JP2019081880A - 表面処理方法、表面処理液、及び表面処理された物品 - Google Patents

表面処理方法、表面処理液、及び表面処理された物品 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリイミドを表面に含む被処理体を、安全な操作によって良好に親水化又は疎水化できる表面処理方法と、当該表面処理方法において好適に使用され得る2液型の表面処理液と、前述の表面処理方法によって得ることができる表面処理されたポリイミド製品とを提供すること。【解決手段】ポリイミドを表面に含む被処理体の表面に、第一級アミノ基、及び/又は水酸基と、第二級アミノ基とを有する第1樹脂を結合させた後に、第1樹脂に対して、(メタ)アクリロイル基、及び/又はカルバモイル基と、親水性基、及び/又疎水性基とを有する第2樹脂を結合させる。【選択図】なし

Description

本発明は、表面処理方法、表面処理液、及び表面処理された物品に関する。
従来より、様々な用途に応じて表面処理された種々の物品が用いられている。このような表面処理としては、親水化、又は疎水化についてのニーズが非常に大きい。
また、耐熱性、耐化学薬品性、機械特性等に優れることから、ポリイミド樹脂、又はポリイミド樹脂組成物からなる種々の成形品、フィルム、多孔質膜、繊維等が様々な用途に用いられている。
ポリイミド樹脂の親水化については、例えば、オゾン雰囲気においてポリアミド酸を加熱して閉環させることにより、親水化されたポリイミド樹脂を製造する方法が提案されている(特許文献1を参照。)。
特開2005−213310号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、可燃物であるポリアミック酸をオゾン雰囲気下で200℃以上の高温に加熱するため、オゾン濃度の制御や、温度制御に不具合が生じた場合に、火災や爆発が発生するおそれがある点で問題がある。また、特許文献1に記載の方法では、オゾンの人体に対する毒性が高い点でも問題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであって、ポリイミドを表面に含む被処理体を、安全な操作によって良好に親水化又は疎水化できる表面処理方法と、当該表面処理方法において好適に使用され得る2液型の表面処理液と、前述の表面処理方法によって得ることができる表面処理されたポリイミド製品とを提供することを目的とする。
本発明者らは、ポリイミドを表面に含む被処理体の表面に、第一級アミノ基、及び/又は水酸基と、第二級アミノ基とを有する第1樹脂を結合させた後に、第1樹脂に対して、(メタ)アクリロイル基、及び/又はカルバモイル基と、親水性基、及び/又疎水性基とを有する第2樹脂を結合させることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より詳細には、本発明は以下のものを提供する。
本発明の第1の態様は、ポリイミドを表面に含む被処理体を親水化又は疎水化する表面処理方法であって、
第1樹脂を、被処理体のポリイミドからなる表面に共有結合させることと、
第1樹脂に、第2樹脂を共有結合させることと、を含み、
第1樹脂が、第一級アミノ基、及び/又は水酸基と、第二級アミノ基とを有し、
第2樹脂が、(メタ)アクリロイル基、及び/又はカルバモイル基と、親水性基、及び/又疎水性基とを有する、表面処理方法である。
本発明の第2の態様は、第1の態様にかかる表面処理方法において表面処理に用いられ、第1液と、第2液とからなる2液型の表面処理液であって、
第1液が、第1樹脂を含み、
第2液が、第2樹脂を含む、表面処理液である。
本発明の第3の態様は、その表面上に第1樹脂に由来する層と、第2樹脂とに由来する層とをこの順で備えるポリイミド製品であって、
ポリイミド製品の表面と、第1樹脂に由来する層とが共有結合しており、
第1樹脂に由来する層と、第2樹脂に由来する層とが共有結合しており、
第1樹脂が、第一級アミノ基、及び/又は水酸基と、第二級アミノ基とを有し、
第2樹脂が、(メタ)アクリロイル基、及び/又はカルバモイル基と、親水性基、及び/又疎水性基とを有する、ポリイミド製品である。
本発明によれば、ポリイミドを表面に含む被処理体を、安全な操作によって良好に親水化又は疎水化できる表面処理方法と、当該表面処理方法において好適に使用され得る2液型の表面処理液と、前述の表面処理方法によって得ることができる表面処理されたポリイミド製品とを提供することができる。
実施例1における、未処理のポリイミドフィルムと、表面処理されたポリイミドフィルムとについての、窒素原子(N)に関するXPS測定結果を表するグラフを示す図である。 実施例1における、未処理のポリイミドフィルムと、表面処理されたポリイミドフィルムとについての、硫黄原子(S)に関するXPS測定結果を表するグラフを示す図である。
≪表面処理方法≫
表面処理方法は、ポリイミドを表面に含む被処理体を親水化又は疎水化する方法である。
かかる表面処理方法は、第1樹脂を、被処理体のポリイミドからなる表面に共有結合させることと、
第1樹脂に、第2樹脂を共有結合させることと、を含む。
第1樹脂は、第一級アミノ基、及び/又は水酸基と、第二級アミノ基とを有する樹脂である。また、第2樹脂は、(メタ)アクリロイル基、及び/又はカルバモイル基と、親水性基、及び/又疎水性基とを有する樹脂である。
かかる表面処理方法によって、ポリイミドを表面に含む被処理体のポリイミドからなる表面に、第1樹脂に由来する層と、第2樹脂に由来する層とをこの順で備える、ポリイミド製品が得られる。かかるポリイミド製品では、親水性基、及び/又は疎水性基を有する第2樹脂に由来する層が、第1樹脂層を介して、共有結合によって強固に結合しているため、親水化又は疎水化の効果が良好であるとともに、経時的に低下しにくい。
<被処理体>
被処理体としては、ポリイミドを表面に含む種々の物品が用いられる。被処理体の表面は、その全面がポリイミドからなってもよく、その少なくとも一部がポリイミドからなってもよい。
なお、本出願の明細書及び特許請求の範囲において、主鎖にイミド結合を含む樹脂を「ポリイミド」として定義する。つまり、「ポリイミド」は、各構成単位を繋ぐ結合として、主鎖中にイミド結合のみを含む典型的なポリイミドには特に限定されない。ポリエステルイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド等も、本出願の明細書及び特許請求の範囲における「ポリイミド」に包含される。
被処理体の表面に、ポリイミド以外の他の材料が含まれる場合、当該他の材料は特に限定されない。当該、他の材料は、有機材料であっても、金属やガラス等の無機材料であってもよい。
