JP2019082610A - 両面露光装置及び両面露光方法 - Google Patents

両面露光装置及び両面露光方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 一対のマスクのアライメントとともに基板に対するアライメントも要求される両面露光装置において、基板マークがカメラの視野から外れた状態で基板が停止してしまう問題を効果的に解決する。【解決手段】 搬送系1によりロールから引き出されて間欠的に送られた基板Wを挟んだ位置に配置された一対の第一第二のマスク3,4を通して、露光ユニット2が光を基板Wに照射することで露光する。露光に先立ち、第一のマスク3のアライメントマーク31、第二のマスク4のアライメントマーク41及び基板Wのアライメント用開口Wmをカメラ8が撮影し、その撮影データによりアライメント手段がアライメントをする。搬送系1が基板Wを停止させた際にカメラ8がアライメント用開口Wmを撮影していない場合に、基板Wの戻し又は送りを行ってカメラ8がアライメント用開口Wmを撮影した状態とする。【選択図】 図7

Description

本願の発明は、フレキシブルプリント基板等の製造用に使用されるロールツーロール方式のような両面露光装置に関するものである。
所定のパターンの光を対象物に照射して露光する露光装置は、フォトリソグラフィの中核的な要素技術として各種の用途に使用されている。露光装置には種々のタイプのものがあるが、その一つに、帯状の長尺な基板の両面に露光する両面露光装置が知られている。
例えば、フレキシブルプリント基板のような柔らかな基板を露光する装置の場合、ロールツーロールで基板を搬送しながら露光を行う構成が採用されている。基板の搬送ラインの両側(通常は上下)には、一対の露光ユニットが配置されている。装置はマスクを含んでおり、露光ユニットは両側から各マスクを通して所定のパターンの光を照射し、露光を行う。
ロールから引き出しての基板の搬送は間欠的であり、搬送後に停止した基板のうち、一対の露光ユニットの間に位置する部位の両面に対して所定のパターンの光が照射され、両面が同時に露光される。
このような両面露光装置も、露光装置の一種であるから、アライメント(位置合わせ)精度が問題となる。ロールツーロール方式の装置のような帯状の長尺な基板に対して露光する装置の場合、フォトリソグラフィ終了後に長さ方向の適宜の位置で切断し、最終的な製品を得る。切断位置を適宜選定することができるため、露光装置における長さ方向のアライメントは、従来はそれほど問題となっていなかった。その一方、一対のマスクは、互いの位置関係が高い精度で保たれている必要がある。即ち、一対のマスクの位置関係の精度が悪いと、最終的な製品において基板の一方の側のパターンと他方の側のパターンとがずれていることになり、製品欠陥につながり易いからである。このため、特許文献1や特許文献2のように、一対のマスクについて互いにアライメントを行い、形成されるパターンのずれがないようにしている。
従来の状況は上記のようなものであるものの、最近では、一対のマスクを互いにアライメントしただけでは不十分で、基板に対する位置合わせも十分に高い精度で行うことが要求されてきている。この一つの背景に、製品の高機能化に伴い、多層配線のような複雑な構造を有する場合が多くなってきていることが挙げられる。
一例を示すと、フレキシブルプリント基板において多層配線のような複雑な構造を造り込む場合、帯状の基板上に既にパターンが形成されており、その上にさらにレジストを塗布して露光を行う場合が多い。既存のパターンは、帯状の基板の長さ方向に沿って間をおいて多数形成されており、個々のパターンが形成されている部分が最終的に個々の製品となる。この場合、更なる露光においては、既に形成されているパターンに対して必要な位置精度で露光を行う必要があり、基板に対するアライメントが必要となる。
また、製品によっては、既にパターンが形成されている部分の上に別のフレキシブルな方形の基板をラミネートし、その別の基板(以下、上層基板という。)に対してパターンを形成するべく露光を行う場合がある。この場合も、上層基板は帯状の基板の長さ方向に沿って間をおいて多数ラミネートされているから、個々の上層基板に対してアライメントがされた状態で露光を行う必要がある。
このように基板に対するアライメントも要求される場合、一対のマスクを互いにアライメントした上で、その状態を保持しながら当該一対のマスクを基板に対してアライメントする必要がある。このため、特許文献2では、基板に設けられたアライメントマークを通して両側のマスクのアライメントマークをカメラで撮影する構成が採用されている。
特開2000−155430号公報 特開2006−278648号公報
上記のように、特許文献2には、一対のマスクの位置合わせに加えて基板に対するアライメントも要求される場合、それを達成する構成が提案されている。
しかしながら、発明者の研究によると、特許文献2で開示された構成のみでは各アライメントを必要な精度で行うことは実際には難しい。この理由の一つは、カメラの視野の問題である。
高い精度でアライメントを行うためには、各アライメントマークを撮影するカメラもそれなりの高解像度のものが必要である。高解像度のカメラについては、それほど大きな視野が望めないのが現状である。
この場合、発明者の研究によると、基板のアライメントマーク(以下、基板マークという。)と一対のマスクのアライメントマークとを重ねて合わせて撮影するべく、一対のマスクに対して基板を所定位置で停止させようとしても、基板マークの形成位置の精度や基板の送り機構の精度の関係で基板がずれて停止してしまい、基板マークがカメラの視野から外れてしまうことがある。特に、ロールツーロール方式の露光装置の場合、露光において必要とされる高いアライメント精度の割にはロール送りの機構の停止位置の精度は低く、基板マークがカメラの視野から外れた状態で停止し易い。
引用文献1や引用文献2は、基板マークがカメラの視野を外れてしまう点を何ら考慮しておらず、これら文献はこの問題を解決するためには参考にはならない。
この出願の発明は、上記の点を考慮して為されたものであり、一対のマスクのアライメントとともに基板に対するアライメントも要求される両面露光装置において、基板マークがカメラの視野から外れた状態で基板が停止してしまう問題を効果的に解決することを目的としている。
上記課題を解決するため、この出願の請求項1記載の発明は、ロールに巻かれたフレキシブルな基板を引き出して間欠的に送る搬送系と、
送られた基板を挟む位置に配置された一対の第一第二のマスクと、
搬送系が基板を停止させアライメントの後に基板に各マスクを通して光を照射して基板の両面を露光する露光ユニットと
を備えており、
基板は、露光すべき領域に対して所定の位置関係で設けられたアライメント用開口を有しており、
第一のマスクは、アライメント用のマークである第一マスクマークを有しており、
第二のマスクは、アライメント用のマークである第二マスクマークを有しており、
第一マスクマーク、第二マスクマーク及び基板のアライメント用開口を撮影することが可能なカメラが設けられており、
第一マスクマーク、第二マスクマーク及びアライメント用開口を撮影したカメラからの撮影データにより第一第二のマスクを基板の露光すべき領域に対して位置合わせするアライメント手段が設けられており、
