JP2018014042A - 逆走警報システム - Google Patents
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Abstract
【課題】逆走警報システムに関し、逆走車両の検出精度を向上させる。
【解決手段】路側に三個以上のセンサ1を列設し、検知範囲内における車両の存在を検知させる。三個以上のセンサ1が順行方向の下流側から上流側への順序で車両を検知した場合に、算出部3で第一区間速度を算出する。第一区間速度は、車両を検知したセンサ1のうち、少なくとも二個についての検知時刻差及び距離に基づいて算出される。また、少なくとも第一区間速度に基づき、判定部4で逆走車両の有無を判定する。
【選択図】図3
【解決手段】路側に三個以上のセンサ1を列設し、検知範囲内における車両の存在を検知させる。三個以上のセンサ1が順行方向の下流側から上流側への順序で車両を検知した場合に、算出部3で第一区間速度を算出する。第一区間速度は、車両を検知したセンサ1のうち、少なくとも二個についての検知時刻差及び距離に基づいて算出される。また、少なくとも第一区間速度に基づき、判定部4で逆走車両の有無を判定する。
【選択図】図3
Description
本発明は、道路上の逆走車両を検知して警報するシステムに関する。
近年、高速道路や一方通行道路での逆走による車両交通事故が増加しつつある。このような事故の背景には高齢ドライバーの増加があり、運転者自身に危険運転の自覚がないケースが散見される。そこで、道路管理者が逆走車両を積極的に検出し、その逆走車両に対して警報,警告を発するとともに、交通規制を実施するようなしくみが提案されている。逆走車両は、例えばサービスエリアの出口,ジャンクション,インターチェンジなどの周辺に、車両検出センサ,カメラ,警告表示装置などを設けることによって検出されうる。(例えば、特許文献1,2参照)。
カメラを用いた逆走検知技術では、撮影された映像に画像解析処理が施され、画像中で逆走方向に移動する物体が逆走車両として特定される。しかし、画像解析処理の演算負荷は比較的大きいことから高性能のコンピュータを用意することが望ましく、運用コストが高くなりやすい。また、逆走車両の抽出精度が日照や天候の影響を受けて変動するため、制御の安定性,信頼性を向上させることが困難である。一方、赤外線センサ,光電センサ,超音波センサなどの車両検出センサを用いた逆走検知技術は、演算負荷が比較的小さく運用コストを抑えることができる。また、日照や天候の影響を受けにくいため、制御の安定性,信頼性を向上させることができる。
しかしながら、車両検出センサは検知範囲内に存在する物体であれば、逆走車両以外の物体も検知してしまう。そのため、無関係な対象(例えば、順行車両)を誤って逆走車両であると判断してしまうことがあり、検出精度を高めにくいという課題がある。
また、道路の走行方向に沿って設置された車両検出センサの数が二つである場合には、いずれか片方が故障した場合に逆走車両を検知できなくなる。一方、車両検知センサの個数を増加させれば、各々の車両検知センサで無関係な対象を検出する可能性が高まり、逆走車両の誤検出が増加しうる。このような誤検出は、車両検知センサの設置間隔を広げるに連れて増大しうる。
また、道路の走行方向に沿って設置された車両検出センサの数が二つである場合には、いずれか片方が故障した場合に逆走車両を検知できなくなる。一方、車両検知センサの個数を増加させれば、各々の車両検知センサで無関係な対象を検出する可能性が高まり、逆走車両の誤検出が増加しうる。このような誤検出は、車両検知センサの設置間隔を広げるに連れて増大しうる。
本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑みて創案されたものであり、逆走車両の誤検出を抑制できるようにした逆走警報システムを提供することである。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用効果であって、従来の技術では得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
(1)ここで開示する逆走警報システムは、路側に列設され、検知範囲内における車両の存在を検知する三個以上のセンサを備える。また、三個以上の前記センサが順行方向の下流側から上流側への順序で前記車両を検知した場合に、前記車両を検知した前記センサのうち、少なくとも二個についての検知時刻差及び距離に基づき、第一区間速度を算出する算出部を備える。さらに、少なくとも前記第一区間速度に基づき、逆走車両の有無を判定する判定部を備える。
