JP7319850B2 - 親水化処理方法、及び表面処理液 - Google Patents
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Description
表面処理液を、被処理体の表面に塗布して塗布膜を形成することと、
塗布膜をリンス液によりリンスして、被処理体の表面に膜厚10nm以下の被膜を形成することと、を含み、
樹脂(A)が、親水性基を有するN置換(メタ)アクリルアミドに由来する構成単位(a1)を含み、
樹脂(A)の分子鎖末端の少なくとも1つにおいて、シラノール基、及び/又は加水分解によりシラノール基を生成させる基を有する反応性シリル基を含む末端基が結合しており、
表面処理液のpHが4以下である、親水化処理方法である。
表面処理液を、被処理体の表面に塗布して塗布膜を形成することと、
塗布膜をリンス液によりリンスして、被処理体の表面に被膜を形成することと、を含み、
樹脂(A)が、親水性基を有するN置換(メタ)アクリルアミドに由来する構成単位(a1)と、(メタ)アクリルアミドに由来する構成単位(a2)とを含み、
樹脂(A)の分子鎖末端の少なくとも1つにおいて、シラノール基、及び/又は加水分解によりシラノール基を生成させる基を有する反応性シリル基を含む末端基が結合しており、
樹脂(A)を構成する全構成単位に対する、構成単位(a1)の比率が50モル%以上99モル%以下であり、樹脂(A)を構成する全構成単位に対する、構成単位(a2)の比率が1モル%以上20モル%以下であり、
表面処理液のpHが4以下である、親水化処理方法である。
樹脂(A)と溶媒(S)とを含み、
樹脂(A)が、親水性基を有するN置換(メタ)アクリルアミドに由来する構成単位(a1)を含み、
樹脂(A)の分子鎖末端の少なくとも1つにおいて、シラノール基、及び/又は加水分解によりシラノール基を生成させる基を有する反応性シリル基を含む末端基が結合しており、
pHが4以下である、表面処理液である。
樹脂(A)が、親水性基を有するN置換(メタ)アクリルアミドに由来する構成単位(a1)と、(メタ)アクリルアミドに由来する構成単位(a2)とを含み、
樹脂(A)の分子鎖末端の少なくとも1つにおいて、シラノール基、及び/又は加水分解によりシラノール基を生成させる基を有する反応性シリル基を含む末端基が結合しており、
樹脂(A)を構成する全構成単位に対する、構成単位(a1)の比率が50モル%以上99モル%以下であり、樹脂(A)を構成する全構成単位に対する、構成単位(a2)の比率が1モル%以上20モル%以下であり、
pHが4以下である、表面処理液である。
親水化処理方法は、樹脂(A)と、溶媒(S)とを含む表面処理液を用いて、被処理体の表面を親水化させる方法である。
親水化処理方法は、表面処理液を、被処理体の表面に塗布して塗布膜を形成することと、
塗布膜をリンス液によりリンスして、被処理体の表面に膜厚10nm以下の被膜を形成することと、を含む。
また、樹脂(A)について、分子鎖末端の少なくとも1つにおいて、シラノール基、及び/又は加水分解によりシラノール基を生成させる基を有する反応性シリル基を含む末端基が結合している。
また、表面処理液のpHは4以下である。
また、樹脂(A)が、親水性基を有するN置換(メタ)アクリルアミドに由来する構成単位(a1)を含むことによって、アミド結合中のカルボニル基と、アミノ基(-NH-)との間に水素結合が形成される。これにより、複数の樹脂(A)の分子鎖間において、水素結合による網目状のネットワークが形成される。
水素結合によるネットワークの形成によって、被膜自体の機械的強度が向上するとともに、被膜と被処理体との間に形成された共有結合が、水や種々の化学種による攻撃を受けにくく、結果として、被処理体表面上の被膜が摩擦等を受けても、被膜の剥離による親水性の低下が生じにくいと考えられる。
なお、表面処理液のpHは、20℃にて測定される値とする。
以下、塗布工程、リンス工程、及び表面処理液について詳細に説明する。
塗布工程では、上記の所定の要件を満たす表面処理液を被処理体の表面に塗布して塗布膜を形成する。
塗布方法は特に限定されない。塗布方法の具体例としては、スピンコート法、スプレー法、ローラーコート法、浸漬法等が挙げられる。被処理体が基板である場合、基板の表面に、均一な膜厚の塗布膜をむらなく形成しやすいことから、塗布方法としてスピンコート法が好ましい。
