JP2023069503A - 製造性、保存安定性にすぐれた農薬粒剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、良好な造粒性、高収率という製造面での特長と、高温多湿かつ荷重条件下においても長期間にわたり硬度劣化および製剤固結が抑制される、すぐれた保存安定性を両立させた農薬粒剤を提供すること。【解決手段】(a)農薬活性成分、(b)鹸化度60~100モル%、平均重合度300~3000のポリビニルアルコール、(c)有機ベントナイト、(d)酸性白土および/または活性白土、(e)固体担体からなる農薬粒剤。【選択図】なし
Description
本発明は、簡便な製造法により形状が良好な粒剤が高収率で得られ、輸送、保管時の振動等により崩壊、粉立ちせず、なおかつ高温多湿かつ荷重条件においても長期間にわたり硬度劣化および製剤固結を抑制することを特徴とする農薬粒剤に関するものである。
農薬製剤の剤型として、粒剤、粉剤、水和剤、錠剤(ジャンボ剤)、パック剤、フロアブル剤、水溶剤、液剤、乳剤等が知られている。なかでも粒剤は比較的安価に製造でき、適量の施用が容易であることに加え、硬度が良好な粒剤であれば施用時の飛散が少なく、保存安定性にすぐれるため、経済面ですぐれた剤型である。このため、農薬粒剤の硬度改良に関する研究として以下に例示する研究がなされてきた。
農薬粒剤の硬度改良に関する技術としては以下の特許文献がある。
特開2009-132631号公報(特許文献1)では、重合度が100~4000、鹸化度が70~100モル%であるポリビニルアルコールにビニルピロリドンがグラフト重合した、K値が12~150である重合体を含有してなり、輸送時等の振動によっては崩壊しない硬度を有し、しかも水中に投入した時には速やかに崩壊拡散する農薬粒剤が得られる農薬粒剤組成物が提案されている。
特開2002-80305号公報(特許文献2)では、農薬成分、高吸水性樹脂、および結合材を含有し、円形度係数を0.7以上とした粒子の表面を被膜材料で被覆することにより製造され、粉化や崩壊が発生し難く、被覆操作に起因する放出機能の低下が少ない被覆農薬粒剤が提案されている。
特開平10-1403号公報(特許文献3)では、ポリビニルアルコールに1種または2種以上のビニル化合物をマイケル付加して得られる、あるいはマイケル付加したのち一部又は完全に加水分解して得られる、ノニオン変性及び/又はアニオン変性ポリビニルアルコールが配合され、輸送時の振動等によっては崩壊しない硬度を有し、しかも水中に投入した時には速やかに崩壊拡散し、農薬効果を最大限に発揮する農薬粒剤組成物が提案されている。
特開昭57-154104号公報(特許文献4)では、農薬原体および無機鉱物担体を必須成分とする組成物に、ポリビニルアルコールあるいはポリビニルアルコール変性物のモノクロール酢酸反応物を配合してなり、輸送時の振動、手荒な取扱いなどにより崩壊せず、水中に投入した場合には、速やかに崩壊拡散し、農薬効果を最大限に発揮する農薬粒剤組成物が提案されている。
上記した特許文献1~4は、いずれも硬度改良を目的としてポリビニルアルコールあるいはその類縁体が結合剤に使用されている。しかし、ポリビニルアルコールは、その親水性の高さから水分を含むと膨潤、接着性を帯び、製造時においては造粒物に良好な成形性を付与する一方で造粒物同士が団粒化し易く、製造収率が低下する課題を有する。また、保管条件に関して、粒剤の包装に使用する包材は、水分を通し易いものの経済性の面から低コストなクラフト紙を使用する場合がある。このため、一般的に粒剤を積上げ保管する倉庫保管において、季節、天候によっては高温多湿条件下、荷重がかかる保管状態となるため水分を吸収し易いポリビニルアルコールを含有する粒剤では硬度の著しい劣化および製剤固結を引き起こすといった課題も有する。このように、ポリビニルアルコールを含有した農薬粒剤は、製造性、保存安定性の面で改善の余地を残すものであった。
一方、製剤固結改良を目的とした技術としては、以下の特許文献がある。
特開2019-99479号公報(特許文献5)では、(a)殺虫および/または殺菌活性成分、(b)アンモニウムカチオン変性ポリビニルアルコール、(c)水膨潤性粘土、(d)HLB12以上のエチレンオキシドが付加した非イオン性界面活性剤、(e)固体担体からなり、有効成分の溶出が制御され、高温多湿条件下においても長期間にわたり製剤が固結しない保管安定性にすぐれた水稲育苗箱用粒剤が提案されている。
特開2005-82547号公報(特許文献6)では、(A)ベンジルアルコール及び/又はシクロヘキサノール、(B)シメトリン、及び(C)融点が70℃以下の固体もしくは液体の農薬活性成分の中から選ばれる少なくとも1種の農薬活性成分を含有し、保存中に粒剤が固結せず、その生物効果・薬害が良好な製剤が提案されている。
特開2019-156836号公報(特許文献7)では、農薬活性化合物と、20℃における3%水溶液の粘度が1~100mPa・sであるα化デンプンと、無機鉱物物質とを含み、所定の測定方法で測定された水中強度指数が0%を超え10%以下である、雨天等の状況下で機械散布する場合においても、詰まり等のトラブルの発生が抑制され、さらに、製品収率が高く、さらに生産性にすぐれる農園芸用粒状組成物が提案されている。
特開2003-12404号公報(特許文献8)では、常温で固体の農薬活性成分の粉末に少量のシリカを主成分とする無機物質を添加することによって、農薬活性成分の固結を防止して農薬の製剤、輸送、保管などの取扱を容易化する技術が提案されている。
特開2003-286105号公報(特許文献9)では、常温で展延性を有し、かつ融点以下の保存でも固結性を示す固体農薬活性成分、塩基性ホワイトカーボン、及び多孔質物質を必須原料成分することを特徴とする顆粒状水和剤。当該固体農薬活性成分と、塩基性ホワイトカーボンと多孔質物質の粒状物との混合物を共に微粉砕して得られた混合微粉を必須原料成分として配合し、農薬活性成分の種類、性状に影響を受けることなく、顆粒状水和剤の水中分散性、懸垂性を向上させた顆粒状水和剤、及びその製造方法が提案されている。
上記した特許文献5~9のうち、特許文献5は、高温多湿保管条件での製剤固結に対しての改良が提案されているが、硬度劣化の抑制、製造収率について想定されておらず、言及はない。また、特許文献6、8、9は、高温多湿条件での荷重状態における製剤固結抑制の面で不充分であり、硬度劣化抑制、製造収率について想定されておらず、言及はない。さらに、特許文献7は、製造収率の面で改良されているものの、高温多湿条件での荷重状態における製剤固結抑制の面で不充分であり、硬度劣化抑制については想定されておらず、言及はない。すなわち、いずれの特許文献においても、製造性、高温多湿条件下の保存安定性を兼ね備えた技術という観点から改善の余地が残るものであった。
なお、有機ベントナイト、酸性白土、活性白土を含有する農薬製剤に関する技術として、以下の特許文献がある。
特開2004-26705号公報(特許文献10)では、シメトリン、及びモンモリロナイトの結晶表面に脂溶性置換基を有する4級アンモニウムを変性させた親油性表面を有する有機ベントナイトを含有し、シメトリンの溶出が高度に制御され、水中でも処理後時間の経過とともに徐々に放出され、長期間にわたって効力を十分に持続できる除草・殺藻用粒剤が提案されている。
特開2004-359567号公報(特許文献11)では、(a)アルギン酸またはその塩、(b)酸性白土または活性白土、および(c)農薬活性成分を含有し、農薬活性成分の溶出性が向上する粒状組成物が提案されている。
特開2001-72515号公報(特許文献12)では、ネライストキシン誘導体またはその塩を製剤全体に対して5~30重量%含有し、さらに無機酸および酸性白土を含有し、安定性および徐放効果にすぐれる、薬害の軽減された農薬粒剤が提案されている。
上記した特許文献は、いずれも溶出制御に関する技術である。また、有機ベントナイト、酸性白土、活性白土はいずれも嵩高い特徴があり、粒剤用の増量剤としては、造粒性が悪化する、硬度が悪く粉立ちし易い、製造収率が悪いといった課題を有していた。
本発明は、以上のような従来の欠点に鑑み、高効率で製造可能であり、輸送、保管時の衝撃に耐え、高温多湿かつ荷重条件においても長期間にわたり硬度劣化および製剤固結が抑制された、保存安定性にすぐれる農薬粒剤を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した。その結果、(a)農薬活性成分、(b)鹸化度60~100モル%かつ平均重合度300~3000のポリビニルアルコール、(c)有機ベントナイト、(d)酸性白土または活性白土から選ばれる1種または2種、(e)固体担体からなる農薬粒剤が、押出造粒法により良好な形状かつ高収率で製造可能であり、調製時の硬度にすぐれ、高温多湿かつ荷重条件においても長期間にわたり硬度劣化および製剤固結が抑制されることを見出した。さらには、上記農薬粒剤において、ポリビニルアルコールの鹸化度が75~95モル%かつ平均重合度が500~2000であること、有機ベントナイトがベンジルヘキサデシルジメチルアンモニウムベントナイト、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムベントナイト、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムベントナイト、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムベントナイト、ジメチルジステアリルアンモニウムベントナイト、トリメチルステアリルアンモニウムベントナイトから選ばれる1種または2種以上であることがより好ましい条件であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の内容をその要旨とするものである。
[1](a)農薬活性成分、(b)鹸化度60~100モル%かつ平均重合度300~3000のポリビニルアルコール、(c)有機ベントナイト、(d)酸性白土および/または活性白土、(e)固体担体からなる農薬粒剤。
[2]前記(b)ポリビニルアルコールの鹸化度が75~95モル%かつ平均重合度が500~2000であることを特徴とする[1]に記載の農薬粒剤。
[3]前記(c)有機ベントナイトがベンジルヘキサデシルジメチルアンモニウムベントナイト、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムベントナイト、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムベントナイト、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムベントナイト、ジメチルジステアリルアンモニウムベントナイト、トリメチルステアリルアンモニウムベントナイトから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする[1]または[2]に記載の農薬粒剤。
[1](a)農薬活性成分、(b)鹸化度60~100モル%かつ平均重合度300~3000のポリビニルアルコール、(c)有機ベントナイト、(d)酸性白土および/または活性白土、(e)固体担体からなる農薬粒剤。
