JP2019096799A - 電磁波シールドシートの製造方法及び電磁波シールドシート - Google Patents

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Abstract

【課題】軽く、フレキシブル性に優れるとともに、電気抵抗値の低い電磁波シールドシートを容易に製造すること。【解決手段】電磁波シールドシート(10)の製造方法は、紙、布または不織布からなる基材(11)に、酸化銅(2)を含むインクの少なくとも一部を浸み込ませる工程と、酸化銅を含む基材を焼成し、導電性を付与する工程と、を含むことを特徴とする。基材として紙、布または不織布を用いるため、ガラス基板を用いる場合と比べて軽く、フレキシブル性に優れた電磁波シールドシートを製造できる。酸化銅を含むインクは、銀インクに比べて軽いため、軽量化を図れる。また、酸化銅を含むインクは、焼成により、酸化銅が効果的に銅に還元され優れた導電性を得るとともに、酸化銅中の有機物が効果的に分解されて電気絶縁性が抑制されるため、電気抵抗値の低い電磁波シールドシートを製造できる。【選択図】図3

Description

本発明は電磁波シールドシートの製造方法及び電磁波シールドシートに関する。
電子機器においては、その内部に組み込まれている半導体素子などの電子部品から電磁波ノイズが発生する。発生した電磁波ノイズは、他の電子機器に干渉して誤作動を生じさせるおそれがある。このため、電磁波シールド材で電子部品を覆うことによって電磁波ノイズの放射を抑制し、外部からの電磁波ノイズを除去している。
このような電子波シールド材として、透明ガラスの表面に形成されるカーボンからなる黒色層上に銀インクを塗布して作製されるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。所望の電磁波シールド特性を得るために、銀インクより形成される銀層はパターニングされ、その後、高温で焼成されることで導電性を得て、電磁波シールド材が作製される。この電磁波シールド材により、光を吸収する黒色層で透明ガラスの曇りを防止しながら、電磁波ノイズの影響を抑えることができる。
特開2004−288973号公報
上記の電磁波シールド材の作製においては、銀インクのパターンに合わせて黒色層をパターニングするために、パターンマスクを配置して黒色層を露光した後、現像する必要があり、工程数が多く、操作が煩雑になる問題があった。また、銀インクは、他の金属インクに比べて重いため、電磁波シールド材が重くなるという問題があった。さらに、基板としてガラスを用いるため、フレキシブル性に劣っていた。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、軽く、フレキシブル性に優れるとともに、電気抵抗値の低い電磁波シールドシート及びこれを容易に製造できる電磁波シールドシートの製造方法を提供することを目的の一つとする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の一態様の電磁波シールドシートの製造方法は、紙、布または不織布からなる基材に、酸化銅を含むインクの少なくとも一部を浸み込ませる工程と、前記酸化銅を含む前記基材を焼成し、導電性を付与する工程と、を含むことを特徴とする。
この構成によれば、パターニングの操作を必要としないため、容易な製法で、電磁波に対し高いシールド性能を有する電磁波シールドシートを製造できる。また、基材として紙、布または不織布を用いるため、ガラス基板を用いる場合と比べて軽く、フレキシブル性に優れた電磁波シールドシートを製造できる。酸化銅を含むインクは、銀インクに比べて軽いため、電磁波シールドシートの軽量化を図れる。また、酸化銅を含むインクは、プラズマや光を用いて焼成処理を行うことで、酸化銅が効果的に銅に還元されて焼結され、優れた導電性が得られる。そして、酸化銅中の有機物が効果的に分解されて電気絶縁性が抑制される。これらにより、電気抵抗値の低い電磁波シールドシートを製造できる。
本発明の一態様の電磁波シールドシートの製造方法は、紙、布または不織布からなる基材に、酸化銅とリン含有有機物とを含むインクの少なくとも一部を浸み込ませる工程と、
前記酸化銅及び前記リン含有有機物を含む前記基材を焼成し、導電性を付与する工程と、を含むことを特徴とする。
この構成によれば、リン含有有機物がインクに含まれることにより、立体障害効果によりインクの凝集が抑制される。リン含有有機物は焼成の際に分解されることで、電気絶縁性が抑えられるため、電磁波シールドシートの電気抵抗値が低く維持される。
本発明の一態様の電磁波シールドシートの製造方法は、紙、布または不織布からなる基材に、酸化銅とヒドラジンとを含むインクの少なくとも一部を浸み込ませる工程と、前記酸化銅及び前記ヒドラジンを含む前記基材を焼成し、導電性を付与する工程と、を含むことを特徴とする。
この構成によれば、ヒドラジンがインクに含まれることにより、焼成の際に酸化銅の還元に寄与して、電気抵抗値の低い電磁波シールドシートを作製できる。
本発明の一態様の電磁波シールドシートの製造方法においては、前記焼成がプラズマ焼成法により行われることが好ましい。
この構成により、低温焼成が可能になる。また、酸化銅中の有機物が効果的に分解されるため、酸化銅の焼成が促進され、より電気抵抗値の低い電磁波シールドシートを作製できる。
本発明の一態様の電磁波シールドシートの製造方法においては、電気抵抗値が0.1Ω/□以上1000Ω/□以下であることが好ましい。
この構成により、電磁波シールドシートの導電性を維持できるため、高い電磁波シールド性能を発揮できる。
本発明の一態様の電磁波シールドシートは、紙、布または不織布からなる基材に、銅とリンとが含有されて形成されており、電気抵抗値が0.1Ω/□以上1000Ω/□以下であることを特徴とする。
この構成により、基材として紙、布または不織布が用いられるため、ガラス基板が用いられる場合と比べて軽く、フレキシブル性に優れる。導電性材料として用いられる銅は銀に比べて軽いため、軽量化を図れる。基材に含まれるリンは、酸化銅に対し脱酸素の効果をもたらし、銅への還元を促進する。また、導電性を維持できるため、高い電磁波シールド性能を発揮できる。
本発明によれば、軽く、フレキシブル性に優れるとともに、電気抵抗値の低い電磁波シールドシートを容易に製造できる。
