JP2008037820A - 農薬粒状製剤の製造方法及び農薬粒状製剤 - Google Patents

農薬粒状製剤の製造方法及び農薬粒状製剤 Download PDF

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Abstract

【課題】造粒性を改善して生産効率を上げるとともに、造粒性改善剤による薬害の発生が防止できる工業的生産に有利な農薬粒状製剤の製造方法、及び造粒性改善剤による薬害を生じることの無い農薬粒状製剤を提供する。
【解決手段】農薬有効成分、結合剤、固体担体及びポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩(好ましくはポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩又はポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩)を含有してなる組成物を押し出し造粒することを特徴とする農薬粒状製剤の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は農薬粒状製剤の製造法及び農薬粒状製剤に関し、さらに詳しくは、含水組成物を押し出し造粒する時の造粒性が極めて良好な農薬粒状製剤の製造法、及びそれにより得られる農薬粒状製剤に関する。
現在、農薬製剤は粉剤、粒剤、乳剤、水和剤、顆粒水和剤、水性懸濁剤(フロアブル)等の各種製剤が除草剤、殺虫剤、殺菌剤等として使用されている。
粉剤及び水和剤は45ミクロン以下の微粉末である。粉剤を水田や畑に散布すると、微粒子が舞い上がり、風に乗って農薬防除対象地域外に飛散する場合があり、例えば都市部では居住環境への影響が、田園地では周辺栽培作物への影響が指摘されている。また、水和剤は水等で希釈する際に粉が舞い上がり、作業者がこれを吸入する危険性がある。このように周辺環境や作業者に対する安全性への懸念から、粉剤及び水和剤の使用は年々減少傾向にあり、これに代わって300〜1700μm程度の大きさの粒状の農薬製剤すなわち農薬粒状製剤が広く使用されるようになった。
農薬粒状製剤の製造については数多くの方法が知られている。特に農薬有効成分、固体担体、結合剤及び界面活性剤等を適宜配合し、さらに水を加えて混練して含水組成物を調製し、これを多数の小孔を有するスクリーンから押し出し、得られたひも状等の成形物を必要に応じ適当な長さに整えて造粒物とした後に乾燥する方法が一般的である。
このような押し出し造粒により農薬粒状製剤を製造する場合、(1)スクリーンに対する押し出し抵抗が小さく効率良く造粒物が得られること、(2)押し出し造粒以降の乾燥やふるい分け等の工程で造粒物が破壊や粉化を起こさず歩留まりが良いことが求められる。特に(1)に関する性能は造粒性と称して評価され、工業的生産においては非常に重要な因子である。
造粒性の改善については、これまで多くの検討が成され、造粒性改善剤として種々の物質を用いる方法が試みられている。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩を用いる方法(例えば、特許文献1を参照。)、アルキル置換されたナフタレン系分散剤を用いる方法(例えば、特許文献2を参照。)、カルボキシメチルセルロース塩を用いる方法(例えば、特許文献3を参照。)、α−スルフォ高級脂肪酸低級アルキルエステル塩を用いる方法(例えば、特許文献4を参照。)、スルホン置換コハク酸ジエステルを用いる方法(例えば、特許文献5を参照。)、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩を用いる方法(例えば、特許文献6を参照。)、中空マイクロバルーンを用いる方法(例えば、特許文献7を参照。)、高純度石英粉末を用いる方法(例えば、特許文献8を参照。)等が開示されている。しかし、いずれも特定の固体担体に限ってのみ効果が認められたり、農薬粒状製剤のうちの粒剤に応用した場合、造粒性は良いものの農薬有効成分が水中へ溶出し難く薬効が不充分であったり、農薬粒状製剤のうちの顆粒水和剤に応用した場合、水希釈時の分散性に支障がある等、必ずしも万全な技術は見出せていない。
特開昭57−209634号公報 特開平3−146126号公報 特開平2−145501号公報 特開平3−74305号公報 特開平4−69302号公報 特開平11−79902公報 特開平10−245303公報 特開2002−322003公報
造粒性改善剤を添加して製造された農薬粒状製剤を農作物に施用する場合、この造粒性改善剤自身が作物に対して薬害を引き起こす場合もある。このような薬害は、一般的な本圃での施用では発生しにくいが、水稲育苗箱での施用や野菜類セルトレイでの施用等、播種時期から育苗時期に施用する場合において顕著である。
このように、水稲育苗箱やセルトレイ等で施用する場合への適用に関しては、処理時期に応じて薬害を発生させない造粒性改善剤を選定する必要がある。そのような知見をもとに造粒性改善の検討が成され、造粒性改善剤が選抜された先行技術はこれまでのところ見当たらない。