前記判定部は、前記第一区間速度が所定範囲内にある場合に、前記逆走車両が存在するものと判定することが好ましい。前記所定範囲とは、前記逆走車両の最大車速や推定最小車速に応じて設定することが好ましく、例えば10〜180km/hといった範囲に設定することが好ましい。
前記判定部は、前記第一区間速度が所定範囲内にある場合に、前記逆走車両が存在するものと判定することが好ましい。前記所定範囲とは、前記逆走車両の最大車速や推定最小車速に応じて設定することが好ましく、例えば10〜180km/hといった範囲に設定することが好ましい。
(2)前記算出部が、前記車両を検知した検知センサが隣接する区間において、前記第一区間速度を算出するとともに、前記車両を検知しなかった非検知センサのうち前記検知センサに挟まれた位置に存在する前記非検知センサが一個である場合に、当該非検知センサを無視して前記第一区間速度を算出することが好ましい。
すなわち、前記算出部は基本的には、前記検知センサが連続する区間を対象として前記第一区間速度を算出する。一方、複数の前記センサの一部が故障する可能性を考慮して、前記検知センサの間に一個の前記非検知センサが挟まれている場合には、その挟まれた前記非検知センサを無視して前記第一区間速度を算出する。これにより、前記検知センサが飛び石状に存在する場合であっても、前記第一区間速度を算出することが可能となる。
すなわち、前記算出部は基本的には、前記検知センサが連続する区間を対象として前記第一区間速度を算出する。一方、複数の前記センサの一部が故障する可能性を考慮して、前記検知センサの間に一個の前記非検知センサが挟まれている場合には、その挟まれた前記非検知センサを無視して前記第一区間速度を算出する。これにより、前記検知センサが飛び石状に存在する場合であっても、前記第一区間速度を算出することが可能となる。
(3)前記算出部は、前記車両を検知した前記センサのうち、前記二個の前記センサとは組み合わせが異なる二個の前記センサについての検知時刻差及び距離に基づき、第二区間速度を算出することが好ましい。この場合、前記判定部は、前記第一区間速度と前記第二区間速度との差に基づき、前記逆走車両の有無を判定することが好ましい。
つまり、複数の区間速度を算出することが好ましい。例えば、前記検知センサがA,B,Cの三位置に存在する場合に、区間ABの平均速度を前記第一区間速度として算出し、区間BCの平均速度を前記第二区間速度として算出してもよい。あるいは、区間ABの平均速度を前記第一区間速度とし、区間ACの平均速度を前記第二区間速度としてもよい。また、区間ACの平均速度を前記第一区間速度とし、区間BCの平均速度を前記第二区間速度としてもよい。
また、前記判定部は、前記第一区間速度と前記第二区間速度との差の絶対値が所定値以下である場合に、前記逆走車両が存在するものと判断することが好ましい。あるいは、前記第一区間速度と前記第二区間速度とが近い値を持つ場合に、前記逆走車両が存在するものと判断することが好ましい。
つまり、複数の区間速度を算出することが好ましい。例えば、前記検知センサがA,B,Cの三位置に存在する場合に、区間ABの平均速度を前記第一区間速度として算出し、区間BCの平均速度を前記第二区間速度として算出してもよい。あるいは、区間ABの平均速度を前記第一区間速度とし、区間ACの平均速度を前記第二区間速度としてもよい。また、区間ACの平均速度を前記第一区間速度とし、区間BCの平均速度を前記第二区間速度としてもよい。
また、前記判定部は、前記第一区間速度と前記第二区間速度との差の絶対値が所定値以下である場合に、前記逆走車両が存在するものと判断することが好ましい。あるいは、前記第一区間速度と前記第二区間速度とが近い値を持つ場合に、前記逆走車両が存在するものと判断することが好ましい。
(4)前記算出部は、三個以上の前記センサが順行方向の上流側から下流側への順序で前記車両を検知した場合に、前記車両を検知した前記センサのうち、少なくとも二個についての検知時刻差及び距離に基づき、第三区間速度を算出することが好ましい。また、前記判定部が、前記第三区間速度に基づき、前記逆走車両の有無を判定することが好ましい。
