JP2019099614A - エチレン重合体、及びその成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】大気中の黄砂等の微粒子の付着を抑制し防汚性を高めることができるエチレン重合体を提供する。【解決手段】本発明のエチレン重合体は、ステップスキャン式DSCの1stスキャン測定で得られる非可逆発熱成分の熱量ΔHが30J/g以上80J/g以下であり、下記(1)及び(2)の条件でプレス加工されたディスク状シートのSEM−EDX分析によるMg及びAl元素の合計含有量が1質量%以下である。(1)3gのエチレン重合体を、プレス成形機により最高温度130℃、平均圧力15MPaで10分間プレスする。(2)前記(1)でプレスしたエチレン重合体を、平均圧力11MPaを維持しながら10分間25℃で冷却する。【選択図】なし

Description

本発明は、エチレン重合体、及びその成形体に関する。
ポリエチレンパウダーは、例えば、フィルム、シート、微多孔膜、繊維、発泡体、パイプ等の多種多様な製品の原料として用いられている。特に高分子量のポリエチレンパウダーは、鉛蓄電池及びリチウムイオン電池に代表される二次電池向けのセパレータ用微多孔膜及び高強度繊維の原料として好適に用いられている。高分子量のポリエチレンパウダーがこれらの用途に用いられている理由としては、例えば、延伸加工性に優れること、引張強度が高いこと、化学的安定性が高いこと等が挙げられる。
高分子量のポリエチレンパウダーは、一般に粘度が高いことに起因してポリエチレンパウダーを溶融状態で射出成形等の成形加工することが困難な場合がある。そのため、例えば、高分子量エチレン重合体粒子を融点以下の温度で圧縮させた後に延伸させる、いわゆる固相延伸法等の成形法や高分子量ポリエチレンを溶剤に溶解して得られたゲル状の繊維を高倍率に延伸するゲル紡糸法が開発されている。これらの成形法で得られるポリエチレン繊維は、非常に高い強度及び弾性率を有し、さらには耐衝撃性が非常に優れることが知られている。
高分子量のポリエチレンパウダーから成形される高強度繊維に関して、さらなる加工性及び/又は機械特性の高性能化の要求が高まっている。これに対して、例えば、特許文献1では、高分子量化、高結晶化、及び粒子表面構造や粒径、分子量分布の制御を行い、エチレン重合体の加工性や成形物の機械強度を向上させる固相延伸用ポリエチレンパウダー技術が開示されている。また、例えば、特許文献2では固相延伸に適するポリエチレンパウダーを得るためにポリエチレンの高次構造を制御する方法、特にポリマー中の絡み合いを低減する手法として、重合中のポリマー分子鎖と他のポリマー分子鎖との干渉を抑制する技術が開示されている。
また、ポリエチレンは表面エネルギーが小さく、濡れ性が低いことで撥水性、耐水性や防汚性が高い物質として知られている(例えば、特許文献3参照)。一方、ポリエチレンをフィルムとして利用する際は印刷の観点から、逆に塗装、インキの濡れ性を改善しインクの乗りを良くするために、機械的、物理化学的、化学的な表面改質技術が鋭意検討されている。例えば表面改質のための塗剤の接着性を向上させるため、ポリエチレン表面が塵、ほこりや吸着ガス等の異物付着で汚染されることを極力抑えるクリーン工程や、被塗布面を洗浄する処理等が実施されている(例えば、特許文献4参照)。
国際公報第2008/013144号 国際公報第2012/053261号 特開2015−48396号公報 特開昭62−97673号公報
しかしながら、近年、加工性、機械的特性に加えて、生産性や機能性の付加が高強度繊維の開発が求められている。ポリエチレンパウダーから得られる高強度繊維は、例えば、ロープ、漁網、釣り糸、ゴルフ場ネット、レジャー用品等に利用される。これらの加工品には機械強度における長期耐久性はもちろんではあるが、さらに屋外での長期使用における外観変化がない、つまり防汚耐久性が高いことが望まれる。近年、地球温暖化、沙漠化等によって中国・モンゴルで黄砂が多く発生するようになり、その黄砂と大気汚染物質の化学反応による化学物質や、人間・動植物に被害をもたらす病原菌が付着した微粒子の飛散が問題となっており、これらは防汚性が高いポリエチレン加工品へも付着することで劣化や変性を促進し、繊維耐久性を悪化させる要因となる。汚染物質の付着を抑え、例えば、衛生面、耐久面で従来にない高い防汚性を有するポリエチレン及びポリエチレン成形加工品が望まれる。
そこで、本発明は、大気中の黄砂等の微粒子の付着を抑制し防汚性を高めることができるエチレン重合体(例えば、ポリエチレンパウダー)を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述の従来技術の課題を解決するために鋭意研究を進めた結果、ステップスキャン式DSCの1stスキャン測定で得られる非可逆発熱成分の熱量ΔH、並びに、プレス加工されたディスク状シートのSEM−EDX分析によるMg及びAl元素の合計含有量を所定の範囲に制御した、エチレン重合体(例えば、ポリエチレンパウダー)が、大気中の黄砂等の微粒子の付着量を抑制することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
ステップスキャン式DSCの1stスキャン測定で得られる非可逆発熱成分の熱量ΔHが30J/g以上80J/g以下であり、
下記(1)及び(2)の条件でプレス加工されたディスク状シートのSEM−EDX分析によるMg及びAl元素の合計含有量が1質量%以下である、エチレン重合体。
(1)3gのエチレン重合体を、プレス成形機により最高温度130℃、平均圧力15MPaで10分間プレスする。
(2)前記(1)でプレスしたエチレン重合体を、平均圧力11MPaを維持しながら10分間25℃で冷却する。
[2]
粘度平均分子量が100万以上1000万以下である、[1]に記載のエチレン重合体。
[3]
誘導結合プラズマ質量分析(ICP/MS)によるMg及びAl元素の合計含有量が20質量ppm以下である、[1]又は[2]に記載のエチレン重合体。
[4]
平均粒子径が100μm〜300μmである、[1]〜[3]のいずれかに記載のエチレン重合体。
[5]
[1]〜[4]のいずれかに記載のエチレン重合体の成形体。
[6]
[1]〜[4]のいずれかに記載のエチレン重合体を含み、引張強度が2.0GPa以上である、延伸成形物。
本発明に係るエチレン重合体は、大気中の黄砂等の微粒子の付着を抑制し、防汚性に優れた成形体を得ることができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施することができる。
[エチレン重合体]
本実施形態のエチレン重合体(以下、単に「パウダー」又は「粒子」ともいう。)は、
ステップスキャン式DSCの1stスキャン測定で得られる非可逆発熱成分の熱量ΔHが35J/g以上80J/g以下であり、下記(1)及び(2)の条件でプレス加工されたディスク状シートのSEM−EDX分析によるMg及びAl元素の合計含有量が1質量%以下である。
(1)3gのエチレン重合体を、プレス成形機により最高温度130℃、平均圧力15MPaで10分間プレスする。
(2)前記(1)でプレスしたエチレン重合体を、平均圧力11MPaを維持しながら10分間25℃で冷却する。
エチレン重合体としては、特に限定されないが、例えば、エチレン単独重合体、エチレンと他のコモノマーとの共重合体が挙げられる。
エチレン単独重合体とは、繰返し単位の99.5mol%以上がエチレンからなる重合体を意味する。ポリエチレンパウダーがエチレン単独重合体であることで、高配向に延伸することができ、引張強度に優れた成形体や繊維を得ることができる傾向にある。また、ポリエチレンパウダーが他のコモノマーとの共重合体であることで、重合時の副反応を抑制し、重合速度を向上させ、得られる成形体や繊維のクリープ特性を改善することができる傾向にある。
他のコモノマーとしては、以下のものに限定されないが、例えば、α−オレフィン、ビニル化合物が挙げられる。α−オレフィンとしては、特に限定されないが、例えば、炭素数3〜20のα−オレフィンが挙げられ、より具体的には、特に限定されないが、例えば、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセンが挙げられる。これらの中でも、膜及び繊維に代表される成形体の耐熱、強度の観点から、プロピレン及び1−ブテンが好ましい。コモノマーは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
共重合体中に占めるエチレンのモル比は、繊維の引張強度の観点から、50%以上99.5%未満が好ましく、80%以上99.2%未満がより好ましく、90%以上99%未満がさらに好ましい。エチレン重合体が共重合体である場合の共重合体中の他のコモノマー量は、例えば、NMRで測定することができる。
本実施形態のエチレン重合体は、酸化防止剤及び耐光安定剤等の添加剤を含有していてもよい。