本実施の形態に係る酸化銅とリン酸エステル塩との関係を示す模式図である。 本実施の形態に係る電磁波シールドシートを示す断面模式図である。 本実施の形態に係る電磁波シールドシートの製造方法の各工程を示す説明図である。 実施例に係る電気抵抗値の測定方法を説明する図である。 実施例に係る和紙及びこれに酸化銅インクを浸み込ませて得られた電磁波シールドシートの図である。 実施例に係る和紙に酸化銅インクを浸み込ませて得られた電磁波シールドシートを光学顕微鏡で観察した図である。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施の形態」という)を例示する目的で詳細に説明するが、本発明は本実施の形態に限定されるものではない。図1は、本実施の形態に係る酸化銅とリン酸エステル塩との関係を示す模式図である。図2は、本実施の形態に係る電磁波シールドシートを示す断面模式図である。図3は、本実施の形態に係る電磁波シールドシートの製造方法の各工程を示す説明図である。
本実施の形態に係る電磁波シールドシートの製造方法は、紙、布または不織布からなる基材に、酸化銅を含むインクの少なくとも一部を浸み込ませる工程と、酸化銅を含む基材を焼成し、導電性を付与する工程と、を含むことを特徴とする。
まず、酸化銅を含むインク(以下、「酸化銅インク」という)が基材上に塗布される。このとき、基材上に酸化銅インクの塗布層を形成してもよいし、基材に酸化銅インクを浸み込ませ(含浸させ)てもよい。酸化銅インクは、基材の上面及び下面の少なくとも一方に塗布されればよい。
酸化銅インクには、酸化銅としては、酸化第一銅(CuO)が用いられることが好ましい。これにより、還元が容易になり、焼結が容易になる。酸化銅インクは銀インクに比べて軽いため、電磁波シールドシートの軽量化を図れる。
酸化銅インクには、リン含有有機物が含まれていてもよい。リン含有有機物は分散剤として機能し、立体障害効果により酸化銅インクの凝集を抑制する。また、リン含有有機物は焼成の際に分解されるため、電気絶縁性が抑えられ、電磁波シールドシートの電気抵抗値が低く維持される。
また、酸化銅インクには、ヒドラジンが含まれていてもよい。ヒドラジンは還元剤として機能し、焼成において酸化銅の還元に寄与して、より電気抵抗値の低い電磁波シールドシートを作製できる。酸化第一銅に、分散剤、還元剤、分散媒、銅粒子などが加えられ、酸化銅インクが作製される。
基材としては、例えば紙、布または不織布が用いられることが好ましい。ガラス基板に比べて軽く、フレキシブル性に優れた電磁波シールドシートを製造できる。
基材への酸化銅インクの塗布方法としては、特に制限されず、浸漬法、印刷、バーコート法などの方法を用いることができる。パターニングの操作を必要としないため、容易な製法で電磁波シールドシートを作製できる。
次に、酸化銅インクが塗布された基材が焼成される。酸化銅の還元と融着(焼結)が行われることで導電性が付与される。このとき、基材上に酸化銅インクの塗布層が形成されている場合は、基材の表面付近に導電性が付与され、基材に全体的に酸化銅インクが浸み込んでいる場合は、基材そのものに導電性が付与される。また、基材に濃度勾配をつくって酸化銅インクが浸み込んでいる場合は、基材に酸化銅インクの濃度勾配にしたがって導電性が付与される。導電性が付与されるとは、電気抵抗値が0Ω/□以上500Ω/□以下となることをいう。
焼成は、例えば、焼成炉で行ってもよいし、プラズマ焼成法、光焼成法などを単独もしくは組み合わせて用いて行ってもよい。焼結の妨げとなる酸化銅中の有機物を分解して、酸化銅の焼成を促進するとともに電気抵抗の上昇を抑制する観点から、プラズマ焼成法が好ましい。プラズマ焼成により、低温焼成が可能になる。
作製される電磁波シールドシートの電気抵抗値は、0.1Ω/□以上1000Ω/□以下であることが好ましく、0.1Ω/□以上500Ω/□以下であることがより好ましく、0.1Ω/□以上100Ω/□以下であることがさらに好ましく、0.1Ω/□以上50Ω/□以下であることがさらにより好ましく、0.1Ω/□以上20Ω/□以下であることが特に好ましく、0.5Ω/□以上20Ω/□以下であることが最も好ましい。これにより、電磁波シールドシートの導電性を維持できるため、高い電磁波シールド性能を発揮できる。
このように、酸化銅インクは、プラズマや光を用いて焼成処理を行うことで、酸化銅が効果的に銅に還元されて焼結され、優れた導電性が得られる。そして、酸化銅中の有機物が効果的に分解されて電気絶縁性が抑制される。これらにより、電気抵抗値の低い電磁波シールドシートを製造できる。
次に、酸化銅インクにおける酸化銅と分散剤の状態について、図1を用いて説明する。図1に示すように、酸化銅インク1において、酸化銅の一例である酸化銅2の周囲には、分散剤としての例えばリン含有有機物の一例であるリン酸エステル塩3が、リン3aを内側に、エステル塩3bを外側にそれぞれ向けて取り囲んでいる。リン酸エステル塩3は電気絶縁性を示すため、隣接する酸化銅2との間の電気的導通は妨げられる。また、リン酸エステル塩3は、立体障害効果により酸化銅インク1の凝集を抑制する。
酸化銅2及びリン含有有機物3を含む塗布層に光照射し、酸化銅2を銅に還元することで導電性が得られる。このように酸化銅2が還元された銅を還元銅という。また、このとき、リン含有有機物3は、リン酸化物に変性する。リン酸化物では、上述のエステル塩3b(図1参照)のような有機物は、レーザなどの熱によって分解し、電気絶縁性を示さないようになる。
また、図1に示すように、酸化銅2が用いられている場合、プラズマ焼成で用いられる活性水素によって、酸化銅2が還元銅に変化するとともに焼結する。これによって、優れた電気導電性を有する領域(以下、「導電性領域」という)を形成することができる。
導電性領域において、還元銅の中にリン元素が残存している。リン元素は、リン元素単体、リン酸化物及びリン含有有機物のうち少なくとも1つとして存在している。このように残存するリン元素によって、脱酸素の効果が期待される。
[(1)酸化銅]
本実施の形態においては金属酸化物成分の一つとして酸化銅を用いる。酸化銅としては、酸化第一銅(CuO)が好ましい。これは、金属酸化物の中でも還元が容易で、さらに微粒子を用いることで焼結が容易であること、価格的にも銅であるがゆえに銀などの貴金属類と比較し安価で、マイグレーションに対し有利であるためである。
酸化第一銅粒子の平均粒子径の好ましい範囲は、これを還元処理することにより得られる金属の緻密性、電気的特性の観点から、さらには紙、布または不織布などからなる基材の使用を考慮して焼成条件が基材に与えるダメージを低減する観点から、より低温化する必要がある。このため、好ましい平均粒子径は、3nm以上、50nm以下、より好ましくは5nm以上、40nm以下、さらに好ましくは10nm以上、30nm以下である。平均粒子径が50nm以下の場合、低温焼成が可能となり、基材の汎用性が広がる。また、基材にパターンを形成し易い傾向があるので好ましい。また、3nm以上だと、酸化銅インクに用いられた際に分散安定性がよく、分散体の長期保管安定性が向上するので好ましい。また、均一な薄膜を作製できる。ここで平均粒子径とは、酸化銅インク中での分散時の粒子径であり、大塚電子製FPAR−1000を用いてキュムラント法によって測定した値である。つまり1次粒子径とは限らず、2次粒子径であってもよい。
