JP7303639B2 - 含浸型放出制御農薬粒剤 - Google Patents
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Description
このような放出制御粒剤として、脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体や、各種樹脂等の疎水性材料を基材として用いて練り込み造粒するもの(特許文献1~4)、農薬活性成分を含有する液体をマイクロカプセル化するもの(特許文献5)、農薬活性成分を含有する顆粒を被覆するもの(特許文献6~8)、ワックスのエマルションと撥水性粉末をコーティング後、加熱乾燥するもの(特許文献9)、非吸油性粒状担体に農薬活性成分とエポキシ樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂によって被覆するものや(特許文献10)、これらの樹脂を溶剤に希釈して含浸後、溶剤を減圧下で除去するもの(特許文献11)、吸油性鉱物質核粒に農薬活性成分を含浸吸着させた後、アルギン酸ナトリウム水溶液を含浸し、次いで塩化カルシウム処理後、加熱乾燥するもの(特許文献12)がある。しかし、特許文献1~4のような練り込み造粒や、特許文献6~9のような被覆後の乾燥が必要なものは、通気下の加熱工程があるため、蒸気圧の高い農薬活性成分は製造過程で揮散による消失が問題となる。また、特許文献10のような熱硬化性樹脂による被覆は概ね樹脂主剤の粘度が高いため、少量ずつ被覆しなくてはならず、被覆工程が煩雑となるばかりか、粒同士が接着する現象(団粒)が生じて所望の製剤が得られないといった問題があった。さらに、特許文献11、12では含浸工程で使用する溶剤や水を取り除く工程で減圧下にて加熱する必要があり、有効成分の分解や消失の問題があり、使用できる有効成分に限りがあった。
(1) 農薬活性成分(a)及び反応硬化型エポキシ樹脂(b)を含有する混合物が吸油性核粒(c)に含浸した含浸型放出制御農薬粒剤。
(2) 農薬活性成分(a)及び反応硬化型エポキシ樹脂(b)を含有する混合物が反応性硬化型エポキシ樹脂(b)が硬化した状態で吸油性核粒(c)内に存在する(1)に記載の含浸型放出制御農薬粒剤。
(3) 吸油性核粒(c)がクレー、タルク、白土、珪藻土、ゼオライト、二酸化チタン、非晶質二酸化珪素、バーミキュライト、セリサイト、アタパルジャイト、パーライト、セピオライト、珪砂、ケイ酸カルシウム、アパタイト、アルミナ、炭酸カルシウムの中から選ばれる1つ以上の非膨潤性粉体と、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、ベントナイト、ポリビニルアルコールの中から選ばれる1種以上の膨潤性粉末を含む(1)又は(2)に記載の含浸型放出制御農薬粒剤。
(4) 成分含有割合が、農薬活性成分(a)0.5~30質量%、反応硬化型エポキシ樹脂(b)0.5~30質量%及び吸油性核粒(c)60~99.0質量%を含有する(1)~(3)のいずれか一項に記載の含浸型放出制御農薬粒剤。
(5) 反応硬化型エポキシ樹脂(b)がビスフェノールA型及び/またはビスフェノールF型である(1)~(4)のいずれか一項に記載の含浸型放出制御農薬粒剤。
(6) 吸油性核粒(c)の直径が0.3~5.0mm、粒長が0.5~5mmの円柱であることを特徴とする(1)~(5)のいずれか一項に記載の含浸型放出制御農薬粒剤。
(7) 上記混合物中にさらに硬化剤(d)を含む(1)~(6)のいずれか一項に記載の含浸型放出制御農薬粒剤。
(8) 硬化剤(d)がアミン系、ポリアミノアミド系、チオール系硬化剤である(7)に記載の含浸型放出制御農薬粒剤。
(9) 更に粒表面に水性エマルション樹脂による被覆層を有する(1)~(8)のいずれか一項に記載の含浸型放出制御農薬粒剤。
(10) 水性エマルション樹脂中に含まれる樹脂の最低造膜温度(MFT)が45℃以下であることを特徴とする(9)に記載の含浸型放出制御農薬粒剤。
