JP2019099245A - パウチ - Google Patents

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Abstract

【課題】 上部のデザインの自由度を高めることができるとともに、内容物を容易に取り出すことが可能なパウチを提供する。【解決手段】 底部ガセット部9を有するパウチであって、表面フィルム1、裏面フィルム2は、最内面の層にイージーピール性のシーラント層が積層されており、底面フィルム3は、両面にイージーピール性のシーラント層が積層されており、表面フィルム1と裏面フィルム2を側部で接合する側部シール部5a、5bが形成されており、底面フィルム3と表面フィルム1、裏面フィルム2それぞれを、底部で接合する底部シール部6が形成されており、底面フィルム3と表面フィルム1、裏面フィルム2それぞれを、側部で接合する第1側底部シール部8aが形成されており、底面フィルム3が折り返されて対向する面同士を、表面フィルム1と裏面フィルム2の側部に対応する位置で接合する第2側底部シール部8bが形成されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、開封特性に優れたパウチに関する。
従来、前面、後面、底面のフィルムにより形成され、底面を含む下部において形成されたガセット部を開くことにより自立させるスタンディング形式のパウチが知られている(特許文献1参照)。
特開2006−27646号公報
従来のスタンディング形式のパウチの多くは、内容物を取り出すための開口が袋の上部に形成されるようにできている。そのため、袋の上部の形状や絵柄は、開口の妨げにならない範囲のデザインに限られている。また、開口が袋の上部に形成されるため、パウチから内容物を取り出す際、パウチを傾けて、袋の上部に形成された開口を下方に向ける必要がある。
そこで、本発明は、上部のデザインの自由度を高めることができるとともに、内容物を容易に取り出すことが可能なパウチを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、
表面フィルムと、裏面フィルムと、前記表面フィルムと前記裏面フィルムとの間に折り返して配置される底面フィルムとを備え、底部ガセット部を有するパウチであって、
前記表面フィルム、前記裏面フィルムは、最内面の層にイージーピール性を発現させるシーラント層が積層された積層フィルムであり、前記底面フィルムは、両面にイージーピール性を発現させるシーラント層が積層された積層フィルムであり、
前記表面フィルムと裏面フィルムを側部において接合する側部シール部が形成されており、
前記底面フィルムと前記表面フィルム、前記裏面フィルムそれぞれを、底部において接合する底部シール部が形成されており、
前記底面フィルムと前記表面フィルム、前記裏面フィルムそれぞれを、側部において接合する第1側底部シール部が形成されており、
前記底面フィルムが折り返されて対向する面同士を、前記表面フィルムと裏面フィルムの側部に対応する位置において接合する第2側底部シール部が形成されていることを特徴とするパウチを提供する。
また、本発明のパウチは、前記底部シール部は、前記第1側底部シール部、前記第2側底部シール部よりもシール幅が大きいことを特徴とする。
また、本発明のパウチは、前記第1側底部シール部、前記第2側底部シール部は、両側部に形成されていることを特徴とする。
また、本発明のパウチは、前記底面フィルムの一方の側部には、折り込まれて対応する位置に切り欠き部が形成されており、前記切り欠き部に対応する位置において、前記表面フィルムと前記裏面フィルムが直接接合されていることを特徴とする。
本発明によれば、袋の上部のデザインの自由度を高めることができるとともに、内容物を容易に取り出すことが可能なパウチを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るパウチを示す正面図である。 本発明の一実施形態に係るパウチを構成するフィルムを示す分解図である。 図1に示すB−B線に対応する断面図である。 内容物が収容部11内に充填され、密閉された状態を示す縦断面図である。 底部ガセット部9において、第2側底部シール部8bを剥離して、第1ひだ部9a、第2ひだ部9bを分離した状態を示す図である。 底部ガセット部9において、第1側底部シール部8aを剥離して、開口Kを形成した状態を示す図である。 