JP2019081833A - 胡麻油の製造方法 - Google Patents

胡麻油の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019081833A
JP2019081833A JP2017209414A JP2017209414A JP2019081833A JP 2019081833 A JP2019081833 A JP 2019081833A JP 2017209414 A JP2017209414 A JP 2017209414A JP 2017209414 A JP2017209414 A JP 2017209414A JP 2019081833 A JP2019081833 A JP 2019081833A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sesame
sesame oil
oil
heating
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017209414A
Other languages
English (en)
Inventor
武広 山本
Takehiro Yamamoto
武広 山本
しおり 渡辺
Shiori Watanabe
しおり 渡辺
祥 中西
Sho Nakanishi
祥 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takemoto Oil and Fat Co Ltd
Original Assignee
Takemoto Oil and Fat Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takemoto Oil and Fat Co Ltd filed Critical Takemoto Oil and Fat Co Ltd
Priority to JP2017209414A priority Critical patent/JP2019081833A/ja
Publication of JP2019081833A publication Critical patent/JP2019081833A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Edible Oils And Fats (AREA)
  • Fats And Perfumes (AREA)

Abstract

【課題】 非焙煎の胡麻油の風味・香りを向上させる。【解決手段】 原料となる未搾油の胡麻を選別した後、胡麻を加温し、圧搾する。加温条件は、種々の条件での実験に基づき、精製工程なしでも泡高を抑えた胡麻油を得られる条件を見いだす。胡麻に対して生蒸気の供給を行わず、二段式のケトルの上段にのみ胡麻と接触しない流路に乾燥蒸気を供給する方法によって、高温になり過ぎない範囲で加温する条件を用いることができる。その後、精製は行わず、無機濾過工程、有機濾過工程を施して非焙煎胡麻油を製造する。二番搾りの非焙煎胡麻油や焙煎胡麻油を適宜、ブレンドしてもよい。こうすることにより、リン脂質を抑え、ロビボンド色相値が低く、胡麻特有の風味や香りを残し、比較的はっきりとしたナッツ臭を有する非焙煎胡麻油を得ることができる。【選択図】 図2

Description

本発明は、圧搾法による胡麻油の製造方法に関する。
胡麻油の製造方法としては、一般に圧搾法と抽出法が知られている。圧搾法は、胡麻に圧力をかけて油を搾り出す方法である。抽出法は、溶剤を用いて胡麻内の油脂を溶かし出す方法である。また、胡麻油には、原料となる胡麻を焙煎する焙煎胡麻油と、焙煎しない非焙煎胡麻油とがある。
非焙煎胡麻油の圧搾法においては、一般に、胡麻の選別、蒸煮、圧搾、精製、濾過という工程がとられる。蒸煮は、ケトルと呼ばれる釜を用いて胡麻に直接水蒸気をあてる方法などによって行われる。精製では、脱ガム、脱酸、脱色、脱ろう、脱臭などの処理が行われる。
圧搾法において、胡麻油の品質を向上するための技術も種々提案されている。特許文献1は、焙煎胡麻油について、焙煎前の胡麻の水分調整を行うことにより、品質改善を図ることができる旨、開示している。特許文献2は、圧搾法による直物原料油に対してシナピン酸を添加して加熱することにより、キャノロールの含有濃度を向上することができ、不純物を容易に除去できるなどの効果が得られる旨、開示している。
特開2006-75117号公報 特開2014-125493号公報