酸化防止剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のフェノール系化合物が挙げられる。酸化防止剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは5000質量ppm以下であり、より好ましくは4000質量ppm以下であり、さらに好ましくは3000質量ppm以下である。
耐光安定剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系耐光安定剤;ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]等のヒンダードアミン系化合物が挙げられる。耐光安定剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは5000質量ppm以下であり、より好ましくは4000質量ppm以下、さらに好ましくは3000質量ppm以下である。
エチレン重合体中の添加剤の含有量は、例えば、テトラヒドロフラン(THF)を用いたソックスレー抽出により6時間抽出し、抽出液を液体クロマトグラフィーにより分離、定量することにより求めることができる。
[非可逆発熱成分の熱量ΔH]
エチレン重合体の非可逆発熱成分の熱量ΔHは、30J/g以上であり、好ましくは35J/g以上であり、より好ましく40J/g以上である。また、エチレン重合体の非可逆発熱成分の熱量ΔHは、80J/g以下であり、好ましくは75J/g以下であり、より好ましく70J/g以下である。本実施形態のエチレン重合体の非可逆発熱成分の熱量ΔHは、温度変調型示差走査熱量計(温度変調型DSC)のステップスキャン変調方式により求められる発熱量であり、後述の実施例に記載の方法により求めることができる。DSC昇温測定中には結晶化と結晶融解は競争して起こるため従来のDSC測定方法では微結晶の形成・成長と融解に由来する熱流が相殺されてしまい、微結晶の熱挙動を検討することは困難である。一方、温度変調型DSCを利用した場合、結晶化等の非可逆成分と結晶融解やガラス転移等の可逆成分の熱流に分離することができ、微結晶の熱挙動を評価することが可能である。
非可逆発熱成分の熱量ΔHが30J/g以上であることにより、エチレン重合体表面への大気微粒子の付着が抑制され、防汚性が向上する。このような効果が発明するメカニズムは明らかではないが、本発明者らは以下のとおり推定している。非可逆発熱成分の熱量ΔHは昇温中のエチレン重合体の非晶部の再結晶化のしやすさを意味する。非晶部の再結晶化の主要因としてエチレン重合体に残存する重合触媒由来の無機化合物の存在量、分子サイズと分散状態が考えられる。昇温時のエチレン重合体非晶部の再結晶量、すなわち非可逆発熱成分量が多いことは、触媒無機残渣がエチレン重合体中で巨大な無機化合物集合体として偏在せず、非晶部領域全体に均一に分散してそれらが結晶核剤のように機能することで達成される。フィルムや繊維等の薄膜、細径化した成形物内部に微細無機化合物を埋没した状態を達成し、成形加工品表面に無機化合物が露出することが抑えられる。このため表面での大気微粒子と親和力すなわち集塵力を低下させ防汚性を向上させることができると推定される。また非可逆発熱成分の熱量ΔHが80J/gより大きくなると、エチレン重合体中に占める非晶部量が増大することを意味する。そのため非晶部に存在する絡み合い部位も増大するため、延伸加工等の加工性の低下をもたらす。
非可逆発熱成分の熱量ΔHを上記範囲内に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、エチレン重合体を重合する際に用いられる触媒の合成条件を制御することが挙げられる。具体的には、特に限定されないが、例えば、担持触媒の担体が重合時に粉砕し、微細粒子へと崩壊するように、触媒担体の結晶格子にあらかじめ欠陥を導入した前処理を実施する、重合ポリマーの成長により担体間隔を広げて分離できるように触媒種を担体内部へ担持する、また重合中に凝集析出して巨大分子になるような助触媒を選択しないような触媒を調製すればよい。
[プレス加工されたディスク状シートのSEM−EDX分析によるMg及びAl元素の合計含有量]
本実施形態のエチレン重合体のプレス加工されたディスク状シートのSEM−EDX分析によるMg及びAl元素の合計含有量は、1質量%以下であり、好ましくは0.85質量%以下であり、より好ましくは0.70質量%以下であり、少ないほど好ましい。当該Mg及びAl元素の合計含有量の下限は、例えば、0質量%である。本実施形態のエチレン重合体のプレス加工されたディスク状シートのSEM−EDX分析によるMg及びAl元素の合計含有量は、後述の実施例に記載の方法により求めることができる。
エチレン重合体のプレス加工されたディスク状シートのSEM−EDX分析によるMg及びAl元素の合計含有量が上記範囲であることにより、各種ポリエチレン成形物の表層に存在する、極性を有する無機化学物質が減少するため、大気微粒子と親和力が低下し、成形体表面への集塵力は抑制される。また表層異物による成形体表面の物理的な凹凸の減少、平滑性の増加が達成されることで、大気微粒子が成形体表面凹部に堆積等、付着物質の表面滞留の起点になる要因を少なくする傾向がある。
エチレン重合体のプレス加工されたディスク状シートのSEM−EDX分析によるMg及びAl元素の合計含有量を制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、エチレン重合体を重合する際に用いられる触媒の合成条件を制御することが挙げられる。具体的には、特に限定されないが、例えば、後述する高活性であってAlの少ない助触媒を使用すること、又は遠心分離法工程によって工程内を50℃以上に維持すること、遠心分離工程中での水蒸気ガス添加及び、吐出ガス全流量に対する前記水蒸気ガスの供給流量が10.0ppmV以上100.0ppmV以下にすること等の様々な形態でエチレン重合体表面に存在する極性無機化合物を効率的に分離する方法等が挙げられる。
[粘度平均分子量(Mv)]
本実施形態のエチレン重合体の粘度平均分子量(Mv)は、好ましくは100万以上1000万以下であり、より好ましくは200万以上900万以下であり、さらに好ましくは300万以上800万以下である。本実施形態のエチレン重合体の粘度平均分子量(Mv)は、後述の実施例に記載の方法によって測定することができる。
本実施形態のエチレン重合体は、粘度平均分子量(Mv)が100万以上であることにより、引張強度等の機械強度に優れる成形物が得られる。
一方、本実施形態のエチレン重合体は、粘度平均分子量(Mv)が1000万以下であると、ポリマー鎖が長大になりすぎずポリマー鎖同士の絡み合いが抑制できるため、成形加工性が維持される。例えば乾式成形加工におけるエチレン重合体同士の界面消失が安定となり、圧縮加工時にエチレン重合体同士の界面の残存が抑制され、その後の成形工程の欠陥、あるいは表面荒れなどを抑制できる傾向にある。表層形状の悪化を抑制することは成形品表面への大気微粒子の付着、保持を抑制すると考えられる。
粘度平均分子量(Mv)を上記範囲内に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、エチレンを重合する際の温度を変化させることが挙げられる。重合温度を高温にするほど分子量は低くなる傾向にあり、重合温度を低温にするほど分子量は高くなる傾向にある。また、粘度平均分子量(Mv)を1000万以下とするための別の方法としては、特に限定されないが、例えば、エチレンを重合する際に水素等の連鎖移動剤を添加することも挙げられる。連鎖移動剤を添加することで、同一の重合温度でも、生成するエチレン重合体の分子量が低くなる傾向にある。また、特に限定されないが、例えば、米国特許第6258903号明細書に記載されているように、重合系に存在する水素を消費する金属錯体を添加すること等によっても調節することができる。上記の方法を組み合わせて、エチレン重合体の粘度平均分子量(Mv)を制御することが好ましい。
[エチレン重合体中の誘導結合プラズマ質量分析(ICP/MS)によるMg及びAl元素の合計含有量]
本実施形態のエチレン重合体の誘導結合プラズマ質量分析(ICP/MS)によるMg及びAl元素の合計含有量は、好ましくは20質量ppm以下であり、より好ましくは15質量ppm以下であり、さらに好ましくは10質量ppm以下であり、少ないほど好ましい。当該Mg及びAl元素の合計含有量の下限は、例えば、0質量ppmである。エチレン重合体の誘導結合プラズマ質量分析(ICP/MS)によるMg及びAl元素の合計含有量が上記範囲であることにより、表面への無機化合物のブリードアウト等が減少し、大気微粒子と親和性が抑えられる成形加工体になる。
