JP7484179B2 - 積層体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、異種の樹脂部材を接着剤を介さずに接合した積層体およびその製造方法に関する。
異種の樹脂部材の接合技術としては、例えば、接着剤による接合や、溶着法等が知られている。
しかしながら、接着剤による接合では、接着剤成分が徐々に溶出または揮発する場合があり、特に、安全性やクリーン性が重視される医療用分野においては、接着剤による汚染が問題となる。また、長期使用により接着剤自体が劣化することもあり、特に屋外等で使用される用途においては、耐候性が問題となる。また、接着剤として溶剤系接着剤を用いた場合には、溶剤が残留してしまうという問題がある。さらに、樹脂の種類によっては接着剤により接着できない場合もある。
また、溶着法では、局所的な加熱により樹脂が劣化することが懸念される。また、溶着法は、比較的低温で溶着可能な樹脂に適している方法であり、使用する樹脂が限られる。
ところで、近年、電子線照射による樹脂の接合技術が提案されている(例えば、特許文献1~2)。
特開2012-135980号公報 特開2012-232446号公報
しかしながら、本発明者が検討したところ、電子線照射による異種の樹脂部材の接合では、接着強度が弱く実用に耐えない場合があることが判明した。
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、接着剤を介することなく、異種の樹脂部材が強固に接合した積層体およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者が鋭意検討した結果、異種の樹脂部材のうち、一方の樹脂部材の表面にプラズマ処理を施し、さらに電子線を照射した後に所定の時間を置き、他方の樹脂部材の表面に電子線を照射し、その後、2つの樹脂部材を熱圧着することにより、異種の樹脂部材を強固に接合できることを見出した。さらに、上記方法により異種の樹脂部材を接合した場合には、異種の樹脂部材の界面において、各樹脂部材の成分の相溶性が高くなり、各樹脂部材の成分が混合した領域が形成され、かつ、各樹脂部材の成分が反応して共有結合等の化学結合が形成されることを見出した。本開示は、上記知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本開示の一実施形態は、互いに異なる樹脂を含有する第1樹脂部材と第2樹脂部材とが接合された積層体であって、上記第1樹脂部材と上記第2樹脂部材との界面に、上記第1樹脂部材に含有される上記樹脂と上記第2樹脂部材に含有される上記樹脂とが混合した接合部を有し、上記接合部は、赤外分光法により測定されるスペクトルにおいて、上記第1樹脂部材および上記第2樹脂部材のいずれにも由来しないピークを有する、積層体を提供する。
本開示の他の実施形態は、互いに異なる樹脂を含有する第1樹脂部材と第2樹脂部材とを接合する積層体の製造方法であって、上記第1樹脂部材の一方の面にプラズマ処理を施し、さらに電子線を照射した後、所定の時間を置く第1工程と、上記第2樹脂部材の一方の面に電子線を照射する第2工程と、上記第1樹脂部材の上記プラズマ処理が施され、上記電子線が照射された面と、上記第2樹脂部材の上記電子線が照射された面とを対向させ、上記第1樹脂部材および上記第2樹脂部材を熱圧着する第3工程と、を有する、積層体の製造方法を提供する。
本開示は、接着剤を介することなく、異種の樹脂部材が強固に接合した積層体およびその製造方法を提供することができるという効果を奏する。
本開示の積層体を例示する概略断面図である。 本開示の積層体の製造方法を例示する工程図である。 本開示の積層体を例示する概略断面図である。 プラズマ処理装置を例示する模式図である。 実施例および比較例の積層体のSTEM像である。 実施例1の積層体の光学顕微鏡像、AFM像およびIRスペクトルである。 比較例1の積層体の光学顕微鏡像、AFM像およびIRスペクトルである。 実施例1の積層体のAFM像およびIRスペクトルである。 比較例1の積層体のAFM像およびIRスペクトルである。 実施例1および比較例1の積層体のIRスペクトルにおけるピークの強度または強度比のプロファイルを示すグラフである。 実施例1の積層体のSTEM-EDX分析結果である。
本発明者は、異種の樹脂部材の接合について鋭意検討し、まず、電子線照射による接合、すなわち、異種の樹脂部材の表面にそれぞれ電子線を照射した後、2つの樹脂部材を熱圧着することにより、異種の樹脂部材を接合することを試みた。しかしながら、この方法では、樹脂の組み合わせ等によっては、異種の樹脂部材の接着強度が弱い場合があることが判明した。ここで、樹脂部材の表面処理技術としては、電子線照射の他に、プラズマ処理も知られている。そこで、本発明者は、次に、電子線照射およびプラズマ処理の組み合わせによる接合として、異種の樹脂部材のうち、一方の樹脂部材の表面にプラズマ処理を施し、他方の樹脂部材の表面に電子線を照射した後、2つの樹脂部材を熱圧着することを試みた。この方法では、異種の樹脂部材の接着強度が高くなることを見出した。しかし、さらに検討した結果、プラズマ処理強度を強くするほど、異種の樹脂部材の接着強度が高くなる傾向があるが、プラズマ処理強度を強くすると、プラズマの照射ムラが生じてしまい、その結果、接着ムラが発生してしまう場合があり、かえって異種の樹脂部材の接着強度が低下する場合があることを見出した。そして、電子線照射およびプラズマ処理の組み合わせによる接合として、異種の樹脂部材のうち、一方の樹脂部材の表面にプラズマ処理を施し、さらに電子線を照射した後に所定の時間を置き、他方の樹脂部材の表面に電子線を照射し、その後、2つの樹脂部材を熱圧着することにより、プラズマ処理による接着ムラの発生を抑制しつつ、異種の樹脂部材を強固に接合することができることを見出した。
また、電子線照射やプラズマ処理によって、2つの樹脂部材の表面にラジカルを生成させることで、2つの樹脂部材にそれぞれ含まれる樹脂の間で化学結合、特に共有結合が形成されると推量されるが、異種の樹脂部材のうち、一方の樹脂部材の表面にプラズマ処理を施し、他方の樹脂部材の表面に電子線を照射した後、2つの樹脂部材を熱圧着する方法では、2つの樹脂部材にそれぞれ含まれる樹脂の間で化学結合、特に共有結合が形成されない場合があるのに対して、一方の樹脂部材の表面にプラズマ処理を施し、さらに電子線を照射した後に所定の時間を置き、他方の樹脂部材の表面に電子線を照射し、その後、2つの樹脂部材を熱圧着する方法では、2つの樹脂部材にそれぞれ含まれる樹脂の間で化学結合、特に共有結合が形成されることを見出した。
なお、異種の樹脂部材のうち、一方の樹脂部材の表面にプラズマ処理を施し、他方の樹脂部材の表面に電子線を照射した後、2つの樹脂部材を熱圧着する方法において、2つの樹脂部材にそれぞれ含まれる樹脂の間で化学結合、特に共有結合が形成されない場合があるのは、プラズマ処理では生成するラジカルの寿命が短い傾向があるためと推量される。
また、異種の樹脂部材のうち、一方の樹脂部材の表面にプラズマ処理を施し、さらに電子線を照射した後に所定の時間を置き、他方の樹脂部材の表面に電子線を照射し、その後、2つの樹脂部材を熱圧着する方法の場合に、異種の樹脂部材を強固に接合することができる理由は明らかではないが、一方の樹脂部材へのプラズマ処理によって、異種の樹脂部材の界面において、2つの樹脂部材にそれぞれ含有される樹脂の相溶性が高くなることが、接着に寄与していると考えられる。具体的には、一方の樹脂部材へのプラズマ処理によって、樹脂部材の表面の化学的性質や物理的性質が変化することで、例えば、樹脂部材の表面において、結合が切断される、官能基が導入される、または、微細な凹凸が形成されることで、異種の樹脂部材の界面において、2つの樹脂部材にそれぞれ含有される樹脂の相溶性が高くなると推量される。そして、異種の樹脂部材の界面において、2つの樹脂部材にそれぞれ含有される樹脂の相溶性が高くなることにより、2つの樹脂部材にそれぞれ含有される樹脂が相互に拡散しやすく、2つの樹脂部材にそれぞれ含有される樹脂が混合した領域が形成されやすくなると推量される。
本開示は、これらの知見に基づいて完成されたものである。
以下、本開示の積層体およびその製造方法について説明する。但し、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の態様の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実施の態様に比べ、各部材の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
