JP2019095131A - グロープラグ - Google Patents

グロープラグ Download PDF

Info

Publication number
JP2019095131A
JP2019095131A JP2017225335A JP2017225335A JP2019095131A JP 2019095131 A JP2019095131 A JP 2019095131A JP 2017225335 A JP2017225335 A JP 2017225335A JP 2017225335 A JP2017225335 A JP 2017225335A JP 2019095131 A JP2019095131 A JP 2019095131A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal tube
glow plug
heating coil
oxide
coil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017225335A
Other languages
English (en)
Inventor
洋介 八谷
Yosuke Yatsuya
洋介 八谷
吉本 修
Osamu Yoshimoto
修 吉本
彰大 千藤
Akihiro Chito
彰大 千藤
利之 桜井
Toshiyuki Sakurai
利之 桜井
昌幸 瀬川
Masayuki Segawa
昌幸 瀬川
智雄 田中
Tomoo Tanaka
智雄 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2017225335A priority Critical patent/JP2019095131A/ja
Publication of JP2019095131A publication Critical patent/JP2019095131A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】Wが主成分の発熱コイルを用いたグロープラグの耐久性を向上させる。【解決手段】Niを主成分とし、Fe、Cr、Si、及びAlを含有しており、先端が閉塞された金属チューブ810と、金属チューブ810内に収納され、Wを主成分とした発熱コイル820と、金属チューブ810内の発熱コイル820の周りに充填されたMgOの粉末と、を備えたグロープラグ10である。金属チューブ810内には、窒素、アルゴン、及びヘリウムからなる群より選ばれた1種以上のガスが充填されており、金属チューブ810の内壁には、金属チューブ810を構成する金属成分の酸化物が、0.1μm以上の厚みにて形成されている。【選択図】図2