エチレン重合体の誘導結合プラズマ質量分析(ICP/MS)によるMg及びAl元素の合計含有量を制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、後述する高活性であってAlの少ない助触媒を使用すること、触媒活性点となる有機金属錯体に対して活性化のために過剰量を要しない助触媒を使用すること、巨大な結晶構造を有さない触媒担体を使用すること等が挙げられる。
[平均粒子径]
本実施形態のエチレン重合体の平均粒子径は、好ましくは100μm以上300μm以下であり、より好ましくは120μm以上280μm以下であり、さらに好ましくは150μm以上250μm以下である。本実施形態のエチレン重合体の平均粒子径は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態のエチレン重合体は、平均粒子径が100μm以上であることにより、エチレン重合体の嵩密度と流動性が充分に高くなるため、ホッパー等への投入及びホッパーからの計量等のハンドリング性もより良好となる傾向にある。また、本実施形態のエチレン重合体は、平均粒子径が300μm以下であることにより、焼結シート成形時のシート表面平滑性が維持される。
本実施形態においてエチレン重合体の平均粒子径は、特に限定されないが、例えば、使用する触媒の粒子径によって制御することができ、触媒の粒子径が大きいほど平均粒子径の大きいエチレン重合体を、触媒の粒子径が小さいほど平均粒子径の小さいエチレン重合体を得られる傾向にある。また、単位触媒量あたりのエチレン重合体の生産性を調整することにより制御する方法が挙げられる。
[触媒成分]
本実施形態のエチレン重合体の製造に使用される触媒成分は特に限定されず、例えば、メタロセン触媒、チーグラー・ナッタ触媒等を使用して製造することが可能である。なかでも、低分子量成分を少なくすることのできるメタロセン触媒が好適に使用される。
メタロセン触媒を用いた例としては、一般的な遷移金属化合物が用いられる。このようなメタロセン触媒は、例えば、担体成分(ア)に、有機アルミニウム化合物(イ)、環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物(ウ)、及び該環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物と反応して触媒活性を発現する錯体を形成可能な活性化剤(エ)を担持させることにより得ることができる。
本実施形態で使用される環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物は、例えば以下の式1で表すことができる。
L1jkM3X2pX3q ・・・(式1)
式1において、L1は、各々独立して、シクロペンタジエニル基、インデニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基、テトラヒドロフルオレニル基、及びオクタヒドロフルオレニル基からなる群より選ばれるη結合性環状アニオン配位子を表し、該配位子は場合によっては1〜8個の置換基を有し、該置換基は各々独立して炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のハロゲン置換炭化水素基、炭素数1〜12のアミノヒドロカルビル基、炭素数1〜12のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1〜12のジヒドロカルビルアミノ基、炭素数1〜12のヒドロカルビルフォスフィノ基、シリル基、アミノシリル基、炭素数1〜12のヒドロカルビルオキシシリル基、及びハロシリル基からなる群より選ばれる、20個までの非水素原子を有する置換基である。
式1において、M3は、形式酸化数が+2、+3又は+4の周期表第4族に属する遷移金属群から選ばれる遷移金属であって、少なくとも1つの配位子L1にη5結合している遷移金属を表す。
式1において、Wは、50個までの非水素原子を有する2価の置換基であって、L1とM3とに各々1価ずつの価数で結合し、これによりL1及びM3と共働してメタロサイクルを形成する2価の置換基を表し、X2は、各々独立して、1価のアニオン性σ結合型配位子、M3と2価で結合する2価のアニオン性σ結合型配位子、及びL1とM3とに各々1価ずつの価数で結合する2価のアニオン性σ結合型配位子からなる群より選ばれる、60個までの非水素原子を有するアニオン性σ結合型配位子を表す。
式1において、X2は、各々独立して、40個までの非水素原子を有する中性ルイス塩基配位性化合物を表し、X3は、中性ルイス塩基配位性化合物を表す。
jは1又は2であり、但し、jが2であるとき、場合によっては2つの配位子L1が、20個までの非水素原子を有する2価の基を介して互いに結合し、該2価の基は炭素数1〜20のヒドロカルバジイル基、炭素数1〜12のハロヒドロカルバジイル基、炭素数1〜12のヒドロカルビレンオキシ基、炭素数1〜12のヒドロカルビレンアミノ基、シランジイル基、ハロシランジイル基、及びシリレンアミノ基からなる群より選ばれる基である。
kは0又は1であり、pは0、1又は2であり、但し、X2が1価のアニオン性σ結合型配位子、又はL1とM3とに結合している2価のアニオン性σ結合型配位子である場合、pはM3の形式酸化数より1以上小さい整数であり、またX2がM3にのみ結合している2価のアニオン性σ結合型配位子である場合、pはM3の形式酸化数より(j+1)以上小さい整数であり、qは0、1又は2である。
上記式1の化合物中の配位子X2の例としては、特に限定されないが、例えば、ハライド、炭素数1〜60の炭化水素基、炭素数1〜60のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1〜60のヒドロカルビルアミド基、炭素数1〜60のヒドロカルビルフォスフィド基、炭素数1〜60のヒドロカルビルスルフィド基、シリル基、これらの複合基等が挙げられる。
上記式1の化合物中の中性ルイス塩基配位性化合物X3の例としては、特に限定されないが、例えば、フォスフィン、エーテル、アミン、炭素数2〜40のオレフィン、炭素数1〜40のジエン、これらの化合物から誘導される2価の基等が挙げられる。
本実施形態において、環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物としては、前記式1(ただし、j=1)で表される遷移金属化合物が好ましい。前記式1(ただし、j=1)で表される化合物の好ましい例としては、特に限定されないが、例えば、下記の式2で表される化合物が挙げられる。
式2において、Mは、チタン、ジルコニウム及びハフニウムからなる群より選ばれる遷移金属であって、形式酸化数が+2、+3又は+4である遷移金属を表し、R3は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基、シリル基、ゲルミル基、シアノ基、ハロゲン原子及びこれらの複合基からなる群より選ばれる、20個までの非水素原子を有する置換基を表し、但し、該置換基R3が炭素数1〜8の炭化水素基、シリル基又はゲルミル基であるとき、場合によっては2つの隣接する置換基R3が互いに結合して2価の基を形成し、これにより該2つの隣接する該置換基R13にそれぞれ結合するシクロペンタジエニル環の2つの炭素原子間の結合と共働して環を形成することができる。
式2において、X’’は、各々独立して、ハライド、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜18のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1〜18のヒドロカルビルアミノ基、シリル基、炭素数1〜18のヒドロカルビルアミド基、炭素数1〜18のヒドロカルビルフォスフィド基、炭素数1〜18のヒドロカルビルスルフィド基及びこれらの複合基からなる群より選ばれる、20個までの非水素原子を有する置換基を表し、但し、場合によっては2つの置換基X’’が共働して炭素数4〜30の中性共役ジエン又は2価の基を形成することができる。
式2において、Yは、−O−、−S−、−NR*−又は−PR*−を表し、但し、R*は、水素原子、炭素数1〜12の炭化水素基、炭素数1〜8のヒドロカルビルオキシ基、シリル基、炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のハロゲン化アリール基、又はこれらの複合基を表す。
式2において、ZはSiR*2、CR*2、SiR*2SiR*2、CR*2CR*2、CR*=CR*、CR*2SiR*2又はGeR*2を表し、但し、R*は上で定義した通りであり、nは1、2又は3である。
本実施形態において用いられる環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物のとしては、特に限定されないが、例えば、以下に示すような化合物が挙げられる。