(11) 更に平均粒径75μm以下の粉体をフィラーとして被覆層に含有する(9)又は(10)に記載の含浸型放出制御農薬粒剤。
(12) 被覆層に含まれるフィラー中15~70質量%が20℃で固体の油脂、樹脂、有機ケイ素化合物であり、残りがクレー、タルク、白土、珪藻土、ゼオライト、二酸化チタン、非晶質二酸化珪素、バーミキュライト、セリサイト、アタパルジャイト、パーライト、セピオライト、珪砂、ケイ酸カルシウム、アパタイト、アルミナ、炭酸カルシウム、ベントナイトの中から選ばれる1つ以上の無機粉体であることを特徴とする(9)~(11)のいずれか一項に記載の含浸型放出制御農薬粒剤。
(13) 農薬活性成分(a)が20℃において液体である(1)~(12)のいずれか一項に記載の含浸型放出制御農薬粒剤。
(14) 農薬活性成分(a)がダイアジノンである(1)~(13)のいずれか一項に記載の含浸型放出制御農薬粒剤。
(15) 農薬粒剤の製造方法であって、
農薬活性成分(a)を反応硬化型エポキシ樹脂(b)と混合し、吸油性核粒(c)に含浸吸着させ、樹脂を硬化させる工程を含む、含浸型放出制御農薬粒剤の製造方法。
本発明の含浸型放出制御農薬粒剤は農薬活性成分(a)と反応硬化型エポキシ樹脂(b)を含む混合物を吸油性担体(c)に含浸させた農薬粒剤である。
本発明の含浸型放出制御農薬粒剤に使われる反応硬化型エポキシ樹脂(b)の粒剤中における含有割合は、通常0.5~30質量%、好ましくは1~20質量%である。本含浸型放出制御農薬粒剤中の含有割合が0.5質量%を下回ると本含浸型放出制御農薬粒剤中の農薬活性成分(a)の放出を制御できず、30質量%を上回ると、多くの吸油性核粒(c)は吸油能の上限付近となるため、効果を発現可能な量の農薬活性成分(a)の保持が困難となる。
非吸油性粉末が岩石等の無機鉱物質を粗粉砕又は、無機鉱物質粉体を焼結して得られる核粒の場合、その硬度の高い構造によって、長期に農薬有効成分が粒内に残存して有効に働かなくなるおそれがある。一方、練り込み造粒により得られた核粒を用い、かつ核粒の組成の一部に膨潤性粉体を加えることで、圃場水分によって粒内の構造が軟化し、エポキシ樹脂によって粒内に閉じ込められた農薬有効成分を徐々に放出させることができる。
ニーダーに炭酸カルシウム粉末(商品名:NS#100、日東粉化工業製)900.0g、ベントナイト粉末(商品名:クニゲルV-1、クニミネ工業製)100.0gを入れて均一になるまで混合した。次いで水130gを加えて混練し、φ0.8mmのスクリーンを取り付けた二軸造粒機で造粒した。これを流動層乾燥機にて50℃で15分間加熱乾燥して核粒を得た。
ニーダーに炭酸カルシウム粉末(商品名:NS#100、日東粉化工業製)800.0g、ベントナイト粉末(商品名:穂高、ホージュン製)200.0gを入れて均一になるまで混合した。次いで水130gを加えて混練し、φ0.8mmのスクリーンを取り付けた二軸造粒機で造粒した。これを流動層乾燥機にて50℃で15分間加熱乾燥して核粒を得た。
450mL蓋付きガラス容器にダイアジノン(純度95.5%)5.4g、エポキシ化大豆油(商品名:K-800、竹本油脂製)1.0g、反応硬化型エポキシ樹脂(商品名:アデカレジンEP-4100、ADEKA製)1.0g、硬化剤(商品名:JEFFAMINE T-403、ハンツマン製)0.6g、反応性希釈剤(商品名:SY-35M、阪本薬品工業製)1.0gを添加し、均一になるまでよく混合して混液を調製した。ここに製造例1の核粒90.8gを投入し、ガラス容器に蓋をして均一になるよう混合し、蓋をしたまま55℃恒温槽にて3時間加温し、エポキシ樹脂を硬化させ、ダイアジノンを5.2%含む含浸型放出制御粒剤を得た。