有機材料としては、PET樹脂やPBT樹脂等のポリエステル樹脂、各種ナイロン、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、(メタ)アクリル樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、及びシリコーン樹脂(例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)等のポリオルガノシロキサン等)等、種々の樹脂材料が挙げられる
また、種々のレジスト材料に含まれる感光性の樹脂成分や、アルカリ可溶性の樹脂成分も有機材料として好ましい。
無機材料としては、ガラス、シリコンや、銅、アルミニウム、鉄、タングステン等の種々の金属が挙げられる。金属は、合金であってもよい。
このため、塗布膜を形成させる前には、樹脂(A)と被処理体の表面との間での共有結合の形成を良好に進行させる目的で、被処理体の表面に水酸基を導入する処理を行ってもよい。かかる処理の好適な例としては、酸素プラズマや水蒸気プラズマ等によるプラズマ処理が挙げられる。
リンス工程では、塗布膜をリンス液によりリンスして、被処理体の表面に膜厚10nm以下の被膜を形成する。
リンス液としては、所望の膜厚の被膜を形成できる限り特に限定されない。リンス液としては、水、有機溶剤、及び有機溶剤の水溶液を用いることがでる。リンス液としては水が好ましい。
塗布膜をリンスする方法としては、特に限定されない。典型的には、前述の塗布方法と同様の方法によって、リンス液を塗布膜に接触させることにより、塗布膜のリンスが行われる。
加熱温度は、被処理体や樹脂(A)の劣化や分解が生じない温度であれば特に限定されない。典型的な加熱温度としては、50℃以上200℃以下程度の温度が挙げられる。
加熱時間は特に制限されず、例えば、5秒以上1時間以下であり、10秒以上10分以下が好ましい。
表面処理液は、前述の樹脂(A)と、溶媒(S)とを含む。以下、表面処理液に関して、任意の成分、必須の成分等について説明する。
樹脂(A)は、親水性基を有するN置換(メタ)アクリルアミドに由来する構成単位(a1)を含む。樹脂(A)は、前述の水素結合によるネットワークの形成のしやすさの点から、さらに(メタ)アクリルアミドに由来する構成単(a2)を含むのが好ましい。
また、樹脂(A)は、分子鎖末端の少なくとも1つにおいて反応性シリル基を含む。
樹脂(A)は、表面処理により被処理体の表面に親水性を付与する目的で、親水性基を有するN置換(メタ)アクリルアミドに由来する構成単位(a1)を含む。
かかる親水性基としては、一般的に親水性基であると当業者に認識される基であれば特に限定されない。
親水性基の具体例としては、第一級アミノ基、第二級アミノ基、カルボキシ基、フェノール性水酸基、スルホン酸基、ポリオキシアルキレン基(例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、オキシエチレン基とオキシプロピレン基がブロック又はランダム結合したポリオキシアルキレン基等)、及びアルコール性水酸基等が挙げられる。
アニオン部としての1価アニオンの好適な例としては、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、硝酸イオン、種々の有機カルボン酸又は有機スルホン酸に由来する有機酸イオン等が挙げられる。これらの中では、ハロゲン化物イオンが好ましく、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、フッ化物イオンがより好ましく、塩化物イオン、及び臭化物イオンがさらにより好ましく、塩化物イオンが特に好ましい。
これらのカチオン性基の中では、樹脂(A)への導入が容易であることや、親水化の効果が高いこと等から、4級アンモニウム塩基を含む基が好ましい。
-Ra14-N+R11R12Ra13・X-・・・(I)
(式(I)中、R11、R12、及びR13は、それぞれ独立にN+に結合する炭素原子数1以上4以下のアルキル基であり、R11、R12、及びR13のうちの2つは互いに結合して環を形成してもよく、R14は炭素原子数1以上4以下のアルキレン基であり、X-は1価のアニオンである。)