ジルコニウム系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(4−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(5−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(6−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(7−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(5−メトキシ−1−インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(2,3−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(4,7−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス−(4,7−ジメトキシ−1−インデニル)ジルコニウムジメチル、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムジメチル、シリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル等が挙げられる。
チタニウム系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、[(N−t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル]チタニウムジメチル、[(N−t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウムジメチル、[(N−メチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウムジメチル、[(N−フェニルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウムジメチル、[(N−ベンジルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウムジメチル、[(N−t−ブチルアミド)(η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル]チタニウムジメチル、[(N−t−ブチルアミド)(η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウムジメチル、[(N−メチルアミド)(η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル]チタニウムジメチル、[(N−メチルアミド)(η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウムジメチル、[(N−t−ブチルアミド)(η5−インデニル)ジメチルシラン]チタニウムジメチル、[(N−ベンジルアミド)(η5−インデニル)ジメチルシラン]チタニウムジメチル等が挙げられる。
ニッケル系化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ジブロモビストリフェニルホスフィンニッケル、ジクロロビストリフェニルホスフィンニッケル、ジブロモジアセトニトリルニッケル、ジブロモジベンゾニトリルニッケル、ジブロモ(1,2−ビスジフェニルホスフィノエタン)ニッケル、ジブロモ(1,3−ビスジフェニルホスフィノプロパン)ニッケル、ジブロモ(1,1’−ジフェニルビスホスフィノフェロセン)ニッケル、ジメチルビスジフェニルホスフィンニッケル、ジメチル(1,2−ビスジフェニルホスフィノエタン)ニッケル、メチル(1,2−ビスジフェニルホスフィノエタン)ニッケルテトラフルオロボレート、(2−ジフェニルホスフィノ−1−フェニルエチレンオキシ)フェニルピリジンニッケル、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム、ジクロロジベンゾニトリルパラジウム、ジクロロジアセトニトリルパラジウム、ジクロロ(1,2−ビスジフェニルホスフィノエタン)パラジウム、ビストリフェニルホスフィンパラジウムビステトラフルオロボレート、ビス(2,2’−ビピリジン)メチル鉄テトラフルオロボレートエーテラート等が挙げられる。
本実施形態において用いられる環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、さらに、上に挙げた各ジルコニウム系化合物及びチタン系化合物の名称の「ジメチル」の部分(これは、各化合物の名称末尾の部分、すなわち「ジルコニウム」又は「チタニウム」という部分の直後に現れているものであり、前記式2中のX4の部分に対応する名称である)を、「ジクロル」、「ジブロム」、「ジヨード」、「ジエチル」、「ジブチル」、「ジフェニル」、「ジベンジル」、「2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジル」、「2−ブテン−1,4−ジイル」、「s−トランス−η4−1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン」、「s−トランス−η4−3−メチル−1,3−ペンタジエン」、「s−トランス−η4−1,4−ジベンジル−1,3−ブタジエン」、「s−トランス−η4−2,4−ヘキサジエン」、「s−トランス−η4−1,3−ペンタジエン」、「s−トランス−η4−1,4−ジトリル−1,3−ブタジエン」、「s−トランス−η4−1,4−ビス(トリメチルシリル)−1,3−ブタジエン」、「s−シス−η4−1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン」、「s−シス−η4−3−メチル−1,3−ペンタジエン」、「s−シス−η4−1,4−ジベンジル−1,3−ブタジエン」、「s−シス−η4−2,4−ヘキサジエン」、「s−シス−η4−1,3−ペンタジエン」、「s−シス−η4−1,4−ジトリル−1,3−ブタジエン」、「s−シス−η4−1,4−ビス(トリメチルシリル)−1,3−ブタジエン」等の任意のものに替えてできる名称を持つ化合物も挙げられる。
本実施形態において用いられる環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物は、一般に公知の方法で合成できる。本実施形態においてこれら遷移金属化合物は単独で使用してもよいし、組み合わせて使用してもよい。
次に本実施形態において用いられる遷移金属化合物と反応して触媒活性を発現する錯体を形成可能な活性化剤(以下、単に「活性化剤」ともいう。)について説明する。
本実施形態において用いられる活性化剤として、特に限定されないが、例えば、以下の式3で定義される化合物が挙げられる。
[L2−H]d+[M5mpd- ・・・式3
(式中、[L2−H]d+はプロトン供与性のブレンステッド酸を表し、但し、L2は中性のルイス塩基を表し、dは1〜7の整数であり;[M5mQp]d−は両立性の非配位性アニオンを表し、ここで、M5は、周期表第5族〜第15族のいずれかに属する金属又はメタロイドを表し、Qは、各々独立して、ヒドリド、ハライド、炭素数2〜20のジヒドロカルビルアミド基、炭素数1〜30のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1〜30の炭化水素基、及び炭素数1〜40の置換された炭化水素基からなる群より選ばれ、ここで、ハライドであるQの数は1以下であり、mは1〜7の整数であり、pは2〜14の整数であり、dは上で定義した通りであり、p−m=dである。)
非配位性アニオンとしては、特に限定されないが、具体的には、例えば、テトラキスフェニルボレート、トリ(p−トリル)(フェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(フェニル)ボレート、トリス(2,4−ジメチルフェニル)(ヒドフェニル)ボレート、トリス(3,5−ジメチルフェニル)(フェニル)ボレート、トリス(3,5−ジ−トリフルオリメチルフェニル)(フェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(シクロヘキシル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(ナフチル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニル(ヒドロキシフェニル)ボレート、ジフェニル−ジ(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリフェニル(2,4−ジヒドロキシフェニル)ボレート、トリ(p−トリル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(2,4−ジメチルフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(3,5−ジメチルフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(3,5−ジ−トリフルオリメチルフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(2−ヒドロキシエチル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシブチル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシ−シクロヘキシル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−(4’−ヒドロキシフェニル)フェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)ボレート等が挙げられる。
