にして撹拌機で攪拌して脱気した。このようにして得られた分散液と硬化剤(b2)とを同様の装置を用いて混合し脱気して塗料及びシートを作製した。
「参考例F」
表2に示したとおり参考例Eの機能性付与物質(D)を軟磁性粉末500質量部に変更した他は参考例Eに準じて塗料及びシートを作製した。
(実施例1)
次いで参考例1で得られた弾性層(A)の表面に、参考例Aで得られた塗料を室温下、0.5mm厚さで塗布して硬化した積層体を得た。室温で22時間放冷後に積層体の剥離試験を行なった。また、参考例1、参考例Aで得られた弾性層(A)、塗膜層(B)各々のシートについて100%モジュラス、引張強度、伸びを測定した。これらの結果を表3に示した。また得られた積層体の概略図を図1に示した。
(実施例2)
参考例1で得られた弾性層(A)の表面に参考例Bで得られた塗料を室温下、0.5mm厚さで塗布して硬化した積層体を得た。室温で22時間放冷後に積層体の剥離試験を行なった。また、参考例1、参考例Bで得られた弾性層(A)、塗膜層(B)各々のシートについて100%モジュラス、引張強度、伸びを測定した。これらの結果を表3に示した。また得られた積層体の概略図を図1に示した。
(実施例3)
参考例2で得られた弾性層(A)の表面に参考例Cで得られた塗料を室温下、0.5mm厚さで塗布して硬化した積層体を得た。室温で22時間放冷後に積層体の剥離試験を行なった。また、参考例2、参考例Cで得られた弾性層(A)、塗膜層(B)各々のシートについて100%モジュラス、引張強度、伸びを測定した。これらの結果を表3に示した。また得られた積層体の概略図を図1に示した。
(実施例4)
参考例3で得られた弾性層(A)の表面に参考例Dで得られた塗料を室温下、0.5mm厚さで塗布して硬化した積層体を得た。室温で22時間放冷後に積層体の剥離試験を行なった。また、参考例3、参考例Dで得られた弾性層(A)、塗膜層(B)各々のシートについて100%モジュラス、引張強度、伸びを測定した。これらの結果を表3に示した。また得られた積層体の概略図を図1に示した。
(実施例5)
参考例4で得られた弾性層(A)の表面に参考例Dで得られた塗料を室温下、0.5mm厚さで塗布して硬化した積層体を得た。室温で22時間放冷後に積層体の剥離試験を行なった。また、参考例4、参考例Dで得られた弾性層(A)、塗膜層(B)各々のシートについて100%モジュラス、引張強度、伸びを測定した。これらの結果を表3に示した。また得られた積層体の概略図を図1に示した。
(実施例6)
参考例5で得られた弾性層(A)の表面に参考例Dで得られた塗料を室温下、0.5mm厚さで塗布して硬化した積層体を得た。室温で22時間放冷後に積層体の剥離試験を行なった。また、参考例5、参考例Dで得られた弾性層(A)、塗膜層(B)各々のシートについて100%モジュラス、引張強度、伸びを測定した。これらの結果を表3に示した。また得られた積層体の概略図を図1に示した。
(実施例7)
参考例6で得られた弾性層(A)の表面に参考例Eで得られた塗料を室温下、0.5mm厚さで塗布して硬化した積層体を得た。室温で22時間放冷後に積層体の剥離試験を行なった。また、参考例6、参考例Eで得られた弾性層(A)、塗膜層(B)各々のシートについて100%モジュラス、引張強度、伸びを測定した。これらの結果を表3に示した。また得られた積層体の概略図を図2に示した。
(実施例8)
参考例7で得られた弾性層(A)の表面に参考例Fで得られた塗料を室温下、0.5mm厚さで塗布して硬化した積層体を得た。室温で22時間放冷後に剥離試験を行なった。また、参考例7、参考例Fで得られた弾性層(A)、塗膜層(B)各々のシートについて100%モジュラス、引張強度、伸びを測定した。これらの結果を表3に示した。また得られた積層体の概略図を図1に示した。
(実施例9)
参考例8で得られた弾性層(A)の表面に参考例Dで得られた塗料を室温下、0.5mm厚さで塗布して硬化した積層体を得た。室温で22時間放冷後に積層体の剥離試験を行なった。また、参考例8、参考例Dで得られた弾性層(A)、塗膜層(B)各々のシートについて100%モジュラス、引張強度、伸びを測定した。これらの結果を表3に示した。また得られた積層体の概略図を図1に示した。
(実施例10)
参考例9で得られた弾性層(A)の表面に参考例Dで得られた塗料を室温下、0.5mm厚さで塗布して硬化した積層体を得た。次に積層体をギヤー式オーブン(150℃設定)に入れて未架橋シート(2)部分を30分間架橋した後、取り出して室温で22時間放冷後に積層体の剥離試験を行なった。また、参考例9、参考例Dで得られた弾性層(A)、塗膜層(B)各々のシートについて100%モジュラス、引張強度、伸びを測定した。これらの結果を表3に示した。また得られた積層体の概略図を図1に示した。
(実施例11)
参考例10で得られたチューブ状の弾性層(A)の表面に参考例Bで得られた塗料を室温下、0.5mm厚さで塗布した。塗膜が十分硬化した後、当該チューブの積層体をギヤー式オーブン(150℃設定)に入れて30分間架橋した後、取り出して室温で22時間放冷後に積層体の剥離試験を行なった。また、参考例10、参考例Bで得られた弾性層(A)、塗膜層(B)各々のシートについて100%モジュラス、引張強度、伸びを測定した。これらの結果を表3に示した。また得られた積層体の概略図を図3に示した。
(比較例1)
参考例11で得られたゴム組成物(a)の架橋シートの表面に参考例Dで得られた塗料を室温下、0.5mm厚さで塗布した。塗膜が十分硬化した後、室温で22時間放冷後に積層体の剥離試験を行なった。結果を表3に示した。

Claims (21)

  1. 弾性層(A)と塗膜層(B)からなる積層体において、次の(i)、(ii)の少なくともいずれか一方を満たす積層体。
    (i)弾性層(A)が、塗膜層(B)を構成する熱硬化性樹脂(b)の主剤(b1)又は硬化剤(b2)のいずれか一方のみと化学結合する有機化合物(F)を含有してなる弾性層(A)。
    (ii)弾性層(A)の表面を脱脂処理、粗面化処理、プライマー処理、プラズマ処理、コロナ放電処理の群から選択され少なくとも1種の処理を施してなる弾性層(A)。
  2. ゴム、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーの群から選択される少なくとも1種の高分子基材を含む弾性層(A)からなる請求項1に記載の積層体。