上部のデザインを変更した変形例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るパウチを示す正面図である。また、図2は、本発明の一実施形態に係るパウチを構成する積層フィルムを示す分解図である。図1に示した実施形態のパウチは、内容物が充填される前の状態(内容物が充填されていない状態)のパウチを示したものである。本実施形態のパウチは、正面視において五角形状であり、長方形状から左上部、右上部の三角形状を除去した形状となっている。また、下方に底部ガセット部9を有している。本実施形態において、長方形状、五角形状とは、四隅が直角の形状だけでなく、長方形、五角形の各隅が面取りされて、外に凸の円弧状となったものも含む概念である。本発明において、パウチは、内容物が充填されていない状態のパウチに限らず、内容物が充填されている状態のパウチも含む概念である。
本実施形態のパウチは、図1に示すように、略五角形状であり、両側部、底部には、商品の充填前においてシール部が形成されている。商品が充填される開口部15を有する上部4は、商品取り出し用のための開封を底部において行うことにより、自由な形状に設計が可能となっている。本実施形態では、図1に示すように、上部4は、上側に凸状の山型であって、一点の上端7を有する形状となっている。山型の稜線に相当する上縁16は、内容物の充填前は、ヒートシールされておらず、開口部15が形成されている。
(フィルム構成)
本実施形態のパウチは、図2に示すように、略五角形状の表面フィルム1と、表面フィルム1と同一形状の裏面フィルム2と、略長方形状の底面フィルム3の3つの積層フィルムで構成されている。パウチの表面、裏面、底面は、それぞれ表面フィルム1、裏面フィルム2、底面フィルム3により構成されている。本実施形態のパウチは、表面フィルム1、裏面フィルム2、底面フィルム3の3枚のフィルムが所定の箇所においてヒートシール(熱融着)されることにより形成される。
図2に示すように、底面フィルム3は、2つ折りされており、折込部3aを境界にして第1部分3dと第2部分3eとに区分される。底面フィルム3には、側縁を切り欠くように2つの半円弧状の切り欠き部3b、3cが設けられており、切り欠き部3bと3cは、底面フィルム3を折込部3aから2つ折りしたときに対応する位置に設けられている。この切り欠き部3b、3cを介して、表面フィルム1と裏面フィルム2はヒートシールして直接接合される。また、商品の陳列時等に、自立性を安定させる観点から、折込部3aと直交する方向における折込部3aからパウチの下縁17までの距離L1(図1参照)は35mm以上とすることが好ましい。
(各シール部)
本実施形態のパウチは、内容物の充填前は、図1に示すように、第1側部シール部5aと、第2側部シール部5bと、底部シール部6と、側底部シール部8を備え、上部4に開口部15が形成されている。上縁16に沿った上部シール予定部4aは、商品の充填前は、ヒートシールされておらず、充填後に上部シール部となる部分である。上部シール予定部4aは、図1に一点鎖線で示された上縁16と平行な線の上側の部分となる。図1においては、ヒートシールされた各シール部に対応する領域を斜線で網掛けして示している。第1側部シール部5a、第2側部シール部5bは、いずれも、表面フィルム1と裏面フィルム2がヒートシールされて接合されたものである。第1側部シール部5aは、第1側縁(図1における左端)を含むように形成されており、第2側部シール部5bは、第2側縁(図1における右端)を含むように形成されている。第1側部シール部5a、第2側部シール部5bのシール幅W1は、5mm以上15mm以下とすることが好ましい。なお、シール幅W1は、シール部が延びる方向と直交する方向における幅である。
底部シール部6は、底面フィルム3と表面フィルム1、裏面フィルム2それぞれを、底部において接合するシール部であり、上部4に形成されている開口部15に対向する下縁17に沿って形成されている。より具体的には、底部シール部6は、表面フィルム1と底面フィルム3の第1部分3d、および、裏面フィルム2と底面フィルム3の第2部分3eが、表面フィルム1、裏面フィルム2の下縁17に沿ってシールされたものである。底部シール部6のシール幅W2は、10mm以上30mm以下とすることが好ましい。なお、シール幅W2は、底部シール部6が延びる方向(図1における左右方向)と直交する方向における幅である。