他の好ましい非配位性アニオンの例としては、特に限定されないが、例えば、上記例示のボレートのヒドロキシ基がNHR基で置き換えられたボレートが挙げられる。ここで、Rは好ましくは、メチル基、エチル基又はtert−ブチル基である。
また、プロトン付与性のブレンステッド酸としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリ(n−ブチル)アンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリブチルアンモニウム及びトリ(n−オクチル)アンモニウム等のトリアルキル基置換型アンモニウムカチオン;N,N−ジメチルアニリニウム、N,N−ジエチルアニリニウム、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウム、N,N−ジメチルベンジルアニリニウム等のN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン;ジ−(i−プロピル)アンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウム等のジアルキルアンモニウムカチオン;トリフェニルフォスフォニウム、トリ(メチルフェニル)フォスフォニウム、トリ(ジメチルフェニル)フォスフォニウム等のトリアリールフォスフォニウムカチオン;又はジメチルスルフォニウム、ジエチルフルフォニウム、ジフェニルスルフォニウム等が挙げられる。
本実施形態においては、活性化剤成分を単独で使用してもよいし組み合わせて使用してもよい。
本実施形態において、これらの触媒成分は、固体成分に担持して担持型触媒としても用いることが好ましい。このような固体成分としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はスチレンジビニルベンゼンのコポリマー等の多孔質高分子材料;シリカ、ジルコニア、チタニア、酸化硼素、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化バリウム、五酸化バナジウム、酸化クロム及び酸化トリウム等の周期律表第2、3、4、13及び14族元素の無機固体材料、及びそれらの混合物;並びにそれらの複酸化物から選ばれる少なくとも1種の無機固体材料が挙げられる。
より好ましい担体物質はSiO2である。担体の粒子径としては、任意の値をとることができるが、一般的には1〜3000μm、好ましくは3〜2000μm、より好ましくは5〜1000μmの範囲である。
また、SiO2担体は触媒担持操作前に前処理してもよい。具体的には高温で焼成することが挙げられる。短時間、高温で焼成乾燥することにより、SiO2上のSiOH部位に付加する水分子とシリカ細孔内の有機物、及び外表面上のSiOHを縮合を促進し、化学結合可能な担持サイトであるSiOH基をシリカ細孔内部にのみ優先して残すことができる。好ましくは500℃以上650℃未満で5.0時間以上7.0時間未満、より好ましくは650℃以上750℃未満で3.0時間以上4.0時間未満、さらに好ましくは750℃以上800℃未満で2.5時間以上3.0時間未満の範囲で焼成乾燥する。
本実施形態で用いる触媒は、特に限定されないが、例えば、担体成分(ア)に、有機アルミニウム化合物(イ)、環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物(ウ)、及び該環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物と反応して触媒活性を発現する錯体を形成可能な活性化剤(エ)を担持させることにより得ることができる。成分(イ)〜成分(エ)を担持させる方法は特に限定されないが、例えば、一般的には成分(イ)、成分(ウ)及び成分(エ)をそれぞれが溶解可能な不活性溶媒中に溶解させ、成分(ア)と混合した後、溶媒を留去する方法;成分(イ)、成分(ウ)及び成分(エ)を不活性溶媒に溶解後、固体が析出しない範囲でこれを濃縮して、次に濃縮液の全量を粒子内に保持できる量の成分(ア)を加える方法;成分(ア)に成分(イ)、及び成分(エ)をまず担持させ、ついで成分(ウ)を担持させる方法;成分(ア)に成分(イ)及び成分(エ)、及び成分(ウ)を逐次に担持する方法等が例示される。特に担体成分の細孔内への触媒の進入を促進させる担持の方法として成分(ア)に成分(イ)及び成分(エ)、及び成分(ウ)を逐次に添加し、添加毎にデカント洗浄を繰り返す担持方法等が好ましい。単一成分を逐次添加させることで、分子サイズの観点で担体細孔内部への触媒成分の進入を促進させられる。また、担体周囲に過剰に存在する触媒成分を除去し、担体外表面への触媒の担持を抑制できるため、重合成長による担体崩壊を促進できると考えられる。本実施形態において、成分(ウ)、及び成分(エ)は一般的には液体又は固体である。本実施形態では成分(イ)、成分(ウ)、成分(エ)は、担持の際、不活性溶媒に希釈して使用する場合がある。
この目的に使用する不活性溶媒としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、あるいはこれらの混合物等を挙げることができる。かかる不活性溶媒は、乾燥剤、吸着剤等を用いて、水、酸素、硫黄分等の不純物を除去して用いることが好ましい。
本実施形態において、成分(ア)1gに対し、成分(イ)はAl原子換算で1×10-5〜1×10-1モルが好ましく、より好ましくは1×10-4〜5×10-2モル、成分(ウ)は1×10-7〜1×10-3モルが好ましく、より好ましくは5×10-7〜5×10-4モル、成分(エ)は1×10-7〜1×10-3モルが好ましく、より好ましくは5×10-7〜5×10-4モルの範囲である。各成分の使用量及び担持方法は、活性、経済性、パウダー特性、及び反応器内のスケール等により決定される。得られた担持型幾何拘束型メタロセン触媒は、担体に担持されていない有機アルミニウム化合物、ボレート化合物、チタン化合物を除去することを目的に、不活性溶媒を用いでデカンテーションあるいは濾過等の方法により洗浄することもできる。
上記一連の溶解、接触、洗浄等の操作は、その単位操作毎に選択される−30℃以上150℃以下範囲の温度で行うことが推奨される。そのような温度のより好ましい範囲は、0℃以上100℃以下である。担持型幾何拘束型メタロセン触媒を得る一連の操作は、乾燥した不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
また本実施形態では、上記4つの触媒成分の他に、必要に応じて有機アルミニウム化合物を触媒成分として用いることができる。本実施形態において用いることができる有機アルミニウム化合物とは、特に限定されないが、例えば次式4で表される化合物である。
AlR16 n5 3-n (式4)
(ここで、R16は炭素数1〜12までのアルキル基、炭素数6〜20のアリール基であり、X5はハロゲン、水素又はアルコキシル基であり、アルキル基は直鎖状、分岐状又は環状であり、nは1〜3の整数である。)
ここで有機アルミニウム化合物は、上記式4で表される化合物の混合物であっても構わない。本実施形態において用いることができる有機アルミニウム化合物としては、特に限定されないが、例えば、上記式4で、R16がメチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、フェニル基、トリル基等が挙げられ、またX5としては、特に限定されないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、クロル等が挙げられる。
本実施形態において用いることができる有機アルミニウム化合物としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム等、或いはこれらの有機アルミニウムとメチルアルコール、エチルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、デシルアルコール等のアルコール類との反応生成物、例えばジメチルメトキシアルミニウム、ジエチルエトキシアルミニウム、ジブチルブトキシアルミニウム等が挙げられる。
