JP2019087037A - 情報伝達システム - Google Patents
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Abstract
【課題】道路上で発生した事象に応じた情報を車両の運転手に伝達する情報伝達システムを提供する。【解決手段】情報伝達システム1は、道路に沿って設置され、受信した情報画像を道路上に投影する複数の投影装置30と情報伝達装置20を備える。情報伝達装置20は、車両に搭載され、道路上の情報を収集する車載情報収集センサ12及び道路に沿って設置され、道路上の情報を収集する沿道情報収集センサ40の少なくとも一方で収集された収集データから検出された注意事象に応じて情報画像を生成し、情報画像を道路上に投影する投影装置30を選択し、選択した投影装置30の各々に情報画像を送信する。【選択図】図1
Description
本発明は、情報伝達システムに関する。
従来から、道路を歩行する歩行者を検知して、路面に停止線や横断歩道等の画像を投影する路面投影装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
道路では歩行者の横断以外にも、車両が走行する上で注意を要する様々な事象が発生するが、特許文献1に記載の路面投影装置は歩行者の検出しか行えず、歩行者の横断以外の様々な事象を検出することができないといった問題がある。また、特許文献1に記載の路面投影装置は、歩行者への注意喚起を目的としていることから歩行者に対して画像を投影するものであり、車両の運転手に対して情報を伝達するものではない。
本発明は、上記に示した問題点を鑑みてなされたものであり、道路上で発生した事象に応じた情報を車両の運転手に伝達することができる情報伝達システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の情報伝達システムは、道路に沿って設置され、受信した画像を道路上に投影する投影手段を有する複数の投影装置と、車両に搭載され、道路上の情報を収集する第1の情報収集センサ、及び道路に沿って設置され、道路上の情報を収集する第2の情報収集センサの少なくとも一方で収集された収集データから検出された、車両が走行する上で注意を要する事象に応じて、車両の運転手に伝達する画像を生成する生成手段と、前記生成手段で生成した前記画像を道路上に投影する前記投影装置を選択する選択手段と、前記選択手段で選択した前記投影装置の各々に前記画像を送信する送信手段と、を有する情報伝達装置と、を備える。
請求項2に記載の発明では、前記情報伝達装置に、前記第1の情報収集センサ、及び前記第2の情報収集センサの少なくとも一方で収集された収集データを用いて前記事象を検出する検出手段を備える。
請求項3に記載の発明では、車両に搭載される車載装置及び前記情報伝達装置の各々に、前記収集データを用いて前記事象を検出する検出手段を備え、前記車載装置の前記検出手段は、前記第1の情報収集センサで収集された前記収集データを用いて前記事象を検出し、前記情報伝達装置の前記検出手段は、前記第2の情報収集センサで収集された前記収集データを用いて前記事象を検出する。
請求項4に記載の発明では、前記情報伝達装置の前記生成手段は、検出された前記事象に応じて、車両の走行を規制する規制画像、及び車両の運転手に注意を喚起する注意喚起画像の少なくとも一方を前記画像として生成する。
請求項5に記載の発明では、前記情報伝達装置の前記生成手段は、車線を表す画像を前記規制画像として生成する場合、前記事象として検出された車両の交通量に応じて決定される車線数の車線を表す画像を生成する。
請求項6に記載の発明では、前記情報伝達装置の前記選択手段は、前記収集データに含まれる位置情報から推定される前記事象の発生地点に向かう道路に沿って設置された前記投影装置を選択する。
請求項7に記載の発明では、前記情報伝達装置の前記選択手段は、前記収集データに含まれる車両の位置及び車両の速度に基づいて、前記画像が車両の通過にあわせて道路上に順次投影されるように、前記投影装置を複数選択する。
本発明によれば、道路上で発生した事象に応じた情報を車両の運転手に伝達することができる、という効果を奏する。
以下、本実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、機能が同じ構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を省略するものとする。
<第1実施形態>
図1は、情報伝達システム1の構成例を示す図である。情報伝達システム1は、車両情報収集装置10、情報伝達装置20、複数の投影装置30、及び複数の沿道情報収集センサ40を含む。
図1は、情報伝達システム1の構成例を示す図である。情報伝達システム1は、車両情報収集装置10、情報伝達装置20、複数の投影装置30、及び複数の沿道情報収集センサ40を含む。