側底部シール部8は、底面フィルム3が存在する位置において、表面フィルム1と裏面フィルム2の側縁に沿って形成されたシール部であり、第1側底部シール部8aと第2側底部シール部8bで構成されている。第1側底部シール部8aは、底面フィルム3と表面フィルム1、裏面フィルム2それぞれを、側部において接合するシール部である。第2側底部シール部8bは、底面フィルム3が折り返されて対向する面同士を、表面フィルム1と裏面フィルム2の側部に対応する位置において接合するシール部である。第1側底部シール部8a、第2側底部シール部8bのシール幅W3は、第1側部シール部5a、第2側部シール部5bのシール幅W1と同様、5mm以上15mm以下とすることが好ましい。なお、シール幅W3は、第1側底部シール部8a、第2側底部シール部8bが延びる方向(図1における上下方向)と直交する方向における幅である。
上述のように、底面フィルム3において切り欠き部3b、3cが形成されている部分においては、表面フィルム1と裏面フィルム2が直接ヒートシールされる。図1に示すように、この部分は、底部シール部6、側底部シール部8の内縁を超えない範囲に形成される。このように、切り欠き部3b、3cに対応する位置で表面フィルム1と裏面フィルム2が直接ヒートシールされているため、第1側部シール部5a側の側部においては、底部における接着強度が保たれる。そのため、陳列中などにおいて予期せぬ開封を抑止することができる。
図3は、図1に示すB−B線に対応する断面図である。図3に示すように、側底部シール部8においては、シール部が三層構造となっており、折り返された底面フィルム3の外方側(図3における上側と下側)で、底面フィルム3と表面フィルム1、底面フィルム3と裏面フィルム2がそれぞれ第1側底部シール部8aにより接着されており、折り返された底面フィルム3同士が内方側(図3の上下方向における中央寄り)で第2側底部シール部8bにより接着されている。
後述するように、本実施形態では、各シール部はイージーピール性を有しており、このイージーピール性を利用して、第2側底部シール部8b、第1側底部シール部8aの順に剥離して、開封を行うようになっている。イージーピール性を持たせるため、第2側底部シール部8b、第1側底部シール部8aは、ともにヒートシール強度が5N/15mm以上25N/15mm以下とすることが好ましい。なお、ヒートシール強度の測定法としては、JIS Z−0238に準拠している。本実施形態では、第1側底部シール部8aを剥離する際、同時に底部シール部6が完全に剥離してしまわないように、底部シール部6のシール幅W2を、第1側底部シール部8a、第2側底部シール部8bのシール幅W3よりも大きくしている。底部シール部6のシール幅W2を、第1側底部シール部8a、第2側底部シール部8bのシール幅W3と同等か小さくしてしまうことにより、開封時に底部シール部6を剥離して底に開口を形成することも可能である。
シール部の形成順序としては、特に限定はされないが、本実施形態では、まず、2箇所の底部シール部6を順次形成する。すなわち、底面フィルム3と表面フィルム1の底部におけるヒートシール、底面フィルム3と裏面フィルム2の底部におけるヒートシールを行う。この際、底面フィルム3を折込部3aにより2つ折りし、折込部3aに達するようにフッ素樹脂加工された板を挟み込み、表面フィルム1/底面フィルム3/板/底面フィルム3/裏面フィルム2の状態で、表裏両面側からヒートシールすることにより形成することができる。これは、底面フィルム3同士がヒートシールされないようにするためである。
続いて、両側縁をそれぞれ含む両側部におけるヒートシールを行って、第1側部シール部5a、第2側部シール部5b、第1側底部シール部8a、第2側底部シール部8bを一括して形成する。第1側部シール部5a、第2側部シール部5b、第1側底部シール部8a、第2側底部シール部8bを一括して形成するため、第1側部シール部5a、第2側部シール部5bのシール幅W1と、第1側底部シール部8a、第2側底部シール部8bのシール幅W3は、通常、同じになる。
(底部ガセット部)
底面フィルム3の第1部分3dと、表面フィルム1の底面フィルム3の第1部分3dに対応する部分と、で第1ひだ部9aが形成され、そして、底面フィルム3の第2部分3eと、裏面フィルム2の底面フィルム3の第2部分3eに対応する部分と、で第2ひだ部9bが形成されている。そして、第1ひだ部9aと第2ひだ部9bとで、底部ガセット部9が形成されている。図1の正面図においては、折込部3aより下方において、第1ひだ部9aが視認される状態となっている。
(収容部)