重合法としては、特に限定されないが、例えば、懸濁重合法又は気相重合法により、エチレン又はエチレンを含む単量体を(共)重合させる方法が挙げられる。これらの中でも、重合熱を効率的に除熱できる観点から、懸濁重合法が好ましい。懸濁重合法は、媒体として不活性炭化水素媒体を用いることができ、また、単量体となるα−オレフィン自身を溶媒として用いてもよい。
上記不活性炭化水素媒体としては、特に限定されないが、例えば、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;エチレンクロライド、クロルベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;これらの混合物が挙げられる。
重合温度は、特に限定されないが、例えば、30℃以上100℃以下であることが好ましく、より好ましくは35℃以上90℃以下であり、さらに好ましくは40℃以上80℃以下である。重合温度が30℃以上であることにより、工業的に効率的な製造が可能となる傾向にある。また、重合温度が100℃以下であることにより、連続的な安定運転が可能となる傾向にある。
重合圧力は、特に限定されないが、エチレン重合体の平均粒子径の観点から、0.1MPa以上2.0MPa以下であることが好ましく、より好ましくは0.1MPa以上1.5MPa以下であり、さらに好ましくは0.1MPa以上1.0MPa以下である。
重合反応は、回分式、半連続式、及び連続式のいずれの方法においても重合することができるが、連続式で重合することが好ましい。連続式で重合することにより、エチレンガス、溶媒、触媒等を連続的に重合系内に供給し、生成したエチレン(共)重合体と共に連続的に排出することで、急激なエチレンの反応による部分的な高温状態を抑制することが可能となり、重合系内がより安定化する傾向にある。また、重合反応器に供給する前のエチレンガス、溶媒、触媒等が反応器内と同等の温度にて供給されることが、同じく系内を安定化するために好ましい。系内が均一な状態でエチレンが反応すると、ポリマー鎖中に分岐、二重結合等が生成されることを抑制できる傾向にある。また、エチレン(共)重合体の分解及び架橋によるポリエチレンパウダーの表面変形等が抑制される傾向にある。よって、重合系内がより均一となる傾向にある連続式が好ましい。
重合系内に、連鎖移動剤としての水素を、適切な濃度で添加することにより、分子量を適切な範囲で制御することが可能となる傾向にある。重合系内に水素を添加することにより、分子量制御の他に、触媒の連鎖移動を促進させ重合成長を抑制することができる傾向にある。これにより、急激なポリマー鎖の成長を抑え、いびつな粒子の生成を妨げることが可能となる傾向にある。重合系内ガス相の水素モル分率は、系全体に対して、0mol%以上3.0mol%以下であることが好ましく、0.5mol%以上2.5mol%以下であることがより好ましく、1.0mol%以上2.0mol%以下であることがさらに好ましい。
また、水素を予め触媒と接触させた後、触媒導入ラインから重合系内に添加することがより好ましい。触媒を重合系内に導入した直後は、導入ライン出口付近の触媒濃度が高く、エチレンが急激に反応することによって、部分的な高温状態になる可能性が高まる。ここで、水素と触媒を重合系内に導入する前に接触させることで、触媒の初期活性を抑制することが可能となり、急激な重合によって高温状態となったエチレン重合体の重合の初期における粒子形状の形状変化を抑制できる傾向にある。
溶媒分離方法は、デカンテーション法、遠心分離法、フィルター濾過法等によって行えるが、ポリエチレンパウダーと溶媒との分離効率が良い遠心分離法がより好ましい。遠心分離機内不活性ガスの他、触媒失活として水蒸気を供給することもできる。遠心分離機内の水蒸気量は特に限定されないが、供給流量として全ガス流量に対して10ppmV以上100ppmVが好ましい。遠心分離のプロセス内部温度は特に限定されないが、好ましくは50℃以上80℃以下、より好ましくは55℃以上75℃以下、さらに好ましくは60℃以上70℃以下である。エチレン重合体を合成するために使用した触媒の失活方法は、特に限定されないが、エチレン重合体と溶媒がある程度共存するプロセスで実施することが好ましい。エチレン重合体に含まれる金属、無機成分を物理的に外部へ分離する遠心分離工程において触媒を失活させるために薬剤を導入することで、溶媒中に残存する低分子量成分を低減し、一般に極性化合物である失活剤と残存する触媒無機化合物とが親和し、エチレン重合体内からの分離が効率的になる傾向がある。
触媒系の失活剤としては、特に限定されないが、例えば、酸素、水、アルコール類、グリコール類、フェノール類、一酸化炭素、二酸化炭素、エーテル類、カルボニル化合物、アルキン類が挙げられる。
溶媒を分離した後の乾燥温度は、特に限定されないが、エチレン重合体の表面積を制御すること等の観点から、60℃以上150℃以下であることが好ましく、より好ましくは70℃以上140℃以下であり、さらに好ましくは80℃以上130℃以下である。乾燥温度が60℃以上であることにより、効率的な乾燥が可能となる傾向にある。また、乾燥温度が150℃以下であることにより、エチレン重合体の分解及び架橋を抑制した状態で乾燥することが可能となる傾向にあり、エチレン重合体の融点以上の周囲環境にさらされず、粒子が部分的に融解することが抑制される傾向にある。また、エチレン重合体の処々での、特に外表面が溶解しながらエチレン重合体の粒子同士が衝突し、融着しながら移送されることを抑制するため、巨大分子が生成することで、平均粒子径が大きくなることが抑制される傾向にある。
〔成形体〕
本実施形態のエチレン重合体(例えば、ポリエチレンパウダー)を成形することにより成形体を得ることができる。成形体は、特に限定されないが、例えば、射出成形、押出成形、あるいはプレス成形等の方法により得ることができる、またポリエチレンのみでの溶融成形が困難になる分子量である場合も、溶剤等でゲル化させることで、一般的な各種の成形法により得ることができる。また、成形体としては、特に限定されないが、例えば、フィルム、シート、電池セパレータ用微多孔膜、焼結フィルター等が挙げられる。
〔用途〕
本実施形態のエチレン重合体は、固相延伸加工で良好な加工性を有する場合があり、さらに、大気中における浮遊微粒子の付着、沈着を阻害し得る物理的、表面性状を有する成形加工品を提供できる原料である。よって、本実施形態のエチレン重合体は、例えば、高強度が必要とされる繊維の原料や、均一な肉薄の微多孔膜構造が要求される電池セパレータの原料として好適に用いることができる。また、それら成形加工品に対して高い防汚性に由来する従来以上の長期外観の保持、樹脂劣化を抑制した長期物性安定性を提供できる傾向にある。
以下の具体的な実施例及び比較例を用いて本実施形態をさらに詳しく説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例及び比較例により何ら限定されるものではない。後述する実施例及び比較例における、各種の物性及び評価は、下記に示す方法により測定及び評価した。
(物性1)ステップスキャン式DSCの1stスキャン測定で得られる非可逆発熱成分の熱量ΔH
測定サンプルは、重合後23℃湿度60%の恒温恒湿に保った条件で保管したエチレン重合体粉末を使用した。パーキンエルマー社製のDSC(DSC8500)を使用し、ステップスキャン測定モード(サンプル重量:8mg、サンプルパン材質:アルミ製、測定温度:50〜200℃、昇温速度:10℃/分、昇温ステップ幅:1℃、等温時間:2分)により測定した。空のアルミ製サンプルパンについても前記条件にて測定し、データ解析アプリケーションpyrisを用いて温度−熱流曲線の補正を行った。補正後の温度−熱流曲線の非可逆成分において、再結晶化に起因する発熱成分の熱量ΔHを算出した。
(物性2)プレス加工されたディスク状シートのSEM−EDX分析によるMg及びAl元素の合計含有量
エチレン重合体をプレス加工してなる試験片(ディスク状シート)を試料として、株式会社日立ハイテクノロジー製卓上電子顕微鏡TM3030及びOXFORD INSTRUMENTS製エネルギー分散型X線分析装置(EDX)SwiftED3000を用いて試験片表面のMg及びAl元素量を測定した。具体的には、3グラム(g)のエチレン重合体を、厚み1.5mmの直径52mmの円形金型に充填しプレス成形機により最高温度130℃、平均圧力15MPaで10分間プレスし、その後平均圧力11MPaを維持しながら10分間25℃で冷却することで円形プレス試験片(ディスク状シート)を得た。得られた円形プレス試験片をTM3030通常モード、加速電圧15kV、拡大率300倍で観察し観察画面上が全面試験片になるよう位置調製した。その観察条件Swift3000を用いて画像を取り込み、ポイント&ID観測モード(プロセスタイム高感度、収集時間30秒)の点モードで任意の点30点を観測しMg及びAl元素の合計含有量の質量濃度(質量%)を算出した。