搬送系が基板を停止させた際にカメラが基板のアライメント用開口を撮影していない場合に、搬送系を制御して基板の戻し又は送りを行ってカメラが基板のアライメント用開口を撮影した状態とする制御ユニットを備えているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記アライメント手段は、前記第一第二のマスクを基板に平行な方向に移動させるマスク移動機構を含んでいるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、前記請求項2の構成において、前記マスク移動機構は、基板の表面に平行な方向であって前記搬送系による送りの方向に垂直な方向に前記第一第二のマスクを移動させることができる機構であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請求項1乃至3いずれかの構成において、前記制御ユニットは、前記搬送系が基板を停止させた際に前記カメラが基板のアライメント用開口を撮影していない場合に、基板の戻しを最初に行って基板の位置を変更し、その位置でも前記カメラが基板のアライメント用開口を撮影していない場合に基板の送りを行うよう前記搬送系を制御するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、前記請求項1乃至4いずれかの構成において、前記搬送系が基板を停止させた際にカメラが基板のアライメント用開口を撮影していない場合の前記戻し又は送りのストロークは、前記カメラの視野の当該ストロークの方向の長さよりも短いという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項6記載の発明は、ロールに巻かれたフレキシブルな基板を搬送系により引き出して間欠的に送り、送られて停止した基板に対し、当該基板を挟んで配置された一対の第一第二のマスクを通して露光ユニットにより光を照射して当該基板の両面を露光する両面露光方法であって、
基板は、露光すべき領域に対して所定の位置関係で設けられたアライメント用開口を有しており、
第一のマスクは、アライメント用のマークである第一マスクマークを有しており、
第二のマスクは、アライメント用のマークである第二マスクマークを有しており、
露光に先立って、第一マスクマーク、第二マスクマーク及び基板のアライメント用開口をカメラで撮影しながら、得られた撮影データにより第一第二のマスクを基板の露光すべき領域に対して位置合わせするアライメントを行う方法であり、
アライメントの際、搬送系が基板を停止させた際にカメラが基板のアライメント用開口を撮影していない場合に、搬送系を制御して基板の戻し又は送りを行ってカメラが基板のアライメント用開口を撮影した状態とするという構成を有する。
以下に説明する通り、この出願の請求項1又は6記載の発明によれば、アライメントの際、カメラが基板のアライメント用開口を撮影していない場合に基板の戻し又は送りが行われてカメラがアライメント用開口を撮影した状態とするので、アライメント用開口の形成位置の精度が低かったり、基板の間欠送りの精度が低かったりした場合でも、アライメント不能になることがなく、装置の異常停止による生産性低下の問題が防止される。また、基板を移動させてアライメント用開口をカメラの視野に入れるので、大がかりで高価なマスク移動機構は不要であり、この点で極めて実用的である。
また、請求項2記載の発明によれば、上記効果に加え、搬送系によってアライメントを行うことが不要になるので、搬送系の構造が複雑化するのが避けられる。
また、請求項3記載の発明によれば、上記効果に加え、基板が蛇行したりアライメント用開口が基板の幅方向にずれて形成されていたりした場合にも簡便に対応できるので、好適となる。
また、請求項4記載の発明によれば、上記効果に加え、基板の戻しを最初に行って基板の位置を変更するので、アライメント用開口を探すための基板の戻し量を少なくでき、戻し量が大きい場合にも蛇行が抑えられる複雑で高価な機構が不要になる。
また、請求項5記載の発明によれば、上記効果に加え、戻し又は送りのストロークがカメラの視野の当該ストロークの方向の長さよりも短いので、アライメント用開口の中心がカメラの視野の境界線に位置してしまった場合でも、戻し又は送りの後は、アライメント用開口は半分より大きな量でカメラにより撮影される。このため、アライメント用開口が撮影されているかどうかの判断のミスの可能性が低下する。
実施形態の両面露光装置の正面断面概略図である。 アライメントにおいて必要になるアライメントマークについて示した斜視概略図である。 メインシーケンスプログラムのうち、アライメントに関連した部分を抜粋して概略的に示したフローチャートである。 開口有無判定プログラムによるアライメント開口有無の判定について示した平面概略図である。 開口検索プログラムの概略を示したフローチャートである。 開口検索プログラムによる基板の送り及び戻しについて示した平面概略図である。 開口検索プログラムにより基板のアライメント用開口が見つけ出される様子を例示的に示した斜視概略図である。 開口欠け判定プログラムによるアライメント用開口の欠け判定及び開口欠け解消プログラムによる欠けの解消について示した平面概略図である。 マーク隠れ判定プログラムによるマーク隠れ判定及び仮アライメントプログラムについて示した平面概略図である。 マーク欠け判定プログラム及びマーク欠け解消プログラムについて示した平面概略図である。 本アライメントプログラムによる本アライメントについて示した平面概略図である。 検索ストロークとアライメント用開口の長さとの関係を示した概略図である。
次に、本願発明を実施するための形態(以下、実施形態)について説明する。
図1は、実施形態の両面露光装置の正面断面概略図である。実施形態の装置は、ポリイミドのような柔らかなもので帯状の基板Wを露光する装置となっている。図1に示すように、両面露光装置は、搬送系1と、露光ユニット2とを備えている。
搬送系1は、ロールに巻かれたフレキシブルな基板Wを引き出して間欠的に送り出す機構である。「フレキシブルな」とは、ロールに巻くことができる程度の柔軟性を有するという意味であり、一例としてはフレキシブルプリント基板用の基板が挙げられる。
この実施形態では、搬送系1は、基板Wを水平に引き出して水平な姿勢で搬送する機構となっている。具体的には、搬送系1は、未露光の基板Wが巻かれた送り出し側芯ローラ11と、送り出し側芯ローラ11から基板Wを引き出す送り出し側ピンチローラ12と、露光後の基板Wが巻かれる巻き取り側芯ローラ13と、露光後の基板Wを引き出して巻き取り側芯ローラ13に巻き取られせる巻き取り側ピンチローラ14とを備えている。尚、搬送系1による基板Wの送り方向をX方向とし、これに垂直な水平方向をY方向とする。Y方向は基板Wの幅方向である。XY平面に垂直な方向をZ方向とする。
送り出し側ピンチローラ12と巻き取り側ピンチローラ14との間に、露光作業位置が設定されている。露光作業位置は、露光ユニット2により基板Wの両面に同時に露光を行う位置である。
図1に示すように、露光作業位置において基板Wを挟んで一対のマスク3,4が配置されている。以下、上側のマスク3を第一のマスク、下側のマスク4を第二のマスクと呼ぶ。各マスク3,4は、水平な姿勢である。
露光ユニット2もマスク1,2に対応して二つ設けられている。第一のマスク3を通して露光する露光ユニット2は、第一のマスク3の上側に設けられ、下方に光を照射して露光する。第二のマスク4を通して露光する露光ユニット2は、第二のマスク4の下側に設けられ、上方に光を照射して露光する。