ポリイミド以外の他の材質としては、有機材料である樹脂が好ましい。樹脂としては、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスチレン、セルロース、及びフッ素樹脂からなる群より選択される1種以上を含む材料が好ましい。
被処理体の形状は特に限定されない。被処理体は平坦な基板であってもよく、例えば、球状や、柱状等の立体形状であってもよい。また、被処理体の表面は、平滑であっても、規則的又は不規則な凹凸を有していてもよい。平滑な表面を有する被処理体としては、例えば、ポリイミドフィルや、ポリイミドシート等が挙げられる。
後述するように、比表面積が大きい点等から、被処理体としては、それぞれポリイミド樹脂からなる、粉体、ビーズ、ペレット等の粒子、チューブ、単繊維、撚糸等の複合繊維、及び多孔質材料等が好ましく、ポリイミド樹脂からなる多孔質材料がより好ましい。
ポリイミドからなる多孔質材料は、以下説明する表面処理方法により親水化、又は疎水化されることにより、水や親水性の液体をろ過するフィルターや、疎水性の有機溶剤をろ過するフィルター等の用途に好適に用いられる。
被処理体が多孔質材料からなる場合、多孔質材料としては、例えば、スポンジのように多数の空孔を含む通気性の材料や、厚さ方向に貫通する多数の貫通孔を備えるフィルム又はシートや、多数の繊維が絡み合ったフェルト状の材料や、織布及び不織布等の布帛が挙げられる。
被処理体としては、表面積が大きく且つ取り扱いが容易であることから、多孔質材料からなる膜であるのが好ましい。
被処理体が多孔質材料からなる膜である場合、当該膜の膜厚は特に限定されない。多孔質材料からなる膜の膜厚は、例えば、1μm以上100μm以下が好ましく、5μm以上60μm以下がより好ましく、10μm以上50μm以下が特に好ましい。
多孔質材料からなる膜は、材質に応じた周知の方法によって製造され得る。例えば、ポリイミドからなる多孔質フィルムは、例えば、国際公開2016/020101号公報や、国際公開2016/027825号公報に記載の方法により製造することができる。
<第1樹脂>
表面処理方法において、まず、以上説明した被処理体のポリイミドからなる表面に、第1樹脂を共有結合させる。
第1樹脂としては、第一級アミノ基、及び/又は水酸基と、第二級アミノ基とを有する樹脂が用いられる。
ポリイミドに含まれる、ポリイミド分子はその末端に酸無水物基を有する。第1樹脂が有する第一級アミノ基や水酸基は、酸無水物基と反応する。具体的には、酸無水物基と第一級アミノ基とが反応すると、カルボキシ基とアミド結合とが生成する。また、酸無水物基と水酸基とが反応すると、カルボキシ基とエステル結合とが生成する。
このため、第1樹脂を被処理体の表面に接触させることによって、第1樹脂が被処理体の表面に共有結合する。
第1樹脂を被処理体の表面に接触させる方法は特に限定されない。典型的には、第1樹脂は、第1樹脂を含む第1液として用いられる。第1液を、被処理体の表面に塗布することにより、第1樹脂を被処理体の表面に接触させることができる。
第1樹脂は、第一級アミノ基、及び/又は水酸基と、第二級アミノ基とを有する樹脂であれば特に限定されない。
樹脂の例としては、(メタ)アクリル樹脂、ノボラック樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びシリコーン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の中では、官能基の導入や、官能基を有する単位の含有比率の調整が容易である事から(メタ)アクリル樹脂が好ましい。
(メタ)アクリル樹脂において、第一級アミノ基を有する構成単位としては、例えば、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル(メタ)アクリレート、4−アミノブチル(メタ)アクリレート、5−アミノペンチル(メタ)アクリレート、6−アミノヘキシル(メタ)アクリレート、N−(2−アミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−アミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(4−アミノブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(5−ペンチル)(メタ)アクリルアミド、及びN−(6−ヘキシル)(メタ)アクリルアミド等の、アミノアルキル(メタ)アクリレートやN−アミノアルキル(メタ)アクリルアミドに由来する構成単位が好ましい。
(メタ)アクリル樹脂において、水酸基を有する構成単位としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(5−ヒドロキシペンチル)(メタ)アクリルアミド、及びN−(6−ヒドロキシヘキシル)(メタ)アクリルアミド等の、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートやN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドに由来する構成単位が好ましい。
また、4−ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシスチレン、及び2−ヒドロキシスチレン等のヒドロキシスチレン類に由来する構成単も、水酸基を有する構成単位として好ましい。
(メタ)アクリル樹脂において、第二級アミノ基を有する構成単位としては、例えば、N−メチル(2−アミノエチル)(メタ)アクリレート、N−エチル(2−アミノエチル)(メタ)アクリレート、N−メチル(3−アミノプロピル)(メタ)アクリレート、N−エチル(3−アミノプロピル)(メタ)アクリレート、N−メチル(4−アミノブチル)(メタ)アクリレート、N−エチル(4−アミノブチル)(メタ)アクリレート、N−[2−(メチルアミノ)エチル](メタ)アクリレート、N−[2−(エチルアミノ)エチル](メタ)アクリレート、N−[3−(メチルアミノ)プロピル](メタ)アクリレート、N−[3−(エチルアミノ)プロピル](メタ)アクリレート、及びN−[4−(メチルアミノ)ブチル](メタ)アクリレート、及びN−[4−(エチルアミノ)ブチル](メタ)アクリレート等の、N−アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートやN−アルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドに由来する構成単位が好ましい。
