JP2019099479A - 安定化された水稲育苗箱用粒剤 - Google Patents

安定化された水稲育苗箱用粒剤 Download PDF

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Abstract

【課題】有効成分の溶出が制御され、高温多湿条件下においても長期間にわたり製剤が固結しない保管安定性にすぐれた水稲育苗箱用粒剤の提供。【解決手段】(a)殺虫および/または殺菌活性成分、(b)アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール、(c)水膨潤性粘土、(d)HLB12以上のエチレンオキシドが付加した非イオン性界面活性剤、(e)固体担体からなる水稲育苗箱用粒剤。前記粒剤は、主に(b)と(c)の協働により、効果を発揮しうる。【選択図】なし

Description

本発明は、殺虫および/または殺菌活性成分の溶出が制御され、かつ、高温多湿条件においても長期間にわたり製剤が固結しない水稲育苗箱用粒剤に関するものである。
水稲用農薬製剤の剤型として、粒剤、粉剤、水和剤、錠剤(ジャンボ剤)、パック剤、フロアブル剤、水溶剤、液剤、乳剤等が知られている。中でも、粒剤は比較的安価に製造でき、施用時の飛散が少ない、適量の施用が容易である等の理由により広く使用されている。近年、経済性、省力化、減農薬化および薬効、薬害を網羅した製剤として、水稲育苗箱用粒剤が注目されている。その特徴は、農薬活性成分の溶出制御、長期保管安定性であり、従来、これら性質に関して以下に例示する研究がなされてきた。
溶出制御に関する技術としては以下の特許文献がある。
特開2011−006396号公報(特許文献1)では、農薬活性成分、脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体、水難溶性多糖類、及び無機物質を含むことを特徴とし、更に当該農薬組成物を混合した後、造粒してなる溶出制御型農薬粒剤が提案されている。
特開2009−298782号公報(特許文献2)では、農薬活性成分と、α化デンプンと、ベントナイトと、を含有する農薬粒剤であって、 前記農薬活性成分の20℃における水溶解度が700mg/L未満、且つ、20℃におけるオクタノール/水分配係数が1.4〜3.5の範囲内であり、α化デンプン100重量部に対する、ベントナイトの含有量が20〜800重量部であることを特徴する農薬活性成分の水中での溶出が抑制された農薬粒剤が提案されている。
国際公開2014/24625パンフレット(特許文献3)では、チキソトロピー性を有する油性成分を、農薬活性成分および担体を含む固体成分に添加し、攪拌造粒によって造粒することを特徴とする溶出制御製剤が提案されている。
特開2010−18527号公報(特許文献4)では、農薬活性成分、無機系希釈担体、水に難溶性の第一の熱可塑性材料とからなる造粒物を作製し、この造粒物を内核とし、その表面に、外層部として水溶解度が低く速放化を必要とする農薬活性成分、無機系希釈担体、水に難溶性の第二の熱可塑性材料、および崩壊剤との混合物を被覆することを特徴とする、溶出制御された農薬混合粒剤が提案されている。
特開2004−010510号公報(特許文献5)では、農薬活性成分、無機系希釈担体、水に難溶性の第一の熱可塑性材料とからなる造粒物を作製し、この造粒物を内核とし、その表面に、外層部として水溶解度が低く速放化を必要とする農薬活性成分、無機系希釈担体、水に難溶性の第二の熱可塑性材料、および崩壊剤との混合物を被覆することを特徴とする、溶出制御された農薬混合粒剤が提案されている。
特開2000−186004号公報(特許文献6)では、農薬活性成分(A)を、酢酸ビニル樹脂エマルジョンと界面活性剤(A)の混合溶液により、鉱物質粒状担体の粒核に被覆し、得られる被覆粒核に、農薬活性成分(B)、ベントナイト、ホワイトカーボン及び結合剤からなる農薬原末組成物を、水、ポリカルボン酸型アニオン界面活性剤及び界面活性剤(A)の混合溶液によって被覆したことを特徴とする溶出制御された二重被覆型農薬粒剤が提案されている。
特開2000−178102号公報(特許文献7)では、水易溶性殺虫剤原体を難水溶性の脂肪酸エステルに溶解した溶液を、吸油性粒状担体に含浸してなる溶出制御型農薬粒剤が提案されている。
特開2000−128705号公報(特許文献8)では、内核および被覆層とから構成される粒子からなり、該内核の吸油率が20以下であり、粒状農薬組成物中の内核重量に対する被覆層重量の百分率を被覆率とするとき、内核の吸油率に対する被覆率の割合が0.1〜10であることを特徴とする溶出制御された粒状農薬組成物が提案されている。
特開2000−086404号公報(特許文献9)では、内核と被覆層とから構成される粒子からなり、該内核が農薬有効成分、微粉末固体担体、粘結剤および分子量が50〜700で、常温で固体の水溶性物質を含有してなり、かつ該水溶性物質が内核中に分散されてなることを特徴とする溶出制御型農薬粒剤が提案されている。
製剤の固結防止に関する技術としては以下の特許文献がある。
特開平05−000906号公報(特許文献10)では、農薬有効成分とベントナイトを必須成分とする混合原末を、バインダーである水、または糖類、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル樹脂エマルション、アクリル系樹脂エマルション等の水溶液から成る群から選ばれた1又は2以上を用いて非崩壊性担体に被覆する溶出性制御粒剤が提案されている。
特開2015−063467号公報(特許文献11)では、粒核の表面に油状物質を結合剤として、水とベントナイトを含む粉末担体を被覆することを特徴とする、流動性に優れ、製剤の固結が改善された農薬粒剤が提案されている。
特開2014−051486号公報(特許文献12)では、粒核の表面に一次結合剤として水と水溶性の有機溶剤の混合液でベントナイトを含む粉末を被覆することを特徴とする、流動性に優れ、製剤の固結が改善された農薬粒剤が提案されている。
溶出制御に関する特許文献1〜10は製剤固結について考慮されておらず、特に、特許文献1、3〜11は製造法も複雑でありコスト面で不利である。また、製剤固結改善の先行技術である特許文献11、12は、高温多湿条件での保管まで想定されていない。以上の点から、いずれの先行技術も、溶出制御および長期保管性のバランスがとれた製剤の観点からは充分とは言い難い。
特開2011−006396号公報 特開2009−298782号公報 国際公開2014/24625パンフレット 特開2010−18527号公報 特開2004−010510号公報 特開2000−186004号公報 特開2000−178102号公報 特開2000−128705号公報 特開2000−086404号公報 特開平05−000906号公報 特開2015−063467号公報 特開2014−051486号公報
本発明は、以上のような従来の欠点に鑑み、殺菌および/または殺虫活性成分の溶出が制御され、なおかつ高温多湿条件下でも長期保管性にすぐれる水稲育苗箱用粒剤を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した。その結果、殺虫および/または殺菌活性成分、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール、水膨潤性粘土、HLB12以上のエチレンオキシドが付加した非イオン性界面活性剤からなる水稲育苗箱用粒剤が、該活性成分の溶出を制御し、高温多湿条件における保管後も製剤が固結しないことを見出した。さらには、上記水稲育苗箱用粒剤において、水膨潤性粘土がモンモリロナイトであること、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコールのケン化度が80モル%以上、平均重合度が1000以上2500以下であること、HLB12以上の非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたはポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルであること、ガラス転移点が30℃以下のアクリル樹脂を含有することがより好ましいことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の内容をその要旨とするものである。
[1](a)殺虫および/または殺菌活性成分、(b)アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール、(c)水膨潤性粘土、(d)HLB12以上のエチレンオキシドが付加した非イオン性界面活性剤、(e)固体担体からなる水稲育苗箱用粒剤。
[2](c)水膨潤性粘土がモンモリロナイトであることを特徴とする[1]に記載の水稲育苗箱用粒剤。
[3](b)アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコールのケン化度が80モル%以上、平均重合度が1000以上2500以下であることを特徴とする[1]または[2]に記載の水稲育苗箱用粒剤。
[4](d)HLB12以上のエチレンオキシドが付加した非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたはポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルであることを特徴とする[1]〜[3]に記載の水稲育苗箱用粒剤。
[5]ガラス転移点が30℃以下のアクリル樹脂を含有することを特徴とする[1]〜[4]に記載の水稲育苗箱用粒剤。
本発明の水稲育苗箱用粒剤は、農薬活性成分の溶出が制御され、持続的な放出が可能となる。また、高温多湿条件においても製剤の固結が抑制され、長期保管性に優れる。なお、製造法は押出造粒による簡便な方法であり、経済性、製造効率面でも有利である。
以下に、本発明の水稲育苗箱用粒剤についてより詳細に説明する。
<殺虫、殺菌活性成分について>
本発明で使用可能な農薬活性成分は、水稲に適用可能な殺虫活性成分、殺菌活性成分であり、このような農薬活性成分としては次のものが挙げられる。
例えば、殺虫活性成分として有機リン系(MEP、ダイアジノンなど)、カーバメート系(BPMC、カルボスルファンなど)、ピレスロイド系(シクロプロトリンなど)、ネライストキシン系(チオシクラムなど)、ネオニコチノイド系(イミダクロプリド、チアメトキサム、クロチアニジン、ジノテフランなど)、ジアミド系(フルベンジアミド、クロラントラニリプロール、シアントラニリプロールなど)、フェニルピラゾール系(フィプロニル、エチプロールなど)、スピノシン系(スピノサド、スピネトラム等)の殺虫剤、昆虫成長制御剤(テブフェノジド、クロマフェノジド、メトキシフェノジド、ブプロフェジンなど)、その他合成殺虫剤(ピメトロジンなど)などが挙げられる。