二つの露光ユニット2は上下に対称な配置であり、構造的には同様である。即ち、各露光ユニット2は、光源21と、光源21からの光をマスク3,4に照射する光学系22等を備えている。後述するように、この実施形態の装置はコンタクト露光を行う装置となっており、各露光ユニット2は、各マスク3,4に平行光を照射するユニットとなっている。したがって、光学系22は、コリメータレンズを含む。
搬送系1は、露光作業位置の上流側と下流側においてバッファエリア101,102を含んでいる。搬送系1は、露光作業位置の上流側に配置された第一駆動ローラ15と、露光作業位置の下流側に配置された第二駆動ローラ16とを含んでいる。各駆動ローラ15,16は、ピンチローラである。
図1に示すように、送り出し側ピンチローラ12と、第一駆動ローラ15との間が送り出し側バッファエリア101となっている。また、第二駆動ローラ16と巻き取り側ピンチローラ14との間が巻き取り側バッファエリア102となっている。
第一駆動ローラ15と第二駆動ローラ16は、露光作業位置を通した基板Wの間欠送りを行う要素である。即ち、第一駆動ローラ15と第二駆動ローラ16とは同期して動作するローラであり、設定された所定のストロークで基板Wを送るよう構成されている。このストロークは、一回の間欠送りの際に基板Wが送られる距離であり、以下、送りストロークという。
一方、送り出し側芯ローラ11と送り出し側ピンチローラ12は、送り出し側バッファエリア101での基板Wの弛み量に応じて同期して駆動される。送り出し側バッファエリア101には不図示のセンサが配置されており、弛み量が少なくなると送り出し側芯ローラ11と送り出し側ピンチローラ12が同期して動作し、設定された最大値の弛み量になるまで基板Wを送り出す。
巻き取り側バッファエリア102も同様であり、不図示のセンサが配置されている。センサからの信号に従い、弛み量が限度まで多くなると、巻き取り側ピンチローラ14と巻き取り側芯ローラ13が同期して動作し、設定された最小値まで弛み量が減るように基板Wを巻き取る。
上述した搬送系1の間欠送りにおいて、送りストロークでの送りの後に基板Wの停止中に各露光ユニット2により基板Wの両面が露光されるが、これに先立ち、アライメントを行うアライメント手段が設けられている。アライメント手段やアライメントのための各部の構成に実施形態の両面露光装置の大きな特徴点が含まれている。以下、アライメントのための構成について説明する。
この実施形態において、アライメントは、最終的には、基板W上の露光すべき領域に対して一対のマスク3,4を位置合わせすることで行われる。したがって、図1に示すように、一対のマスク3,4はマスク移動機構5を備えており、マスク移動機構5はアライメント手段に含まれる。マスク移動機構5は、各マスク3,4をXY方向に移動させて位置を変更する機構である。マスク移動機構5は、第一のマスク3、第二のマスク4をそれぞれ独立して移動させることができるとともに、二つのマスク3,4を一体に移動させることができる機構である。この種の機構は容易に製作できるが、例えば第一のマスク3をXY方向に移動させる機構を第一のベース板に固定し、第二のマスク4をXY方向に移動させる機構を第二のベース板に固定し、さらに第一第二のベース板を一体にXY方向に移動させる機構を設けることで実現される。
尚、各マスク3,4には、不図示のZ方向移動機構が設けられている。Z方向移動機構は、コンタクト露光のため、各マスク3,4を基板Wに向けて移動させ、基板Wに密着させるための機構である。
図1に示すように、装置は、搬送系1や上記マスク移動機構5等を含む各部を制御するメインコントローラ6を備えている。メインコントローラ6には、装置の各部が所定の手順で動作するように制御するメインシーケンスプログラム7が実装されている。即ち、メインコントローラ6の記憶部60にはメインシーケンスプログラム7が記憶されており、メインコントローラ6のプロセッサ(不図示)により実行可能となっている。この他、メインコントローラ6はエラー表示等を行うディスプレイ61を備えている。
アライメントのためには、目印となるマークが必要である。図2は、アライメントにおいて必要になるアライメントマークについて示した斜視概略図である。図2に示すように、各マスク3,4にアライメントマーク31,41が形成されている。以下、第一のマスク3に設けられたアライメントマーク31を第一マスクマークと呼び、第二のマスク4に設けられたアライメントマーク41を第二マスクマークと呼ぶ。図2に示すように、この実施形態では、第一マスクマーク31は円周状、第二マスクマーク41は第一マスクマーク31より小さな円形の点である。
図2に示すように、アライメントのため基板WにもアライメントマークWmが形成されている。基板WのアライメントマークWmは、開口となっている。以下、アライメント用開口と呼ぶ。この実施形態では、アライメント用開口Wmは円形となっている。
前述したように、アライメントは、一対のマスクを互い位置合わせするとともに一対のマスクを基板に対して位置合わせする動作である。このためには、一対のマスクマークと基板のアライメントマークとが重なる状態を基準とし、この状態が理想的な状態(精度の基準)であるとしてアライメントを行うのが簡便である。「重なる状態」とは、図2に示すように、各マーク31,41,Wmの中心が一直線上(基板Wに垂直な一つの直線上)に位置する場合が典型的であるが、他の状態を精度の基準とする場合もある。
この実施形態では、アライメントを高精度に且つ容易に行えるようにするため、アライメント用開口Wmは、第一マスクマーク31よりも大きく且つ第二マスクマーク41よりも大きいものとなっている。即ち、アライメントがされた状態では、基板Wに垂直な方向から見た際、アライメント用開口Wm内に二つのマスクマーク31,41が視認される構成となっている。
図1に示すように、装置は、各アライメントマーク31,41,Wmを撮影するカメラ8を備えている。カメラ8はメインコントローラ6に接続されており、カメラ8の撮影データはメインコントローラ6に送られるようになっている。
図2に示すように、この実施形態では、第一マスクマーク31、第二マスクマーク41はそれぞれ四つ設けられている。これらに合わせて、カメラ8も四つ設けられている。第一マスクマーク31、第二マスクマーク41は、方形の角に相当する位置に設けられており、カメラ8も同様に方形の角に相当する位置に設けられている。
各カメラ8は、光軸(内蔵したレンズの光軸)Aが垂直になるように配置されており、下方を撮影する姿勢で取り付けられている。各カメラ8を据え付けた台座には、カメラ8のXY方向の位置を変更するためのカメラ移動機構81が設けられている。
第一マスクマーク31、第二マスクマーク41は、同一の寸法形状の方形の角に相当する位置に設けられている。この位置は設計情報として既知であり、四つのカメラ8は、水平方向において同様の位置関係になるように調整された状態で設けられる。但し、四つのカメラ8の光軸Aが各マスクマーク31,41の中心と同軸上になることは必須ではなく、各マスクマーク31,41が各カメラ8の視野の範囲に入っていれば良い。
基板Wのアライメント用開口Wmは、露光すべき領域(以下、目標露光領域という。)の位置を指し示す目印であり、目標露光領域に対して所定の位置関係で設けられている。目標露光領域とは、各マスク3,4のパターンを転写すべき領域であり、図2に破線で示す。アライメント用開口Wmは、目標露光領域Rの外側に形成されており、第一第二マスクマーク41と同一の寸法形状の方形の角に相当する位置に形成されている。
尚、目標露光領域Rは、1個の製品を産出する際に利用される基板Wの部位に相当している。したがって、図2に示すように、目標露光領域Rは、帯状の基板Wの長さ方向に沿って間をおいて多数設定されている。アライメント用開口Wmも、各目標露光領域Rに対して設計上は同一の位置関係で設けられている。尚、各目標露光領域Rのピッチは、前述した搬送系1による送りストローク(図2にLfで示す)に相当している。
