JP2019088391A - 採血装置および採血方法 - Google Patents
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Abstract
Description
始めに、図1を用いて、本開示の実施形態による採血装置1の基本構成について説明する。図1は、本実施形態による採血装置1の基本構成を示す図である。採血装置1は、穿刺針(穿孔針)を有する穿刺器112、採血管114、および絆創膏116を含むカートリッジ11と、カートリッジ11の移動を制御する駆動機構12と、指156の周囲を締め付けるカフ151を備えた指締め付け機構15と、指先1561の血量を計測するための血量測定機構19と、血量測定機構19の出力値に応じて指締め付け機構15の動作を制御するための制御機構(制御装置:例えば、コンピュータ(プロセッサ)で構成される)16と、を備えている。
次に、図1および図2を用いて、採血装置1による指156の圧迫、穿刺、採血までの手順について説明する。図2は、受光器190が計測した近赤外光の光量に応じたカフ151および穿刺器112の動作内容を示す概念図であり、また、各動作における採血量の変移も示す図である。
指156をカフ151で圧迫すると指先1561が鬱血し、指先1561内の血量は増大する。そのため、光源191から発せられる近赤外光1911が指先1561で吸収される割合は増大し、受光器190が検出する反射光(戻り光)1901の光量は低下する(図2の期間P1参照)。その後、鬱血が安定するに伴い、受光量も一定値に近づく。受光量が穿刺前に設定した穿刺の基準値Aを下回った場合、制御機構16は、指先1561が十分に鬱血していると判断し、垂直方向駆動機構121を動作させ、穿刺器112で指先1561を穿刺する(図2のポイントP2参照)。穿刺後、制御機構16は、垂直方向駆動機構121により穿刺器112を下方に移動させた後、水平方向駆動機構120によりカートリッジを水平方向に移動させ、採血管114を指先1561の直下まで移動させる。穿刺箇所から流出する血液が採血管114によって採取される。
穿刺すると、穿刺箇所から出血するため、指先1561内の血量は減少する。そのため、光源191から発せられる近赤外光1911が指先1561で吸収される割合は減少し、受光器190が検出する反射光(指先からの戻り光)1901の光量は増加する(図2の期間P3参照)。その後、出血の減少に伴い、光量も一定値に近づく(図2の期間P4参照)。光量が穿刺前に設定したカフ開放の基準値Bを上回るか、穿刺時点から一定時間が経過した場合、制御機構16は、指先1561の血量が少ないと判断し、カフ151の内圧を下げて指156の締め付けを開放する(図2の期間P4参照)。
締め付けの開放とともに指156の動脈も開き、指先1561に血液が流れ込むため、受光器190が検出する反射光(戻り光)1901の光量は低下する(図2の期間P5)。その後、光量も所定値に近づく(図2のポイントP6参照)。光量が穿刺前に設定したカフ圧迫の基準値Cを下回るか、開放時点から一定時間経過した場合、制御機構16は、カフ151の内圧を上げて指156を圧迫する。指156の圧迫により、穿刺箇所から再び血液は流出し、流出した血液を採血管114で採取する(図2の期間P7)。以降(2)と(3)を繰り返すことで採血量を増大することができる。
図3は、本実施形態による採血装置1の外観構成と内部構成例を示す図である。図3では、採血装置1の内部構成を示すため、採血装置1のケース100と指置き蓋101は断面表示としている。
次に、図4を用いて、本実施形態による採血装置1で用いられるカートリッジ11の構成について説明する。図4(a)、図4(b)および図4(c)はそれぞれ、カートリッジ11の組図、外観図および断面図である。
図5は、本実施形態の採血装置1を用いた場合の、指からの採血動作を説明するためのフローチャートである。フローチャートには各工程に対応する図番が記載されている。図5に示されるように、採血装置1による採血動作は、(1)動作チェックプロセス、(2)指セットプロセス、(3)穿刺プロセス、(4)採血プロセス、および(5)止血プロセスの順に実施される。なお、採血装置1の操作は、被検者自らあるいは被検者以外の者によって行われる。なお、採血動作の主体は、制御機構(制御装置)16である。制御機構16は、例えば、図示しないメモリに格納された図5のフローチャートに相当するプログラムを当該メモリにアクセスして読み込み、図示しない内部メモリに読み込んだプログラムを展開して、各ステップの動作を実行する。
(i)ステップ501からステップ505