従来、一般に非焙煎の胡麻油は、焙煎胡麻油よりも風味、香りの面で劣るという課題があった。焙煎胡麻油では、焙煎工程で胡麻の風味や香りが高められるのに対し、非焙煎胡麻油ではこうした工程がないことが一つの原因であるが、それだけではなく、非焙煎胡麻油では、精製工程によって、胡麻の風味、香りまでも一層、除去されてしまうことも原因であった。
精製工程を行わなければ、第2の原因は回避でき、非焙煎胡麻油の風味、香りを向上させることは可能であるが、その一方、精製工程を省略することにより、製造された胡麻油の品質が低下してしまうという新たな課題を招くことになる。
本発明は、かかる課題に鑑み、非焙煎胡麻油の風味、香りを向上させる技術を提供することを目的とする。
本発明は、第一の態様として、
胡麻油の製造方法であって、
(a) 未搾油の胡麻を選別する工程と、
(b) 前記工程(a)で選別された胡麻を焙煎することなく加温する工程と、
(c) 前記工程(b)で加温された胡麻を圧搾する工程とを備え、
前記工程(b)は、予め
(d1)複数通りの条件で胡麻を加温する工程と、
(d2)前記工程(d1)で加温されたそれぞれの胡麻を圧搾する工程と、
(d3)前記工程(d2)で圧搾された油を所定の指標に基づいて品質評価することにより、予め設定された品質基準を満たす加温の条件を選択する工程と、
により設定された条件で前記加温を行う工程である胡麻油の製造方法として構成することができる。
従来、非焙煎の胡麻油については、精製しなくては品質を保つことができないと考えられていたが、本願の発明者は、未搾油の胡麻を用いたいわゆる一番搾りの胡麻油であれば、圧搾前の胡麻の加温を調整することにより、圧搾により要求された品質を保った油を得ることが可能であることを見いだした。ただし、加温の条件は、製造施設などに依存することがあり、かかる場合には実験的に定めることができる。
本発明によれば、工程(d1)〜(d3)により、予め複数通りの条件で加温し、その中で品質基準を満たす条件を選択するため、胡麻油の製造方法における加温の条件を実験的に設定することができる。そして、かかる条件に基づいて胡麻油を搾油することにより、品質基準を満たした胡麻油を精製工程なく製造することが可能となるのである。本発明の胡麻油は、非焙煎ながら、精製工程を必要としないため、胡麻本来の味と風味を損なわず、またナッツ臭を有する胡麻油となる。また、精製工程を必要としないため、従来、精製工程で使用されていたリン酸等の酸、水酸化ナトリウム等のアルカリ、脱色剤等の化学品の使用を回避することが可能となる。
もっとも本発明においても、得られた風味、香りを大幅に損なわない範囲で、脱ガム、脱酸、脱色、脱ろう、脱臭などの精製工程の全部または一部を行うようにしてもよい。
本発明において、上述の工程(d1)〜(d3)は、胡麻油を製造する都度、行う必要はなく、一旦、これらの工程によって加温の条件を設定した後は、省略して差し支えない。
また、本発明において、製造された胡麻油は、さらに他種類の胡麻油と混合することにより最終製品としても差し支えない。混合すべき他種類の胡麻油としては、一度以上搾油された胡麻の搾りかすを、加温や圧力の条件を変更し、再度、搾った搾油(以下、本明細書において「二番搾り」と総称する)、抽出法による胡麻油、圧搾法か抽出法かを問わず焙煎した胡麻を用いた焙煎胡麻油、胡麻以外の植物油などとすることができる。非焙煎胡麻の二番搾りを用いる場合には、不純物が多く含まれる傾向にあるため、精製工程を経たものとすることが好ましい。混合の割合は、任意に調整可能である。
工程(d3)における品質評価は、種々の指標に基づいて行うことができる。数値によって定量的に評価可能な指標を用いても良いし、評価者の五感によって官能的に評価する指標であってもよい。
例えば、前記工程(d3)における所定の指標は、油を加熱した際の泡高および/またはリン脂質の含有量であるものとしてもよい。
泡高とは、油を加熱した際の泡立ちの状態を評価する指標である。泡高の測定方法としては、例えば、「底のない内径15mmの目盛付試験管を用い、これをフライ油内に浸ける。180℃になったとき、じゃがいもの小片(径5mm、厚さ5mm)を試験管内に投入し、もりあがる泡の高さの最高値を読みとる。」(調理科学Vol.23(1990)No.1p.54−59)などの方法が提案されている。もっとも、測定方法は、かかる方法に限定されるものではない。設定された品質基準としての泡高も測定方法に応じて設定すればよい。また、泡高による品質評価は、必ずしも客観的な数値で基準を設定する必要はなく、加熱時の泡立ちの状態やその高さなどを視覚観察して、官能的に評価する方法としてもよい。
