JP2019095510A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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高典 上野
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純 大平
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幸裕 阿部
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Hironori Owaki
弘憲 大脇
康夫 小島
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康夫 小島
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Abstract

【課題】 感光体の膜厚ムラに起因した干渉縞やスジが生じる【解決手段】 基体の表面粗さ曲線の高さを示すデータ群に対して高速フーリエ変換を行い導出したパワースペクトルから得られる相対累積度数分布曲線の、相対累積度数が10%〜50%であるデータ群の回帰直線の決定係数が0.970以上であり、前記相対累積度数が90%になるピッチが200μm以下であり、前記表面粗さ曲線から得られる、JIS B 0601:2001で規定される二乗平均平方根傾斜RΔqが0.08以上である電子写真感光体:相対累積度数分布曲線は、ピッチ[μm](空間周波数の逆数)の常用対数を横軸とし、縦軸にパワースペクトル密度の相対累積度数[%]をプロットすることによって得られる。【選択図】 図4

Description

本発明は電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
電子写真方式を利用した電子写真装置は、複写機、ファクシミリ装置、プリンタとして広く一般に利用されている。そのような電子写真プロセスでは、光導電層が設けられた電子写真感光体の表面を一様に帯電させ、画像情報に応じたレーザーやLEDによって露光させることにより電子写真感光体の表面上に静電潜像を形成する。そして、形成した静電潜像に応じて電子写真感光体の表面にトナーを現像することでトナー像を形成し、これを紙の如き記録材へ転写させて画像形成が行なわれる。その後、転写されずに電子写真感光体上に残った残留トナーは電子写真感光体クリーナにより除去され、次の画像形成プロセスが繰返して行われる。
このような電子写真装置に好適に用いることが可能な電子写真感光体として、有機光導電性物質を用いた有機電子写真感光体(OPC)の開発が進められ、普及している。
電子写真装置の進歩に伴い、より高品位な画質が求められる様になってきているため従来は問題にならなった程度の干渉縞やスジ状の画像欠陥(以下、単にスジとも記載する。)などについても問題となる場合があった。
特許文献1には、基体の表面を粗すことで干渉縞を低減させる技術が開示されている。
特開2001−75299号公報
しかしながら、電子写真装置の解像度が高まるにつれて従来から用いられているRa、Rz、Rsmなどの粗さのパラメータを規定するだけでは干渉縞やスジの発生を十分に抑制することができないという課題があった。
そこで、本発明の目的は、干渉縞やスジ状の画像欠陥の発生を従来よりもさらに低減する電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
本発明の一態様によれば、
基体の上に、感光層を有する電子写真感光体であって、
前記基体の表面粗さ曲線の高さを示すデータ群に対して高速フーリエ変換を行い導出したパワースペクトルから得られる相対累積度数分布曲線の、相対累積度数が10%〜50%であるデータ群の回帰直線の決定係数が0.970以上であり、
前記相対累積度数が90%になるピッチが200μm以下であり、
前記粗さ曲線から得られる、JIS B 0601:2001で規定される二乗平均平方根傾斜RΔqが0.08以上である
電子写真感光体が提供される。
相対累積度数分布曲線は、ピッチ[μm](空間周波数の逆数)の常用対数を横軸とし、縦軸にパワースペクトル密度の相対累積度数[%]をプロットすることによって得られる。
本発明によれば、干渉縞やスジ状の画像欠陥の低減を実現する電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することが可能となる。
本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す概略図。 本発明の電子写真感光体の基体の表面粗さ曲線の一例を示す図。 本発明の電子写真感光体の基体のパワースペクトルの一例を示す図。 図3で示されるデータ群の相対累積度数を示す図。 本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概念構成図である。 本発明の電子写真装置の一例を示す概念構成図である。
[電子写真感光体]
本発明の電子写真感光体は、基体および該基体上の感光層を有する。ここで、感光層は、機能分離した層が積層された積層型と、複数の機能をあわせ持った1つの層からなる単層型と、に大別される。