本発明は、造粒性を改善して生産効率を上げるとともに、造粒性改善剤による薬害の発生が防止できる工業的生産に有利な農薬粒状製剤の製造方法、及び造粒性改善剤による薬害を生じることの無い農薬粒状製剤を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の造粒性改善剤としてポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩、特にポリオキシエチレンC18アルキルエーテル硫酸エステル塩を選択して用いることにより、水稲育苗箱準備から本田移植直前までの水稲育苗期間や、園芸作物の播種から本圃移植までのセルトレイ育苗期間のいずれの時期に施用しても造粒性改善剤自身による薬害が発生せず、経済的な添加量で押し出し造粒時の造粒性が改善され、効率的な農薬粒状製剤の製造が達成されることを見出し、本発明を完成させた。
即ち本発明は、
[1]農薬有効成分、結合剤、固体担体及びポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩を含有してなる組成物を押し出し造粒することを特徴とする農薬粒状製剤の製造方法、
[2]ポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩におけるポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル部分のHLB値が8〜17である前項[1]に記載の農薬粒状製剤の製造方法、
[3]農薬粒状製剤中のポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩の含有率が0.1〜2.0重量%である前項[1]又は[2]いずれか1つに記載の農薬粒状製剤の製造方法、
[4]ポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩がポリオキシエチレンC18アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩である前項[1]乃至[3]いずれか1つに記載の農薬粒状製剤の製造方法、
[5]ポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩がポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩又はポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩である前項[1]乃至[3]いずれか1つに記載の農薬粒状製剤の製造方法、
[6]前項[1]乃至[5]いずれか1つに記載の製造方法によって得られる農薬粒状製剤、
[7]農薬有効成分0.01〜60重量%、結合剤0.1〜20重量%、固体担体0.5〜99.8重量%及びポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩0.05〜10重量%を含有してなる前項[6]に記載の農薬粒状製剤、
[8]播種育苗期に施用するための農薬粒状製剤である前項[6]又は[7]に記載の農薬粒状製剤、
[9]農薬有効成分がフィプロニル、アセトプロール、イミダクロプリド、アセタミプリド、ニテンピラム、ジノテフラン、チアクロプリド、チアメトキサム、クロチアニジン、フロニカミド、スピノサド、ベンフラカルブ、フルベンジアミド、アセフェート、チアジニル、プロベナゾール、アシベンゾラル−S−メチル、N−(2−シアノフェニル)−3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキサミド、イソプロチオラン、カルプロパミド、ジクロシメット、ピロキロン、オリサストロビン、アゾキシストロビン、トリシクラゾール、フラメトピル、フルトラニル又はチフルザミドである前項[6]乃至[8]いずれか1つに記載の農薬粒状製剤、及び
[10]農薬粒状製剤の製造に用いる押し出し用組成物に、農薬粒状製剤中の含有率が0.05〜10重量%の割合となるよう配合して使用することを特徴とする、押し出し造粒の造粒性を改善し、かつ施用時に作物に薬害を生じない農薬粒状製剤を製造するためのポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩の使用方法、
に関する。
本発明の農薬粒状製剤の製造方法は、ポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩の作用により顕著に押し出し造粒の造粒性を改善して効率良い製造が可能となり、しかもそれにより得られる農薬粒状製剤は、ポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩自身が水稲や野菜の発芽・発根又は幼苗の生育に悪影響を及ぼさないため、育苗箱やセルトレイでの施用においても薬害が回避され、優れた有害生物防除性能を発揮する。したがって、本発明の農薬粒状製剤の製造方法及び農薬粒状製剤は、農作物生産に大いに貢献する。
以下に本発明について具体的に説明する。
本発明の製造方法では、押し出し造粒により農薬粒状製剤を製造する。そこでまず、押し出し造粒に供される組成物(押し出し用組成物)の構成要素について順に説明する。
本発明における押し出し用組成物は、農薬有効成分、結合剤、固体担体及びポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩を含有してなる組成物であり、通常は水を用いて混練されてなる含水組成物が好ましい。