リン脂質は、搾油に含まれる不純物の一つであり、泡高に影響を与える原因物質の一つとも考えられている。リン脂質の適正値を予め設定しておき、これに基づいて品質評価するようにしてもよい。適正値は、例えば、リン脂質が230ppm以下、リンが9.0ppm以下のように設定することができる。また、精製工程を経た搾油の10倍以内のように設定してもよい。
リン脂質およびリンの測定方法は、公益社団法人日本油化学会が定める基準油脂分析試験法を用いることができる。具体的な測定方法の手順は、図4に示した通りである。上述の適正値の例も、当該方法で測定した場合の値を例示した。
これらの指標とは別に、またはこれらの指標と併せて、ロビボンド比色値が60以下または15〜60であるという指標を用いることもできる。
ロビボンド比色値の測定方法も、公益社団法人日本油化学会が定める基準油脂分析試験法を用いることができる。具体的な測定方法の手順は、図5に示した通りである。上述の指標は1インチのセルを使用した場合の数値を例示した。
本発明は、また第二の態様として、
胡麻油の製造方法であって、
(a) 未搾油の胡麻を選別する工程と、
(b1) 前記工程(a)で選別された胡麻を焙煎することなく加温する工程と、
(c) 前記工程(b1)で加温された胡麻を圧搾する工程とを備え、
前記工程(b1)は、前記胡麻を収容した釜の外部に蒸気を通過させることにより、当該胡麻に直接蒸気をあてずに加温する方法である胡麻油の製造方法と構成することもできる。
未搾油の胡麻を用いたいわゆる一番搾りの胡麻油であれば、圧搾前の胡麻の加温を調整することにより、圧搾により要求された品質を保った油を得ることが可能であるという知見に基づくものである点は、第一の態様と共通である。ただし、発明者の実験によれば、第二の態様のように、胡麻を収容した釜の外部に蒸気を通過させ、胡麻に直接蒸気をあてずに加温することにより、胡麻油の品質を保持することが可能であることが見いだされた。かかる方法によれば、第一の態様で説明した効果に加え、加温条件を設定するための実験を省略することができる効果も奏する。もちろん、第二の態様においても、第一の態様における工程(d1)〜(d3)による実験を行うことは差し支えない。
釜としては、ケトルと呼ばれる加温用の機器を用いることができるが、これに限られるものではない。
第二の態様において、
前記工程(b1)は、前記胡麻が順次通過する複数の釜のうち、最終段階の釜には蒸気を通過させずに加温する方法であるものとしてもよい。
胡麻の加温は、複数の釜を連結した機器が用いられることがある。連結とは、複数箇所で胡麻が滞留しながら順次、次の釜に送られる構造を意味する。例えば、独立した釜を配管等で接続した構造、単一の容器内を胡麻が滞留する複数の室に分けた構造の双方を含む。後者の態様では、胡麻が滞留する一つ一つの室が本明細書における釜に相当することになる。
発明者の実験によれば、このように複数の釜が設けられている場合、最終段階の釜、即ち圧搾機に胡麻が排出する直前の釜では加温をしない方が好ましいことが見いだされた。もっとも、これは最終段階の釜も含めて加温する態様を排除する趣旨ではない。
本発明は、また第三の態様として、
胡麻油の製造方法であって、
(a) 未搾油の胡麻を選別する工程と、
(b2) 前記工程(a)で選別された胡麻を焙煎することなく加温する工程と、
(c) 前記工程(b2)で加温された胡麻を圧搾する工程とを備え、
前記工程(b2)は、該工程終了後の前記胡麻の温度を75℃以下となる条件で加温する方法である胡麻油の製造方法として構成することもできる。さらに、該工程終了後の前記胡麻の水分が約4重量%に維持する条件を追加してもよい。
第三の態様も、未搾油の胡麻を用いたいわゆる一番搾りの胡麻油であれば、圧搾前の胡麻の加温を調整することにより、圧搾により要求された品質を保った油を得ることが可能であるという知見に基づくものである点は、第一の態様と共通である。ただし、発明者が、胡麻油の品質を保持することが可能な加温条件で加温が終了し、圧搾直前の状態の胡麻の温度を計測したところ、温度が75℃以下という条件を満たしていることが分かった。従って、かかる条件を満たすように加温できれば、胡麻油の品質を保持することができると考えられる。第三の態様によれば、第一の態様で説明した効果に加え、加温条件を設定するための実験を省略することができる効果も奏する。さらに圧搾直前の状態の胡麻の水分が3〜7重量%であるという条件を追加してもよい。
第三の態様における加温は、第二の態様で説明した釜またはケトルと蒸気を用いても良いが、かかる方法に限られるものではない。
本発明は、また第四の態様として、
胡麻油の製造方法であって、
(a) 未搾油の胡麻を選別する工程と、
(b3) 前記工程(a)で選別された胡麻を焙煎することなく加温する工程と、