例えば、検知センサのうち前記第三区間速度で走行する車両に対応する検知情報を除外して前記第一区間速度や前記第二区間速度を算出し、これらの前記第一区間速度,第二区間速度に基づいて前記逆走車両の有無を判定することが好ましい。
例えば、検知センサのうち前記第三区間速度で走行する車両に対応する検知情報を除外して前記第一区間速度や前記第二区間速度を算出し、これらの前記第一区間速度,第二区間速度に基づいて前記逆走車両の有無を判定することが好ましい。
センサでの検知順序だけでなく第一区間速度を考慮することで、逆走車両の誤検出を抑制して検出精度を高めることができる。
図面を参照して、実施形態としての逆走警報システムについて説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
[1.構成]
図1に示すように、本実施形態の逆走警報システムは、高速道路の料金所11が設置されたインターチェンジ10に適用される。路側のうち逆走が発生しやすい位置には、複数のセンサ1が列設される。センサ1は、検知範囲内における車両の存在を検知する車両検出センサであり、例えば赤外線センサ,光電センサ,超音波センサなどである。それぞれのセンサ1の検知範囲は、センサ1が設置された位置の近傍に設定される。図2に示すように、ガードレールの支柱にセンサ1を埋設する場合には、それぞれの支柱の前方領域を検知範囲としてもよい。なお、センサ1の検知範囲は複数のレーンに跨がる大きさに設定してもよいし、単一のレーン内に設定してもよい。あるいは、電磁波,音波の照射方向を切り換えることによって検知範囲を変更可能としてもよい。本実施形態のセンサ1は、図2に示すように、検知範囲が複数のレーンに跨がっているものとする。
図1に示すように、本実施形態の逆走警報システムは、高速道路の料金所11が設置されたインターチェンジ10に適用される。路側のうち逆走が発生しやすい位置には、複数のセンサ1が列設される。センサ1は、検知範囲内における車両の存在を検知する車両検出センサであり、例えば赤外線センサ,光電センサ,超音波センサなどである。それぞれのセンサ1の検知範囲は、センサ1が設置された位置の近傍に設定される。図2に示すように、ガードレールの支柱にセンサ1を埋設する場合には、それぞれの支柱の前方領域を検知範囲としてもよい。なお、センサ1の検知範囲は複数のレーンに跨がる大きさに設定してもよいし、単一のレーン内に設定してもよい。あるいは、電磁波,音波の照射方向を切り換えることによって検知範囲を変更可能としてもよい。本実施形態のセンサ1は、図2に示すように、検知範囲が複数のレーンに跨がっているものとする。
複数のセンサ1が列設される位置は、高速道路の本線に沿った位置であって、本線とランプウェイとの合流点よりも上流側の位置に設定される。ここでいう「上流」とは、センサ1で検知された逆走車両が進む方向(順行車両から見て後方向)を意味する。センサ1の個数は少なくとも三個以上であり、好ましくは設置可能なスペースに応じて四〜数十個程度に設定する。センサ1の設置間隔は任意であるが、数十センチメートルから数十メートル程度とすることが好ましい。なお、センサ1の設置間隔を一定にする必要はない。また、センサ1の設置高さは、少なくとも逆走車両の存在を検知可能な高さであればよい。同様に、センサ1から見たときの検知範囲の方向も、少なくとも逆走車両の存在を検知可能な方向であればよい。以下、列設された個々のセンサ1を区別する場合には、順行方向の下流側から上流側への順序で#1,#2,#3…と表記する。図1に示す例では、五個のセンサ1が配置されている。
また、高速道路の本線に沿った位置であって、センサ1よりも上流側には、逆走車両に対して警告を表示するための表示装置6が設置される。表示装置6は、例えば大型LED(Light Emitting Diode)パネルを内蔵した汎用の電光掲示板であり、任意の文字や画像を表示可能である。表示装置6の向きは、少なくとも逆走車両に表示画面が視認されうる向きに設定される。したがって、順行車両からは視認できない向きに設置してもよい。表示装置6は、逆走車両がセンサ1で検出された場合に、その逆走車両の運転者に対して逆走中であることを示す警告が表示される。なお、音声や警告音を発するための大型スピーカを表示装置6に併設してもよい。