感光層が順層型である電子写真感光体は、基体、該基体の上に形成された電荷発生層、該電荷発生層の上に形成された電荷輸送層を少なくとも有する。この積層型の感光層(電荷発生層および電荷輸送層)を有する電子写真感光体は、例えば、該電荷輸送層の上に形成された保護層をさらに有する構成であってもよい。なお、積層型の感光層を有する電子写真感光体が、電荷輸送層の上に保護層などの層を有しない場合、電荷輸送層が表面層となる。
単層型の感光層を有する電子写真感光体の場合も、積層型の感光層を有する電子写真感光体の場合と同様に、保護層をさらに有する構成であってもよい。
図1は電子写真感光体の層構成の一例を表した図である。図1は、基体101の上に、下引き層102、電荷発生層103および電荷輸送層104が、この順に形成されている順層型の感光層を示す。
〔基体〕
基体の材料としては、導電性を有するもの(導電性基体)が好ましく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、が挙げられる。基体の製法に制限はなく、ED管(extrusion and drawing tube)やEI管(Extrusion Ironing tube)を用いることができる。画像露光光として、レーザー光を採用する電子写真装置に電子写真感光体を搭載する場合は、レーザー光が基体に反射して起こる、干渉縞やスジが問題となる場合がある。
本発明の電子写真感光体では基体上の表面粗さを調節することで基体に到達したレーザー光を散乱させることができ、干渉縞やスジを防止することができる。
基体の表面を粗す手段として旋盤などによって基体の表面を削る方法があげられる。切削に用いるバイトの種類やバイトの送り量を調節することで表面粗さを調節することが可能である。従来、干渉を防止するために基体の表面粗さとして算術平均粗さRaや最大高さRz、要素の平均長さRSmなどといったパラメータによって判定されていたが、これらのパラメータが同一でも干渉の有無やその強弱に差が生じる場合があった。これらの基体を詳細に調べると、粗さ測定によって得られる粗さ曲線のデータ群に関して高速フーリエ変換を行うことで得られるパワースペクトルに差があることがわかった。さらにこれらのデータを詳細に調べることによって以下のようなことがわかった。
本発明において、干渉縞やスジの発生を抑制するためには、以下の要件(1)〜(3)を満たす必要がある。
・要件(1)
基体の表面粗さ曲線の高さを示すデータ群に対して高速フーリエ変換を行い、導出したパワースペクトルから得られる相対累積度数分布の、相対累積度数が10%〜50%であるデータ群の回帰直線の決定係数が0.970以上である。
ここで、決定係数の導出について説明する。
基体の表面を粗さ計で測定すると図2に示すような粗さ曲線を得ることができる。
この粗さ曲線のデータ群においてサンプリング間隔ΔT[μm],サンプリング数N[個]としたときに、式(1)に従い高速フーリエ変換を行い、式(2)より導出したパワースペクトルPkから図3を得ることができる。横軸はピッチ(空間周波数の逆数)の常用対数を示し、縦軸はパワースペクトル密度(PSD:Power Spectral Density)を示す。
次に図3のデータに対して相対累積度数分布を求めることによって相対累積度数分布曲線を示す図4を得ることができる。相対累積度数分布曲線は、ピッチ[μm](空間周波数の逆数)の常用対数を横軸とし、縦軸にパワースペクトル密度の相対累積度数[%]をプロットすることによって得られる。
図4の相対累積度数が10%から50%までの間にあるデータ(xi,yi)に関して最少二乗法によって求められる回帰直線f(x)を用いて、式(3)より決定係数Rを求めることができる(μYはyiの平均値を示す)。
決定係数が高いほど、細かなピッチの凹凸が表面に多く、かつランダムになっていると考えられる。そのため、基体から反射したレーザー光が干渉を起こしにくくなり干渉縞を防止することができると考えられる。
・要件(2)
相対累積度数が90%になるピッチが200μm以下である。相対累積度数が90%になるピッチが200μm以下であると画像上で基体のピッチを視認しにくくなるため、スジが見えなくなると考えられる。
・要件(3)
基体の表面粗さ曲線から求められる二乗平均平方根傾斜RΔqが0.08以上である。RΔqが大きいほどレーザー光が散乱しやすくなるため干渉縞の発生の防止に有利になると考えられる。
〔導電層〕
本発明の電子写真感光体においては、基体と後述する感光層または下引き層との間には、導電層を設けてもよい。導電層は、導電性粒子を結着樹脂および溶剤とともに分散処理して得られる導電層用塗布液を基体上に塗布し、得られた塗膜を乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。
導電層中には導電性粒子を含む粉体が含有される。導電性粒子としては、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀、などの金属や合金の粉体が使用できる。また、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、ITOなどの金属酸化物の粒子が挙げられる。導電性粒子は、導電性粒子の表面がシランカップリング剤などの表面処理剤で処理されていてもよい。
導電層に用いられる樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、アセタール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネートなどが挙げられる。