車両情報収集装置10は少なくとも1台の車両に搭載され、車両の走行に伴って得られる道路上の情報を収集する車載装置の一例であり、車両情報収集装置10は、車載情報収集センサ12、無線通信装置14、及び走行データ16を含む。
車載情報収集センサ12は、道路上の情報を収集する第1の情報収集センサの一例である。車載情報収集センサ12には情報の収集目的に応じたセンサが用いられるため、用いられるセンサの種類に制限はなく、公知のセンサが用いられる。例えば、車両の周囲の画像を撮影するカメラ、周囲の車両までの距離及び周囲の車両の速度を計測するレーダ装置、及び走行に伴う自車の振動を計測する振動センサ等の少なくとも1つが車載情報収集センサ12として用いられる。
走行データ16は、例えば自車の速度を計測する車速センサ、自車の位置情報を計測するGPS(Global Positioning System)センサ、及び自車の3軸方向の加速度を計測する加速度センサ等から得られる自車の走行経路の解析に用いられるデータ群であり、例えば半導体メモリ等の記憶装置に記憶される。
無線通信装置14は、携帯通信網等の無線回線を用いてデータ通信を行う通信装置であり、車載情報収集センサ12で収集した収集データ及び走行データ16を情報伝達装置20に送信する。以降では、車載情報収集センサ12で収集した収集データを、特に「車両収集データ」という場合がある。無線通信装置14は車両収集データを情報伝達装置20に送信する場合、車両収集データを収集した地点まで走行した際の走行データ16とあわせて情報伝達装置20に送信する。
なお、車両情報収集装置10は、必ずしも車両に搭載される必要はなく、道路上を移動する移動体であればどのような移動体に搭載してもよい。したがって、歩行者に車両情報収集装置10を所持してもらってもよい。
沿道情報収集センサ40は道路に沿って複数設置され、道路上の情報を収集する第2の情報収集装置の一例である。沿道情報収集センサ40には情報の収集目的に応じたセンサが用いられるため、車載情報収集センサ12と同様に、用いられるセンサの種類に制限はなく公知のセンサが用いられる。例えば、道路を走行する車両の画像を撮影するカメラ、車両の交通量を計測するビーコン装置、風の向きや風速を計測する風速計、降水量を計測する雨量計、及び温度や湿度を計測する温湿度計等の少なくとも1つが沿道情報収集センサ40として用いられる。
なお、沿道情報収集センサ40は車載情報収集センサ12と異なり、道路の予め定めた位置に固定されて設置されるため、設置された位置の情報を収集することになる。以降では、沿道情報収集センサ40で収集した収集データを、特に「沿道収集データ」という場合がある。
情報伝達装置20は、車載情報収集センサ12及び沿道情報収集センサ40の少なくとも一方から取得した収集データから、車両が走行する上で注意を要する事象を検出し、検出した事象を走行する車両の運転手に伝達する画像を生成する。
こうした情報伝達装置20は、無線通信装置21、収集データベース22、検出部23、生成部24、選択部25、及び送信部26を含む。
無線通信装置21は、携帯通信網等の無線回線を用いてデータ通信を行う通信装置であり、車両情報収集装置10から車載情報収集センサ12で収集した車両収集データ及び走行データ16を受信する。
収集データベース22は無線通信装置21を介して受信した車両収集データを記憶すると共に、沿道情報収集センサ40で収集された沿道収集データを記憶する。
なお、図1は、沿道情報収集センサ40で収集した沿道収集データが有線回線によって収集データベース22に伝送される例を表しているが、沿道情報収集センサ40は、沿道収集データを無線回線で情報伝達装置20の無線通信装置21に送信してもよい。この場合、沿道収集データは、無線通信装置21を介して収集データベース22に記憶される。
検出部23は、収集データベース22に記憶された車両収集データ及び沿道収集データを用いて、車両が走行する上で注意を要する事象(以降、「注意事象」という)が発生したか否かを検出する。収集データベース22に記憶された車両収集データ及び沿道収集データを用いて注意事象を検出する検出部23は、検出手段の一例である。なお、以降では、車両収集データ及び沿道収集データを総称して、単に「収集データ」という場合がある。
生成部24は、検出部23で注意事象が検出された場合、検出された注意事象に応じて、車両の運転手に注意を喚起する画像(以降、「注意喚起画像」という)、及び車両の走行を規制する規制画像の少なくとも一方を生成する。注意喚起画像及び規制画像の少なくとも一方を生成する生成部24は、生成手段の一例である。以降では、注意喚起画像及び規制画像の少なくとも一方の画像を総称して「情報画像」ということにする。
選択部25は、生成部24で生成された情報画像を道路上に投影する投影装置30を選択する。投影装置30を選択する選択部25は、選択手段の一例である。