アライメント手段は、上記のような装置に設けられた各ハードウェアと、メインコントローラ6に実装されたメインシーケンスプログラム7を含むソフトウェアとによって構成されている。以下、ソフトウェアの構成も含めて、アライメント手段について詳説する。まず、アライメント全体を概略的に説明する。図3は、メインシーケンスプログラム7のうち、アライメントに関連した部分を抜粋して概略的に示したフローチャートである。
アライメントは、搬送系1による基板Wの間欠送りが完了した後に行われる動作である。メインシーケンスプログラム7は、アライメントのため、大まかには、図3に示すように、全てのアライメント用開口Wmが撮影されているかどうか判定する開口有無判定ステップS1、全てのアライメント用開口Wmが欠けがない状態で視認されているかどうか判定する開口欠け判定ステップS2、全てのアライメント用開口Wmが欠けのない状態で視認されている場合に各マスクマーク31,41が基板Wで隠れていないかどうか判定するマーク隠れ判定ステップS3、各マスクマーク31,41の隠れがないと判定された場合にマスクマーク31,41が欠けて撮影されていないかどうか判定するマーク欠け判定ステップS4、全てのマスクマーク31,41に欠けがないと判定された場合に本アライメントを行う本アライメントステップS5を有している。
そして、メインコントローラ6には、メインシーケンスプログラム7から呼び出されて実行されるサブプログラムとして、開口有無判定プログラム71、開口検索プログラム72、開口欠け判定プログラム73、開口欠け解消プログラム74、マーク隠れ判定プログラム75、仮アライメントプログラム76、マーク欠け判定プログラム77、マーク欠け解消プログラム78、本アライメントプログラム79が実装されている。
開口有無判定ステップS1は、開口有無判定プログラム71を実行してその戻り値を取得するステップである。開口検索プログラム72は、少なくとも1個のアライメント用開口Wmがカメラ8の視野に無いと判定された場合に実行されるプログラムである。
開口欠け判定ステップS2は、開口欠け判定プログラム73を実行してその戻り値を取得するステップである。開口欠け解消プログラム74は、少なくとも1個のアライメント用開口Wmについて欠けがあると判定された場合に実行されるプログラムである。
マーク隠れ判定ステップS3は、マーク隠れ判定プログラム75を実行してその戻り値を取得するステップである。仮アライメントプログラム76は、少なくとも1個のカメラ8からの画像データにおいてマスクマークが基板Wに隠れていると判定された場合に実行されるプログラムである。
マーク判定ステップS4は、マーク欠け判定プログラム77を実行してその戻り値を取得するステップである。
本アライメントプログラム79は、全てのマスクマーク31,41が基板Wによって隠れておらず、アライメント可能と判断された場合に実行されるプログラムである。
次に、各ステップ、各サブプログラムの構成について順次説明する。まず、開口有無判定ステップS1、開口有無判定プログラム71について説明する。
図3に示すように、メインシーケンスプログラム7は、間欠送り完了後、開口有無判定プログラム71を実行する。開口有無判定プログラム71の戻り値は、全てのアライメント用開口Wmが撮影されている場合は正常値、そうでない場合は異常値が戻される。
図4は、開口有無判定プログラム71によるアライメント開口有無の判定について示した平面概略図である。図4において、四つのカメラ8の視野をV1〜V4で示す。図4(A)は、全てのアライメント用開口Wmがカメラ8の視野V1〜V4に入っており、正常値が戻される場合を示す。図4(B)は、例えば3個のアライメント用開口Wmがカメラ8の視野V3,V4から外れており、異常値が戻される場合を示す。
開口有無判定プログラム71は、各カメラ8からの画像データを処理し、パターンマッチングによりアライメント用開口Wmの像が含まれているかを判断するようプログラミングされている。この実施形態ではアライメント用開口Wmは円形であり、その径は設計情報として既知である。したがって、開口有無判定プログラム71は、明暗の境界線で円形と見なせるもののうち、アライメント用開口Wmであると判断できるもの探す。少なくとも一つの画像データについて、アライメント用開口Wmであると見なせるものがなければ異常値を返し、そうでなければ正常値を返す。
図3に示すように、メインシーケンスプログラム7は、開口有無判定プログラム71の戻り値が異常値であった場合、開口検索プログラム72を実行するようプログラミングされている。図5は、開口検索プログラム72の概略を示したフローチャートである。また、図6は開口検索プログラム72による基板Wの送り及び戻しについて示した平面概略図、図7は開口検索プログラム72により基板Wのアライメント用開口Wmが見つけ出される様子を例示的に示した斜視概略図である。
この装置の大きな特徴点は、アライメント用開口Wmが撮影されていない場合に、カメラ8ではなくて基板Wを移動させてアライメント用開口Wmをカメラ8の視野に入れる点である。即ち、開口検索プログラム72は、開口検索のための制御信号を搬送系1に出力するようプログラミングされている。この際、開口検索プログラム72は、搬送系1の特性を考慮し、最初に戻し信号(以下、開口検索用戻し信号)を出力し、それでもアライメント用開口Wmが全て撮影できない場合に送り信号(以下、開口検索用送り信号)を出力するようプログラミングされている。
より具体的に説明すると、図6において、一つのカメラ8の視野Vと、見つけ出すべき一つのアライメント用開口Wmが示されている。アライメント用開口Wmは、目標露光領域Rに対して所定の位置関係で設けられている。
図6には、開口検索用送り信号及び開口検索用戻し信号により基板Wに対して相対的に視野Vが変位する様子が描かれている。実際には基板Wが移動し、視野Vは移動しないが、理解のため、視野Vの相対的な変位が描かれている。
破線で囲まれた視野Vの中の数字は、相対的な視野Vの変位の順序を示している。相対的な視野Vの変位は、開口検索用送り信号又は開口検索用戻し信号によるものであるが、変位のストロークは同じである。以下、このストロークを検索ストロークと呼び、図6中にLsで示す。
図6に示すように、検索ストロークLsは、カメラ8の視野Vの長さ(X方向の長さ)Lcよりも少し短い。したがって、検索ストロークLsの長さだけ基板Wが移動した場合、移動後の視野Vは、元の視野Vと一部重なる(同じ領域をカメラ8が視認する)ことになる。
開口検索プログラム72は、アライメント用開口Wmが見つかるまで、図6に数字で示す優先順位で基板Wの移動(視野Vの相対的な変位)を行う。即ち、図6に示すように、開口検索プログラム72は、最初に検索ストロークLsの長さだけ基板Wを戻す検索用戻し信号を出力する。この結果、図6中に○付き数字1の矢印で示すように視野Vが変位する。基板Wの移動が完了するまでのタイムラグの後、開口有無判定プログラム71を呼び出して実行し、アライメント用開口Wmが視野Vに入ったかどうか判断する。視野Vに入っていれば、その時点でプログラムは終了であるが、入っていなければ、検索ストロークLsの長さだけ基板Wを戻す検索用戻し信号をもう一度出力する。この結果、図6に○付き数字2で示すように視野Vが変位する。同様にタイムラグの後に開口有無判定プログラム71を実行し、アライメント用開口Wmが撮影されれば終了し、撮影されなければ、検索ストロークLsの3倍の長さで基板Wを送るよう検索用送り信号を出力する。