450mL蓋付きガラス容器にダイアジノン(純度95.5%)5.4g、エポキシ化大豆油(商品名:K-800、竹本油脂製)1.0g、反応硬化型エポキシ樹脂(商品名:アデカレジンEP-4100、ADEKA製)2.0g、硬化剤(商品名:JEFFAMINE T-403、ハンツマン製)1.2g、反応性希釈剤(商品名:SY-35M、阪本薬品工業製)2.0gを添加し、均一になるまでよく混合して混液を調製した。ここに製造例1の核粒88.4gを投入し、ガラス容器に蓋をして均一になるよう混合し、蓋をしたまま55℃恒温槽にて3時間加温し、エポキシ樹脂を硬化させ、ダイアジノンを5.2%含む含浸型放出制御粒剤を得た。
450mL蓋付きガラス容器にダイアジノン(純度95.5%)5.4g、エポキシ化大豆油(商品名:K-800、竹本油脂製)1.0g、反応硬化型エポキシ樹脂(商品名:アデカレジンEP-4100、ADEKA製)1.0g、硬化剤(商品名:JEFFAMINE T-403、ハンツマン製)0.6gを添加し、均一になるまでよく混合して混液を調製した。ここに製造例1の核粒92.0gを投入し、ガラス容器に蓋をして均一になるよう混合し、蓋をしたまま55℃恒温槽にて3時間加温し、エポキシ樹脂を硬化させ、ダイアジノンを5.2%含む含浸型放出制御粒剤を得た。
450mL蓋付きガラス容器にダイアジノン(純度95.5%)5.4g、エポキシ化大豆油(商品名:K-800、竹本油脂製)1.0g、反応硬化型エポキシ樹脂(商品名:アデカレジンEP-4100、ADEKA製)2.0g、硬化剤(商品名:JEFFAMINE T-403、ハンツマン製)1.2gを添加し、均一になるまでよく混合して混液を調製した。ここに製造例1の核粒90.4gを投入し、ガラス容器に蓋をして均一になるよう混合し、蓋をしたまま55℃恒温槽にて3時間加温し、エポキシ樹脂を硬化させ、ダイアジノンを5.2%含む含浸型放出制御粒剤を得た。
450mL蓋付きガラス容器にダイアジノン(純度95.5%)5.4g、エポキシ化大豆油(商品名:K-800、竹本油脂製)1.0g、反応硬化型エポキシ樹脂(商品名:アデカレジンEP-4100、ADEKA製)2.0g、硬化剤(商品名:JEFFAMINE T-403、ハンツマン製)0.8gを添加し、均一になるまでよく混合して混液を調製した。ここに製造例1の核粒70.8gを投入し、ガラス容器に蓋をして均一になるよう混合し、蓋をしたまま70℃恒温槽にて3時間加温し、エポキシ樹脂を硬化させた。室温に戻した後、水性エマルション樹脂(商品名:モビニール8020、ジャパンコーティングレジン製、不揮発分43%、MFT:0℃)1.25g、ポリビニルアルコール(商品名:クラレポバール105、クラレ製)10%水溶液1.25gを加えて良く混合し、そこへヒマシ硬化油粉末(商品名:A-S-A T-20SF、伊藤製油製)2.2g、白土(商品名:シルトF、丸中白土製)2.2gを加えて良く混合した。この被覆層を作る工程を更に3回繰り返した後、流動層乾燥機にて50℃15分間乾燥し、ダイアジノンを5.2%含む含浸型放出制御粒剤を得た。
450mL蓋付きガラス容器にダイアジノン(純度95.5%)5.4g、エポキシ化大豆油(商品名:K-800、竹本油脂製)1.0g、反応硬化型エポキシ樹脂(商品名:アデカレジンEP-4100、ADEKA製)2.0g、硬化剤(商品名:JEFFAMINE T-403、ハンツマン製)0.8gを添加し、均一になるまでよく混合して混液を調製した。ここに製造例1の核粒69.8gを投入し、ガラス容器に蓋をして均一になるよう混合し、蓋をしたまま70℃恒温槽にて3時間加温し、エポキシ樹脂を硬化させた。室温に戻した後、水性エマルション樹脂(商品名:モビニール8020、ジャパンコーティングレジン製、不揮発分43%、MFT:0℃)1.25g、ポリビニルアルコール(商品名:クラレポバール105、クラレ製)10%水溶液1.25gを加えて良く混合し、そこへヒマシ硬化油粉末(商品名:A-S-A T-20SF、伊藤製油製)2.2g、白土(商品名:シルトF、丸中白土製)2.2gを加えて良く混合した。この被覆層を作る工程を更に3回繰り返した後、流動層乾燥機にて50℃15分間乾燥した。室温に冷却後、表面にアリルイソチオシアネート1.0gを添加して均一に混合し、ダイアジノンを5.2%含む含浸型放出制御粒剤を得た。