殺菌活性成分としては、例えば、無機銅類、有機銅類、無機硫黄剤、有機硫黄剤や、有機リン系(IBPなど)、メラニン生合成阻害剤(ピロキロン、トリシクラゾール、カルプロパミド、ジクロシメット、フェノキサニルなど)、ベンゾイミダゾール系(ベノミル、チオファネートメチル、ジエトフェンカルブなど)、アミド系(メプロニル、フルトラニル、フラメトピル、ペンフルフェン、フルキサピロキサド、チフルザミド、チアジニル、イソチアニルなど)、ステロール生合成阻害剤(ペフラゾエート、イプコナゾール、シメコナゾールなど)、ストロビルリン系(アゾキシストロビン、メトミノストロビン、オリサストロビンなど)、抗生物質殺菌剤(カスガマイシン、バリダマイシンなど)その他合成殺菌剤などが挙げられる。
なお、これらに含まれる個々の具体的な農薬活性成分は、例えば「農薬ハンドブック2016年版」(一般社団法人 日本植物防疫協会刊)、「SHIBUYA INDEX 13th Edition」(SHIBUYA INDEX研究会刊)、「The Pesticide Manual Sixteenth Edition」(British Crop Protection Council刊)などに記載されている。
また、本発明において使用される殺虫、殺菌活性成分としては、本発明と同様の目的を果たし、水稲育苗箱用粒剤として適用されるものであるならば、上記以外の従来公知の農薬活性成分も適用することができる。
上記農薬活性成分は、1種で用いてもよく、2種以上を併用しても何ら問題ない。また、添加量は、製剤中に、通常0.01〜60重量%、好ましくは0.05〜50重量%である。
<アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコールについて>
本発明において用いられるアンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコールは、カチオン変性ポリビニルアルコールのうち、アンモニウムカチオンを側鎖に有する変性ポリビニルアルコールである。一般的に、カチオン変性ポリビニルアルコールの機能としては、保護コロイドに由来した乳化作用、分散作用、カチオン性に由来したアニオン性を有する物質との選択的複合体形成、抗菌性等が挙げられる。また、水溶性高分子であるため、結合剤としての機能も併せ持つ。これら機能により、インクジェット印刷用コーティング剤、内添紙力増強剤、カチオンエマルジョン用乳化分散剤、高分子凝集剤、脱水剤、マイクロカプセル用壁剤、洗濯糊剤、チーズ糊付け剤、ロックウールなどの無機物のバインダー、水性塗料のバインダー、アニオン化合物のキャッチャー剤等に広く用いられている。
カチオン変性ポリビニルアルコールの側鎖として用いられるカチオン基としては、アミノ基(第1級、第2級、第3級)およびその塩、第4級アンモニウム塩基、アミド基、イミド基、等が挙げられる。つまり、本発明において用いられるアンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコールは、側鎖としてのカチオン基は、アミノ基(第1級、第2級、第3級)およびその塩、第4級アンモニウム塩基に限定される。また、当該アンモニウムカチオンと塩を形成する酸としては、例えば鉱酸又は有機酸が挙げられる。鉱酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸等が挙げられる。有機酸としては、一塩基酸(例えば、酢酸、乳酸、グルコン酸等)、二塩基酸(例えば、マレイン酸、フマル酸等)、多塩基酸(例えば、酒石酸等)等が挙げられる。
本発明の水稲育苗箱用粒剤において、該成分は、結合剤としての機能の他、水膨潤性粘土との共存により溶出制御機能および固結防止機能に奏する。発明者らはアンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコールと水膨潤性粘土が共存することで、水膨潤性粘土が保水力を増大し、乾燥後により強度が向上し、粒剤の成形性、硬度改善による溶出制御機能の付与、耐水性向上による溶出制御機能および高温多湿時の固結性を改善することを見出した。本作用は、水膨潤性粘土が吸水後に膨潤する際に何らかの形でアンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコールが複合体等の相互作用を働かせることにより生じさせたものと推測される。
本発明におけるアンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコールの側鎖としてのカチオン基は上記の機能を奏するために第4級アンモニウム塩基が好ましく、第4級アンモニウム塩基としては、例えばトリメチル−(メタクリルアミド)−アンモニウムクロライド、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロライド、3−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、3−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等の塩化物が挙げられる。
また、本発明におけるアンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコールのケン化度は70モル%以上が好ましく、より好ましくは80モル%以上である。平均重合度は、300〜3000のものが好ましく、より好ましくは、1000〜2500のものが用いられる。
本発明に使用可能なアンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコールの添加量は、製剤中に通常0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%であり、上記した中から1種類または2種類以上を使用してもよい。
これらのアンモニウム変性ポリビニルアルコールの市販品としては、以下商品名で、「ゴーセネックス(登録商標)K シリーズ(日本合成化学社製)「クラレCポリマー」(クラレ社製)等、種々のグレードのものを挙げることができる
<水膨潤性粘土について>
水膨潤性粘土は、水を添加することにより膨潤する粘土鉱物であり、水膨潤性のほか、増粘、陽イオン交換、陽イオン吸着等の機能を有し、鋳物、土木建築、化粧品、医薬品、食品等の分野で増量剤や増粘剤としての用途がある。該成分は、本発明の水稲育苗箱用粒剤において、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコールとの共存により溶出制御機能および固結防止機能を奏する。作用機構は前記のとおりである。
本発明に使用可能な水膨潤性粘土としては、例えば、モンモリロナイト、バイデライト、 サポナイト、スチーブンサイト、ヘクトライト等の層状粘土やセピオライト等の結晶状粘土が挙げられ、特に、モンモリロナイトが好ましい。
本発明に使用可能な水膨潤性粘土の添加量は、製剤中に1〜30重量%、好ましくは5〜20重量%である。
<非イオン性界面活性剤について>
本発明の水稲育苗箱用粒剤には、HLB12以上のエチレンオキシドが付加した非イオン性界面活性剤が必須である。HLBとは、Hydrophilic−Lipophilic Balanceの頭文字をとった略称であり、界面活性剤の親水性あるいは疎水性の程度を表す。本発明中に記載のHLBは、グリフィンの式より算出したものである)。この値が大きいほど親水性、小さいほど疎水性を示し、12以上のHLBは水に溶解する程度の親水性を有する。
HLB12以上のエチレンオキシドが付加した構造の非イオン性界面活性剤は、本発明の水稲育苗箱用粒剤の製造において、粒の成形性に影響し、整った形の円柱形状を形成することで溶出制御機能に寄与する。
本発明に使用可能なHLB12以上のエチレンオキシドが付加した構造の非イオン性界面活性剤としては、以下に例示するようなものが挙げられる。
例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンフェニルエーテルポリマー、ポリオキシエチレンアルキレンアリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンエチレンジアミンなどが挙げられ、特に、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルが好ましい。
本発明に使用可能な該成分の添加量は、製剤中に0.1〜3重量%、好ましくは0.2〜0.5重量%である。
<固体担体について>
本発明に使用可能な固体担体としては、以下に例示するものが挙げられる。
例えば、クレー、石英、方解石、海泡石、ドロマイト、チョーク、カオリン、パイロフィライト、セリサイト、ハロサイト、メタハロサイト、木節粘土、蛙目粘土、陶石、ジークライト、アロフェン、シラス、きら、タルク、軽石、ヘクトライト、ゼオライトおよび珪藻土等の天然鉱物質、例えば焼成クレー、パーライト、シラスバルーン、バーミキュライト、アタパルガスクレーおよび焼成珪藻土等の天然鉱物質の焼成品、例えば炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウムおよび塩化カリウム等の無機塩類、例えばブドウ糖、果糖、しょ糖および乳糖などの糖類、例えば澱粉、粉末セルロースおよびデキストリン等の多糖類、例えば尿素、尿素誘導体、安息香酸および安息香酸の塩等の有機物、例えば木粉、トウモロコシ穂軸、クルミ殻およびタバコ茎等の植物類、フライアッシュ、ホワイトカーボン等が挙げられる。
本発明に使用可能な固体担体の添加量は、製剤中に5〜95重量%であり、好ましくは10〜90重量%である。
<アクリル樹脂について>
本発明の水稲育苗箱用粒剤にはさらにガラス転移点が30℃以下のアクリル樹脂を添加することにより溶出制御機能、固結防止機能を強化する。
ガラス転移点とは樹脂のような高分子の非晶質固体に存在するものであり、低温の非晶質状態(ガラス状態)から高温の液体あるいはゴム状態に転移する境界温度を指している。すなわち、ガラス転移点30℃以下のアクリル樹脂は、常温状態で水に不溶かつ可塑性のあるゴム状態をとるため、本発明の水稲育苗箱粒剤中に添加することで、製造時においては造粒物に対する混練の効率性を向上させるだけでなく造粒物表面を平滑に整え、粒剤に対して成形性の向上および強度の向上をもたらす。これにより、粒表面においては粒表面の平滑さにより水の侵入を遅延させ、粒内部においては、十分な混練による強固な構造および水不溶性のアクリル樹脂の存在により耐水性向上、水の侵入遅延をもたらすことで溶出制御を補助すると推測される。また、粒表面の平滑さにより、粒同士の流動性が向上し、低温から高温条件、乾燥から多湿条件の広範囲にわたり粒同士の固結防止に寄与すると推測される。
本発明に使用可能な該成分の添加量は1〜10重量%、好ましくは3〜6重量%である。
<その他補助剤について>
本発明の水稲育苗箱用粒剤は、上記した必須成分の他に補助剤として、本発明の効果を失わない程度であれば以下のような成分を添加してもかまわない。
例えば、界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤および両性界面活性剤などが挙げられる。