また、平均粒子径分布において、多分散度が0.1以上0.4以下の範囲がよい。この範囲であれば、成膜性がよく、分散安定性も高い。なお、本実施の形態において、酸化第一銅粒子の平均粒小径は、後述する針金状、樹枝状、及び鱗片状の形状を有する銅粒子によるクラック防止効果には影響しない。
酸化第一銅に関しては、市販品を用いてもよいし、合成して用いてもよい。合成法としては、次の方法が挙げられる。
(1)ポリオール溶剤中に、水と銅アセチルアセトナート錯体を加え、いったん有機銅化合物を加熱溶解させ、次に、反応に必要な水を後添加し、さらに昇温して有機銅の還元温度で加熱する加熱還元する方法。
(2)有機銅化合物(銅−N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン錯体)を、ヘキサデシルアミンなどの保護材存在下、不活性雰囲気中で、300℃程度の高温で加熱する方法。
(3)水溶液に溶解した銅塩をヒドラジンで還元する方法。
この中では(3)の方法は操作が簡便で、かつ、平均粒小径の小さい酸化第一銅が得られるので好ましい。
合成終了後、合成溶液と酸化第一銅の分離を行うが、遠心分離などの既知の方法を用いればよい。また、得られた酸化第一銅を分散剤、後述の分散媒を加えホモジナイザーなど既知の方法で攪拌し分散する。分散媒によっては分散し難く分散が不充分な場合があるが、このような場合は一例として、分散しやすいアルコール類、例えばブタノールなどの分散媒を用い分散させた後、所望の分散媒への置換と所望の濃度への濃縮を行う。方法の一例としてUF膜による濃縮、所望の分散媒による希釈、濃縮を繰り返す方法が挙げられる。このようにして得られた酸化銅分散体は、後述の方法で銅粒子などと混合され、本実施の形態の酸化銅インクとされる。この酸化銅インクが塗布に用いられる。
[(2)分散剤]
次に分散剤について説明する。分散剤としては、例えば、リン含有有機物が挙げられる。リン含有有機物は酸化銅に吸着してもよく、この場合立体障害効果により凝集を抑制する。また、リン含有有機物は、絶縁領域において電気絶縁性を示す材料である。リン含有有機物は、単一分子であってよいし、複数種類の分子の混合物でもよい。
分散剤の数平均分子量は、特に制限はないが、例えば300〜300000であることが好ましい。300以上であると、絶縁性に優れ、得られる酸化銅インクの分散安定性が増す傾向があり、30000以下であると、焼成しやすい。また、構造としては酸化銅に親和性のある基を有する高分子量共重合物のリン酸エステルが好ましい。例えば、化学式(1)の構造は、酸化銅、特に酸化第一銅と吸着し、また基材への密着性にも優れるため、好ましい。
リン含有有機物は、光や熱によって分解または蒸発しやすいものであることが好ましい。光や熱によって分解または蒸発しやすい有機物を用いることによって、焼成後に有機物の残渣が残りにくくなり、電気絶縁性が抑えられ、電気抵抗の低い導電性領域を得ることができる。
リン含有有機物の分解温度は、限定されないが、600℃以下であることが好ましく、400℃以下であることがより好ましく、200℃以下であることがさらに好ましい。リン含有有機物の沸点は、限定されないが、300℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましく、150℃以下であることがさらに好ましい。
リン含有有機物の吸収特性は、限定されないが、焼成に用いる光を吸収できることが好ましい。例えば、焼成のための光源としてレーザ光を用いる場合は、その発光波長の、例えば355nm、405nm、445nm、450nm、532nm、1056nmなどの光を吸収するリン含有有機物を用いることが好ましい。特に好ましくは、355nm、405nm、445nm、450nmの波長である。
分散剤としては公知のものを用いることができ、例えば、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、不飽和ポリカルボン酸ポリアミノアマイド、ポリアミノアマイドのポリカルボン酸塩、長鎖ポリアミノアマイドと酸ポリマーの塩などの塩基性基を有する高分子が挙げられる。また、アクリル系ポリマー、アクリル系共重合物、変性ポリエステル酸、ポリエーテルエステル酸、ポリエーテル系カルボン酸、ポリカルボン酸などの高分子のアルキルアンモニウム塩、アミン塩、アミドアミン塩などが挙げられる。このような分散剤としては、市販されているものを使用することもできる。
上記市販品としては、例えば、DISPERBYK(登録商標)―101、DISPERBYK―102、DISPERBYK−110、DISPERBYK―111、DISPERBYK―112、DISPERBYK−118、DISPERBYK―130、DISPERBYK―140、DISPERBYK−142、DISPERBYK―145、DISPERBYK―160、DISPERBYK―161、DISPERBYK―162、DISPERBYK―163、DISPERBYK―2155、DISPERBYK―2163、DISPERBYK―2164、DISPERBYK―180、DISPERBYK―2000、DISPERBYK―2025、DISPERBYK―2163、DISPERBYK―2164、BYK―9076、BYK―9077、TERRA−204、TERRA−U(以上ビックケミー社製)、フローレンDOPA−15B、フローレンDOPA−15BHFS、フローレンDOPA−22、フローレンDOPA−33、フローレンDOPA−44、フローレンDOPA−17HF、フローレンTG−662C、フローレンKTG−2400(以上共栄社化学社製)、ED−117、ED−118、ED−212、ED−213、ED−214、ED−216、ED−350、ED−360(以上楠本化成社製)、プライサーフM208F、プライサーフDBS(以上第一工業製薬製)などを挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
分散剤の必要量は、酸化銅の量に比例し、要求される分散安定性を考慮し調整する。本実施の形態の酸化銅インクに含まれる分散剤の質量比率(分散剤質量/酸化銅質量)は、0.0050以上0.30以下であり、好ましくは0.050以上0.25以下であり、より好ましくは0.10以上0.23である。分散剤の量は分散安定性に影響し、量が少ないと凝集しやすく、多いと分散安定性が向上する傾向がある。但し、本実施の形態の酸化銅インクにおける分散剤の含有率を35質量%以下にすると、焼成して得られる導電性領域において分散剤由来の残渣の影響を抑え、導電性を向上できる。