(c) 前記工程(b3)で加温された胡麻を圧搾する工程とを備え、
前記工程(b3)は、圧搾直後の圧搾機内での前記胡麻油の温度が80〜85℃または圧搾機から排出された直後の前記胡麻油の温度が75〜80℃となる条件で加温する方法であるものとしてもよい。
第四の態様も、未搾油の胡麻を用いたいわゆる一番搾りの胡麻油であれば、圧搾前の胡麻の加温を調整することにより、圧搾により要求された品質を保った油を得ることが可能であるという知見に基づくものである点は、第一の態様と共通である。ただし、発明者が、胡麻油の品質を保持することが可能な加温条件で加温が終了し、圧搾直後の状態の胡麻油の温度を計測したところ、圧搾直後の圧搾機内での前記胡麻油の温度が80〜85℃または圧搾機から排出された直後の前記胡麻油の温度が75〜80℃となる条件を満たしていることが分かった。圧搾機内での温度は、圧搾機を一旦停止して計測してもよい。圧搾機から排出された直後の胡麻油の温度はタンクに流入直後の温度であってもよい。発明者の計測によれば、これらの温度を基準に加温条件を設定すれば、品質を保持することが可能であることが確認された。
従って、かかる条件を満たすように加温できれば、胡麻油の品質を保持することができると考えられる。第四の態様によれば、第一の態様で説明した効果に加え、加温条件を設定するための実験を省略することができる効果も奏する。
第四の態様における加温は、第二の態様で説明した釜またはケトルと蒸気を用いても良いが、かかる方法に限られるものではない。
本発明においては、第一の態様〜第四の態様のいずれによるかを問わず、
前記工程(c)の後に、さらに、
(e)無機系濾過助剤を用いた濾過工程(以下、「無機濾過工程」と呼ぶこともある)と、
(f)有機系濾過助剤を用いた濾過工程(以下、「有機濾過工程」と呼ぶこともある)と、
を併用するものとしてもよい。
こうすることにより、不純物を除去することができ、より品質向上を図ることができる。無機濾過工程、有機濾過工程の回数および方法は、任意であるが、例えば、無機濾過工程を2回繰り返し、その後、有機濾過工程を1回行うものとしてもよい。
無機系濾過工程の助剤としては、パーライト、活性白土、珪藻土、セライトを用いることができ、なかでもパーライトが好ましい。有機系濾過工程の助剤としては、粉末セルロースを用いることができる。
無機濾過工程における胡麻油と濾過助剤との比率は、胡麻油/濾過助剤=150〜170L/1kgとすることが好ましい。また2回目以降はこの比率を下げることが好ましく、例えば、200〜800L/1kgとすることが好ましい。有機濾過工程における胡麻油と濾過助剤との比率は、40000〜200000L/1kgとすることが好ましい。
濾過工程では、静置と濾過を行うことになる。静置は、25℃以下で150時間以上とすることが好ましい。また、濾過は、20〜35℃で行うことが好ましい。
また本発明においては、第一の態様〜第三の態様のいずれによるかを問わず、
前記工程(a)は、酸価が2.5KOHmg/g以下の胡麻を選別する工程であるものとしてもよい。
こうすることにより、遊離脂肪酸が少ない胡麻を使用することになり、精製処理なしでも、品質の安定化を図ることが可能となる。
以上で説明した種々の特徴は、必ずしも全てを備えている必要はなく、本発明の胡麻油の製造方法は、適宜、その一部を省略したり組み合わせたりして構成してもよい。
また、本発明は、胡麻油の製造方法としての態様のみならず、工程(d1)〜(d3)からなる胡麻油の製造方法における加温条件の設定方法として構成してもよい。また、上述した種々の製造方法によって製造される胡麻油として構成することも可能である。
さらに、本発明は、次の特徴を有する胡麻油として構成することも可能である。
即ち、非焙煎、非精製の胡麻油であって、
含有されるリン脂質が230ppm以下である胡麻油である。
発明者が、本発明の製造方法による胡麻油のリン脂質を図4に示した測定方法により計測したところ、リン脂質が230ppm以下であることが確認された。従って、かかる特徴を有する非焙煎、非精製の胡麻油であれば、泡高などの品質を維持しつつ、風味、香りを向上させた胡麻油とすることができる。
上述の胡麻油においては、さらに、図5に示した測定方法により測定されたロビボンド色相値が30±15であるものとしてもよく、より好ましくは15〜20であるものとしてもよい。こうすることにより、焙煎胡麻油とは異なる薄い色の外観を保つこともできる。