また、陰イオン系界面活性剤としては、ナフタレンスルホン酸とホルマリンの縮合物またはその塩、アルキルナフタレンスルホン酸とホルマリンの縮合物またはその塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、ラウリル硫酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、モノアルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルリン酸塩などが挙げられる。
また、陽イオン系界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩などが挙げられる。
また、両性界面活性剤としては、ジアルキルアミノエチルベタイン、アルキルジメチルベンジルベタインなどが挙げられる。
本発明で使用可能な界面活性剤としてはこれらの例示に限られるものではなく、1種または2種以上を併用してもかまわない。製剤中の界面活性剤の含有量は0.1〜20重量%が好ましい。
補助的な結合剤としては、デキストリン(焙焼デキストリンおよび酵素変性デキストリン等)、酸分解澱粉、酸化澱粉、アルファー化澱粉、エーテル化澱粉(カルボキシメチル澱粉、ヒドロキシアルキル澱粉等)、エステル化澱粉(酢酸澱粉およびリン酸澱粉等)、架橋澱粉およびグラフト化澱粉等の加工澱粉、例えばアルギン酸ナトリウム、アラビアガム、ゼラチン、トラガントガム、ローカストビーンガムおよびカゼイン等の天然物質、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム塩、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースおよびアセチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等のが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、これらの1種または2種以上を併用しても何ら問題ない。
水稲育苗箱用粒剤中の結合剤の含有量は0.1〜10重量%が好ましい。
防腐防バイ剤としては、ソルビン酸カリウム、p−クロロ−m−キシレノール、p−オキシ安息香酸ブチル、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンなど、pH調整剤としては、塩酸、硫酸、クエン酸、リン酸、炭酸マグネシウムなど、農薬活性成分の安定化剤としては、酸化防止剤、紫外線防止剤、結晶析出防止剤などを添加してもよいが、ここに例示した補助剤に限定されるものではない。
<水稲育苗箱用粒剤の製造方法>
本発明における農薬粒剤は、押出造粒法による製造が可能であり、経済性、製造効率の面から有利である。
製造工程としては、まず殺虫および/または殺菌活性成分、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール、水膨潤性粘土、HLB12以上のエチレンオキシドが付加した非イオン性界面活性剤、固体担体さらに必要に応じて、ガラス転移点30℃以下のアクリル樹脂、および各種補助剤を添加して、ジュースミキサー、ハンマーミル、レディゲミキサーまたはリボンミキサーなどを用いて均一に混合する。この混合物に水を添加して双腕ニーダーまたはリボンミキサーなどを用いて混練する。なお、混合精度等の理由から殺虫および/または殺菌活性成分を湿式粉砕してスラリー添加する場合、混練時に水とともに添加する。
次に、この混合物をバスケット型造粒機、スクリュー式造粒機などの押出造粒機を用いて造粒する。造粒時の押出し孔径は通常0.3〜5mm、好ましくは0.5〜2mmの範囲である。得られた造粒物をマルメライザーなどで整粒した後、流動層乾燥機やベッド式乾燥機などを用いて乾燥させ、次いで篩別することにより本発明で用いられる水稲育苗箱用粒剤が得られる。
なお、溶出促進したい農薬活性成分を併用する場合、本発明の効果を失しない範囲で被覆工程を追加することも可能である。
<水稲育苗箱用粒剤の使用形態>
上記方法により製造した粒剤は、水稲育苗箱の床土混和処理、播種時および出芽直後から水田への移植直前までの期間における育苗箱内への散布が可能であり、施用量は育苗箱一枚あたり通常10〜200g、好ましくは10〜100gである。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例中の「部」とあるのは、すべて重量部の意味である。また、実施例において使用されるアンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコールは、第4級アンモニウム塩化物からなるカチオン基を側鎖に有する変性ポリビニルアルコール(第4級アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール)である。
[実施例1]
カスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度86〜90モル%、平均重合度1200)1.5部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)18.0部、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB15)0.4部、アクリル樹脂(ガラス転移点10℃)5.0部、クレー73.1部をビニール袋内で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルKIIW−1、ダルトン社製)で粉砕混合した。得られた粉体混合物を双腕ニーダー(KDHJ、ダルトン社製)に入れ、加水後15分間混練した。次に、この加水混練物を孔径1.2mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機で造粒した。得られた造粒物を整粒した後、流動層乾燥機で乾燥した。これを1700μm〜850μmで篩別して水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例2]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度86〜90モル%、平均重合度1800)1.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)15.0部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル(HLB15)0.3部、クレー81.7部とした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例3]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度81〜85モル%、平均重合度1500)1.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)16.0部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(HLB14)0.5部、アクリル樹脂(ガラス転移点30℃)5.0部、クレー74.5部としたとした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例4]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度81〜85モル%、平均重合度1900)2.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)11.0部、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー(HLB17)0.5部、クレー84.5部とした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例5]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度91〜95モル%、平均重合度1600)3.0部、サポナイト(水膨潤性粘土)19.0部、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB15)0.4部、アクリル樹脂(ガラス転移点−5℃)4.0部、クレー71.6部としたとした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例6]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度91〜65モル%、平均重合度2000)1.5部、サポナイト(水膨潤性粘土)14.0部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル(HLB15)0.3部、クレー82.2部とした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例7]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度98〜99モル%、平均重合度1200)2.5部、サポナイト(水膨潤性粘土)4.0部、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(HLB15)0.4部、アクリル樹脂(ガラス転移点10℃)6.0部、クレー85.1部とした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例8]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度98〜99モル%、平均重合度1800)2.0部、サポナイト(水膨潤性粘土)23.0部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(HLB14)0.3部、タルク72.7部とした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例9]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度86〜90モル%、平均重合度700)2.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)15.0部、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB15)0.5部、アクリル樹脂(ガラス転移点−5℃)3.0部、クレー77.5部とした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例10]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度86〜90モル%、平均重合度500)2.