JP2019097552A - ルウの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、加熱調理感が向上した風味を有するルウの製造方法を提供することを目的としている。【解決手段】澱粉質原料及び第1の油脂を含む第1のルウ材料に、水系原料と第2の油脂との混合物を添加して調製した第2のルウ材料の品温を、0.3〜2.4℃/分の速度で、70〜130℃の間の目標温度まで上昇させ、それに続いて前記第2のルウ材料を、70〜130℃の範囲の品温で特定の条件で熱処理することにより、製造されるルウのコク及び香りに関して加熱調理感を向上することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、加熱調理感が向上した風味を有するルウの製造方法に関する。
カレー、シチュー、及びハヤシライスソースなどを調理するための調理材料としてルウが用いられている。一般に、ルウの特性は、使用する原料の種類及び量だけでなく、配合順序や熱処理方法などの様々な条件によって変化するので、ルウの風味を向上させるために、その製造方法に関して多くの研究が行われてきた(特許文献1〜4)。
特許第3229838号公報 特許第3229839号公報 特許第3276884号公報 特許第3670986号公報
油脂及び澱粉質原料を加熱して調製した小麦粉ルウなどの材料は油脂を多く含み、これを水系原料と混合することは困難であるが、従来のルウよりも一層加熱調理感の高い風味を有するルウを製造するには、そのような油脂及び澱粉質原料を含む材料に水系原料を均一に混合した状態で加熱することが重要であると考えられた。そのため、本発明者らは、予め水系原料を油脂と混合した混合物を調製し、油脂及び澱粉質原料を含む材料に当該混合物を添加することを試みた。この方法によって、油脂及び澱粉質原料を含む材料と水系原料とは均一に混合できるようになったが、依然として所期の加熱調理感を達成することはできなかった。そこで、本発明は、加熱調理感が向上した風味を有するルウの製造方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決すべくさらに検討を重ねた結果、水系原料と油脂との混合物を、油脂及び澱粉質原料を含む材料に添加するとともに、特定の条件で加熱処理することによって、所期の加熱調理感が向上した風味を有するルウを製造することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下に示すルウの製造方法を提供するものである。
〔1〕ルウの製造方法であって、
(1)澱粉質原料及び第1の油脂を含む第1のルウ材料に、水系原料と第2の油脂との混合物を添加して、第2のルウ材料を得る工程と、
(2)前記第2のルウ材料を加熱処理する工程とを含み、
工程(2)が、(2−1)前記第2のルウ材料の品温を、0.3〜2.4℃/分の速度で、70〜130℃の間の目標温度まで上昇させる工程と、それに続いて(2−2)前記第2のルウ材料を、70〜130℃の範囲の品温で熱処理する工程とを含み、
工程(2−2)における前記第2のルウ材料の加熱量が、工程(2−1)における前記第2のルウ材料の加熱量を上回り、前記加熱量が、前記第2のルウ材料の品温と熱処理時間との積分値によって定義されることを特徴とする、方法。
〔2〕工程(2−1)が、前記第2のルウ材料の品温が80〜130℃の間の目標温度に達した時点で終了し、
工程(2−2)において、前記第2のルウ材料を、80〜130℃の範囲の品温で熱処理する、
前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕工程(2−1)が、前記第2のルウ材料の品温が70〜110℃の間の目標温度に達した時点で終了し、
工程(2−2)において、前記第2のルウ材料を、70〜110℃の範囲の品温で熱処理する、
前記〔1〕に記載の方法。