本明細書において、ある部材の上に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」または「下に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。
また、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「シート」は、フィルムや板とも呼ばれるような部材も含む意味で用いられる。
A.積層体
本開示の積層体は、互いに異なる樹脂を含有する第1樹脂部材と第2樹脂部材とが接合された積層体であって、上記第1樹脂部材と上記第2樹脂部材との界面に、上記第1樹脂部材に含有される上記樹脂と上記第2樹脂部材に含有される上記樹脂とが混合した接合部を有し、上記接合部は、赤外分光法により測定されるスペクトルにおいて、上記第1樹脂部材および上記第2樹脂部材のいずれにも由来しないピークを有する、積層体である。
本開示の積層体について図面を参照して説明する。図1は、本開示の積層体の一例を示す概略断面図である。本開示の積層体1は、図1に例示するように、互いに異なる樹脂を含有する第1樹脂部材2と第2樹脂部材3とが接合されたものであり、第1樹脂部材2と第2樹脂部材3との界面に、第1樹脂部材2に含有される樹脂と第2樹脂部材3に含有される樹脂とが混合した接合部4を有する。また、接合部4は、図示しないが、赤外分光法により測定されるスペクトルにおいて、第1樹脂部材2および第2樹脂部材3のいずれにも由来しないピークを有する。
本開示においては、互いに異なる樹脂を含有する第1樹脂部材と第2樹脂部材とが直接接合されている。ここで、一般に、異種の樹脂部材の接合は困難である。これは、異種の樹脂部材にそれぞれ含まれる樹脂の相溶性が低いためである。異種の樹脂部材のそれぞれに含まれる樹脂の相溶性が悪いと、2つの樹脂部材の界面において、2つの樹脂部材のそれぞれに含まれる樹脂が混合しにくく、上記樹脂が混合した領域は形成されにくい。これに対し、本開示においては、第1樹脂部材および第2樹脂部材の界面に、第1樹脂部材に含有される樹脂と第2樹脂部材に含有される樹脂とが混合した接合部を有している。そのため、第1樹脂部材および第2樹脂部材の界面において、第1樹脂部材に含有される樹脂と第2樹脂部材に含有される樹脂とは相溶性が良いといえる。すなわち、第1樹脂部材に含有される樹脂と第2樹脂部材に含有される樹脂との相溶性が低いとしても、第1樹脂部材および第2樹脂部材の界面においては、第1樹脂部材に含有される樹脂と第2樹脂部材に含有される樹脂との相溶性が良くなっているといえる。
また、本開示においては、接合部は、赤外分光法により測定されるスペクトルにおいて、第1樹脂部材および第2樹脂部材のいずれにも由来しないピークを有する。これは、第1樹脂部材に含有される樹脂と第2樹脂部材に含有される樹脂との間で化学結合、特に共有結合が形成されていることを意味する。
ここで、一般に、接着には、例えば、相溶性、化学結合等が寄与しているとされている。
そのため、本開示においては、第1樹脂部材および第2樹脂部材の界面に、第1樹脂部材に含有される樹脂と第2樹脂部材に含有される樹脂とが混合した接合部を有すること、すなわち、第1樹脂部材および第2樹脂部材の界面において、第1樹脂部材に含有される樹脂と第2樹脂部材に含有される樹脂との相溶性が良いことによって、ならびに、接合部が、赤外分光法により測定されるスペクトルにおいて、第1樹脂部材および第2樹脂部材のいずれにも由来しないピークを有すること、すなわち、第1樹脂部材に含有される樹脂と第2樹脂部材に含有される樹脂との間で化学結合、特に共有結合が形成されていることによって、接着剤を介することなく、第1樹脂部材および第2樹脂部材を直接接合することができ、第1樹脂部材および第2樹脂部材の接着強度を向上させることができる。第1樹脂部材に含有される樹脂と第2樹脂部材に含有される樹脂との相溶性が低い場合であっても、第1樹脂部材および第2樹脂部材を強固に接合することができる。
図2(a)~(e)は、本開示の積層体の製造方法の一例を示す工程図である。まず、図2(a)に示すように、第1樹脂部材2の一方の面にプラズマ11を照射してプラズマ処理を施し、図2(b)に示すように、第1樹脂部材2の一方の面にさらに電子線12を照射した後、所定の時間を置く。また、図2(c)に示すように、第2樹脂部材3の一方の面に電子線13を照射する。次に、図2(d)に示すように、第1樹脂部材2のプラズマ処理が施され、電子線が照射された面と、第2樹脂部材3の電子線が照射された面とを対向させ、第1樹脂部材2および第2樹脂部材3を熱圧着する。これにより、互いに異なる樹脂を含有する第1樹脂部材2と第2樹脂部材3とが接合された積層体1であって、第1樹脂部材2と第2樹脂部材3との界面に、第1樹脂部材2に含有される樹脂と第2樹脂部材3に含有される樹脂とが混合した接合部4を有する積層体1が得られる。
本開示においては、第1樹脂部材の表面にプラズマ処理を施し、さらに電子線を照射した後に所定の時間を置き、第2樹脂部材の表面に電子線を照射することにより、第1樹脂部材および第2樹脂部材の表面にラジカルを生成させることができる。その結果、第1樹脂部材に含有される樹脂と第2樹脂部材に含有される樹脂との間で化学結合、例えば共有結合や水素結合を形成することができる。具体的には、第1樹脂部材および第2樹脂部材の表面にラジカルが生成し、第1樹脂部材および第2樹脂部材の表面に生成したラジカルが互いに結合して、共有結合が形成する、あるいは、生成したラジカルが雰囲気中の酸素と反応して、カルボニル基、カルボキシ基、水酸基等の官能基が生成し、これらの官能基が水素結合を形成すると考えられる。
なお、異種の樹脂部材の接合技術としては、熱溶着(ヒートシール)等の溶着法もあるが、溶着法では、異種の樹脂部材にそれぞれ含まれる樹脂の間で共有結合が形成されることはない。
また、電子線照射およびプラズマ処理の組み合わせによる異種の樹脂部材の接合として、異種の樹脂部材のうち、一方の樹脂部材の表面にプラズマ処理を施し、他方の樹脂部材の表面に電子線を照射した後、2つの樹脂部材を熱圧着する方法も考えられるが、本発明者が検討したところ、この方法では、2つの樹脂部材にそれぞれ含まれる樹脂の間で化学結合、特に共有結合が形成されない場合があることが判明した。
また、プラズマ処理および電子線照射の組み合わせによる異種の樹脂部材の接合と電子線照射による異種の樹脂部材の接合とを比較し、プラズマ処理および電子線照射の組み合わせによる異種の樹脂部材の接合のほうが、接着強度が高くなることを見出した。この理由は明らかではないが、一方の樹脂部材へのプラズマ処理によって、異種の樹脂部材の界面において、2つの樹脂部材にそれぞれ含有される樹脂の相溶性が高くなることが接着に寄与していると考えられる。そのため、異種の樹脂部材の界面において、2つの樹脂部材にそれぞれ含有される樹脂が相互に拡散しやすく、2つの樹脂部材にそれぞれ含有される樹脂が混合した領域が形成されやすくなると推量される。
さらに、上述したように、第1樹脂部材へのプラズマ処理によって、第1樹脂部材および第2樹脂部材の界面において、第1樹脂部材に含まれる樹脂と第2樹脂部材に含まれる樹脂との相溶性を高めることができるため、第1樹脂部材の表面にプラズマ処理を施し、さらに電子線を照射した後に所定の時間を置き、第2樹脂部材の表面に電子線を照射し、その後、熱圧着する場合には、熱圧着時に、加熱によって、第1樹脂部材に含まれる樹脂と第2樹脂部材に含まれる樹脂とが相互に拡散しやすくなり、第1樹脂部材に含まれる樹脂と第2樹脂部材に含まれる樹脂とが混合した領域がより形成されやすくなると推量される。
以下、本開示の積層体の構成について説明する。
1.第1樹脂部材および第2樹脂部材
本開示において、第1樹脂部材および第2樹脂部材は互いに異なる樹脂を含有する。
なお、本明細書において、第1樹脂部材に含有される樹脂を第1樹脂、第2樹脂部材に含有される樹脂を第2樹脂と称する場合がある。
第1樹脂部材および第2樹脂部材に含有される樹脂としては、第1樹脂部材に含有される第1樹脂と第2樹脂部材に含有される第2樹脂との間で化学結合を形成し得るものであれば特に限定されるものではない。化学結合としては、中でも、共有結合であることが好ましい。第1樹脂と第2樹脂との間で共有結合が形成されていることにより、第1樹脂部材および第2樹脂部材の接着強度を向上させることができるからである。