Description

本発明はグロープラグに関する。
近年では、エミッションの更なる低減等を図るべく、燃焼室内の更なる高温化の要請がある。この要請に応えるべく、グロープラグをより高温で発熱させることが考えられている。
例えば、タングステン(W)が主成分の発熱コイルを用い、発熱コイルの周りにMgOの粉末が充填されたグロープラグが開発されている。このグロープラグは、従来の、Feを主成分として、クロム(Cr)やアルミニウム(Al)等を含有した合金(以下、Fe−Cr−Al合金と言う)やNi合金を用いた発熱コイルのグロープラグよりも高温化が図られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、Fe−Cr−Al合金製やNi合金製の発熱コイルを用いたグロープラグの長寿命化ために、金属チューブ内にアルゴンガスを封入する技術が開発されている(例えば、特許文献2参照)。この技術では、金属チューブ内にアルゴンガスを封入して、通電による発熱コイルの酸化等を抑制し、グロープラグを長寿命化している。
また、Ni合金製の発熱コイルを用いたグロープラグの耐久性向上のために、特許文献3の技術が開発されている。この技術では、グロープラグの栓体内の空間に窒素ガスを封入したり、この空間を真空にして、残存酸素による発熱コイルの高温酸化を抑制している。
国際公開第2011/162074号 特開2006−153306号公報 実開昭59―55264号公報
一方、タングステン(W)は耐酸化性が相対的に低く、タングステン(W)による発熱コイルを用いたグロープラグにおいて、特許文献2、3の技術と同様に、金属チューブ内に不活性ガスを充填し、封止することにより、発熱コイルの酸化を抑制して耐久性を向上させることが必要となる。
しかし、金属チューブ内を不活性ガスで置換すると、金属チューブ内の酸素分圧が低下するため、金属チューブの内壁が酸化しなくなる。その結果、金属チューブの内壁とMgOの粉末との接合性が低下してしまう。よって、通電発熱時に金属チューブの内壁と、MgOの粉末との間に熱膨張差により隙間が生じ、熱伝導が低下して内部温度が上昇し、コイル劣化や、ひいては断線に至るおそれがあった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、Wが主成分の発熱コイルを用いたグロープラグの耐久性を向上させることを目的とする。本発明は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)
Niを主成分とし、Fe、Cr、Si、及びAlを含有しており、先端が閉塞された金属チューブと、
前記金属チューブ内に収納され、Wを主成分とした発熱コイルと、
前記金属チューブ内の前記発熱コイルの周りに充填されたMgOの粉末と、を備え、
前記金属チューブの後端の開口は、封止部材にて封止されたグロープラグであって、
前記金属チューブ内には、窒素、アルゴン、及びヘリウムからなる群より選ばれた1種以上のガスが充填されており、
前記金属チューブの内壁の少なくとも一部には、前記金属チューブを構成する金属成分の酸化物が、0.1μm以上の厚みにて形成されていることを特徴とするグロープラグ。
この構成のグロープラグでは、金属チューブ内には、窒素、アルゴン、及びヘリウムからなる群より選ばれた1種以上のガスが充填されているから、Wを主成分とした発熱コイルの酸化が抑制される。
さらに、金属チューブの内壁の少なくとも一部には、金属チューブを構成する金属成分の酸化物が、0.1μm以上の厚みにて形成されている。よって、この酸化物が介在することによって、MgOの粉末と金属チューブの内壁の接合性が向上し、耐久性が向上する。
(2)
前記酸化物は、前記内壁のうち、前記発熱コイルと対向する部分に形成されていることを特徴とする(1)に記載のグロープラグ。
内壁のうち発熱コイルと対向する部分は、通電発熱時に高温になりやすく、この部分でMgOの粉末との間に、熱膨張差による隙間を生じやすい。よって、この熱膨張差による隙間を生じやすい部分に、酸化物を形成してMgOの粉末との接合性を向上させることで、耐久性が効果的に向上する。
(3)
前記酸化物の厚みは、100μm未満であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のグロープラグ。
金属チューブの内壁の酸化物の厚みが100μm未満であると、内壁から酸化物が剥離しにくくなり、耐久性を向上させる効果が高い。