本発明に従えば、製造されるルウのコク及び香りに関して加熱調理感を向上することができる。したがって、加熱調理感の向上した風味を有するルウを製造することが可能となる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本明細書に記載の「ルウ」とは、カレー、シチュー、ハヤシライスソース、ハッシュドビーフ、スープ、及びその他各種ソースを調理する際に使用する調理材料のことをいう。前記ルウを、肉や野菜などの食材を水と一緒に煮込んだところに投入することで、各料理を手軽に作ることができる。前記ルウの形態は、本技術分野で通常採用されるものであれば特に限定されないが、例えば、ブロック状、フレーク状、顆粒状、粉状、ペースト状、又は液状のいずれであってもよく、好ましくはブロック状(固形ルウ)、フレーク状又は顆粒状である。
本発明のルウの製造方法は、澱粉質原料及び第1の油脂を含む第1のルウ材料に、水系原料と第2の油脂との混合物を添加して、第2のルウ材料を得る工程(工程1)を含む。本明細書に記載の「油脂」とは、食用に供される天然油脂又は加工油脂などの油脂のことをいう。前記油脂は、前記ルウを製造することができる限り特に限定されないが、例えば、バター、牛脂、及び豚脂などの動物油脂、マーガリン、パーム油、綿実油、及びコーン油などの植物油脂、並びにこれらの硬化油脂などからなる群から選択される少なくとも1種であってもよい。前記第1の油脂の配合量は、前記ルウを製造することができる限り特に限定されないが、例えば、前記ルウの原料の全質量に対して、約10〜約45質量%であってもよく、好ましくは約15〜約40質量%である。
本明細書に記載の「澱粉質原料」とは、澱粉質原料を主成分とする食品原料のことをいう。前記澱粉質原料は、前記ルウを製造することができる限り特に限定されないが、例えば、小麦澱粉、コーンスターチ、米澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、くず澱粉、及び化工澱粉などの澱粉、並びに、小麦粉、コーンフラワー、米粉、ライ麦粉、蕎麦粉、あわ粉、きび粉、はと麦粉、及びひえ粉などの穀粉などからなる群から選択される少なくとも1種であってもよい。前記澱粉質原料の配合量は、前記ルウを製造することができる限り特に限定されないが、例えば、前記ルウの原料の全質量に対して、約20〜約50質量%であってもよく、好ましくは約25〜約40質量%である。
前記澱粉質原料及び前記第1の油脂を含む第1のルウ材料は、前記澱粉質原料及び前記第1の油脂を含む原料を、例えば加熱釜を用いて撹拌混合しながら加熱して調製した小麦粉ルウなどの加熱処理混合物であり得る。前記加熱処理混合物を調製するための加熱条件は、製造するルウの種類及び/又は前記澱粉質原料及び前記第1の油脂の種類に応じて適宜調整され得るものであるが、例えば、前記澱粉質原料及び前記第1の油脂を含む原料を、到達品温が約60〜約130℃になるように約10〜約90分間加熱してもよい。
本明細書に記載の「水系原料」とは、ある程度の水分を含有する食品原料のことをいい、固体、液状、又はペースト状であり得る。前記水系原料の水分量は、特に限定されないが、例えば、当該水系原料の全質量に対して約10質量%以上であってもよい。前記水系原料は、前記ルウを製造することができる限り特に限定されないが、例えば、果実(リンゴ、バナナ、チャツネ)のペースト又はエキス、畜肉(ビーフ、チキン、ポーク)のペースト又はエキス、野菜(オニオン、ガーリック)のペースト又はエキス、チーズ及び生クリームなどからなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
前記水系原料は、第2の油脂との混合物として、前記澱粉質原料及び前記第1の油脂を含む材料に添加される。前記水系原料及び前記第2の油脂の配合量は、前記ルウを製造することができる限り特に限定されないが、例えば、前記混合物の全質量に対して、前記水系原料が、約5〜約60質量%、好ましくは約5〜約50質量%配合されてもよく、前記第2の油脂が、約40質量%以上、好ましくは約50質量%以上配合されてもよい。そして、前記混合物の添加量は、所望の風味が付与されるように適宜調整され得るものではあるが、例えば、前記ルウの原料の全質量に対して約0.01〜約8質量%の量となるように、前記第1のルウ材料に添加してもよい。また、前記第2の油脂としては、前記第1の油脂と同じ油脂を採用してもいいし、異なる油脂を採用してもよい。加えて、前記混合物は、乳化剤をさらに含んでもよい。前記乳化剤としては、食用に供される乳化剤を特に限定されることなく使用できるが、例えば、レシチンなどを採用してもよい。