それぞれのセンサ1は、検知範囲内に車両の存在を検知した場合に検知信号を出力し、検知しない場合に出力を停止させる機能を持つ。それぞれのセンサ1から出力される検知信号は、有線または無線通信網を介して制御装置2に伝達される。制御装置2は、プロセッサ(中央処理装置),メモリ(メインメモリ,主記憶装置),補助記憶装置,インタフェース装置,記録媒体ドライブなどを内蔵するコンピュータである。制御装置2は、検知信号に基づいて逆走車両を検出し、その逆走車両に対する警告,警報を表示装置6に表示させる機能を持つ。また、制御装置2は、通信ネットワークを介して道路管理者,交通管制センター,警察などに通報する機能を併せ持つ。通信ネットワークの具体例としては、携帯電話機用の無線通信網やインターネットを利用して形成された有線または無線通信網が挙げられる。
図3は、制御装置2で実施されるプログラムの処理内容を説明するためのブロック図である。制御装置2には、算出部3,判定部4,制御部5が設けられる。これらは、制御装置2の機能を便宜的に分類して示したものであり、個々の要素を独立したプログラムとして記述してもよいし、これらの機能を兼ね備えた複合プログラムとして記述してもよい。これらのプログラムは、メモリや補助記憶装置に記憶され、プロセッサによって実行される。あるいは、これらのプログラムが記録媒体に記録され、記録媒体ドライブを介してメモリ上に読み込まれて実行される。
算出部3は、それぞれのセンサ1で車両が検知された時刻とそれを検知したセンサ1の位置(例えば、#1,#2といった番号)とを記憶するとともに、所定時間の間に三個以上のセンサ1が車両を検知した場合に、それらのセンサ1間を通過した車両の移動速度(区間速度)を算出するものである。ここでは、センサ1による車両の検知順序に応じて、複数種類の区間速度が算出される。以下、車両を検知したセンサ1のことを検知センサDとも呼び、車両を検知していないセンサ1を非検知センサUとも呼ぶ。
まず、センサ1が順行方向の下流側から上流側への順序で車両を検知した場合には、センサ1で検出された対象物が「逆走方向に移動している」と判断される。このとき算出部3は、検知センサDのうち、少なくとも二個についての検知時刻差とそれらの検知センサD間の距離とに基づいて、第一区間速度,第二区間速度を算出する。第一区間速度及び第二区間速度は、互いに異なる区間での平均速度を意味する。
反対に、センサ1が順行方向の上流側から下流側への順序で車両を検知した場合には、センサ1で検知された対象物が「順行方向に移動している」と判断される。このとき算出部3は、検知センサDのうち、少なくとも二個についての検知時刻差とそれらのセンサ1間の距離とに基づいて、第三区間速度を算出する。第一区間速度,第二区間速度が逆走方向の速度であるのに対し、第三区間速度は順行方向の速度である。なお、一個目から二個目までの移動方向と二個目から三個目までの移動方向とが相違する場合には、区間速度は算出しない。
本実施形態の算出部3は、連続する三個のセンサ1が逆走方向に車両を検知した場合に、第一区間速度,第二区間速度を算出する。また、連続する三個のセンサ1が順行方向に車両を検知した場合に、第三区間速度を算出する。第一区間速度,第二区間速度,第三区間速度を算出する区間は、基本的には検知センサDが互いに隣接して連続する区間である。ただし、一個の非検知センサUが検知センサDに挟まれている場合には、その非検知センサUが故障している可能性を考慮して、その非検知センサUが存在しないものとみなす。つまり、検知センサDが飛び石状に存在する場合には、検知センサDに挟まれている非検知センサUが一個である場合に限り、その非検知センサUを無視して第一区間速度,第二区間速度,第三区間速度を算出する。また、検知センサDが二個以上の非検知センサUを挟んで飛び石状に配列されている区間は、区間速度の算出対象から除外する。
図4は、センサ1の総数が五個である場合に、区間速度(第一区間速度,第二区間速度,第三区間速度)が算出される条件を説明するための模式図である。図4中の黒丸は検知センサDを表し、白丸は非検知センサUを表す。区間速度は、図4(A)〜(C)に示すように、基本的には連続する三個のセンサ1が検知信号を出力した場合に、検知センサDが連続する区間を対象として算出される。また、図4(D)〜(H)に示すように、検知センサDが飛び石状に並んでいる場合には、非検知センサUを無視した上で区間速度が算出される。このように、区間速度の算出において、検知センサDに挟まれた一個の非検知センサUは度外視(無視)される。