また、第1樹脂部材に含有される第1樹脂と第2樹脂部材に含有される第2樹脂とは、相溶性が低いことが好ましい。相溶性が低い異種の樹脂部材の場合、直接接合することが困難である。これは、相溶性が低い異種の樹脂部材の界面において各樹脂部材の成分が相互に拡散しにくいためである。これに対し、本開示においては、上述したように、一方の樹脂部材の表面にプラズマ処理を施し、さらに電子線を照射した後に所定の時間を置き、他方の樹脂部材の表面に電子線を照射し、その後、2つの樹脂部材を熱圧着することにより、2つの樹脂部材の表面の相溶性を高めることができ、2つの樹脂部材の界面において各樹脂部材の成分を相互に拡散しやすくすることができる。そのため、第1樹脂部材に含有される第1樹脂と第2樹脂部材に含有される第2樹脂との相溶性が低い場合であっても、第1樹脂部材および第2樹脂部材を強固に接合することが可能である。
ここで、相溶性の指標として、溶解度パラメータ(SP値)がある。SP値の差が大きい場合には相溶性が低くなり、SP値の差が小さい場合には相溶性が高くなる。具体的には、第1樹脂のSP値と第2樹脂のSP値との差が、0.1以上であることが好ましく、中でも0.5以上であることが好ましく、特に2以上であることが好ましい。なお、上記SP値の差の上限は特に限定されないが、15程度である。本開示は、上記SP値の差が上記範囲のように大きい場合に有用である。
ここで、本明細書でいうSP値とは、工業調査会発行の「プラスチックデータブック」(1999年12月1日発行)の第15頁、第189~190頁に記載されているSP値表に示されている値を意味する。該SP値表に示されていない樹脂については、凝集エネルギーの密度の計算値によりその溶解パラメータを求めることができる。
第1樹脂および第2樹脂としては、相溶性が低い樹脂の組み合わせが好ましい。具体的には、下記の組み合わせが挙げられる。
フッ素系樹脂/フッ素を実質的に含まない樹脂
フッ素系樹脂/ポリオレフィン系樹脂
フッ素系樹脂/ポリ塩化ビニル系樹脂
ポリエステル系樹脂/ポリオレフィン系樹脂
ポリ塩化ビニル系樹脂/ポリオレフィン系樹脂
ポリアミド系樹脂/ポリオレフィン系樹脂
ポリビニルアルコール系樹脂/ポリオレフィン系樹脂
中でも、第1樹脂部材の表面にプラズマ処理が施され、さらに電子線が照射され、第2樹脂部材の表面に電子線が照射される場合には、第1樹脂がフッ素系樹脂であり、第2樹脂がフッ素を実質的に含まない樹脂であることが好ましい。すなわち、第1樹脂部材がフッ素系樹脂を含有し、第2樹脂部材がフッ素を実質的に含まない樹脂を含有することが好ましい。フッ素系樹脂とフッ素を実質的に含まない樹脂とでは、相溶性が低くなる傾向がある。また、通常、フッ素系樹脂を含有する樹脂部材は、表面張力が非常に小さく、その表面には水酸基等の水素結合に関与するような官能基も存在しないため、フッ素系樹脂を含有する樹脂部材とフッ素を実質的に含まない樹脂を含有する樹脂部材とを接合する場合には接着剤が必要である。このように、フッ素系樹脂を含有する樹脂部材とフッ素を実質的に含まない樹脂を含有する樹脂部材とを直接接合することは困難である。これに対し、本開示によれば、このような第1樹脂部材および第2樹脂部材の組み合わせであっても、第1樹脂部材および第2樹脂部材を強固に接合することが可能である。
特に、第1樹脂部材の表面にプラズマ処理が施され、さらに電子線が照射され、第2樹脂部材の表面に電子線が照射される場合において、第1樹脂部材がフッ素系樹脂を含有し、第2樹脂部材がフッ素を実質的に含まない樹脂を含有する場合には、第1樹脂部材へのプラズマ処理により第1樹脂部材の表面からフッ素が除去されることで、フッ素系樹脂とフッ素を実質的に含まない樹脂との相溶性が向上すると考えられる。よって、上記のような第1樹脂部材および第2樹脂部材の組み合わせの場合に、本発明は有用である。
なお、第1樹脂部材の表面に電子線を照射するのみでは、第1樹脂部材の表面からフッ素が除去されることはほとんどない。そのため、第1樹脂部材がフッ素系樹脂を含有し、第2樹脂部材がフッ素を実質的に含まない樹脂を含有する場合において、第1樹脂部材および第2樹脂部材の表面にそれぞれ電子線を照射した後、第1樹脂部材および第2樹脂部材を熱圧着する方法では、第1樹脂部材および第2樹脂部材を強固に接合することは困難である。
また、上記のポリエステル系樹脂/ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂/ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂/ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂/ポリオレフィン系樹脂の組み合わせの場合において、第1樹脂部材の表面にプラズマ処理が施され、さらに電子線が照射され、第2樹脂部材の表面に電子線が照射される場合、第2樹脂をポリオレフィン系樹脂とし、第1樹脂をポリオレフィン系樹脂以外の樹脂とすることができる。
フッ素系樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体樹脂(FEP)、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体樹脂(EPE)、テトラフルオロエチレンとエチレンとの共重合体樹脂(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(PCTFE)、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとの共重合体樹脂(ECTFE)、フッ化ビニリデン系樹脂(PVDF)、フッ化ビニル系樹脂(PVF)等が挙げられる。中でも、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(PCTFE)が好ましい。本開示の積層体を包材として用いる場合、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(PCTFE)は防湿性が高いため包材に適しているからである。
フッ素を実質的に含まない樹脂は、分子構造中にフッ素原子を実質的に含まない樹脂である。ここで、「フッ素を実質的に含まない」とは、樹脂中のフッ素含有量が5質量%以下であることをいう。中でも、樹脂中のフッ素含有量は3質量%以下であることが好ましく、0質量%であることが好ましい。すなわち、フッ素を含まない樹脂が好ましい。
このようなフッ素を実質的に含まない樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセテート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられる。また、これら樹脂の混合物を使用することもできる。
ポリオレフィン系樹脂は、鎖状ポリオレフィン系樹脂であってもよく、環状ポリオレフィン系樹脂であってもよい。鎖状ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン;ポリプロピレン;ポリメチルペンテン;またはそれらの共重合体等が挙げられる。また、ポリプロピレンと低密度ポリエチレンとの混合物や、ポリプロピレンと高密度ポリエチレンとの混合物を用いることもできる。中でも、汎用性が高いことから、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等が挙げられる。
ポリアミド系樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン612、ナイロン6/66共重合体、ナイロン6/12共重合体、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)等が挙げられる。
ポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体等が挙げられる。