開口部15を介して内容物が収容された後、図1において4aと示されている上部シール予定部4a(一点鎖線より上側)に上部シール部が形成され、パウチが封止される。上部シール部は、第1側部シール部5aから上端7を通って第2側部シール部5bに亘って形成される。収容部11は、第1側部シール部5aの内縁と、第2側部シール部5bの内縁と、底部シール部6の内縁と、側底部シール部8の内縁と、上部シール部の内縁と、で画成されている。
(内容物)
内容物は、固形物であり、所定の大きさを有したものが対象となる。第1側底部シール部8aが比較的開封し易いため、予期せず流出してしまうような液体や紛体は対象としていない。固形物であっても、所定の大きさに満たないものは対象外とすることが好ましい。所定の大きさとしては、例えば、内容物をある面に投影した際の面積が2cm2とすることができる。すなわち、内容物は、ある面に投影した際の面積が2cm2以上となるものが好ましい。
図4は、内容物が収容部11内に充填され、上部シール予定部4aにおいてヒートシールされ密閉された状態を示す縦断面図であり、図1のA−A線に対応している。図4に示すように、収容部11には、内容物Nの一例として所定の大きさの固形物が収容されている。所定の大きさの固形物としては、飴、チョコレートなどの固形の菓子などが挙げられる。なお、内容物Nとしては、本来固形物でないものを小さい袋に入れ、固形状としたものも含まれる。例えば、調理用材料(カット野菜、豆、麩など)、洗濯用洗剤、化粧品、シャンプーなど、液体状、顆粒状のものを小袋に収容し、この小袋に収容された状態を固形状の内容物Nとして扱うことができる。ここでの固形状とは、形が完全に固定されたものだけではなく、液体を含んだ袋のように、形状は変化するが、表面積、体積が限定された範囲を超えない状態のものも含む概念である。本実施形態のパウチを用いることにより、洗濯用洗剤、化粧品、シャンプーなどについて、詰替え用スタンドパックのような量ではなく、1回で使い切るトラベル用や試供品用として、複数個収容しておくことができる。
(フィルムの詳細)
パウチの表面・裏面・底面は、積層フィルムである表面フィルム1・裏面フィルム2・底面フィルム3により構成することができる。本実施形態では、積層フィルムは、表面フィルム1、裏面フィルム2用の第1の積層フィルムと、底面フィルム3用の第2の積層フィルムを用いる。第1の積層フィルムは、少なくとも、外側から、基材層、シーラント層を含む積層体である。例えば、第1の積層フィルムは、外側から順に、基材層、印刷層、他の層、シーラント層を積層して形成されている。印刷層、他の層は必須ではない。シーラント層は、パウチの最内面を構成する層である。パウチが、熱に対する耐性を必要とされる場合は、基材層は、耐熱性をもつ材料からなることが好ましい。基材層の材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ナイロンなどのポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィルムなどを用いることができる。厚みは、10μm〜50μm程度である。基材層は、二軸延伸されていることが好ましい。
また、第1の積層フィルムは、複数の基材層を備えていてもよい。複数の基材層として第1基材層、第2基材層を備えることができる。第1基材層、第2基材層としては、上記材料の中から、適宜組み合わせて採用することができる。例えば、最外層である第1基材層としてポリエチレンテレフタレートを用い、内層(シーラント層側)である第2基材層としてポリアミドを用いることができる。第2基材層は、一方の側縁から他方の側縁に向かって延伸されている。第2基材層としては、例えば、バリア性に優れたMXD(メタキシレンジアミン)を含む、ユニチカ株式会社製「エンブレム(登録商標)NC」を用いることができる。また、第2基材層として、ユニチカ株式会社製「エンブレット(登録商標)PC」や、ユニチカ株式会社製「エンブレット(登録商標)PCBC」などのポリエステルを用いてもよい。第1基材層と第2基材層は、例えばドライラミネート法を用いて積層することができる。