[2]前記(b)ポリビニルアルコールの鹸化度が75~95モル%かつ平均重合度が500~2000であることを特徴とする[1]に記載の農薬粒剤。
[3]前記(c)有機ベントナイトがベンジルヘキサデシルジメチルアンモニウムベントナイト、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムベントナイト、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムベントナイト、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムベントナイト、ジメチルジステアリルアンモニウムベントナイト、トリメチルステアリルアンモニウムベントナイトから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする[1]または[2]に記載の農薬粒剤。
本発明の農薬粒剤は、簡便な製造法により形状が良好な粒剤が高収率で得られるため、高効率な製造性を有する。これにより、製造時のエネルギー、廃棄物の排出も抑制され経済面、環境面で有利である。また、輸送、保管時の振動等により崩壊、粉立ちせず、使用者に対する曝露が抑制される。さらには、高温多湿条件においても長期間にわたり硬度劣化および製剤固結を抑制するため、使用者が長期間にわたり保管できることから、使用者に対しても経済面で有利である。
以下に、本発明の農薬粒剤についてより詳細に説明する。
<農薬活性成分について>
本発明で使用可能な農薬活性成分は、次のものが挙げられる。
<農薬活性成分について>
本発明で使用可能な農薬活性成分は、次のものが挙げられる。
例えば、殺虫活性成分として有機リン系(MEP、ダイアジノンなど)、カーバメート系(BPMC、カルボスルファンなど)、ピレスロイド系(シクロプロトリンなど)、ネライストキシン系(チオシクラムなど)、ネオニコチノイド系(イミダクロプリド、チアメトキサム、クロチアニジン、ジノテフランなど)、ジアミド系(フルベンジアミド、クロラントラニリプロール、シアントラニリプロールなど)、フェニルピラゾール系(フィプロニル、エチプロールなど)、スピノシン系(スピノサド、スピネトラム等)の殺虫剤、昆虫成長制御剤(テブフェノジド、クロマフェノジド、メトキシフェノジド、ブプロフェジンなど)、その他合成殺虫剤(ピメトロジン、トリフルメゾピリム、フルピリミン、ジンプロピリダズなど)などが挙げられる。
殺菌活性成分としては、例えば、無機銅類、有機銅類、無機硫黄剤、有機硫黄剤や、有機リン系(IBPなど)、メラニン生合成阻害剤(ピロキロン、トリシクラゾール、カルプロパミド、ジクロシメット、フェノキサニルなど)、ベンゾイミダゾール系(ベノミル、チオファネートメチル、ジエトフェンカルブなど)、アミド系(メプロニル、フルトラニル、フラメトピル、ペンフルフェン、フルキサピロキサド、チフルザミド、チアジニル、イソチアニルなど)、ステロール生合成阻害剤(ペフラゾエート、イプコナゾール、シメコナゾールなど)、ストロビルリン系(アゾキシストロビン、メトミノストロビン、オリサストロビンなど)、抗生物質殺菌剤(カスガマイシン、バリダマイシンなど)、その他合成殺菌剤(プロベナゾール、ジクロベンチアゾクス、トルプロカルブなど)などが挙げられる。
除草活性成分としては、例えば、フェノキシ酸系(MCPAチオエチル、MCPBエチルなど)、カーバメート系、酸アミド系(テニルクロール、ブタクロール、ブロモブチドなど)、アセトアニリド系、尿素系、スルホニル尿素系(ベンスルフロンメチル、プロピリスルフロンなど)、ベンゾフラニルアルキルスルホン酸系(ベンフレセートなど)、ピリミジルオキシ安息香酸系(ペノキススラムなど)、トリアジン系(シメトリンなど)、ダイアジン系、ダイアゾール系(ピラゾレート、ベンゾフェナップなど)、ビピリジリウム系、ジニトロアニリン系、芳香族カルボン酸系、イミダゾリノン系、脂肪酸系、有機リン系、アミノ酸系、テトラゾリノン系(フェントラザミドなど)、ジフェニルエーテル系(ビフェノックスなど)、オキサゾリジンジオン系(ペントキサゾンなど)、ニトリル系、フェニルフタルイミド系、シネオール系、インダンジオン系、ベンゾフラン系、トリアゾロピリミジン系、オキサジノン系(オキサジクロメホンなど)、アリルトリアゾリノン系、イソウラゾール系、ピリミジニルチオフタリド系、トリアゾリノン系(イプフェンカルバゾンなど)、トリケトン系(テフリルトリオン、メソトリオン、ベンゾビシクロン、フェンキノトリオンなど)、無機除草剤、生物農薬、その他合成除草剤(テトラフルピロリメット、フロルピラウキシフェンベンジル、ジメスルファゼット)などが挙げられる。
植物生長調節剤としては、例えば、エチレン系、オーキシン系、サイトカイニン系、ジベレリン系などが挙げられる。などが挙げられる。
なお、これらに含まれる個々の具体的な農薬活性成分は、例えば「農薬ハンドブック2021年版」(一般社団法人 日本植物防疫協会刊)、「SHIBUYA INDEX 13th Edition」(SHIBUYA INDEX研究会刊)、「The Pesticide Manual Sixteenth Edition」(British Crop Protection Council刊)などに記載されている。
また、本発明において使用される農薬活性成分としては、本発明と同様の目的を果たし、水面浮遊性農薬製剤として適用されるものであるならば、上記以外の従来公知または今後開発される農薬活性成分も適用することができる。
上記農薬活性成分は、1種で用いてもよく、2種以上を併用しても何ら問題ない。また、添加量は、製剤中に、通常0.01~60重量%、好ましくは0.05~50重量%である。
<ポリビニルアルコールについて>
ポリビニルアルコールは、親水性が非常に強い水溶性合成高分子であり、水分との接触により接着性を発現し、乾燥後は強固な膜状の接着層を形成することから接着剤(再湿、貼合、事務糊)、建築土木(セメント、モルタル、石膏)、無機バインダー(フェライト、ジルコニウム、アルミナ等)、合成皮革、育苗培土、農薬粒剤用結合剤等の結合剤としての用途が多い。また、水溶液時には保護コロイド機能を示すことから酢酸ビニル、アクリルエマルションの乳化重合用乳化剤、塩ビ懸濁重合用分散剤として使用される場合もある。製造法としては、一般的に酢酸ビニルモノマーを原料としたポリ酢酸ビニルへの重合反応工程、次いでポリ酢酸ビニルを酸またはアルカリで加水分解し、ポリビニルアルコールに変換する鹸化反応工程を経る方法により工業的に製造され、これら反応の条件を制御することにより水溶解性、接着性(膜強度)等の性質が多様に調製されたポリビニルアルコールを製造することが可能となる。ポリビニルアルコールには構造的な性質を表すパラメータとして、平均重合度、鹸化度がある。平均重合度は酢酸ビニル分子のつながった数を表し、重合反応条件の制御により調整される。平均重合度が高い程分子量が大きく、水溶解性の低下、接着性の強化をもたらす。一方、平均重合度が低い程分子量が小さく、水溶解性の向上、接着性の低下をもたらす。また、鹸化度は酢酸基と水酸基の合計数に対する水酸基の百分率(モル%)として表し、鹸化反応条件の制御により調整される。鹸化度の数値に応じ、鹸化度98モル%以上のほぼ水酸基しか存在しない完全鹸化型、鹸化度98モル%を下回り、水酸基と酢酸基が共存する部分鹸化型の2種に大別される。完全鹸化型は、水溶解性の低下、接着性の若干の強化をもたらし、部分鹸化型は、98~60モル%の場合、水溶解性の向上、接着性の若干の低下をもたらし、60モル%を下回る場合は疎水性が強すぎるために水に不溶となる。
ポリビニルアルコールは、親水性が非常に強い水溶性合成高分子であり、水分との接触により接着性を発現し、乾燥後は強固な膜状の接着層を形成することから接着剤(再湿、貼合、事務糊)、建築土木(セメント、モルタル、石膏)、無機バインダー(フェライト、ジルコニウム、アルミナ等)、合成皮革、育苗培土、農薬粒剤用結合剤等の結合剤としての用途が多い。また、水溶液時には保護コロイド機能を示すことから酢酸ビニル、アクリルエマルションの乳化重合用乳化剤、塩ビ懸濁重合用分散剤として使用される場合もある。製造法としては、一般的に酢酸ビニルモノマーを原料としたポリ酢酸ビニルへの重合反応工程、次いでポリ酢酸ビニルを酸またはアルカリで加水分解し、ポリビニルアルコールに変換する鹸化反応工程を経る方法により工業的に製造され、これら反応の条件を制御することにより水溶解性、接着性(膜強度)等の性質が多様に調製されたポリビニルアルコールを製造することが可能となる。ポリビニルアルコールには構造的な性質を表すパラメータとして、平均重合度、鹸化度がある。平均重合度は酢酸ビニル分子のつながった数を表し、重合反応条件の制御により調整される。平均重合度が高い程分子量が大きく、水溶解性の低下、接着性の強化をもたらす。一方、平均重合度が低い程分子量が小さく、水溶解性の向上、接着性の低下をもたらす。また、鹸化度は酢酸基と水酸基の合計数に対する水酸基の百分率(モル%)として表し、鹸化反応条件の制御により調整される。鹸化度の数値に応じ、鹸化度98モル%以上のほぼ水酸基しか存在しない完全鹸化型、鹸化度98モル%を下回り、水酸基と酢酸基が共存する部分鹸化型の2種に大別される。完全鹸化型は、水溶解性の低下、接着性の若干の強化をもたらし、部分鹸化型は、98~60モル%の場合、水溶解性の向上、接着性の若干の低下をもたらし、60モル%を下回る場合は疎水性が強すぎるために水に不溶となる。
本発明の農薬粒剤において、ポリビニルアルコールは結合剤として作用し、造粒性、硬度発現に寄与するだけでなく、後述の有機ベントナイト、酸性白土または活性白土との協奏効果により、高温多湿かつ荷重条件における硬度劣化および製剤固結抑制機能を付与する。
本発明に使用可能なポリビニルアルコールの鹸化度は60~100モル%かつ平均重合度は300~3000が好ましい。特に、混練物に良好な造粒性および造粒物同士の付着(団粒化)抑制という観点から、鹸化度75~95モル%かつ平均重合度500~2000であることがより好ましい。
本発明に使用可能なポリビニルアルコールの添加量は、製剤中に通常0.1~10重量%、好ましくは1~5重量%であり、上記した中から1種類または2種類以上を使用してもよい。
本発明に使用可能なポリビニルアルコールの添加量は、製剤中に通常0.1~10重量%、好ましくは1~5重量%であり、上記した中から1種類または2種類以上を使用してもよい。
<有機ベントナイトについて>
有機ベントナイトとは、層状構造を有する粘土鉱物ベントナイトの層間あるいは結晶表面に4級アンモニウムカチオンを吸着させた鉱物質である。その特徴は、水中では膨潤、分散せず、有機溶剤中でのみ分散、膨潤するものであり、塗料、塗膜材、印刷インキ、シーラント、化粧品、グリース等の増粘剤あるいは樹脂用のフィラーとして使用されている。一般的に、有機ベントナイトの製造は、有機修飾する4級アンモニウム塩の水溶液とベントナイトの水分散液とを攪拌混合し、ベントナイトに4級アンモニウムカチオンを吸着させた混合物の分散液とした後、混合物を洗浄、乾燥処理することにより行われる。本発明の農薬粒剤において、有機ベントナイトは後述のポリビニルアルコール、酸性白土または活性白土との協奏効果により、高温多湿かつ荷重条件における硬度劣化および製剤固結抑制機能を付与する。