農薬有効成分としては、好ましくは殺虫剤及び殺菌剤が主体となるが、場合によっては除草剤や植物成長調節剤等も配合可能であり、一種又は二種以上の農薬有効成分を同時に配合することができる。また、その配合量としては、農薬粒状製剤中の農薬有効成分の含有率が0.01〜60重量%となる量が好ましく、0.1〜50重量%となる量がより好ましい。
具体的な農薬有効成分(一般名)としては、例えば、フィプロニル(fipronil)、アセトプロール(acetoprole)等のフェニルアゾール系殺虫剤、イミダクロプリド(imidacloprid)、アセタミプリド(acetamiprid)、ニテンピラム(nitenpyram)、ジノテフラン(dinotefuran)、チアクロプリド(thiacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、クロチアニジン(clothianidin)等のネオニコチノイド系殺虫剤、フロニカミド(flonicamid)等のニコチノイド系殺虫剤、スピノサド(spinosad)等のマクロライド系殺虫剤、ベンフラカルブ(benfuracarb)等のカーバメート系殺虫剤、フルベンジアミド(flubendiamide)等のフタル酸ジアミド系殺虫剤、アセフェート(acephate)等の有機リン系殺虫剤等の各種殺虫剤、チアジニル(tiadinil)、プロベナゾール(probenazole)、アシベンゾラル−S−メチル(acibenzolar−S−methyl)、N−(2−シアノフェニル)−3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキサミド(化学名、開発コードBYF−1047)等の植物抵抗性誘導型病害防除剤、イソプロチオラン(isoprothiolan)、カルプロパミド(carpropamid)、ジクロシメット(diclocymet)、ピロキロン(pyroquilon)、オリサストロビン(orysastrobin)、アゾキシストロビン(azoxystrobin)、トリシクラゾール(tricyclazole)、フラメトピル(furametpyr)、フルトラニル(flutolanil)、チフルザミド(thifluzamide)等の殺菌剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの農薬有効成分は、例えば、ペスティサイドマニュアル(The Pesticide Manual Thirteenth Edition 2003)等の公知文献記載の化合物であり、N−(2−シアノフェニル)−3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキサミドは例えば特表2001−522840号公報(製造実施例No.1)に記載されている。
結合剤としては、天然系、半合成系及び合成系の高分子類等が挙げられる。天然系の高分子類としては、例えば、デンプン、アラビヤガム、トラガントガム、グアーガム、マンナン、ペクチン、ソルビトール、キサンタンガム、デキストラン、ゼラチン、カゼイン等が挙げられる。また、半合成系の高分子類としては、例えば、デキストリン、可溶性デンプン、酸化デンプン、α化デンプン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。合成系の高分子類としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、エチレン−アクリル酸共重合体、無水マレイン酸共重合体、ポリエチレングリコール等が挙げられる。しかしながら、これらの高分子類に限定されるものではない。
結合剤は、1種類を単独で用いることも、2種以上を併用することも可能である。また、結合剤の配合量としては、農薬粒状製剤中の結合剤の含有率が0.1〜20重量%となる量が好ましく、0.3〜10重量%となる量がより好ましい。
固体担体とは、農薬有効成分の担体となる固体物質を意味し、固体担体としては、非水溶性固体担体及び水溶性固体担体のいずれでもよい。非水溶性固体担体としては、例えば、クレー、炭酸カルシウム、タルク、ベントナイト、焼成珪藻土、未焼成珪藻土、含水ケイ酸、セルロース、パルプ、モミガラ、木粉、ケナフ粉等が挙げられる。また、水溶性固体担体としては、例えば、硫酸アンモニウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の無機塩、ブドウ糖、ショ糖、果糖、乳糖等の糖類、尿素、尿素ホルマリン縮合物、有機酸塩、水溶性アミノ酸類等が挙げられる。これら固体担体は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これら固体担体の配合量は、農薬粒状製剤中の固体担体の含有率が0.5〜99.8重量%となる量が好ましく、20〜98重量%となる量がより好ましい。
ポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩は、本発明において造粒性改善剤として用いられる。
なお、ポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩は界面活性剤の一種でもあり、通常の界面活性剤としての性質、即ち、組成物又は有効成分の分散、可溶化及び/又は湿潤の作用も有している。
ポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩は、多くの界面活性剤が幼苗期の作物に薬害を引き起こす中で、特異的に種子の発芽・発根又は幼苗の生育に悪影響を及ぼさないことを本発明者らが見出した。このため、本発明の農薬粒状製剤においては、薬害を生じずに造粒性を改善することが可能になった。
ポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩における「C15−C20アルキル」とは炭素数が15〜20個であるアルキル鎖すなわち鎖状炭化水素一価基を意味し、不飽和結合を有しない飽和炭化水素一価基(アルキル基)であっても、1又は2以上の不飽和結合を有する不飽和炭化水素一価基であってもよい。不飽和炭化水素一価基としては、例えばアルケニル基、アルカジエニル基、アルカトリエニル基、アルキニル基及びアルケニニル基等が挙げられる。
具体的なC15−C20アルキルとしては、例えば、ペンタデカニル、セチル、パルミトレイル、マルガリル、プリスタニル、アラキジル及び下記C18アルキル等が挙げられる。
上記C15−C20アルキルのなかでも、C17又はC18アルキルが好ましく、C18アルキルが特に好ましい。具体的なC18アルキルとしては、例えばステアリル、イソステアリル、オレイル、エライジル、リノレイル、エライドリノレイル、リノレニル、エライドリノレニル等が挙げられる。さらに、酸化安定性及び各種性能からは不飽和度の低い、ステアリル、イソステアリル又はオレイルが特に好ましい。
また、ポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩におけるポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル部分のHLB値としては、5〜20が好ましく、8〜17がより好ましく、10〜16が特に好ましい。HLB値とは、界面活性剤における水と油(水に不溶性の有機化合物)への親和性の程度、すなわち親水性と親油性の程度を表す値である。HLB値は0から通常20までの値を取り、0に近いほど親油性が高く、数字が大きくなり20に近いほど親水性が高くなる。
上記HLB値の計算方法又は測定方法としては、例えば、アトラス法、グリフィン法、デイビス法、川上法等が知られており、特に限定することなくいずれかの公知の方法を採用すればよいが、敢えていえばグリフィン法が好ましい。市販品のポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩を使用する場合においては、製造メーカー提示のHLB値を採用することができるが、その値は、通常はグリフィン法で計算されていることが多い。
なお、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩においては、当該塩そのもののHLB値を正確に測定することは困難なため、ポリオキシエチレンアルキルエーテル部分のHLB値により特定して表現している。
上記HLB値は、エチレンオキサイド付加モル数によって調整することができる。例えば、ポリオキシエチレンステアリルエーテルの場合、エチレンオキサイド付加モル数が3.3モル程度ではHLB値が8程度、40モル程度ではHLB値が17程度となり、およそこの範囲で上記のより好ましいHLB値の範囲に該当し、エチレンオキサイド付加モル数が約8〜20モル程度の範囲で、上記の特に好ましいHLB値が10〜16に該当する。
また、塩となる対イオンとしては、特に制限はないが、アンモニウム塩又はナトリウム塩が好適である。
上記条件を総合的に考慮すれば、本発明において具体的に好ましいポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩は、ポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩又はポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩である。
このような具体的な好ましいポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩は、例えば商品名「ディクスゾールW205A」「ディクスゾール205A−20」(ポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩:第一工業製薬株式会社製)、商品名「ディクスゾール08E−P」(ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩:第一工業製薬株式会社製)、商品名「レベノールWX」(ポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸ナトリウム:花王株式会社製)等として市販されている。
ポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩の配合量としては、農薬粒状製剤中のポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩の含有率が0.05〜10重量%となる量が好ましく、0.1〜5重量%となる量がより好ましく、0.1〜2重量%の範囲となる量が特に好ましい。ポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩の配合量が少なすぎると所望の造粒性改良効果が得られず、反対に多すぎると、製造コストが上がるのみならず造粒性や幼苗生育に与える影響等の性能面でも好ましくない傾向がでてくる。
本発明においては、押し出し用組成物を調製するにあたり、ここまでで説明した農薬有効成分、結合剤、固体担体及びポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩を用いることが必須であるが、それらの必須成分以外の成分を用いてもよい。例えば、農薬粒状製剤に含有される農薬有効成分の薬効を最大限に発揮させたり、農薬粒状製剤の品質を良好なものとしたりするため、必要に応じて、界面活性剤、溶剤、粉砕助剤、吸収剤、分解防止剤、色素等様々な補助成分を用いることができる。またそれらの選択や配合比は、使用する農薬有効成分の性質に適合するように適宜決定することができる。
補助成分としての界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等のノニオン界面活性剤、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテルリン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸塩等のアニオン界面活性剤等が例示される。育苗期施用の農薬粒状製剤に配合する場合は、薬害を生じないように種類や配合量を調整して使用することができる。
補助成分としての溶剤としては、薬害を生じない範囲である限り特に限定されないが、例えば、例えば水、アルコール類(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール,プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、ケトン類(例えばメチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、γ―ブチロラクトン等)、エーテル類(例えばセロソルブ等)、脂肪族炭化水素類(例えばケロシン、鉱油等)、芳香族炭化水素類(例えばキシレン、ソルベントナフサ、アルキルナフタレン等)、エステル類(例えばジイソプピルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレ−ト、アジピン酸エステル等)、アミド類(例えばジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、ジメチルスルホキシド類、含窒素担体類(N―アルキルピロリドン等)、又は油脂類(例えば、菜種油、大豆油、オリーブ油、コーン油、ヤシ油、ヒマシ油等)等を挙げることができる。
粉砕助剤としては、薬害を生じない範囲である限り特に限定されないが、例えばベントナイト、ゼオライト、タルク、酸性白土、活性白土等の鉱石を原料とする担体、ホワイトカーボン(シリカ)等の合成品担体、糖類、デキストリン、粉末セルロース等の植物担体、アニオン性界面活性剤等の界面活性剤、その他有機化合物、樹脂類等を用いることができる。
吸収剤は、油状などの液体の農薬原体を粉末化、プレミックス化するうえで用いる助剤であり、液体成分を吸収させ粒剤の流動性をも付与する目的で、吸収力、吸油力の高い鉱物質、植物質、または化成品の微粉末が吸収剤として用いられる。吸収剤はいわゆる担体(増量剤)でもあり、吸油能の高い担体が粉末化助剤として適当である。例えばホワイトカーボン、珪藻土、微結晶セルロースなどの吸油性微粉等を用いることができる。
分解防止剤としては、例えばブチルヒドロキシトルエン(BHT)又はブチルヒドロキシアニソール(BHA)等の酸化防止剤、ハイドロキノン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤又はシアノアクリレート系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤を用いることができる。
色素としては、特に限定は無いが、例えば赤色202号、酸化鉄、酸化チタン等を用いることができる。
なお、発泡助剤については、保存安定性面から、使用しないことが好ましい。
本発明の製造方法では、上記必須成分及び必要に応じて配合する成分を適宜配合して、通常の押し出し造粒方法によって農薬粒状製剤を製造することができる。本発明における農薬粒状製剤には、粒剤、顆粒水和剤及び顆粒水溶剤が包含される。
例えば、所定の含有率となるように、例示した農薬有効成分、結合剤、固体担体、ポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩及び必要に応じて配合する補助成分を混合し、水等を加えて混練捏和して押し出し用組成物を調製した後、これを押し出し式造粒機により造粒して農薬粒状製剤を製造することができる。押し出し造粒機の機種に制約はないが、スクリュー型押し出し造粒機、バスケット型押し出し造粒機、ロール型押し出し造粒機、ブレード型押し出し造粒機、ツインドームグラン等が例示できる。押し出し造粒機に装着されるスクリーンの小孔直径(孔径)は、農薬粒状製剤の形状に応じて適宜設定すればよいが、通常は0.1〜5mm、好ましくは0.3〜2mmである。