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)18.0部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル(HLB15)0.4部、クレー77.6部とした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例11]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度91〜95モル%、平均重合度2700)2.5部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)10.0部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(HLB14)0.3部、アクリル樹脂(ガラス転移点10℃)6.0部、クレー79.2部とした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例12]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度91〜95モル%、平均重合度2700)1.8部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)15.0部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(HLB13)0.5部、クレー80.7部とした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例13]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度71〜74モル%、平均重合度1000)2.0部、セピオライト(水膨潤性粘土)8.0部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(HLB14)0.3部、アクリル樹脂(ガラス転移点30℃)5.0部、クレー82.7部とした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例14]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度71〜74モル%、平均重合度2500)2.0部、セピオライト(水膨潤性粘土)4.0部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(HLB13)0.5部、クレー91.5部とした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例15]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度75〜78モル%、平均重合度1500)2.0部、サポナイト(水膨潤性粘土)12.0部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(HLB14)0.5部、アクリル樹脂(ガラス転移点−5℃)3.0部、クレー80.5部とした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例16]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度75〜78モル%、平均重合度2300)2.0部、サポナイト(水膨潤性粘土)15.0部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(HLB13)0.5部、クレー80.5部とした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例1]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)12.0部、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB15)0.3部、クレー85.7部とした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例2]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、ポリビニルアルコール(ケン化度86〜90モル%、平均重合度1800)3.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)20.0部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル(HLB15)0.5部、クレー74.5部とした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例3]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、アニオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度86〜90モル%、平均重合度1500)3.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)15.0部、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB15)0.3部、クレー79.7部とした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例4]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、ポリビニルピロリドン3.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)8.0部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル(HLB15)0.9部、クレー86.1部とした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例5]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、メチルセルロース3.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)20.0部、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB15)0.5部、タルク74.5部とした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例6]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、カルボキシメチルセルロースナトリウム3.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)8.0部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル(HLB15)0.3部、タルク86.7部とした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例7]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、カチオン化セルロース3.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)17.0部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル(HLB15)0.7部、タルク77.3部とした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例8]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度86〜90モル%、平均重合度1800)3.0部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(HLB14)0.7部、タルク94.3部とした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例9]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度86〜90モル%、平均重合度1800)3.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)15.0部、クレー80.0部とした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例10]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度86〜90モル%、平均重合度1800)1.8部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)18.0部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム0.6部、クレー77.6部とした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例11]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度86〜90モル%、平均重合度1800)1.2部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)12.0部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル硫酸ナトリウム0.3部、クレー84.5部とした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例12]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度81〜85モル%、平均重合度1700)1.5部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)12.0部、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB11)0.5部、カオリン84.0部とした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例13]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度81〜85モル%、平均重合度1700)2.7部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)18.0部、ソルビタン脂肪酸エステル(HLB6)0.2部、クレー77.1部とした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例14]