被検者などによる採決装置の電源ONを検知する(S501)と、制御機構16は、水平方向駆動機構120及び垂直方向駆動機構121を動作させ(S502)、それぞれの駆動機構の動作確認を実施する(S503)。動作確認に異常がある場合は動作を中止し(S504)、異常が無ければ被採血者のIDの入力を受け付ける(S505)。
制御機構16は、入出力器から入力された被採血者のIDに基づいて、当該被採血者に採血条件が定められているか(例えば、図示しないメモリに当該被採血者の採血条件が格納されているか)確認する(S506)。被採血者ごとに採血条件が異なる場合があり、そのような場合には対象とする当該被採血者に対して個別に採血条件が設定されていることがあるためである。ただし、例えば、初回の採血のときにはデフォルト値を設定された条件として採血を開始しても良い。そして、採血回数を重ねることにより、徐々に当該被採血者の身体的特徴等に合わせて採血条件を最適化していくようにしてもよい。
ステップ507において、制御機構16は、図示しないメモリから採血条件を読み込む。採血条件は、例えば、穿刺からの経過時間T1と、バルブ153の開放時間(指156を開放する時間に相当)T2と、バルブ153を閉じてからの時間(指156を圧迫する時間に相当)T3と、圧迫および開放の繰り返し回数Nと、を含む。そして、制御機構16は、メモリから読み込んだ採血条件の変更がないか、オペレータ(被採血者とは異なる者、あるいは被採血者自身)による指示に基づいて判断する。採血条件の変更がない場合(ステップ509でNo)、処理はステップ510に移行する。採血条件の変更がある場合(ステップ509でYesの場合)、処理はステップ508に移行する。
制御機構16は、指締め付け機構15の蓋(図示せず)が開かれたことを検知する(S510:例えば、指置き蓋101の開閉を検知するセンサが設けられており、当該センサから制御機構16が通知を受けるようにしてもよい)。また、制御機構16は、カートリッジ11がカートリッジホルダ122にセットされたことを検知する(S511:例えば、カートリッジホルダ122にセンサを設けて当該センサから制御機構16に通知してもよいし、オペレータがカートリッジホルダ122へのカートリッジ11のセット完了を示す信号を入力してもよい)。さらに、制御機構16は、指締め付け機構15に指が置かれ、指締め付け機構15の蓋(図示せず)が閉じられたことを検知する(S512:例えば、指置き蓋101の開閉を検知するセンサから制御機構16が通知を受けるようにしてもよい)。
制御機構16は、セットされたカートリッジ11に異常があるか否かチェックする。例えば、制御機構16は、水平方向駆動機構120および垂直方向駆動機構121が動作し、カートリッジ11の穿刺器ホルダ111、採血管ホルダ113、および絆創膏ホルダ115が水平方向に異常なく(スムーズに)動作するか否かチェックする。制御機構16がカートリッジ11の動作に異常が無いと判断した場合(ステップ514でNoの場合)、処理は指セットプロセスに移行する。制御機構16がカートリッジ11の動作に異常があると判断した場合(ステップ514でYesの場合)、処理はステップ515に移行し、制御機構16は採血動作を中止する。
(i)ステップ516からステップ520
制御機構16は、オペレータによって採血開始ボタンが押下されたことを検知する(S516)と、血量測定機構19の動作を開始する(S517)。
制御機構16は、指先1561の血量を再度計測し(S521)、近赤外光の反射(戻り)光量から、穿刺の基準値A、カフ開放の基準値B、およびカフ圧迫の基準値Cを設定する(S522:各基準値の意味については図2参照)。各基準値を設定した後、穿刺プロセスに移る。
(i)ステップ523からステップ525
制御機構16は、ポンプ154の動作を開始させる指示(S523)とバルブ153を閉状態にする指示(S524)を出すことにより、カフ151の内圧を一定圧力まで上げ、指156を圧迫する。圧迫により指先1561は鬱血し、血量測定機構19で計測した指先1561の反射(戻り)光量は減少する。なお、図8および図9に、穿刺プロセスのときの指先1561、穿刺器112、カートリッジ11、垂直方向駆動機構121の位置関係が示されている。
制御機構16は、指先1561の戻り光量が基準値Aを下回ったか否か(指先1561の血量が第1所定値よりも大きいか否か)判断する。戻り光量が基準値Aを下回ったら穿刺するタイミングとして適切であると判断するためである。
制御機構16は、戻り光量が基準値Aを下回っているときを穿刺のタイミングと判断し、垂直方向駆動機構121に駆動の指示を出す。制御機構16からの指示に応答して、垂直方向駆動機構121は、穿刺器112を指先1561に押し付けることで、指先1561を穿刺する。その後、垂直方向駆動機構121は穿刺器112を下げ、穿刺プロセスは終了する。穿刺プロセスが終了した後、採血プロセスに移る。