(メタ)アクリル樹脂は、水酸基と、第二級アミノ基とを有する構成単位を有していてもよい。かかる構成単位としては、例えば、N−[2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル](メタ)アクリレート、N−[3−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]プロピル](メタ)アクリレート、N−[4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]ブチル](メタ)アクリレート、N−[2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル](メタ)アクリルアミド、N−[3−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]プロピル](メタ)アクリルアミド、及びN−[4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]ブチル](メタ)アクリルアミド等の、ヒドロキシアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートや、N−ヒドロキシアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドに由来する構成単位が好ましい。
(メタ)アクリル樹脂は、第一級アミノ基と、第二級アミノ基とを有する構成単位を有していてもよい。かかる構成単位としては、例えば、N−[2−[(2−アミノエチル)アミノ]エチル](メタ)アクリレート、N−[3−[(2−アミノエチル)アミノ]プロピル](メタ)アクリレート、N−[4−[(2−アミノエチル)アミノ]ブチル](メタ)アクリレート、N−[2−[(2−アミノエチル)アミノ]エチル](メタ)アクリルアミド、N−[3−[(2−アミノエチル)アミノ]プロピル](メタ)アクリルアミド、及びN−[4−[(2−アミノエチル)アミノ]ブチル](メタ)アクリルアミド等の、アミノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートやN−アミノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドに由来する構成単位が好ましい。
(メタ)アクリル樹脂は、上記の他、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ペンチル(メタ)アクリルアミド、N−イソペンチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルキル(メタ)アクリルアミド;N−フェニル(メタ)アクリルアミド等のN−アリール(メタ)アクリルアミド;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−n−ペンチル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド;スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン類のような単量体に由来する構成単位を含んでいてもよい。
第1樹脂が、(メタ)アクリル樹脂である場合、(メタ)アクリル樹脂中の、第一級アミノ基及び/又は水酸基を有する構成単位の比率は、樹脂を構成する全構成単位に対し、1モル%以上99モル%以下が好ましく、5モル%以上95モル%以下がより好ましく、10モル%以上90モル%以下がさらにより好ましく、30モル%以上70モル%以上が特に好ましい。
また、第1樹脂が、(メタ)アクリル樹脂である場合、(メタ)アクリル樹脂中の、第二級アミノ基を有する構成単位の比率は、1モル%以上99モル%以下が好ましく、5モル%以上95モル%以下がより好ましく、10モル%以上90モル%以下がさらにより好ましく、30モル%以上70モル%以上が特に好ましい。
なお、第1樹脂が、(メタ)アクリル樹脂であって(メタ)アクリル樹脂が、第一級アミノ基及び/又は水酸基と、第二級アミノ基とを含む構成単位を有する場合、(メタ)アクリル樹脂中の、第一級アミノ基及び/又は水酸基と、第二級アミノ基とを含む構成単位の比率は、樹脂を構成する全構成単位に対し、2モル%以上100モル%以下が好ましく、5モル%以上100モル%以下がより好ましく、10モル%以上100モル%以下がさらにより好ましく、30モル%以上100モル%以下が特に好ましく、50モル%以上100モル%以下が最も好ましい。
また、水や有機溶剤等に易溶である点や、被処理体の表面、及び第2樹脂との反応性が良好であること等から、以下のような部分構造を有するポリマーであるポリエチレンイミンも、第1樹脂として好ましい。ポリエチレンイミンとしては、分岐鎖状のポリエチレンイミン、及び直鎖状のポリエチレンイミンのいずれも用いることができる。
Figure 2019081880
以上説明した第1樹脂は、通常、溶媒に溶解させた状態で第1液として表面処理に使用される。かかる第1液を被処理体の表面に塗布して、第1樹脂を被処理体の表面に接触させることにより、第1樹脂を被処理体の表面に共有結合させることができる。
第1液は、後述する第2樹脂を含む第2液とともに、2液型の表面処理液として、ポリイミドを表面に含む被処理体における、ポリイミドからなる表面の表面処理に好適に用いられる。
第1液に含まれる溶媒は、第1樹脂と、ポリイミドとの間の共有結合を形成させる反応を過度に阻害しない溶媒であれば特に限定されない。溶媒は、水であっても、有機溶剤であっても、有機溶剤の水溶液であってもよい。
以上説明した第1樹脂を、溶媒中に所望する濃度で溶解させることにより、第1液が調製される。
第1液中の、第1樹脂の濃度は特に限定されない。被処理体の表面への塗布性が良好である点等から、第1液中の、第1樹脂の濃度は、典型的には、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上20質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上10質量%以下が特に好ましい。
第1液は、本発明の目的を阻害しない範囲で、種々の添加剤を含んでいてもよい。かかる添加剤の例としては、熱重合禁止剤、光重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、消泡剤、及び粘度調整剤等が挙げられる。
以上説明した第1液が被処理体の表面に塗布される。第1液の塗布方法は特に限定されない。塗布方法の具体例としては、スピンコート法、スプレー法、ローラーコート法、浸漬法等が挙げられる。被処理体が基板、シート、フィルム等である場合、被処理体の表面に、第1液を均一にむらなく塗布しやすいことから、塗布方法としてスピンコート法が好ましい。
被処理体が、粉体、ビーズ、ペレット等の粒子、チューブ、単繊維、撚糸等の複合繊維、及び多孔質材料等である場合、表面に、第1液を均一に塗布しやすい点から、第1液を塗布する方法としては浸漬が好ましい。