印刷層は、商品内容を表示したり美感を付与したりカット部分を表示したりするために設けられる。印刷層は、バインダーと顔料を含む印刷インキにより形成される。シーラント層は、第1の積層フィルムのうち、製袋してパウチとするときの最も袋の内方となる側に配置される。シーラント層の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体などのポリオレフィン系樹脂などが採用できる。本実施形態では、シーラント層は、イージーピール性を発現させる必要がある。イージーピール性(易開封性)を発現させるために、シーラント層は、一の樹脂と、一の樹脂とは非相溶性の樹脂とを含む混合樹脂であってもよい。このような混合樹脂としては、ポリエチレンとポリプロピレンや、ポリエチレンとポリブテンなどが挙げられる。また、イージーピール性(易開封性)を発現させるため、シーラント層に、易剥離性熱可塑性樹脂を含むようにしてもよい。易剥離性熱接着性樹脂としては、エチレン− 酢酸ビニル共重合体を主成分とする変成ポリオレフィン系樹脂が使用できる。易剥離性熱接着性樹脂としては、例えば、三井化学東セロ(株) 製:TAF−650C 、東レフィルム加工(株)製:7601A 、東レフィルム加工(株)製:9501E、ジェイフィルム(株)製:SMXなどを好適に用いることができる。シーラント層の厚みは、30μm以上100μm以下である。シーラント層は未延伸であることが好ましい。
第1の積層フィルムは、他の層を含んでいてもよい。他の層は、基材層の外側に設けられていてもよいし、基材層とシーラント層の間に設けられていてもよい。他の層としては、水蒸気その他のガスバリア性、遮光性など、必要とされる機能に応じて、適切なものが選択される。例えば、他の層がガスバリア層の場合、アルミニウムなどの金属や酸化アルミニウムなどの金属酸化物や酸化珪素などの無機酸化物の蒸着層が設けられる。蒸着層は、基材層に積層してもよいし、シーラント層に蒸着してもよい。あるいは、アルミニウムなどの金属箔を設けてもよい。その他にも、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)や、ナイロンMXD6などの芳香族ポリアミドなどの、ガスバリア性を有する樹脂層を設けてもよい。各層は、ドライラミネート法や溶融押し出し法などを用いて積層することができる。
底面フィルム3用の第2の積層フィルムは、基材層の両面にシーラント層を備えた積層体である。すなわち、外側から、シーラント層、基材層、シーラント層を含む積層体である。第1の積層フィルムと同様、印刷層、他の層を含んでいてもよい。また、基材層として、上記他の層として示したようなガスバリア性、遮光性を有した基材を用いてもよい。
(パウチの開封)
図5、図6を用いて、パウチの開封の様子について説明する。図5、図6においては、図1と同様に、表面フィルム1側から略正面視した状態を示している。また、図5、図6においては、外側から目視できないシール部の網掛けを省略し、目視可能なシール部のみ網掛けを施している。図5は、底部ガセット部9において、網掛けで示した第2側底部シール部8bを剥離して、第1ひだ部9a、第2ひだ部9bを分離した状態を示している。図1に示した状態から内容物の充填、上部シール部の形成を行った後、図1に示したような底部ガセット部9において、底部側から第1ひだ部9a、第2ひだ部9bを摘んで、それぞれ外側に力を加える。すると、イージーピール性を備えたシーラント層同士でヒートシールされた第2側底部シール部8bが剥離する。この結果、一方の側部である第2側部シール部5b側において、第1ひだ部9aと第2ひだ部9bが分離する。力が加えられていない他方の側部である第1側部シール部5a側においては、第1ひだ部9aと第2ひだ部9bは分離せず、接着されたままである。この時点では、まだ、収容部11と外部を繋ぐ開口は形成されていない。
図6は、底部ガセット部9において、第1側底部シール部8aを剥離して、第1ひだ部9aを形成する表面フィルム1と底面フィルム3を分離し、第2ひだ部9bを形成する裏面フィルム2と底面フィルム3を分離した状態を示している。図6においては、第1側底部シール部8aのみを網掛けして示している。図5に示した状態において、指先で、第2側部シール部5bの下端と接する底部ガセット部9の上端付近における底面フィルム3を摘み、下方に引っ張る。すると、イージーピール性を備えたシーラント層同士でヒートシールされた第1側底部シール部8aが剥離する。この結果、一方の側部である第2側部シール部5b側において、第1ひだ部9a、第2ひだ部9bを構成するフィルム同士が剥離する。この結果、図6に示すように、収容部11と外部を繋ぐ開口Kが形成される。開口Kからは収容部11に収容されている内容物を取り出すことができる。