導電層用塗布液に用いられる溶剤としては、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤および芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。
導電層の膜厚は、0.2μm以上40μm以下であることが好ましく、5μm以上40μm以下であることがより好ましい。
〔下引き層(中間層)〕
基体または導電層と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、感光層の接着性改良、塗工性改良、基体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護などを目的として、下引き層(中間層)を設けてもよい。下引き層の構成材料は、前記目的のために要求される機能を満たす限り特に制限されない。例えば、樹脂単体で構成されてもよいし、樹脂と金属酸化物の混合物で構成されてもよい。
樹脂単体で構成される下引き層は、樹脂(結着樹脂)を溶剤に溶解させることによって得られる下引き層用塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
樹脂単体で構成される下引き層に用いられる樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体が挙げられる。また、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ、ゼラチンが挙げられる。
樹脂単体で構成される下引き層の膜厚は、0.05μm以上7μm以下であることが好ましく、0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
〔電荷発生層〕
本発明の電子写真感光体では、基体、導電層または下引き層の上には、電荷発生層が形成される。電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤とともに分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、これを乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。
電荷発生物質としては、ピリリウム、チアピリリウム系染料、フタロシアニン化合物、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、アゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、キノシアニン顔料などが挙げられる。これらの中でも、ガリウムフタロシアニンが好ましい。さらには、高感度の観点から、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.4°±0.3°および28.2°±0.3°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶がより好ましい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、以下のものが挙げられる。スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニルなどのビニル化合物の重合体や共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルベンザール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂など。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷発生層において、電荷発生物質と結着樹脂との割合は、電荷発生物質1質量部に対して、結着樹脂が0.3質量部以上4質量部以下であることが好ましい。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、例えば、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤および芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。また、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
分散方法としては、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルを用いる方法が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上1μm以下であることがより好ましい。
〔電荷輸送層〕
電荷発生層の上には電荷輸送層が形成される。電荷輸送層は、電荷輸送物質、および結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる電荷輸送層用塗布液を電荷発生層の上に塗布して塗膜を形成し、この塗膜を乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。