(物性3)粘度平均分子量(Mv)
エチレン重合体を試料として、エチレン重合体の粘度平均分子量(Mv)を、ISO1628−3(2010)に従って、以下に示す方法によって求めた。まず、溶融管にエチレン重合体(ポリエチレンパウダー)20mgを秤量し、溶融管を窒素置換した後、20mLのデカヒドロナフタレン(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを1g/L加えたもの)を加え、150℃で2時間攪拌してエチレン重合体(ポリエチレンパウダー)を溶解させた。その溶液を135℃の恒温槽で、キャノン−フェンスケ型粘度計(柴田科学器械工業(株)製:製品番号−100)を用いて、標線間の落下時間(ts)を測定した。同様に、エチレン重合体量を10mg、5mg、2mgに変えたサンプルについても、上記同様に標線間の落下時間(ts)を測定した。また、ブランクとしてエチレン重合体を入れていない、デカヒドロナフタレンのみの落下時間(tb)を測定した。下記式に従って求めた、エチレン重合体の還元粘度(ηsp/C)を、それぞれプロットして濃度(C)(単位:g/dL)とエチレン重合体の還元粘度(ηsp/C)との直線式を導き、濃度0に外挿した極限粘度([η])を求めた。
ηsp/C=(ts/tb−1)/0.1:(単位:dL/g)
次に、下記式に上記極限粘度[η]の値を用い、粘度平均分子量(Mv)を算出した。
Mv=(5.34×104)×[η]1.49
(物性4)誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)によるエチレン重合体中のMg及びAl元素の合計含有量
エチレン重合体約0.2gをテフロン(登録商標)製分解容器に秤取り、高純度硝酸を加えてマイルストーンゼネラル社製マイクロウェーブ分解装置ETHOS−TCにて加圧分解後、日本ミリポア社製超純水製造装置で精製した純水で全量を50mLとしたものを検液として使用した。上記検液に対し、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS)Xシリーズ2を使用して、内標準法でエチレン重合体中のAl及びMgの定量を行った。
(物性5)平均粒子径
エチレン重合体の平均粒子径は、JIS Z8801で規定された10種類の篩(目開き:710μm、500μm、425μm、355μm、300μm、212μm、150μm、106μm、75μm、53μm)を用いて、100gのエチレン重合体(ポリエチレンパウダー)を分級した際に得られる、各種の篩に残ったエチレン重合体(ポリエチレンパウダー)の質量を、目開きの小さい側から積分した積分曲線において、積分値が50%の質量になる粒子径を平均粒子径とした。
(物性6)固相延伸成形物の引張強度
3グラム(g)のエチレン重合体を、プレス成形機により最高温度126℃、平均圧力11MPaで10分間プレスした(冷却は11MPaを維持しながら10分間25℃で実施した。)。得られたプレスシートを140℃で前加熱し、130℃、ロール送り出し速度1m/分のロール圧延機で延伸倍率6倍になるように圧延した。圧延工程により得られたシートを切り出して、チャック間15mmとなるように引張試験機(インストロン・コーポレーション、INSTRON5564)にセットし、130℃、延伸速度30mm/分でロール圧延と同じ方向に2回の連続的な延伸工程を付し、プレスシートからの延伸倍率200倍の固相延伸成形物を得た。全延伸倍率は、延伸前及び後のフィルムの単位長さあたりの質量によって決定した。
引張強度(破断強さ)は、上記引張試験機を使用し、試験温度20℃、引張速度50mm/分の条件で延伸した際の破断点における応力と伸びから算出した。
(評価1)大気微粒子付着量評価
20グラム(g)のエチレン重合体を、東洋精機製プレス成形機により厚み0.5mmの金型で加熱プレス条件を温度140℃、平均圧力5MPaで5分間、続けて15MPaで10分間プレスした後11MPaを維持しながら10分間25℃で冷却プレスした。アンダーセンサンプラーAN200基(全天候型シェルター付)を旭化成株式会社水島製造所C地区設置の百葉箱隣に設置した。2基用意し、1基をリファレンスとし、濾紙プレート上にサイジング下ユアサ製メンブランフィルターMF40Bを、もう1基に上記で用意したプレスシートをサイジングして同じく濾紙プレート上に準備し、黄砂等の大気微粒子捕集のため7日間稼働した。稼働後、それぞれのプレート重量を測定し、設置前の重量差異を測定した。リファレンスのMF40B増加重量(ΔwR)とエチレン重合体プレスシート増加重量(ΔwP)との関係を導出し、その重量比ΔwP/ΔwRを下記評価基準により防汚性能として評価した。
(評価基準)
◎:ΔwP/ΔwR<1.1
○:1.1≦ΔwP/ΔwR<1.5
×:1.5≦ΔwP/ΔwR
[調製例1]固体触媒成分[A]
平均粒子径が10μm、表面積が800m2/g、粒子内細孔容積が1.9mL/gの球状シリカを、窒素雰囲気下、750℃で3時間焼成し、炭化物気化及び脱水した。脱水シリカの表面水酸基の量は、SiO21gあたり1.4mmol/gであった。窒素雰囲気下、容量1.8Lのオートクレーブ内で、この脱水シリカ40gをヘキサン800mL中に分散させ、スラリーを得た。得られたスラリーを攪拌下50℃に保ちながらトリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(濃度1mol/L)を80mL加え、その後2時間攪拌し、トリエチルアルミニウムとシリカの表面水酸基とを反応させ、トリエチルアルミニウム処理されたシリカと上澄み液とを含み、該トリエチルアルミニウム処理されたシリカの表面水酸基がトリエチルアルミニウムによりキャッピングされている成分[a]を得た。その後、得られた反応混合物中の上澄み液をデカンテーションによって除去することにより、上澄み液中の未反応のトリエチルアルミニウムを除去した。その後、ヘキサンを適量加え、トリエチルアルミニウム処理されたシリカのヘキサンスラリー880mLを得た。
一方、[(N−t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウム−1,3−ペンタジエン(以下、「チタニウム錯体」と記載する。)200mmolをアイソパーE[エクソンケミカル社(米国)製の炭化水素混合物の商品名]1000mLに溶解し、予めトリエチルアルミニウムとジブチルマグネシウムより合成した組成式AlMg6(C253(n−C4914の1mol/Lヘキサン溶液を20mL加え、さらにヘキサンを加えてチタニウム錯体濃度を0.1mol/Lに調製し、成分[b]を得た。
また、ビス(水素化タロウアルキル)メチルアンモニウム−トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)ボレート(以下、「ボレート」と記載する。)5.7gをトルエン50mLに添加して溶解し、ボレートの100mmol/Lトルエン溶液を得た。このボレートのトルエン溶液にエトキシジエチルアルミニウムの1mol/Lヘキサン溶液5mLを室温で加え、さらにヘキサンを加えて溶液中のボレート濃度が70mmol/Lとなるようにした。その後、室温で1時間攪拌し、ボレートを含む反応混合物[c]を得た。
ボレートを含むこの反応混合物[c]46mLを、上記で得られた成分[a]のスラリー880mLに15〜20℃で攪拌しながら加え、ボレートをシリカに担持した。その後、得られた反応混合物中の上澄み液をトルエンで1回、ヘキサンで3回デカンテーションによって除去することにより、過剰なボレートを除去した。
得られたボレートを担持したシリカのスラリーに上記で得られた成分[b]のうち32mLを加え、3時間攪拌し、チタニウム錯体とボレートとを反応させた。その後、得られた反応混合物中の上澄み液をデカンテーションによって除去することにより、触媒活性種が該シリカ上に形成されている担持型メタロセン触媒[A]を得た。
[調製例2]固体触媒成分[B]
シリカの焼成条件を600℃で5.5時間に変更した以外は調製例1と同様の手法により固体触媒成分[B]を得た。
[調製例3]固体触媒成分[C]
シリカの焼成条件を600℃で5時間、スラリー[a]に成分[b]、成分[c]を同時に30分かけて添加し3時間撹拌し、その後デカンテーションする以外は調製例1と同様の手法により固体触媒成分[C]を得た。
[調製例4]固体触媒成分[D]
シリカの焼成条件を600℃で10時間にする以外は調製例3と同様の手法により固体触媒成分[D]を得た。
[調製例5]固体触媒成分[E]
平均粒子径が30μmの凝集シリカを用いたこと以外は調製例3と同様の手法により固体触媒成分[E]を得た。
[調製例6]固体触媒成分[F]