親水性基を有するN置換(メタ)アクリルアミドとしては、下記式(A1)で表される化合物が好ましい。
CH2=CR2-CO-NH-R1・・・(A1)
(式(A1)中、R1は、アミノ基、スルホン酸基、及び水酸基からなる群より選択される1以上の基で置換された炭素原子数1以上4以下のアルキル基であり、R2は水素原子又はメチル基である。)
表面処理時の親水化効果が優れ、耐久性に優れる被膜を形成しやすい点から、樹脂(A)を構成する全構成単位に対する構成単位(a1)の比率は、50モル%以上99モル%以下が好ましく、60モル%以上98モル%以下がより好ましく、70モル%以上97モル%以下がさらに好ましく、80モル%以上96モル%以下が特に好ましい。
樹脂(A)は、(メタ)アクリルアミドに由来する構成単位である、構成単位(a2)を含んでいてもよい。前述の通り、樹脂(A)は、前述の水素結合によるネットワークの形成のしやすさの点から、構成単(a2)を含むのが好ましい。
樹脂(A)を構成する全構成単位に対する構成単位(a2)の比率は、所望する表面処理効果が得られる限り特に限定されない。
表面処理時の親水化効果が優れ、耐久性に優れる被膜を形成しやすい点から、樹脂(A)を構成する全構成単位に対する構成単位(a2)の比率は、1モル%以上50モル%以下が好ましく、1モル%以上30モル%以下がより好ましく、1モル%以上20モル%以下がさらに好ましく、1モル%以上15モル%以下が特に好ましい。
樹脂(A)は、本発明の目的を阻害しない範囲で、構成単位(a1)及び構成単位(a2)以外のその他の構成単位(a3)を含んでいてもよい。
親水性基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのモノ(メタ)アクリレート、及びポリアルキレングリコールのモノアルキルエーテル(例えば、メチルエーテル、エチルエーテル等)の(メタ)アクリレートが挙げられる。
CH2=CR2-CO-O-R1・・・(A2)
(式(A2)中、R1は、アミノ基、スルホン酸基、及び水酸基からなる群より選択される1以上の基で置換された炭素原子数1以上4以下のアルキル基であり、R2は水素原子又はメチル基である。)
R1の好適な具体例は、式(A1)におけるR1の好適な具体例と同様である。
樹脂(A)の分子鎖末端の少なくとも1つにおいて、シラノール基、及び/又は加水分解によりシラノール基を生成させる基を有する反応性シリル基を含む末端基が結合している。このため、樹脂(A)が、被処理体の表面と反応して共有結合が形成され、被処理体の表面に強固に結合した被膜が形成される。
-SiRa2 aRa3 3-a・・・(II)
(式(II)中、Ra2は、水酸基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、又はハロゲン原子であり、Ra3は、置換基を有してもよい炭素原子数1以上10以下の炭化水素基であり、aは2又は3である。)
その結果、被膜中に、被処理体の表面に沿って広がるシロキサン結合のネットワークが形成されることにより、被処理体表面から剥離しにくい強固な被膜を形成しやすい。
Ra2としてのアルコキシ基の好適な例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、及びn-ブチルオキシ基が挙げられ、メトキシ基、及びエトキシ基がより好ましい。
Ra3がアルキル基である場合の好適な例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、及びn-ブチル基が挙げられ、メチル基、及びエチル基がより好ましい。
アラルキル基としては、ベンジル基、及びフェネチル基が好ましい。
アリール基としては、フェニル基、ナフタレン-1-イル基、及びナフタレン-2-イル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
-S-Ra1-SiRa2 aRa3 3-a・・・(A-I)
(式(A-I)中、Ra1は、炭素原子数1以上20以下の2価の炭化水素基であり、Ra2、Ra3、及びaは、それぞれ、式(II)中のRa2、Ra3、及びaと同様である。)