450mL蓋付きガラス容器にダイアジノン(純度95.5%)5.4g、エポキシ化大豆油(商品名:K-800、竹本油脂製)1.0g、反応硬化型エポキシ樹脂(商品名:アデカレジンEP-4100、ADEKA製)2.0g、硬化剤(商品名:JEFFAMINE T-403、ハンツマン製)0.8gを添加し、均一になるまでよく混合して混液を調製した。ここに製造例1の核粒69.8gを投入し、ガラス容器に蓋をして均一になるよう混合し、蓋をしたまま70℃恒温槽にて3時間加温し、エポキシ樹脂を硬化させた。室温に戻した後、水性エマルション樹脂(商品名:モビニール7901、ジャパンコーティングレジン製、不揮発分40%、MFT:0℃)2.25gを加えて良く混合し、そこへヒマシ硬化油粉末(商品名:A-S-A T-20SF、伊藤製油製)0.8g、白土(商品名:シルトF、丸中白土製)3.3gを加えて良く混合した。この被覆層を作る工程を更に3回繰り返した後、流動層乾燥機にて50℃15分間乾燥した。室温に冷却後、表面にアリルイソチオシアネート1.0gを添加して均一に混合し、ダイアジノンを5.2%含む含浸型放出制御粒剤を得た。
450mL蓋付きガラス容器にダイアジノン(純度95.5%)5.4g、エポキシ化大豆油(商品名:K-800、竹本油脂製)1.0g、反応硬化型エポキシ樹脂(商品名:アデカレジンEP-4100、ADEKA製)2.0g、硬化剤(商品名:JEFFAMINE T-403、ハンツマン製)0.8gを添加し、均一になるまでよく混合して混液を調製した。ここに製造例1の核粒68.4gを投入し、ガラス容器に蓋をして均一になるよう混合し、蓋をしたまま70℃恒温槽にて3時間加温し、エポキシ樹脂を硬化させた。室温に戻した後、水性エマルション樹脂(商品名:モビニール7233、ジャパンコーティングレジン製、不揮発分45%、MFT:30℃)2.6gを加えて良く混合し、そこへヒマシ硬化油粉末(商品名:A-S-A T-20SF、伊藤製油製)0.6g、白土(商品名:シルトF、丸中白土製)2.5gを加えて良く混合した。この被覆層を作る工程を更に4回繰り返した後、流動層乾燥機にて50℃15分間乾燥した。室温に冷却後、表面にアリルイソチオシアネート1.0gを添加して均一に混合し、ダイアジノンを5.2%含む含浸型放出制御粒剤を得た。
450mL蓋付きガラス容器にダイアジノン(純度95.5%)5.4g、エポキシ化大豆油(商品名:K-800、竹本油脂製)1.0g、反応硬化型エポキシ樹脂(商品名:アデカレジンEP-4100、ADEKA製)2.0g、硬化剤(商品名:JEFFAMINE T-403、ハンツマン製)0.8gを添加し、均一になるまでよく混合して混液を調製した。ここに製造例1の核粒69.8gを投入し、ガラス容器に蓋をして均一になるよう混合し、蓋をしたまま70℃恒温槽にて3時間加温し、エポキシ樹脂を硬化させた。室温に戻した後、水性エマルション樹脂(商品名:サイビノールEK-834、サイデン化学製、不揮発分60%、MFT:0℃)3.3gを加えて良く混合し、そこへヒマシ硬化油粉末(商品名:A-S-A T-20SF、伊藤製油製)0.4g、白土(商品名:シルトF、丸中白土製)1.6gを加えて良く混合した。この被覆層を作る工程を更に4回繰り返した後、流動層乾燥機にて50℃15分間乾燥した。室温に冷却後、表面にアリルイソチオシアネート1.0gを添加して均一に混合し、ダイアジノンを5.2%含む含浸型放出制御粒剤を得た。
450mL蓋付きガラス容器にダイアジノン(純度95.5%)5.4g、エポキシ化大豆油(商品名:K-800、竹本油脂製)1.0g、反応硬化型エポキシ樹脂(商品名:アデカレジンEP-4100、ADEKA製)3.0g、硬化剤(商品名:JEFFAMINE T-403、ハンツマン製)1.2gを添加し、均一になるまでよく混合して混液を調製した。ここに製造例1の核粒89.4gを投入し、ガラス容器に蓋をして均一になるよう混合し、蓋をしたまま70℃恒温槽にて3時間加温し、エポキシ樹脂を硬化させ、ダイアジノンを5.2%含む含浸型放出制御粒剤を得た。
