JP2005112792A - 農薬組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 製剤化することで農薬活性成分の光安定性が増加することで残効性が飛躍的に向上し、融点が70℃以下の農薬活性成分を用いた場合の水に対する分散性が良く、長期にわたって安定して製造直後の物性を保持でき、安定した生物制御効果と残効性の向上が得られる農薬組成物を提供すること。
【解決手段】 (1)トリフルミゾール等の融点が70℃以下の農薬活性成分、(2)ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルのサルフェート塩もしくはフォスフェート塩又はポリオキシアルキレンアルキルエーテルのサルフェート塩もしくはフォスフェート塩、及び(3)カオリン鉱物又は硫酸カルシウムを含有する粉状又は顆粒状農薬組成物を調製する。

Description

本発明は、残効性、水に対する分散性、安定性及び長期保存安定性の優れた粉状又は顆粒状農薬組成物に関する。
農薬製剤のなかで、水和剤は比較的、広範囲の原体に適用することができ、高濃度の製剤化が可能である。水和剤の特性として、水で希釈するときに薬剤が速やかに水になじみ、攪拌したときに分散が良好で、その状態の長時間維持が求められる。また、製剤化することで農薬活性成分の残効性の向上も求められる。このような要求を満たすために、次のような水和剤が知られている。
農薬活性成分の1種又は2種以上と、(1)リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩等の界面活性剤と、(2)アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩等の界面活性剤とを含有してなる水分散性粒状農薬組成物(特許文献1参照)、(1)農薬活性成分の1種又は2種以上、(2)水溶性の無機酸塩もしくは水溶性の有機酸塩又はそれらの混合物、及び(3)アルキルナフタレンスルホン酸塩もしくはポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩又はそれらの混合物を含有する農業用粒状水和剤組成物(特許文献2参照)、バインダーとして特定構造のアルコキシポリグリコールエーテルサルフェート塩を10重量%以下の範囲で含有しており、また農薬薬効成分を5〜35重量%の範囲で含有していて、残部が鉱物質担体からなる崩壊型農薬粒剤組成物(特許文献3参照)、農薬活性成分、天然ガラス質気泡体を粉砕して得られた平均粒子径が5μm〜100μmのガラス質粉末、ラウリル硫酸塩、ラウリル硫酸塩以外の陰イオン界面活性剤、粘結剤及び固体担体からなる農薬粒状水和剤(特許文献4参照)、農薬活性成分と、重合度が30以下のデキストリン及び硫酸アンモニウム及び/又はサッカロースを配合してなる農薬粒状水和剤(特許文献5参照)、水中での崩壊性と分散性に優れた水分散性粒状農薬組成物水溶性カチオンコポリマーで表面改質された炭酸カルシウム等の無機微粉体と農薬活性成分とを含有する農薬製剤組成物(特許文献6参照)、農薬活性成分と多孔質炭酸カルシウム系化合物と界面活性剤とを含有する混合物を造粒してなる農薬粒状水和剤(特許文献7参照)等。
一方、融点が70℃以下である農薬活性成分を用いるものとして、(a)農薬活性成分、(b)界面活性剤、(c)デキストリン及び/又は乳糖及び(d)水を含有し、さらに(e)有機溶媒及び/又は水溶性担体を含有してもよい水性乳濁液を噴霧乾燥せしめたものを含有する農薬固形乳剤(特許文献8参照)が知られている。融点が70℃以下の農薬活性成分化合物を用いる上記の農薬製剤は、固形乳剤であり、その性質上、鉱物質担体を添加せずに、油相と水相とを乳化する乳化工程、噴霧乾燥という工程を必須とするものである。
特開平05−043402公報 特開平06−219903公報 特開平06−271403公報 特開平09−301801公報 特開平10−218704公報 特開平11−012110号公報 特開2000−191406公報 特開平3−47103号公報
しかし、従来の農薬組成物製剤(水和剤)は、製剤化することで農薬活性成分の光安定性が悪くなり残効性が劣化することが多く、十分に満足しうるものではなかった。また、融点が70℃以下の農薬活性成分化合物を用いる場合、経時変化が起こり易く、原体が粘性を帯び結合剤として働き、凝集、固化が生じ、その結果、水中に投入しても水和性、分散性が悪く、撹拌しても完全な分散液が得ることができず、沈降量が多く水和剤としての性質を十分に発揮できないという問題があった。
