JP2004176187A - 導電性不織布 - Google Patents

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Abstract

【課題】作り方が簡便で、さらに繊維と金属成分の接着が良好な導電性不織布を提供する。
【解決手段】酸化銀を不織布に塗布含浸させた後、加熱処理により酸化銀を熱分解して金属銀にする。また、このようにして得られた導電性不織布に、さらにめっき処理を施すこともできる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電気防止材料、電磁波シールド、電極基板等に用いられる、導電性を有する不織布シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、導電性シートとしては炭素繊維や繊維状金属とパルプ等の繊維状物質とを混合して抄紙した導電紙が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。しかし、これらは高い導電性が得られず、静電気防止用材料としての利用にのみ制限されていた。最近では導電性繊維と高分子物質の繊維状バインダーからなる複合体も数多く提案されており、導電性も良くなってきた(例えば、特許文献3,4参照)。しかし、これらも、高い導電性を得るために高価なNiメッキした炭素繊維やステンレス繊維等の繊維状金属を多く用いるために必然的に高価になる。まためっきした有機繊維も市販されるようになってきたが、めっき繊維のみでシート化しても強度が得られず、必然的にバインダーポリマーを加えるため導電性には制限があった。
【0003】
最近では有機繊維を織布、不織布等のシートに形成した後めっきしたシートも数多く提案されている(例えば、特許文献5,6参照)。この場合触媒処理等前処理を含めためっきの工程が長い上に、各工程の間には前工程の処理液を水洗で除去する必要があった。しかし織布、不織布等は微細な空隙が多く比表面積が大きいため、連続処理の場合には完全な水洗は困難で触媒液、活性化液等の持込みによるめっき液の疲労が激しく、めっき液の処理能力向上に限界があった。また、非導電性の繊維にめっき処理を施すのが通常であり、必然的にめっき手法は無電解めっきとなる。このため、金属層と繊維との接着性は電解めっきの場合に比べて劣り、繊維の種類によってはめっき層の接着性が著しく悪くなる欠点もあった。
【0004】
【特許文献1】
特公昭45−32766号公報
【特許文献2】
特公昭49−32766号公報
【特許文献3】
特開昭61−127199号公報
【特許文献4】
特開昭61−225398号公報
【特許文献5】
特開平7−138872号公報
【特許文献6】
特開平7−166467号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、作り方が簡便で、さらに繊維と金属成分の接着が良好な導電性不織布を提供することにある。この目的は、不織布に塗布含浸した酸化銀を熱分解して金属銀にすることにより達せられる。さらに、これにめっき処理を施すことにより、銀以外の金属についても、接着性の良い導電性不織布を提供することができる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は実験を繰り返し、酸化銀を不織布に塗布含浸させた後、加熱処理により酸化銀を熱分解して金属銀にすることにより、当該金属銀と不織布繊維の間の接着性が良好な不織布を得られることを見いだし、上記の目的を達成することができた。
【0007】
酸化銀は一般に1価の酸化物(酸化銀(I):AgO)がよく知られている。その他に、2価の酸化物(酸化銀(II):AgOまたはAg)、過酸化銀(Ag)があるが、酸化銀(I)以外は構造が確定されていない、あるいは純粋なものが得られていない等構造的にあまり安定でない。普通に酸化銀と呼ぶ場合は、通常酸化銀(I)のことである。本発明では、酸化銀とは全て酸化銀(I)のことである。
【0008】
酸化銀は導電性は有さないので、導電剤として用いるにはこれを還元して金属銀に変換することが必要である。酸化銀は加熱処理により分解して金属銀になるが、酸化銀を単独で加熱したときの分解温度は通常300℃以上である。しかしながら、酸化銀にある種の有機物を混合した場合には分解温度を200℃以下に低下させることができる。酸化銀が加熱処理により金属銀になる際に各粒子は溶融結合することにより、導電性が生じ、同時に繊維との接着性が確保される。
【0009】
このようにして得られた銀に被覆された不織布に、さらにニッケル、銅、金等の金属のめっき処理することにより、見栄えを改良したり、より強力な電磁波シールドとして用いることができる。この時のめっき処理の下地は銀であるので、従来の不織布のめっき処理と異なり、電解めっきを用いることにより強い接着性を確保できるし、また、無電解めっきの場合でも、下地が有機繊維の場合よりもめっき処理はより容易であり、接着性もたやすく確保することができる。