第一区間速度は、検知信号を発したセンサ1のうちの二個に基づいて算出される。図4(A)に示す例では、センサ#1,#2,#3の順に検知信号が出力された場合に、センサ#1,#2,#3のいずれか二個が選択され、それらの距離を検知時刻差で除算することで第一区間速度が算出される。また、第二区間速度は、第一区間速度とは組み合わせが異なる二個のセンサを選択することによって算出される。例えば、センサ#1〜#2間の区間速度が第一区間速度として算出された場合、センサ#1〜#3間の区間速度、または、センサ#2〜#3間の区間速度が第二区間速度として算出される。
また、図4(H)に示す例において、センサ#1,#3,#5の順に検知信号が出力され、センサ#1〜#3間の区間速度が第一区間速度として算出された場合、第二区間速度はセンサ#3〜#5間の区間速度、または、センサ#1〜#5間の区間速度となる。
第三区間速度に関して、図4(C)に示す例では、センサ#5,#4,#3の順に検知信号が出力された場合に、センサ#5,#4,#3のいずれか二個が選択され、それらの距離を検知時刻差で除算することで第三区間速度が算出される。ここで算出された第一区間速度,第二区間速度,第三区間速度の情報は、判定部4に伝達される。
第三区間速度に関して、図4(C)に示す例では、センサ#5,#4,#3の順に検知信号が出力された場合に、センサ#5,#4,#3のいずれか二個が選択され、それらの距離を検知時刻差で除算することで第三区間速度が算出される。ここで算出された第一区間速度,第二区間速度,第三区間速度の情報は、判定部4に伝達される。
判定部4は、少なくとも第一区間速度に基づき、逆走車両の有無を判定するものである。ここでは、おもに二通りの判定手法を採用することができる。
第一の判定手法は、第一区間速度があらかじめ設定された所定範囲内にある場合に、逆走車両が存在するものと判定するものである。所定範囲は、想定される逆走車両の最大車速や推定最小車速に応じて設定され、例えば10〜180km/hといった範囲に設定される。
第一の判定手法は、第一区間速度があらかじめ設定された所定範囲内にある場合に、逆走車両が存在するものと判定するものである。所定範囲は、想定される逆走車両の最大車速や推定最小車速に応じて設定され、例えば10〜180km/hといった範囲に設定される。
第二の判定手法は、第一区間速度と第二区間速度とが近い値を持つ場合に、逆走車両が存在するものと判定するものである。具体的にいえば、第一区間速度と第二区間速度との差の絶対値が所定値以下である場合に、逆走車両が存在するものと判定する。あるいは、第一区間速度から第二区間速度を減じた値が所定速度範囲内にある場合に、逆走車両が存在するものと判定する。なお、三つ以上の区間速度を算出し、それらの平均値が所定速度範囲内にある場合に、逆走車両が存在するものと判定してもよい。
また、判定部4は、第三区間速度に基づいて、第一区間速度や第二区間速度の算出精度を向上させることによって、逆走車両の有無を判定する機能を持つ。すなわち、第三区間速度があらかじめ設定された所定範囲内にある場合に、順行車両が存在するものと判定するとともに、その順行車両に対応する検知情報を算出部3に伝達する。これを受けて、算出部3は、順行車両に対応する検知情報を除外して、第一区間速度や第二区間速度を算出する。
図5を用いて、判定部4での判定手法を詳述する。図5は、四個のセンサ1における車両の検知状態を説明するためのグラフである。縦軸はセンサ1の番号(検出位置に相当)を表し、横軸が時間を表す。時刻t1はセンサ#1が車両を検知した時刻(検知開始時刻と検知終了時刻との中間の時刻)であり、このデータをX1と呼ぶ。同様に、データX2は時刻t2にセンサ#4で検知されたデータに対応し、データX3は時刻t3にセンサ#2で検知されたデータに対応する。
センサ1の検知範囲内に順行車両のみが存在する場合、あるいは、逆走車両のみが存在する場合には、検出位置が時間経過とともに降順または昇順に変化する。したがって、検出位置が昇順方向に変化するデータのみを抽出すれば、逆走車両を検出することが可能である。一方、センサ1の検知範囲内に順行車両と逆走車両とがともに存在する場合には、三個以上のデータの組み合わせに基づいて区間速度を算出する。
図5に示す例では、三個のデータX1,X3,X4が昇順に配列される時刻t4になって初めて、第一区間速度及び第二区間速度が算出される。なお、時刻t1から時刻t3までの区間速度と比較して、時刻t3から時刻t4までの区間速度が大き過ぎる場合には、逆走車両の有無の判定が保留されることになる。三個のデータX1,X3,X5が昇順に配列される時刻t5になると、これらのデータX1,X3,X5に基づいて第一区間速度及び第二区間速度が算出される。ここで第一区間速度と第二区間速度とが近い値を持てば、逆走車両が存在するものと判定される。