本発明の課題は、トリフルミゾール等の融点が70℃以下の農薬活性成分化合物を用いる場合に、製剤化することにより農薬活性成分の光安定性が増加し、残効性が飛躍的に向上し、これらの物性劣化の原因となる経時変化が起こらない、粉状又は顆粒状農薬組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究し、トリフルミゾール等の融点が70℃以下の農薬活性成分化合物に、特定のアニオン界面活性剤と、カオリン鉱物又は硫酸カルシウムを配合することにより、上記課題を解決しうることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(1)融点が70℃以下の農薬活性成分、(2)ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルのサルフェート塩もしくはフォスフェート塩又はポリオキシアルキレンアルキルエーテルのサルフェート塩もしくはフォスフェート塩及び(3)カオリン鉱物又は硫酸カルシウムを含有することを特徴とする粉状又は顆粒状農薬組成物(請求項1)や、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルのサルフェート塩もしくはフォスフェート塩又はポリオキシアルキレンアルキルエーテルのサルフェート塩もしくはフォスフェート塩を0.01〜15重量%含有することを特徴とする請求項1記載の粉状又は顆粒状農薬組成物(請求項2)や、農薬活性成分が、トリフルミゾール、シフルフェナミド、ベスロジン、アミプロホスメチル、クロルピリホス、フェンプロパトリン、DMTP、ピリダフェンチオンから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の粉状又は顆粒状農薬組成物(請求項3)に関する。
本発明の農薬組成物としては、(1)融点が70℃以下の農薬活性成分、(2)ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルのサルフェート塩もしくはフォスフェート塩又はポリオキシアルキレンアルキルエーテルのサルフェート塩もしくはフォスフェート塩及び(3)カオリン鉱物又は硫酸カルシウムを含有する組成物であれば特に制限されるものではなく、その剤型としては特に限定されないが、粉状、顆粒状及び水懸濁状のものを好適に例示することができる。
本発明の粉状又は顆粒状農薬組成物に用いられる融点が70℃以下の農薬活性成分としては、融点が70℃以下の殺菌剤、殺虫剤、除草剤などの農薬活性成分であれば特に制限されず、これらは1種単独又は2種以上混合して用いることができる。これらの農薬活性成分の製剤中への添加量は特に限定されるものではなく、一般的には農薬組成物全量の0.01〜90重量%、好ましくは0.1〜60重量%である。
上記殺菌剤としては、トリフルミゾール、シフルフェナミド、テブコナゾール、フェンプロピジン、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、フェンブコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、プロピコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、ビテルタノール、イミベンコナゾール、ジニコナゾール、フェンプロピモルフ、トリデモルフ、エポキシコナゾール、フルキンコナゾール、プロクロラズ、メトコナゾール、アゾキシストロビン、イソプロチオラン、イプロジオン、イミノクタジンアルベシル酸塩、オキソリニック酸、キャプタン、クレソキシムメチル、ジエトフェンカルブ、ストレプトマイシン、石灰硫黄合剤、ダゾメット、チウラム、チオファネートメチル、トリアジン、ピロキロン、フルアジナム、フルスルファミド、プロシミドン、プロベナゾール、プロモカルブ、ホセチル、ベノミル、ペンシクロン、マンゼブ、メパニピリム等を挙げることができるが、中でもトリフルミゾール、シフルフェナミドを好適に例示することができる。
上記殺虫剤としては、アセタミプリド、アセフェート、イミダクロプリド、エチルチオメトン、エトキサザール、エトフェンプロックス、エマメクチン安息香酸塩、クロクピクリン、クロルピリホス、クロルフェナピル、酸化フェンブタスズ、スピノサド、シクロプロトリン、臭化メチル、酒石酸モランテル、ダイアジノン、トラロメトリン、ピリダフェンチオン、ビフェントリン、フィプロニル、フェンプロパトリン、フルフェノクスロン、ヘキシチアゾクス、ベンフラカルブ、ミルベメクチン、メソミル、D−D、DDVP、DMTP、MEP等を挙げることができるが、中でもクロルピリホス、フェンプロパトリン、DMTP、ピリダフェンチオンを好適に例示することができる。
上記除草剤としては、ベスロジン、アミプロホスメチル、アイオキシニル、塩素酸塩、グリホサートイソプロピルアミン塩、グルホシネート、トリフルラリン、ビアラホス、プレチラクロール、ペンディメタリン等を挙げることができるが、中でもベスロジン、アミプロホスメチルを好適に例示することができる。