分散剤の酸価(mgKOH/g)は20以上、130以下が好ましい。より好ましくは30以上、100以下が好ましい。この範囲に入ると分散安定性に優れるため好ましい。特に平均粒子径が小さい酸化銅の場合に有効である。具体的には「DISPERBYK―102」(酸価101)、「DISPERBYK−140」(酸価73)、「DISPERBYK−142」(酸価46)、「DISPERBYK−145」(酸価76)、「DISPERBYK−118」(酸価36)、「DISPERBYK−180(酸価94)(ビックケミー社製)が挙げられる。
また、分散剤のアミン価(mgKOH/g)と酸価の差(アミン価−酸価)は−50以上0以下であることが好ましい。アミン価は、遊離塩基、塩基の総量を示すものであり、酸価は、遊離脂肪酸、脂肪酸の総量を示すものである。アミン価、酸価はJIS K 7700あるいはASTM D2074に準拠した方法で測定する。−50以上0以下だと分散安定性に優れるため、好ましい。より好ましくは−40以上0以下であり、さらに好ましくは−20以上0以下である。
[その他]
本実施の形態の酸化銅インクは、上述の構成成分の他に、還元剤や分散媒が含まれていてもよい。
次に還元剤について説明する。還元剤としては、ヒドラジン、ヒドラジン水和物、ナトリウム、カーボン、ヨウ化カリウム、シュウ酸、硫化鉄(II)、チオ硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、塩化スズ(II)、水素化ジイソブチルアルミニウム、蟻酸、水素化ホウ酸ナトリウム、亜硫酸塩などが挙げられる。焼成において、酸化銅、特に酸化第一銅の還元に寄与し、より電気抵抗の低い導電性領域を作製することができる観点から、還元剤は、ヒドラジンまたはヒドラジン水和物が最も好ましい。これにより、酸化銅インクの分散安定性も維持できる。還元剤の必要量は酸化銅の量に比例し、要求される還元性を考慮し調整する。
本実施の形態の酸化銅インクに含まれる還元剤の質量比率(還元剤質量/酸化銅質量)は、0.0001以上0.1以下が好ましく、より好ましくは0.0001以上0.05以下、さらに好ましくは0.0001以上0.03である。還元剤の質量比率は、0.0001以上だと分散安定性が向上し、かつ導電性領域の電気抵抗が低下する。また、0.1以下だと酸化銅インクの長期安定性が向上する。
また、本実施の形態に用いられる分散媒は、分散という観点から分散剤の溶解が可能なものの中から選択する。一方、酸化銅インクを用いて導電性領域を形成するという観点からは、分散媒の揮発性が作業性に影響を与えるため、導電性領域の形成方法、例えば酸化銅インクの塗布の方式に適するものである必要がある。従って、分散媒は分散性と塗布の作業性に合わせて下記の溶剤から選択すればよい。
具体例としては、分散媒として以下の溶剤を挙げることができる。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールターシャリーブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2−ペンタンジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、ジエチレングリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、トリエチレングリコール、トリ−1,2−プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、2−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、2−エチルブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、2−オクタノール、n−ノニルアルコール、2、6ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3、3、5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコールなどが挙げられる。これらに具体的に記載したもの以外にも、アルコール、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル類溶剤を分散媒に用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよく、塗布方式に応じ蒸発性や、塗布機材、被塗布基材の耐溶剤性を考慮し選択する。
また、分散媒としては、炭素数10以下のモノアルコールがより好ましい。また、酸化銅の分散性の低下を抑制するため、さらに分散剤との相互作用において、より安定に分散させるために、モノアルコールの炭素数は8以下であることがさらに好ましい。また、モノアルコールの炭素数が8以下であることにより、電気抵抗値も低くなる。炭素数8以下のモノアルコール中でも、例えば、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノールが分散性、揮発性及び粘性が特に適しているのでさらにより好ましい。これらのモノアルコールを単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
分散媒の含有量は酸化銅インク全体の中で30質量%以上、95質量%以下が好ましく、40質量%以上、95質量%以下がより好ましく、50質量%以上、90質量%以下が最も好ましい。
<酸化銅と銅を含む分散体の調整>
酸化第一銅と銅粒子を含む分散体、すなわち酸化銅インクは、前述の酸化銅分散体に、銅微粒子、必要に応じ分散媒を、それぞれ所定の割合で混合し、例えば、ミキサー法、超音波法、3本ロール法、2本ロール法、アトライター、ホモジナイザー、バンバリーミキサー、ペイントシェイカー、ニーダー、ボールミル、サンドミル、自公転ミキサーなどを用いて分散処理することにより調整することができる。
分散媒の一部は既に作製した酸化銅分散体に含まれているため、この酸化銅分散体に含まれている分で充分な場合はこの工程で添加する必要はなく、粘度の低下が必要な場合は必要に応じこの工程で加えればよい。もしくはこの工程以降で加えてもよい。分散媒は前述の酸化銅分散体作製時に加えたものと同じものでも、異なるものでも加えてよい。