グロープラグを示す図である。 シースヒータの詳細な構成を示す断面図である。 グロープラグの製造方法を示すフローチャートである。 ステップS20における溶接工程を示す説明図である。 他の実施形態のステップS20における溶接工程を示す説明図である。
1.グロープラグ
図1は、グロープラグ10を示す図である。グロープラグ10は、熱を発生させるシースヒータ(発熱装置)800を備え、ディーゼルエンジンを始めとする内燃機関(図示せず)の始動時における点火を補助する熱源として機能する。グロープラグ10は、シースヒータ800の他、中軸200と、主体金具500とを主に備える。これらグロープラグ10を構成する部材は、グロープラグ10の軸線方向ODに沿って組み付けられている。図1では、軸線Oから紙面右側に外観構成を図示し、軸線Oから紙面左側に断面構成を図示した。なお、本明細書では、グロープラグ10におけるシースヒータ800側を「先端側」と呼び、係合部材100側を「後端側」と呼ぶ。
主体金具500は、炭素鋼を筒状に成形した部材である。主体金具500は、先端側の端部においてシースヒータ800を保持する。また、主体金具500は、後端側の端部において絶縁部材410及びOリング460を介して中軸200を保持する。絶縁部材410の軸線Oに沿った位置は、絶縁部材410の後端に接するリング300が中軸200に加締められることで固定される。さらに、主体金具500の軸孔510内には、絶縁部材410からシースヒータ800に至る中軸200の部位が配置される。軸孔510は、軸線Oに沿って形成された貫通孔であり、中軸200よりも大きな径を有する。軸孔510に中軸200が位置決めされた状態で、軸孔510と中軸200との間には、両者を電気的に絶縁する空隙が形成される。また、軸孔510の先端側には、シースヒータ800が圧入されて接合されている。さらに、主体金具500は、工具係合部520と、雄ネジ部540とを備える。主体金具500の工具係合部520は、グロープラグ10の取り付け及び取り外しに用いられる工具(図示せず)に係合する。雄ネジ部540は、内燃機関(図示せず)に形成された雌ネジに嵌り合う。
中軸200は、導電材料で円柱状(棒状)に成形された部材である。中軸200は、主体金具500の軸孔510に挿入された状態で軸線Oに沿って組み付けられる。中軸200は、先端側に形成された先端部210と、後端側に設けられた雄ネジ部290とを備える。先端部210は、シースヒータ800の内部に挿入される。雄ネジ部290は、主体金具500から後端側に突出している。雄ネジ部290には、係合部材100が嵌り合う。
図2は、シースヒータ800の詳細な構成を示す断面図である。シースヒータ800は、シースヒータ800の内部に中軸200の先端部210が挿入された状態で、主体金具500の軸孔510内に圧入され接合されている。シースヒータ800は、金属チューブ810と、発熱コイル820と、後端コイル830と、絶縁粉末870とを備える。発熱コイル820のことを「先端コイル」とも呼ぶ。
金属チューブ810は、軸線方向ODに延び、先端が閉じられた筒状部材である。金属チューブ810は、発熱コイル820と、後端コイル830と、絶縁粉末870と、を内包する。金属チューブ810は、軸線方向ODに延びる側面部814と、側面部814の先端側に接続し、外側に向けて丸く形成された先端部813と、先端部813とは反対側に開口した端部である後端部819とを備える。この後端部819から金属チューブ810の内部に中軸200の先端部210が挿入されている。金属チューブ810は、パッキン600及び絶縁粉末870によって中軸200と電気的に絶縁される。一方、金属チューブ810は、主体金具500と接触して電気的に接続されている。
金属チューブ810の外径は特に限定されない。
金属チューブ810の材料は、Niを主成分とし、Fe(鉄)、Cr(クロム)、Si(ケイ素)、及びAl(アルミニウム)を含有している。金属チューブ810の材料は、50質量%以上のNi(ニッケル)を含む、いわゆるNiベースの合金である。この合金として、例えば、Feが5〜15質量%であり、Crが21〜25質量%であり、Siが0.7〜1質量%であり、Alが0.3〜0.5質量%であり、Yが0〜0.2質量%であり、残部がNi及び不可避不純物である合金を好適に使用できる。
絶縁粉末870は、電気絶縁性を有する。絶縁粉末870はMgO(マグネシア)の粉末である。なお、絶縁粉末870には、カルシア(CaO)の粉末が含有されていてもよい。