【0010】
【発明の実施の方法】
以下、発明の実施のための具体的方法を詳細に説明する。
【0011】
まず、本発明に用いられる酸化銀については、特に制限はない。代表的な製法は硝酸銀の濃厚水溶液に当量の水酸化ナトリウムの希薄溶液を加え、生じる沈澱を回収することであり、純度の高い酸化銀を得ることができる。しかし、本発明で用いる酸化銀は、高純度である必要はない。従って、水酸化ナトリウム以外のアルカリ、例えばアミン等を用いてもかまわない。銀の供給源としては、硝酸銀は水溶性が高く、比較的安定であり、安全性も高いため、好ましいが、これに限定はされない。また、酸化銀の粒子径も特に制限はないが、10nmから10μmの範囲のものが好ましい。また、粒子径の調節のため、酸化銀調製時に分散剤等の薬品を添加しても、いっこうにかまわず、得られた酸化銀からこれら薬品を除去しても、あるいは除去せず酸化銀中に混在したまま用いてもどちらでもかまわない。
【0012】
酸化銀単独での分解温度は300℃以上であるが、ある種の有機物を混合すると分解温度の低下が発生する。このような有機物には、例えば特願2002−220148号に記載したような、環状アミン、水酸基、オキシアルキレン基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボキシル基の金属塩の少なくとも1つを有するもの等が好適である。具体例としては以下のものがあげられるが、これに限定されるものではない。
【0013】
1,3−ジ−4−ピペリジルプロパン、4−ピペリジノピペリジン、1,3−ジ−4−ピリジルプロパン、1,3,5−トリアジン、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、1,2,4,5−テトラジン、ポリビニルアルコール、β−シクロデキストリン、キチン、キトサン、アミロース、セルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、フェニルイソ酪酸またはその銀塩、アビエチン酸またはその銀塩、2,4−ジエチルグルタル酸またはその銀塩、ベヘン酸、ベヘン酸銀等。
【0014】
ポリエチレングリコールの中でも、数平均分子量が1000〜20000であるものは、加熱処理温度を低めに設定できるので、さらに好ましい。
【0015】
また、酸化銀の分解温度を低下させる有機物として架橋剤、特にアクリル化合物やメタクリル化合物(以下この両者は(メタ)アクリル化合物とまとめて表記)、エポキシ化合物も有用である。架橋剤の場合は、酸化銀の分解温度が低下すると同時に、自らは重合反応により硬化し、基材との接着が強くなり、好ましい。具体例としては以下のものがあげられるが、これに限定されるものではない。
【0016】
[(メタ)アクリル化合物]
(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフロロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフロロブチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルジ(メタ)アクリレート、PEG#200ジ(メタ)アクリレート、PEG#400ジ(メタ)アクリレート、PEG#600ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等。
【0017】
[エポキシ化合物]
2−エチルヘキシルジグリコールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、PEG#200ジグリシジルエーテル、PEG#400ジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、PPG#400ジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等。
【0018】
酸化銀が含浸塗布される不織布については、とくに制限はない。
【0019】
不織布に用いられる繊維としては、木材パルプ、ポリエステル系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ナイロン繊維、再生セルロース繊維等の有機繊維、或はガラス繊維等の無機繊維があげられる。ポリエステル系繊維とは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、これらポリマーの変性ポリマー等のホモポリマーおよびコポリマーからなる繊維であり、ポリオレフィン系繊維とは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、これらの変性ポリマー等のホモポリマーおよびコポリマーからなる繊維である。また、ポリアクリロニトリル系繊維とは、アクリル繊維等であり、ポリビニルアルコール系繊維とはポリビニルアルコールからなる繊維、ポリアミド系繊維とは、ナイロン6、ナイロン66等のポリマーからなる繊維である。