有機ベントナイトとは、層状構造を有する粘土鉱物ベントナイトの層間あるいは結晶表面に4級アンモニウムカチオンを吸着させた鉱物質である。その特徴は、水中では膨潤、分散せず、有機溶剤中でのみ分散、膨潤するものであり、塗料、塗膜材、印刷インキ、シーラント、化粧品、グリース等の増粘剤あるいは樹脂用のフィラーとして使用されている。一般的に、有機ベントナイトの製造は、有機修飾する4級アンモニウム塩の水溶液とベントナイトの水分散液とを攪拌混合し、ベントナイトに4級アンモニウムカチオンを吸着させた混合物の分散液とした後、混合物を洗浄、乾燥処理することにより行われる。本発明の農薬粒剤において、有機ベントナイトは後述のポリビニルアルコール、酸性白土または活性白土との協奏効果により、高温多湿かつ荷重条件における硬度劣化および製剤固結抑制機能を付与する。
また、ベントナイトへの有機修飾の際、使用される4級アンモニウム塩としては、以下に例示するものが挙げられる。
例えば、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化ジドデシルジメチルアンモニウム、塩化ベンジルドデシルジメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ジヘキサデシルジメチルアンモニウム、塩化ベンジルヘキサデシルジメチルアンモニウム、塩化ベンジルジメチルステアリルアンモニウム、塩化ジメチルジステアリルアンモニウム、塩化トリメチルステアリルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化トリエチルベンジルアンモニウム、塩化ドデシルアンモニウム、塩化ジメチルジポリエチレンオキシドアンモニウム、塩化ジメチルジプロピレンオキシドアンモニウム、塩化ジメチルポリエチレンオキシドポリプロピレンオキシドアンモニウム、塩化ジメチルステアリルポリエチレンオキシドアンモニウム、塩化ジメチルステアリルポリプロピレンオキシドアンモニウム、塩化メチルステアリルジポリエチレンオキシドアンモニウム、塩化メチルステアリルジポリプロピレンオキシドアンモニウム、塩化ベンジルメチルジポリエチレンオキシドアンモニウム、塩化ベンジルメチルジポリプロピレンオキシドアンモニウムなどが挙げられる。
これらの中で、塩化ベンジルヘキサデシルジメチルアンモニウム、塩化ジヘキサデシルジメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルジメチルステアリルアンモニウム、塩化ジメチルジステアリルアンモニウム、塩化トリメチルステアリルアンモニウムで修飾したベンジルヘキサデシルジメチルアンモニウムベントナイト、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムベントナイト、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムベントナイト、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムベントナイト、ジメチルジステアリルアンモニウムベントナイト、トリメチルステアリルアンモニウムベントナイトが好ましい。
これらの中で、塩化ベンジルヘキサデシルジメチルアンモニウム、塩化ジヘキサデシルジメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルジメチルステアリルアンモニウム、塩化ジメチルジステアリルアンモニウム、塩化トリメチルステアリルアンモニウムで修飾したベンジルヘキサデシルジメチルアンモニウムベントナイト、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムベントナイト、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムベントナイト、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムベントナイト、ジメチルジステアリルアンモニウムベントナイト、トリメチルステアリルアンモニウムベントナイトが好ましい。
ベンジルヘキサデシルジメチルアンモニウムベントナイト、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムベントナイト、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムベントナイト、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムベントナイト、ジメチルジステアリルアンモニウムベントナイト、トリメチルステアリルアンモニウムベントナイトが、特に好ましく、ポリビニルアルコール、酸性白土または活性白土との協奏効果をより高めることを見出した。
本発明に使用可能な有機ベントナイトの添加量は、製剤中に0.5~50重量%、好ましくは2~30重量%である。
<酸性白土、活性白土について>
酸性白土とは、酸性の火山岩やその凝灰岩が地層中で風化変質により生成する、モンモリロナイトを主とする白色または灰色の粘土であり、シリカ層・アルミナ層・シリカ層からなり、電離した水酸基を有するアニオン性の三層構造内に交換性陽イオンとして水素イオンを多く内包しており、水添加により膨潤しない、水懸濁液が弱酸性を示す、吸着力、触媒作用が強いといった特徴を有し、乾燥剤あるいは油脂用脱色剤といった用途で使用される。主な産出地域は東北地方や上信越地方である。また、活性白土は、酸性白土を鉱酸処理し、一部のアルミニウムまたはマグネシウムを溶出させることで酸性白土よりも吸着性、触媒能を強化した粘土である。
酸性白土とは、酸性の火山岩やその凝灰岩が地層中で風化変質により生成する、モンモリロナイトを主とする白色または灰色の粘土であり、シリカ層・アルミナ層・シリカ層からなり、電離した水酸基を有するアニオン性の三層構造内に交換性陽イオンとして水素イオンを多く内包しており、水添加により膨潤しない、水懸濁液が弱酸性を示す、吸着力、触媒作用が強いといった特徴を有し、乾燥剤あるいは油脂用脱色剤といった用途で使用される。主な産出地域は東北地方や上信越地方である。また、活性白土は、酸性白土を鉱酸処理し、一部のアルミニウムまたはマグネシウムを溶出させることで酸性白土よりも吸着性、触媒能を強化した粘土である。
本発明の農薬粒剤において、酸性白土、活性白土は後述のポリビニルアルコール、有機ベントナイトとの協奏効果により、高温多湿かつ荷重条件における硬度劣化および製剤固結抑制機能を付与する。
本発明の農薬粒剤中に使用可能な酸性白土、活性白土の添加量は、製剤中に0.1~50重量%、好ましくは1~20重量%である。
<ポリビニルアルコール、有機ベントナイト、酸性白土または活性白土の協奏効果について>
本発明の農薬粒剤において、ポリビニルアルコール、有機ベントナイト、酸性白土または活性白土の組合せが協奏効果を発現することを見出した。すなわち、農薬粒剤を押出造粒にて製造する際、加水混練時に混練物の強度が増強されるほか、造粒物のべた付きが抑制され、良好な造粒性を有しながら高収率で農薬粒剤が得られる。また、得られた農薬粒剤は、高温多湿かつ荷重条件における保管においてもべた付きが無く、長期間にわたり硬度劣化および製剤固結を顕著に抑制する。協奏効果を発現する要因は解明されていないが、ポリビニルアルコール、有機ベントナイト、酸性白土、活性白土の性質を鑑み、以下の様な作用が推測される。
本発明の農薬粒剤において、ポリビニルアルコール、有機ベントナイト、酸性白土または活性白土の組合せが協奏効果を発現することを見出した。すなわち、農薬粒剤を押出造粒にて製造する際、加水混練時に混練物の強度が増強されるほか、造粒物のべた付きが抑制され、良好な造粒性を有しながら高収率で農薬粒剤が得られる。また、得られた農薬粒剤は、高温多湿かつ荷重条件における保管においてもべた付きが無く、長期間にわたり硬度劣化および製剤固結を顕著に抑制する。協奏効果を発現する要因は解明されていないが、ポリビニルアルコール、有機ベントナイト、酸性白土、活性白土の性質を鑑み、以下の様な作用が推測される。
本発明の農薬粒剤の製造において、加水混練工程で添加される水分が、有機ベントナイトのカチオン性粘土層の層間に侵入し、粘土層の会合構造を破壊することで、有機ベントナイトの4級アンモニウム塩が吸着したカチオン性部分がむき出しになる。また、ポリビニルアルコールも水分添加により一部溶解した状態となる。さらに、酸性白土または活性白土に関しては粘土層に水が吸着された状態となる。混練用に添加した水分中に、有機ベントナイトのカチオン性部分、ポリビニルアルコールの水酸基、酸性白土または活性白土のアニオン性粘土部分が同時に存在した状態で混練操作されることにより、ポリビニルアルコールの水酸基-酸性白土または活性白土のアニオン性粘土層-有機ベントナイトのカチオン性粘土層間で相互作用する。これにより、混練物の強度が向上し、造粒機のスクリーンから形状の良好な造粒物が押し出されたものと推測される。また、造粒物において、水に溶解した状態のポリビニルアルコールは、水酸基部分が水だけでなく有機ベントナイト、酸性白土または活性白土と相互作用するため、ポリビニルアルコール単体が水に溶解している状態と比較して水とポリビニルアルコール間の水素結合が減少あるいは阻害され、べた付きが抑制されると推測される。すなわち、形状良好かつべた付きが抑制された造粒物となり、乾燥により高収率で農薬粒剤が得られる。また、介在役であった水分が乾燥することで三成分の相互作用はより密に強化され、水分の再侵入が出来なくなるため、加湿程度の水分添加では粒内のポリビニルアルコールと接触、再溶解させることが出来ず、ポリビニルアルコールの再溶解に伴う粒の硬度劣化および製剤固結(粒同士の付着)も抑制されると推測される。
<固体担体について>
本発明に使用可能な固体担体としては、以下に例示するものが挙げられる。
例えば、クレー、石英、方解石、海泡石、ドロマイト、チョーク、カオリン、パイロフィライト、セリサイト、ハロサイト、メタハロサイト、木節粘土、蛙目粘土、陶石、ジークライト、アロフェン、シラス、きら、タルク、軽石、ヘクトライト、ゼオライトおよび珪藻土等の天然鉱物質、例えば焼成クレー、パーライト、シラスバルーン、バーミキュライト、アタパルガスクレーおよび焼成珪藻土等の天然鉱物質の焼成品、例えば炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウムおよび塩化カリウム等の無機塩類、例えばブドウ糖、果糖、しょ糖および乳糖などの糖類、例えば澱粉、粉末セルロースおよびデキストリン等の多糖類、例えば尿素、尿素誘導体、安息香酸および安息香酸の塩等の有機物、例えば木粉、トウモロコシ穂軸、クルミ殻およびタバコ茎等の植物類、フライアッシュ、ホワイトカーボン等が挙げられる。
本発明に使用可能な固体担体としては、以下に例示するものが挙げられる。