本発明の粉状又は顆粒状農薬組成物に用いられるポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルのサルフェート塩もしくはフォスフェート塩、又はポリオキシアルキレンアルキルエーテルのサルフェート塩もしくはフォスフェート塩としては、ポリオキシアルキレン基部分が重合度2〜50、好ましくは重合度4〜30のポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基等で、アリール基部分がフェニル基、ナフチル基、スチリル基等の炭素数6〜40のアリール基である、モノ−、ジ−又はトリ置換体が挙げられ、塩としてはカリウム、ナトリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、モノ−、ジ−又はトリ−エタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩を挙げることができる。
これらのポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルのサルフェート塩もしくはフォスフェート塩、又はポリオキシアルキレンアルキルエーテルのサルフェート塩もしくはフォスフェート塩は、1種単独で又は2種以上を混合して配合することができ、その配合量は、上記農薬活性成分を分散し得る量であれば特に制限されないが、農薬組成物全量の0.01〜15重量%が好ましく、0.5〜10重量%がより好ましい。
本発明の粉状又は顆粒状農薬組成物に用いられるカオリン鉱物としては、カオリナイト、ハロイサイト、メタハロイサイト、デイッカイト、ナクライトを具体的に例示することができ、中でもカオリナイトを好適に例示することができる。これらカオリン鉱物は、1種単独で又は2種以上を混合して配合することができ、その配合量は特に限定されないが、5〜95重量%が好ましい。
また、本発明の粉状又は顆粒状農薬組成物に用いられる硫酸カルシウムとしては、硫酸カルシウム2水和物、硫酸カルシウム1/2水和物、硫酸カルシウム無水物を具体的に例示することができ、中でも硫酸カルシウム2水和物を好適に例示することができる。これら硫酸カルシウムは、1種単独で又は2種以上を混合して配合することができ、その配合量は特に限定されないが、5〜95重量%が好ましい。
本発明の粉状又は顆粒状農薬組成物には、前記ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルのサルフェート塩もしくはフォスフェート塩又はポリオキシアルキレンアルキルエーテルのサルフェート塩もしくはフォスフェート塩の他に、非イオン界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤等の他の界面活性剤を添加することもできる。これら配合できる界面活性剤は、1種又は2種以上を併用することができ、また、これら界面活性剤の添加量は特に限定されないが、効果、経済性より製剤中に、0.1〜30重量%程度配合することが好ましい。
上記非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキレート、ポリオキシエチレンフェニルエーテルポリマー、ポリオキシエチレンアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン植物油エーテルなどを挙げることができる。
上記陰イオン性界面活性剤としては、アルキルアリールスルホン酸ナトリウム、アルキルアリールスルホン酸カルシウム、アルキルアリールスルホン酸アンモニウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホサクシネート、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩のホルムアルデヒド重縮合物、リグニンスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩などを挙げることができる。
上記陽イオン性界面活性剤としては、アルキル第4級アンモニウム塩、アルキルアミン塩、アルキルピリジニウム塩などを挙げることができる。
上記両性界面活性剤としては、アルキルベタイン、アミンオキサイド、アルキルアミノ酸塩などを挙げることができる。
本発明の粉状又は顆粒状農薬組成物には、前記カオリン鉱物又は硫酸カルシウムの他に他の担体や粘結剤を添加することができる。これら担体や粘結剤の添加量は特に限定されないが、効果、経済性より製剤中に、0.1〜40重量部程度配合することが好ましい。