絶縁粉末870は、金属チューブ810が中軸200、発熱コイル820、及び後端コイル830を内包することによって、金属チューブ810内に形成された隙間に充填(配置)され、その隙間を電気的に絶縁する。
発熱コイル820は、金属チューブ810の内側に軸線方向ODに沿って配置され、通電によって発熱する。発熱コイル820は、先端側のコイル端部である先端部822と、後端側のコイル端部である後端部829とを備える。先端部822は、金属チューブ810の先端部813内に位置しており、金属チューブ810と電気的に接続される。後端部829は、発熱コイル820と後端コイル830とが溶接されることによって形成された接続部840を介して、後端コイル830と電気的に接続される。発熱コイル820の主成分は、タングステン(W)である。発熱コイル820におけるタングステン(W)の含有率は、99質量%以上であることがより好ましい。
発熱コイル820の線径は特に限定されないが、好ましくは0.1mm〜0.25mmであり、より好ましくは0.15mm〜0.25mmであり、特に好ましくは0.18mm〜0.25mmである。発熱コイル820を0.1mm〜0.25mmとすることで、比抵抗が小さくなり、十分な発熱量を確保できる。
後端コイル830は、先端側のコイル端部である先端部831と、後端側のコイル端部である後端部839とを備える。先端部831は、発熱コイル820の後端部829に溶接されることにより発熱コイル820と電気的に接続される。後端部839は、中軸200の先端部210に接合されることにより中軸200と電気的に接続される。後端コイル830は、例えば、ニッケル(Ni)−クロム(Cr)合金や、鉄(Fe)−クロム(Cr)−アルミニウム(Al)合金により形成されている。
なお、急速昇温性を確保する観点から、グロープラグ10の20℃における抵抗値R20は、0.6(Ω)以下であることが好ましい。グロープラグ10の20℃における抵抗値R20とは、本実施形態では、発熱コイル820の20℃における抵抗値と、後端コイル830の20℃における抵抗値との合計値である。本実施形態では、グロープラグ10の20℃における抵抗値R20は、0.4(Ω)である。また、本実施形態では、発熱コイル820の20℃での抵抗値R120に対する1000℃での抵抗値R11000の比である抵抗比R1と、後端コイル830の20℃での抵抗値R220に対する1000℃での抵抗値R21000の比である抵抗比R2とは、R1>R2の関係にある。
本実施形態では、金属チューブ810は、封止部材としてのパッキン600により、封止されている。金属チューブ810内には、窒素、アルゴン、及びヘリウムからなる群より選ばれた1種以上のガスが充填されている。この構成を採用することで、発熱コイル820の酸化等が抑制され、グロープラグ10が長寿命となる。
また、本実施形態では、金属チューブ810の内壁の少なくとも一部には、金属チューブ810を構成する金属成分の酸化物が、0.1μm以上の厚みにて形成されている。金属成分の酸化物としては、Cr酸化物、Al酸化物が好適に挙げられる。金属成分の酸化物は、複合酸化物であってもよい。
酸化物の厚みは、0.1μm以上100μm未満が好ましい。この範囲では、酸化物が介在することによって、MgOの粉末と金属チューブ810の内壁の密着性が向上し、耐久性が上がる。
酸化物は、金属チューブ810の内壁のうち、発熱コイル820に対向する部分に形成されていることが好ましい。この対向する部分は、通電発熱時に高温になりやすく、MgOの粉末との間で熱膨張差による隙間が生じやすい。よって、この熱膨張差による隙間を生じやすい部分に、酸化物を形成してMgOの粉末との接合性を向上させることで、耐久性が効果的に向上する。
なお、発熱コイル820の先端部822は、金属チューブ810の先端部813内に埋まった状態にある。よって、金属チューブ810の内壁に対向するのは、具体的には、発熱コイル820のうち先端部822を除いた部分である。
酸化物は、金属チューブ810の内壁のうち、発熱コイル820に対向する部分の全面に形成されていることが特に好ましい。この構成を採用することで、金属チューブ810の内壁とMgOの粉末の接合面積が増加して、グロープラグ10の耐久性が向上する。
なお、金属チューブ810の内壁全体に酸化物が形成されていてもよい。
2.グロープラグ10の製造方法
図3は、グロープラグ10の製造方法を示すフローチャートである。