上述の組み合わせの中でも、第1樹脂がフッ素系樹脂であり、第2樹脂がポリオレフィン系樹脂であることが特に好ましい。すなわち、第1樹脂部材がフッ素系樹脂を含有し、第2樹脂部材がポリオレフィン系樹脂を含有することが特に好ましい。フッ素系樹脂とポリオレフィン系樹脂とでは、相溶性が低くなる傾向がある。また、通常、フッ素系樹脂を含有する樹脂部材の表面は、表面張力が非常に小さく、フッ素系樹脂を含有する樹脂部材やポリオレフィン系樹脂を含有する樹脂部材の表面には、水酸基等の水素結合に関与するような官能基も存在しないため、フッ素系樹脂を含有する樹脂部材とポリオレフィン系樹脂を含有する樹脂部材とを接合する場合には接着剤が必要である。このように、フッ素系樹脂を含有する樹脂部材とポリオレフィン系樹脂を含有する樹脂部材とを直接接合することは困難である。これに対し、本開示によれば、このような第1樹脂部材および第2樹脂部材の組み合わせであっても、第1樹脂部材および第2樹脂部材を強固に接合することが可能である。
上述したように、特に、第1樹脂部材の表面にプラズマ処理が施され、さらに電子線が照射され、第2樹脂部材の表面に電子線が照射される場合において、第1樹脂部材がフッ素系樹脂を含有し、第2樹脂部材がポリオレフィン系樹脂を含有する場合には、第1樹脂部材へのプラズマ処理により第1樹脂部材の表面からフッ素が除去されることで、フッ素系樹脂とポリオレフィン系樹脂との相溶性が向上すると考えられる。よって、上記のような第1樹脂部材および第2樹脂部材の組み合わせの場合に、本発明は有用である。
また、上述したように、第1樹脂部材がフッ素系樹脂を含有する場合、第1樹脂部材へのプラズマ処理によって第1樹脂部材の表面からフッ素が除去されることから、第1樹脂部材に含有されるフッ素の量は、第1樹脂部材の厚み方向に、第1樹脂部材の内部から第1樹脂部材の接合部側の面に向かって減少していることが好ましい。
ここで、第1樹脂部材に含有されるフッ素の量は、例えば、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を利用したエネルギー分散型X線分光法(STEM-Energy Dispersive X-ray Spectroscopy:STEM-EDX)を用いて測定することができる。測定条件の具体例は下記の通りである。
・加速電圧:30.0kV
・エミッション電流:10μA
・プローブ電流:High
・観察倍率:2万倍または3万倍
・WD:8mm
・傾斜:0°
・検出器素子面積:100mm
・ウィンドウレス
また、第1樹脂および第2樹脂の少なくともいずれか一方は、熱可塑性樹脂であってもよい。本開示の積層体を包材として用いる場合には、第1樹脂部材および第2樹脂部材のうち、一方の樹脂部材は熱溶着層とすることができ、すなわち、第1樹脂および第2樹脂のうち、少なくとも一方の樹脂は熱可塑性樹脂とすることができる。上記の場合、第1樹脂部材および第2樹脂部材のうち、一方の樹脂部材は熱溶着層とし、他方の樹脂部材は外層、バリア層、帯電防止層、腐食防止層、光安定層、紫外線吸収層、酸化防止層等の、熱溶着層以外の層とすることができる。中でも、第1樹脂部材の表面にプラズマ処理が施され、さらに電子線が照射され、第2樹脂部材の表面に電子線が照射される場合には、第2樹脂部材を熱溶着層とし、第1樹脂部材を上記の熱溶着層以外の層とすることが好ましい。例えば、第1樹脂部材がフッ素系樹脂を含有し、第2樹脂部材がポリオレフィン系樹脂またはポリ塩化ビニル系樹脂を含有する場合、第1樹脂部材を上記の熱溶着層以外の層とし、第2樹脂部材を熱溶着層とすることができる。
また、第1樹脂部材および/または第2樹脂部材には、必要に応じて、例えば、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、充填剤、滑剤等の各種添加剤が含有されていてもよい。
第1樹脂部材および第2樹脂部材の形態としては、例えば、フィルムやシートであってもよく、成形品であってもよい。
第1樹脂部材および第2樹脂部材がフィルムまたはシートである場合、一軸ないし二軸方向に延伸されたものであってもよい。
2.接合部
本開示における接合部は、上記第1樹脂部材と上記第2樹脂部材との界面に位置し、上記第1樹脂部材に含有される上記第1樹脂と上記第2樹脂部材に含有される上記第2樹脂とが混合した領域である。また、上記接合部は、赤外分光法により測定されるスペクトルにおいて、上記第1樹脂部材および上記第2樹脂部材のいずれにも由来しないピークを有する。
本開示において、接合部は、第1樹脂部材の表面にプラズマ処理を施し、さらに電子線を照射した後に所定の時間を置き、第2樹脂部材の表面に電子線を照射し、その後、第1樹脂部材および第2樹脂部材を熱圧着することにより、形成される。接合部は、第1樹脂部材に含有される第1樹脂と第2樹脂部材に含有される第2樹脂とが相互に拡散した領域であり、すなわち、第1樹脂部材に含有される第1樹脂と第2樹脂部材に含有される第2樹脂とが分子レベルで混合した領域である。
ここで、上記接合部の存在は、例えば、積層体の断面を走査型透過電子顕微鏡(STEM)により観察することにより確認することができる。具体的な積層体の断面の観察方法を下記に示す。まず、積層体全体を包埋固定した後、染色処理を行う。染色剤としては、四酸化ルテニウムを用いることができる。次に、切片を作製し、積層体断面を得る。切片の作製には、ライカマイクロシステムズ社製のウルトラミクロトーム EM UC7を用いることができる。その後、走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて、積層体の断面を観察する。走査透過型電子顕微鏡(STEM)としては、日立ハイテクノロジーズ社製のSU8000またはSU9000を用いることができる。条件としては、観察モード:TE、加速電圧:30kV、エミッション電流:10μAとすることができる。
上記接合部の厚みは、第1樹脂部材および第2樹脂部材の間で所望の接着強度が得られる厚みであれば特に限定されない。具体的には、上記接合部の最大厚みは、10nm以上10μm以下とすることができ、中でも50nm以上5μm以下であってもよく、特に100nm以上2μm以下であってもよい。上記接合部の最大厚みが上記範囲内であれば、十分な接着強度を得ることができる。
ここで、上記接合部の最大厚みは、例えば、積層体の断面を走査型透過電子顕微鏡(STEM)により観察することにより測定することができる。走査型透過電子顕微鏡(STEM)による積層体の断面の観察方法については、上述した方法と同様とすることができる。また、後述するように、接合部において、第1樹脂部材と第2樹脂部材との界面が凹凸形状を有する場合には、上記接合部の最大厚みは、最大高さRzとすることができる。最大高さRzは、JIS B0601:2013に準拠する方法により測定することができる。
また、上記接合部において、上記第1樹脂部材と上記第2樹脂部材との界面が凹凸形状を有することが好ましい。本開示においては、第1樹脂部材の表面にプラズマ処理を施すため、第1樹脂部材へのプラズマ処理によって、例えば、第1樹脂部材の表面の化学的性質や物理的性質が変化することで、具体的には、第1樹脂部材の表面において、結合が切断される、官能基が導入される、または、微細な凹凸が形成されることで、第1樹脂部材と第2樹脂部材との界面が凹凸形状を有する傾向がある。
本開示においては、第1樹脂部材と第2樹脂部材との界面が凹凸形状を有することにより、第1樹脂部材および第2樹脂部材の接着強度を高めることができる。この理由は明らかではないが、次のように考えられる。すなわち、第1樹脂部材と第2樹脂部材との界面が凹凸形状を有することにより、第1樹脂部材および第2樹脂部材が接触する面積が大きくなることや、凹凸形状によって第1樹脂部材および第2樹脂部材が接触する面積が大きくなることで、第1樹脂部材と第2樹脂部材との間で化学結合が形成されやすくなることや、第1樹脂部材と第2樹脂部材との界面が凹凸形状を有することにより、いわゆるアンカー効果が生じること、等が寄与していると考えられる。
ここで、上記凹凸形状の存在は、例えば、積層体の断面を走査型透過電子顕微鏡(STEM)により観察することで確認することができる。走査型透過電子顕微鏡(STEM)による積層体の断面の観察方法については、上述した方法と同様とすることができる。
上記凹凸形状の高さとしては、第1樹脂部材および第2樹脂部材の間で所望の接着強度が得られる高さであれば特に限定されない。具体的には、上記凹凸形状の平均高さは、10nm以上10μm以下とすることができ、中でも50nm以上5μm以下であってもよく、特に100nm以上2μm以下であってもよい。上記凹凸形状の平均高さが上記範囲内であることにより、第1樹脂部材および第2樹脂部材の接着強度を効果的に向上させることができる。
ここで、上記凹凸形状の平均高さは、平均高さRcとすることができる。平均高さRcは、JIS B0601:2013に準拠する方法により測定することができる。