押し出し造粒においては、スクリーンから押し出された成形物を必要に応じ適当な長さに整えて造粒物とした後乾燥して農薬粒状製剤を得るが、その方法に何ら制約はない。
また、造粒物にマルメライザー等の装置を用いて球状や楕円状に加工を施し、これに樹脂等をコーティングして農薬粒状製剤を得ることもできる。
本発明の製造方法により得られる農薬粒状製剤は、農薬施用におけるあらゆる場面に適用可能であるが、特に種子の発芽・発根又は幼苗の生育段階で施用する場面、いわゆる播種育苗期に於いて好適である。例えば水稲箱育苗に於ける育苗培土混和時、播種時覆土前又は覆土後、乳苗期から田植え直前時までの期間の施用がこれにあたり、さらに近年田植え同時施用も開発されており、この分野への適用も可能である。また、野菜等のセルトレイ育苗に於いても同様育苗培土混和時から移植時まで適用され得るが、特に好ましくは播種時及び稚苗期施用や、移植時における植穴処理等が上げられる。
尚、播種育苗期での栽培は、通常育苗培土が用いられるが、育苗マットやシート等培土以外の栽培に於いても適用可能である。
施用の方法としては、通常の農薬粒状製剤と同様な方法によって施用することができ、例えば、手での直接散粒、人力式散粒機、電動式散粒機、背負形動力式散粒機、走行形動力散粒機、トラクター搭載型散粒機、田植機搭載型散粒機、側条施用用施薬機、無人ヘリコプター等航空散粒機による方法等を挙げることができる。
特に水稲育苗箱での施用においては、農薬粒状製剤を所定量の計り取れる計量カップですくい取り、育苗箱に振りかける方法、専用の育苗箱散布容器に入れて育苗箱に散粒する方法、農薬粒状製剤の包装容器に施された排出口や穴等から直接育苗箱に散粒する方法、動力式散粒機を用いて広範囲に配置した数多くの育苗箱に散粒する方法、播種作業時や田植作業時に専用の装置にて育苗箱に散粒する方法、育苗土壌と混和する方法等が例示される。
なお、本発明の製造方法により得られる農薬粒状製剤を施用する際の施用量としては、水田や畑地の場合、10アールあたり、0.1〜20kg、好ましくは0.2kg〜5kgであり、水稲育苗箱の場合、育苗箱(通常、0.16m)一枚あたり10〜200g、好ましくは10g〜100gである。
以下、本発明の具体的な実施例につき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において「部」は「重量部」を意味するものであり、「%」は「重量%」を意味するものである。
また、実施例1〜5に使用のポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩におけるポリオキシエチレンステアリルエーテル部のHLB値は12である。
[実施例1] イソプロチオラン12.0部、ポリビニルアルコール(ケン化度86.5〜89.0、4%水溶液粘度40〜46mPa・s)2.0部、ポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の20%水溶液2.5部(商品名:ディクスゾール205A−20、第一工業製薬株式会社製)、含水ケイ酸2.0部及びクレー83.5部を双腕ニーダー(不二パウダル株式会社製)で混合後、水15.0部を加えて充分混練することにより押し出し用組成物を得た。次に、この押し出し用組成物を孔径0.8mmのスクリーンを装着したドームグラン造粒機(DG−L1型:不二パウダル株式会社製)にて造粒した。得られた造粒物を流動層乾燥機(株式会社大河原製作所製)で乾燥した後、目開き500μm及び1400μmのふるい網を装着したふるい振とう機でふるい別けして、イソプロチオラン12.0%を含有する農薬粒状製剤(粒剤)を得た。
[実施例2] イソプロチオラン12.0部、ポリビニルアルコール(ケン化度86.5〜89.0、4%水溶液粘度40〜46mPa・s)2.0部、ポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸エステルナトリウム塩の20%水溶液(商品名:ディクスゾール205A−20、第一工業製薬株式会社製)2.5部、含水ケイ酸2.0部及びクレー83.5部を双腕ニーダー(不二パウダル株式会社製)で混合後、水15.0部を加えて充分混練することにより押し出し用組成物を得た。次に、この押し出し用組成物を孔径0.8mmのスクリーンを装着したドームグラン造粒機(DG−L1型:不二パウダル株式会社製)にて造粒した。得られた造粒物を流動層乾燥機(株式会社大河原製作所製)で乾燥した後、目開き500μm及び1400μmのふるい網を装着したふるい振とう機でふるい別けして、イソプロチオラン12.0%を含有する農薬粒状製剤(粒剤)を得た。