グロープラグ10の製造では、まず、金属チューブ810の予備酸化が行われる(ステップS5)。予備酸化の方法は、特に限定されない。例えば、金属チューブ810を、大気雰囲気の下、すなわち、酸素が存在する雰囲気の下、電気炉にて加熱することで、金属チューブ810の内壁に、金属チューブ810を構成する金属成分の酸化物が形成される。この際、雰囲気中の酸素分圧をコントロールすることで、酸化物の組成を調整することができる。なお、金属チューブ810の内面のみをバーナー等で加熱してもよい。また、金属チューブ810を予備酸化する代わりに、金属チューブ810の内面に金属酸化物を溶射等によりコーティングしてもよい。
次に、発熱コイル820と中軸200と、が溶接される(ステップS10)。具体的には発熱コイル820と後端コイル830とが溶接され、さらに、後端コイル830の後端部839と、中軸200の先端部210と、が溶接される。次に、発熱コイル820の先端部822と、金属チューブ810の先端部813と、が溶接される(ステップS20)。ステップS20を「溶接工程」とも呼ぶ。
図4は、ステップS20における溶接工程を示す説明図である。この工程では、まず、開口815を有する先端部813Pを備え、この開口815に向かって次第に縮径する形状に成形された金属チューブ810Pを用意する。用意された金属チューブ810Pの先端部813Pの内側に、発熱コイル820の先端部822の例えば2巻き目822Pを当接するようにして配置する(図4(a))。次に、先端部813Pの外側から、例えばアーク溶接によって先端部813Pを溶融して凝固させることにより開口815を閉塞させつつ、発熱コイル820の先端部822と金属チューブ810の先端部813とを溶接する(図4(b))。こうすることにより、発熱コイル820の先端部822が金属チューブ810の先端部813に取り囲まれて埋め込まれる。また、溶接工程において、発熱コイル820の融点より低く、金属チューブ810の融点より高い温度で発熱コイル820と金属チューブ810とが溶接されるように、溶接機器の出力や、溶接時間などを調整する。
なお、金属チューブ810の先端部813と発熱コイル820の先端部822との間に、金属チューブ810を構成する金属と発熱コイル820を構成する金属との合金が形成された場合、その合金からなる合金部の厚さは10(μm)以下である。合金部は、発熱コイル820の先端部822と金属チューブ810の先端部813との境界付近を例えばEPMA(Electron Probe Micro Analyser)などによって分析することにより検出して、厚さを算出することができる。なお、本実施形態のグロープラグ10には、合金部は形成されていない。
ステップS20における溶接工程が完了すると、次に、金属チューブ810の内に絶縁粉末870が充填される(ステップS30)。絶縁粉末870が、発熱コイル820と、後端コイル830と、中軸200とを内包することによって金属チューブ810内に形成された空隙に充填されて、シースヒータ800の組み立てが完了する。
シースヒータ800が組み立てられると、シースヒータ800に対し、スウェージング加工が施される(ステップS40)。スウェージング加工とは、シースヒータ800に対して打撃力を加えてシースヒータ800を縮径させ、金属チューブ810内に充填した絶縁粉末870を緻密化させる加工である。スウェージングに伴ってシースヒータ800に打撃力が加えられると、打撃力がシースヒータ800内部に伝えられることにより、絶縁粉末870が緻密化される。
シースヒータ800にスウェージング加工が施されると、シースヒータ800と主体金具500とが組み付けられて、グロープラグ10が組み立てられ(ステップS50)、グロープラグ10が完成する。具体的には、中軸200が一体化されたシースヒータ800を主体金具500の軸孔510に圧入して固定すると共に、主体金具500の後端部分において、Oリング460や絶縁部材410を中軸200に嵌め込み、係合部材100を主体金具500の後端に設けられた中軸200の雄ネジ部290に締め付ける。また、ステップS50では、グロープラグ10に対してエージング処理が施される。具体的には、組み立てられたグロープラグ10に通電することによって、シースヒータ800を発熱させて、シースヒータ800の外表面に酸化膜を形成させる。
実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
実験例2、3、4、5、6、8、9、10は実施例であり、実験例1、7は比較例である。
1.グロープラグの作製