採血プロセスのとき、指先1561、採血管114、カートリッジ11、および垂直方向駆動機構121の位置関係は、図10に示されるような関係になる。
制御機構16は、水平方向駆動機構120および垂直方向駆動機構121に対して、駆動の指示を送ると、その指示に応答して、水平方向駆動機構120は、指先1561の直下の位置に採血管114が配置するようにカートリッジ11を移動させ(S528)、続いて垂直方向駆動機構121は、採血管114を垂直方向に動かし、指先1561に採血管114を近づける(S529)。
制御機構16は、指先1561の戻り光量が基準値Bよりも大きいか否か(指先1561の血量が第2所定値よりも小さいか否か)判断する(S530)。指先1561の戻り光量が基準値Bよりも大きいと判断された場合(S530でYesの場合)、処理はステップ531に移行する。指先1561の戻り光量が基準値B以下の場合(S530でNoの場合)処理はステップ532に移行する。
穿刺プロセスから引き続き、指156はカフ151によって圧迫された状態だが、前述したように、制御機構16は、指先1561の戻り光量が基準値Bを上回ったときをカフ151の開放のタイミングと判断し、バルブ153(図1)を開状態にする指示を出す。当該指示により、バルブ153は開状態となり、カフ151の内圧は大気圧まで下がり、指156は開放される。開放とともに指156の動脈が開き、指先1561に血液が流れ込み、指先1561の血量が再び増加する。
制御機構16は、指先1561に穿刺してからの時間を計測し、基準時間T1を経過したか否か判断する。ステップ530で血量が十分でない(戻り光が十分でない)と判断された場合には、時間をさらに掛けて指先1561からの血量を確保する趣旨である。
制御機構16は、指先1561の戻り光量が基準値Cを下回ったか否か(指先1561の血量が第3所定値よりも大きいか否か)判断する(S533)。制御機構16は、指先1561の戻り光量が基準値Cを下回ったときをカフ151の圧迫のタイミングと判断し、バルブ153を閉状態にする指示を出す。
制御機構16は、ステップ531でバルブ153を開放してからの時間を計測し、基準時間T2を経過したか否か判断する。
制御機構16からの指示によりバルブ153は閉状態となり、カフ151の内圧は一定圧力まで上昇し、指156は圧迫される。圧迫により指先1561は再び鬱血し、穿刺箇所から血液1560が流出する。
ステップ537からステップ540、およびステップ531からステップ534の動作を実行することにより、カフ151による指156の開放と圧迫が繰り返され、繰返し回数が設定したN回となった後、止血プロセスに処理が移行することになる。
止血プロセスのとき、指先1561、絆創膏116、カートリッジ11、および垂直方向駆動機構121の位置関係は、図11に示されるような関係になる。
制御機構16が水平方向駆動機構120および垂直方向駆動機構121に対して駆動の指示を送る。垂直方向駆動機構121は、当該指示に応答して、採血のために使用していた採血管114を下降させ、指先1561から採血管114を離す(S541)。そして、水平方向駆動機構120は、当該指示に応答して、指先1561の直下の位置に絆創膏116が配置するようにカートリッジ11を移動させる(S542)。
制御機構16は、止血動作(S541からS543)後、入出力器に対して、採血終了の表示を出力するように指示し、採血管の取り出し動作に移行する。
制御機構16は、入出力器に採血終了の表示を出すように指示した後、被採血者によって指押さえ機構13が開かれ、指156が指締め付け機構15の穴から抜かれたこと(図7参照)を検知する。
制御機構16は、採血窓140から指先1561が外れたか否か判断する。採血窓140から指先1561が外れていない場合(S546でNoの場合)、制御機構16は、入出力器にアラートを表示し、指の取り外しを操作者に指示する(促す)。採血窓140から指先1561が外れている場合(S546でYesの場合)、処理はステップ548に移行する。
制御機構16は、指の取り外しが完了した場合、入出力器に完了の表示を行う。それを受けて、オペレータは、採血装置1の指置き蓋101を開け、採血管114を取り出すことができるようになる。