電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリルメタン化合物などが挙げられる。本発明において、電荷輸送層中の電荷輸送物質の割合は、電荷輸送層の全質量に対して、電荷輸送物質が30質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、以下のものが挙げられる。ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アガロース樹脂、カゼイン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂など。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤および芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。電荷輸送層の膜厚は、5μm以上40μm以下であることが好ましい。
〔単層型感光層〕
感光層が単層型感光層である場合、感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる感光層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。なお、単層型感光層に用いられる結着樹脂、電荷発生物質および電荷輸送物質は、電荷発生層や電荷輸送層に用いられるものと同じものを用いることができる。また、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
〔保護層〕
本発明の電子写真感光体においては電荷輸送層の上に保護層を設けてもよい。保護層は、結着樹脂を有機溶剤に溶解させて得られる保護層用塗布液を塗布し、これを乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。
保護層に用いられる樹脂としては、以下のものが挙げられる。ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリル酸コポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマーなど。
また、保護層に電荷輸送能を持たせるために、電荷輸送能を有するモノマー材料や高分子型の電荷輸送物質を種々の架橋反応を用いて硬化させることによって保護層を形成してもよい。好ましくは、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を重合または架橋させることによって硬化させた層を形成することである。連鎖重合性官能基としては、アクリル基、メタクリル基、アルコキシシリル基、エポキシ基などが挙げられる。硬化させる反応としては、例えば、ラジカル重合、イオン重合、熱重合、光重合、放射線重合(電子線重合)、プラズマCVD法、光CVD法などが挙げられる。
さらに、保護層には、各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの劣化防止剤、導電性粒子、潤滑剤、重合反応開始剤や重合反応停止剤などの重合制御剤が挙げられる。
またさらに、保護層には、電荷輸送物質を添加することができる。電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリルメタン化合物などが挙げられる。
保護層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。これらの中でも、保護層用塗布液の塗膜が形成される、保護層の下層(積層型の場合、電荷輸送層)を溶解しないという観点から、1−プロパノールや1−ブタノールなどのアルコール系溶剤が好ましい。
保護層の表面には、研磨シート、形状転写型部材、ガラスビーズ、ジルコニアビーズなど用いて表面加工を施してもよい。また、塗布液の構成材料を使って表面に凹凸を形成させてもよい。
保護層の膜厚は0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、1μm以上7μm以下であることが好ましい。
上記各層の塗布液を塗布する際は、浸漬塗布法(ディッピング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
本発明の電子写真感光体の各層の表面には、研磨シート、形状転写型部材、ガラスビーズ、ジルコニアビーズなど用いて表面加工を施してもよい。また、各層の塗布液中の構成材料を利用して表面に凹凸を形成させてもよい。
<プロセスカートリッジ>
図5は、電子写真感光体ユニットを有する電子写真用のプロセスカートリッジの概略断面図である。このプロセスカートリッジは、現像装置と帯電装置とを一体化し、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されたものである。現像装置は、少なくとも現像ローラ53とトナー容器56とを一体化したものであり、必要に応じてトナー供給ローラ54、トナー59、現像ブレード58、および攪拌羽510を備えていても良い。帯電装置は、電子写真感光体ユニットの感光ドラム51、クリーニングブレード55、および帯電ローラ52を少なくとも一体化したものであり、廃トナー容器57を備えていても良い。帯電ローラ52、現像ローラ53、トナー供給ローラ54、および現像ブレード58は、それぞれ電圧が印加されるようになっている。
<電子写真装置>
図6は、電子写真感光体ユニットを有する電子写真装置の概略構成図である。この電子写真装置は、四つの前記プロセスカートリッジが着脱可能に装着されたカラー電子写真装置である。各プロセスカートリッジには、ブラック、マゼンダ、イエロー、シアンの各色のトナーが使用されている。電子写真感光体ユニットの感光ドラム61は矢印方向に回転し、帯電バイアス電源から電圧が印加された帯電ローラ62によって一様に帯電され、露光光611により、その表面に静電潜像が形成される。