金属チューブは、先端から4mm以内の外径がφ3.7mmのものを用意した。金属チューブの材質は、Crが23質量%であり、Feが10質量%であり、Alが0.5質量%であり、Siが1質量%であり、Yが0.1質量%であり、残部がNi及び不可避不純物である。実験例1、7では、金属チューブを予備酸化せずにそのまま用いた。実験例2、3、4、5、8、9は、大気雰囲気の下、金属チューブを予備酸化させた。この際に熱処理時間を適宜コントールすることで、酸化膜の厚みを調整した。実験例6、10は、大気よりも酸素分圧の低い雰囲気の下、金属チューブを予備酸化させた。この際に熱処理時間を適宜コントールすることで、酸化膜の厚みを調整した。
発熱コイルの材質は、W(タングステン)とした。絶縁粉末には、マグネシア(MgO)の粉末を用いた。これらの部材を用いてグロープラグを作製した。評価用のグロープラグは、各実験例ごとに、それぞれ5本用意した。
なお、酸化膜の厚みは、同じ条件で作製した金属チューブをそれぞれ5本用意して測定した。グロープラグを半断面にした後、グロープラグの先端から10mmまでの酸化膜の厚みの平均値を計測した。なお、本実施例において、「グロープラグの先端から10mmまで」を計測した理由としては、この領域に発熱コイルが配置されているからである。この平均値を5本のグロープラグのそれぞれで求めた。さらに5つの平均値を平均して求めた値が、以下の表1での厚みである。
金属チューブ内壁の酸化物は、次のようにして確認した。すなわち、グロープラグを半断面にして、EPMA分析のマッピングを用いて酸化物を確認した。なお、下記の表1において記載された酸化物は、EPMA分析でその存在が最も確認され、且つ酸化物の最も内側(発熱コイル側)に多数確認されたものを示しているが、ここに記載されていない酸化物も存在している。
2.通電耐久試験
グロープラグに対して、加熱(駆動)、冷却(停止)を繰り返すサイクル試験を実施した。
サイクル試験の条件の詳細は次の通りである。
金属チューブの先端から2mmの位置に熱電対を取り付け、2秒で1000℃となるようにグロープラグに通電した。
その後、1100℃で180秒維持するように、グロープラグに通電した。
さらにその後、グロープラグの通電を停止し、風をグロープラグにあてて120秒間、冷却した。
このサイクルを連続して繰り返し行い、発熱コイルが断線するサイクル数を確認した。
判定は以下のようにした。
◎(非常に良好):15000サイクル以上で断線
○(良好):10000サイクル以上15000サイクル未満で断線
×(不可):10000サイクル未満で断線
3.試験結果
表1に、試験結果を示す。
Figure 2019095131
表1の結果から、実験例2、3、4、5、6、8、9、10は、○(良好)以上の評価となることが確認された。すなわち、金属チューブ内に不活性ガスが充填され、さらに金属チューブの内壁に、Cr酸化物又はAl酸化物が0.1μm以上の厚みにて形成されている場合には、耐久性が高いことが確認された。
特に、実験例2、3、6、8、10では、Cr酸化物又はAl酸化物が0.1μm以上100μm未満の厚みにて形成されており、耐久性が極めて高いことが確認された。
<他の実施形態(変形例)>
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
(1)上記実施形態では、グロープラグ10は、図4(a)に示すように、開口815を有する金属チューブ810Pを用いて製造されていたが、図5(a)に示すように製造に用いる金属チューブ810Rに開口を設けなくてもよい。図5では、上記実施形態のグロープラグと略同じ構成部位には同符号を付けて、構造、作用及び効果の説明は省略する。
(2)上記実施形態では、金属チューブ810は、封止部材としてのパッキン600により封止されていたが、封止部材の材質は、特に限定されない。例えば、封止部材として、ゴム、ガラスを用いることができる。
10…グロープラグ
100…係合部材
200…中軸
210…先端部
290…雄ネジ部
300…リング
410…絶縁部材
460…Oリング
500…主体金具
510…軸孔
520…工具係合部
540…雄ネジ部
600…パッキン(封止部材)
800…シースヒータ
810…金属チューブ
813…先端部
814…側面部
815…開口
819…後端部
820…発熱コイル
822…先端部
829…後端部
830…後端コイル
831…先端部
839…後端部
840…接続部
870…絶縁粉末