この他に必要に応じ、有機バインダ、酸化防止剤、還元剤、金属粒子、金属酸化物を加えてもよく、不純物として金属や金属酸化物、金属塩及び金属錯体を含んでもよい。
また、針金状、樹枝状、鱗片状銅粒子はクラック防止効果が大きいため、単独であるいは球状、サイコロ状、多面体などの銅粒子や他の金属と複数組み合わせて加えてもよく、その表面を酸化物や他の導電性のよい金属、例えば銀などで被覆してもよい。
なお銅以外の金属粒子で、形状が針金状、樹枝状、鱗片状の一種もしくは複数を加える場合、同様な形状の銅粒子と同様にクラック防止効果を有するため、同様の形状の銅粒子の一部との置き換え、もしくは同様の形状の銅粒子に追加して使うこともできるが、マイグレーション、粒子強度、抵抗値、銅食われ、金属間化合物の形成、コストなどを考慮する必要がある。銅以外の金属粒子としてとしては、例えば金、銀、錫、亜鉛、ニッケル、白金、ビスマス、インジウム、アンチモンを挙げることができる。
金属酸化物粒子としては、酸化第一銅を酸化銀、酸化第二銅など置き換え、もしくは追加して使うことができる。しかしながら、金属粒子の場合と同様に、マイグレーション、粒子強度、電気抵抗値、銅食われ、金属間化合物の形成、コストなどを考慮する必要がある。これら金属粒子及び金属酸化物粒子の添加は、導電性領域の焼結、電気抵抗、導電体強度、光焼成の際の吸光度などの調整に用いることができる。これらの金属粒子及び金属酸化物粒子を加えても、針金状、樹枝状、鱗片状銅粒子の存在により、クラックは充分抑制される。これらの金属粒子及び金属酸化物粒子は単独でもしくは二種類以上組み合わせて用いてもよく、形状の制限は無い。例えば銀や酸化銀は、電気抵抗低下や焼成温度低下などの効果が期待される。
しかしながら、銀は貴金属類でありコストがかさむことや、クラック防止の観点から、銀の添加量は、針金状、樹枝状、鱗片状銅粒子を超えない範囲が好ましい。また、錫は安価であり、また融点が低いため焼結しやすくなるという利点を有する。しかしながら、電気抵抗が上昇する傾向があり、クラック防止の観点からも、錫の添加量は針金状、樹枝状、鱗片状銅粒子と酸化第一銅を超えない範囲が好ましい。酸化第二銅はフラッシュランプやレーザなどの光や赤外線を用いた方法では光吸収剤、熱線吸収剤として働く。しかしながら、酸化第二銅は酸化第一銅より還元し難いこと、還元時のガス発生が多いことによる基材からの剥離を防ぐ観点から、酸化第二銅の添加量は酸化第一銅より少ない方が好ましい。
本実施の形態においては、銅以外の金属や針金状、樹枝状、鱗片状以外の銅粒子、酸化銅以外の金属酸化物を含んでいても、クラック防止効果、電気抵抗の経時安定性向上効果は発揮される。しかしながら、銅以外の金属や針金状、樹枝状、鱗片状以外の銅粒子及び酸化銅以外の金属酸化物の添加量としては、針金状、樹枝状、鱗片状の銅粒子及び酸化銅の量より少ない方が好ましい。また、針金状、樹枝状、鱗片状の銅粒子及び酸化銅に対する、銅以外の金属、針金状、樹枝状、鱗片状以外の銅粒子及び酸化銅以外の金属酸化物の添加量の割合は50%以下、より好ましくは30%以下、さらに好ましくは10%以下がよい。
<電磁波シールドシートの製造方法>
本実施の形態に係る電磁波シールドシートの製造方法は、下記の(1)、(2)の工程を有している。
(1)紙、布または不織布からなる基材に、酸化銅インクの少なくとも一部を浸み込ませる工程
(2)酸化銅を含む基材を焼成し、導電性を付与する工程
(1)紙、布または不織布からなる基材に、酸化銅インクの少なくとも一部を浸み込ませる工程
酸化銅インクが基材上に塗布される。このとき、基材上に酸化銅インクの塗布層が形成されてもよい。この場合、塗布された酸化銅インクの一部は基材に浸み込んでもよく、酸化銅インクの大部分は基材上に塗布層を形成する。また、基材に酸化銅インクを浸み込ませ(含浸させ)てもよい。この場合、酸化銅インクの一部は基材上に塗布層を形成してもよく、酸化銅インクの大部分は基材に浸み込む。酸化銅インクは、基材の上面及び下面の少なくとも一方に塗布されればよい。
酸化銅インクにおいて、酸化銅としては、酸化第一銅が用いられることが好ましい。これにより、還元が容易になり、微粒子を用いることで焼結が容易になる。また、酸化銅インクは銀インクに比べて軽いため、電磁波シールドシートの軽量化を図れる。
基材としては、例えば紙、布または不織布が用いられることが好ましい。これにより、ガラス基板に比べて軽く、フレキシブル性に優れた電磁波シールドシートを製造できる。
(2)酸化銅を含む基材を焼成し、導電性を付与する工程
酸化銅インクが塗布された基材が焼成され、酸化銅の還元と融着(焼結)が行われることで導電性が付与される。焼成により、工程(1)で、基材上に塗布層が形成されている場合は、基材の表面付近に導電性が付与され、基材に全体的に酸化銅インクが浸み込んでいる場合は、基材そのものに導電性が付与される。また、基材に濃度勾配をつくって酸化銅インクが浸み込んでいる場合は、基材に酸化銅インクの濃度勾配にしたがって導電性が付与される。導電性が付与されるとは、電気抵抗値が0Ω/□以上500Ω/□以下となることをいう。
焼成は、例えば、焼成炉で行ってもよいし、プラズマ焼成法、光焼成法などを単独もしくは組み合わせて用いて行ってもよい。焼結の妨げとなる酸化銅中の有機物を分解して電気抵抗の上昇を防ぐ観点から、プラズマ焼成が好ましい。
[電磁波シールドシートの構成]
図2に示すように、電磁波シールドシート10は、基材11に、還元銅が含有されて形成されている。基材11において還元銅の領域は、導電性を有する導電性領域12を形成している。導電性領域12とは、電気抵抗値が0Ω/□以上500Ω/□以下の領域をいう。
導電性領域12は、還元銅の層として、基材11と別れて形成されていてもよい。この場合、導電性領域12は、基材11の上面及び下面の少なくとも一方に形成されていればよい。また、導電性領域12は、還元銅が基材11に均一に含まれ還元銅と基材11とが一体となって形成されていてもよい。また、導電性領域12は、還元銅が基材11に濃度勾配をつくった状態で含まれて形成されていてもよい。この場合、基材11全体において還元銅が濃度勾配をつくっていてもよく、基材11には還元銅の濃度勾配にしたがって導電性が変化する導電性領域12が形成される。また、基材11の上面側及び下面側の少なくとも一方に還元銅が濃度勾配をつくっていてもよい。これにより、基材11には、上面または下面、並びに上面及び下面に向けて、導電性が高くなる導電性領域12が形成される。
基材11として例えば紙、布または不織布が用いられているため、ガラス基板が用いられる場合と比べて軽く、フレキシブル性に優れている。また、基材11の導電性材料として還元銅が用いられるため、銀が用いられる場合と比べて電磁波シールドシート10の軽量化を図れる。