【0020】
これらの繊維は、上記の2種類以上のポリマーからなる複合繊維の形態、例えばポリプロピレン繊維とポリエチレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維とポリエチレン繊維の芯鞘構造をとる繊維であってもよく、また繊維の断面形状は、円形、楕円形のみならず三角、Y型、T型、U型、星型、ドッグボーン型等いわゆる異型断面形状をとるものであってもよい。これらの繊維の繊維径、繊維長さはシート化の方法に応じて適当な大きさに製造され、必要に応じて混合して使用することができる。
【0021】
また、合成パルプも使用できる。合成パルプとは各種の合成繊維をフィブリル化から開繊可能なポリマーとした合成繊維であり、例えば紡糸法のうち溶融紡糸法のジェット気流紡糸法、混合紡糸法、フィルム法の普通一軸延伸法、溶液法の自圧法のフラッシュスピニング法で製造される合成繊維であり、リファイナーで開繊できる合成繊維であって、湿式抄紙法により木材パルプと同様にしてシートに抄造できる。合成パルプとしては特にポリオレフィン系の合成繊維を用いることが多く、それ自身熱融着性を有し、熱融着性シートとして使用できる。
【0022】
不織布の製造方法としては前記繊維を使用して湿式抄造法、乾熱または湿熱接着法、或はカード法、クロスレイヤー法、ランダムウェッバー法、スパンボンド法等の乾式抄造法等、公知の製造法が使用でき、更に、必要に応じてニードルパンチ、一次水流交絡処理等の3次元交絡処理により繊維の固定を行うことができる。製造方法により繊維径と繊維長が異なり、できあがる不織布の風合い、厚みの範囲、空隙率、空隙の形状、開孔径、均質性、柔軟性、弾力性、毛羽だち、繊維の脱落等の特性が異なるので、要求される特性により任意の製造法が選択される。
【0023】
このようにして得られた不織布に、酸化銀の含浸塗布を行う。酸化銀を含浸塗布するための塗液としては、酸化銀を水あるいは有機溶剤に分散することによって得られる。この塗液には、必要に応じて様々な薬品を添加することが可能である。例としては、酸化銀の分散性を良くする分散剤、増粘剤、消泡剤、沈降防止剤、pH調整剤、バインダーとしての高分子化合物、架橋剤のような熱硬化剤、導電性や磁性の調節や付与のための例えば銅、すず、ニッケル、金等の金属粉または金属を含む化合物等が挙げられる。これらの薬品は、酸化銀とともに水あるいは有機溶剤に分散または溶解してもかまわないし、また、酸化銀とは別に分散または溶解した後、酸化銀の分散液と混合して塗液としても良い。
【0024】
また、酸化銀の分解温度を低下させる薬品については、酸化銀塗液に添加して一緒に不織布に含浸塗布してもかまわないし、酸化銀とは別に、酸化銀より前、あるいは後に塗布してもかまわない。あるいは、不織布製造時に添加して抄きこむ形であらかじめ添加しておいてもかまわない。この時、当該薬品は繊維の分散剤、バインダー等の別の役割を担っていても一向にかまわない。当該薬品を酸化銀の前後に塗布する、あるいは酸化銀塗液に添加する場合もまったく同様で、他の機能、例えば上記の塗液添加物の機能を兼ねていてもを何ら差し支えない。
【0025】
酸化銀塗液の不織布への含浸塗布の方法は特に限定されない。例としては、ディップ塗布、スプレー塗布、ロール塗布、バーコーター塗布、カーテンコーター塗布等が挙げられる。
【0026】
不織布に含浸された酸化銀は、加熱処理により速やかに金属銀に分解されて、導電性が生じる。酸化銀の熱分解に伴い、粒子の融着が起こり、基材との接着性が増す。酸化銀の加熱処理温度の温度範囲については特に制限はなく、酸化銀が金属銀に変換される温度よりさらに高温に上げても、別に差し支えはない。しかし、温度を上げすぎると、基材の不織布を傷めることになるので、発明の趣旨からいえば100〜300℃が、接着性の保持、エネルギー消費、不織布の保護等の観点から好ましい。加熱する時間も0.1秒から数時間まで、必要な導電性、接着性またはその他の特性が得られるならば任意で差し支えない。
【0027】
加熱処理により銀を付着させた導電性不織布は、さらにめっき処理を行うことにより、見栄えや導電性、電磁波遮蔽性をさらに改良することができる。めっき処理の方法としては、電気めっき、無電解めっき、いずれの手法も使用できるが、電気めっきは無電解めっきよりめっき液の構成が単純で、安定であり、しかもめっき層の成長が速く、液管理がし易く、また通電電流によりそのめっき量をコントロールすることができ、厚膜のめっき層を作るのに適しているといったメリットが多く、非常に好ましい。
【0028】