例えば、クレー、石英、方解石、海泡石、ドロマイト、チョーク、カオリン、パイロフィライト、セリサイト、ハロサイト、メタハロサイト、木節粘土、蛙目粘土、陶石、ジークライト、アロフェン、シラス、きら、タルク、軽石、ヘクトライト、ゼオライトおよび珪藻土等の天然鉱物質、例えば焼成クレー、パーライト、シラスバルーン、バーミキュライト、アタパルガスクレーおよび焼成珪藻土等の天然鉱物質の焼成品、例えば炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウムおよび塩化カリウム等の無機塩類、例えばブドウ糖、果糖、しょ糖および乳糖などの糖類、例えば澱粉、粉末セルロースおよびデキストリン等の多糖類、例えば尿素、尿素誘導体、安息香酸および安息香酸の塩等の有機物、例えば木粉、トウモロコシ穂軸、クルミ殻およびタバコ茎等の植物類、フライアッシュ、ホワイトカーボン等が挙げられる。
この中で、農薬粒剤への硬度付与および製剤固結抑制の面から、クレー、炭酸カルシウムがより好ましい。
本発明に使用可能な固体担体の添加量は、製剤中に5~95重量%であり、好ましくは10~90重量%である。
<その他補助剤について>
本発明の農薬粒剤は、上記した必須成分の他に補助剤として、本発明の効果を失わない程度であれば以下のような成分を添加してもかまわない。
本発明の農薬粒剤は、上記した必須成分の他に補助剤として、本発明の効果を失わない程度であれば以下のような成分を添加してもかまわない。
例えば、界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤および両性界面活性剤などが挙げられる。
また、陰イオン性界面活性剤としては、ナフタレンスルホン酸とホルマリンの縮合物またはその塩、アルキルナフタレンスルホン酸とホルマリンの縮合物またはその塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、ラウリル硫酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、モノアルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルリン酸塩などが挙げられる。
また、陽イオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩などが挙げられる。
また、両性界面活性剤としては、ジアルキルアミノエチルベタイン、アルキルジメチルベンジルベタインなどが挙げられる。
本発明で使用できる界面活性剤としてはこれらの例示に限られるものではなく、1種または2種以上を併用してもかまわない。製剤中の界面活性剤の含有量は0.1~20重量%が好ましい。
補助的な結合剤としては、デキストリン(焙焼デキストリンおよび酵素変性デキストリン等)、酸分解澱粉、酸化澱粉、アルファー化澱粉、エーテル化澱粉(カルボキシメチル澱粉、ヒドロキシアルキル澱粉等)、エステル化澱粉(酢酸澱粉およびリン酸澱粉等)、架橋澱粉およびグラフト化澱粉等の加工澱粉、例えばアルギン酸ナトリウム、アラビアガム、ゼラチン、トラガントガム、ローカストビーンガムおよびカゼイン等の天然物質、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム塩、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースおよびアセチルセルロース等のセルロース誘導体等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、これらの1種または2種以上を併用しても何ら問題ない。
農薬粒剤中の結合剤の含有量は0.1~10重量%が好ましい。
防腐防バイ剤としては、ソルビン酸カリウム、p-クロロ-m-キシレノール、p-オキシ安息香酸ブチル、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンなど、pH調整剤としては、塩酸、硫酸、クエン酸、リン酸、炭酸マグネシウムなど、農薬活性成分の安定化剤としては、酸化防止剤、紫外線防止剤、結晶析出防止剤などを添加してもよいが、ここに例示した補助剤に限定されるものではない。
<農薬粒剤の製造方法>
本発明における農薬粒剤は、押出造粒法により製造され、経済性、製造効率の面から有利である。
本発明における農薬粒剤は、押出造粒法により製造され、経済性、製造効率の面から有利である。
製造工程としては、農薬活性成分、ポリビニルアルコール、酸性白土または活性白土、固体担体、必要に応じて各種補助剤を添加し、ジュースミキサー、ハンマーミル、レーディゲミキサー、リボンミキサーまたはナウタミキサーなどを用いて均一に混合する。この混合物に水を添加して双腕ニーダーまたはリボンミキサーなどを用いて混練する。なお、混合精度等の理由から農薬活性成分を湿式粉砕してスラリー添加する、溶剤に溶解させた溶液を添加する、あるいはポリビニルアルコールを水に溶解させた溶液を添加する場合、混練時に水とともに添加する。
次に、この混合物をバスケット型造粒機、スクリュー式造粒機などの押出造粒機を用いて造粒する。造粒時の押出し孔径は通常0.3~5mm、好ましくは0.5~2mmの範囲である。得られた造粒物をマルメライザーまたはピンミルなどで整粒した後、流動層乾燥機やベッド式乾燥機などを用いて乾燥させ、次いで篩別することにより本発明で用いられる農薬粒剤が得られる。
<農薬粒剤の使用形態>
上記方法により製造した農薬粒剤は、公知の使用方法にしたがい水田、畑地、果樹園、芝地あるいは非農耕地などに直接散布することにより用いられる。具体的には、手撒き、散粒機、背負式動力散布機、田植同時処理用散布機、産業用無人ヘリ、産業用マルチローター等の手段、装置により茎葉散布する方法、植物の根元または側条に散布する方法、土壌に混和する方法、土壌表面に散布する方法、湛水状態で水面に散布する方法および箱処理する方法がある。
上記方法により製造した農薬粒剤は、公知の使用方法にしたがい水田、畑地、果樹園、芝地あるいは非農耕地などに直接散布することにより用いられる。具体的には、手撒き、散粒機、背負式動力散布機、田植同時処理用散布機、産業用無人ヘリ、産業用マルチローター等の手段、装置により茎葉散布する方法、植物の根元または側条に散布する方法、土壌に混和する方法、土壌表面に散布する方法、湛水状態で水面に散布する方法および箱処理する方法がある。
本発明の農薬粒剤の使用量は、含まれる農薬活性成分の種類、含量などによって異なるが、通常、10アールあたり約10~5000g、好ましくは約30~3000gである。
次に実施例で本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例中の「部」とあるのは、すべて重量部を示す。
なお、実施例中の「部」とあるのは、すべて重量部を示す。
[実施例1~56、比較例1~28]
以下の表1~8(実施例は表1、3、5、7、比較例は2、4、6、8)に記載される組成に基づき、農薬粒剤を製造した。
なお、実施例および比較例中の「部」とあるのは、すべて重量部の意味である。
また、各種農薬活性成分における農薬粒剤の詳細な製造方法は、以下の通りである。
以下の表1~8(実施例は表1、3、5、7、比較例は2、4、6、8)に記載される組成に基づき、農薬粒剤を製造した。
なお、実施例および比較例中の「部」とあるのは、すべて重量部の意味である。
また、各種農薬活性成分における農薬粒剤の詳細な製造方法は、以下の通りである。
<カスガマイシン2.0%含有殺菌粒剤>
[実施例1~14、比較例1~10]
カスガマイシン(殺菌成分)、ポリビニルアルコール(鹸化度96~98モル%、平均重合度300以外)、有機ベントナイト、酸性白土または活性白土、固体担体およびその他補助成分をビニール袋内で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルKIIW-1、ダルトン社製)で粉砕混合した。得られた粉体混合物を双腕ニーダー(KDHJ、ダルトン社製)に投入し、ポリビニルアルコール(鹸化度96~98モル%、平均重合度300)の20%水溶液および適量の水を添加後、15分間混練した。次いで、製剤2500gに相当する加水混練物を量り取り、孔径1.0mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機(バスケット型造粒機RG-C125、菊水製作所社製)で造粒した。得られた造粒物を整粒後、流動層乾燥機(ミゼットドライヤーMDB-400、ダルトン社製)で乾燥した。これを1700μm~850μmで篩別して農薬粒剤を得た。
なお、粒剤製造において、実施例1~14はいずれの工程も問題は認められなかったが、比較例1~10については加水混練物の触感および付着性が実施例と異なり、造粒性あるいは製造収率の面で問題が認められた。鹸化度60~100モル%かつ平均重合度300~3000のポリビニルアルコールの代替として、CMC-Naを使用した比較例1、平均重合度が3000を上回るポリビニルアルコールを使用した比較例4、有機ベントナイトを含有しない比較例5~7、酸性白土あるいは活性白土を含有しない比較例8~10は、加水混練物の触感が実施例と比較して塑性に乏しいものの付着性は強く、造粒機のスクリーンから排出された造粒物は、表面の傷がやや多い(造粒性の低下)、造粒物は団粒化し易い(製造収率の低下)といった問題が認められた。また、鹸化度60~100モル%かつ平均重合度300~3000のポリビニルアルコールの代替として、デキストリンを使用した比較例2、鹸化度が60モル%を下回るポリビニルアルコールを使用した比較例3は、加水混練物の触感は脆性が強く、実施例と比較して塑性が顕著に低下しており、造粒物も表面の傷が多い粒、半欠け粒が多く、乾燥後も粉立ちが認められた。
[実施例1~14、比較例1~10]
カスガマイシン(殺菌成分)、ポリビニルアルコール(鹸化度96~98モル%、平均重合度300以外)、有機ベントナイト、酸性白土または活性白土、固体担体およびその他補助成分をビニール袋内で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルKIIW-1、ダルトン社製)で粉砕混合した。得られた粉体混合物を双腕ニーダー(KDHJ、ダルトン社製)に投入し、ポリビニルアルコール(鹸化度96~98モル%、平均重合度300)の20%水溶液および適量の水を添加後、15分間混練した。次いで、製剤2500gに相当する加水混練物を量り取り、孔径1.0mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機(バスケット型造粒機RG-C125、菊水製作所社製)で造粒した。得られた造粒物を整粒後、流動層乾燥機(ミゼットドライヤーMDB-400、ダルトン社製)で乾燥した。これを1700μm~850μmで篩別して農薬粒剤を得た。