これにより、図6中に○付き数字3の矢印で示すように視野Vが変位する。開口検索プログラム72は、タイムラグの後に開口有無判定プログラム71を実行し、アライメント用開口Wmが撮影されればそこで終了する。撮影されなければ、さらに検索ストロークLsの長さだけ基板Wを送るよう検索用送り信号を出力する。これにより、図6中に○付き数字4の矢印で示すように視野Vが変位する。開口検索プログラム72は、タイムラグの後に開口有無判定プログラム71を実行し、アライメント用開口Wmが撮影されれば終了し、ここでも撮影されなければ、異常値を戻り値にして終了する。即ち、アライメント用開口Wmが撮影された場合の戻り値は正常値であり、最後まで撮影されなかった場合の戻り値は異常値である。尚、図7には、搬送系1に制御信号を送ることで、(1)→(2)→(3)→(4)→(5)に示すように視野Vが相対的に変位し、最後の検索用戻し信号の出力によりアライメント用開口Wmがカメラ8で撮影される様子が一例として示されている。
図3に示すように、メインシーケンスプログラム7は、開口検索プログラム72からの戻り値を取得し、戻り値が異常値である場合、アライメント用開口Wmが見つからなかったことになるので、エラー処理を行い、プログラムを中止するようプログラミングされている。エラー処理は、アライメント用開口Wmが撮影できなかった旨をメインコントローラ6のディスプレイ61に表示する動作を含む。
図3に示すように、開口検索プログラム72の戻り値が正常値である場合又は最初の開口有無判定プログラム71の実行において正常値が戻された場合、メインシーケンスプログラム7は、開口欠け判定プログラム73を実行する。図8は、開口欠け判定プログラム73によるアライメント用開口Wmの欠け判定及び開口欠け解消プログラムによる欠けの解消について示した平面概略図である。
搬送系1による基板Wの間欠送りが完了した際又は開口検索プログラム72が正常に終了した際、アライメント用開口Wmは、完全にカメラ8の視野に入っている場合もあるが、一部が視野に入っておらず、欠けている場合がある。欠けている状態の一例が、図8(1)に示されている。開口欠け判定プログラム73は、各カメラ8からの画像データを処理し、全ての画像データにおいてアライメント用開口Wmが欠けのない状態で撮影されているかどうか判断する。欠けのない状態で撮影されていれば、正常値をメインシーケンスプログラム7に戻し、1個以上のカメラ8からの画像データについて欠けがあると判断されたら異常値を戻すよう、開口欠け判定プログラム73はプログラミングされている。
図3に示すように、メインシーケンスプログラム7は、開口欠け判定プログラム73から異常値が戻された場合(欠けがあると判定された場合)、開口欠け解消プログラム74を呼び出して実行する。開口欠け解消プログラム74は、各カメラ8からの画像データを処理し、欠けを解消させるのに必要な基板W又はカメラ8の移動量(向きと距離)を算出する。そして、算出された移動量を搬送系1及び又はカメラ移動機構81に送り、基板W及び又はカメラ8を移動させるよう開口欠け解消プログラム74はプログラミングされている。この際、X方向の移動については、基板Wを移動させても良くカメラ8を移動させても良いが、この実施形態では、基板Wを移動させるようになっている。また、Y方向については、カメラ8を移動させる。即ち、開口欠け解消プログラム74は、欠けの解消のためのX方向の移動量(向きと距離)を搬送系1に送り、Y方向の移動距離をカメラ移動機構81に送るようプログラミングされている。
いずれにしても、開口欠け解消プログラム74が実行されると、図8(2)に示すように、四つのアライメント用開口Wmが欠けが解消された状態で撮影されることになる。尚、通常、欠けの量は各画像データにおいて相違するので、四つのカメラ8からの画像データについて最もアライメント用開口Wmの欠けが最も大きくなっている画像データを特定し、その画像データにおいて欠けを解消させるための移動量を搬送系1及び又はカメラ移動機構81に送るようにする。
図3に示すように、メインシーケンスプログラム7は、開口欠け解消プログラム74を実行した後、マーク隠れ判定プログラム75を実行するようプログラミングされている。図9は、マーク隠れ判定プログラム75によるマーク隠れ判定及び仮アライメントプログラム76について示した平面概略図である。
開口欠け判定プログラム73で正常値が戻された場合又は開口欠け解消プログラム74が終了した状態では、各カメラ8においてアライメント用開口Wmが欠けのない状態で撮影されてはいるものの、一対のマスクマーク31,41が各アライメント用開口Wm内には位置しておらず、基板Wによって隠れてしまっている場合がある。図9(1)には、このような一対のマスクマーク31,41の隠れが生じた状況の一例が示されている。
マーク隠れ判定プログラム75は、各カメラ8からの画像データを処理し、一対のマスクマーク31,41の像が各アライメント用開口Wm内に存在しているかどうか判定するプログラムである。この実施形態では、第一マスクマーク31はアライメント用開口Wmより小さな円周、第二マスクマーク41は第二マスクマーク41より小さな円形の点であるから、パターンマッチングによりそれらが各アライメント用開口Wm内に存在するかどうか判定する。存在していれば正常値をメインシーケンスプログラム7に戻し、存在していなければ異常値を戻すよう、マーク隠れ判定プログラム75はプログラミングされている。
図3に示すように、メインシーケンスプログラム7は、マーク隠れ判定プログラム75から異常値が戻された場合、仮アライメントプログラム76を実行する。仮アライメントプログラム76は、前回の露光(一つ先の目標露光領域Rの露光)の際の一対のマスクマーク31,41の位置に従って仮のアライメントを行うプログラムである。
後述するように、本アライメントプログラム79は、本アライメントが完了した際、一対のマスクマーク31,41の中心位置(XY座標での位置)を記憶部60に記憶するステップを有している。仮アライメントプログラム76は、この情報を記憶部60から読み出して利用するプログラムである。具体的には、仮アライメントプログラム76は、この中心位置を記憶部60から読み出し、アライメント用開口Wmの中心とのずれを算出する。そして、このずれを補正して一対のマスクマーク31,41の中心がアライメント用開口Wmの中心に一致するための一対のマスク3,4の移動量(一体移動の量)を算出する。ここでも、移動量は、移動の向きと距離である。そして、仮アライメントプログラム76は、算出された移動量をマスク移動機構5に送り、一対のマスク3,4を一体に移動させる。即ち、仮アライメントプログラム76は、前回の露光の際のアライメントで最終的に位置させた位置に一対のマスク3,4が位置し続けていると想定して、その位置を基準としてマーク隠れを解消するための移動を一対のマスク3,4に行わせるのである。このようにして、図9(2)に示すように、マーク隠れが解消された状態となる。尚、後述するように一対のマスク3,4は、不図示のZ方向移動機構によりZ方向に移動して基板Wに密着し、露光終了後にZ方向逆向きに移動して基板Wから離れる。このZ方向移動の際、各マスク3,4はXY方向に多少変位することがあるが、XY方向でほぼ同じ位置が保持されるとして良い。