なお、第1液が張り込まれた槽への被処理体の浸漬に変えて、流動する第1液に被処理体をさらして、被処理体の表面に第1液を付着させてもよい。
被処理体上の第1液が塗布された箇所に対して、リンスを行ってもよい。被処理体のポリイミドからなる表面に第1液を塗布することにより、第1樹脂がポリイミドからなる表面に共有結合する。
しかし、被処理体の表面には、当該表面に結合していない第1樹脂もある程度の量存在する。被処理体の表面に結合していない第1樹脂と、後述する第2樹脂とが結合してしまうと、第1樹脂と結合した第2樹脂が被処理体の表面から容易に剥離する場合がある。
対して、リンスにより、被処理体の表面から、被処理他の表面に結合していない第1樹脂を洗い流すと、第2樹脂が、被処理体の表面に結合した第1樹脂と効率良く結合するため、被処理体の表面に結合していない第1樹脂と結合した第2樹脂の剥離による、表面処理効果の低下が生じにくい。
また、リンスは、第1樹脂に由来する層を薄くできる点でも好ましい。
以上のようにして、被処理体の表面に第1樹脂に由来する層が形成される。第1樹脂に由来する層は、少なくとも、被処理体との接触面において被処理体のポリイミドからなる表面と共有結合していればよく、第1樹脂に由来する層の略全体が、被処理体のポリイミドからなる表面と共有結合している必要はない。
第1樹脂に由来する層の厚さは、第1樹脂に由来する層が、被処理体のポリイミドからなる表面と共有結合している限り特に限定されない。第1樹脂に由来する層の厚さは、例えば、0.1nm以上100nm以下が好ましく、0.1nm以上20nm以下がより好ましく、0.1nm以上10nm以下が特に好ましい。
<第2樹脂>
前述のように形成される第1樹脂に由来する層上に、(メタ)アクリロイル基、及び/又はカルバモイル基と、親水性基、及び/又疎水性基とを有する第2樹脂に由来する層を形成する。
その際、(メタ)アクリロイル基、及び/又はカルバモイル基と、第1樹脂が有する第二級アミノ基との間で反応が生じ、第1樹脂に由来する層と、第2樹脂に由来する層との間に共有結合が形成される。
その結果、親水性基、及び/又疎水性基を有する第2樹脂に由来する層が、第1樹脂に由来する層を介して、被処理体のポリイミドからなる表面に強固に結合し、良好な親水化効果又は疎水化効果が得られる。
第2樹脂は、(メタ)アクリロイル基、及び/又はカルバモイル基と、親水性基、及び/又疎水性基とを有する樹脂であれば特に限定されない。
樹脂の例としては、(メタ)アクリル樹脂、ノボラック樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びシリコーン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の中では、官能基の導入や、官能基を有する単位の含有比率の調整が容易である事から(メタ)アクリル樹脂が好ましい。
親水性基の具体例としては、ポリオキシアルキレン基(例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、オキシエチレン基とオキシプロピレン基がブロック又はランダム結合したポリオキシアルキレン基等)、アミノ基、カルボキシ基、水酸基、スルホン酸基等があげられる。また、これらの基を含む有機基も親水性基として好ましい。
これらの親水性基の中では、親水化の効果に優れることから、スルホン酸基やスルホン酸基を含む有機基のようなスルホン酸基含有基が好ましい。第2樹脂が、親水性基、特にスルホン酸基を有する場合、被処理体を親水化できるだけでなく、被処理体に陽イオン交換能を付与することができる。
さらに、アニオン部と、第2樹脂に結合するカチオン部とからなるカチオン性基も親水性基として好ましい。カチオン性基を構成するカチオン部としては、含窒素カチオン部、含イオウカチオン部、含ヨウ素カチオン部、及び含リンカチオン部等が挙げられる。
アニオン部を構成するアニオンとしては特に限定されない。アニオンの価数は特に限定されず、1価アニオン又は2価アニオンが好ましく、1価アニオンがより好ましい。
アニオン部としての1価アニオンの好適な例としては、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、硝酸イオン、種々の有機カルボン酸又は有機スルホン酸に由来する有機酸イオン等が挙げられる。これらの中では、ハロゲン化物イオンが好ましく、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、フッ化物イオンがより好ましく、塩化物イオン、及び臭化物イオンがさらにより好ましく、塩化物イオンが特に好ましい。
カチオン性基の好ましい例としては、4級アンモニウム塩基を含む基、含窒素芳香族複素環基の塩を含む基、スルホニウム塩基を含む基、ヨードニウム塩基を含む基、ホスホニウム塩基を含む基等が挙げられる。
これらのカチオン性基の中では、第2樹脂への導入が容易であることや、親水化の効果が高いこと等から、4級アンモニウム塩基を含む基が好ましい。
カチオン性基としての4級アンモニウム塩基としては、下記式(A−I):
−R4a−N1a2a3a・X・・・(A−I)
(式(A−I)中、R1a、R2a、及びR3aは、それぞれ独立にNに結合する炭素原子数1以上4以下のアルキル基であり、R1a、R2a、及びR3aのうちの2つは互いに結合して環を形成してもよく、R4aは炭素原子数1以上4以下のアルキレン基であり、Xは1価のアニオンである。)
で表される基が好ましい。
1a、R2a、及びR3aとしての炭素原子数1以上4以下のアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、直鎖状であるのが好ましい。R1a、R2a、及びR3aの好適な具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、及びn−ブチル基が挙げられる。
4aとしての炭素原子数1以上4以下のアルキレン基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、直鎖状であるのが好ましい。R4aの好適な具体例としては、メチレン基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、及びブタン−1,4−ジイル基が挙げられる。
の好適な例は、前述のアニオン部を構成するアニオンの好適な例と同様である。
処理液の親水化効果が優れる点で、親水性基としては、下記式(A1):
−NH−R・・・(A1)
(式(A1)中、Rは、アミノ基、スルホン酸基、及び水酸基からなる群より選択される1以上の基で置換された炭素原子数1〜4のアルキル基、前述の式(A−I)で表される4級アンモニウム塩基、又は水素原子である。)
で表される基が好ましい。