製剤組成をカスガマイシン(抗生物質系殺菌剤、水溶解度228000ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度91〜95モル%、平均重合度1200)3.8部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)25.0部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(HLB5)0.9部、クレー68.3部とした以外は実施例1と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例17]
ピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度86〜90モル%、平均重合度1500)1.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)12.0部、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB15)0.3部、アクリル樹脂(ガラス転移点10℃)6.0部、クレー77.7部をビニール袋内で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルKIIW−1、ダルトン社製)で粉砕混合した。得られた粉体混合物を双腕ニーダー(KDHJ、ダルトン社製)に入れ、加水後15分間混練した。次に、この加水混練物を孔径1.0mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機で造粒した。得られた造粒物を整粒した後、流動層乾燥機で乾燥した。これを1700μm〜850μmで篩別して水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例18]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度86〜90モル%、平均重合度1800)1.5部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)18.0部、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB15)0.5部、クレー77.0部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例19]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度81〜85モル%、平均重合度1500)3.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)20.0部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(HLB14)0.8部、アクリル樹脂(ガラス転移点−5℃)5.0部、クレー68.2部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例20]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度81〜85モル%、平均重合度1000)2.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)8.0部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(HLB13)0.9部、タルク86.1部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例21]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度91〜95モル%、平均重合度1200)3.5部、ヘクトライト(水膨潤性粘土)9.0部、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB15)0.4部、アクリル樹脂(ガラス転移点30℃)5.0部、クレー79.1部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例22]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度91〜95モル%、平均重合度1600)2.5部、ヘクトライト(水膨潤性粘土)22.0部、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB15)0.3部、クレー72.2部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例23]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度95〜98モル%、平均重合度1000)1.2部、サポナイト(水膨潤性粘土)10.0部、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(HLB16)0.7部、アクリル樹脂(ガラス転移点−5℃)5.0部、クレー80.1部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例24]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度95〜98モル%、平均重合度2200)2.5部、サポナイト(水膨潤性粘土)4.0部、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル(HLB13)0.5部、タルク90.0部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例25]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度86〜90モル%、平均重合度800)1.5部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)12.0部、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB15)0.7部、アクリル樹脂(ガラス転移点10℃)4.0部、クレー78.8部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例26]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度86〜90モル%、平均重合度300)3.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)20.0部、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB15)0.5部、炭酸カルシウム73.5部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例27]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度95〜98モル%、平均重合度2800)3.5部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)23.0部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(HLB14)0.4部、アクリル樹脂(ガラス転移点10℃)5.0部、クレー65.1部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例28]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度95〜98モル%、平均重合度2800)2.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)18.0部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(HLB13)0.3部、炭酸カルシウム76.7部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例29]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度71〜74モル%、平均重合度1100)1.7部、ヘクトライト(水膨潤性粘土)4.0部、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB15)0.2部、アクリル樹脂(ガラス転移点−5℃)5.0部、タルク86.1部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例30]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度71〜74モル%、平均重合度1500)2.3部、ヘクトライト(水膨潤性粘土)12.0部、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB15)0.5部、炭酸カルシウム82.2部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例31]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度75〜78モル%、平均重合度1200)2.0部、サポナイト(水膨潤性粘土)15.0部、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(HLB16)0.4部、アクリル樹脂(ガラス転移点30℃)3.0部、タルク76.6部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例32]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度75〜78モル%、平均重合度1600)3.0部、サポナイト(水膨潤性粘土)23.0部、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル(HLB13)0.8部、カオリン70.2部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例15]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)15.0部、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB15)0.5部、タルク81.5部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例16]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、ポリビニルアルコール(ケン化度86〜90モル%、平均重合度1700)3.