上記凹凸形状の高さは、例えば、第1樹脂部材へのプラズマ処理の条件等を調整することにより調節することができる。具体的には、プラズマ処理強度を大きくするほど、上記凹凸形状の高さが大きくなる傾向がある。
また、上記凹凸形状は、第1樹脂部材の表面にプラズマ処理を施すことにより形成することができることから、通常、上記凹凸形状は、不均一な凹凸形状となる。
また、上記接合部は、赤外分光法により測定されるスペクトルにおいて、上記第1樹脂部材および上記第2樹脂部材のいずれにも由来しないピークを有する。これにより、第1樹脂部材に含まれる第1樹脂と第2樹脂部材に含まれる第2樹脂との間で化学結合が形成されていることを確認することができる。化学結合としては、共有結合であることが好ましい。すなわち、上記接合部は、上記第1樹脂部材に含まれる原子と上記第2樹脂部材に含まれる原子との共有結合を有することが好ましい。第1樹脂部材および第2樹脂部材の接着強度を高めることができるからである。
上記接合部が、赤外分光法により測定されるスペクトルにおいて、上記第1樹脂部材および上記第2樹脂部材のいずれにも由来しないピークを有することは、上記接合部のIRスペクトルと、上記第1樹脂部材のIRスペクトルと、上記第2樹脂部材のIRスペクトルとを比較することにより、確認することができる。
赤外分光法により測定されるスペクトルにおいて、上記接合部が有する、上記第1樹脂部材および上記第2樹脂部材のいずれにも由来しないピークとしては、上記第1樹脂部材に含まれる第1樹脂と上記第2樹脂部材に含まれる第2樹脂との間で形成され得る化学結合、特に共有結合に由来するピークであればよく、上記第1樹脂および上記第2樹脂の種類に応じて異なるが、例えば、C-O-C、C-O-O-C、C-O-F等に由来するピークが挙げられる。
ここで、上記接合部が、赤外分光法により測定されるスペクトルにおいて、上記第1樹脂部材および上記第2樹脂部材のいずれにも由来しないピークを有することは、積層体の断面について、AFM-IR法(AFM-based Infrared Spectroscopy)により測定することによって確認することができる。AFM-IR測定は、例えばAnasys Instruments社製nanoIRを用いて行うことができる。
なお、積層体の断面における測定位置は、積層体の断面を走査型透過電子顕微鏡(STEM)により観察することにより、第1樹脂部材、接合部、第2樹脂部材の位置を確認し、決定することができる。
3.積層体
本開示の積層体の形態としては、例えば、フィルムやシートであってもよく、成形品であってもよく、構造物であってもよい。本開示の積層体が成形品である場合、例えば、フィルムやシートとして積層体を製造した後、成形することにより、成形品を得ることができる。図3(a)は、本開示の積層体1が成形品である例である。また、本開示の積層体が構造物である場合、例えば、図3(b)に示すように、樹脂成形品21の表面の少なくとも一部に第1樹脂部材2および第2樹脂部材3が配置されたものであってもよく、図3(c)に示すように、2つの樹脂成形品21、22の間に第1樹脂部材2および第2樹脂部材3が配置されたものであってもよく、図3(d)に示すように、第1樹脂部材2および第2樹脂部材3が成形品であり、成形品である第1樹脂部材2および第2樹脂部材3が接合されたものであってもよく、図示しないが、第1樹脂部材および第2樹脂部材のうち、一方が成形品であり、他方がフィルムまたはシートであり、成形品である一方の樹脂部材の表面の少なくとも一部に、フィルムまたはシートである他方の樹脂部材が配置されたものであってもよい。
本開示の積層体は、接着剤の使用が好ましくない用途や接着剤の使用が制限される用途に好適である。本開示の積層体の用途としては、例えば、医薬品、医療機器、化粧品、食品等の包材や、シリンジ、チューブ等の医療機器等が挙げられる。
B.積層体の製造方法
本開示の積層体の製造方法は、互いに異なる樹脂を含有する第1樹脂部材と第2樹脂部材とを接合する積層体の製造方法であって、上記第1樹脂部材の一方の面にプラズマ処理を施し、さらに電子線を照射した後、所定の時間を置く第1工程と、上記第2樹脂部材の一方の面に電子線を照射する第2工程と、上記第1樹脂部材の上記プラズマ処理が施され、上記電子線が照射された面と、上記第2樹脂部材の上記電子線が照射された面とを対向させ、上記第1樹脂部材および上記第2樹脂部材を熱圧着する第3工程と、を有する、製造方法である。
図2(a)~(e)は、本開示の積層体の製造方法の一例を示す工程図である。なお、図2(a)~(e)については、上記「A.積層体」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
本開示においては、上記「A.積層体」の項に記載したように、第1樹脂部材の表面にプラズマ処理を施し、さらに電子線を照射した後に所定の時間を置き、第2樹脂部材の表面に電子線を照射し、その後、第1樹脂部材および第2樹脂部材を熱圧着することにより、第1樹脂部材および第2樹脂部材を強固に接着することが可能である。
また、本開示においては、第1樹脂部材に対する表面処理として、プラズマ処理および電子線照射を組み合わせることにより、プラズマ処理による接着ムラの発生を抑制しつつ、第1樹脂部材および第2樹脂部材の接着強度を高めることができる。
以下、本開示の積層体の製造方法の構成について説明する。
1.第1樹脂部材および第2樹脂部材
本開示における第1樹脂部材および第2樹脂部材としては、上記「A.積層体 1.第1樹脂部材および第2樹脂部材」の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
2.第1工程
本開示における第1工程では、上記第1樹脂部材の一方の面にプラズマ処理を施し、さらに電子線を照射した後、所定の時間を置く。
(1)プラズマ処理
プラズマ処理に使用されるガスとしては、上述の第1樹脂部材に含有される樹脂の種類等に応じて適宜調整される。上記ガスとしては、例えば、アルゴン、ヘリウム等の非反応性ガスや、窒素、酸素、水素等の反応性ガスを挙げることができる。また、これらの混合ガスを用いることもできる。例えば、第1樹脂部材に含有される樹脂がフッ素系樹脂であり、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(PCTFE)である場合には、アルゴンガスを用いることが好ましい。
プラズマ処理は、例えば、低温プラズマ処理であってもよく、高温プラズマ処理であってもよい。また、プラズマ処理は、例えば、大気圧プラズマ処理であってもよく、真空プラズマ処理であってもよい。
プラズマ処理の条件としては、上述の第1樹脂部材に含有される樹脂の種類等に応じて適宜調整される。例えば、プラズマ処理強度が小さすぎると、所望の接着強度が得られない場合がある。また、プラズマ処理強度が大きすぎると、プラズマの照射ムラが生じて、その結果、第1樹脂部材および第2樹脂部材の接着ムラが生じる場合があり、また第1樹脂部材が損傷する場合や、第1樹脂部材が変形または着色して外観不良となる場合がある。
(2)電子線の照射
電子線の照射エネルギーは、上述の第1樹脂部材に含有される樹脂の種類等に応じて適宜調整される。中でも、電子線の照射エネルギーは低いことが好ましい。低い照射エネルギーとすることにより、第1樹脂部材の劣化を抑制することができるとともに、第1樹脂部材の表面のラジカル発生がより効率的に起こるため、より強固な接合を実現することができる。
電子線の加速電圧は、例えば、50kV以上70kV以下とすることができる。また、電子線の吸収線量は、例えば、50kGy以上900kGy以下とすることができる。
電子線照射装置としては、従来公知のものを使用でき、例えばカーテン型電子照射装置(LB1023、株式会社アイ・エレクトロンビーム社製)や、ライン照射型低エネルギー電子線照射装置(EB-ENGINE、浜松フォトニクス株式会社製)等を使用することができる。
電子線を照射する際には、酸素濃度を100ppm以下とすることが好ましい。酸素存在下で電子線を照射すると、オゾンが発生するため、環境に悪影響を及ぼすとともに第1樹脂部材の表面がオゾンと反応して特性が変化してしまう場合があるからである。酸素濃度を100ppm以下とするには、真空下または窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下において、第1樹脂部材に電子線を照射すればよく、例えば、電子線照射装置内を窒素充填することにより、酸素濃度100ppm以下を達成することができる。