本発明のルウの製造方法は、前記第2のルウ材料を加熱処理する工程(工程2)を含み、前記工程2が、前記第2のルウ材料の品温を、約70〜約130℃の間の目標温度まで上昇させる工程であって、当該品温をこの昇温工程の間の平均で、約0.3〜約2.4℃/分、好ましくは約0.5〜約2.0℃/分、より好ましくは約0.7〜約1.8℃/分の速度で上昇させる工程(工程2−1)と、それに続いて前記第2のルウ材料を、約70〜約130℃の範囲の品温で熱処理する工程(工程2−2)とを含み、前記工程2−2における前記第2のルウ材料の加熱量が、前記工程2−1における前記第2のルウ材料の加熱量を上回る。ここで、本明細書に記載の「加熱量」とは、前記第2のルウ材料の品温と熱処理時間との積分値のことをいう。例えば、第2のルウ材料の品温が平均90℃となる条件で10分間熱処理を行った場合には、加熱量は、900[℃・分](=90℃×10分)と計算される。
前記工程2−1の目標温度及び前記工程2−2の熱処理温度は、上述の加熱量の関係を満たす限り、製造するルウの種類に応じて適宜設定することができる。例えば、カレールウなどのように、香ばしい風味が望まれる場合には、前記工程2−1が、前記第2のルウ材料の品温が約80〜約130℃の間、好ましくは約85〜約125℃の間の目標温度に達した時点で終了し、前記工程2−2において、前記第2のルウ材料を、約80〜約130℃の範囲、好ましくは約85〜約125℃の範囲の品温で熱処理するような条件を採用してもよい。また、シチュールウなどのように、まろやかな風味が望まれる場合には、前記工程2−1が、前記第2のルウ材料の品温が約70〜約110℃の間、好ましくは約75〜約105℃の間の目標温度に達した時点で終了し、前記工程2−2において、前記第2のルウ材料を、約70〜約110℃の範囲、好ましくは約75〜約105℃の範囲の品温で熱処理するような条件を採用してもよい。
前記工程2は、当技術分野で通常使用される装置を用いて実施することができ、例えば、加熱釜で実施してもよい。この加熱釜の壁面温度は、各工程における前記第2のルウ材料の品温の条件を達成するように適宜調整することができるが、例えば、加熱釜の壁面温度は、約95℃以上、好ましくは約100℃以上である。また、前記加熱処理混合物を調製するときに使用した加熱釜内で、前記工程1、さらに続けて前記工程2を連続的に実施してもよいし、それとは異なる加熱釜内で前記工程1及び/又は前記工程2を実施してもよい。上述の壁面温度で前記工程2(特に前記工程2−1)を実施すると、後述するような前記水系原料からの水分の放出が促進され、前記第2のルウ材料中での化学反応(特にメイラード反応など)の進行を促進させることができると考えられる。
本発明のルウの製造方法によりルウのコク及び香りに関して加熱調理感が向上する機序については、特定の理論に拘束されるものではないが、例えば、前記ルウ材料中での化学反応性の向上が寄与していると考えられる。すなわち、前記澱粉質原料及び前記第1の油脂を含む材料との混和性を高めるために前記第2の油脂との混合物の形態とされた前記水系原料は、前記ルウ材料中で乳化状態にあり、油脂に覆われていると考えられるため、そのような乳化状態の水系原料は、前記ルウ材料中での化学反応には関与しにくいと考えられる。この化学反応を進行させるために加熱処理を長時間行った場合には、たとえコクが生じたとしても、一度生じた香りが加熱処理中に飛んでしまい、結果として風味が低下してしまう。一方、前記第2のルウ材料の品温を急速に上昇させる、すなわち前記工程2−1において前記第2のルウ材料の品温を本発明が規定する速度で目標温度まで上昇させると、乳化状態が破壊されて前記水系原料中の水分が放出されるため、前記第2のルウ材料中での化学反応(特にメイラード反応など)を効率よく進行させることができると考えられる。そして、この状態で加熱量を多くする、すなわち前記工程2−2における前記第2のルウ材料の加熱量を前記工程2−1における加熱量よりも多くすることで、化学反応が促進されて加熱調理感のあるコクと香りが生成されると考えられる。その結果、加熱処理の時間が短く済むにも関わらず、コクが強くかつ香りも高いルウが製造される。