送信部26は、生成部24で生成された情報画像を、選択部25で選択された投影装置30に送信する。選択部25で複数の投影装置30が選択された場合、送信部26は、選択された各々の投影装置30に情報画像を送信する。情報画像を送信する送信部26は、送信手段の一例である。
図1では、情報伝達装置20が有線回線によって投影装置30と接続されている例を表しているが、情報伝達装置20と投影装置30を無線回線で接続してもよい。この場合、送信部26は、無線通信装置21を介して投影装置30に情報画像を送信する。
投影装置30は道路に沿って複数設置され、情報伝達装置20の送信部26から送信された情報画像を道路上に投影する投影手段を備えた装置である。具体的には、プロジェクタが用いられる。
図2は、道路における投影装置30の設置例を示す図である。図2に示すように、投影装置30は、例えば道路脇に設置された支柱に投影装置30の画像投影面が道路と相対するように設置される。投影装置30の設置間隔に制約はなく、必ずしも等間隔に設置する必要はない。また、投影装置30を設置する専用の支柱を設ける必要もなく、送電線又は通信線を支える支柱に設置してもよい。沿道情報収集センサ40と投影装置30はそれぞれ別々の位置に設置してもよいが、投影装置30が設置される支柱に沿道情報収集センサ40を設置してもよい。
図2の例では、一方の投影装置30は道路に横断歩道を投影し、他方の投影装置30は道路に車線を投影している。
情報伝達システム1における情報伝達装置20は、コンピュータを用いて構成される。図3は、コンピュータを用いて構成された情報伝達装置20における電気系統の要部構成例を示す図である。
コンピュータ50は、CPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53、不揮発性メモリ54、及び入出力インターフェース(I/O)55を備える。そして、CPU51、ROM52、RAM53、不揮発性メモリ54、及びI/O55がバス56を介して各々接続されている。なお、コンピュータ50で用いられるオペレーションシステムに制限はない。また、コンピュータ50は必ずしもオペレーションシステムを用いる必要もない。
ROM52には、例えばCPU51によって実行されるプログラムが記憶され、RAM53は、CPU51の処理の過程で生成されるデータを一時的に記憶するワークエリアとして活用される。
不揮発性メモリ54は、不揮発性メモリ54に供給される電力を遮断しても記憶した情報が維持される記憶装置の一例であり、例えば半導体メモリが用いられるがハードディスクを用いてもよい。
コンピュータ50のI/O55には、例えば無線通信装置21、入出力ユニット27、投影装置30、及び沿道情報収集センサ40が接続される。
入出力ユニット27は、情報伝達装置20に対するユーザの操作を電気信号に変換して、ユーザの指示をCPU51に通知すると共に、CPU51によって処理された情報をユーザに通知するユニットである。入出力ユニット27は、例えばユーザの操作を受け付けるキーボード、マウス、ボタン、及びタッチパネルといった少なくとも1つの入力装置、並びに、情報をユーザに通知するスピーカー、液晶ディスプレイ、及び有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイといった少なくとも1つの報知装置を含む。
図3では、I/O55に投影装置30及び沿道情報収集センサ40が接続されているが、投影装置30及び沿道情報収集センサ40が無線回線で情報伝達装置20に接続される場合には無線通信装置21とデータ通信が行われる。したがって、この場合には投影装置30及び沿道情報収集センサ40はI/O55に接続されない構成をとる。
なお、I/O55に接続される装置は図3に示した各装置に限られない。例えば収集データベース22に記憶された各種データを用紙に印字するプリンタ等が接続されてもよい。また、情報伝達装置20をクラウドコンピューティングで実現してもよい。
次に、図4を用いて、情報伝達装置20が収集データに基づいて検知した注意事象に応じた情報を車両の運転手に伝達する情報伝達処理について説明する。
図4は、例えば情報伝達装置20の電源が投入された場合に、CPU51によって実行される情報伝達処理の流れの一例を示すフローチャートである。
情報伝達処理を規定する情報伝達プログラムは、例えば情報伝達装置20のROM52に予め記憶されている。情報伝達装置20のCPU51は、ROM52に記憶される情報伝達プログラムを読み込んで情報伝達処理を実行する。
まず、ステップS10において、CPU51は、車載情報収集センサ12又は沿道情報収集センサ40で収集データが取得されたか否かを判定する。車両収集データ及び沿道収集データの何れも取得されていない場合にはステップS10の処理を繰り返し実行して、収集データの取得状況を監視する。一方、車両収集データ又は沿道収集データの少なくとも一方が取得された場合にはステップS20に移行する。