[実施例3] チアジニル12.0部、ポリビニルアルコール(ケン化度86.5〜89.0、4%水溶液粘度40〜46mPa・s)2.0部、ポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の20%水溶液(商品名:ディクスゾール205A−20、第一工業製薬株式会社製)2.5部、含水ケイ酸2.0部及びクレー83.5部を双腕ニーダー(不二パウダル株式会社製)で混合後、水15.0部を加えて充分混練することにより押し出し用組成物を得た。次に、この押し出し用組成物を孔径1.2mmのスクリーンを装着したドームグラン造粒機(DG−L1型:不二パウダル株式会社製)にて造粒した。得られた造粒物を適度に解砕して流動層乾燥機(株式会社大河原製作所製)で乾燥した後、目開き500μm及び1400μmのふるい網を装着したふるい振とう機でふるい別けして、チアジニル12.0%を含有する農薬粒状製剤(粒剤)を得た。
[実施例4] チアジニル6.0部、ポリビニルアルコール(ケン化度86.5〜89.0、4%水溶液粘度40〜46mPa・s)2.0部、ポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の20%水溶液(商品名:ディクスゾール205A−20、第一工業製薬株式会社製)2.5部、含水ケイ酸10.0部及びクレー81.5部を双腕ニーダー(不二パウダル株式会社製)で混合後、水30.0部を加えて充分混練することにより押し出し用組成物を得た。次に、この押し出し用組成物を孔径1.2mmのスクリーンを装着したドームグラン造粒機(DG−L1型:不二パウダル株式会社製)にて造粒した。得られた造粒物を流動層乾燥機(株式会社大河原製作所製)で乾燥した後、目開き500μm及び1400μmのふるい網を装着したふるい振とう機でふるい別けして、チアジニル6.0%を含有する農薬粒状製剤(粒剤)を得た。
[実施例5] イソプロチオラン12.0部、フィプロニル1.0部、α化デンプン(商品名:マツノリンM、松谷化学製)1.0部、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(エーテル化度0.65〜0.75、4%水溶液粘度15〜25mPa・s)2.0部、ポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の20%水溶液(商品名:ディクスゾール205A−20、第一工業製薬株式会社製)2.5部、含水ケイ酸1.0部、ナトリウムベントナイト30.0部及びクレー52.5部を双腕ニーダー(不二パウダル株式会社製)で混合後、水25.0部を加えて充分混練することにより押し出し用組成物を得た。次に、この押し出し用組成物を孔径0.8mmのスクリーンを装着したドームグラン造粒機(DG−L1型:不二パウダル株式会社製)にて造粒した。得られた造粒物を流動層乾燥機(株式会社大河原製作所製)で乾燥した後、目開き500μm及び1400μmのふるい網を装着したふるい振とう機でふるい別けして、イソプロチオラン12.0%及びフィプロニル1.0%を含有する農薬粒状製剤(粒剤)を得た。
[比較例1] チアジニル12.0部、ポリビニルアルコール(ケン化度86.5〜89.0、4%水溶液粘度40〜46mPa・s)2.0部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(商品名:アデカトールSO−135、旭電化工業株式会社製)0.5部、含水ケイ酸2.0部及びクレー83.5部を双腕ニーダー(不二パウダル株式会社製)で混合後、水15.0部を加えて充分混練することにより押し出し用組成物を得た。次に、この押し出し用組成物を孔径1.2mmのスクリーンを装着したドームグラン造粒機(DG−L1型:不二パウダル株式会社製)にて造粒した。得られた造粒物を流動層乾燥機(株式会社大河原製作所製)で乾燥した後、目開き500μm及び1400μmのふるい網を装着したふるい振とう機でふるい別けして、チアジニル12.0%を含有する農薬粒状製剤(粒剤)を得た。
[比較例2] 比較例1におけるポリオキシエチレンアルキルエーテル0.5部を、アルキルスルホネートナトリウム塩(商品名:ニューカルゲンTG−59S、竹本油脂株式会社製)0.5部に置き換えること以外は比較例1と同じにして、チアジニル12.0%を含有する農薬粒状製剤(粒剤)を得た。
[比較例3] 比較例1におけるポリオキシエチレンアルキルエーテル0.5部を、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルカリウム塩(商品名:ニューカルゲンTG−100、竹本油脂株式会社製)0.5部に置き換えること以外は比較例1と同じにして、チアジニル12.0%を含有する農薬粒状製剤(粒剤)を得た。
[比較例4] 比較例1におけるポリオキシエチレンアルキルエーテル0.5部を、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(商品名:ネオゲンパウダー、第一工業製薬株式会社製)0.5部に置き換える以外は比較例1と同じにして、チアジニル12.0%を含有する農薬粒状製剤(粒剤)を得た。
[比較例5] 比較例1におけるポリオキシエチレンアルキルエーテル0.5部を、ラウリル硫酸ナトリウム(商品名:ソルポール5029−O、東邦化学工業株式会社製)0.5部に置き換えること以外は比較例1と同じにして、チアジニル12.0%を含有する農薬粒状製剤(粒剤)を得た。
[比較例6] 比較例1におけるポリオキシエチレンアルキルエーテル0.5部を、ポリオキシエチレントリデシルエーテル硫酸エステルナトリウム塩(商品名:ニューカルゲンP−1203S、竹本油脂株式会社製)0.5部に置き換えること以外は比較例1と同じにして、チアジニル12.0%を含有する農薬粒状製剤(粒剤)を得た。