本発明のルウの製造方法は、本発明の目的を損なわない限り、各種の形態の任意の食品原料(第2の水系原料又は粉体原料など)又は任意の添加剤を添加する工程をさらに含んでもよい。本明細書に記載の「粉体原料」とは、粉状の食品原料のことをいい、澱粉質原料を含まない。前記粉体原料は、粉体のまま添加してもいいし、予め少量の溶媒又は分散媒(油脂又は水など)と混合したものを添加してもよい。前記粉体原料としては、当技術分野で通常採用される粉体を、特に制限されることなく使用することできる。前記粉体原料は、例えば、砂糖、香辛料、オニオンパウダーなどの野菜パウダー、食塩、粉乳、クリーミングパウダー、カラメル、脱脂大豆、デキストリン、アミノ酸(調味料)、又はクエン酸などの有機酸などであってもよい。前記香辛料としては、1種類の香辛料を単独で使用してもよく、複数種の香辛料を混合した混合香辛料を使用してもよい。前記香辛料としては、例えば、カレーパウダー、ガーリックパウダー、コリアンダー、クミン、キャラウェー、タイム、セージ、胡椒、唐辛子、マスタード、ターメリック、及びパプリカなどを使用してもよい。
本発明のルウの製造方法は、前記工程2の後に、加熱処理されたルウ材料(第3のルウ材料)を冷却してルウを得る工程をさらに含んでもよい。この冷却工程では、前記第3のルウ材料を常温で撹拌混合し続けることによって放冷してもいいし、それを冷却釜によって強制的に冷却してもよい。
本発明のルウの製造方法は、カレー、シチュー、ハヤシライスソース、ハッシュドビーフ、スープ、及びその他各種ソースを調理するためのルウを製造するためなどに利用することができる。本発明のルウの製造方法に従って製造されたルウでは、加熱調理感のあるコクと香りが向上されている。このようなルウを使用すれば、風味の豊かな料理を作製することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(1)牛脂30質量部及び小麦粉30質量部を加熱釜に投入して加熱撹拌し、50分かけて120℃まで昇温して、小麦粉ルウ(第1のルウ材料)を製造した。この小麦粉ルウに、風味原料(*1)9質量部、アミノ酸(調味料)1.5質量部、砂糖10.5質量部、食塩10.5質量部、カレー粉6質量部を添加して加熱撹拌し、さらにバナナペースト1.0質量部と牛脂1.5質量部との混合物を添加して、第2のルウ材料を調製した。各種原料を添加した後の第2のルウ材料の品温は81.9℃だった。
(2)(2−1)前記第2のルウ材料の品温を、81.9℃から8分かけて93.5℃まで上昇させた(平均1.45℃/分の昇温速度)。その後、(2−2)前記第2のルウ材料の品温を、34分かけて100℃まで上昇させて熱処理を行い、第3のルウ材料を製造した。このとき、工程2−1における加熱量は、719℃・分であり、工程2−2における加熱量は、3306℃・分であった。
(3)前記第3のルウ材料を65℃以下まで冷却し、これを容器に充填して冷却固化することによって、カレールウ(固形ルウ)を製造した。
(*1風味原料の内訳:カラメル1質量部、全脂粉乳1質量部、及び脱脂大豆0.7質量部など)
〔実施例2〕
実施例1の(2)において、(2−1)前記第2のルウ材料の品温を、80.3℃から16分かけて105℃まで上昇させ(平均1.54℃/分の昇温速度)、その後、(2−2)前記第2のルウ材料の品温を、50分かけて120℃まで上昇させて熱処理を行った以外は、実施例1と同じ方法でカレールウ(固形ルウ)を製造した。このとき、工程2−1における加熱量は、1520℃・分であり、工程2−2における加熱量は、5586℃・分であった。
〔比較例1〕
実施例1の(2)において、(2−1)前記第2のルウ材料の品温を、81.5℃から22分かけて99.6℃まで上昇させ(平均0.82℃/分の昇温速度)、(2−2)その後の熱処理は行わなかった以外は、実施例1と同じ方法でカレールウ(固形ルウ)を製造した。このとき、工程2−1における加熱量は、2022℃・分であった。
〔比較例2〕
実施例1の(2)において、(2−1)前記第2のルウ材料の品温を、80.1℃から36分かけて90.0℃まで上昇させ(平均0.28℃/分の昇温速度)、その後、(2−2)前記第2のルウ材料の品温を、100分かけて99.9℃まで上昇させて熱処理を行った以外は、実施例1と同じ方法でカレールウ(固形ルウ)を製造した。このとき、工程2−1における加熱量は、3140℃・分であり、工程2−2における加熱量は、9494℃・分であった。
〔比較例3〕