導電性領域12には、リン元素が含まれていてもよい。リン元素は、リン元素単体、リン酸化物及びリン含有有機物のうち少なくとも1つとして存在している。リン元素によって、酸化銅の脱酸素の効果が期待される。
電磁波シールドシート10の電気抵抗値は、0.1Ω/□以上1000Ω/□以下であることが好ましく、0.1Ω/□以上500Ω/□以下であることがより好ましく、0.1Ω/□以上100Ω/□以下であることがさらに好ましく、0.1Ω/□以上50Ω/□以下であることがさらにより好ましく、0.1Ω/□以上20Ω/□以下であることが特に好ましく、0.5Ω/□以上20Ω/□以下であることが最も好ましい。これにより、電磁波シールドシート10の導電性を維持できるため、高い電磁波シールド性能を発揮できる。
[基材への酸化銅インクの塗布方法]
酸化銅インクを用いた塗布方法について説明する。塗布方法としては特に制限されず、浸漬法、スクリーン印刷、凹版ダイレクト印刷、凹版オフセット印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷などの印刷法やディスペンサー描画法などを用いることができる。塗布法としては、ダイコート、スピンコート、スリットコート、バーコート、ナイフコート、スプレーコート、ディツプコートなどの方法を用いることができる。
[基材]
本実施の形態で用いられる基材は、特に限定されるものではなく、布、不織布、紙などで構成される。
基材の厚さは、例えば1μm〜10mmとすることができ、好ましくは25μm〜250μmである。基材の厚さが250μm以下であれば、作製される電子デバイスを、軽量化、省スペース化、及びフレキシブル化できるため好ましい。
紙としては、一般的なパルプを原料とした上質紙、中質紙、コート紙、ボール紙、段ボールなどの洋紙やセルロースナノファイバーを原料としたものが挙げられる。紙の場合は高分子材料を溶解したもの、もしくはゾルゲル材料などを含浸硬化させたものを使うことができる。また、これらの材料はラミネートするなど貼り合わせて使用してもよい。例えば、紙フェノール基材、紙エポキシ基材、ガラスコンポジット基材、ガラスエポキシ基材などの複合基材、テフロン(登録商標)基材、アルミナ基材、低温低湿同時焼成セラミックス(LTCC)、シリコンウェハなどが挙げられる。
布は、繊維を織って絡み合わせたシートのことであり、繊維の原料としては、木綿、綿、麻のような天然のもの、ナイロン、ポリエステルのような合成繊維、レーヨンのような再生繊維などが挙げられる。不織布は、繊維を織らずに絡み合わせたシートのことであり、不織布の原料としては、繊維に加工できるほとんどの物質を使用することができる。また、複数の原料を組み合せたり、繊維長や太さなどの形状を調整することで特性に応じた機能を持たせることもできる。不織布の原料としては、アラミド繊維、ガラス繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリオレフィン繊維、レーヨン繊維、熱可塑性樹脂などが挙げられ、これらは、通気性を維持したまま布を接着するホットメルト接着剤で絡み合わせて不織布状に形成して利用される。また、不織布としては、例えば、低密度ポリエチレン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、合成ゴム、共重合ポリアミド樹脂、共重合ポリエステル樹脂が挙げられる。具体的には、例えば、プレシゼ(旭化成社製)やスマッシュ(旭化成社製)が利用できる。
[導電性領域の形成方法]
本実施の形態の導電性領域の形成方法は、塗布された酸化銅インクの酸化銅を還元し銅を生成させ、これ自体の融着、及び酸化銅インクに加えられている銅粒子との融着、一体化により導電性領域を形成するものである。この工程を焼成と呼ぶ。従って、酸化銅の還元と融着、銅粒子との一体化による導電性領域の形成ができる方法であれば特に制限はない。本実施の形態の導電性領域の形成方法における焼成は、例えば、焼成炉で行ってもよいし、プラズマ、赤外線、フラッシュランプ、レーザなどを単独もしくは組み合わせて用いて行ってもよい。
図3を参照して、本実施の形態に係る導電性領域の形成方法について、より具体的に説明する。図3中(a)において、水、プロピレングリコール(PG)の混合溶媒中に酢酸銅を溶かし、ヒドラジンを加えて攪拌する。
次に、図3中(b)、(c)において、遠心分離で上澄みと沈殿物に分離した。次に、図3中(d)において、得られた沈殿物に、分散剤及びアルコールを加え、分散する。
次いで、図3中(e)、(f)において、UF膜モジュールによる濃縮及び希釈を繰り返し、溶媒を置換し、酸化銅を含有する分散体I(酸化銅インク)を得る。
図3中(g)、(h)において、分散体Iを浸漬法により、例えば紙製の基材に塗布する。塗布される分散体Iは紙に浸み込む(図3(h)中、基材に塗布された酸化銅インクを「CuO」と記載する)。基材上に塗布層が形成されてもよい。
次に、基材の酸化銅に対して例えばプラズマ照射を行い、酸化銅を焼成し、酸化銅を銅に還元する。この結果、図3中(i)において、紙そのものに銅からなる導電性領域が形成される。このとき、基材に塗布された酸化銅のすべてが銅に還元されなくてもよく、一部は酸化銅のままでもよい。導電性領域とは、電気抵抗値が0Ω/□以上500Ω/□以下の領域をいう。
焼成処理の方法には、本発明の効果を発揮する導電性領域を形成可能であれば、特に限定されないが、具体例としては、焼却炉、プラズマ焼成法、光焼成法などが挙げられる。
[焼成炉]
酸素の影響を受けやすい焼成炉などで焼成を行う方法では、非酸化性雰囲気において酸化銅インクの塗布層を処理することが好ましい。また酸化銅インク中に含まれる有機成分で酸化銅が還元されにくい場合、還元性雰囲気で焼成することが好ましい。非酸化性雰囲気とは、酸素などの酸化性ガスを含まない雰囲気であり、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオンなどの不活性ガスで満たされた雰囲気である。また還元性雰囲気とは、水素、一酸化炭素などの還元性ガスが存在する雰囲気を指すが、不活性ガスと混合して使用してよい。これらのガスを焼成炉中に充填し密閉系で、もしくはガスを連続的に流しながら酸化銅インクを焼成してもよい。また、焼成は、加圧雰囲気で行ってもよいし減圧雰囲気で行ってもよい。
[プラズマ焼成法]
本実施の形態のプラズマ法は焼成炉を用いる方法と比較し、より低い温度での処理が可能であり、耐熱性の低い基材とする場合の焼成法として、よりよい方法の一つである。またプラズマにより、有機物質除去や酸化膜の除去が可能である。具体的には、還元性ガスもしくは還元性ガスと不活性ガスとの混合ガスをチャンバ内に流し、マイクロ波によりプラズマを発生させ、これにより生成する活性種を、還元または焼結に必要な加熱源として、さらには分散剤などに含まれる有機物の分解に利用し導電性領域を得る方法である。