上記配合できる粘結剤としては、この種農薬に通常用いられる公知の粘結剤であれば特に限定されるものではないが、例えば、澱粉、デキストリン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドキシプロピルセルロース、カルボキシメチルデンプン、プルラン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、グアーガム、ローカストビーンガム、アラビアゴム、キサンタンガム、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、エチレン・プロピレンブロックポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、カラギーナンなどを挙げることができる。これら粘結剤は1種又は2種以上を併用することができる。
上記配合することができる担体としては、この種農薬に通常用いられる公知の無機担体や有機担体であれば特に限定されるものではないが、例えば、クレー、ベントナイト、タルク、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ジークライト、セリサイト、酸性白土、珪石、ケイソウ土、軽石、ゼオライト、バーミキュライト、塩化カリウム、尿素、ホワイトカーボン、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、パーライト、硫酸マグネシウム、リン酸1ナトリウム等の無機担体や、グルコース、マルトース、シュークロース、ラクトース、デンプン等の有機担体を挙げることができる。これら担体は1種又は2種以上を併用することができ、無機担体と有機担体を併用することもできる。
また、本発明にかかる農薬組成物は、上記した成分に加え、補助剤を配合することができる。かかる補助剤としては、例えば、防腐防かび剤、溶剤を挙げることができ、さらに酸化防止剤、紫外線防止剤、結晶析出防止剤などの農薬活性成分の安定化剤も添加することができる。
上記溶剤としては、アジピン酸イソブチル、アジピン酸ジオレイル、アジピン酸ジイソデシル、フタル酸ジエチルヘキシル、フタル酸ジデシル、トリメリット酸2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリイソデシルなどの多塩基酸アルコールエステル、2−エチルヘキサン酸セチル、ヤシ脂肪酸セチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、オレイン酸メチル、オレイン酸オクチルなどの脂肪酸アルコールエステル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエートなどの多価アルコール脂肪酸エステル、オクチルアルコール、ラウリルアルコールなどの高級アルコール、1,2−ジメチル−4−エチルベンゼン、メチルナフタレン、1−フェニル−1−キシリルエタン、1−キシリル−1,3−ジフェニルブタンなどの芳香族炭化水素などを例示することができる。
本発明の農薬組成物の調製法は特に限定されないが、例えば、農薬活性成分を界面活性剤、粘結剤、及び担体と、必要があれば防腐防かび剤、農薬活性成分の安定化剤などの補助剤と混合し、湿式粉砕機や空気粉砕機などの粉砕機で粉砕することによって粉状農薬組成物を調製することができる。本発明の粉状農薬組成物の粒径は、従来の粉状製剤と同程度であり、具体的には0.1〜45μmの範囲とすることが望ましい。
また、顆粒状農薬組成物を調製するには、上記粉状農薬組成物に水を加えてニーダーなどの混練機にて混練後、押し出し造粒機にて造粒後、乾燥し、整粒すればよい。また、加水しながら転動造粒機にて造粒し、乾燥、整粒してもよい。さらに、水添加前の水和性農薬組成物を水に分散させ、噴霧造粒機により造粒してもよく、また、粉体混合物を流動させながら粘結剤溶液あるいは農薬活性成分などをスプレーして造粒する流動層造粒機により造粒してもよい。本発明にかかる顆粒状農薬組成物の粒径は、従来の顆粒状製剤と同程度であり、具体的には0.1〜2mmの範囲とするのが望ましい。
次に以下の実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。なお、以下に部とあるのはすべて重量%を意味する。
トリフルミゾール(融点62.4度)31.3部、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩(ノニオン部HLB:15.2)2.5部、ホワイトカーボン2.5部、硫酸カルシウム2水和物63.7部を混合し、空気粉砕機(商品名:ウルマックス;内径3インチ;日曹エンジニアリング社製)で粉砕し粉状農薬組成物を得た。
実施例1のポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩(ノニオン部HLB:15.2)をポリオキシエチレンヘキサデシルエーテルサルフェートナトリウム塩(ノニオン部HLB:17)に置き換えて実施例1と同様の操作を行い、粉状農薬組成物を得た。