実施例1の(2)において、(2−1)前記第2のルウ材料の品温を、81.2℃から15分かけて98.2℃まで上昇させ(平均1.13℃/分の昇温速度)、その後、(2−2)前記第2のルウ材料の品温を、5分かけて99.4℃まで上昇させて熱処理を行った以外は、実施例1と同じ方法でカレールウ(固形ルウ)を製造した。このとき、工程2−1における加熱量は、1371℃・分であり、工程2−2における加熱量は、495℃・分であった。
〔試験例1〕
実施例1、2及び比較例1〜3のいずれかのカレールウを使用してカレーソースを作製した。
具体的には、115質量部のカレールウ、750質量部の湯を加熱釜に投入し、沸騰させてカレーソースを作製した。
作製したカレーソースのコク及び香りに関して、5名の評価者(A〜E)による官能評価を行った。実施例1のカレーソースのコク及び香りを基準(コクの評点3:カレーに適したコクがある;香りの評点3:カレーに適した香りがある)とし、以下に示す5段階で他のカレーソースを評価した。各評価者の評点及び平均点を表1に示す。
「コク」
5:カレーのコクとして極めて優れている
4:カレーのコクが強い
3:カレーに適したコクがある
2:カレーのコクとしては不十分である
1:カレーのコクがない
「香り」
5:カレーの香りとして極めて優れている
4:カレーの香りが高い
3:カレーに適した香りがある
2:カレーの香りとしては不十分である
1:カレーの香りがない
Figure 2019097552
†1:コクと香りとのバランスが良い。
†2:実施例1よりもコクが深く、カレーパウダーの焙煎が強い。
†3:コクが弱く、香りも生っぽい。
†4:香りが弱く、コクと香りとのバランスが悪い。
†5:コクが弱く、香りも生っぽい。
工程2−1での昇温速度が0.3〜2.4℃/分の範囲内であり、かつ工程2−2での加熱量が工程2−1での加熱量を上回る条件で製造されたカレールウを用いて作製されたカレーソースは、風味の加熱調理感が高く、コクと香りとのバランスも優れていた。他方、工程2−1の開始温度及び終了温度が実施例と同程度であっても、そこでの昇温速度が緩やかであったり、工程2−2での加熱量が不十分であったりすると、加熱調理感のあるコクや香りを生成することができなかった。
〔実施例3〕
実施例1の(2)において、(2−1)前記第2のルウ材料の品温を、80℃から35分かけて91.9℃まで上昇させ(平均0.34℃/分の昇温速度)、その後、(2−2)前記第2のルウ材料の品温を、79分かけて100℃まで上昇させて熱処理を行った以外は、実施例1と同じ方法でカレールウ(固形ルウ)を製造した。このとき、工程2−1における加熱量は、3034℃・分であり、工程2−2における加熱量は、7570℃・分であった。
〔実施例4〕
実施例1の(2)において、(2−1)前記第2のルウ材料の品温を、80.8℃から15分かけて92.9℃まで上昇させ(平均0.81℃/分の昇温速度)、その後、(2−2)前記第2のルウ材料の品温を、29分かけて100℃まで上昇させて熱処理を行った以外は、実施例1と同じ方法でカレールウ(固形ルウ)を製造した。このとき、工程2−1における加熱量は、1324℃・分であり、工程2−2における加熱量は、2812℃・分であった。
〔実施例5〕
実施例1の(2)において、(2−1)前記第2のルウ材料の品温を、80.3℃から7分かけて92.5℃まで上昇させ(平均1.74℃/分の昇温速度)、その後、(2−2)前記第2のルウ材料の品温を、18分かけて100℃まで上昇させて熱処理を行った以外は、実施例1と同じ方法でカレールウ(固形ルウ)を製造した。このとき、工程2−1における加熱量は、617℃・分であり、工程2−2における加熱量は、1750℃・分であった。
〔試験例2〕
実施例3〜5のいずれかのカレールウを使用して、試験例1と同じ方法でカレーソースを作製した。そして、作製したカレーソースのコク及び香りに関して、試験例1と同じ方法で官能評価を行った。各評価者の評点及び平均点を表2に示す。
Figure 2019097552
実施例1及び2と同様に、工程2−1での昇温速度が0.3〜2.4℃/分の範囲内であり、かつ工程2−2での加熱量が工程2−1での加熱量を上回る条件で製造された実施例3〜5のカレールウを用いて作製されたカレーソースは、風味の加熱調理感が高く、コクと香りとのバランスも優れていた。
〔実施例6〕