HS-Ra1-SiRa2 aRa3 3-a・・・(A-II)
(式(A-II)中、Ra1~Ra3、及びaは、それぞれ、式(A-I)中のRa1~Ra3、及びaと同様である。)
Ra1としての2価の炭化水素基としては、アルキレン基、アリーレン基、及びアルキレン基とアリーレン基とを組み合わせた基が挙げられ、アルキレン基が好ましい。
Ra1としてのアルキレン基の好適な具体例としては、メチレン基、エタン-1,2-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、及びデカン-1,10-ジイル基が挙げられる。
樹脂(A)の被処理体表面に対する反応性の点から、樹脂(A)における、反応性シリル基を含む末端基の量は、樹脂(A)を構成する全構成単位に対して、0.1モル%以上30モル%以下が好ましく、1モル%以上20モル%以下がより好ましく、1モル%以上10モル%以下がさらに好ましい。
表面処理液は、溶媒(S)を含む。溶媒(S)は、水であっても、有機溶剤であっても、有機溶剤の水溶液であってもよい。溶媒(S)としては、樹脂(A)の溶解性、親水化処理の作業の安全性、及び低コストである点等から、水が好ましい。
溶媒(S)として使用される有機溶剤の好適な例としては、アルコールが挙げられる。該アルコールとしては、脂肪族アルコールが挙げられ、炭素原子数1以上3以下のアルコールが好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、及びイソプロピルアルコール(IPA)が挙げられ、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールが好ましい。該アルコールは1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
表面処理液は、本発明の目的を阻害しない範囲で、種々の添加剤を含んでいてもよい。かかる添加剤の例としては、pH調整剤、熱重合禁止剤、光重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、消泡剤、及び粘度調整剤等が挙げられる。これらの添加剤の使用量は、これらの添加剤の通常使用される量を勘案して、適宜決定される。
pH調整剤としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸等の周知の酸を用いることができる。
第2の態様にかかる親水化処理方法は、樹脂(A)が構成単位(a1)と、構成単位(a2)とを必須に含むことと、樹脂(A)を構成する全構成単位に対する、構成単位(a1)の比率が50モル%以上99モル%以下であり、樹脂(A)を構成する全構成単位に対する、構成単位(a2)の比率が1モル%以上20モル%以下であることと、表面処理液を用いて形成される被膜の膜厚が限定されないことと、を除いて、第1の態様にかかる親水化処理方法と同様である。
第3の態様にかかる表面処理液は、第1の態様にかかる親水化処理方法において使用される表面処理液である。第3の態様にかかる表面処理液については、第1の態様にかかる親水化処理方法について説明した表面処理液と同様である。
第4の態様にかかる表面処理液は、樹脂(A)が構成単位(a1)と、構成単位(a2)とを必須に含むことと、樹脂(A)を構成する全構成単位に対する、構成単位(a1)の比率が50モル%以上99モル%以下であり、樹脂(A)を構成する全構成単位に対する、構成単位(a2)の比率が1モル%以上20モル%以下であることと、を除いて、第1の態様にかかる親水化処理方法について説明した表面処理液と同様である。
表1に記載の量の水中に、それぞれ表1に記載の種類及び量の、単量体、重合開始剤、及び末端基導入用のメルカプト化合物とを加えた後、80℃で4時間ラジカル重合を行い、樹脂の水溶液として、表1に記載の樹脂液1~4を得た。表1に記載の種類の樹脂液を、水を用いて、表2に記載の濃度に希釈して表面処理液を得た。
なお、比較例1の表面処理液は、希釈後に、NaOHを用いてpH7.0に調整した。
A-1:2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸
A-2:アクリルアミド