ステップS20において、CPU51は、ステップS10で取得した収集データを収集データベース22に記憶する。この際、CPU51は、車両収集データ、車両収集データに付加された走行データ16、及び沿道収集データを時系列に沿って収集データベース22に記憶する。したがって、車載情報収集センサ12と沿道情報収集センサ40で別々に収集した収集データが、収集時間によってそれぞれ対応付けられて収集データベース22に記憶される。
CPU51は沿道収集データを収集データベース22に記憶する場合、沿道収集データが収集された沿道情報収集センサ40を識別する情報を沿道収集データに付加する。沿道情報収集センサ40の設置場所は予め決められているため、これによって沿道収集データが収集された位置が沿道収集データと対応付けられる。なお、センサ番号といった沿道情報収集センサ40を識別する情報と沿道情報収集センサ40の設置場所を対応付けたテーブルは、例えば不揮発性メモリ54に予め記憶しておけばよい。
ステップS30において、CPU51は、収集データベース22に記憶された収集データを用いて、注意事象が発生していないか否かを検出する。検出する注意事象の種類に制限はなく、CPU51は収集データから検出可能な注意事象の検出を試みる。
具体的には、収集データに画像が含まれる場合、CPU51は公知の画像処理を用いて画像を解析することで事故の発生、交通量の推定、歩行者の有無、落石や落下物の有無、道路の破損状況、道路の冠水状況、車線規制の有無等、人間が視覚によって判断することのできる注意事象を検出することができる。
収集データに車両の交通量等をリアルタイムに通知するVICS(Vehicle Information and Communication System)(登録商標)データが含まれる場合、CPU51は公知の手法を用いてVICSデータを解析することで道路毎の渋滞の有無を検出することができる。
収集データに降水データ、風速データ、及び温湿度データ等の環境データが含まれる場合、CPU51は公知の手法を用いて環境データを解析することで道路毎の降水量及び今後の予測降水量、積雪量及び予想積雪量、スリップ発生の危険性度合い、竜巻発生の可能性等が推定されるため、気象条件に伴う注意事象を検出することができる。
収集データに車両の振動データが含まれる場合、CPU51は公知の手法を用いて振動データを解析することで道路の陥没の有無等、路面状況を検出することができる。
また、CPU51は、収集データに含まれる複数種類のデータを組み合わせることで、収集データから注意事象を検出してもよい。例えばCPU51は、画像及びVICSデータを用いることで、画像だけで渋滞の有無を検出する場合よりも精度よく渋滞の有無を検出することができる。
ステップS40において、CPU51は、ステップS30で注意事象が検出されたか否かを判定する。収集データから注意事象が検出されなかった場合には、車両の運転手に伝達すべき注意を要する情報は存在しないためステップS10に移行し、CPU51は、次の収集データが得られるまで収集データの取得状況を監視する。一方、注意事象が検出された場合にはステップS50に移行する。
ステップS50において、CPU51は、ステップS30で検出された注意事象の内容に応じた情報画像を生成する。
図5は、情報画像の一例を示す図である。
図5は、注意事象として歩行者が検出された場合に生成される注意喚起画像の一例である。
図5(A)は、例えば道路を横断する歩行者が検出された場合の注意喚起画像例である。この場合、CPU51は、歩行者の存在を目立たせるように歩行者を囲む図形(例えば円)を生成する。また、CPU51は、歩行者の移動方向を表示する矢印等の図形を生成してもよい。
更に、CPU51は、例えば歩行者の移動速度にあわせて、歩行者を囲む図形が移動するような動画を生成してもよい。情報画像を動画にした場合、静止画よりも目に留まりやすいため、車両の運転手に対して注意事象に応じた情報が伝達されやすくなることがある。
図5(B)は、道路脇に歩行者が検出された場合の注意喚起画像例である。CPU51は、収集データから歩行者の移動方向を予測して、歩行者が道路を横断する可能性があると推定される場合には、例えば「飛出し注意」の文字と共に、歩行者が道路を横断する可能性があることを車両の運転手に連想させるような画像を生成する。なお、文字も画像の一部である。
図6は、注意事象として道路上に落下物が検出された場合に生成される注意喚起画像の一例である。
図6(A)は、例えば車両の運転手から目視できる場所で落下物が検出された場合の注意喚起画像例である。この場合、CPU51は、落下物の存在を目立たせるように落下物を囲む図形(例えば円)を生成する。また、CPU51は、落下物を回避する経路を示す矢印等の図形を生成してもよい。