シリカの焼成条件を600℃で5時間、スラリー[a]に成分[b]を加え3時間撹拌後、デカントし、その後成分[c]を加え1時間撹拌し、その後デカンテーションにより上澄み液を除去する以外は調製例1と同様の手法により固体触媒成分[F]を得た。
[調製例7]固体触媒成分[G]
窒素置換された8Lステンレス製オートクレーブにヘキサン1,600mLを添加した。10℃で攪拌しながら1mol/Lの四塩化チタンヘキサン溶液800mLと1mol/Lの組成式AlMg6(C4912(OSiBu2Et)5で表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液800mLとを4時間かけて同時に添加した。添加後、ゆっくりと昇温し、10℃で1時間反応を継続させた。反応終了後、上澄み液を1,600mL除去し、ヘキサン1,600mLで10回洗浄することにより、固体触媒成分[G]を調製した。この固体触媒成分1g中に含まれるチタン量は3.11mmolであった。
[実施例1]
ヘキサン、エチレン、触媒を、攪拌装置が付いたベッセル型300L重合反応器に連続的に供給した。重合温度はジャケット冷却により75℃に保った。ヘキサンは80L/時間で重合器の底部より供給した。固体触媒成分[A]と、助触媒としてトリイソブチルアルミニウムとを使用した。固体触媒成分[A]は0.22g/時間の速度で重合器の液面と底部の中間から添加し、トリイソブチルアルミニウムは10mmol/時間の速度で重合器の液面と底部の中間から固体触媒成分[A]とは別の導入ラインにより添加した。エチレンは重合器の底部より供給して重合圧力を0.35MPaに保った。ポリエチレンの製造速度は10kg/時間であった。重合スラリーは、重合反応器のレベルが一定に保たれるように連続的に圧力0.05MPa、温度65℃のフラッシュドラムに抜き、未反応のエチレンを分離した。重合スラリーは、フラッシュドラムのレベルが一定に保たれるように連続的に遠心分離機に送り、ポリマーとそれ以外の溶媒等を分離した。遠心分離機内は温度50℃、不活性窒素ガスと水蒸気合わせたフィードガス中の水蒸気量が13ppmVの運転条件を保った。分離されたエチレン重合体は、85℃、4時間で窒素ブローしながら乾燥してエチレン重合体PE1を得た。
実施例1で得られたエチレン重合体PE1については、上述した測定方法に従い、(物性1)ステップスキャン式DSCの1stスキャン測定で得られる非可逆発熱成分の熱量ΔH、(物性2)プレス加工されたディスク状シートのSEM−EDX測定によるMg及びAl元素の合計含有量、(物性3)粘度平均分子量(Mv)、(物性4)導結合プラズマ質量分析(ICP/MS)によるエチレン重合体中のMg及びAl元素の合計含有量、(物性5)平均粒子径、(物性6)固相延伸成形物の引張強度、(評価1)大気微粒子付着量を測定、評価した。その結果を表1に示す。
[実施例2]
触媒として、固体触媒成分[B]を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、エチレン重合体PE2を得た。PE2の各物性及び評価の結果を表1に示す。
[実施例3]
触媒として、固体触媒成分[C]を用いて、遠心分離装置内温度55℃、吐出ガス全量に対する水蒸気流量が20ppmVに設定したこと以外は実施例1と同様の操作により、エチレン重合体PE3を得た。PE3の各物性及び評価の結果を表1に示す。
[実施例4]
触媒として、固体触媒成分[C]を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、エチレン重合体PE4を得た。PE4の各物性及び評価の結果を表1に示す。
[実施例5]
触媒として、固体触媒成分[C]を用いて、さらに固体触媒成分[C]に対して100pmのジシクロペンタジエニルジルコニウムジクロライドとトリメチルアルミニウムの当量反応物を添加して重合すること以外は実施例1と同様の操作により、エチレン重合体PE5を得た。PE5の各物性及び評価の結果を表1に示す。
[実施例6]
触媒として、固体触媒成分[C]を用いて重合時間3kg/時間とした以外は実施例1と同様の操作により、エチレン重合体PE6を得た。PE6の各物性及び評価の結果を表1に示す。
[実施例7]
触媒として、固体触媒成分[E]を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、エチレン重合体PE7を得た。PE7の各物性及び評価の結果を表1に示す。
[実施例8]
触媒として、固体触媒成分[C]を用いて、重合系に水素ガス気相濃度が1.0mol%となるようなガス組成に変更したこと以外は実施例1と同様の操作により、エチレン重合体PE8を得た。PE8の各物性及び評価の結果を表1に示す。
[比較例1]
助触媒トリイソブチルアルミニウムの代替として東ソー・ファインケム株式会社製MMAO−3A/hex(修飾メチルアルモキサン、含Al濃度5.7質量%ヘキサン溶液MMAOを固体触媒成分[C]の200当量になるように添加したこと以外は実施例1と同様の操作により、比較例1のエチレン重合体PE9を得た。エチレン重合体PE9の各物性及び評価の結果を表1に示す。
[比較例2]
触媒として、固体触媒成分[G]を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、エチレン重合体PE10を得た。PE10の各物性及び評価の結果を表1に示す。
[比較例3]
触媒として、固体触媒成分[D]を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、エチレン重合体PE11を得た。PE11の各物性及び評価の結果を表1に示す。
[比較例4]
触媒として、固体触媒成分[F]を用いて、遠心分離装置内温度50℃、吐出ガス全量に対する水蒸気流量が8ppmVに設定したこと以外は実施例1と同様の操作により、エチレン重合体PE12を得た。PE12の各物性及び評価の結果を表1に示す。
[比較例5]
触媒として、固体触媒成分[F]を用いて、重合時間3kg/時間として、遠心分離装置内温度45℃としたこと以外は実施例1と同様の操作により、エチレン重合体PE12を得た。PE12の各物性及び評価の結果を表1に示す。
上記結果から、本実施形態に係るエチレン重合体(例えば、ポリエチレンパウダー)は、成形品の表層に無機化合物が少なく、しかも分散した状態で存在することにより黄砂等の大気浮遊微粒子の付着を抑制できることが分かる。
本実施形態のエチレン重合体は、固相延伸加工で良好な加工性を有する場合があり、さらに、大気中における浮遊微粒子の付着、沈着を阻害し得る物理的、表面性状を有する成形加工品を提供できる原料である。よって、本実施形態のエチレン重合体は、例えば、高強度が必要とされる繊維の原料や、均一な肉薄の微多孔膜構造が要求される電池セパレータの原料として好適に用いることができる。本実施形態のエチレン重合体から得られる繊維は、例えば、各種スポーツ衣料、防弾・防護衣料・防護手袋、各種安全用品等の高性能テキスタイル;タグロープ・係留ロープ、ヨットロープ、建築用ロープ等の各種ロープ製品;釣り糸、ブラインドケーブル等の各種組み紐製品;漁網・防球ネット等の網製品;化学フィルター、電池セパレーター等の補強材;各種不織布、テント等の幕材;ヘルメット、スキー板等のスポーツ用、スピーカーコーン用、プリプレグ等、産業上広範囲に応用可能であり、それら成形加工品に対して高い防汚性に由来する従来以上の長期外観の保持、樹脂劣化を抑制した長期物性安定性を提供できる可能性がある。

Claims (6)

  1. ステップスキャン式DSCの1stスキャン測定で得られる非可逆発熱成分の熱量ΔHが30J/g以上80J/g以下であり、
    下記(1)及び(2)の条件でプレス加工されたディスク状シートのSEM−EDX分析によるMg及びAl元素の合計含有量が1質量%以下である、エチレン重合体。
    (1)3gのエチレン重合体を、プレス成形機により最高温度130℃、平均圧力15MPaで10分間プレスする。
    (2)前記(1)でプレスしたエチレン重合体を、平均圧力11MPaを維持しながら10分間25℃で冷却する。
  2. 粘度平均分子量が100万以上1000万以下である、請求項1に記載のエチレン重合体。
  3. 誘導結合プラズマ質量分析(ICP/MS)によるMg及びAl元素の合計含有量が20質量ppm以下である、請求項1又は2に記載のエチレン重合体。
  4. 平均粒子径が100μm〜300μmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエチレン重合体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のエチレン重合体の成形体。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のエチレン重合体を含み、引張強度が2.0GPa以上である、延伸成形物。
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