図3に示すように、メインシーケンスプログラム7は、仮アライメントプログラム76を実行した場合、マーク隠れ判定プログラム75をもう一度実行し、マーク隠れがないかどうか判定させる。そして、正常値が戻されることを確認したら、メインシーケンスプログラム7は、マーク欠け判定プログラム77ステップを行う。図10は、マーク欠け判定プログラム77及びマーク欠け解消プログラム78について示した平面概略図である。
マーク欠け判定プログラム77は、各マスクマーク31,41が完全にアライメント用開口Wmに入っているかどうか判定するステップである。同様に、パターンマッチングにより、各マスクマーク31,41の像がアライメント用開口Wm内に取得されるかどうかで判定するステップである。図10(1)に示すように、少なくとも一つのカメラ8からの画像データにおいて一対のマスクマーク31,41の欠けがあると判定された場合、マーク欠け判定プログラム77は異常値を返し、そうでなければ正常値を返す。
マーク欠け解消プログラム78は、マーク欠け判定プログラム77においてマーク欠けがあったとされた撮影データについて、マスクマークの欠けが解消されるのに要する移動量(向きと距離)を算出する。この実施形態では、第一マスクマーク31の方が大きいので、マーク欠け解消プログラム78は、第一マスクマーク31の一部であると判断される円弧を特定し、その円弧の中心を求める。そして、求めた中心が、アライメント用開口Wmの輪郭から半径(第一マスクマーク31の円弧の半径)以上の距離離れるために必要な最も短い移動量(距離と方向)を求める。そして、この移動量で一対のマスク3,4を移動させる制御信号をマスク移動機構5に送るようマーク欠け解消プログラム78はプログラミングされている。二つ以上のカメラ8からの画像データについてマーク欠けがある場合、マーク欠け解消プログラム78は、各画像データについて欠けを解消させるための移動量を各々算出し、それらの平均を求める。移動量は距離と向きであるので、平均の距離と平均の向きを求める。そして、算出した平均の移動量のマスク移動機構5に送る。
メインシーケンスプログラム7は、マーク欠け解消プログラム78を実行した場合、マーク欠け判定プログラム77をもう一度実行してマスクマークの欠けがないかどうか判定させ、正常値が戻ったことを確認したら、本アライメントプログラム79を実行する。図11は、本アライメントプログラム79による本アライメントについて示した平面概略図である。
本アライメントプログラム79は、本アライメント可能とされた状態において各カメラ8からの撮影データを処理する。本アライメントプログラム79は、まず、光軸A上の点を原点とする座標系において、第一マスクマーク31の中心と第二マスクマーク41の中心を求める。そして、第一マスクマーク31の中心と第二マスクマーク41の中心が必要な精度で一致しているかどうか判断し、一致していなければ、いずれか又は双方のマスクを移動させて一致させるようマスク移動機構5に信号を送る。通常は、前回の露光の際に両者を一致させているので、一致している。
第一マスクマーク31の中心と第二マスクマーク41の中心が必要な精度の範囲で一致しているのを確認した上で、本アライメントプログラム79は、それら中心の中間点を求める。そして、本アライメントプログラム79は、基板Wのアライメント用開口Wmの中心を求め、一対のマスクマーク31,41の中心の中間点とのずれを求め、そのずれを解消させるための各マスク3,4の移動の向きと距離を算出する。
アライメントプログラムは、上記のようなデータ処理を各カメラ8からの撮影データに対して行い、ずれを解消するための各マスク3,4の移動の向きと距離を算出する。その上で、各撮影データから得た移動の向きと距離について平均を求め、最終的な本アライメント用の各マスク3,4の移動指令とし、それをメインシーケンスプログラム7に返す。移動の向きと距離は、各々のベクトル(図11中に矢印で示す)として把握されるので、各ベクトルの向きについては合成し、長さは平均を取る。
メインシーケンスプログラム7は、戻り値である移動指令をマスク移動機構5に送り、一対のマスク3,4を一体に移動させ、各中心が必要な精度で一直線上に並ぶようにする。これで、本アライメントは終了である。尚、図3中不図示であるが、メインシーケンスプログラム7は、次の目標露光領域Rの露光の際のアライメントのために、本アライメント完了時点での各マスクマーク31,41の中心の座標を記憶部60に記憶する。
このようにして最終的に本アライメントプログラム79を実行することで、一対のマスク3,4が互いにアライメントされるとともに一対のマスク3,4が基板Wにアライメントされる。メインシーケンスプログラム7は、上記のように各判定ステップを行い、必要に応じて各サブプログラムを実行しながらアライメントを行うようプログラミングされている。
次に、上記構成に係る実施形態の両面露光装置の全体の動作について概略的に説明する。以下の説明は、両面露光方法の発明の実施形態の説明でもある。尚、両面露光方法の発明は、両面が露光された基板という物の製造方法の発明ということができる。
一対のマスク3,4は、Z方向において、基板Wから離れた待機位置に位置している。この位置は、各マスク3,4のアライメントが行われるXY平面が存在する位置である。
メインシーケンスプログラム7が実行されているメインコントローラ6からは、送りストロークLfの分だけ基板Wを送るよう搬送系1に制御信号が送られる。これにより、第一駆動ローラ15及び第二駆動ローラ16が同期して動作し、基板Wが送りストロークLfだけX方向前側(巻き取り側)に送られる。
送り完了の信号が搬送系1からメインコントローラ6に戻されると、メインシーケンスプログラム7は、上述した一連のアライメントの動作を行う。即ち、各カメラ8の視野内のアライメント用開口Wmの有無を判定して無ければ開口検索プログラム72を実行し、その上で開口欠けを判定する。そして、いずれかのアライメント用開口Wmが欠けていれば開口欠け解消プログラム74を実行し、その上でマーク隠れの有無を判定する。そして、いずれかの撮影データでマーク隠れがある場合、仮アライメントプログラム76を実行する。さらに、マスクマーク31,41が欠けて撮影されている場合、マーク欠け解消プログラム78を実行する。その上で、メインシーケンスプログラム7は、本アライメントプログラム79を実行する。これにより、アライメントが完了する。
その後、メインシーケンスプログラム7は、不図示のZ方向移動機構に制御信号を送って一対のマスク3,4をZ方向に移動させて各マスク3,4を基板Wに密着させる。この状態で、メインシーケンスプログラム7は各カメラ8からの撮影データを取得し、アライメントされた状態が維持されているか(各マーク31,41,Wmの中心が必要な精度で一致しているか)を判断する。維持されていれば、メインシーケンスプログラム7は、各露光ユニット2に制御信号を送り、露光を行わせる。
必要な露光量のための所定時間の露光の後、各露光ユニット2は光照射を停止する。その後、メインシーケンスプログラム7は、不図示のZ方向移動機構に制御信号を送り、一対のマスク3,4を基板Wから離間させ、当初の待機位置に戻す。
各マスク3,4が待機位置に戻ったのが確認されると、メインシーケンスプログラム7は、搬送系1に制御信号を送り、送りストロークLfの分だけ基板WをX方向前側に送らせる。その後は、上記と同じ動作であり、送りストロークLfの基板Wの間欠送りの合間にアライメントをした上で露光を行う動作を繰り返す。
動作が繰り返される際、送り出し側バッファエリア101の基板Wの弛み量が少なくなると送り出し側芯ローラ11及び送り出し側ピンチローラ12が同期して動作し、基板Wを送り出し側バッファエリア101に送り出す。また、巻き取り側バッファエリア102の基板Wの弛み量が多くなると、巻き取り側芯ローラ13及び巻き取り側ピンチローラ14が同期して動作し、巻き取り側芯ローラ13に基板Wを巻き取る。