図6(B)は、例えば車両の運転手から目視できない場所で落下物が検出された場合の注意喚起画像例である。この場合、CPU51は、例えば落下物の存在を報知する画像、及び「この先落下物有」の文字と共に、車線変更を促す矢印等の図形を生成する。更に、CPU51は、落下物までの距離を示す文字を注意喚起画像に含めるようにしてもよい。
図7は、注意事象として道路上に陥没が検出された場合に生成される注意喚起画像の一例である。
図7(A)は、例えば車両の運転手から目視できる場所で路面異常(例えば路面の陥没)が検出された場合の注意喚起画像例である。この場合、CPU51は、陥没の存在を目立たせるように陥没を囲む図形(例えば円)を生成する。また、CPU51は、陥没を回避する経路を示す矢印等の図形を生成してもよい。
図7(B)は、例えば車両の運転手から目視できない場所で陥没が検出された場合の注意喚起画像例である。この場合、CPU51は、例えば陥没の存在を報知する画像、及び「この先陥没有」の文字と共に、車線変更を促す矢印等の図形を生成する。更に、CPU51は、陥没が検出された位置までの距離を示す文字を注意喚起画像に含めるようにしてもよい。
図8は、注意事象として走行先の地域でゲリラ豪雨が観測された場合、又はゲリラ豪雨が予想される場合に生成される注意喚起画像の一例である。この場合、CPU51は、例えばゲリラ豪雨の存在を報知する画像、及び「この先ゲリラ豪雨有」の文字を生成する。収集データからゲリラ豪雨の発生地点がわかる場合、CPU51は、ゲリラ豪雨の発生地点までの距離を示す文字を注意喚起画像に含めるようにしてもよい。
なお、ゲリラ豪雨の他、例えば道路の冠水や路面凍結といった天候に伴う注意事象が検出された場合には、図8と同様に、CPU51は、各々の注意事象に応じた注意喚起画像を生成すればよい。
図9は、注意事象として車両の運転手から目視できない場所で事故の発生が検出された場合の注意喚起画像例である。この場合、CPU51は、例えば事故の発生を報知する画像、及び「この先事故発生」の文字と共に、車線変更を促す矢印等の図形を生成する。更に、CPU51は、事故発生地点までの距離を示す文字を注意喚起画像に含めるようにしてもよい。
図10は、例えば事故、渋滞、及び天候等の理由により、車両の速度を規制する必要が生じた場合の規制画面例である。この場合、CPU51は、ステップS30で検出された注意事象の内容及び程度に応じて、車両が安全に走行可能な最高速度を示す文字を含んだ規制画像を生成する。
図11は、上り坂や、下り坂から上り坂に変化する地点(サグ部)等、速度低下に伴う自然渋滞が発生しやすい地点で渋滞発生の兆候が検出された場合に生成される注意喚起画像例である。この場合、CPU51は、加速して速度回復を促す文字を生成する。なお、車両の運転手に目安となる速度を示すため、CPU51は、車両の進行方向に向かって、渋滞の発生が抑制される程度の速度で移動する矢印等の図形を含む画像を生成するようにしてもよい。
図12は、注意事象として車両の運転手から目視できない場所で渋滞の発生が検出された場合の注意喚起画像例である。この場合、CPU51は、例えば渋滞の発生を報知する画像、及び「この先渋滞」の文字を生成する。更に、CPU51は、渋滞発生地点までの距離を示す文字を注意喚起画像に含めるようにしてもよい。
図13は、事故や道路破損等によって通行止めの地点が検出された場合の規制画像例である。この場合、CPU51は、走行先が通行止めであることを報知する画像(例えば通行止めを示す標識画像)、及び「この先通行止め」の文字を生成する。更に、迂回路がある場合には、CPU51は、迂回路を示す矢印等の図形を含む画像を生成するようにしてもよい。また、CPU51は、例えば誘導線等の走行基準線に沿って自動運転している車両のため、自動運転が行われている車両を迂回路に誘導する誘導線を生成してもよい。
また、ステップS30で検出された注意事象が渋滞の発生である場合、CPU51は、渋滞の解消が図られるように車線数を調整した車線の画像を生成してもよい。
図14は、車線数を調整した車線の画像の一例を示す図である。情報伝達システム1は、当初図14の右から左方向に向かう車線(上り車線)が1車線、図14の左から右方向に向かう車線(下り車線)が2車線となるような位置に中央線32を表示した車線の画像を生成して道路に投影しているとする。こうした状況において、上り車線の交通量が増加しているという注意事象が検出された場合、CPU51は、上り車線が2車線、下り車線が1車線となるような位置に中央線32を表示した車線の画像を生成して、渋滞の緩和を図る。この際、CPU51は、規制画像に加えて、更に渋滞発生の情報を車両の運転手に伝達する注意喚起画像を生成してもよい。
なお、交通量の変化は通勤時間帯や帰宅時間帯に発生しやすいため、CPU51は、時間帯によって車線数を増減させた車線の画像を生成するようにしてもよい。
図5〜図14に示した情報画像はカラー画像であっても、白黒画像のように無彩色画像であってもよい。