Claims (3)

  1. Niを主成分とし、Fe、Cr、Si、及びAlを含有しており、先端が閉塞された金属チューブと、
    前記金属チューブ内に収納され、Wを主成分とした発熱コイルと、
    前記金属チューブ内の前記発熱コイルの周りに充填されたMgOの粉末と、を備え、
    前記金属チューブの後端の開口は、封止部材にて封止されたグロープラグであって、
    前記金属チューブ内には、窒素、アルゴン、及びヘリウムからなる群より選ばれた1種以上のガスが充填されており、
    前記金属チューブの内壁の少なくとも一部には、前記金属チューブを構成する金属成分の酸化物が、0.1μm以上の厚みにて形成されていることを特徴とするグロープラグ。
  2. 前記酸化物は、前記内壁のうち、前記発熱コイルと対向する部分に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のグロープラグ。
  3. 前記酸化物の厚みは、100μm未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載のグロープラグ。
JP2017225335A 2017-11-24 2017-11-24 グロープラグ Pending JP2019095131A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017225335A JP2019095131A (ja) 2017-11-24 2017-11-24 グロープラグ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017225335A JP2019095131A (ja) 2017-11-24 2017-11-24 グロープラグ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019095131A true JP2019095131A (ja) 2019-06-20

Family

ID=66971328

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017225335A Pending JP2019095131A (ja) 2017-11-24 2017-11-24 グロープラグ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019095131A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7221577B1 (ja) * 2022-07-22 2023-02-14 カンケンテクノ株式会社 電気ヒータと該ヒータを用いた半導体排ガス処理装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0668965A (ja) * 1992-02-21 1994-03-11 Sakaguchi Dennetsu Kk シーズヒータ
JP2011506910A (ja) * 2007-12-17 2011-03-03 フェデラル−モーグル・イグニション・カンパニー 層状のグロープラグ
WO2011162074A1 (ja) * 2010-06-22 2011-12-29 日本特殊陶業株式会社 グロープラグ及びその製造方法、並びに、加熱装置
JP2012502255A (ja) * 2008-09-08 2012-01-26 フェデラル−モーグル・イグニション・カンパニー 金属シース型グロープラグ

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0668965A (ja) * 1992-02-21 1994-03-11 Sakaguchi Dennetsu Kk シーズヒータ
JP2011506910A (ja) * 2007-12-17 2011-03-03 フェデラル−モーグル・イグニション・カンパニー 層状のグロープラグ
JP2012502255A (ja) * 2008-09-08 2012-01-26 フェデラル−モーグル・イグニション・カンパニー 金属シース型グロープラグ
WO2011162074A1 (ja) * 2010-06-22 2011-12-29 日本特殊陶業株式会社 グロープラグ及びその製造方法、並びに、加熱装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7221577B1 (ja) * 2022-07-22 2023-02-14 カンケンテクノ株式会社 電気ヒータと該ヒータを用いた半導体排ガス処理装置
WO2024018633A1 (ja) * 2022-07-22 2024-01-25 カンケンテクノ株式会社 電気ヒータと該ヒータを用いた半導体排ガス処理装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5255706B2 (ja) グロープラグ及びその製造方法、並びに、加熱装置
JP6661229B2 (ja) グロープラグ
JP2019095131A (ja) グロープラグ
EP2899286A2 (en) Sheated heater, glow plug
JP6795886B2 (ja) グロープラグ及びその製造方法
JP2011038720A (ja) グロープラグ
JP4203346B2 (ja) 温度センサの製造方法
EP1448023B1 (en) Method for manufacturing sheathed heater and method for manufacturing glow plug
JP2009257666A (ja) グロープラグ及びグロープラグの製造方法
JP6080578B2 (ja) グロープラグ
JP2011102690A (ja) グロープラグ
JP2011012898A (ja) シースヒータ及びグロープラグ
JP6587501B2 (ja) グロープラグ
JP4510588B2 (ja) グロープラグ
JP6781599B2 (ja) グロープラグ
JP3551015B2 (ja) グロープラグ
JP6960848B2 (ja) グロープラグ
JP2019020050A (ja) グロープラグ
JP6746453B2 (ja) グロープラグ
JP6946048B2 (ja) グロープラグ
JP2006153306A (ja) グロープラグ
JP2014169800A (ja) グロープラグおよびその製造方法
JP6720039B2 (ja) グロープラグ
JP6489754B2 (ja) グロープラグ
JP2018124030A (ja) グロープラグ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200930

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210713

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220208