本開示においては、第1工程では、上記電子線の照射後、所定の時間を置く。これにより、第1樹脂部材および第2樹脂部材の接着強度を高めることができる。この理由は定かではないが、次のように考えられる。すなわち、第1樹脂部材の表面に電子線を照射すると、第1樹脂部材の表面近傍にラジカルが生成する。このとき、生成したラジカルは反応して別のラジカルを生成する。この第1樹脂部材の表面の別のラジカルが、第2樹脂部材の表面のラジカルと結合して、共有結合を形成する場合がある。例えば、第1樹脂部材の表面近傍に炭素ラジカルが生成すると、生成した炭素ラジカルは雰囲気中の酸素と反応して過酸化ラジカルを生成する。そして、第1樹脂部材の表面の過酸化ラジカルは、第2樹脂部材の表面の炭素ラジカルと結合して、共有結合を形成することができる。このように経時的にラジカルが反応して別のラジカルを生成し、この別のラジカルが、第1樹脂部材に含まれる第1樹脂と第2樹脂部材に含まれる第2樹脂との間の共有結合の形成に寄与する場合があるため、電子線の照射後に所定の時間を置くことにより、上記の別のラジカルを十分に生成させることができ、第1樹脂部材に含まれる第1樹脂と第2樹脂部材に含まれる第2樹脂との間で共有結合を形成しやすくすることができる。
上記所定の時間としては、上記の別のラジカルを十分に生成させることができる時間であればよく、第1樹脂部材に含まれる第1樹脂および第2樹脂部材に含まれる第2樹脂の種類等に応じて適宜調整される。具体的には、上記時間は、6時間以上とすることができ、12時間以上であってもよい。また、上記時間の上限は特に限定されないが、例えば48時間以下とすることができ、36時間以下であってもよい。上記時間が短すぎると、上記の別のラジカルを十分に生成させることが困難である場合がある。
3.第2工程
本開示における第2工程では、上記第2樹脂部材の一方の面に電子線を照射する。
電子線の照射については、上記第1工程での電子線の照射と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本開示においては、第2工程において第2樹脂部材の一方の面に電子線を照射した後、すぐに、第3工程における第1樹脂部材および第2樹脂部材の熱圧着を行うことが好ましい。これにより、第1樹脂部材および第2樹脂部材の接着強度を高めることができるからである。
4.第3工程
本開示における第3工程では、上記第1樹脂部材の上記プラズマ処理が施され、上記電子線が照射された面と、上記第2樹脂部材の上記電子線が照射された面とを対向させ、上記第1樹脂部材および上記第2樹脂部材を熱圧着する。
第1樹脂部材および第2樹脂部材を熱圧着する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、加熱ローラーを用いる方法、熱プレス、熱ラミネート等を挙げることができる。
熱圧着時の加熱温度としては、第1樹脂部材および第2樹脂部材を十分に接合することができればよく、第1樹脂部材に含まれる第1樹脂および第2樹脂部材に含まれる第2樹脂の種類や、後述の加熱時間や圧力等に応じて適宜調整される。上記加熱温度は、例えば、第1樹脂部材に含まれる第1樹脂および第2樹脂部材に含まれる第2樹脂の融点近傍とすることができ、上記融点以下であってもよく、上記融点以上であってもよい。中でも、上記加熱温度は、上記融点以下であることが好ましい。上記加熱温度が低すぎると、第1樹脂部材および第2樹脂部材を十分に接合できない場合がある。また、上記加熱温度が高すぎると、第1工程および第2工程において第1樹脂部材および第2樹脂部材の表面に生成したラジカルが失活してしまい、第1樹脂部材および第2樹脂部材の強固な接合を実現できなくなる場合がある。
熱圧着時の加熱時間としては、第1樹脂部材および第2樹脂部材を十分に接合することができればよく、上記加熱温度や後述の圧力、第1樹脂部材に含まれる第1樹脂および第2樹脂部材に含まれる第2樹脂の種類等に応じて適宜調整される。例えば、上記加熱時間は、0.1秒以上1分以下とすることができる。
熱圧着時の圧力としては、第1樹脂部材および第2樹脂部材を十分に接合することができればよく、上記加熱温度や上記加熱時間、第1樹脂部材に含まれる第1樹脂および第2樹脂部材に含まれる第2樹脂の種類等に応じて適宜調整される。例えば、上記圧力は、0.1MPa以上0.5MPa以下とすることができる。なお、上記圧力を高くすることにより、上記加熱温度を低くすることができる。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本開示をさらに詳細に説明する。
(樹脂部材の準備)
フッ素系樹脂を含有する樹脂部材として、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(PCTFE)フィルム(ダイキン工業社製、DF-0050C1、厚み50μm)を準備した。また、ポリオレフィン系樹脂を含有する樹脂部材として、ポリプロピレン樹脂(PP)(三菱ケミカル社製、ゼラス7025)をインフレーション法により厚み70μmに製膜して、PPフィルムを準備した。
[参考例1~4]
(プラズマ処理)
プラズマ処理装置としては、図4に示すロールツーロール型のプラズマ処理装置を用いた。図4に示すプラズマ処理装置は、チャンバ111と、チャンバ111内に配置されたフィルム供給部112およびフィルム巻取部113と、チャンバ111内にマスク152と磁場発生部160と、チャンバ111内にプラズマ処理用の処理ガスを供給する処理ガス供給部140とを備える。
このうちフィルム供給部112は、樹脂フィルム151が巻装されるとともに樹脂フィルム151を供給する供給ローラ112aを含む。また、フィルム巻取部113は、プラズマ処理された樹脂フィルム150が巻装されるとともに樹脂フィルム150を巻き取る巻取ローラ113aを含む。さらに、フィルム供給部112とフィルム巻取部113との間には、回転式のメインロール114が配置されている。このメインロール114には、その表面に沿って樹脂フィルム151が巻き付けられており、このメインロール114上の樹脂フィルム151に対してプラズマ処理が施されるようになっている。さらに、フィルム供給部112とメインロール114との間、およびメインロール114とフィルム巻取部113との間には、樹脂フィルム151をフィルム供給部112からフィルム巻取部113へ案内する複数の案内ロール116が設けられている。なお、これらフィルム供給部112と、フィルム巻取部113と、メインロール114と、案内ロール116とにより、ロールツーロール(Roll to Roll)式のフィルム搬送装置115が構成されている。また、チャンバ111には、連結管118を介してチャンバ111内を真空排気する排気ポンプ117が連結されている。また、連結管118には、チャンバ111内の真空度(圧力)を調整するバルブ119が設けられている。
さらに、処理ガス供給部140は、処理ガスをチャンバ111内に噴出するガスノズル134と、処理ガスを供給するガス供給管144、145、146と、処理ガスを貯留する処理ガス貯留部141、142、143とを有している。なお、ガス供給管144、145、146には、それぞれガスの流量を制御するマスフローコントローラ(MFC)147、148、149が設けられている。
さらにまた、チャンバ111内のマスク152の開口部に対向する位置に、スパッタリング装置で用いられるようなマグネット161を含む磁場発生部160が設けられている。メインロール140には高周波電源を接続する。処理ガスの導入、チャンバ111内の圧力の調整、高周波電力の導入により、プラズマPが発生する。磁場発生部160の設置とメインロール140への高周波電力の導入により、樹脂フィルム151の近傍にプラズマ密度の高い領域が形成され、プラズマ処理が施される。なお、チャンバ111内には隔壁165が設けられている。この隔壁165は、発生したプラズマPがフィルム供給部112およびフィルム巻取部113側に広がり、フィルム供給部112およびフィルム巻取部113側にプラズマ処理による発生物が堆積することを抑制する役割を果たす。
PCTFEフィルムの表面に、上記のロールツーロール型のプラズマ処理装置を用いて、アルゴンガスを流量200sccm、圧力8Paで導入しながら、出力370Wで、フィルムの搬送速度を0.05m/分、0.15m/分、0.45m/分と変化させて、プラズマ処理を施した。なお、上記搬送速度が遅いほどプラズマ処理強度が強くなり、上記搬送速度が速いほどプラズマ処理強度が弱くなる。