このように、CPU51は、ステップS30で検出された注意事象に応じて、規制画像及び注意喚起画像の少なくとも一方を生成する。なお、「情報画像を生成する」とは、新規に情報画像を生成する場合の他、例えば不揮発性メモリ54に予め記憶されている情報画像を選択して、情報画像を取得する形態も含まれる。
ステップS60において、CPU51は、ステップS50で生成した情報画像を投影させる投影装置30を選択する。具体的には、CPU51は、注意事象の検出に用いられた収集データが取得された位置情報に基づいて、情報画像を投影させる投影装置30を選択する。
例えば、注意事象の検出のために参照した収集データが車両収集データの場合には、車両収集データに付加された走行データ16から、車両収集データが取得された位置の位置情報が取得できる。また、注意事象の検出のために参照した収集データが沿道収集データの場合には、沿道収集データに付加されたセンサ番号等の沿道情報収集センサ40を識別する情報から、沿道収集データが取得された位置情報が取得できる。
その上で、CPU51は、取得した位置情報によって表される地点、すなわち、注意事象が発生していると推定される発生地点に向かう道路に沿って設置された投影装置30を、情報画像を投影させる投影装置30として選択する。具体的には、CPU51は、注意事象の発生地点に向かう道路に沿って設置された投影装置30で、かつ、注意事象の発生地点から予め定めた範囲内に設置された投影装置30を選択すればよい。なお、CPU51が選択する投影装置30の台数に制限はなく、1台であっても複数台であってもよい。
ステップS70において、CPU51は、ステップS60で選択した投影装置30の各々に、ステップS50で生成した情報画像を送信する。
情報伝達装置20から情報画像を受信した投影装置30は、受信した情報画像を道路に投影する。これにより、車両の運転手に注意事象に応じた情報が伝達されることになる。
なお、CPU51は、複数の投影装置30から情報画像を投影させる場合、運転手の注目を引くため、各々の投影装置30から異なるデザインの情報画像を投影させるようにしてもよい。この場合、CPU51は、同じ注意事象に対する情報画像であったとしても、ステップS50で投影装置30毎に異なるデザインの情報画像を生成すればよい。
また、CPU51は、情報画像を送信するタイミングを投影装置30毎にずらしてもよい。この場合、CPU51は、車両収集データに含まれる車両の位置情報及び車両の速度情報に基づいて、選択した投影装置30の投影範囲を車両が通過する通過時間を推定し、情報画像が車両の通過にあわせて道路上に順次投影されるように、各々の投影装置30に情報画像を送信するタイミングを調整してもよい。投影装置30毎に異なるデザインの情報画像を投影させる場合、各々の情報画像は静止画であったとしても、車両の運転手は走行に伴って異なるデザインの情報画像を連続して見ることになるため、道路上に動きのあるアニメーションを表示することもできる。
ステップS80において、CPU51は、入出力ユニット27を介して、情報伝達装置20のユーザから終了指示を受け付けたか否かを判定する。終了指示を受け付けていない場合にはステップS10に移行し、CPU51は、次の収集データが得られるまで収集データの取得状況を監視する。一方、終了指示を受け付けた場合には、図4に示す情報伝達処理を終了する。
このように本実施形態に係る情報伝達装置20は、車載情報収集センサ12及び沿道情報収集センサ40の少なくとも一方で収集した収集データから注意事象を検出し、注意事象に応じて生成した情報画像を投影装置30から道路に投影させる。したがって、車両の運転手に注意事象の発生を伝達することができる。
また、収集データは走行する車両からも得られるため、設置場所が固定された沿道情報収集センサ40のみで収集データを収集する場合と比較して、より広い範囲で発生する注意事象を検出することができる。
<第2実施形態>
第1実施形態に係る情報伝達システム1では、車載情報収集センサ12で収集された車両収集データ、及び沿道情報収集センサ40で収集された沿道収集データを情報伝達装置20の収集データベース22で一元的に管理し、注意事象の検出を行った。
第1実施形態に係る情報伝達システム1では、車載情報収集センサ12で収集された車両収集データ、及び沿道情報収集センサ40で収集された沿道収集データを情報伝達装置20の収集データベース22で一元的に管理し、注意事象の検出を行った。
しかしながら、車両情報収集装置10を搭載した車両の台数が増加するに従って、各車両から情報伝達装置20に送信される車両収集データの量も増加し、場合によっては輻輳が発生することも考えられる。
第2実施形態では、収集データの通信量を抑制することができる情報伝達システム1Aについて説明する。