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)18.0部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル(HLB15)0.7部、クレー75.3部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例17]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、アニオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度86〜90モル%、平均重合度1500)3.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)16.0部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル(HLB15)0.5部、クレー77.5部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例18]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、ポリアクリル酸ナトリウム3.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)12.0部、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB15)1.0部、クレー81.0部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例19]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、ヒドロキシプロピルメチルセルロース3.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)12.0部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル(HLB15)0.6部、炭酸カルシウム81.4部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例20]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、デキストリン3.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)6.0部、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB15)0.4部、クレー87.6部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例21]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、カチオン化セルロース3.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)15.0部、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB15)0.4部、タルク78.6部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例22]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度86〜90モル%、平均重合度1800)2.5部、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル(HLB13)0.2部、カオリン94.3部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例23]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度86〜90モル%、平均重合度1800)3.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)12.0部、タルク82.0部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例24]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度86〜90モル%、平均重合度1800)2.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)16.0部、アルキル硫酸ナトリウム0.5部、炭酸カルシウム78.5部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例25]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度86〜90モル%、平均重合度1800)2.5部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)20.0部、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム1.0部、クレー73.5部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例26]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度81〜85モル%、平均重合度1700)1.2部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)15.0部、ポリカルボン酸ナトリウム1.0部、クレー79.8部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例27]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度91〜95モル%、平均重合度1200)2.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)18.0部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(HLB9)0.8部、炭酸カルシウム76.2部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例28]
製剤組成をピメトロジン(殺虫剤、水溶解度290ppm)3.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度91〜95モル%、平均重合度1200)2.5部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)15.0部、塩化アルキルトリメチルアンモニウム0.3部、クレー79.2部とした以外は実施例17と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例33]
アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度86〜90モル%、平均重合度2100)2.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)10.0部、アクリル樹脂(ガラス転移点10℃)3.0部、クレー82.4部をビニール袋内で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルKIIW−1、ダルトン社製)で粉砕混合した。チフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部とポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル(HLB15)0.6部とイオン交換水3.4部を混合し、粉砕メディアとしてガラスビーズUB−1921Sを用い、ダイノミル(MULTI−LAB、シンマルエンタープライゼス製)にて体積中位粒子径(D50)が2.0μmに粉砕したスラリーを調製し、先ほど得た粉体混合物および水とともに双腕ニーダー(KDHJ、ダルトン社製)に入れ、15分間混練した。次に、この加水混練物を孔径1.0mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機で造粒した。得られた造粒物を整粒した後、流動層乾燥機で乾燥した。これを1700μm〜850μmで篩別して水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例34]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度86〜90モル%、平均重合度2500)1.8部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)16.0部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル(HLB15)0.2部、クレー80.0部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例35]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度81〜85モル%、平均重合度1700)1.5部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)9.0部、ポリオキシエチレンアルキルアミン(HLB14)0.7部、アクリル樹脂(ガラス転移点−5℃)4.0部、クレー82.8部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例36]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度81〜85モル%、平均重合度2200)4.