(評価)
PCTFEフィルムのプラズマ処理面について、X線光電子分析装置(Axis-NOVA、KRATOS製)を用いて、フィルム表面に存在する元素の検出を行った。測定条件は以下の通りとした。結果を表1に示す。なお、表中の元素の数値の単位はatmic%である。
<XPS測定条件>
測定領域:300μm×700μm
使用X線:AlKα線
加速電圧:15kV
Figure 0007484179000001
XPS測定の結果、PCTFEフィルムでは、プラズマ処理強度が強くなるほど、C原子およびO原子の割合が増加し、F原子およびCl原子の割合が減少していた。これは、プラズマ処理によってPCTFEフィルムの表面からフッ素および塩素が除去されたことを示している。
[比較例1~3]
(積層体の作製)
幅300mmのPCTFEフィルムを上記のロールツーロール型のプラズマ処理装置内に通し、チャンバを閉めて0.01Pa以下まで減圧した後、アルゴンガスを200sccm、酸素ガスを1500sccm導入した。排気量を調整して真空チャンバ内の圧力を8Paに調整したのち、電力を370Wとし、プラズマ処理を行った。PCTFEフィルムの搬送速度は0.05m/分、0.15m/分、0.45m/分と変化させて、異なる条件でプラズマ処理を行った。プラズマ処理終了後、放電とガスの供給を止めて、0.01Pa以下まで減圧した後、ベントして大気圧に戻して、プラズマ処理されたPCTFEフィルムを得た。
また、PPフィルムの表面に、電子線照射装置(ライン照射型低エネルギー電子線照射装置EES-L-DP01、浜松ホトニクス株式会社製)を用いて、電子照射線装置のチャンバ内の酸素濃度が100ppm以下となるように窒素ガスでパージした後、電圧70kV、吸収線量300kGy、装置内酸素濃度100ppm以下で、電子線を照射した。
次に、上記PCTFEフィルムのプラズマ処理面側と上記PPフィルムの電子線照射面側とが対向するように重ね合わせ、上記PCTFEフィルムの加熱温度180℃、上記PPフィルムの加熱温度150℃にて、熱ラミネート法により熱圧着して、積層体を得た。
[実施例1、2]
(積層体の作製)
まず、PCTFEフィルムの表面に、上記のロールツーロール型のプラズマ処理装置を用いて、アルゴンガスを流量200sccm、圧力8Paで導入しながら、出力370Wで、フィルムの搬送速度を0.15m/分、0.45m/分と変化させて、プラズマ処理を施した。続いて、上記PCTFEフィルムの表面に、電子線照射装置(ライン照射型低エネルギー電子線照射装置EES-L-DP01、浜松ホトニクス株式会社製)を用いて、電子照射線装置のチャンバ内の酸素濃度が100ppm以下となるように窒素ガスでパージした後、電圧70kV、吸収線量300kGy、装置内酸素濃度100ppm以下で、電子線を照射した。次いで、電子線の照射後、上記PCTFEフィルムを1日置いた。
また、PPフィルムの表面に、電子線照射装置(ライン照射型低エネルギー電子線照射装置EES-L-DP01、浜松ホトニクス株式会社製)を用いて、電子照射線装置のチャンバ内の酸素濃度が100ppm以下となるように窒素ガスでパージした後、電圧70kV、吸収線量300kGy、装置内酸素濃度100ppm以下で、電子線を照射した。
次に、上記PCTFEフィルムおよび上記PPフィルムを電子線照射面側が対向するように重ね合わせ、上記PCTFEフィルムの加熱温度180℃、上記PPフィルムの加熱温度150℃にて、熱ラミネート法により熱圧着して、積層体を得た。
[比較例4、5]
実施例1、2において、PCTFEフィルムに電子線を照射した後すぐに熱圧着を行ったこと以外は、実施例1、2と同様にして積層体を作製した。
[比較例6]
(積層体の作製)
PCTFEフィルムおよびPPフィルムの表面にそれぞれ、電子線照射装置(ライン照射型低エネルギー電子線照射装置EES-L-DP01、浜松ホトニクス株式会社製)を用いて、電子照射線装置のチャンバ内の酸素濃度が100ppm以下となるように窒素ガスでパージした後、電圧70kV、吸収線量300kGy、装置内酸素濃度100ppm以下で、電子線を照射した。
次に、上記PCTFEフィルムおよび上記PPフィルムの電子線照射面側が対向するように重ね合わせ、上記PCTFEフィルムの加熱温度180℃、上記PPフィルムの加熱温度150℃にて、熱ラミネート法により熱圧着して、積層体を得た。
[評価]
(剥離強度)
剥離強度は、JIS P8139に準ずる方法により測定した。得られた積層体を幅15mmの短冊状になるように切り出し、新東科学社製の表面性測定機(HEIDON トライボギア表面性測定機 TYPE:14 T型剥離ユニット)を用い、温度23℃±1℃、引張速度50mm/分の条件で、90度剥離試験を行った。結果を表2に示す。
Figure 0007484179000002
表2から、PCTFEフィルムにプラズマ処理を行うことにより、剥離強度が高くなることがわかった。また、プラズマ処理強度が同じである実施例1および比較例2、実施例2および比較例3から、PCTFEフィルムにプラズマ処理および電子線照射の両方を行うことにより、剥離強度が高くなることがわかった。また、実施例1、2および比較例4、5から、PCTFEフィルムへの電子線の照射後、時間を置くことにより、剥離強度が高くなることがわかった。
(界面の観察)
走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いて、得られた積層体の断面を観察した。まず、積層体全体を包埋固定した後、染色処理を行った。染色剤としては、四酸化ルテニウムを用いた。次に、切片を作製し、積層体断面を得た。切片の作製には、ライカマイクロシステムズ社製のウルトラミクロトーム EM UC7を用いた。その後、走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて、積層体の断面を観察した。走査透過型電子顕微鏡(STEM)としては、日立ハイテクノロジーズ社製のSU8000またはSU9000を用いた。条件としては、観察モード:TE、加速電圧:30kV、エミッション電流:10μAとした。STEM像を図5(a)~(e)に示す。
比較例1~3および実施例1、2はいずれも、PCTFEフィルムとPPフィルムとの界面が凹凸形状を有していた。
(接合部の厚みおよび凹凸形状の高さ)
得られた積層体について、積層体の断面をSTEMにより観察し、JIS B0601:2013に準拠する方法により、接合部の最大厚み(最大高さRz)および凹凸形状の平均高さ(平均高さRc)を求めた。実施例1の積層体は、接合部の最大厚み(最大高さRz)が0.66μmであり、凹凸形状の平均高さ(平均高さRc)が0.55μmであった。
(IRスペクトル)
得られた積層体の断面について、Anasys Instruments社製nanoIRを用いて、AFM-IR(AFM-based Infrared Spectroscopy)測定を行った。測定条件は下記の通りとした。
・光源:Tunable Pulsed Laser(1kHz)
・AFMモード:コンタクトモード(AFM-IRスペクトル取得時)
・測定波数範囲:1800~1000cm-1
・波数分解能:1.5cm-1
・Coaverages:512
・積算回数:3回以上
・偏光角度:45度
IRスペクトルは、それぞれの測定領域において3カ所ずつ測定し、平均した。実施例1の積層体の断面の光学顕微鏡像、AFM像およびIRスペクトルを図6に示す。また、比較例1の積層体の断面の光学顕微鏡像、AFM像およびIRスペクトルを図7に示す。
実施例1の積層体では、PCTFEフィルムとPPフィルムとの界面のIRスペクトルにおいて、1150cm-1にPCTFEおよびPPのいずれにも由来しないピークが出現した。また、上記界面のIRスペクトルにおいて、PPのCH変角に由来する1465cm-1のピーク強度に対する、PPのCH変角に由来する1376cm-1のピーク強度が減少した。また、上記界面のIRスペクトルにおいて、PPのCH変角に由来する1465cm-1のピーク強度に対する、C=O伸縮に由来する1735cm-1のピーク強度がわずかに増大した。1150cm-1のピークは、COC伸縮に由来すると考えられる。
また、実施例2の積層体でも、実施例1と同様に、PCTFEフィルムとPPフィルムとの界面のIRスペクトルにおいて、1150cm-1にPCTFEおよびPPのいずれにも由来しないピークが出現した。