式(A1)で表される親水性基の具体例としては、アミノ基と、下記式で表されるRを有する基と、が挙げられる。
Figure 2019081880
Figure 2019081880
Figure 2019081880
Figure 2019081880
上記の式(A1)で表される親水性基の具体例のうち、より好ましい基としては、下記式で表されるRを有する基が挙げられる。
Figure 2019081880
上記の式(A1)で表される親水性基の具体例のうち、特に好ましい基としては、下記式で表されるRを有する基が挙げられる。
Figure 2019081880
疎水性基の具体例としては、例えば、フッ素化炭化水素基、シリル基、シロキサン基、炭素原子数6以上20以下のアルキル基、及び炭素原子数10以上20以下の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
疎水性基がフッ素化炭化水素基である場合、当該フッ素化炭化水素基の主骨格を構成する炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、又は環状の脂肪族基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
直鎖状、分岐鎖状、又は環状の脂肪族基の炭素原子数は1以上20以下が好ましく、1以上12以下がより好ましい。
直鎖状、又は分岐鎖状の脂肪族基の好適な例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
環状の脂肪族基の好適な例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、及びシクロオクチル基等のシクロアルキル基や、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、及びテトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基や、これらのポリシクロアルカンのC1−C4アルキル置換体から1個の水素原子を除いた基が挙げられる。
芳香族炭化水素基の好適な例としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナントレニル基、及びビフェニリル基等が挙げられる。芳香族炭化水素基は、メチル基、エチル基等のC1−C4アルキル基で置換されていてもよい。
フッ素化炭化水素基は、炭化水素基が有する水素原子の全てがフッ素原子で置換された基でもよい。フッ素化炭化水素基の具体例としては、−CF、−CFCF、−(CFCF、−(CFCF、−(CFCF、−(CFCF、−(CFCF、−(CFCF、−(CFCF、−(CFCF、−CHCF、−CHCFCF、−CH(CFCF、−CH(CFCF、−CH(CFCF、−CH(CFCF、−CH(CFCF、−CH(CFCF、−CH(CFCF、−CHCHCF、−CHCHCFCF、−CHCH(CFCF、−CHCH(CFCF、−CHCH(CFCF、−CHCH(CFCF、−CHCH(CFCF、−CHCH(CFCF、及び−CH(CF等の鎖状フッ素化アルキル基;ペンタフルオロフェニル基、o−トリフルオロメチルフェニル基、m−トリフルオロメチルフェニル基、p−トリフルオロメチルフェニル基等のフッ素化芳香族炭化水素基;オクタフルオロアダマンチル基等のフッ素化脂環式基が挙げられる。
シリル基の好適な例としては、下記式(A2):
−SiR5a6a−(−O−SiR5a6a−)−R7a・・・(A2)
で表される基であり、R5a、R6a、及びR7aは、それぞれ独立に炭素原子数1以上6以下の炭化水素基であり、nは0以上の整数である。)
5a、R6a、及びR7aは、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、又はフェニル基であるのが好ましく、R5a、R6a、及びR7aが全てメチル基であるのがより好ましい。
式(A2)中、nの上限は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。nは、0以上35以下の整数であるのが好ましく、0以上10以下の整数であるのがより好ましい。
シリル基の好適な具体例としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、及びトリフェニルシリル基等が挙げられる。
シロキサン基の好適な例としては、上記式(A2)で表され、nが1以上である基が挙げられる。
第2樹脂としては、種々の官能基を導入しやすく、官能基量の調整が容易である事から、不飽和結合を有する単量体の重合体であるのが好ましい。かかる重合体は、ホモポリマーであっても、コポリマーであってもよい。
この場合、第2樹脂が有する親水性基又は疎水性基は、下式(A3):
CH=CR−(R−CO−R・・・(A3)
(式(A2)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは2価の炭化水素基であり、aは0又は1であり、Rは、水素原子、−O−R、又は−NH−Rであり、Rは、水素原子、親水性基、疎水性基、親水性基を含有する炭化水素基、又は疎水性気を含有する炭化水素基である。)
で表される単量体に由来する基であるのが好ましい。
上記式(A3)中、Rは2価の炭化水素基である。2価の炭化水素基の炭素原子数は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。第2樹脂の入手や調製が容易である事から、Rとしての2価の炭化水素基の炭素原子数は、1以上20以下が好ましく、1以上12以下がより好ましく、1以上10以下が特に好ましく、1以上6以下が最も好ましい。
としての2価の炭化水素基は、脂肪族基でも、芳香族基でも、脂肪族部分と芳香族部分とを含む炭化水素基であってもよい。2価の炭化水素基が、脂肪族基である場合、当該脂肪族基は、飽和脂肪族基でも不飽和脂肪族基でもよい。また、当該脂肪族基の構造は、直鎖状でも、分岐鎖状でも、環状でも、これらの構造の組み合わせであってもよい。
の好適な具体例としては、メチレン基、エタン−1,2−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、n−ブタン−1,4−ジイル基、n−ペンタン−1,5−ジイル基、n−ヘキサン−1,6−ジイル基、n−ヘプタン−1,7−ジイル基、n−オクタン−1,8−ジイル基、n−ノナン−1,9−ジイル基、n−デカン−1,10−ジイル基、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−2,7−ジイル基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ビフェニル−4,4’−ジイル基等が挙げられる。