底面フィルム3を摘み、図面下方方向に引っ張った際、底部シール部6の、第1側底部シール部8aに近接する部分は剥離される。しかし、開封時に、摘んで力を加える部分は、底面フィルム3の一方の側部に近い側だけであり、底部シール部6全体が剥離され、底が抜けてしまう可能性は低い。そのため、底は抜けない状態で側方にのみ開口をつくることができる。ただし、底部シール部6もイージーピール性を備えたシーラント層同士をヒートシールすることにより形成されているため、大きな力を加えることにより、底部シール部6全体を剥離し、底全体に開口を作成することができる。このようにして、底全体に開口を形成して、内容物を取り出すことも可能である。
(実施例)
最初に、第1の積層フィルムを準備した。具体的には、まず、厚みが12μmのPETフィルムに印刷層を形成した後、接着剤層を介して印刷層の面と厚み12μmのアルミニウム蒸着PETフィルムを貼り合わせた。続いて、接着剤層を介してアルミニウム蒸着PETフィルムと厚み50μmのイージーピールフィルムを貼り合わせることにより、ポリエチレンテレフタレート、印刷層、接着剤層、アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレート、接着剤層、イージーピールフィルムが順に積層された第1の積層フィルムを表面フィルム1、裏面フィルム2用の包装材料として形成した。接着剤層は、アクリルポリオールとイソシアネート化合物との硬化物である。イージーピールフィルムとして、三井化学東セロ(株) 製:TAF−650Cを用いた。
次に、第2の積層フィルムを準備した。具体的には、まず、厚みが50μmのイージーピールフィルムに接着剤層を介して厚み12μmのアルミニウム蒸着PETフィルムを貼り合わせた。続いて、接着剤層を介してアルミニウム蒸着PETフィルムと厚み50μmのイージーピールフィルムを貼り合わせることにより、イージーピールフィルム、接着剤層、アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレート、接着剤層、イージーピールフィルムが順に積層された第2の積層フィルムを底面フィルム3用の包装材料として形成した。接着剤層は、アクリルポリオールとイソシアネート化合物との硬化物である。両面に積層されるイージーピールフィルムとして、三井化学東セロ(株) 製:TAF−650Cを用いた。
第1の積層フィルムを、160mm×220mmに切り出して表面フィルム1と裏面フィルム2を形成した。続いて、第2の積層フィルムを、160mm×80mmに切り出して底面フィルム3を形成した。表面フィルム1、裏面フィルム2、底面フィルム3を用いて図1に示すパウチ(上部シール部が形成されていない状態のパウチ)を形成した後、収容部11に内容物として、液状のシャンプーが小袋に封入されたシャンプー製品10個を収容した。小袋の大きさは、2cm×3cmであり、シャンプー製品の重さは1個当たり5gであった。続いて、上部シール部を形成して、図4に示すパウチを形成した。その後、底面フィルム3を下側にして、パウチを自立させた状態で店頭に陳列した。
(評価)
第2側底部シール部8bを剥離して、図5に示すように、第1ひだ部9aと第2ひだ部9bを分離した。底面フィルム3の、折り返されて対向する面同士の剥離性は良好であり、第1ひだ部9aと第2ひだ部9bは、実質的にフィルムの表面を破損することなく、分離することができた。さらに、第1側底部シール部8a、8aを剥離して、図6に示すように、第1ひだ部9a、第2ひだ部9bを開いて開口を形成した。底面フィルム3と、表面フィルム1、裏面フィルム2それぞれとの剥離性は良好であり、実質的にフィルムの表面を破損することなく、開口を形成することができた。形成された開口から、内容物であるシャンプー製品を容易に取り出すことができた。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、上部4が、上側に凸状の山型であって、一点の上端7を有する形状となっているが、本発明では、底部において開封を可能としたことにより、上部のデザインを様々なものとすることができる。図7に、上部のデザインを変更したものの例を示す。図7においては、上部の変形例を示すものであるため、詳細は省略しており、正面から見た概観を示している。