(1)牛脂30質量部及び小麦粉30質量部を加熱釜に投入して加熱撹拌し、50分かけて120℃まで昇温して、小麦粉ルウ(第1のルウ材料)を製造した。この小麦粉ルウに、風味原料(*2)13質量部、調味料2.5質量部、砂糖10質量部、食塩10質量部を添加して加熱撹拌し、さらにチーズ2.0質量部と牛脂2.5重量部との混合物を添加して、第2のルウ材料を調製した。各種原料を添加した後の第2のルウ材料の品温は62.8℃だった。
(2)(2−1)前記第2のルウ材料の品温を、62.8℃から11分かけて75.3℃まで上昇させた(平均1.14℃/分の昇温速度)。その後、(2−2)前記第2のルウ材料の品温を、15分かけて80℃まで上昇させて熱処理を行い、第3のルウ材料を製造した。このとき、工程2−1における加熱量は、772℃・分であり、工程2−2における加熱量は、1174℃・分であった。
(3)前記第3のルウ材料を65℃以下まで冷却し、これを容器に充填して冷却固化することによって、シチュールウ(固形ルウ)を製造した。
(*2風味原料の内訳:脱脂粉乳8質量部、デキストリン1質量部、及びクリーミングパウダー0.5質量部など)
実施例6のシチュールウを使用してシチューソースを作製した。具体的には、90質量部のシチュールウ、700質量部の湯、100質量部の牛乳を加熱釜に投入し、沸騰させてシチューソースを作製した。このシチューソースを喫食したところ、乳のコクと加熱調理感のある香りとのバランスが良かった。
〔実施例7〕
実施例6の(2)において、(2−1)前記第2のルウ材料の品温を、61.3℃から22分かけて95℃まで上昇させ(平均1.53℃/分の昇温速度)、その後、(2−2)前記第2のルウ材料の品温を、17分かけて100.3℃まで上昇させて熱処理を行った以外は、実施例6と同じ方法でシチュールウ(固形ルウ)を製造した。このとき、工程2−1における加熱量は、1749℃・分であり、工程2−2における加熱量は、1758℃・分であった。
実施例7のシチュールウを使用して実施例6と同様にしてシチューソースを作製した。このシチューソースを喫食したところ、実施例6よりも乳のコクが強く、チーズ様であり、加熱調理感のある香りも強かった。
以上より、澱粉質原料及び第1の油脂を含む第1のルウ材料に、水系原料と第2の油脂との混合物を添加して調製した第2のルウ材料の品温を、0.3〜2.4℃/分の速度で、70〜130℃の間の目標温度まで上昇させ(工程2−1)、それに続いて前記第2のルウ材料を、70〜130℃の範囲の品温で熱処理し(工程2−2)、その際に、前記第2のルウ材料の品温と熱処理時間との積分値によって定義される加熱量に関して、工程2−2の加熱量が、工程2−1の加熱量を上回るようにすることによって、製造されるルウのコク及び香りの加熱調理感を向上できることがわかった。したがって、加熱調理感の向上した風味を有するルウを製造することが可能となる。

Claims (3)

  1. ルウの製造方法であって、
    (1)澱粉質原料及び第1の油脂を含む第1のルウ材料に、水系原料と第2の油脂との混合物を添加して、第2のルウ材料を得る工程と、
    (2)前記第2のルウ材料を加熱処理する工程とを含み、
    工程(2)が、(2−1)前記第2のルウ材料の品温を、0.3〜2.4℃/分の速度で、70〜130℃の間の目標温度まで上昇させる工程と、それに続いて(2−2)前記第2のルウ材料を、70〜130℃の範囲の品温で熱処理する工程とを含み、
    工程(2−2)における前記第2のルウ材料の加熱量が、工程(2−1)における前記第2のルウ材料の加熱量を上回り、前記加熱量が、前記第2のルウ材料の品温と熱処理時間との積分値によって定義されることを特徴とする、方法。
  2. 工程(2−1)が、前記第2のルウ材料の品温が80〜130℃の間の目標温度に達した時点で終了し、
    工程(2−2)において、前記第2のルウ材料を、80〜130℃の範囲の品温で熱処理する、
    請求項1に記載の方法。
  3. 工程(2−1)が、前記第2のルウ材料の品温が70〜110℃の間の目標温度に達した時点で終了し、
    工程(2−2)において、前記第2のルウ材料を、70〜110℃の範囲の品温で熱処理する、
    請求項1に記載の方法。
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