特に金属部分では活性種の失活が多く、金属部分が選択的に加熱され、基材自体の温度は上がりにくいため、耐熱性の低い基材にも適用可能である。酸化銅インクは金属として銅を含み、酸化銅は焼成が進むにつれ銅に変化するため、銅領域のみの加熱が促進される。また、銅領域に分散剤やバインダ成分の有機物が残ると、焼結の妨げとなり、電気抵抗が上がる傾向にあるが、プラズマ法は導電性領域中の有機物除去効果が大きい。
還元性ガス成分としては水素など、不活性ガス成分としては窒素、ヘリウム、アルゴンなどを用いることができる。これらは単独で、もしくは還元ガス成分と不活性ガス成分を任意の割合で混合して用いてもよい。また不活性ガス成分を二種以上混合し用いてもよい。
プラズマ焼成法は、マイクロ波投入パワー、導入ガス流量、チャンバ内圧、プラズマ発生源から処理サンプルまでの距離、処理サンプル温度、処理時間での調整が可能であり、これらを調整することで処理の強度を変えることができる。従って、基材の最適条件に合わせて調整できる。
[光焼成法]
本実施の形態の光焼成法は、光源としてキセノンなどの放電管を用いたフラッシュ光方式やレーザ光方式が適用可能である。これらの方法は強度の大きい光を短時間露光し、基材に塗布した酸化銅インクを短時間で高温に上昇させ焼成する方法で、酸化銅の還元、銅粒子の焼結、これらの一体化、及び有機成分の分解を行い、導電性領域を形成する方法である。焼成時間がごく短時間であるため基材へのダメージが少ない方法で、耐熱性の低い基材への適用が可能である。
フラッシュ光方式とは、キセノン放電管を用い、コンデンサーに蓄えられた電荷を瞬時に放電する方式で、大光量のパルス光を発生させ、基材に含まれる酸化銅インクに照射することにより酸化銅を瞬時に高温に加熱し、導電性領域に変化させる方法である。露光量は、光強度、発光時間、光照射間隔、回数で調整可能であり、基材の光透過性が大きければ、耐熱性の低い紙、布または不織布などからなる基材へも、酸化銅インクによる導電性領域の形成が可能となる。
発光光源は異なるが、レーザ光源を用いても同様な効果が得られる。レーザの場合は、フラッシュ光方式の調整項目に加え、波長選択の自由度があり、パターンを形成した酸化銅インクの光吸収波長や基材の吸収波長を考慮し、選択することも可能である。またビームスキャンによる露光が可能であり、基材全面への露光、もしくは部分露光の選択など、露光範囲の調整が容易であるといった特徴がある。レーザの種類としてはYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)、YVO(イットリウムバナデイト)、Yb(イッテルビウム)、半導体レーザ(GaAs、GaAlAs、GaInAs)、炭酸ガスなどを用いることができ、基本波だけでなく必要に応じ高調波を取り出して使用してもよい。
特に、レーザ光を用いる場合、その発光波長は、300nm以上1500nm以下が好ましい。例えば355nm、405nm、445nm、450nm、532nm、1056nmがより好ましい。特に好ましくは、例えば355nm、405nm、445nm、450nmのレーザ波長である。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例及び比較例に限定されるものではない。
[ヒドラジン定量方法]
標準添加法によりヒドラジンの定量を行った。
サンプル(銅ナノインク)50μLに、ヒドラジン33μg、サロゲート物質(ヒドラジン15)33μg、ベンズアルデヒド1%アセトニトリル溶液1mlを加えた。最後にリン酸20μLを加え、4時間後、GC/MS測定を行った。
同じく、サンプル(銅ナノインク)50μLに、ヒドラジン66μg、サロゲート物質(ヒドラジン15)33μg、ベンズアルデヒド1%アセトニトリル溶液1mlを加えた。最後にリン酸20μLを加え、4時間後、GC/MS測定を行った。
同じく、サンプル(銅ナノインク)50μLに、ヒドラジン133μg、サロゲート物質(ヒドラジン15)33μg、ベンズアルデヒド1%アセトニトリル溶液1mlを加えた。最後にリン酸20μLを加え、4時間後、GC/MS測定を行った。
最後に、サンプル(銅ナノインク)50μLに、ヒドラジンを加えず、サロゲート物質(ヒドラジン15)33μg、ベンズアルデヒド1%アセトニトリル溶液1mlを加え、最後にリン酸20μLを加え、4時間後、GC/MS測定を行った。
上記4点のGC/MS測定からm/z=207のクロマトグラムラムよりヒドラジンのピーク面積値を得た。次に、m/z=209のマスクロマトグラムよりサロゲートのピーク面積値を得た。x軸に、添加したヒドラジンの重量/添加したサロゲート物質の重量、y軸に、ヒドラジンのピーク面積値/サロゲート物質のピーク面積値をとり、標準添加法による検量線を得た。
検量線から得られたY切片の値を、添加したヒドラジンの重量/添加したサロゲート物質の重量で除しヒドラジンの重量を得た。
[粒子径測定]
酸化銅インクの平均粒子径は、大塚電子製FPAR−1000を用いてキュムラント法によって測定した。
[電気抵抗値の測定]
電気抵抗は、(株)アドバンテスト製 AD7461Aを用いて測定した。図4は、実施例に係る電気抵抗値の測定方法を説明する図である。図4Aは、実施例の電気抵抗値の測定方法の斜視図であり、図4Bは断面模式図である。サンプル42は、各実施例で作製した電磁波シールドシートを幅12cmに切り出したものを使用した。そして、藤倉化成(株)製の銀ペーストDOTITE D550を使用し、間隔が12cmとなるようサンプル42に塗布して、長さ12cm幅5mmの一対の電極43をサンプル42上に形成した。電極43としての銀ペーストの乾燥後、サンプル42を絶縁体41上に置き、一対の電極43上にそれぞれ厚さ3mmの銅板44を乗せ、この銅板44に測定器の一対のプローブ45を押し当て、電気抵抗を測定した。
(酸化銅インク合成)
蒸留水(共栄製薬株式会社製)7560g、1,2−プロピレングリコール(関東化学株式会社製)3494gの混合溶媒中に酢酸銅(II)一水和物(関東化学株式会社製)806gを溶かし、外部温調器によって液温を−5℃にした。ヒドラジン一水和物(東京化成工業株式会社製)235gを20分間かけて加え、30分間攪拌した後、外部温調器によって液温を25℃にし、90分間攪拌した。攪拌後、遠心分離で上澄みと沈殿物に分離した。得られた沈殿物390gに、DISPERBYK−145(ビックケミー製)13.7g(分散剤含有量4g)、サーフロンS611(セイミケミカル製)54.6g、及びエタノール(関東化学株式会社製)907gを加え、ホモジナイザーを用いて分散し酸化第一銅分散液(酸化銅インク)1365gを得た。