図7(a)の例では、全体形状が、長方形状から、上部の両側において、三角形状を除去した形態となっている。そのため、上部4において、上端が一点ではなく、下縁と平行な辺が上端となっている。図7(b)の例では、上部4が上側に凸の円弧状となっている。図7(c)の例では、図1に示した実施形態と類似の形態であるが、上記実施形態と比べて上縁の傾き角度が大きくなっている。図7(d)の例では、上端となる点が複数存在し、その間を傾きの異なる複数の上縁で結んだ形態となっている。図7に示した4形態は、一例であり、その他にも様々なデザインに基づく形態を実現することができる。
上記実施形態では、表面、裏面、底面を、表面フィルム1、裏面フィルム2、底面フィルム3の計3枚のフィルムで構成するようにしたが、計2枚のフィルムで構成してもよい。具体的には、表面フィルム1と裏面フィルム2が連設された1枚のフィルムを用いてパウチの表面、裏面を構成するようにしてもよい。底面を構成する底面フィルムは、両面にシーラント層を有する必要があるため、表面、裏面を構成する積層フィルムとは異なる積層フィルムを用いる。
上記実施形態では、第1側部シール部5aが位置する側の側部において、底面フィルム3に切り欠き部3b、3cを設けておき、表面フィルム1と裏面フィルム2をヒートシールするようにしたが、底面フィルム3に切り欠き部3b、3cを設けずに、第2側部シール部5bが位置する側の側部と同様に、第1側底部シール部8a、第2側底部シール部8b、第1側底部シール部8aの三層構造となっていてもよい。この場合、底部ガセット部9の両方の側部のどちらも開封することが容易となる。
1・・・表面フィルム
2・・・裏面フィルム
3・・・底面フィルム
3a・・・折込部
3b、3c・・・切り欠き部
3d・・・底面フィルムの第1部分
3e・・・底面フィルムの第2部分
4・・・上部
4a・・・上部シール予定部
5a・・・第1側部シール部
5b・・・第2側部シール部
6・・・底部シール部
7・・・上端
8・・・側底部シール部
8a・・・第1側底部シール部
8b・・・第2側底部シール部
9・・・底部ガセット部
9a・・・第1ひだ部
9b・・・第2ひだ部
11・・・収容部
15・・・開口部
16・・・上縁
17・・・下縁
K・・・開口
L1・・・折込部3aからパウチの下縁17までの距離
W1・・・第1側部シール部5a、第2側部シール部5bのシール幅
W2・・・底部シール部6のシール幅
W3・・・側底部シール部8のシール幅

Claims (4)

  1. 表面フィルムと、裏面フィルムと、前記表面フィルムと前記裏面フィルムとの間に折り返して配置される底面フィルムとを備え、底部ガセット部を有するパウチであって、
    前記表面フィルム、前記裏面フィルムは、最内面の層にイージーピール性を発現させるシーラント層が積層された積層フィルムであり、前記底面フィルムは、両面にイージーピール性を発現させるシーラント層が積層された積層フィルムであり、
    前記表面フィルムと裏面フィルムを側部において接合する側部シール部が形成されており、
    前記底面フィルムと前記表面フィルム、前記裏面フィルムそれぞれを、底部において接合する底部シール部が形成されており、
    前記底面フィルムと前記表面フィルム、前記裏面フィルムそれぞれを、側部において接合する第1側底部シール部が形成されており、
    前記底面フィルムが折り返されて対向する面同士を、前記表面フィルムと裏面フィルムの側部に対応する位置において接合する第2側底部シール部が形成されていることを特徴とするパウチ。
  2. 前記底部シール部は、前記第1側底部シール部、前記第2側底部シール部よりもシール幅が大きいことを特徴とする請求項1に記載のパウチ。
  3. 前記第1側底部シール部、前記第2側底部シール部は、両側部に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパウチ。
  4. 前記底面フィルムの一方の側部には、折り込まれて対応する位置に切り欠き部が形成されており、前記切り欠き部に対応する位置において、前記表面フィルムと前記裏面フィルムが直接接合されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のパウチ。
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JP2005008220A (ja) * 2003-06-19 2005-01-13 Dainippon Printing Co Ltd 易開封性ガセット袋

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