実施例1のポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩(ノニオン部HLB:15.2)をポリオキシエチレンヘキサデシルエーテルフォスフェートナトリウム塩(ノニオン部HLB:15)に置き換えて実施例1と同様の操作を行い、粉状農薬組成物を得た。
実施例1の硫酸カルシウム2水和物をカオリンクレーに置き換えて実施例1と同様の操作を行い、粉状農薬組成物を得た。
トリフルミゾール31.3部、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩(ノニオン部HLB:15.2)2.5部、ホワイトカーボン2.5部、硫酸カルシウム48.7部、硫酸アンモニウム10部、尿素5部を混合した粉状農薬組成物に水15部を加え、ニーダー(商品名:KNEADER;Fuji Paudal社製;型式:KDHJ−2)で混練りし、0.7mmのスクリーンを用いて押し出し造粒機(商品名:PELLETER;不二電機工業社製;型式:EXK−1)し、40℃で12時間乾燥し、0.59〜0.84mmのふるいに残った部分を分取して、顆粒状農薬組成物を得た。
トリフルミゾール31.3部、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩(ノニオン部HLB:15.2)1.45部、ホワイトカーボン1.45部、硫酸カルシウム2水和物61.8部、リグニンスルホン酸ナトリウム塩4.0部を混合し、実施例1と同様の操作を行い、粉状農薬組成物を得た。
トリフルミゾール31.3部、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩(ノニオン部HLB:15.2)1.45部、ホワイトカーボン1.45部、カオリンクレー19.7部、パイロフィライトクレー40.1部、尿素1.0部、リン酸2ナトリウム1.0部、リグニンスルホン酸ナトリウム4.0部を混合し、実施例1と同様の操作を行い、粉状農薬組成物を得た。
トリフルミゾール31.3部、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩(ノニオン部HLB:15.2)2.5部、ホワイトカーボン2.5部、硫酸カルシウム2水和物61.7部、尿素1.0部、リン酸2ナトリウム1.0部を混合し、実施例1と同様の操作を行い、粉状農薬組成物を得た。
比較例1
トリフルミゾール31.3部、ドデシルサルフェートナトリウム塩2.5部、硫酸カルシウム2水和物66.2部を混合し、実施例1と同様の操作を行い、粉状農薬組成物を得た。
比較例2
トリフルミゾール31.3部、ドデシルサルフェートナトリウム塩5.0部、硫酸カルシウム2水和物53.7部、尿素10部を混合した粉状農薬組成物に水7.5部加え実施例5と同様の操作を行い、顆粒状農薬組成物を得た。
比較例3
実施例1の硫酸カルシウム2水和物を炭酸カルシウムに置き換えて、実施例1と同様の操作を行い、粉状農薬組成物を得た。
比較例4
トリフルミゾール31.3部、カオリンクレー19.7部、パイロフィライトクレー40.1部、尿素1.0部、リン酸2ナトリウム1.0部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホアセテートナトリウム塩(ノニオン部HLB:10)1.45部、ホワイトカーボン1.45部、リグニンスルホン酸ナトリウム4.0部を混合し、実施例1と同様の操作を行い、粉状農薬組成物を得た。
比較例5
トリフルミゾール31.3部、カオリンクレー20.7部、パイロフィライトクレー41.1部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホアセテートナトリウム塩(ノニオン部HLB:10)1.45部、ホワイトカーボン1.45部、リグニンスルホン酸ナトリウム4.0部を混合し、実施例1と同様の操作を行い、粉状農薬組成物を得た。
試験例1 虐待試験
実施例1〜7及び比較例1〜3に基づいて製剤した農薬組成物を54℃、25g/cm2になるように加温・加圧しながら2週間恒温器に保存した(CIPAC MT46に準じた)。
試験例2 希釈物性の測定
100mLの水を入れると水面から底までの距離が約180mmで空間容積が30mLとなる試験管に、100mLの3度硬水を入れ、実施例1〜7及び比較例1〜3に基づいて製剤した農薬組成物の製剤直後及び虐待後50mgを静かに投入し、(i)水中崩壊転倒回数、(ii)沈降量を下記の方法及び基準にて測定した。結果を表1に示す。
(i)水中分散転倒回数
本発明の農薬組成物を蒸留水に静かに投入30秒後に、試験管を2秒に1回の割合で転倒、元に戻す操作を繰り返し、組成物が完全に分散するまでの転倒回数を測定した。
(ii)沈降量
水中崩壊転倒回数の測定後に、更に試験管を2秒に1回の割合で転倒、元に戻す操作を30回繰り返し、30分後に沈降量(mL)を測定した。