三個のデータX2,X4,X6が降順に配列される時刻t6には、これらのデータX2,X4,X6に基づいて第三区間速度が算出される。ここで第三区間速度があらかじめ設定された所定範囲内にある場合には、これらのデータX2,X4,X6が順行車両に対応するものであると判断され、以後の逆走車両の判定から除外される。したがって、データX2,X4,X6に基づく逆走車両の誤判定の可能性が軽減される。なお、図5のグラフ中における傾きが、車両の速度に対応するパラメータとなる。したがって、グラフ上にプロットされる点を結んだ直線の傾きを求めることで、各区間速度を容易に算出することができる。
制御部5は、判定部4において逆走車両が存在するものと判定された場合に、表示装置6に逆走中であることを示す警告を表示させるとともに、その旨の情報を道路管理者,交通管制センター,警察などに通報するものである。このとき、算出部3で算出された第一区間速度,第二区間速度の情報も併せて通報することが好ましい。また、表示装置6に大型スピーカが併設されている場合には、音声や警告音を発することで逆走車両の運転者に逆走の自覚を促してもよい。あるいは、高速道路上の各所に設置されている既存の交通案内表示装置にその旨の警告を表示させて、他車両の運転者に逆走車両の存在を周知させてもよい。
[2.フローチャート]
図6は、制御装置2で実施される制御内容を説明するためのフローチャート例である。まず、それぞれのセンサ1から出力される検知信号が制御装置2で取得され(ステップA1)、検知時刻及び検出位置(センサ1の位置)の情報がメモリ内に記録,保存される。続いて、所定時間内に三個以上のセンサ1が昇順または降順に車両を検知したか否かが判定される(ステップA2)。ステップA2の条件が成立しなければ、この演算周期での制御が終了し、次回の演算周期で再び最初から制御が実行される。一方、ステップA2の条件が成立すると、センサ1での検知順序が昇順であるか否かが判定される(ステップA3)。
図6は、制御装置2で実施される制御内容を説明するためのフローチャート例である。まず、それぞれのセンサ1から出力される検知信号が制御装置2で取得され(ステップA1)、検知時刻及び検出位置(センサ1の位置)の情報がメモリ内に記録,保存される。続いて、所定時間内に三個以上のセンサ1が昇順または降順に車両を検知したか否かが判定される(ステップA2)。ステップA2の条件が成立しなければ、この演算周期での制御が終了し、次回の演算周期で再び最初から制御が実行される。一方、ステップA2の条件が成立すると、センサ1での検知順序が昇順であるか否かが判定される(ステップA3)。
ステップA3において検知順序が昇順である場合、それらのデータは逆走車両に対応するものと判断され、第一区間速度が算出されるとともに(ステップA4)、第一区間速度があらかじめ設定された所定範囲内にあるか否かが判定される(ステップA5)。ステップA5の条件が成立しなければ、逆走車両が存在するとはいえないものと判断されて、この演算周期での制御が終了し、次回の演算周期で再び最初から制御が実行される。例えば、第一区間速度が180km/hを越えるほど極端に速い場合や、10km/hを下回るほど遅い場合には、それらのデータが逆走車両に対応するものではないと判断される。一方、ステップA5の条件が成立すると、第二区間速度が算出されるとともに(ステップA6)、第一区間速度と第二区間速度とが近い値を持つか否かが判定される(ステップA7)。
ステップA7の条件が成立しなければ、逆走車両が存在するとはいえないものと判断されて、この演算周期での制御が終了し、次回の演算周期で再び最初から制御が実行される。例えば、第一区間速度が60km/hであり、第二区間速度が150km/hであるような場合には、それらのデータが逆走車両に対応するものではないと判断される。一方、ステップA7の条件が成立すると、逆走車両が存在するものと判定され、表示装置6に逆走中であることを示す警告が表示されるとともに、道路管理者,交通管制センター,警察などに通報される。