450mL蓋付きガラス容器にダイアジノン(純度95.5%)5.4g、エポキシ化大豆油(商品名:K-800、竹本油脂製)1.0g、反応硬化型エポキシ樹脂(商品名:アデカレジンEP-4100、ADEKA製)3.0g、硬化剤(商品名:JEFFAMINE T-403、ハンツマン製)1.2gを添加し、均一になるまでよく混合して混液を調製した。ここに製造例2の核粒89.4gを投入し、ガラス容器に蓋をして均一になるよう混合し、蓋をしたまま70℃恒温槽にて3時間加温し、エポキシ樹脂を硬化させ、ダイアジノンを5.2%含む含浸型放出制御粒剤を得た。
450mL蓋付きガラス容器にダイアジノン(純度95.5%)5.4g、エポキシ化大豆油(商品名:K-800、竹本油脂製)1.0g、反応硬化型エポキシ樹脂(商品名:アデカレジンEP-4901、ADEKA製)5.0g、硬化剤(商品名:EH-6028、ADEKA製)2.0gを添加し、均一になるまでよく混合して混液を調製した。ここに石川ライト3号87.6gを投入し、ガラス容器に蓋をして均一になるよう混合し、蓋をしたまま70℃恒温槽にて3時間加温してエポキシ樹脂を硬化させ、ダイアジノンを5.2%含む含浸型放出制御農薬粒剤を得た。
450mL蓋付きガラス容器にダイアジノン(純度95.5%)5.4g、反応硬化型エポキシ樹脂(商品名:アデカレジンEP-4100、ADEKA製)5.0g、硬化剤(商品名:EH-6028、ADEKA製)1.8gを添加し、均一になるまでよく混合して混液を調製した。ここに石川ライト3号87.8gを投入し、ガラス容器に蓋をして均一になるよう混合し、蓋をしたまま70℃恒温槽にて3時間加温してエポキシ樹脂を硬化させ、ダイアジノンを5.2%含む含浸型放出制御農薬粒剤を得た。
容器に粒状炭酸カルシウム(日東粉化工業製、商品名:冠水1630)91.2質量部、ダイアジノン(純度95.5%)5.3質量部を投入して混合した。ここにカープレックス#80(DSL.ジャパン製、非晶質二酸化珪素粉末)1.6質量部、ニップシールNA(東ソー・シリカ製、非晶質二酸化珪素粉末)1.6質量部を加えて混合し、ダイアジノンを5.1%含む農薬粒剤を得た。
目開き2mmの篩を通過させた土500gにダイアジノンの土中濃度が1000ppmになるように製剤を投入し、良く混合後、900mL広口ガラス瓶に投入する。これを25℃、湿度100%に設定した恒温恒湿槽に静置し、適時100gをサンプリングして土中のダイアジノン濃度を分析する。この結果から、試験初期に製剤を含んだ試験土中に存在するダイアジノン量に対し、各時点で製剤からダイアジノンが放出され、消失した量を百分率で算出した。土中の水分は35%に調整し、低減が見られる場合は適宜水分を補給して水分の変動が少ない状況で4週間、試験を継続実施した。
目開き2mmの篩を通過させ、土中の水分を35%に調整後、オートクレーブ処理した土100gに製剤100mgを封入した目開き約220μmのナイロン糸製の網で作成した袋を投入し、容器の蓋を閉めて25℃の恒温槽にて静置した。一週間後、土中から製剤の入ったナイロン網製の袋を取り出し、土壌中のダイアジノン濃度を測定した。分析後はオートクレーブ処理した新たな土100gに一度取り出した製剤入りの袋を投入した。一週間ごとにこれらの操作を繰り返しながら開始4週間後まで試験を継続した。分析結果から求められたダイアジノン濃度の累計から、試験開始時に製剤に含まれていたダイアジノン量に対する試験期間中に製剤から土に移行したダイアジノンの総量の割合を百分率で算出した。
試験例2で土壌に移行して効力を発揮する有効なダイアジノン量の推移を調査した結果、表2に示したように本発明の含浸型放出制御農薬粒剤は4週間にわたって継続的なダイアジノンの土壌への放出が見られた。核粒表面にダイアジノンを担持させた比較例3では、ダイアジノンが土壌に速やかに拡散した。試験例1で比較例3は土壌中のダイアジノンが試験開始1週間で消失していることから、短期間で全ての有効成分が土壌に拡散することで、長期の残効が期待できないものと考えられる。一方で、実施例では製剤からの継続的なダイアジノンの放出によって、拡散や微生物分解により低下する土壌中のダイアジノン濃度を一定に保つことが可能と考えられる。