図15は、情報伝達システム1Aの構成例を示す図である。図15に示す情報伝達システム1Aの構成例が、図1に示した情報伝達システム1の構成例と異なる点は、検出部18が追加される一方、収集データベース22が削除された点である。そして、検出部18の追加に伴い車両情報収集装置10が車両情報収集装置10Aに置き換えられ、収集データベース22の削除に伴い情報伝達装置20が情報伝達装置20Aに置き換えられている。
車両情報収集装置10Aの検出部18は、車載情報収集センサ12、無線通信装置14、及び走行データ16を記憶する記憶装置に接続される。
検出部18は、車載情報収集センサ12で収集された車両収集データに対して、情報伝達装置20Aの検出部23と同様の公知の手法を用いて、注意事象が発生したか否かを検出する。検出部18は注意事象を検出した場合、検出した注意事象を無線通信装置14を介して情報伝達装置20Aに送信する。なお、注意事象には、検出部18が走行データ16を解析することによって得られた、注意事象が発生している位置の位置情報が付加される。
情報伝達装置20Aの無線通信装置21は、受信した注意事象を生成部24に通知する。一方、情報伝達装置20Aの検出部23は、沿道情報収集センサ40で収集された沿道収集データを用いて、注意事象が発生したか否かを検出する。検出部23は注意事象を検出した場合、検出した注意事象を生成部24に通知する。
すなわち、情報伝達システム1Aでは、車両情報収集装置10A及び情報伝達装置20Aに、それぞれ検出部18及び検出部23が備えられる。車両収集データを用いて注意事象を検出する検出部18も検出手段の一例である
情報伝達装置20Aは、図3に示した情報伝達装置20の電気系統の要部構成例と同様の構成が適用され、コンピュータを用いて構成される。なお、情報伝達装置20Aをクラウドコンピューティングで実現してもよい。
次に、図16を用いて、情報伝達装置20Aが注意事象に応じた情報を車両の運転手に伝達する情報伝達処理について説明する。
図16は、例えば情報伝達装置20Aの電源が投入された場合に、CPU51によって実行される情報伝達処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図16に示す情報伝達処理のフローチャートが、図4に示した第1実施形態に係る情報伝達処理のフローチャートと異なる点は、ステップS5が追加されると共に、ステップS20が削除された点である。また、ステップS10、S30がそれぞれステップS10A、S30Aに置き換えられている。
まず、ステップS5において、CPU51は、車両情報収集装置10Aから注意事象を受信したか否かを判定する。注意事象を受信した場合には、既に車両情報収集装置10Aが車両収集データに基づいて注意事象を検出していることから、沿道収集データを収集することなくステップS50に移行して、CPU51は注意事象の内容に応じた情報画像を生成する。
一方、車両情報収集装置10Aから注意事象を受信していない場合にはステップS10Aに移行する。
ステップS10Aにおいて、CPU51は、沿道情報収集センサ40で沿道収集データが取得されたか否かを判定する。沿道収集データが取得されていない場合にはステップS5に移行して、車両情報収集装置10Aからの注意事象を監視する。一方、沿道収集データが収集された場合にはステップS30Aに移行する。
ステップS30Aにおいて、CPU51は、ステップS10Aで収集された沿道収集データを用いて、注意事象が発生していないか否か検出する。なお、ステップS30Aにおける注意事象の検出方法は、既に図4のステップS30で説明した検出方法と同じである。
注意事象が検出された場合、CPU51は、ステップS50で注意事象の内容に応じた情報画像を生成し、既に説明したステップS60以降の処理を実行して、車両の運転手に注意事象の発生を伝達する。
このように、情報伝達システム1Aでは、車両情報収集装置10A及び情報伝達装置20Aにそれぞれ検出部18及び検出部23が備えられ、検出部18では車両収集データを用いて注意事象を検出し、検出部23では沿道収集データを用いて注意事象を検出する。したがって、車両収集データ自体は車両情報収集装置10Aから情報伝達装置20Aに送信されないため、車両情報収集装置10Aと情報伝達装置20Aとを接続する無線回線の通信量を抑制することができる。
また、情報伝達装置20Aの検出部23では、車両収集データ及び沿道収集データの両方の収集データを参照する必要がなくなるため、CPU51の負荷が低減することになる。したがって、第1実施形態に係る情報伝達装置20に使用されるCPUよりも処理能力が低いCPUを用いても同じ時間で注意事象を検出することができるようになるため、情報伝達装置20Aのコストが低減される。
以上、各実施の形態を用いて本発明について説明したが、本発明は各実施の形態に記載の範囲には限定されない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で各実施の形態に多様な変更又は改良を加えることができ、当該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、本発明の要旨を逸脱しない範囲で処理の順序を変更してもよいし、情報伝達装置20,20Aは、車両収集データ及び沿道収集データの何れか一方の収集データのみを用いて注意事象を検出してもよい。