ステップA3において検知順序が降順である場合、それらのデータは順行車両に対応するものと判断され、第三区間速度が算出されるとともに(ステップA9)、それらの順行車両に対応するデータが第一区間速度,第二区間速度の算出対象から除外される(ステップA10)。これにより、逆走車両の区間速度が実際よりも高く(あるいは低く)算出される可能性が減少し、逆走の検出精度が向上する。
[3.効果]
(1)上記の逆走警報システムでは、三個以上のセンサ1が逆走方向の順に車両を検知した場合に第一区間速度が算出され、第一区間速度に基づいて逆走車両の有無が判定される。このような判定条件を用いることで、逆走車両の誤検出を抑制することができ、逆走車両の検出精度を高めることができる。
(2)上記の逆走警報システムでは、図4(A)〜(C)に示すように、基本的には隣接する三個以上のセンサ1が連続して車両を検知した場合に、区間速度が算出される。一方、図4(D)〜(H)に示すように、検知センサDが飛び石状に配列されていたとしても、検知センサDに挟まれる非検知センサUの数が一個である場合には、その非検知センサUがないものとみなされて区間速度が算出される。このような手法を採用することで、センサ1の故障数が僅かである限り区間速度を算出することができ、センサ故障に対する堅牢性を向上させることができる。
(1)上記の逆走警報システムでは、三個以上のセンサ1が逆走方向の順に車両を検知した場合に第一区間速度が算出され、第一区間速度に基づいて逆走車両の有無が判定される。このような判定条件を用いることで、逆走車両の誤検出を抑制することができ、逆走車両の検出精度を高めることができる。
(2)上記の逆走警報システムでは、図4(A)〜(C)に示すように、基本的には隣接する三個以上のセンサ1が連続して車両を検知した場合に、区間速度が算出される。一方、図4(D)〜(H)に示すように、検知センサDが飛び石状に配列されていたとしても、検知センサDに挟まれる非検知センサUの数が一個である場合には、その非検知センサUがないものとみなされて区間速度が算出される。このような手法を採用することで、センサ1の故障数が僅かである限り区間速度を算出することができ、センサ故障に対する堅牢性を向上させることができる。
(3)上記の逆走警報システムでは、第一区間速度とは異なる区間の速度である第二区間速度が算出され、これらの速度差に基づいて逆走車両の有無が判定される。例えば、第一区間速度と比較して第二区間速度が大きすぎる(あるいは小さすぎる)場合には、逆走車両の存在が確定しない。このような判定条件の設定により、逆走車両の誤検出を抑制することができ、逆走車両の検出精度を高めることができる。
(4)上記の逆走警報システムでは、図5に示すように、三個以上のセンサ1が順行方向の順に車両を検知した場合に、第三区間速度が算出される。また、第三区間速度があらかじめ設定された所定範囲内にある場合には、それらの速度を算出するのに用いられたデータが順行車両に対応するものであると判断され、以後の逆走車両の判定から除外される。このように、逆走車両の判定で用いられる個々のデータを選別することで、複数レーン(すなわち、順行車両と同時に逆走車両が存在しうる道路)での逆走を精度よく検出することができる。
(4)上記の逆走警報システムでは、図5に示すように、三個以上のセンサ1が順行方向の順に車両を検知した場合に、第三区間速度が算出される。また、第三区間速度があらかじめ設定された所定範囲内にある場合には、それらの速度を算出するのに用いられたデータが順行車両に対応するものであると判断され、以後の逆走車両の判定から除外される。このように、逆走車両の判定で用いられる個々のデータを選別することで、複数レーン(すなわち、順行車両と同時に逆走車両が存在しうる道路)での逆走を精度よく検出することができる。
[4.変形例]
上述の実施形態では、高速道路のインターチェンジ10に適用された逆走警報システムについて詳述したが、逆走警報システムの適用対象はこれに限定されない。例えば、一般道路の一方通行路や商業施設の駐車場内通路などに適用することも可能である。
また、上述の実施形態では、検知センサDが飛び石状に並んでいる場合であって、検知センサDに挟まれた非検知センサUの個数が一個である場合に、その非検知センサUを度外視している。しかし、センサ1の総数がより多ければ、検知センサDに挟まれた非検知センサUの個数が二個以上であっても、それらの非検知センサUを度外視して区間速度を算出することができる。