以上より、本発明の含浸型放出制御農薬粒剤は農薬活性成分の一定量かつ継続的な放出を可能にし、土壌中の農薬活性成分濃度を保つことが可能であることが確認された。
Claims (13)
- 農薬活性成分(a)及び反応硬化型エポキシ樹脂(b)を含有する混合物を吸油性核粒(c)に含浸させる工程を含む含浸型放出制御農薬粒剤の製造方法であって、
前記吸油性核粒(c)は、クレー、タルク、白土、珪藻土、ゼオライト、二酸化チタン、非晶質二酸化珪素、バーミキュライト、セリサイト、アタパルジャイト、パーライト、セピオライト、珪砂、ケイ酸カルシウム、アパタイト、アルミナ、炭酸カルシウムの中から選ばれる1つ以上の非膨潤性粉体と、
結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、ベントナイト、ポリビニルアルコールの中から選ばれる1種以上の膨潤性粉末、を含み、
前記非膨潤性粉体と前記膨潤性粉末を混錬して調製された造粒物である、
含浸型放出制御農薬粒剤の製造方法。 - 農薬活性成分(a)及び反応硬化型エポキシ樹脂(b)を含有する混合物を含浸させ、反応性硬化型エポキシ樹脂(b)を硬化させて吸油性核粒(c)内に存在させる工程を含む、請求項1に記載の含浸型放出制御農薬粒剤の製造方法。
- 成分含有割合が、農薬活性成分(a)0.5~30質量%、反応硬化型エポキシ樹脂(b)0.5~30質量%及び吸油性核粒(c)60~99.0質量%である請求項1又は2に記載の含浸型放出制御農薬粒剤の製造方法。
- 反応硬化型エポキシ樹脂(b)がビスフェノールA型及び/またはビスフェノールF型である請求項1~3のいずれか一項に記載の含浸型放出制御農薬粒剤の製造方法。
- 吸油性核粒(c)の直径が0.3~5.0mm、粒長が0.5~5mmの円柱であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の含浸型放出制御農薬粒剤の製造方法。
- 上記混合物中にさらに硬化剤(d)を含む請求項1~5のいずれか一項に記載の含浸型放出制御農薬粒剤の製造方法。
- 硬化剤(d)がアミン系、ポリアミノアミド系、チオール系硬化剤である請求項6に記載の含浸型放出制御農薬粒剤の製造方法。
- 更に粒表面に水性エマルション樹脂による被覆層を形成させる工程を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の含浸型放出制御農薬粒剤の製造方法。
- 水性エマルション樹脂中に含まれる樹脂の最低造膜温度(MFT)が45℃以下であることを特徴とする請求項8に記載の含浸型放出制御農薬粒剤の製造方法。
- 更に平均粒径75μm以下の粉体をフィラーとして被覆層に含有する請求項8又は9に記載の含浸型放出制御農薬粒剤の製造方法。
- 被覆層にフィラーが含まれ、前記フィラー中15~70質量%が20℃で固体の油脂、樹脂、有機ケイ素化合物であり、残りがクレー、タルク、白土、珪藻土、ゼオライト、二酸化チタン、非晶質二酸化珪素、バーミキュライト、セリサイト、アタパルジャイト、パーライト、セピオライト、珪砂、ケイ酸カルシウム、アパタイト、アルミナ、炭酸カルシウム、ベントナイトの中から選ばれる1つ以上の無機粉体であることを特徴とする請求項8~10の何れか一項に記載の含浸型放出制御農薬粒剤の製造方法。
- 農薬活性成分(a)が20℃において液体である請求項1~11のいずれか一項に記載の含浸型放出制御農薬粒剤の製造方法。
- 農薬活性成分(a)がダイアジノンである請求項1~12のいずれか一項に記載の含浸型放出制御農薬粒剤の製造方法。
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