一方、トナー容器66に収納されているトナー69は、攪拌羽610によりトナー供給ローラ64へと供給され、トナー供給ローラ64から現像ローラ63上に搬送される。そして現像ローラ93と接触配置されている現像ブレード68により、現像ローラ63の表面上にトナー69が均一にコーティングされるとともに、摩擦帯電によりトナー69へと電荷が与えられる。
上記静電潜像は、感光ドラム61に対して接触配置される現像ローラ63によって搬送されるトナー69が付与されて現像され、トナー像として可視化される。
可視化された感光ドラム上のトナー像は、一次転写バイアス電源により電圧が印加された一次転写ローラ612によって、テンションローラ613と中間転写ベルト駆動ローラ614に支持、駆動される中間転写ベルト615に転写される。各色のトナー像が順次重畳されて、中間転写ベルト上にカラー像が形成される。
転写材619は、給紙ローラ(不図示)により装置内に給紙され、中間転写ベルト615と二次転写ローラ616の間に搬送される。二次転写ローラ616は、二次転写バイアス電源(不図示)から電圧が印加され、中間転写ベルト615上のカラー像を、転写材619に転写する。カラー像が転写された転写材619は、定着器618により定着処理され、装置外に排紙されプリント動作が終了する。
一方、転写されずに感光ドラム上に残存したトナーは、クリーニングブレード65により掻き取られて廃トナー収容容器67に収納され、クリーニングされた感光ドラム61は、上述の工程に繰り返し使用される。また転写されずに中間転写ベルト615上に残存したトナーもクリーニング装置617により掻き取られる。
以下、実施例および比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、文中「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
〔実施例1−1〜1−3〕
基体として長さ370mm、厚さ1mm、外径30mmのアルミニウム製の素管を用意した。用意したアルミニウム素管を、旋盤を用いて表面の切削加工を行った。
実施例1では切削条件として、R0.1(Rサイズ:0.1mm)の切削バイトを用い、主軸回転数=10,000rpm、バイトの送り速度を連続的に変化させて行った。送り速度を下記の範囲で連続的に変化させて3種類の基体を作製した。
実施例1−1:0.03〜0.06mm/rev
実施例1−2:0.03〜0.05mm/rev
実施例1−3:0.03〜0.04mm/rev
表面粗さ測定器(商品名:サーフコーダSE700、(株)小坂研究所製)を用いて、作製した基体の表面粗さ測定を行った。カットオフ値は0.8mm、測定長さは4mm、データ間隔は1.6[μm]という条件で測定を行った。測定して得られた粗さ曲線を図2に示す。測定して得られた粗さ曲線からJIS B 0601:2001で規定される二乗平均平方根傾斜RΔq(基準長さにおける局部傾斜dR/dXの二乗平均平方根)を求めた。
また粗さ曲線のデータに対して測定開始から2048個目までのデータに関して式(1)に従い高速フーリエ変換をし、式(2)より導出したパワースペクトルより、図3を得た。さらに図3に示すパワースペクトルから図4に示す相対累積度数分布を導出し、相対累積度数が10%から50%までの間にあるデータに対して式(3)より決定係数Rを導出した。
また相対累積度数が90%になるピッチも求めた。
次に、粗さ測定を行った3種類の基体を用いてOPC感光体の作成をおこなった。まず下記の材料を、メタノール400部およびn−ブタノール200部の混合溶剤に溶解させることによって、下引き層用塗布液を調製した。
・共重合ナイロン(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製) 10部
・メトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス(株)(旧:帝国化学産業(株))製) 30部
この下引き層用塗布液を上記基体の上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間、温度100℃で乾燥させることによって、膜厚0.45μmの下引き層を形成した。
次に、下記の材料を、シクロヘキサノン100部にポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)2部を溶解させた液に加えた。
・CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.1°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)
4部
・下記式(A)で示される化合物 0.04部
これらを直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、温度23±3℃の雰囲気下で1時間分散処理した。