は、−O−R、又は−NH−Rであり、Rは、水素原子、親水性基、疎水性基、親水性基を含有する炭化水素基、又は疎水性気を含有する炭化水素基である。
の基の主骨格を構成する炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、又は環状の脂肪族基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
直鎖状、分岐鎖状、又は環状の脂肪族基の炭素原子数は1以上20以下が好ましく、1以上12以下がより好ましい。
直鎖状、又は分岐鎖状の脂肪族基の好適な例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
環状の脂肪族基の好適な例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、及びシクロオクチル基等のシクロアルキル基や、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、及びテトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基や、これらのポリシクロアルカンのC1−C4アルキル置換体から1個の水素原子を除いた基が挙げられる。
芳香族炭化水素基の好適な例としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナントレニル基、及びビフェニリル基等が挙げられる。芳香族炭化水素基は、メチル基、エチル基等のC1−C4アルキル基で置換されていてもよい。
式(A3)で表される単量体に由来する構成単位のうち、疎水性基を有する構成単位の好適な例としては、以下のa3−1〜a3−22の単位が挙げられる。
Figure 2019081880
式(A3)で表される単量体に由来する構成単位のうち、親水性基を有する構成単位の好適な例としては、以下のa3−23〜a3−34の単位が挙げられる。下記式中Rは、水素原子、又はメチル基である。
Figure 2019081880
また、第2樹脂は、第1樹脂との間に共有結合を形成するための反応性基として、(メタ)アクリロイル基、及び/又はカルバモイル基を有する。第2樹脂に、(メタ)アクリロイル基、及び/又はカルバモイル基を導入させる方法は特に限定されない。
第2樹脂が不飽和結合を有する単量体の重合体である場合、第2樹脂に(メタ)アクリロイル基を導入する方法としては、例えば、水酸基を有する構成単位、又は第一級アミノ基を有する構成単位に、(メタ)アクリロイルクロリド等の(メタ)アクリル酸ハライドを反応させる方法が挙げられる。
水酸基を有する構成単位、又は第一級アミノ基を有する構成単位の好ましい例としては、例えば、上記のa3−24、a3−26、a3−27、a3−30、a3−32、及びa3−33で表される構成単位が挙げられる。
また、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する単量体に由来する構成単位中のエポキシ基と、(メタ)アクリル酸とを反応させても、第2樹脂に(メタ)アクリロイル基を導入させることができる。
第2樹脂が不飽和結合を有する単量体の重合体である場合、第2樹脂にカルバモイル基を導入する方法としては、典型的には、(メタ)アクリルアミドを単量体として用いて、第2樹脂に、上記a3−23で表される構成単位を導入する方法が好ましい。
第2樹脂が不飽和結合を有する単量体の重合体である場合、かかる重合体は、本発明の目的を阻害しない範囲で、前述の式(A3)で表される単量体に由来する構成単位、及び(メタ)アクリロイル基、及び/又はカルバモイル基を有する構成単位以外のその他の構成単位を含んでいてもよい。
その他の構成単位としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸フェニル、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ペンチル(メタ)アクリルアミド、N−イソペンチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−n−ペンチル(メタ)アクリルアミド、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、及びクロルスチレン等の単量体に由来する構成単位が挙げられる。
第2樹脂が不飽和結合を有する単量体の重合体である場合、重合体中の、(メタ)アクリロイル基、及び/又はカルバモイル基を有する構成単位の含有量は、重合体を構成する全構成単位に対し、1モル%以上99モル%以下が好ましく、1モル%以上50モル%以下がより好ましく、1モル%以上25モル%以下が特に好ましい。
第2樹脂が不飽和結合を有する単量体の重合体である場合、重合体中の、親水性基又は疎水性基を有する構成単位の含有量は、重合体を構成する全構成単位に対し、10モル%以上99モル%以下が好ましく、20モル%以上95モル%以下がより好ましく、20モル%以上90モル%以下が特に好ましい。
なお、親水性基又は疎水性基を有する構成単位は、第1樹脂に由来する層が有する第二級アミノ基と反応して共有結合を形成し得る構成単位でもある場合がある。
以上説明した第2樹脂は、第1樹脂と同様に、通常、溶媒に溶解させた状態で第2液として表面処理に使用される。かかる第2液を、ポリイミドからなる表面に第1樹脂が結合した被処理体の表面に塗布して、第2樹脂を被処理体上の第1樹脂に由来する層に接触させることにより、第1樹脂に由来する層と、第2樹脂に由来する層とを共有結合させることができる。
前述の通り、前述の第1液と、第2樹脂を含む第2液とは、両者を組み合わせて2液型の表面処理液として、ポリイミドを表面に含む被処理体における、ポリイミドからなる表面の表面処理に好適に用いられる。
第2液に含まれる溶媒は、第2樹脂と、第1樹脂に由来する層との間の共有結合を形成させる反応を過度に阻害しない溶媒であれば特に限定されない。溶媒は、水であっても、有機溶剤であっても、有機溶剤の水溶液であってもよい。
以上説明した第2樹脂を、溶媒中に所望する濃度で溶解させることにより、第2液が調製される。
第2液中の、第2樹脂の濃度は特に限定されない。被処理体の表面への塗布性が良好である点等から、第2液中の、第2樹脂の濃度は、典型的には、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上20質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上10質量%以下が特に好ましい。
第2液は、第1液と同様に、本発明の目的を阻害しない範囲で、種々の添加剤を含んでいてもよい。かかる添加剤の例としては、熱重合禁止剤、光重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、消泡剤、及び粘度調整剤等が挙げられる。