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)24.0部、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー(HLB17)0.6部、タルク69.4部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例37]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度91〜95モル%、平均重合度1900)3.0部、セピオライト(水膨潤性粘土)6.0部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル(HLB15)0.8部、アクリル樹脂(ガラス転移点30℃)3.0部、クレー85.2部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例38]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度91〜95モル%、平均重合度2200)4.0部、セピオライト(水膨潤性粘土)10.0部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル(HLB15)1.0部、カオリン83.0部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例39]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度98〜99モル%、平均重合度1500)2.0部、ヘクトライト(水膨潤性粘土)18.0部、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド(HLB12)0.3部、アクリル樹脂(ガラス転移点10℃)6.0部、クレー71.7部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例40]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度98〜99モル%、平均重合度2000)2.5部、ヘクトライト(水膨潤性粘土)12.0部、ポリオキシエチレンアルキルアミン(HLB14)0.4部、カオリン83.1部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例41]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度91〜95モル%、平均重合度500)1.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)6.0部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル(HLB15)0.5部、アクリル樹脂(ガラス転移点10℃)3.0部、クレー87.5部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例42]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度91〜95モル%、平均重合度700)1.8部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)9.0部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル(HLB15)0.4部、クレー86.8部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例43]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度98〜99モル%、平均重合度2700)2.3部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)9.0部、ポリオキシエチレンアルキルアミン(HLB14)0.6部、アクリル樹脂(ガラス転移点10℃)5.0部、炭酸カルシウム81.1部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例44]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度98〜99モル%、平均重合度2700)1.5部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)11.0部、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー(HLB17)0.2部、クレー85.3部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例45]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度71〜74モル%、平均重合度1800)2.8部、セピオライト(水膨潤性粘土)9.0部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル(HLB15)0.7部、アクリル樹脂(ガラス転移点5℃)4.0部、クレー81.5部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例46]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度71〜74モル%、平均重合度2000)3.3部、セピオライト(水膨潤性粘土)15.0部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル(HLB15)0.6部、炭酸カルシウム79.1部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例47]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度75〜78モル%、平均重合度2000)2.4部、ヘクトライト(水膨潤性粘土)24.0部、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド(HLB12)0.9部、アクリル樹脂(ガラス転移点30℃)4.0部、クレー64.7部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[実施例48]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度75〜78モル%、平均重合度1500)2.0部、ヘクトライト(水膨潤性粘土)16.0部、ポリオキシエチレンアルキルアミン(HLB14)0.7部、タルク79.3部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例29]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)18.0部、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB15)0.3部、クレー79.7部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例30]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、ポリビニルアルコール(ケン化度95〜98モル%、平均重合度1800)3.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)12.0部、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB15)0.4部、クレー82.6部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例31]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、アニオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度95〜98モル%、平均重合度1200)3.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)10.0部、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB15)0.8部、クレー84.2部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例32]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、ポリエチレンオキシド3.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)25.0部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル(HLB15)0.4部、炭酸カルシウム69.6部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例33]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、ヒドロキシエチルセルロース3.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)5.0部、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB15)0.7部、カオリン89.3部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例34]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、α化デンプン3.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)13.0部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル(HLB15)0.8部、タルク81.2部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例35]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、カチオン化デンプン3.