本発明の効果を確認するために、以下の試験を行った。
[試験例1] 水稲薬害試験
上記各実施例及び比較例で製造した農薬粒状製剤(粒剤)について、播種14日後(草丈18〜25cm)の幼苗期イネの葉身部にそれぞれの粒剤を24時間接触させ、その後粒剤を払い落として4日後に薬害症状(黄化、褐変、枯れ込み等)を達観にて調査した。イネに対する薬害を、−(薬害なし:植物に対する薬害が全く認められない)、±(微:植物に対して極僅かな薬害が認められるが、該薬害は実用上問題ない程度である)、+(軽度:植物に対して軽度の薬害が認められ、該薬害は実用上問題がある)、++(中度:植物に対して明らかな薬害が認められ、該薬害は実用上問題がある)、+++(重度:植物に対して重篤な薬害が認められ、該薬害は実用上問題がある)の判定基準で判定した。
[試験例2] 造粒試験
上記各実施例及び比較例にて調製した押し出し用組成物約1kgを、ドームグラン押し出し造粒機を用いて造粒する際に、押し出し工程中の負荷電流値を計測した。負荷電流値が小さいほど造粒性が良好であることを示す。
上記試験例の結果を下記表1に示す。
本発明の農薬粒状製剤の製造方法において(実施例1〜5)は、表1に示される結果から、造粒時の負荷電流が小さく造粒性が改善されており、しかも、得られた農薬粒状製剤は、イネに対して薬害を発生せず、イネの種子の発芽・発根及び幼苗の生育に悪影響を及ぼすものでないことが示された。これに対して、比較例2及び4においては薬害を発生していないものの、造粒が困難であった。また、比較例1、3及び6においては、造粒性は比較的良いもののイネに対し中度の薬害を生じることが示された。比較例5においては、造粒性も悪く、軽度ながらイネに薬害を生じた。
Figure 2008037820

Claims (10)

  1. 農薬有効成分、結合剤、固体担体及びポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩を含有してなる組成物を押し出し造粒することを特徴とする農薬粒状製剤の製造方法。
  2. ポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩におけるポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル部分のHLB値が8〜17である請求項1に記載の農薬粒状製剤の製造方法。
  3. 農薬粒状製剤中のポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩の含有率が0.1〜2.0重量%である請求項1又は2いずれか1項に記載の農薬粒状製剤の製造方法。
  4. ポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩がポリオキシエチレンC18アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩である請求項1乃至3いずれか1項に記載の農薬粒状製剤の製造方法。
  5. ポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩がポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩又はポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩である請求項1乃至3いずれか1項に記載の農薬粒状製剤の製造方法。
  6. 請求項1乃至5いずれか1項に記載の製造方法によって得られる農薬粒状製剤。
  7. 農薬有効成分0.01〜60重量%、結合剤0.1〜20重量%、固体担体0.5〜99.8重量%及びポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩0.05〜10重量%を含有してなる請求項6に記載の農薬粒状製剤。
  8. 播種育苗期に施用するための農薬粒状製剤である請求項6又は7に記載の農薬粒状製剤。
  9. 農薬有効成分がフィプロニル、アセトプロール、イミダクロプリド、アセタミプリド、ニテンピラム、ジノテフラン、チアクロプリド、チアメトキサム、クロチアニジン、フロニカミド、スピノサド、ベンフラカルブ、フルベンジアミド、アセフェート、チアジニル、プロベナゾール、アシベンゾラル−S−メチル、N−(2−シアノフェニル)−3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキサミド、イソプロチオラン、カルプロパミド、ジクロシメット、ピロキロン、オリサストロビン、アゾキシストロビン、トリシクラゾール、フラメトピル、フルトラニル又はチフルザミドである請求項6乃至8いずれか1項に記載の農薬粒状製剤。
  10. 農薬粒状製剤の製造に用いる押し出し用組成物に、農薬粒状製剤中の含有率が0.05〜10重量%の割合となるよう配合して使用することを特徴とする、押し出し造粒の造粒性を改善し、かつ施用時に作物に薬害を生じない農薬粒状製剤を製造するためのポリオキシエチレンC15−C20アルキルエーテル硫酸エステル塩の使用方法。
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