Figure 2005112792
表1に示すように、本発明に係る農薬組成物は、アニオン界面活性剤の中でも、比較例1、2のドデシルサルフェートナトリウム塩に比べて、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテルサルフェートナトリウム塩、又はポリオキシエチレンヘキサデシルエーテルフォスフェートナトリウム塩を使用することによって、農薬製剤の製造直後及び虐待後の分散性に優れ、かつ水中での沈降量も少ない。また、実施例1、4及び比較例3を比べると、鉱物質として硫酸カルシウム2水和物又はカオリンクレーを用いる本発明に係る農薬組成物は、比較例3の炭酸カルシウムを用いるものより、製造直後及び虐待後の分散性に優れ、かつ水中での沈降量も少ない。
試験例3 露光後の原体安定性
実施例1及び比較例4に基づいて製剤した農薬組成物を水で希釈後シャーレ上及びキュウリ葉上に付着させ、風乾後露光した。露光5日後の原体残存率を測定した。結果を表2に示す。また、実施例1及び8並びに比較例4及び5に基づいて製剤した農薬組成物を水で希釈後シャーレに付着させ風乾後露光した。露光5日後の原体残存率を測定した。結果を表3に示す。
Figure 2005112792
Figure 2005112792
表2及び表3に示すように、アニオン界面活性剤としてポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩を含む本発明の農薬組成物は、アニオン界面活性剤としてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホアセテートナトリウム塩を含む比較例4や比較例5の農薬組成物に比べて、5日間の露光後の原体残存率が、キュウリ葉上では2倍以上であり、シャーレ上では15倍以上又は50倍以上であり、露光後の原体残存率において顕著な差が認められた。
試験例4 キュウリうどんこ病残効性試験(ポット試験)
実施例1の農薬組成物と比較例4の農薬組成物との、キュウリうどんこ病に対する残効性を、以下に示す手法にて比較した。
作物 :キュウリ(品種:相模半白)
試験規模:1区1ポット、3反復
薬剤処理:約4葉期のキュウリ苗に、実施例1の農薬組成物及び比較例4の農薬組成物を所定濃度に調整し、肩掛け式散布器で1回散布した。散布18日後及び25日後に、薬液が散布された第1葉から第4葉における発病の程度を以下の基準で調査し、発病度を求め防除価を算出した。試験結果を表4に示す。
発病基準と基準値
発病基準 発病指数
発病なし 0
病斑面積が葉面の10%以内 1
病斑面積が葉面の11〜25% 2
病斑面積が葉面の26〜50% 3
病斑面積が葉面の51%以上 4
発病度=Σ(程度別発病株数×発病指数)/(4×総調査株数)×100
防除価=(1−(処理区の発病度/ 無処理区の発病度))×100
Figure 2005112792
以上の観察値は、実施例1の農薬組成物が比較例4の農薬組成物よりも明らかに高い防除価を示し、本発明の農薬組成物は優れた残効性を有することを示している。
本発明により、使用する薬剤量、或いは散布回数の低減が可能となり、圃場での使用場面を拡大できる。
本発明の農薬組成物は、特定の界面活性剤、特定の鉱物質を用いて製剤化することで、農薬活性成分の光安定性が増加して残効性が飛躍的に向上し、薬液調製時の農薬組成物の水和性や分散性が良好で、沈降量が少なく、薬液の調製が容易であり、さらに希釈物性に経時変化が少なく、散布液がムラなく作物に付着して、安定した生物制御効果と残効性向上効果を奏する。

Claims (3)

  1. (1)融点が70℃以下の農薬活性成分、(2)ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルのサルフェート塩もしくはフォスフェート塩又はポリオキシアルキレンアルキルエーテルのサルフェート塩もしくはフォスフェート塩、及び(3)カオリン鉱物又は硫酸カルシウムを含有することを特徴とする粉状又は顆粒状農薬組成物。
  2. ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルのサルフェート塩もしくはフォスフェート塩又はポリオキシアルキレンアルキルエーテルのサルフェート塩もしくはフォスフェート塩を0.01〜15重量%含有することを特徴とする請求項1記載の粉状又は顆粒状農薬組成物。
  3. 農薬活性成分が、トリフルミゾール、シフルフェナミド、ベスロジン、アミプロホスメチル、クロルピリホス、フェンプロパトリン、DMTP、ピリダフェンチオンから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の粉状又は顆粒状農薬組成物。
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