なお、粒剤製造において、実施例1~14はいずれの工程も問題は認められなかったが、比較例1~10については加水混練物の触感および付着性が実施例と異なり、造粒性あるいは製造収率の面で問題が認められた。鹸化度60~100モル%かつ平均重合度300~3000のポリビニルアルコールの代替として、CMC-Naを使用した比較例1、平均重合度が3000を上回るポリビニルアルコールを使用した比較例4、有機ベントナイトを含有しない比較例5~7、酸性白土あるいは活性白土を含有しない比較例8~10は、加水混練物の触感が実施例と比較して塑性に乏しいものの付着性は強く、造粒機のスクリーンから排出された造粒物は、表面の傷がやや多い(造粒性の低下)、造粒物は団粒化し易い(製造収率の低下)といった問題が認められた。また、鹸化度60~100モル%かつ平均重合度300~3000のポリビニルアルコールの代替として、デキストリンを使用した比較例2、鹸化度が60モル%を下回るポリビニルアルコールを使用した比較例3は、加水混練物の触感は脆性が強く、実施例と比較して塑性が顕著に低下しており、造粒物も表面の傷が多い粒、半欠け粒が多く、乾燥後も粉立ちが認められた。
[比較例11(先行技術文献5に準拠)]
カスガマイシン(殺菌成分)、カチオン変性ポリビニルアルコール(鹸化度85~88モル%、平均重合度1800)、クレー、ベントナイトおよびPOEトリスチリルフェニルエーテル(HLB:15)をビニール袋内で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルKIIW-1、ダルトン社製)で粉砕混合した。得られた粉体混合物を双腕ニーダー(KDHJ、ダルトン社製)に投入し、適宜加水した後、15分間混練した。次いで、製剤2500gに相当する加水混練物を量り取り、孔径1.0mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機(バスケット型造粒機RG-C125、菊水製作所社製)で造粒した。得られた造粒物を整粒後、流動層乾燥機(ミゼットドライヤーMDB-400、ダルトン社製)で乾燥した。これを1700μm~850μmで篩別して農薬粒剤を得た。
なお、粒剤製造において、造粒性、製造収率面で特段の問題は認められなかった。
カスガマイシン(殺菌成分)、カチオン変性ポリビニルアルコール(鹸化度85~88モル%、平均重合度1800)、クレー、ベントナイトおよびPOEトリスチリルフェニルエーテル(HLB:15)をビニール袋内で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルKIIW-1、ダルトン社製)で粉砕混合した。得られた粉体混合物を双腕ニーダー(KDHJ、ダルトン社製)に投入し、適宜加水した後、15分間混練した。次いで、製剤2500gに相当する加水混練物を量り取り、孔径1.0mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機(バスケット型造粒機RG-C125、菊水製作所社製)で造粒した。得られた造粒物を整粒後、流動層乾燥機(ミゼットドライヤーMDB-400、ダルトン社製)で乾燥した。これを1700μm~850μmで篩別して農薬粒剤を得た。
なお、粒剤製造において、造粒性、製造収率面で特段の問題は認められなかった。
[比較例12(先行技術文献7に準拠)]
カスガマイシン(殺菌成分)、クレー、アルキル硫酸Na、α化トウモロコシデンプンをビニール袋内で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルKIIW-1、ダルトン社製)で粉砕混合した。得られた粉体混合物を双腕ニーダー(KDHJ、ダルトン社製)に投入し、適宜加水した後、15分間混練した。次いで、製剤2500gに相当する加水混練物を量り取り、孔径1.0mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機(バスケット型造粒機RG-C125、菊水製作所社製)で造粒した。得られた造粒物を整粒後、流動層乾燥機(ミゼットドライヤーMDB-400、ダルトン社製)で乾燥した。これを1700μm~850μmで篩別して農薬粒剤を得た。
なお、粒剤製造において、造粒性、製造収率面で特段の問題は認められなかった。
カスガマイシン(殺菌成分)、クレー、アルキル硫酸Na、α化トウモロコシデンプンをビニール袋内で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルKIIW-1、ダルトン社製)で粉砕混合した。得られた粉体混合物を双腕ニーダー(KDHJ、ダルトン社製)に投入し、適宜加水した後、15分間混練した。次いで、製剤2500gに相当する加水混練物を量り取り、孔径1.0mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機(バスケット型造粒機RG-C125、菊水製作所社製)で造粒した。得られた造粒物を整粒後、流動層乾燥機(ミゼットドライヤーMDB-400、ダルトン社製)で乾燥した。これを1700μm~850μmで篩別して農薬粒剤を得た。
なお、粒剤製造において、造粒性、製造収率面で特段の問題は認められなかった。
<BPMC4.0%含有殺虫粒剤>
[実施例15~28、比較例13~22]
BPMC(殺虫成分)、ポリビニルアルコール、有機ベントナイト、酸性白土または活性白土、固体担体およびその他補助成分をビニール袋内で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルKIIW-1、ダルトン社製)で粉砕混合した。得られた粉体混合物を双腕ニーダー(KDHJ、ダルトン社製)に投入し、適宜加水した後、15分間混練した。次いで、製剤2500gに相当する加水混練物を量り取り、孔径0.8mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機(バスケット型造粒機RG-C125、菊水製作所社製)で造粒した。得られた造粒物を整粒後、流動層乾燥機(ミゼットドライヤーMDB-400、ダルトン社製)で乾燥した。これを1400μm~500μmで篩別して農薬粒剤を得た。
なお、粒剤製造において、実施例15~28はいずれの工程も問題は認められなかったが、比較例13~22については加水混練物の触感および付着性が実施例と異なり、造粒性あるいは製造収率の面で問題が認められた。鹸化度60~100モル%かつ平均重合度300~3000のポリビニルアルコールの代替として、CMC-Naを使用した比較例13、平均重合度が3000を上回るポリビニルアルコールを使用した比較例16、有機ベントナイトを含有しない比較例17~19、酸性白土あるいは活性白土を含有しない比較例20~22は、加水混練物の触感が実施例と比較して塑性に乏しいものの付着性は強く、造粒機のスクリーンから排出された造粒物は、表面の傷がやや多い(造粒性の低下)、造粒物は団粒化し易い(製造収率の低下)といった問題が認められた。また、鹸化度60~100モル%かつ平均重合度300~3000のポリビニルアルコールの代替として、デキストリンを使用した比較例14、鹸化度が60モル%を下回るポリビニルアルコールを使用した比較例15は、加水混練物の触感は脆性が強く、実施例と比較して塑性が顕著に低下しており、造粒物も表面の傷が多い粒、半欠け粒が多く、乾燥後も粉立ちが認められた。
[実施例15~28、比較例13~22]
BPMC(殺虫成分)、ポリビニルアルコール、有機ベントナイト、酸性白土または活性白土、固体担体およびその他補助成分をビニール袋内で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルKIIW-1、ダルトン社製)で粉砕混合した。得られた粉体混合物を双腕ニーダー(KDHJ、ダルトン社製)に投入し、適宜加水した後、15分間混練した。次いで、製剤2500gに相当する加水混練物を量り取り、孔径0.8mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機(バスケット型造粒機RG-C125、菊水製作所社製)で造粒した。得られた造粒物を整粒後、流動層乾燥機(ミゼットドライヤーMDB-400、ダルトン社製)で乾燥した。これを1400μm~500μmで篩別して農薬粒剤を得た。
なお、粒剤製造において、実施例15~28はいずれの工程も問題は認められなかったが、比較例13~22については加水混練物の触感および付着性が実施例と異なり、造粒性あるいは製造収率の面で問題が認められた。鹸化度60~100モル%かつ平均重合度300~3000のポリビニルアルコールの代替として、CMC-Naを使用した比較例13、平均重合度が3000を上回るポリビニルアルコールを使用した比較例16、有機ベントナイトを含有しない比較例17~19、酸性白土あるいは活性白土を含有しない比較例20~22は、加水混練物の触感が実施例と比較して塑性に乏しいものの付着性は強く、造粒機のスクリーンから排出された造粒物は、表面の傷がやや多い(造粒性の低下)、造粒物は団粒化し易い(製造収率の低下)といった問題が認められた。また、鹸化度60~100モル%かつ平均重合度300~3000のポリビニルアルコールの代替として、デキストリンを使用した比較例14、鹸化度が60モル%を下回るポリビニルアルコールを使用した比較例15は、加水混練物の触感は脆性が強く、実施例と比較して塑性が顕著に低下しており、造粒物も表面の傷が多い粒、半欠け粒が多く、乾燥後も粉立ちが認められた。
[比較例23(先行技術文献5に準拠)]
BPMC(殺虫成分)、カチオン変性ポリビニルアルコール(鹸化度85~88モル%、平均重合度1800)、クレー、ベントナイト、ホワイトカーボンおよびPOEトリスチリルフェニルエーテル(HLB:15)をビニール袋内で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルKIIW-1、ダルトン社製)で粉砕混合した。得られた粉体混合物を双腕ニーダー(KDHJ、ダルトン社製)に投入し、適宜加水した後、15分間混練した。次いで、製剤2500gに相当する加水混練物を量り取り、孔径0.8mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機(バスケット型造粒機RG-C125、菊水製作所社製)で造粒した。得られた造粒物を整粒後、流動層乾燥機(ミゼットドライヤーMDB-400、ダルトン社製)で乾燥した。これを1400μm~500μmで篩別して農薬粒剤を得た。
なお、粒剤製造において、造粒性、製造収率面で特段の問題は認められなかった。
BPMC(殺虫成分)、カチオン変性ポリビニルアルコール(鹸化度85~88モル%、平均重合度1800)、クレー、ベントナイト、ホワイトカーボンおよびPOEトリスチリルフェニルエーテル(HLB:15)をビニール袋内で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルKIIW-1、ダルトン社製)で粉砕混合した。得られた粉体混合物を双腕ニーダー(KDHJ、ダルトン社製)に投入し、適宜加水した後、15分間混練した。次いで、製剤2500gに相当する加水混練物を量り取り、孔径0.8mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機(バスケット型造粒機RG-C125、菊水製作所社製)で造粒した。得られた造粒物を整粒後、流動層乾燥機(ミゼットドライヤーMDB-400、ダルトン社製)で乾燥した。これを1400μm~500μmで篩別して農薬粒剤を得た。