このような構成及び動作に係る実施形態の両面露光装置によれば、間欠送り完了後のアライメントの際、カメラ8の視野内に基板Wのアライメント用開口Wmが入っているかを判定し、入っていなければ、基板Wを移動させてアライメント用開口Wmがカメラ8の視野に入るようにするので、アライメント用開口Wmが撮影できないことによるアライメントのエラー(アライメント不能)が防止される。このため、アライメント用開口Wmの形成位置の精度が低かったり、基板Wの間欠送りの精度が低かったりした場合でも、アライメント不能になることがなく、装置の異常停止による生産性低下の問題が防止される。
カメラ8の視野にアライメント用開口Wmが入っていない場合の対応としては、基板Wではなくカメラ8を移動させて視野にアライメント用開口Wmを入れる対応が考えられる。しかしながら、この構成はあまり実用的ではない。というのは、アライメントは、最終的には一対のマスクマーク31,41と基板Wのアライメント用開口Wmとを必要な精度で一致させる動作であり、その状態をカメラ8で確認する必要がある。したがって、カメラ8を移動させて視野の位置を変更した場合、一対のマスク3,4も移動させる必要がある。この場合、基板Wのアライメント用開口Wmがカメラ8の視野から外れる問題は、アライメント開口の形成位置のずれや基板Wの間欠送りの精度に起因するため、アライメント用開口Wmを視野に入れるための移動距離は比較的長い。一方、一対のマスク3,4を移動させるマスク移動機構5は、必要な精度でアライメントを行うための機構であり、誤差の小さい高精度の微細移動機構が採用される。この種の機構は、最長の移動距離が短く、したがってマスク移動機構5を使用してアライメント用開口Wmを視野に入れるようにすることは、非常に困難である。可能であるとしても、長い距離の移動が可能な微細移動機構が必要になり、非常に大がかりで高価な機構が必要になってしまう。実施形態の構成によれば、基板Wを移動させてアライメント用開口Wmをカメラ8の視野に入れるので、大がかりで高価なマスク移動機構5は不要であり、この点で極めて実用的である。
基板Wのアライメント用開口Wmを見つける際に最初に基板Wの戻し(間欠送りとは逆向きの移動)を行い、それでも見つからなければ送り(間欠送りと同じ向きの移動)を行う点は、間欠送りを行う搬送系1の特性との関係で好適な構成となっている。
ロールに巻かれた基板Wを引き出して間欠送りをする搬送系1を使用した両面露光装置では、基板Wの蛇行を極力少なくした送りを行うことが重要である。蛇行が生じると、基板Wの幅方向(Y方向)の位置ずれが生じ、それが大きくなるとアライメント不能になり易いからである。
この場合、搬送系1は、前側への送りの際には蛇行がないように高精度の送り機構やセンサを備えているものの、後ろ側への送り(戻し)については、蛇行がないようにする機構が簡略化されることが多い。これは、基板Wを戻す状況が少ないためである。即ち、後ろ側への送りの際にも同程度に蛇行を防止する機構を構成すると、機構が不必要に大がかりで高価なものになってしまうからである。
前述した開口検索の構成において、基板Wの移動はアライメント用開口Wmをカメラ8の視野に入れるためのものであるから、少なくとも前後にカメラ8の視野の長さ(送り方向の長さ)以上は移動させる必要がある。例えば、カメラ8の視野1個分の長さで前後に移動させるとする。この場合、最初に前側への視野1個分の長さの移動(送り)を行ってしまうと、そこでアライメント用開口Wmが見つからない場合、後ろ側に視野2個分の長さの移動(戻し)が必要になってしまう。これに対し、最初に後ろ側への移動(戻し)を行うと、そこでアライメント用開口Wmが見つからない場合、前側に視野2個分の長さの移動(送り)をさせることになる。
つまり、開口検索の際に最初に基板Wの戻しを行う構成は、基板Wの戻しの距離を極力少なくするという意義があり、開口検索の際に基板Wの蛇行の発生を極力抑えるという意義がある。言い換えれば、最初に基板Wの戻し行う構成は、長い距離で戻しを行う際にも蛇行が抑えられるような複雑で高価な機構を不要にするという意義がある。
また、前述したように、開口検索の構成において、検索ストロークはカメラ8の視野の長さよりも少し短く、検索ストロークの送りの前後で視野が重なる状態としている。この構成は、アライメント用開口Wmが見つかったと判定する際の精度を高くするのに貢献している。この点について、図12を参照して説明する。図12は、検索ストロークLsとアライメント用開口Wmの長さとの関係を示した概略図である。
仮に、間欠送りが完了した際、図12(A)に示すようにカメラ8の視野の境界線上にアライメント用開口Wmの中心が位置したとする。この場合、検索ストロークLsとカメラ8の視野の長さLcとが同じである場合、検索ストロークLsの移動を行って、図12(A)に破線で示すように視野が相対的に変位したとする。この場合、図12(A)から解るように、検索ストロークLsの移動の後もカメラ8に捉えられているアライメント用開口Wmの量(面積)は変わらない。つまり、アライメント用開口Wmの半分の像でアライメント用開口Wmの視野V内の有無を判断することになり、アライメント用開口Wmではないものを誤ってアライメント用開口Wmであると判定してしまうミスが生じ易い。
一方、実施形態のように、検索ストロークLsを視野の長さLcより短くしておくと、仮にアライメント用開口Wmの中心が視野Vの境界線に位置した場合でも、検索ストロークLsの送りの後には、図12(B)に破線で示すように、半分より大きな量でアライメント用開口Wmがカメラ8により視認される。このため、ミスの可能性は低下する。検索ストロークLsと視野Vの長さLcの差(図12(B)にdで示す)は、アライメント用開口Wmの移動方向の長さ(この例では直径)の5〜20%程度で良い。
尚、検索ストロークLsとアライメント用開口Wmの長さLcの差dをアライメント用開口Wmの長さの1/2以上とした場合、アライメント用開口Wmの中心が視野Vの境界線上に位置した場合でも検索ストロークLsの移動の後はアライメント用開口Wmは全て視野Vに入ることになる。この構成の場合、前述した開口欠けの判定や欠け解消プログラムを不要にすることもできる。但し、基板Wの幅方向でアライメント用開口Wmが欠けている場合には、カメラ8の移動による欠けの解消が必要である。
また、上記実施形態の構成において、基板Wのアライメント用開口Wmの欠けがある場合に欠けを解消した上でアライメントを行う点は、完全なアライメント用開口Wmを画像データに取り込んだ状態でアライメントを行うことになるので、アライメント精度をより高くする効果がある。
反対側のマスクマークが基板Wに隠れている場合にまず仮アライメントを行う構成は、マスクマークを探す手間が省力化され、アライメントに要する全体の時間を短くする効果がある。
さらに、マーク欠け判定を行い、欠けている場合には欠けを解消させた状態として本アライメントを行う構成は、一対のマスクマーク31,41の完全な像を取り込んだ上でアライメントを行うことになるので、この点でアライメント精度をより高くする効果がある。
上述した実施形態において、搬送系1はロールツーロールで基板Wを搬送するものであったが、送り出し側のみがロール式である構成が採用されることもあり得る。即ち、露光後の基板Wを所定の位置で切断してその後の処理を行うプロセスに本願発明の両面露光装置が採用されることもあり得る。