また、各実施の形態では、一例として情報伝達処理をソフトウエアで実現する形態について説明したが、図4及び図16に示したフローチャートと同等の処理を、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)に実装し、ハードウエアで処理させるようにしてもよい。この場合、ソフトウエアを用いた場合と比較して、情報伝達処理を高速化することができる。
また、上述した各実施の形態では、情報伝達プログラムがROMにインストールされている形態を説明したが、これに限定されるものではない。本発明に係る情報伝達プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録された形態で提供することも可能である。例えば、本発明に係る情報伝達プログラムを、CD(Compact Disc)−ROM、又はDVD(Digital Versatile Disc)−ROM等の光ディスクに記録した形態で提供してもよい。また、本発明に係る情報伝達プログラムを、USBメモリ及びフラッシュメモリ等の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。更に、情報伝達装置は、例えば無線通信装置を介して、インターネット等の通信網に接続された外部装置から本発明に係る情報伝達プログラムを取得するようにしてもよい。
1(1A)・・・情報伝達システム、10(10A)・・・車両情報収集装置、12・・・車載情報収集センサ、14・・・無線通信装置、16・・・走行データ、18(23)・・・検出部、20(20A)・・・情報伝達装置、21・・・無線通信装置、22・・・収集データベース、23・・・検出部、24・・・生成部、25・・・選択部、26・・・送信部、27・・・入出力ユニット、30・・・投影装置、40・・・沿道情報収集センサ、50・・・コンピュータ、51・・・CPU、52・・・ROM、53・・・RAM、54・・・不揮発性メモリ
Claims (7)
- 道路に沿って設置され、受信した画像を道路上に投影する投影手段を有する複数の投影装置と、
車両に搭載され、道路上の情報を収集する第1の情報収集センサ、及び道路に沿って設置され、道路上の情報を収集する第2の情報収集センサの少なくとも一方で収集された収集データから検出された、車両が走行する上で注意を要する事象に応じて、車両の運転手に伝達する画像を生成する生成手段と、前記生成手段で生成した前記画像を道路上に投影する前記投影装置を選択する選択手段と、前記選択手段で選択した前記投影装置の各々に前記画像を送信する送信手段と、を有する情報伝達装置と、
を備えた情報伝達システム。 - 前記情報伝達装置に、前記第1の情報収集センサ、及び前記第2の情報収集センサの少なくとも一方で収集された収集データを用いて前記事象を検出する検出手段を備えた
請求項1記載の情報伝達システム。 - 車両に搭載される車載装置及び前記情報伝達装置の各々に、前記収集データを用いて前記事象を検出する検出手段を備え、
前記車載装置の前記検出手段は、前記第1の情報収集センサで収集された前記収集データを用いて前記事象を検出し、
前記情報伝達装置の前記検出手段は、前記第2の情報収集センサで収集された前記収集データを用いて前記事象を検出する
請求項1記載の情報伝達システム。 - 前記情報伝達装置の前記生成手段は、検出された前記事象に応じて、車両の走行を規制する規制画像、及び車両の運転手に注意を喚起する注意喚起画像の少なくとも一方を前記画像として生成する
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の情報伝達システム。 - 前記情報伝達装置の前記生成手段は、車線を表す画像を前記規制画像として生成する場合、前記事象として検出された車両の交通量に応じて決定される車線数の車線を表す画像を生成する
請求項4記載の情報伝達システム。 - 前記情報伝達装置の前記選択手段は、前記収集データに含まれる位置情報から推定される前記事象の発生地点に向かう道路に沿って設置された前記投影装置を選択する
請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の情報伝達システム。 - 前記情報伝達装置の前記選択手段は、前記収集データに含まれる車両の位置及び車両の速度に基づいて、前記画像が車両の通過にあわせて道路上に順次投影されるように、前記投影装置を複数選択する
請求項6記載の情報伝達システム。
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