分散処理後、酢酸エチル100部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を上記下引き層の上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を10分間、温度90℃で乾燥させることによって、膜厚が0.19μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記の材料を、o−キシレン260部、安息香酸メチル240部およびジメトキシメタン260部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
・下記式(B)で示される化合物(電荷輸送物質) 60部
・下記式(C)で示される化合物(電荷輸送物質) 30部
・下記式(D)で示される化合物 10部
・ポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ビスフェノールZ型のポリカーボネート) 100部
・下記式(E)で示される構造単位を有するポリカーボネート(粘度平均分子量Mv:20000) 0.2部
この電荷輸送層用塗布液を上記電荷発生層の上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を60分間、温度120℃で乾燥させることによって、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
[干渉縞の評価]
作製した感光体を複写機(商品名:ImgaePressC800、キヤノン(株)製)の改造機に搭載し画像の評価を行った。暗部電位600V、明部電位200V、現像バイアス350Vの設定でハーフトーン画像を3枚出力し、3枚目のハーフトーン画像について目視によって干渉縞の有無を確認し、下記の基準によって評価した。
○:ハーフトーン画像に干渉縞が全く見られない。
△:ハーフトーン画像に干渉縞がやや見られる。
×:ハーフトーン画像に干渉縞がはっきり見られる。
[スジ状の画像欠陥]
前記3枚目のハーフトーン画像について目視によってスジ状の画像欠陥の有無を確認し、下記の基準によって評価した。
○:ハーフトーン画像にスジ状の画像欠陥が全く見られない。
△:ハーフトーン画像にスジ状の画像欠陥がやや見られる。
×:ハーフトーン画像にスジ状の画像欠陥がはっきり見られる。
〔比較例1−1〜1−2〕
比較例1−1、比較例1−2では実施例1と同様のアルミニウム素管を用いて切削を行った。送り速度を表1に示す値に変更した以外は実施例1と同様の条件で切削、感光体作製、評価を行った。
実施例1−1、1−2、1−3、比較例1−1、1−2の結果を表1に示す。
表1に示すように、RΔq、R値が大きいほど干渉縞が良いことが確認できる。RΔq、R値が大きいほど基体の凹凸が大きく、ピッチのランダム性が高いため基体から反射したレーザー光が干渉しにくくなるため、干渉縞を抑制していると考えられる。
〔実施例2〕
実施例2ではR0.05(Rサイズ:0.05mm)の切削バイトを用い、送り速度を0.03〜0.04mm/revの範囲で連続的に変化させた以外は実施例1と同様の条件で切削、感光体作製、評価を行った。
〔比較例2〕
比較例2ではR0.20(Rサイズ:0.20mm)の切削バイトを用い、送り速度を0.03〜0.04rpmとした以外実施例1と同様の条件で切削、感光体作製、評価を行った。
実施例2、比較例2、実施例1−3の結果を表2に示す。
表2に示すように、実施例2、実施例1−3、および比較例2は、いずれもRΔqが0.8以上であり、Rが0.97以上である。しかし、相対累積度数が90%になるピッチが、実施例2および実施例1−3では200μm以下であるのに対し、比較例2では200μmを超えている。実施例2および実施例1−3ではスジが見られなかったが、比較例2ではスジが見られたことから、相対累積度数が90%になるピッチが200μm以下であることによってスジが見られなくなったと考えられる。
実施例1−1〜1−3、2および比較例1,2より、RΔqが0.8以上であり、Rが0.97以上であり、相対累積度数が90%になるピッチが200μm以下である場合において、干渉縞、およびスジの発生を抑制できると考えられる。
101‥‥基体
102‥‥下引き層
103‥‥電荷発生層
104‥‥電荷輸送層

Claims (3)

  1. 基体の上に、感光層を有する電子写真感光体であって、
    前記基体の表面粗さ曲線の高さを示すデータ群に対して高速フーリエ変換を行い導出したパワースペクトルから得られる相対累積度数分布曲線の、相対累積度数が10%〜50%であるデータ群の回帰直線の決定係数が0.970以上であり、
    前記相対累積度数が90%になるピッチが200μm以下であり、
    前記粗さ曲線から得られる、JIS B 0601:2001で規定される二乗平均平方根傾斜RΔqが0.08以上である
    ことを特徴とする電子写真感光体:
    相対累積度数分布曲線は、ピッチ[μm](空間周波数の逆数)の常用対数を横軸とし、縦軸にパワースペクトル密度の相対累積度数[%]をプロットすることによって得られる。
  2. 請求項1に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、およびクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置の本体に着脱可能であるプロセスカートリッジ。
  3. 請求項1に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段、および転写手段を備えることを特徴とする電子写真装置。
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