尚、搬送系1としては、基板Wの送り方向が上下方向の場合もある。この場合は、垂直な姿勢の基板Wの両面にマスクを通して露光を行うことになり、左右に露光ユニット2が配置される。
また、上記実施形態において、アライメント用開口Wmは円形であったが、これは単なる一例であり、方形や三角形等の他の形状であっても良い。また、基板Wの側縁から切り欠いた形状のように完全な周状の縁を成すものでなくとも良い。
さらに「開口」とは、光を通すという意味で開口ということである。これは、基板Wが遮光性であることを想定しており、レジストが塗布された場合がその典型例である。光を通すという意味で開口であることから、貫通孔でなく光透過性の部材で塞がれている場合であっても良い。つまり、光を遮断する層がそこで開いているという程度の意味である。
第一マスクマーク31、第二マスクマーク41についても、円周状や円形以外の形状が採用されることがある。例えば、一方が円形で他方が十字状でも良い。尚、第一マスクマーク31が第二マスクマーク41の内側に入り込んだ状態でアライメントがされる場合もある。
さらに、カメラ8に対して基板Wよりも近い側のマスクマークは基板Wに遮られることはないので、アライメント用開口Wmより大きくても良い。但し、基板Wとマスクとのコントラストが小さい場合には画像データの処理が難しくなる問題がある。アライメント用開口内に一対のマスクマークが位置した状態でアライメントがされる構成では、基板Wとマスクマークとのコントラストが問題となることはなく、この点で好適である。
尚、上記実施形態において、マスク移動機構5は必ずしも必須ではない。基板Wが蛇行なく送られ、アライメント用開口WmのY方向の位置のずれが特にないのであれば、アライメントの際にY方向に移動することは不要であり、X方向の移動だけで足りる。この場合、基板WをX方向に移動させてアライメントを行うこともでき、この場合には、マスク移動機構5は不要であり、アライメント手段は機構的には搬送系1のみによって構成されることになる。
但し、マスク移動機構があれば、基板Wの蛇行やアライメント用開口WmがY方向にずれて形成されている場合にも対応で、この点で好適である。また、マスク移動機構がX方向にも一対のマスク3,4を移動できるものであれば、X方向でのアライメントの際に搬送系でなくマスク移動機構を使用できる。搬送系1は基板Wの間欠送りのための機構であり、X方向のアライメントも行わせようとすると構造的に複雑になり易い。マスク移動機構でX方向のアライメントをすると、搬送系1の構造が複雑化するのが避けられる。
上記実施形態の装置は、コンタクト方式で露光を行うものであったが、上記アライメントの構成は、プロキシミティ方式や投影方式の露光であっても同様に効果を発揮するので、それらの方式が採用されることもあり得る。
尚、プロキシミティ方式や投影露光方式の場合、一対のマスクを基板に密着させることは不要であるので、マスクをZ方向に移動させる機構が設けられない場合もある。
また、メインコントローラ6は制御ユニットの一例であるが、他の構成もあり得る。例えば、メインコントローラ6とは別に制御ユニットが設けられていたり、メインコントローラ6内の一部が制御ユニットに相当していたりする場合もある。
1 搬送系
2 露光ユニット
21 光源
22 光学系
3 第一のマスク
31 第一マスクマーク
4 第二のマスク
41 第二マスクマーク
5 マスク移動機構
6 メインコントローラ
61 記憶部
7 メインシーケンスプログラム
71 開口有無判定プログラム
72 開口検索プログラム
73 開口欠け判定プログラム
74 開口欠け解消プログラム
75 マーク隠れ判定プログラム
76 仮アライメントプログラム
77 マーク欠け判定プログラム
78 マーク欠け解消プログラム
79 本アライメントプログラム
8 カメラ
81 カメラ移動機構
W 基板
Wm アライメント用開口
V 視野

Claims (6)

  1. ロールに巻かれたフレキシブルな基板を引き出して間欠的に送る搬送系と、
    送られた基板を挟む位置に配置された一対の第一第二のマスクと、
    搬送系が基板を停止させアライメントの後に基板に各マスクを通して光を照射して基板の両面を露光する露光ユニットと
    を備えており、
    基板は、露光すべき領域に対して所定の位置関係で設けられたアライメント用開口を有しており、
    第一のマスクは、アライメント用のマークである第一マスクマークを有しており、
    第二のマスクは、アライメント用のマークである第二マスクマークを有しており、
    第一マスクマーク、第二マスクマーク及び基板のアライメント用開口を撮影することが可能なカメラが設けられており、
    第一マスクマーク、第二マスクマーク及びアライメント用開口を撮影したカメラからの撮影データにより第一第二のマスクを基板の露光すべき領域に対して位置合わせするアライメント手段が設けられており、
    搬送系が基板を停止させた際にカメラが基板のアライメント用開口を撮影していない場合に、搬送系を制御して基板の戻し又は送りを行ってカメラが基板のアライメント用開口を撮影した状態とする制御ユニットを備えていることを特徴とする両面露光装置。
  2. 前記アライメント手段は、前記第一第二のマスクを基板に平行な方向に移動させるマスク移動機構を含んでいることを特徴とする請求項1記載の両面露光装置。
  3. 前記マスク移動機構は、基板の表面に平行な方向であって前記搬送系による送りの方向に垂直な方向に前記第一第二のマスクを移動させることができる機構であることを特徴とする請求項2記載の両面露光装置。
  4. 前記制御ユニットは、前記搬送系が基板を停止させた際に前記カメラが基板のアライメント用開口を撮影していない場合に、基板の戻しを最初に行って基板の位置を変更し、その位置でも前記カメラが基板のアライメント用開口を撮影していない場合に基板の送りを行うよう前記搬送系を制御するものであることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の両面露光装置。
  5. 前記搬送系が基板を停止させた際にカメラが基板のアライメント用開口を撮影していない場合の前記戻し又は送りのストロークは、前記カメラの視野の当該ストロークの方向の長さよりも短いことを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の両面露光装置。
  6. ロールに巻かれたフレキシブルな基板を搬送系により引き出して間欠的に送り、送られて停止した基板に対し、当該基板を挟んで配置された一対の第一第二のマスクを通して露光ユニットにより光を照射して当該基板の両面を露光する両面露光方法であって、
    基板は、露光すべき領域に対して所定の位置関係で設けられたアライメント用開口を有しており、
    第一のマスクは、アライメント用のマークである第一マスクマークを有しており、
    第二のマスクは、アライメント用のマークである第二マスクマークを有しており、
    露光に先立って、第一マスクマーク、第二マスクマーク及び基板のアライメント用開口をカメラで撮影しながら、得られた撮影データにより第一第二のマスクを基板の露光すべき領域に対して位置合わせするアライメントを行う方法であり、
    アライメントの際、搬送系が基板を停止させた際にカメラが基板のアライメント用開口を撮影していない場合に、搬送系を制御して基板の戻し又は送りを行ってカメラが基板のアライメント用開口を撮影した状態とすることを特徴とする両面露光方法。
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