A-3:アクリル酸(ポリエチレングリコール)メチルエーテル(分子量:480)
B-1:2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]
B-2:2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩
C-1:(3-メルカプトプロピル)トリメトキシシラン
C-2:2-アミノエタンチオール
なお、比較例1の表面処理液では、樹脂の析出が顕著であったため、親水化処理の評価を行わなかった。また、比較例2の表面処理液については、摩擦を行わない条件において良好な親水化が確認できなかったため、摩擦後の水の接触角の評価を行わなかった。
被処理体として、フッ化水素酸水溶液により表面の自然酸化膜を除去されたシリコンウエハーを用いた。
シリコンウエハーを、表面処理液に室温で1分間浸漬させた。シリコンウエハーを表面処理液から引き上げた後、シリコンウエハーを180℃5分加熱処理した。シリコンウエハーを室温まで冷却させた後、純水によるリンスを行った。リンス後のシリコンウエハーを乾燥させた後、シリコンウエハー表面に形成された被膜の膜厚を分光エリプソメトリーにより測定した。
次いで、上記の処理を施されたたシリコンウエハーと、表面処理後に2cm角のスコッチブライト抗菌ウレタン(スリーエム製)を用いて、荷重2kgで10往復の耐擦傷試験を行った後のシリコンウエハーとについて、以下の方法に従って、水の接触角の評価を行った。
Dropmaster700(協和界面科学株式会社製)を用いシリコンウエハーの表面処理された表面に純水液滴(2.0μL)を滴下して、滴下10秒後における接触角として、水の接触角を測定した。シリコンウエハー上の3点の水の接触角の平均値を、表2に記す。
シリコンウエハーを表面処理液から引き上げた後、表面処理液で濡れた状態のシリコンウエハーを純水でリンスし、次いで80℃5分の加熱でシリコンウエハーを乾燥させることの他は、評価1と同様に水の接触角の評価を行った。
また、実施例1及び実施例2の表面処理液についての表2及び評価2によれば、上記の所定の要件を満たす表面処理液を用いた場合、被膜表面を摩擦しても親水化の効果が損なわれていないことが分かる。
つまり、実施例1及び実施例2の表面処理液についての表2及び評価2によれば、上記の所定の要件を満たす表面処理液を用いた場合、膜厚が10nm以下と極薄くとも、被処理体の表面から容易に剥離ない被膜を形成できることが分かる。
このため、比較例2の表面処理液を用いて親水化処理を行った場合、被処理体表面に被膜を付着させにくく、摩擦前の状態で所望する親水化の効果を得にくいことが分かる。
Claims (10)
- 樹脂(A)と、溶媒(S)とを含む表面処理液を用いて、被処理体の表面を親水化させる親水化処理方法であって、
前記表面処理液を、前記被処理体の表面に塗布して塗布膜を形成することと、
前記塗布膜をリンス液によりリンスして、前記被処理体の表面に膜厚10nm以下の被膜を形成することと、を含み、
前記樹脂(A)が、親水性基を有するN置換(メタ)アクリルアミドに由来する構成単位(a1)を含み、
前記樹脂(A)を構成する全構成単位に対する、前記構成単位(a1)の比率が50モル%以上99モル%以下であり、
前記樹脂(A)の分子鎖末端の少なくとも1つにおいて、シラノール基、及び/又は加水分解によりシラノール基を生成させる基を有する反応性シリル基を含む末端基が結合しており、
前記表面処理液のpHが4以下である、親水化処理方法。 - 樹脂(A)と、溶媒(S)とを含む表面処理液を用いて、被処理体の表面を親水化させる親水化処理方法であって、
前記表面処理液を、前記被処理体の表面に塗布して塗布膜を形成することと、
前記塗布膜をリンス液によりリンスして、前記被処理体の表面に膜厚10nm以下の被膜を形成することと、を含み、
前記樹脂(A)が、親水性基を有するN置換(メタ)アクリルアミドに由来する構成単位(a1)を含み、
前記樹脂(A)の分子鎖末端の少なくとも1つにおいて、シラノール基、及び/又は加水分解によりシラノール基を生成させる基を有する反応性シリル基を含む末端基が結合しており、
前記表面処理液のpHが4以下であり、
前記構成単位(a1)が、下記式(A1)で表される単量体に由来する構成単位である、親水化処理方法。