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)17.0部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル(HLB15)0.5部、クレー77.5部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例36]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度86〜90モル%、平均重合度1800)2.0部、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(HLB15)0.8部、炭酸カルシウム95.2部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例37]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度86〜90モル%、平均重合度1800)1.5部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)9.0部、クレー87.5部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例38]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度86〜90モル%、平均重合度1800)3.5部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)21.0部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.8部、クレー72.7部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例39]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度86〜90モル%、平均重合度1800)2.8部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)24.0部、リグニンスルホン酸ナトリウム1.0部、タルク70.2部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例40]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度81〜85モル%、平均重合度1700)3.3部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)25.0部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル(HLB9)0.6部、タルク69.1部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例41]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度81〜85モル%、平均重合度1700)2.1部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)20.0部、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル(HLB5)0.6部、カオリン75.4部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
[比較例42]
製剤組成をチフルザミド(アミド系殺菌剤、水溶解度2.07ppm)2.0部、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール(ケン化度91〜95モル%、平均重合度1200)3.0部、モンモリロナイト(水膨潤性粘土)22.0部、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム1.0部、クレー72.0部とした以外は実施例33と同様に調製し、水稲育苗箱用粒剤を得た。
次に、試験例により、本発明の水稲育苗箱用粒剤の有用性を示す。
本試験は、溶出制御能(有効成分の水中溶出性確認)ならびに長期保管安定性(長期高温多湿条件における製剤固結性確認)を評価する目的で行なった。
<有効成分の水中溶出性確認試験>
1000mL容量の共栓付き三角フラスコに3度硬水1000mLを入れ、これに上記実施例、比較例で調製した徐放性粒剤100mgを投入し、この共栓付き三角フラスコを35℃恒温室で6時間静置後にそれぞれ試験液を5ml採取した。試験液中の有効成分濃度を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)あるいはガスクロマトグラフィー(GC)などにより定量し(分解物が生成した場合には、分解物も定量し、農薬活性成分濃度に換算して合算する)、溶出率を下記式により算出した。
Figure 2019099479
溶出率(%)の値が小さい溶出制御能が良好であると評価できる。
試験結果を表1、3、5(実施例)および表2、4、6(比較例)に示した。
<長期高温多湿条件における製剤固結性確認試験>
200mL容量のトールビーカーに粒剤50gを入れ、上部を平坦にならした後、直径55mmのプラスチック製円盤を粒剤の上に乗せ、さらにサンプルにかかる荷重が50g/cmとなるようにおもりを乗せた。ビーカーを30℃相対湿度80%に調整した恒温恒湿器(ESPEC社製、LHU−114)に入れ、30日、60日、90日経過後に取出し、ビーカー内の固化程度を以下の評価基準に準じて評価した。固結がないあるいは少ないほど保管性良好な製剤であると評価できる。試験結果を表1、3、5(実施例)および表2、4、6(比較例)に示した。
Figure 2019099479
Figure 2019099479
Figure 2019099479
Figure 2019099479
Figure 2019099479
Figure 2019099479
Figure 2019099479
<表の説明>
(1)水中溶出率について
表1〜6の水中溶出試験から、水中溶出性は、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール、水膨潤性粘土、HLB12以上の非イオン性界面活性剤の有無、種類およびガラス転移点30℃以下のアクリル樹脂の添加に影響された。表1〜6において、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール、水膨潤性粘土、HLB12以上の非イオン性界面活性剤を含有する実施例1〜48は、いずれかの構成要素が除外あるいは類似品で置き換えられた比較例1〜42に比べ水中溶出率が低く抑える結果であった。また、同一の有効成分を含有する実施例(1〜16、あるいは17〜32、あるいは33〜48)の中で水中溶出性を比較すると、ケン化度80モル%以上かつ平均重合度が1000以上2500以下のアンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール、水膨潤性粘土としてモンモリロナイト、界面活性剤としてHLB12以上のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルあるいはポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル、30℃以下のアクリル樹脂の使用により水中溶出率は、より抑制される傾向であった。特に、前記した成分の全てを含有した実施例1、17、33は有効成分の溶出が、より抑制された。
(2)製剤固結性について
表1〜6の製剤固結性試験結果から、高温多湿条件における製剤固結性は、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール、水膨潤性粘土の有無、種類およびガラス転移点30℃以下のアクリル樹脂の添加に影響された。表1〜6において、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール、水膨潤性粘土を含有する実施例1〜48、比較例9〜14、23〜28、36〜42は、90日経過後においても製剤固結が認められない、あるいは実用上問題のない弱い固結に抑えられた。一方、いずれかの構成要素が除外あるいは類似品で置き換えられた比較例1〜8、15〜22、29〜35は30日あるいは60日経過後から固結が認められ、90日後には衝撃を加えても回復しないほどに固結し、実用上問題のある結果となった。また、同一の有効成分を含有する実施例(1〜16あるいは17〜32あるいは33〜48)の中で製剤固結性を比較すると、ケン化度80モル%以上かつ平均重合度が1000以上2500以下のアンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール、水膨潤性粘土としてモンモリロナイト、30℃以下のアクリル樹脂の使用により固結はより抑制される傾向であった。特に、前記した成分の全てを含有した実施例1、3、17、19、17、33、35は全く固結が認められなかった。
以上より、有効成分の溶出制御機能と、高温多湿条件という条件での長期保管後も、製剤が固結しないすぐれた保管安定性が両立した水稲育苗箱用粒剤を得るためには、殺虫および/または殺菌活性成分、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール、水膨潤性粘土、HLB12以上のエチレンオキシドが付加した非イオン性界面活性剤、固体担体を含有することが有効な手段であり、さらには、アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコールのケン化度が80モル%以上、平均重合度が1000以上2500以下とすること、水膨潤性粘土としてモンモリロナイト、HLB12以上のエチレンオキシドが付加した非イオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたはポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル、ガラス転移点が30℃以下のアクリル樹脂を含有することがより効果的な手段であることを見出した。

Claims (5)

  1. (a)殺虫および/または殺菌活性成分、(b)アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール、(c)水膨潤性粘土、(d)HLB12以上のエチレンオキシドが付加した非イオン性界面活性剤、(e)固体担体からなる水稲育苗箱用粒剤。
  2. (c)水膨潤性粘土がモンモリロナイトであることを特徴とする請求項1に記載の水稲育苗箱用粒剤。
  3. (b)アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコールのケン化度が80モル%以上、平均重合度が1000以上2500以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の水稲育苗箱用粒剤。
  4. (d)HLB12以上のエチレンオキシドが付加した非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたはポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルであることを特徴とする請求項1〜3に記載の水稲育苗箱用粒剤。
  5. ガラス転移点が30℃以下のアクリル樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜4に記載の水稲育苗箱用粒剤。
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