なお、粒剤製造において、造粒性、製造収率面で特段の問題は認められなかった。
[比較例24(先行技術文献7に準拠)]
BPMC(殺虫成分)、クレー、アルキル硫酸Na、α化トウモロコシデンプンをビニール袋内で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルKIIW-1、ダルトン社製)で粉砕混合した。得られた粉体混合物を双腕ニーダー(KDHJ、ダルトン社製)に投入し、適宜加水した後、15分間混練した。次いで、製剤2500gに相当する加水混練物を量り取り、孔径0.8mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機(バスケット型造粒機RG-C125、菊水製作所社製)で造粒した。得られた造粒物を整粒後、流動層乾燥機(ミゼットドライヤーMDB-400、ダルトン社製)で乾燥した。これを1400μm~500μmで篩別して農薬粒剤を得た。
なお、粒剤製造において、造粒性、製造収率面で特段の問題は認められなかった。
BPMC(殺虫成分)、クレー、アルキル硫酸Na、α化トウモロコシデンプンをビニール袋内で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルKIIW-1、ダルトン社製)で粉砕混合した。得られた粉体混合物を双腕ニーダー(KDHJ、ダルトン社製)に投入し、適宜加水した後、15分間混練した。次いで、製剤2500gに相当する加水混練物を量り取り、孔径0.8mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機(バスケット型造粒機RG-C125、菊水製作所社製)で造粒した。得られた造粒物を整粒後、流動層乾燥機(ミゼットドライヤーMDB-400、ダルトン社製)で乾燥した。これを1400μm~500μmで篩別して農薬粒剤を得た。
なお、粒剤製造において、造粒性、製造収率面で特段の問題は認められなかった。
<チフルザミド3.0%+イミダクロプリド2.0%含有殺菌殺虫粒剤>
[実施例29~42、比較例25~34]
イミダクロプリド(殺虫成分)、ポリビニルアルコール(鹸化度96~98モル%、平均重合度1800以外)、有機ベントナイト、酸性白土または活性白土、固体担体およびその他補助成分(アルキル硫酸Na以外)をビニール袋内で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルKIIW-1、ダルトン社製)で粉砕混合した。また、チフルザミド(殺菌成分)、アルキル硫酸Na、適量の水を混合し、粉砕メディアとしてガラスビーズUB-1921Sを用い、ダイノミル(MULTI-LAB、シンマルエンタープライゼス製)にて体積中位粒子径(D50)が2.5μmに粉砕したスラリーを調製し、先ほど得た粉体混合物、ポリビニルアルコール(鹸化度96~98モル%、平均重合度1800)の15%水溶液、適量の水とともに双腕ニーダー(KDHJ、ダルトン社製)に投入し、15分間混練した。次いで、製剤2500gに相当する加水混練物を量り取り、孔径0.9mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機(バスケット型造粒機RG-C125、菊水製作所社製)で造粒した。得られた造粒物を整粒後、流動層乾燥機(ミゼットドライヤーMDB-400、ダルトン社製)で乾燥した。これを1400μm~500μmで篩別して農薬粒剤を得た。
なお、粒剤製造において、実施例29~42はいずれの工程も問題は認められなかったが、比較例25~34については加水混練物の触感および付着性が実施例と異なり、造粒性あるいは製造収率の面で問題が認められた。鹸化度60~100モル%かつ平均重合度300~3000のポリビニルアルコールの代替として、CMC-Naを使用した比較例25、平均重合度が3000を上回るポリビニルアルコールを使用した比較例28、有機ベントナイトを含有しない比較例29~31、酸性白土あるいは活性白土を含有しない比較例32~34は、加水混練物の触感が実施例と比較して塑性に乏しいものの付着性は強く、造粒機のスクリーンから排出された造粒物は、表面の傷がやや多い(造粒性の低下)、造粒物は団粒化し易い(製造収率の低下)といった問題が認められた。また、鹸化度60~100モル%かつ平均重合度300~3000のポリビニルアルコールの代替として、デキストリンを使用した比較例26、鹸化度が60モル%を下回るポリビニルアルコールを使用した比較例27は、加水混練物の触感は脆性が強く、実施例と比較して塑性が顕著に低下しており、造粒物も表面の傷が多い粒、半欠け粒が多く、乾燥後も粉立ちが認められた。
[実施例29~42、比較例25~34]
イミダクロプリド(殺虫成分)、ポリビニルアルコール(鹸化度96~98モル%、平均重合度1800以外)、有機ベントナイト、酸性白土または活性白土、固体担体およびその他補助成分(アルキル硫酸Na以外)をビニール袋内で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルKIIW-1、ダルトン社製)で粉砕混合した。また、チフルザミド(殺菌成分)、アルキル硫酸Na、適量の水を混合し、粉砕メディアとしてガラスビーズUB-1921Sを用い、ダイノミル(MULTI-LAB、シンマルエンタープライゼス製)にて体積中位粒子径(D50)が2.5μmに粉砕したスラリーを調製し、先ほど得た粉体混合物、ポリビニルアルコール(鹸化度96~98モル%、平均重合度1800)の15%水溶液、適量の水とともに双腕ニーダー(KDHJ、ダルトン社製)に投入し、15分間混練した。次いで、製剤2500gに相当する加水混練物を量り取り、孔径0.9mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機(バスケット型造粒機RG-C125、菊水製作所社製)で造粒した。得られた造粒物を整粒後、流動層乾燥機(ミゼットドライヤーMDB-400、ダルトン社製)で乾燥した。これを1400μm~500μmで篩別して農薬粒剤を得た。
なお、粒剤製造において、実施例29~42はいずれの工程も問題は認められなかったが、比較例25~34については加水混練物の触感および付着性が実施例と異なり、造粒性あるいは製造収率の面で問題が認められた。鹸化度60~100モル%かつ平均重合度300~3000のポリビニルアルコールの代替として、CMC-Naを使用した比較例25、平均重合度が3000を上回るポリビニルアルコールを使用した比較例28、有機ベントナイトを含有しない比較例29~31、酸性白土あるいは活性白土を含有しない比較例32~34は、加水混練物の触感が実施例と比較して塑性に乏しいものの付着性は強く、造粒機のスクリーンから排出された造粒物は、表面の傷がやや多い(造粒性の低下)、造粒物は団粒化し易い(製造収率の低下)といった問題が認められた。また、鹸化度60~100モル%かつ平均重合度300~3000のポリビニルアルコールの代替として、デキストリンを使用した比較例26、鹸化度が60モル%を下回るポリビニルアルコールを使用した比較例27は、加水混練物の触感は脆性が強く、実施例と比較して塑性が顕著に低下しており、造粒物も表面の傷が多い粒、半欠け粒が多く、乾燥後も粉立ちが認められた。
[比較例35(先行技術文献5に準拠)]
イミダクロプリド(殺虫成分)、カチオン変性ポリビニルアルコール(鹸化度85~88モル%、平均重合度1800)、クレー、ベントナイト、焼成珪藻土およびPOEトリスチリルフェニルエーテル(HLB:15)部をビニール袋内で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルKIIW-1、ダルトン社製)で粉砕混合した。また、チフルザミド(殺菌成分)、アルキル硫酸Na、適量の水を混合し、粉砕メディアとしてガラスビーズUB-1921Sを用い、ダイノミル(MULTI-LAB、シンマルエンタープライゼス製)にて体積中位粒子径(D50)が2.5μmに粉砕したスラリーを調製し、先ほど得た粉体混合物および水とともに双腕ニーダー(KDHJ、ダルトン社製)に投入し、15分間混練した。次いで、製剤2500gに相当する加水混練物を量り取り、孔径0.9mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機(バスケット型造粒機RG-C125、菊水製作所社製)で造粒した。得られた造粒物を整粒後、流動層乾燥機(ミゼットドライヤーMDB-400、ダルトン社製)で乾燥した。これを1400μm~500μmで篩別して農薬粒剤を得た。
なお、粒剤製造において、造粒性、製造収率面で特段の問題は認められなかった。
イミダクロプリド(殺虫成分)、カチオン変性ポリビニルアルコール(鹸化度85~88モル%、平均重合度1800)、クレー、ベントナイト、焼成珪藻土およびPOEトリスチリルフェニルエーテル(HLB:15)部をビニール袋内で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルKIIW-1、ダルトン社製)で粉砕混合した。また、チフルザミド(殺菌成分)、アルキル硫酸Na、適量の水を混合し、粉砕メディアとしてガラスビーズUB-1921Sを用い、ダイノミル(MULTI-LAB、シンマルエンタープライゼス製)にて体積中位粒子径(D50)が2.5μmに粉砕したスラリーを調製し、先ほど得た粉体混合物および水とともに双腕ニーダー(KDHJ、ダルトン社製)に投入し、15分間混練した。次いで、製剤2500gに相当する加水混練物を量り取り、孔径0.9mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機(バスケット型造粒機RG-C125、菊水製作所社製)で造粒した。得られた造粒物を整粒後、流動層乾燥機(ミゼットドライヤーMDB-400、ダルトン社製)で乾燥した。これを1400μm~500μmで篩別して農薬粒剤を得た。
なお、粒剤製造において、造粒性、製造収率面で特段の問題は認められなかった。
[比較例36(先行技術文献7に準拠)]
イミダクロプリド(殺虫成分)、クレー、α化トウモロコシデンプンをビニール袋内で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルKIIW-1、ダルトン社製)で粉砕混合した。また、チフルザミド(殺菌成分)、アルキル硫酸Na、適量の水を混合し、粉砕メディアとしてガラスビーズUB-1921Sを用い、ダイノミル(MULTI-LAB、シンマルエンタープライゼス製)にて体積中位粒子径(D50)が2.5μmに粉砕したスラリーを調製し、先ほど得た粉体混合物および水とともに双腕ニーダー(KDHJ、ダルトン社製)に投入し、15分間混練した。次いで、製剤2500gに相当する加水混練物を量り取り、孔径0.9mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機(バスケット型造粒機RG-C125、菊水製作所社製)で造粒した。得られた造粒物を整粒後、流動層乾燥機(ミゼットドライヤーMDB-400、ダルトン社製)で乾燥した。これを1400μm~500μmで篩別して農薬粒剤を得た。