CH 2 =CR 2 -CO-NH-R 1 ・・・(A1)
(式(A1)中、R 1 は、アミノ基、スルホン酸基、及び水酸基からなる群より選択される1以上の基で置換された炭素原子数1以上4以下のアルキル基であり、R 2 は水素原子又はメチル基である。) - 前記樹脂(A)が、さらに(メタ)アクリルアミドに由来する構成単位(a2)を含む、請求項1又は2に記載の親水化処理方法。
- 前記樹脂(A)を構成する全構成単位に対する、前記構成単位(a1)の比率が50モル%以上99モル%以下であり、前記樹脂(A)を構成する全構成単位に対する、前記構成単位(a2)の比率が1モル%以上20モル%以下である、請求項3に記載の親水化処理方法。
- 樹脂(A)と、溶媒(S)とを含む表面処理液を用いて、被処理体の表面を親水化させる親水化処理方法であって、
前記表面処理液を、前記被処理体の表面に塗布して塗布膜を形成することと、
前記塗布膜をリンス液によりリンスして、前記被処理体の表面に被膜を形成することと、を含み、
前記樹脂(A)が、親水性基を有するN置換(メタ)アクリルアミドに由来する構成単位(a1)と、(メタ)アクリルアミドに由来する構成単位(a2)とを含み、
前記樹脂(A)の分子鎖末端の少なくとも1つにおいて、シラノール基、及び/又は加水分解によりシラノール基を生成させる基を有する反応性シリル基を含む末端基が結合しており、
前記樹脂(A)を構成する全構成単位に対する、前記構成単位(a1)の比率が50モル%以上99モル%以下であり、前記樹脂(A)を構成する全構成単位に対する、前記構成単位(a2)の比率が1モル%以上20モル%以下であり、
前記表面処理液のpHが4以下である、親水化処理方法。 - 前記樹脂(A)が、前記構成単位(a1)及び前記構成単位(a2)以外の構成単位(a3)として、親水性基を有する構成単位を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の親水化処理方法。
- 前記構成単位(a1)が、下記式(A1)で表される単量体に由来する構成単位である、請求項1に記載の親水化処理方法。
CH2=CR2-CO-NH-R1・・・(A1)
(式(A1)中、R1は、アミノ基、スルホン酸基、及び水酸基からなる群より選択される1以上の基で置換された炭素原子数1以上4以下のアルキル基であり、R2は水素原子又はメチル基である。) - 前記末端基が、下記式(A-I)で表される基である、請求項1~7のいずれか1項に記載の親水化処理方法。
-S-Ra1-SiRa2 aRa3 3-a・・・(A-I)
(式(A-I)中、Ra1は、炭素原子数1以上20以下の2価の炭化水素基であり、Ra2は、水酸基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、又はハロゲン原子であり、Ra3は、置換基を有してもよい炭素原子数1以上10以下の炭化水素基であり、aは2又は3である。) - 請求項1、2又は5に記載の親水化処理方法において用いられる表面処理液であって、
樹脂(A)と溶媒(S)とを含み、
前記樹脂(A)が、親水性基を有するN置換(メタ)アクリルアミドに由来する構成単位(a1)を含み、
前記樹脂(A)の分子鎖末端の少なくとも1つにおいて、シラノール基、及び/又は加水分解によりシラノール基を生成させる基を有する反応性シリル基を含む末端基が結合しており、
pHが4以下である、表面処理液。 - 樹脂(A)と、溶媒(S)とを含み、
前記樹脂(A)が、親水性基を有するN置換(メタ)アクリルアミドに由来する構成単位(a1)と、(メタ)アクリルアミドに由来する構成単位(a2)とを含み、
前記樹脂(A)の分子鎖末端の少なくとも1つにおいて、シラノール基、及び/又は加水分解によりシラノール基を生成させる基を有する反応性シリル基を含む末端基が結合しており、
前記樹脂(A)を構成する全構成単位に対する、前記構成単位(a1)の比率が50モル%以上99モル%以下であり、前記樹脂(A)を構成する全構成単位に対する、前記構成単位(a2)の比率が1モル%以上20モル%以下であり、
pHが4以下である、表面処理液。
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