電気めっき液としてはピロリン酸銅、シアン化銅浴、硫酸銅浴等銅めっき液、ワット浴、塩化浴、スルファミン酸浴等ニッケルめっき液、サージェント浴等のクロムめっき液或は金、銀、錫、亜鉛等のめっき液を使用することができる。構成成分は一般的にはめっき金属イオン源としての金属塩の他、ほう酸等pH調整剤、サッカリン、1,5−ナフタレンジスルホン酸、ホルマリン、1,4−ブチンジオール等の光輝剤、界面活性剤等が添加される。電気めっきでは20〜80℃の上記めっき液中に前記導電性を付与した不織布を浸漬し、該不織布を陰極に、ニッケル対極板を陽極に接続し、直流あるいはパルス断続電流を1〜15A/dmの範囲で流してめっきされる。不織布の導電性が小さい場合には第一段では低電流密度でめっきし、その後めっき量が増すに従って電流密度を高くしていくように数段に分けてめっきすることもできる。不織布繊維上の電気めっき層の厚みには特に制限はないが、薄過ぎる場合には極板電流容量が小さくなって、高電流の充放電時に発熱の恐れがあり、また、厚すぎる場合には柔軟性も小さくなって、捲回する際にクラックが発生し、また基板が重くなるばかりか、めっきのコストも高くなり、経済性が悪化するので、その厚みは2〜10μmの範囲が適当である。
【0029】
無電解めっきを施す場合も、使用するめっき液組成や前処理も含めためっき処理方法については、通常と同様の方法を用いることができる。
【0030】
【実施例】
本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、下記の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中における「部」はすべて「質量部」を示す。
【0031】
実施例1
ポリビニルアルコール(クラレ(株)製クラレポバール224)5部を蒸留水100部中で加熱撹拌し、溶解させた。冷却後,蒸留水を追加し、全量150部とした。これに酸化銀(和光純薬工業(株)製特級)100部とポリエチレングリコール4000(純正化学(株)製一級)5部を加え、ガラスビーズ150部とともにペイントコンディショナーで粉砕・分散した。得られた分散液を塗液とし、不織布への含浸塗布を行った。
【0032】
基材の不織布には、東洋紡績(株)製ポリエチレンテレフタレート製不織布(目付け30g/m、厚さ0.2mm)を用いた。当該不織布20×20cmを広げた状態で固定し、この上に上記塗液を拡げて、ゴムロールを用いて塗液を不織布全体に均一に拡げて擦り込んだ。ヘアドライヤーで乾燥後、裏返して、裏面にも同様の操作により酸化銀塗液を擦り込み、乾燥した。塗布の終わった不織布の重量を測定したところ、酸化銀の塗布量はおよそ25g/mであった。
【0033】
このようにして得られた酸化銀塗布不織布を、200℃に設定した送風乾燥機中で30分加熱処理を行った。加熱処理の終わった不織布の表面抵抗を、三菱化学(株)製低抵抗率計ロレスタ−EPで測定したところ、1.3Ω/□であった。また、試料の一部を切り取り、X線回折を測定したが、図1に示したように酸化銀によるピークは得られず、金属銀に起因するピークが得られ、酸化銀が金属銀に分解していることを示した。
【0034】
次に、この加熱処理した酸化銀塗布不織布を陰極兼用の取り枠に挟み、硫酸ニッケル240g/l、塩化ニッケル45g/l、ほう酸30g/l、サッカリン2g/l、1,4−ブチンジオール0.2g/lを含む電気ニッケルめっき液が50℃で循環している容器(高さ・幅70cm、奥行き20cm)の中央に浸漬し、両側のニッケル対電極との間に電流を流し、めっき量が20g/mになるように電気ニッケルめっきを施した。得られたニッケルめっき処理不織布の電磁波シールド特性を測定したところ、30〜1000MHzの範囲に渡って60dB以上の優れた特性を示すことが判った。
【0035】
【発明の効果】
酸化銀を不織布に塗布含浸させた後、加熱処理により酸化銀を熱分解して金属銀にすることにより、当該金属銀と不織布繊維の間の接着性が良好な不織布を簡便に得ることができる。さらに、これにめっき処理を施すことにより、銀以外の金属についても、接着性の良い導電性不織布を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化銀を含浸塗布後、200℃で加熱処理した不織布のX線回折図である。

Claims (2)

  1. 酸化銀粒子を不織布に塗布含浸した後、熱処理することにより酸化銀を熱分解して金属銀にすることを特徴とする導電性不織布。
  2. 請求項1記載の導電性不織布を、さらにめっき処理することを特徴とする導電性不織布。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101603011B1 (ko) 2013-10-16 2016-03-22 고려대학교 산학협력단 나노텍스처 필름 제조 장치
JP2019096799A (ja) * 2017-11-27 2019-06-20 旭化成株式会社 電磁波シールドシートの製造方法及び電磁波シールドシート
KR102084947B1 (ko) * 2018-11-21 2020-03-05 재단법인 한국탄소융합기술원 은 코팅 탄소섬유 제조방법

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