本実施形態では、指先の血流計測機構、指の圧迫開放機構、穿刺器、採血容器を使用する採血装置を提供することで、どのような被検者でも常に安定した採血を実現することができるようになる。例えば、本実施形態の採血装置は、生体の穿刺対象部位(例えば、被採血者の指先)の状態(例えば、血量や部位の色(部位の色は、例えば、カメラやCOMSなどの撮像部を設けることにより検知可能))を検知し、その検知結果に基づいて、穿刺対象部位に対する採血動作(例えば、指先に針を穿刺する穿刺動作、指が挿入されたカフの収縮および伸長により指先を圧迫したり開放したりする動作)を制御する。このように被採血者の特定部位の状態に応じて採血動作を制御することにより、被採血者の身体的特徴に合わせて適切に採血を実施することができる。採血を実施したのに採血量が少なすぎてやり直しをしなければならなかったり、必要量以上に採血してしまったりする事態を避けられるため、被採血者の負担も軽減することができるようになる。
11 カートリッジ
12 駆動機構
13 指押さえ機構
15 指締め付け機構
16 制御機構
19 血量測定機構
100 ケース
101 指置き蓋
110 カートリッジケース
111 穿刺器ホルダ
112 穿刺器
113 採血管ホルダ
114 採血管
115 絆創膏ホルダ
116 絆創膏
120 水平方向駆動機構
121 垂直方向駆動機構
122 カートリッジホルダ
140 採血窓
151 カフ
153 バルブ
154 ポンプ
155 圧力センサ
156 指
190 受光器
191 光源
1110 穿刺器ホルダ用保持穴
1120 穿刺器の先
1130 採血管ホルダ用保持穴
1140 吸収パッド
1150 絆創膏ホルダ用保持穴
1560 血液
1561 指先
1901 反射光(戻り光)
1911 近赤外光
Claims (13)
- 生体の穿刺対象部位の状態を検知する検知部と、
前記検知部の検知結果に基づいて、前記穿刺対象部位に対する採血動作を制御する制御部と、
を備える、採血装置。 - 請求項1において、
前記検知部は、前記穿刺対象部位に対して光を照射することにより得られる前記穿刺対象部位からの戻り光を検知する、採血装置。 - 請求項2において、
前記制御部は、前記戻り光の量に基づいて、前記穿刺対象部位の圧迫および開放のタイミング、または前記穿刺対象部位に対する穿刺のタイミングを制御する、採血装置。 - 請求項1において、
前記検知部は、前記穿刺対象部位の血量を検知する、採血装置。 - 請求項4において、
前記穿刺対象部位を圧迫部によって圧迫した後、前記検知部が前記穿刺対象部位の血量が第1基準値よりも増加したことを検知した場合に、前記制御部は、前記穿刺対象部位を穿刺するように穿刺部を制御する、採血装置。 - 請求項5において、
前記穿刺対象部位を、前記圧迫部によって圧迫し、前記穿刺部によって穿刺した後、前記検知部が前記穿刺対象部位の血量が第2基準値にまで減少したことを検知した場合に、前記制御部は、前記穿刺対象部位に対する圧迫を開放するように前記圧迫部を制御する、採血装置。 - 請求項6において、
前記穿刺対象部位を、前記圧迫部によって圧迫し、前記穿刺部によって穿刺し、前記圧迫部によって開放した後、前記検知部が前記穿刺対象部位の血量が第3基準値よりも増加したことを検知した場合に、前記制御部は、前記穿刺対象部位を再度圧迫するように前記圧迫部を制御する、採血装置。 - 請求項7において、
前記穿刺部は、前記穿刺対象部位を穿刺する穿孔針を含み、
前記圧迫部は、前記穿刺対象部位の一部を圧迫するための圧迫機構で構成され、
前記採血装置は、さらに、
前記穿刺対象部位の穿刺痕より流出する体液を捕集する容器と、
前記穿刺痕を封止するシールと、
前記穿刺対象部位と、前記穿孔針、前記容器および前記シールとの水平方向の相対位置を変化させ、かつ、前記穿刺対象部位と、前記穿孔針、前記容器および前記シールとの垂直方向の相対位置を変化させる駆動機構と、を備え、
前記制御部は、前記検知部の検知結果に基づいて、前記駆動機構と前記圧迫機構の動作を制御する、採血装置。 - 請求項8において、さらに、
前記穿刺対象部位の一部を露出させる孔を有する台を備え、
前記制御部は、前記検知部の検知結果に基づいて、前記孔からの前記穿刺対象部位の一部の露出状態を判断する、採血装置。 - 検知部が生体の穿刺対象部位の状態を検知することと、
制御部が、前記検知部の検知結果に基づいて、前記穿刺対象部位に対する採血動作を制御することと、
を含む、採血方法。 - 請求項10において、
前記検知部は、前記穿刺対象部位に対して光を照射することにより得られる前記穿刺対象部位からの戻り光を検知する、採血方法。 - 請求項11において、
前記制御部は、前記戻り光の量に基づいて、前記穿刺対象部位の圧迫および開放のタイミング、または前記穿刺対象部位に対する穿刺のタイミングを制御する、採血方法。 - 請求項10において、
前記検知部は、前記穿刺対象部位の血量を検知する、採血方法。
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