一方、比較例1の積層体では、PCTFEフィルムとPPフィルムとの界面のIRスペクトルにおいて、1150cm-1のピークが出現しなかった。また、上記界面のIRスペクトルにおいて、PPのCH変角に由来する1465cm-1のピーク強度に対する、PPのCH変角に由来する1376cm-1のピーク強度がわずかに減少した。また、PPのCH変角に由来する1465cm-1のピーク強度に対する、C=O伸縮に由来する1725cm-1のピーク強度が増大した。
また、比較例2、3の積層体でも、比較例1と同様に、PCTFEフィルムとPPフィルムとの界面のIRスペクトルにおいて、1150cm-1のピークが出現しなかった。
なお、比較例1の積層体の断面のIRスペクトルにおいて、C=O伸縮に由来する1725cm-1のピークは、上述のXPS測定の結果と合わせると、アルゴンプラズマ処理によりPCTFEフィルムの表面に酸素が導入されたことによるものと考えられる。
さらに、実施例1および比較例1の積層体の断面について、Anasys Instruments社製nanoIRを用いて、AFM-IR測定を行い、ライン分析を行った。実施例1の積層体の断面のAFM像およびIRスペクトルを図8に示す。また、比較例1の積層体の断面のAFM像およびIRスペクトルを図9に示す。また、ラインスペクトルから、ピークの強度または強度比をプロファイルした。結果を図10に示す。
図10において、実施例1および比較例1の積層体について、PPのCH変角に由来するピークの強度の変化と、PCTFEのCF伸縮に由来するピークの強度の変化とを比較すると、実施例1および比較例1のいずれも、PCTFEフィルム側にPPが拡散しており、かつ、PPフィルム側へPCTFEが拡散していること、すなわち、PCTFEフィルムおよびPPフィルムの界面に、PCTFEおよびPPが混合した接合部が形成されていることがわかった。また、実施例1および比較例1のいずれも、PPフィルム側へのPCTFEの拡散の度合いが大きいと思われる。
また、PPのCH変角に由来するピークの強度に対する、C=O伸縮に由来するピークの強度の比の変化から、C=O基はPCTFEフィルムとPPフィルムとの界面に局在していることがわかった。これは、上述したように、アルゴンプラズマ処理によりPCTFEフィルムの表面に酸素が導入されたことによるものと考えられる。
また、図8~図10より、実施例1および比較例1では、1150cm-1のピークは、実施例1の積層体のみで観測された。1150cm-1のピークは、COC伸縮に由来すると考えられ、PCTFEとPPとの間でCOC結合が形成されたと考えられる。
以上より、実施例1、2では、PCTFEフィルムとPPフィルムとの界面において、PCTFEフィルム中の原子とPPフィルム中の原子との間に共有結合が形成されているものと推認できる。
(PCTFEフィルムのフッ素量)
STEM-EDXを用いて、得られた積層体についてPCTFEフィルムの厚み方向のフッ素量を測定した。測定条件は下記の通りとした。
・加速電圧:30.0kV
・エミッション電流:10μA
・プローブ電流:High
・観察倍率:2万倍または3万倍
・WD:8mm
・傾斜:0°
・検出器素子面積:100mm
・ウィンドウレス
図11(a)、(b)に実施例1の積層体のSTEM-EDX分析結果を示す。なお、図11(a)に示すSTEM像中の実線は測定箇所を示している。図11(a)、(b)から、PCTFEフィルムに含まれるフッ素の量は、厚み方向に、PCTFEフィルムの内部から接合部側に向かって減少していることが確認された。
[実施例3]
(積層体の作製)
ポリ塩化ビニル系樹脂を含有する樹脂部材として、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)フィルム(三菱ケミカル社製、C-0471、厚み200μm)を準備した。また、ポリオレフィン系樹脂を含有する樹脂部材として、ポリプロピレン樹脂(PP)(三菱ケミカル社製、ゼラス7025)をインフレーション法により厚み70μmに製膜して、PPフィルムを準備した。
まず、PVCフィルムの表面に、上記のロールツーロール型のプラズマ処理装置を用いて、アルゴンガスを流量200sccm、圧力8Paで導入しながら、出力370W、フィルムの搬送速度0.05m/分で、プラズマ処理を施した。続いて、上記PVCフィルムの表面に、電子線照射装置(ライン照射型低エネルギー電子線照射装置EES-L-DP01、浜松ホトニクス株式会社製)を用いて、電子照射線装置のチャンバ内の酸素濃度が100ppm以下となるように窒素ガスでパージした後、電圧70kV、吸収線量300kGy、装置内酸素濃度100ppm以下で、電子線を照射した。次いで、電子線の照射後、上記PVCフィルムを1日置いた。
また、PPフィルムの表面に、電子線照射装置(ライン照射型低エネルギー電子線照射装置EES-L-DP01、浜松ホトニクス株式会社製)を用いて、電子照射線装置のチャンバ内の酸素濃度が100ppm以下となるように窒素ガスでパージした後、電圧70kV、吸収線量300kGy、装置内酸素濃度100ppm以下で、電子線を照射した。
次に、上記PVCフィルムおよび上記PPフィルムを電子線照射面側が対向するように重ね合わせ、上記PVCフィルムの加熱温度150℃、上記PPフィルムの加熱温度150℃にて、熱ラミネート法により熱圧着して、積層体を得た。
(剥離強度)
実施例1、2と同様にして剥離強度を測定したところ、3.0N/15mmであった。
[比較例7]
(積層体の作製)
PVCフィルムに電子線照射のみを行ったこと以外は、実施例3と同様にして、積層体を作製した。
(剥離強度)
実施例1、2と同様にして剥離強度を測定したところ、2.5N/15mmであった。
実施例3および比較例7から、PVCフィルムにプラズマ処理および電子線照射を行い、PPフィルムに電子線照射を行うことにより、剥離強度が高くなることがわかった。
1 … 積層体
2 … 第1樹脂部材
3 … 第2樹脂部材
4 … 接合部

Claims (5)

  1. 互いに異なる樹脂を含有する第1樹脂部材と第2樹脂部材とが接合された積層体であって、
    前記第1樹脂部材と前記第2樹脂部材との界面に、前記第1樹脂部材に含有される前記樹脂と前記第2樹脂部材に含有される前記樹脂とが混合した接合部を有し、
    前記接合部は、赤外分光法により測定されるスペクトルにおいて、前記第1樹脂部材に含まれる前記樹脂と前記第2樹脂部材に含まれる前記樹脂との間で形成され得る化学結合に由来するピークを有し、
    前記接合部の最大厚みが10nm以上10μm以下であり、
    前記第1樹脂部材が、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂部材またはポリ塩化ビニル樹脂部材であり、前記第2樹脂部材が、ポリプロピレン樹脂部材である、積層体。
  2. 前記接合部において、前記第1樹脂部材と前記第2樹脂部材との界面が凹凸形状を有する、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記第1樹脂部材が前記ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂部材であり、前記第1樹脂部材に含有されるフッ素の量が、前記第1樹脂部材の厚み方向に、前記第1樹脂部材の内部から前記第1樹脂部材の前記接合部側の面に向かって減少している、請求項1または請求項2に記載の積層体。
  4. 前記接合部は、前記第1樹脂部材に含まれる原子と前記第2樹脂部材に含まれる原子との共有結合を有する、請求項1から請求項までのいずれかの請求項に記載の積層体。
  5. 互いに異なる樹脂を含有する第1樹脂部材と第2樹脂部材とを接合する積層体の製造方法であって、
    前記第1樹脂部材の一方の面にプラズマ処理を施し、さらに電子線を照射した後、6時間以上置く第1工程と、
    前記第2樹脂部材の一方の面に電子線を照射する第2工程と、
    前記第1樹脂部材の前記プラズマ処理が施され、前記電子線が照射された面と、前記第2樹脂部材の前記電子線が照射された面とを対向させ、前記第1樹脂部材および前記第2樹脂部材を熱圧着する第3工程と、
    を有し、
    前記第1樹脂部材が、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂部材またはポリ塩化ビニル樹脂部材であり、前記第2樹脂部材が、ポリプロピレン樹脂部材である、積層体の製造方法。
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