以上説明した第2液が、被処理体の表面に設けられた第1樹脂に由来する層上に塗布される。第2液の塗布方法は特に限定されず、第1液の塗布方法と同様である。
被処理体上の第2樹脂に由来する層が形成された箇所に対して、リンスを行ってもよい。第1樹脂に由来する層上に第2液を塗布することにより、第2樹脂が第1樹脂に由来する層に共有結合する。
しかし、第2樹脂に由来する層の中には、第1樹脂に由来する層に結合していない第2樹脂もある程度の量存在する。この場合、第1樹脂に由来する層に結合していない第2樹脂が、被処理体の表面から容易に剥離する場合がある。
そこで、第2樹脂に由来する層を形成した後に、第2樹脂に由来する層を水や有機溶剤等によりリンスすることにより、第1樹脂に由来する層に結合していない第2樹脂を洗い流すことができる。そうすると、被処理体の表面から第2樹脂が脱離しにくいため、表面処理されたポリイミド製品の表面の親水性や疎水性が経時的に変化しにくい。
また、リンスは、第2樹脂に由来する層を薄くできる点でも好ましい。
以上のようにして、第2樹脂に由来する層が、第1樹脂に由来する層上に形成される。第2樹脂に由来する層は、少なくとも、第1樹脂に由来する層との接触面において第1樹脂と共有結合していればよく、第2樹脂に由来する層の略全体が、第1樹脂と共有結合している必要はない。
第2樹脂に由来する層の厚さは、第2樹脂に由来する層が、被処理体のポリイミドからなる表面と共有結合している限り特に限定されない。第2樹脂に由来する層の厚さは、例えば、0.1nm以上100nm以下が好ましく、0.1nm以上20nm以下がより好ましく、0.1nm以上10nm以下が特に好ましい。
以上説明した方法によればポリイミドを表面に含む被処理体を、安全な操作によって良好に親水化又は疎水化できる。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
被処理体として、多孔質ポリイミドフィルムを用いた。ポリイミドフィルム上に、分岐鎖状ポリエチレンイミンを水中に濃度1質量%で含む第1液をディップコートにより塗布した後に純水でリンスし、ポリイミドフィルムの表面に厚さ2nmのポリエチレンイミン層を形成した。
ポリイミドフィルム上のポリエチレンイミン層の表面に、下記の構成単位からなる第2樹脂を、水10質量%とIPA(イソプロピルアルコ−ル)90質量%との混合溶媒中に濃度1質量%で含む第2液をディップコートにより塗布した後に純水でリンスして、厚さ2nmの第2樹脂に由来する層を形成した。
なお、下記式において、括弧の右下の数字は、樹脂中の全構成単位に対する各構成単位の含有量(モル%)を表す。
Figure 2019081880
〔比較例1〕
被処理体として、多孔質ポリイミドフィルムを用いた。ポリイミドフィルム上に、ポリエチレンイミン処理を行わず、実施例1で用いた第2樹脂を、水10質量%とIPA(イソプロピルアルコ−ル)90質量%との混合溶媒中に濃度1質量%で含む第2液をポリイミドフィルムにディップコートにより塗布した後に純水でリンスして、厚さ2nmの第2樹脂に由来する層を形成した。
実施例1、及び比較例1で得た表面処理された直後の多孔質ポリイミドフィルムと、表面処理後にスチールウール#0000を用いて250g荷重50往復の擦傷試験が行われた後の多孔質ポリイミドフィルムとについて、以下の方法に従って、接触角評価と、耐薬品性評価とを行った。これらの評価結果を表1に記す。
<接触角評価>
Dropmaster700(協和界面科学株式会社製)を用いシリコンウエハーの表面処理された表面に純水液滴(2.0μL)を滴下して、滴下10秒後における接触角として、水の接触角を測定した。
<耐薬品性>
水、又はイソプロピルアルコール(IPA)にシリコンウエハーを72時間室温で浸漬した後の水の接触角を測定した。
Figure 2019081880
表1より、実施例1では、処理直後の多孔質ポリイミドフィルムと、擦傷試験後の多孔質ポリイミドフィルムとで、水の接触角と、水又はIPAへの浸漬後の水の接触角とに変化がないこと分かる。
これらの結果から、実施例で得た多孔質ポリイミドフィルムには、スチールウールによる摩擦によって容易に剥離しない、多孔質ポリイミドフィルムの表面に強固に結合した、第1樹脂に由来する層と第2樹脂に由来する層とからなる安定な層が形成されていることが分かる。
他方で、表1中の比較例によれば、プライマー層を形成することなく、第2樹脂に由来する層を設ける場合、擦傷試験後の多孔質ポリイミドフィルムの水の接触角が、処理直後の多孔質ポリイミドフィルムの水の接触角よりも著しく上昇することが分かる。
また、比較例1で得た多孔質ポリイミドフィルムでは、擦傷試験前の水、又はIPAへの浸漬であれば、第2樹脂による親水化の効果が維持される場合があるが、擦傷試験後に水、又はIPAに浸漬すると、多孔質ポリイミドフィルム表面の水の接触角が顕著に高まった。つまり、比較例1で得た多孔質ポリイミドフィルムに形成された、第2樹脂からなる層は、スチールウールによる摩擦により容易に剥離することが分かる。
また、多孔質ポリイミドフィルム表面での共有結合の形成を確認するため、未処理又は表面処理されたポリイミドフィルムの表面に対して、窒素原子(N)及び硫黄原子(S)に関するX線光電子分光分析(XPS分析)を行った。
なお、多孔質フィルムを試料として用いる場合、正確なXPS分析が困難である。このため、測定用試料としては、多項質ポリイミドフィルムと同様の材質からなり、無孔且つ平坦なポリイミドフィルムを用いた。
具体的には、表面処理されていない無孔且つ平坦なポリイミドフィルムと、実施例1に記載の方法によりポリエチレンイミン層を積層されたポリイミドフィルムと、実施例1に記載の方法によりポリエチレンイミン層と、第2樹脂に由来する層とがこの順で積層されたポリイミドフィルムとに、XPS分析を行った。
図1に、窒素原子(N)に関するXPS測定結果を表すグラフを示す。図2に、硫黄原子(S)に関するXPS測定結果を表すグラフを示す。
図1及び図2において、1)の系列は未処理のポリイミドフィルムのXPS測定結果を表し、2)の系列はポリエチレンイミン層を備えるポリイミドフィルムのXPS測定結果を表し、3)の系列はポリエチレンイミン層と、第2樹脂に由来する層とを備えるポリイミドフィルムのXPS測定結果を表す。
図1及び図2に示されるXPS測定データのグラフにおいて、横軸の値は光電子の結合強度(eV)であり、縦軸の値は放出光電子強度である。
図1から、系列1)、系列2)、系列3)の順にC−N結合に由来する399eV付近のピークのピークトップの値が順に低下していることが分かる。また、図1から、アンモニウム塩由来の401eV付近の放出光電子強度が、系列1)、系列2)、系列3)の順に高まることが分かる。アンモニウム塩は、ポリエチレンイミンが有するアミノ基に由来するアンモニウム塩基と、第2樹脂が有するスルホン酸基がアミン類を吸着することにより生成したスルホン酸アンモニウム塩とに由来する。