  3. ポリウレア樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレアウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂の群から選択される少なくとも1種の熱硬化性樹脂(b)を含む塗膜層(B)からなる請求項1〜請求項2の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
  4. 主剤(b1)がポリイソシアネ−ト、硬化剤(b2)がポリアミンであるポリウレア樹脂を含む塗膜層(B)からなる請求項1〜請求項3の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
  5. ゴム組成物(a)に有機化合物(F)として、主剤(b1)、硬化剤(b2)のいずれか一方のみを含有してなるゴム組成物(aa)を含む弾性層(A)からなる請求項1〜請求項4の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
  6. ゴム組成物(a)、ゴム組成物(aa)のいずれか一方のみを含む単層構造の弾性層(A)からなる請求項1〜請求項5の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
  7. ゴム組成物(a)を内層、ゴム組成物(aa)を外層とする積層構造の弾性層(A)からなり、内層と外層との厚さの比が、60/40〜95/5である請求項1〜請求項6の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
  8. 架橋剤(C)で架橋してなる弾性層(A)からなる請求項1〜請求項7の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
  9. 真空プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、大気圧低温プラズマ処理から選択される少なくとも1種のプラズマ処理を施してなる弾性層(A)からなる請求項1〜請求項8の少なくとも1項に記載の積層体。
  10. プラズマ放電用ガスが、希ガスあるいは希ガスと反応性ガスとの混合ガスであって、希ガスが、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン、クリンプトンの群から選択される少なくとも1種であり、反応性ガスが、酸素、水素、炭化水素、アンモニア、二酸化炭素、窒素の群から選択される少なくとも1種、特に窒素あるいはアンモニアであって、当該希ガス雰囲気下あるいは当該希ガス/反応性ガスの混合ガス雰囲気下で大気圧低温プラズマ処理を施してなる弾性層(A)からなる請求項1〜請求項9の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
  11. 希ガス/反応性ガス比が90/10〜99.9/0.1の混合ガス雰囲気下で大気圧低温プラズマ処理を施してなる請求項1〜請求項10の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
  12. 脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミンから選択される少なくとも1種のポリアミンからなる硬化剤(b2)を含む塗膜層(B)からなる請求項1〜請求項11の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
  13. 弾性層(A)、塗膜層(B)の少なくとも一方に機能性付与物質(D)を含有してなる請求項1〜請求項12の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
  14. 機能性付与物質(D)の表面をシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤の群から選択される少なくとも1種のカップリング剤(E)で処理してなる請求項1〜請求項13の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
  15. 弾性層(A)の表面の一部あるいは全部を塗膜層(B)で被覆してなる請求項1〜請求項14の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
  16. エアスプレー工法、エアレススプレー工法、静電スプレー工法、シャワーコート工法、ディップ塗装工法、ハケ塗装工法、ロール塗装工法から選択される少なくとも1種の塗布工法によって塗膜層(B)を形成してなる請求項1〜請求項15の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
  17. 弾性層(A)と塗膜層(B)の厚さの比が、60/40〜99/1である請求項1〜請求項16の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
  18. 弾性層(A)と塗膜層(B)のモジュラスの比が、1/1000〜1/10である請求項1〜請求項17の少なくともいずれか1項に記載の積層体。
  19. 請求項1〜請求項18の少なくともいずれか1項に記載の積層体を用いた自動車部品、工業用部品、建設用部品、医療用部品、OA機器用部品、シート、ホース、チューブ、ベルト、各種ロール、Oーリング、各種シール部品、ルーフィングなどの建築用部品、電線ケーブル、履物、AV機器、OA機器等の電気機器部品、放射線遮蔽部品、パソコン、タブレット、スマートホン用放熱シート。
  20. 請求項1〜請求項18の少なくともいずれか1項に記載の積層体を用いた空気圧ゴム人工筋肉、該人工筋肉これを用いたロボット、医療用ロボット、産業用ロボット、介護用ロボット。
  21. 請求項1〜請求項18の少なくともいずれか1項に記載の積層体を用いたプール用壁面シート、底面シート。
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