なお、粒剤製造において、造粒性、製造収率面で特段の問題は認められなかった。
イミダクロプリド(殺虫成分)、クレー、α化トウモロコシデンプンをビニール袋内で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルKIIW-1、ダルトン社製)で粉砕混合した。また、チフルザミド(殺菌成分)、アルキル硫酸Na、適量の水を混合し、粉砕メディアとしてガラスビーズUB-1921Sを用い、ダイノミル(MULTI-LAB、シンマルエンタープライゼス製)にて体積中位粒子径(D50)が2.5μmに粉砕したスラリーを調製し、先ほど得た粉体混合物および水とともに双腕ニーダー(KDHJ、ダルトン社製)に投入し、15分間混練した。次いで、製剤2500gに相当する加水混練物を量り取り、孔径0.9mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機(バスケット型造粒機RG-C125、菊水製作所社製)で造粒した。得られた造粒物を整粒後、流動層乾燥機(ミゼットドライヤーMDB-400、ダルトン社製)で乾燥した。これを1400μm~500μmで篩別して農薬粒剤を得た。
なお、粒剤製造において、造粒性、製造収率面で特段の問題は認められなかった。
<イプフェンカルバゾン2.5%+ベンフレセート5.0%除草粒剤>
[実施例43~56、比較例37~46]
ベンフレセート(除草成分)、ポリビニルアルコール(鹸化度96~98モル%、平均重合度1700以外)、有機ベントナイト、酸性白土または活性白土、固体担体およびその他補助成分(アルキル硫酸Na以外)をビニール袋内で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルKIIW-1、ダルトン社製)で粉砕混合した。また、イプフェンカルバゾン(除草成分)、アルキル硫酸Na、適量の水を混合し、粉砕メディアとしてガラスビーズUB-1921Sを用い、ダイノミル(MULTI-LAB、シンマルエンタープライゼス製)にて体積中位粒子径(D50)が1.0μmに粉砕したスラリーを調製し、先ほど得た粉体混合物、ポリビニルアルコール(鹸化度96~98モル%、平均重合度1700)の15%水溶液、適量の水とともに双腕ニーダー(KDHJ、ダルトン社製)に投入し、15分間混練した。次いで、製剤2500gに相当する加水混練物を量り取り、孔径1.2mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機(バスケット型造粒機RG-C125、菊水製作所社製)で造粒した。得られた造粒物を整粒後、流動層乾燥機(ミゼットドライヤーMDB-400、ダルトン社製)で乾燥した。これを1700μm~850μmで篩別して農薬粒剤を得た。
なお、粒剤製造において、実施例43~56はいずれの工程も問題は認められなかったが、比較例37~46については加水混練物の触感および付着性が実施例と異なり、造粒性あるいは製造収率の面で問題が認められた。鹸化度60~100モル%かつ平均重合度300~3000のポリビニルアルコールの代替として、CMC-Naを使用した比較例37、平均重合度が3000を上回るポリビニルアルコールを使用した比較例40、有機ベントナイトを含有しない比較例41~43、酸性白土あるいは活性白土を含有しない比較例44~46は、加水混練物の触感が実施例と比較して塑性に乏しいものの付着性は強く、造粒機のスクリーンから排出された造粒物は、表面の傷がやや多い(造粒性の低下)、造粒物は団粒化し易い(製造収率の低下)といった問題が認められた。また、鹸化度60~100モル%かつ平均重合度300~3000のポリビニルアルコールの代替として、デキストリンを使用した比較例38、鹸化度が60モル%を下回るポリビニルアルコールを使用した比較例39は、加水混練物の触感は脆性が強く、実施例と比較して塑性が顕著に低下しており、造粒物も表面の傷が多い粒、半欠け粒が多く、乾燥後も粉立ちが認められた。
[実施例43~56、比較例37~46]
ベンフレセート(除草成分)、ポリビニルアルコール(鹸化度96~98モル%、平均重合度1700以外)、有機ベントナイト、酸性白土または活性白土、固体担体およびその他補助成分(アルキル硫酸Na以外)をビニール袋内で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルKIIW-1、ダルトン社製)で粉砕混合した。また、イプフェンカルバゾン(除草成分)、アルキル硫酸Na、適量の水を混合し、粉砕メディアとしてガラスビーズUB-1921Sを用い、ダイノミル(MULTI-LAB、シンマルエンタープライゼス製)にて体積中位粒子径(D50)が1.0μmに粉砕したスラリーを調製し、先ほど得た粉体混合物、ポリビニルアルコール(鹸化度96~98モル%、平均重合度1700)の15%水溶液、適量の水とともに双腕ニーダー(KDHJ、ダルトン社製)に投入し、15分間混練した。次いで、製剤2500gに相当する加水混練物を量り取り、孔径1.2mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機(バスケット型造粒機RG-C125、菊水製作所社製)で造粒した。得られた造粒物を整粒後、流動層乾燥機(ミゼットドライヤーMDB-400、ダルトン社製)で乾燥した。これを1700μm~850μmで篩別して農薬粒剤を得た。
なお、粒剤製造において、実施例43~56はいずれの工程も問題は認められなかったが、比較例37~46については加水混練物の触感および付着性が実施例と異なり、造粒性あるいは製造収率の面で問題が認められた。鹸化度60~100モル%かつ平均重合度300~3000のポリビニルアルコールの代替として、CMC-Naを使用した比較例37、平均重合度が3000を上回るポリビニルアルコールを使用した比較例40、有機ベントナイトを含有しない比較例41~43、酸性白土あるいは活性白土を含有しない比較例44~46は、加水混練物の触感が実施例と比較して塑性に乏しいものの付着性は強く、造粒機のスクリーンから排出された造粒物は、表面の傷がやや多い(造粒性の低下)、造粒物は団粒化し易い(製造収率の低下)といった問題が認められた。また、鹸化度60~100モル%かつ平均重合度300~3000のポリビニルアルコールの代替として、デキストリンを使用した比較例38、鹸化度が60モル%を下回るポリビニルアルコールを使用した比較例39は、加水混練物の触感は脆性が強く、実施例と比較して塑性が顕著に低下しており、造粒物も表面の傷が多い粒、半欠け粒が多く、乾燥後も粉立ちが認められた。
[比較例47(先行技術文献5に準拠)]
ベンフレセート(除草成分)、カチオン変性ポリビニルアルコール(鹸化度85~88モル%、平均重合度1800)、炭酸カルシウム、ベントナイト、ホワイトカーボンおよびPOEトリスチリルフェニルエーテル(HLB:15)部をビニール袋内で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルKIIW-1、ダルトン社製)で粉砕混合した。また、イプフェンカルバゾン(除草成分)、アルキル硫酸Na、適量の水を混合し、粉砕メディアとしてガラスビーズUB-1921Sを用い、ダイノミル(MULTI-LAB、シンマルエンタープライゼス製)にて体積中位粒子径(D50)が1.0μmに粉砕したスラリーを調製し、先ほど得た粉体混合物および水とともに双腕ニーダー(KDHJ、ダルトン社製)に投入し、15分間混練した。次いで、製剤2500gに相当する加水混練物を量り取り、孔径1.2mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機(バスケット型造粒機RG-C125、菊水製作所社製)で造粒した。得られた造粒物を整粒後、流動層乾燥機(ミゼットドライヤーMDB-400、ダルトン社製)で乾燥した。これを1700μm~850μmで篩別して農薬粒剤を得た。
なお、粒剤製造において、造粒性、製造収率面で特段の問題は認められなかった。
ベンフレセート(除草成分)、カチオン変性ポリビニルアルコール(鹸化度85~88モル%、平均重合度1800)、炭酸カルシウム、ベントナイト、ホワイトカーボンおよびPOEトリスチリルフェニルエーテル(HLB:15)部をビニール袋内で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルKIIW-1、ダルトン社製)で粉砕混合した。また、イプフェンカルバゾン(除草成分)、アルキル硫酸Na、適量の水を混合し、粉砕メディアとしてガラスビーズUB-1921Sを用い、ダイノミル(MULTI-LAB、シンマルエンタープライゼス製)にて体積中位粒子径(D50)が1.0μmに粉砕したスラリーを調製し、先ほど得た粉体混合物および水とともに双腕ニーダー(KDHJ、ダルトン社製)に投入し、15分間混練した。次いで、製剤2500gに相当する加水混練物を量り取り、孔径1.2mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機(バスケット型造粒機RG-C125、菊水製作所社製)で造粒した。得られた造粒物を整粒後、流動層乾燥機(ミゼットドライヤーMDB-400、ダルトン社製)で乾燥した。これを1700μm~850μmで篩別して農薬粒剤を得た。
なお、粒剤製造において、造粒性、製造収率面で特段の問題は認められなかった。
[比較例48(先行技術文献7に準拠)]
ベンフレセート(除草成分)、クレー、ホワイトカーボン、α化トウモロコシデンプンをビニール袋内で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルKIIW-1、ダルトン社製)で粉砕混合した。また、イプフェンカルバゾン(除草成分)、アルキル硫酸Na、適量の水を混合し、粉砕メディアとしてガラスビーズUB-1921Sを用い、ダイノミル(MULTI-LAB、シンマルエンタープライゼス製)にて体積中位粒子径(D50)が1.0μmに粉砕したスラリーを調製し、先ほど得た粉体混合物および水とともに双腕ニーダー(KDHJ、ダルトン社製)に投入し、15分間混練した。次いで、製剤2500gに相当する加水混練物を量り取り、孔径1.2mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機(バスケット型造粒機RG-C125、菊水製作所社製)で造粒した。得られた造粒物を整粒後、流動層乾燥機(ミゼットドライヤーMDB-400、ダルトン社製)で乾燥した。これを1700μm~850μmで篩別して農薬粒剤を得た。
なお、粒剤製造において、造粒性、製造収率面で特段の問題は認められなかった。