これらの結果から、ポリイミドフィルムの表面に、ポリエチレンイミンと、第2樹脂とが、この順で共有結合を形成しつつ結合していることが分かる。
また、硫黄原子(S)に関するXPS測定結果を表す図2では、系列3)においてのみピークの存在が認められる。このことから、ポリエチレンイミン層と、第2樹脂に由来する層とを備える多孔質ポリイミドフィルムにおいて、再表層がスルホン酸基を有する第2樹脂によって修飾されていることが分かる。
以上のXPS測定結果によれば、多孔質ポリイミドフィルムと、無孔且つ平坦なポリイミドフィルムとで、表面の反応性が相違しないのだから、実施例1で得られた表面処理された多孔質ポリイミドフィルムの表面に、ポリエチレンイミンと、第2樹脂とが、この順で共有結合を形成しつつ結合していることが分かる。
〔実施例2〕
実施例1で作製した表面処理多孔質ポリイミドフィルムをPFAフィルターホルダー(Advantec社製)に取り付けた後、純水500mLを通液させ、多孔質ポリイミドフィルムを洗浄した。
次いで、金属標準液を添加していないOK73シンナー(東京応化工業株式会社製)200mLを、表面処理された多孔質ポリイミドフィルムに通液させて、フィルムを溶剤に馴染ませた。
その後に試験液を、表面処理された超高分子量ポリエチレンフィルターに通液させ、流れはじめの200mLを廃棄した後に金属イオン濃度測定用のサンプルを採取した。
試験液としては、金属標準液XSTC−622B(SPEX社製)が、各金属元素について濃度50質量ppbになるように添加されたOK73シンナー(東京応化工業株式会社製)を用いた。
採取された金属イオン濃度測定用のサンプルを用いて、誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)により、サンプル中の金属イオン量C(質量ppb)を測定した。
得られた金属イオン量Cの値を用いて、下記式:
金属イオン除去率(%)=100−C(質量ppb)/50(質量ppb)×100
に従って、表2に記載の各金属イオンについて金属イオン除去率(%)を算出した。
金属イオン除去率を、表2に記す。
Figure 2019081880
表2から分かるように、実施例1で用いたスルホン酸基を有する構成単位を含む第2樹脂を用いて、多孔質ポリイミドフィルムの表面を処理する場合、多孔質ポリイミドフィルムに、陽イオン交換能が付与される。なお、実施例1で得た表面処理多孔質ポリイミドフィルムでは、前述の通り、第2樹脂からなる層が、第1樹脂からなる層を介して、多孔質ポリイミドフィルムの表面に強固に結合している。
〔実施例3〕
分岐鎖状ポリエチレンイミンを、直鎖ポリエチレンイミンに変えることと、第2樹脂を下記の構成単位からなる樹脂に変えることとの他は、実施例1と同様にして表面処理多孔質ポリイミドフィルムを得た。
なお、下記式において、括弧の右下の数字は、樹脂中の全構成単位に対する各構成単位の含有量(モル%)を表す。
Figure 2019081880
測定対象イオン種を、Mgイオン、Alイオン、Tiイオン、Crイオン、Feイオン、Asイオン、Zrイオン、Snイオン、Baイオン、Csイオン、及びUイオンに変えることの他は、実施例2と同様にして、得られた表面処理多孔質ポリイミドフィルムを用いる金属イオン除去率の測定試験を行った。試験結果を、表3に記す。
Figure 2019081880
表3から分かるように、実施例3で用いた親水性基を有する構成単位を含む第2樹脂を用いて、多孔質ポリイミドフィルムの表面を処理する場合、多孔質ポリイミドフィルムに、陽イオン交換能が付与される。

Claims (16)

  1. ポリイミドを表面に含む被処理体を親水化又は疎水化する表面処理方法であって、
    第1樹脂を、前記被処理体の前記ポリイミドからなる表面に共有結合させることと、
    前記第1樹脂に、第2樹脂を共有結合させることと、を含み、
    前記第1樹脂が、第一級アミノ基、及び/又は水酸基と、第二級アミノ基とを有し、
    前記第2樹脂が、(メタ)アクリロイル基、及び/又はカルバモイル基と、親水性基、及び/又疎水性基とを有する、表面処理方法。
  2. 前記第1樹脂がポリエチレンイミンである、請求項1に記載の表面処理方法。
  3. 前記被処理体が、ポリイミド樹脂からなる多孔質材料である、請求項1又は2に記載の表面処理方法。
  4. 前記ポリイミド製品が、前記多孔質材料からなる膜である、請求項3に記載の表面処理方法。
  5. 前記第2樹脂が、前記親水性基を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の表面処理方法。
  6. 前記第2樹脂が、前記親水性基として、スルホン酸基含有基を含む、請求項5に記載の表面処理方法。
  7. 請求項1に記載の表面処理方法において前記表面処理に用いられ、第1液と、第2液とからなる2液型の表面処理液であって、
    前記第1液が、前記第1樹脂を含み、
    前記第2液が、前記第2樹脂を含む、表面処理液。
  8. 前記第1樹脂がポリエチレンイミンである、請求項7に記載の表面処理液。
  9. 前記第2樹脂が、前記親水性基を有する請求項7又は8に記載の表面処理液。
  10. 前記第2樹脂が、前記親水性基として、スルホン酸基含有基を含む、請求項9に記載の表面処理液。
  11. その表面上に第1樹脂に由来する層と、第2樹脂とに由来する層とをこの順で備えるポリイミド製品であって、
    前記ポリイミド製品の表面と、前記第1樹脂に由来する層とが共有結合しており、
    前記第1樹脂に由来する層と、前記第2樹脂に由来する層とが共有結合しており、
    前記第1樹脂が、第一級アミノ基、及び/又は水酸基と、第二級アミノ基とを有し、
    前記第2樹脂が、(メタ)アクリロイル基、及び/又はカルバモイル基と、親水性基、及び/又疎水性基とを有する、ポリイミド製品。
  12. 前記第1樹脂がポリエチレンイミンである、請求項11に記載のポリイミド製品。
  13. 前記ポリイミド製品が、ポリイミド樹脂からなる多孔質材料である、請求項11又は12に記載のポリイミド製品。
  14. 前記ポリイミド製品が、前記多孔質材料からなる膜である、請求項13に記載のポリイミド製品。
  15. 前記第2樹脂が、前記親水性基を有する請求項11〜14のいずれか1項に記載のポリイミド製品。
  16. 前記第2樹脂が、前記親水性基として、スルホン酸基含有基を含む、請求項15に記載のポリイミド製品。
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