分散液は良好に分散されていた。酸化第一銅の含有量は20gであり、粒子径は21nmであった。ヒドラジン量は3000ppmであった。
(実施例1)
不織布(商品名、プレシゼ(旭化成(株)社製)を150℃×5分間プレアニールし、アニール後に不織布に酸化銅インクをバーコーター(番手8)で浸み込ませた。酸化銅インクが含まれた不織布を、プラズマ焼成装置で1.5kw、240秒間、圧力140Pa、水素3%/窒素97%ガスを少量流した状態で焼成した。プラズマ焼成は、不織布の表と裏で4分間ずつを1セットとして、合計2セット実施し、電磁波シールドシートを得た。電磁波シールドシートの電気抵抗値は、20Ω/□であった。
(実施例2)
不織布(商品名、プレシゼ(旭化成(株)社製)を150℃×5分間プレアニールし、アニール後に不織布に酸化銅インクをバーコーター(番手8)で浸み込ませた。不織布に酸化銅インクを浸み込ませる操作を4回繰り返した。酸化銅インクが含まれた不織布を、プラズマ焼成装置で1.5kw、240秒間、圧力140Pa、水素3%/窒素97%ガスを少量流した状態で焼成した。プラズマ焼成は、不織布の表と裏で4分間ずつを1セットとして、合計2セット実施し、電磁波シールドシートを得た。電磁波シールドシードの電気抵抗値は、0.5Ω/□であった。
(実施例3)
不織布(商品名、スマッシュ(旭化成(株)社製)を150℃×5分間プレアニールし、アニール後に不織布に酸化銅インクをバーコーター(番手8)で浸み込ませた。不織布に酸化銅インクを浸み込ませる操作を4回繰り返した。酸化銅インクが含まれた不織布を、プラズマ焼成装置で1.5kw、240秒間、圧力140Pa、水素3%/窒素97%ガスを少量流した状態で焼成した。プラズマ焼成は、不織布の表と裏で4分間ずつを1セットとして、合計8セット実施し、電磁波シールドシートを得た。電磁波シールドシードの電気抵抗値は、0.6Ω/□であった。
(実施例4)
和紙(商品名、原稿用紙ケイー30N(コクヨ社製))(14g/m)に、酸化銅インクをバーコーター(番手8)で浸み込ませた。酸化銅インクが含まれた和紙を、プラズマ焼成装置で1.5kw、240秒間、圧力140Pa、水素3%/窒素97%ガスを少量流した状態で焼成した。プラズマ焼成は、和紙の表と裏で4分間ずつを1セットとして、合計2セット実施し、電磁波シールドシートを得た。電磁波シールドシートの電気抵抗値は、8Ω/□であった。
和紙及びこれに酸化銅インクを浸み込ませ、焼成して得られた電磁波シールドシートを、図5及び図6に示す。図5は、実施例に係る和紙及びこれに酸化銅インクを浸み込ませて得られた電磁波シールドシートの図である。図6は、実施例に係る和紙に酸化銅インクを浸み込ませて得られた電磁波シールドシートを光学顕微鏡で観察した図である。図6の左図は光学顕微鏡の画像であり、右図はその模式図である。
図5Aに示すように、用いた和紙は薄く、半透明性を有していた。半透明性を有するとは、裏側に配置されるものの色が表側から透けて見えることをいう。この和紙を光学顕微鏡で観察したところ、和紙の原料である繊維が観察された。繊維の間は空間となっていた。
この和紙に酸化銅インクを浸み込ませて焼成して、電磁波シールドシートを作製したところ、図5Bに示すように、還元銅が和紙全体に含まれ、光沢を有していた。図5B左図に示すように、電磁波シールドシートは容易に曲がり、和紙の柔軟性が維持されていた。基材として和紙を用いることで、薄く、軽い電磁波シールドシートが作製できた。この電磁波シールドシートを光学顕微鏡で観察したところ、図6に示すように、和紙の繊維30の間が還元銅20で埋められている領域があり、和紙と還元銅20が一体となって電磁波シールドシートが形成されていることがわかった。和紙に酸化銅インクを浸み込ませるという容易な製法で、電気抵抗値の低い電磁波シールドシートを作製できた。
実施例1−3においても基材として不織布を用いることで、軽く、薄い電磁波シールドシートが作製できた。得られた電磁波シールドシートは、フレキシブル性に優れ、電気抵抗値が低かった。実施例2、3は、不織布に酸化銅インクを浸み込ませる操作の回数が実施例1よりも多く、電磁波シールドシートの電気抵抗値が実施例1よりも低かった。基材に和紙を用いた実施例4においては、基材に不織布を用いた実施例1よりも低い電気抵抗値を維持できていた。実施例1−4において、電磁波シールドシートの電気抵抗値は、0.5Ω/□以上20Ω/□以下であり、0.1Ω/□以上1000Ω/□以下を維持できていた。
本発明の電磁波シールドシートの製造方法は、軽く、フレキシブル性に優れるとともに、電気抵抗値の低い電磁波シールドシートを容易に製造できる。このため、本発明の製造方法は、導電性シート、電磁波シールド材、帯電防止膜などの製造に好適に用いられる。
1 酸化銅インク
2 酸化銅
3 リン酸エステル塩
10 電磁波シールドシート
11 基材
12 導電性領域

Claims (6)

  1. 紙、布または不織布からなる基材に、酸化銅を含むインクの少なくとも一部を浸み込ませる工程と、
    前記酸化銅を含む前記基材を焼成し、導電性を付与する工程と、を含むことを特徴とする電磁波シールドシートの製造方法。
  2. 紙、布または不織布からなる基材に、酸化銅とリン含有有機物とを含むインクの少なくとも一部を浸み込ませる工程と、
    前記酸化銅及び前記リン含有有機物を含む前記基材を焼成し、導電性を付与する工程と、を含むことを特徴とする電磁波シールドシートの製造方法。
  3. 紙、布または不織布からなる基材に、酸化銅とヒドラジンとを含むインクの少なくとも一部を浸み込ませる工程と、
    前記酸化銅及び前記ヒドラジンを含む前記基材を焼成し、導電性を付与する工程と、を含むことを特徴とする電磁波シールドシートの製造方法。
  4. 前記焼成がプラズマ焼成法により行われることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電磁波シールドシートの製造方法。
  5. 電気抵抗値が0.1Ω/□以上1000Ω/□以下であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の電磁波シールドシートの製造方法。
  6. 紙、布または不織布からなる基材に、銅とリンとが含有されて形成されており、電気抵抗値が0.1Ω/□以上1000Ω/□以下であることを特徴とする電磁波シールドシート。
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