上述の実施形態では、高速道路のインターチェンジ10に適用された逆走警報システムについて詳述したが、逆走警報システムの適用対象はこれに限定されない。例えば、一般道路の一方通行路や商業施設の駐車場内通路などに適用することも可能である。
また、上述の実施形態では、検知センサDが飛び石状に並んでいる場合であって、検知センサDに挟まれた非検知センサUの個数が一個である場合に、その非検知センサUを度外視している。しかし、センサ1の総数がより多ければ、検知センサDに挟まれた非検知センサUの個数が二個以上であっても、それらの非検知センサUを度外視して区間速度を算出することができる。
なお、上述の実施形態では、図4(A)〜(H)に示すように、検知センサDが三個である場合について詳述したが、検知センサDが四個以上である場合についても同様の制御を実施することができる。第一区間速度,第三区間速度は、検知センサDのうち少なくとも二個についての区間速度として算出可能である。また、第二区間速度は、第一区間速度とは異なる区間を対象とした区間速度として算出可能である。
1 センサ
2 制御装置
3 算出部
4 判定部
5 制御部
6 表示装置
2 制御装置
3 算出部
4 判定部
5 制御部
6 表示装置
Claims (4)
- 路側に列設され、検知範囲内における車両の存在を検知する三個以上のセンサと、
三個以上の前記センサが順行方向の下流側から上流側への順序で前記車両を検知した場合に、前記車両を検知した前記センサのうち、少なくとも二個についての検知時刻差及び距離に基づき、第一区間速度を算出する算出部と、
少なくとも前記第一区間速度に基づき、逆走車両の有無を判定する判定部と、
を備えたことを特徴とする、逆走警報システム。 - 前記算出部が、前記車両を検知した検知センサが隣接する区間において、前記第一区間速度を算出するとともに、前記車両を検知しなかった非検知センサのうち前記検知センサに挟まれた位置に存在する前記非検知センサが一個である場合に、当該非検知センサを無視して前記第一区間速度を算出する
ことを特徴とする、請求項1記載の逆走警報システム。 - 前記算出部が、前記車両を検知した前記センサのうち、前記二個の前記センサとは組み合わせが異なる二個の前記センサについての検知時刻差及び距離に基づき、第二区間速度を算出するとともに、
前記判定部が、前記第一区間速度と前記第二区間速度との差に基づき、前記逆走車両の有無を判定する
ことを特徴とする、請求項1または2記載の逆走警報システム。 - 前記算出部が、三個以上の前記センサが順行方向の上流側から下流側への順序で前記車両を検知した場合に、前記車両を検知した前記センサのうち、少なくとも二個についての検知時刻差及び距離に基づき、第三区間速度を算出するとともに、
前記判定部が、前記第三区間速度に基づき、前記逆走車両の有無を判定する
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の逆走警報システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016144545A JP2018014042A (ja) | 2016-07-22 | 2016-07-22 | 逆走警報システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016144545A JP2018014042A (ja) | 2016-07-22 | 2016-07-22 | 逆走警報システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018014042A true JP2018014042A (ja) | 2018-01-25 |
Family
ID=61019610
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016144545A Pending JP2018014042A (ja) | 2016-07-22 | 2016-07-22 | 逆走警報システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018014042A (ja) |
-
2016
- 2016-07-22 JP JP2016144545A patent/JP2018014042A/ja active Pending
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