ベンフレセート(除草成分)、クレー、ホワイトカーボン、α化トウモロコシデンプンをビニール袋内で粗混合後、ハンマーミル(サンプルミルKIIW-1、ダルトン社製)で粉砕混合した。また、イプフェンカルバゾン(除草成分)、アルキル硫酸Na、適量の水を混合し、粉砕メディアとしてガラスビーズUB-1921Sを用い、ダイノミル(MULTI-LAB、シンマルエンタープライゼス製)にて体積中位粒子径(D50)が1.0μmに粉砕したスラリーを調製し、先ほど得た粉体混合物および水とともに双腕ニーダー(KDHJ、ダルトン社製)に投入し、15分間混練した。次いで、製剤2500gに相当する加水混練物を量り取り、孔径1.2mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機(バスケット型造粒機RG-C125、菊水製作所社製)で造粒した。得られた造粒物を整粒後、流動層乾燥機(ミゼットドライヤーMDB-400、ダルトン社製)で乾燥した。これを1700μm~850μmで篩別して農薬粒剤を得た。
なお、粒剤製造において、造粒性、製造収率面で特段の問題は認められなかった。
次に、試験例により、本発明の農薬粒剤の有用性を示す。
本試験は、製造性(造粒性、製造収率)および保存安定性(調製時の硬度、高温多湿かつ荷重条件保管後の硬度、製剤固結性)を評価する目的で行なった。
本試験は、製造性(造粒性、製造収率)および保存安定性(調製時の硬度、高温多湿かつ荷重条件保管後の硬度、製剤固結性)を評価する目的で行なった。
<粒剤の造粒性評価>
粒剤製造時、加水混練物を押出造粒機にてスクリーンから排出し、得られた造粒物の造粒性について、下記基準に基づき評価を行った。
粒剤製造時、加水混練物を押出造粒機にてスクリーンから排出し、得られた造粒物の造粒性について、下記基準に基づき評価を行った。
<製造収率の確認>
所望の粒度区分の篩にて篩別した粒剤の収量(g)を電子天秤にて計測後、下式より製造収率を算出し、下記基準に基づき評価を行った。
所望の粒度区分の篩にて篩別した粒剤の収量(g)を電子天秤にて計測後、下式より製造収率を算出し、下記基準に基づき評価を行った。
<粒剤の硬度評価試験>
硬度については全農法(全国農業協同組合連合会が規定する農薬製剤物理性試験法)に則り測定を行った。以下に概要を示す。
1)粒剤を500μm目開きの標準網篩で充分に篩別し、網上の残渣がほとんど落ちなくなったものを試料とした。
2)試料100gを精秤し、直径30±2mm、重量35±3gの磁性玉3個(総重量105g)の入ったボールミル用磁性ポット(内径100mm、内深100mm)に入れた。
3)このボールミル用磁性ポットを可変ローラーの上に設置し、75回転/1分間の回転速度で正しく15分間回転させた。
4)磁性ポットから試料を取り出し、500μmの標準篩にて充分に篩別し、篩を通過した微粉重量を精秤後、下式より硬度(崩壊率)を算出した。
硬度については全農法(全国農業協同組合連合会が規定する農薬製剤物理性試験法)に則り測定を行った。以下に概要を示す。
1)粒剤を500μm目開きの標準網篩で充分に篩別し、網上の残渣がほとんど落ちなくなったものを試料とした。
2)試料100gを精秤し、直径30±2mm、重量35±3gの磁性玉3個(総重量105g)の入ったボールミル用磁性ポット(内径100mm、内深100mm)に入れた。
3)このボールミル用磁性ポットを可変ローラーの上に設置し、75回転/1分間の回転速度で正しく15分間回転させた。
4)磁性ポットから試料を取り出し、500μmの標準篩にて充分に篩別し、篩を通過した微粉重量を精秤後、下式より硬度(崩壊率)を算出した。
なお、輸送時、保管時あるいは散布時の衝撃による粉立ち抑制の面から、硬度は10%以下、好ましくは5%以下とする必要がある。硬度が10%を上回ると農薬使用者への曝露、周辺環境へのドリフトといった問題が生じる。
<長期高温多湿条件における製剤固結性および硬度評価試験>
2Pクラフト袋(底面寸法が6cm×12cm)に粒剤1kgを充填、包装した。包装の上部を平坦にならし、その上部に6cm×12cmのプラスチック板を敷き、5.4kg分の重りをプラスチック版全体に均等になる様に乗せ、粒剤に荷重が75g/cm2となるようにおもりを乗せた。包装を35℃相対湿度80%に調整した恒温恒湿器(ESPEC社製、LHU-114)に入れ、90日経過後に取出し、包装内の粒の固化程度を以下の評価基準に準じて評価した。
2Pクラフト袋(底面寸法が6cm×12cm)に粒剤1kgを充填、包装した。包装の上部を平坦にならし、その上部に6cm×12cmのプラスチック板を敷き、5.4kg分の重りをプラスチック版全体に均等になる様に乗せ、粒剤に荷重が75g/cm2となるようにおもりを乗せた。包装を35℃相対湿度80%に調整した恒温恒湿器(ESPEC社製、LHU-114)に入れ、90日経過後に取出し、包装内の粒の固化程度を以下の評価基準に準じて評価した。
固結がないあるいは少ないほど、硬度の崩壊率が小さいほど保存安定性にすぐれた製剤であると評価できる。
試験結果を表1、3、5、7(実施例)および表2、4、6、8(比較例)に示した。
<表の説明>
表1~8の試験結果から、製造性(造粒性、製造収率)、保存安定性(調製時の硬度および高温多湿かつ荷重条件保管後の硬度劣化、製剤固結抑制)は、ポリビニルアルコール、有機ベントナイト、酸性白土または活性白土の配合がこれら全ての効果発現に必須であることが証明された。表1~8において、当該成分を全て含有する実施例1~56は全ての評価項目において実用性の高いすぐれた結果を示し、必須成分を一つでも含有しない比較例1~10、13~22、25~34、37~46は、製造性あるいは保存安定性のいずれかの項目で問題のある結果となり、実施例1~56は、比較例1~10、13~22、25~34、37~46に対して製造性あるいは保存安定性の面で優位性を示した。すなわち、本結果は、鹸化度60~100モル%かつ平均重合度300~3000のポリビニルアルコール、有機ベントナイト、酸性白土または活性白土のいずれかを含有しない場合は、造粒性、製造収率、硬度劣化抑制、製剤固結抑制の全ての機能を発現することが不可能であり、これら成分の同時配合による協奏効果があることが示された。また、先行技術文献5、7に基づき製造した比較例11、12、23、24、35、36、47、48に対しても、実施例1~56は保存安定性面ですぐれた結果を示した。
表1~8の試験結果から、製造性(造粒性、製造収率)、保存安定性(調製時の硬度および高温多湿かつ荷重条件保管後の硬度劣化、製剤固結抑制)は、ポリビニルアルコール、有機ベントナイト、酸性白土または活性白土の配合がこれら全ての効果発現に必須であることが証明された。表1~8において、当該成分を全て含有する実施例1~56は全ての評価項目において実用性の高いすぐれた結果を示し、必須成分を一つでも含有しない比較例1~10、13~22、25~34、37~46は、製造性あるいは保存安定性のいずれかの項目で問題のある結果となり、実施例1~56は、比較例1~10、13~22、25~34、37~46に対して製造性あるいは保存安定性の面で優位性を示した。すなわち、本結果は、鹸化度60~100モル%かつ平均重合度300~3000のポリビニルアルコール、有機ベントナイト、酸性白土または活性白土のいずれかを含有しない場合は、造粒性、製造収率、硬度劣化抑制、製剤固結抑制の全ての機能を発現することが不可能であり、これら成分の同時配合による協奏効果があることが示された。また、先行技術文献5、7に基づき製造した比較例11、12、23、24、35、36、47、48に対しても、実施例1~56は保存安定性面ですぐれた結果を示した。
なお、実施例の中でも特に鹸化度75~95モル%、平均重合度500~2000のポリビニルアルコールを使用した実施例6~8、20~22、34~36、48~50は、製造性および保存安定性が向上し、有機ベントナイトとしてベンジルヘキサデシルジメチルアンモニウムベントナイト、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムベントナイト、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムベントナイト、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムベントナイト、ジメチルジステアリルアンモニウムベントナイト、トリメチルステアリルアンモニウムベントナイトを使用した実施例9~11、23~25、37~39、51~53は、製造性の中の製造収率、および保存安定性が向上した。特に、いずれの成分も含有する実施例12~14、26~28、40~42、54~56は、製造性、保存安定性の両面において最もすぐれる結果であった。
以上より、良好な造粒性、高い製造収率、製剤硬度、高温多湿かつ荷重条件長期保管後も、硬度劣化および製剤固結抑制といった特長を兼ね備えた、製造性、保存安定性を両立した農薬粒剤を得るためには、農薬活性成分、鹸化度60~100モル%のポリビニルアルコール、有機ベントナイト、酸性白土または活性白土、固体担体を含有することが有効な手段であり、さらには、ポリビニルアルコールの鹸化度が75~95モル%、平均重合度が500~2000であること、有機ベントナイトがベンジルヘキサデシルジメチルアンモニウムベントナイト、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムベントナイト、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムベントナイト、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムベントナイト、ジメチルジステアリルアンモニウムベントナイト、トリメチルステアリルアンモニウムベントナイトから選ばれる1種または2種以上であることがより効果的な手段であることを見出した。
Claims (3)
- (a)農薬活性成分、(b)鹸化度60~100モル%かつ平均重合度300~3000のポリビニルアルコール、(c)有機ベントナイト、(d)酸性白土および/または活性白土、(e)固体担体からなる農薬粒剤。
- (b)前記ポリビニルアルコールの鹸化度が75~95モル%かつ平均重合度が500~2000であることを特徴とする請求項1に記載の農薬粒剤。
- (c)前記有機ベントナイトがベンジルヘキサデシルジメチルアンモニウムベントナイト、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムベントナイト、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムベントナイト、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムベントナイト、ジメチルジステアリルアンモニウムベントナイト、トリメチルステアリルアンモニウムベントナイトから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の農薬粒剤。
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JP2021181394A JP2023069503A (ja) | 2021-11-05 | 2021-11-05 | 製造性、保存安定性にすぐれた農薬粒剤 |
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