胡麻油を製造する装置の構成を模式的に示した説明図である。 胡麻油の製造工程を示す工程図である。 加温条件の設定方法について示す工程図である。 リン脂質の測定方法を示す工程図である。 ロビボンド色相値の測定方法を示す工程図である。 ブレンド油の酸化安定性の変化を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
A.装置構成:
図1は、胡麻油を製造する装置の構成を模式的に示した説明図である。
ホッパ10は、胡麻油の原料となる胡麻を貯蔵する装置である。
ケトル100は、圧搾前に胡麻を水蒸気によって加温するための装置である。本実施例では、胡麻を加温するための釜110、120が二段に設けられたものを利用した。釜の数は、一段または三段以上であってもよい。
ケトル100の上部には、ホッパ10から胡麻を投入するための原料入口101が設けられている。ホッパ10からの原料の搬送は、種々の方法をとることができる。
ケトル100の中央には、回転軸102が回転可能に取り付けられており、回転軸102には、上段の釜110内で回転する回転部材105が取り付けられている。回転軸102は、減速機103を介して伝達されるモータ104の動力により矢印Aのように回転可能となっている。釜110内の胡麻は、回転部材105により攪拌、搬送されることにより、均一に加温可能である。
上下の釜110、120には、それぞれ間接蒸気入口111、121が設けられている。ここから供給された蒸気は、それぞれ釜110、120の下面に設けられた流路112、122を流れ、排気口113、123から排出される。流路112、122を通る蒸気は、直接、胡麻に接触することはなく、釜110、120を温めることによって、間接的に胡麻を加温することになる。本実施例では、間接蒸気入口111、121に供給する蒸気として、0.6Mpa、約158℃の乾燥蒸気を用いるものとした。
釜110、120には、生蒸気入口114、124も設けられている。ここから供給される生蒸気は、それぞれ釜110、120内部の胡麻に直接、当てられることになり、胡麻の温度を直接上昇させることになる。
釜110、120内の温度は、温度計115、125によってそれぞれ計測可能である。これらの温度計115、125は、釜110、120内の空間の温度を計測するものであり、内部の胡麻の温度を直接計測するものではない。図示する他に、胡麻の温度を計測する温度計を設けるようにしても差し支えない。
胡麻の加温には、このように水蒸気を用いることが通常であるため、蒸煮と呼ばれることもある。しかし、その方法には、間接蒸気入口111、121に蒸気を供給し、間接的に胡麻を加温する方法と、生蒸気入口114、124から蒸気を直接に胡麻にあてて加温する方法とが存在する。そこで、本明細書においては、「加温」という用語で双方の方法を総称するものとし、「蒸煮」は、生蒸気入口114、124から蒸気を直接に胡麻にあてる方法を指す狭義の用語として用いるものとする。
ケトル100で加温された胡麻は、圧搾機20に搬送される。圧搾機20は、種々の方式のものを利用可能であるが、本実施例では、スクリュープレスによるものを利用した。圧搾された油は、タンク21に貯蔵される。
タンク21の胡麻油は、濾過装置30に搬送される。濾過装置30は、無機系濾過助剤を用いた濾過を行うための装置である。種々の装置を利用可能であるが、本実施例では、フィルタープレス、即ち圧力を加えてフィルターを通す装置を利用した。
フィルタープレスによる濾過の後、胡麻油は、ストレーナー40、チェックフィルタ50を介して、別の濾過装置60に搬送される。本実施例では、ストレーナー40は、60メッシュとし、チェックフィルタ50は50マイクロメートルとしたが、メッシュやフィルタの細かさは他のものを選択してもよい。
濾過装置60は、有機系濾過助剤を用いた濾過を行うための装置である。種々の装置を利用可能であるが、本実施例では、水平濾板濾過器を利用した。
B.製造工程:
図2は、胡麻油の製造工程を示す工程図である。中央に、実施例における胡麻油の製造工程を示した。
この製造工程では、まず原料となる胡麻を選別する(ステップS10)。原料は、未搾油の胡麻である。選別は、種々の基準で行うことができる。本実施例では、胡麻の酸価が2.5KOHmg/g以下となるように選別を行うものとした。
次に、選別された胡麻を加温する(ステップS11)。本実施例では、図1に示したケトル100において、上段の釜110の間接蒸気入口111から0.6MPa、約158℃の乾燥蒸気を供給することによって加温するものとした。即ち、下段の釜120には乾燥蒸気の供給は行わない。また、釜110、120ともに蒸煮、即ち生蒸気の供給は行わない。かかる加温条件を定めた方法については、後述する。この結果、胡麻は主として上段の釜110で温められることになる。
本実施例の条件で加温した場合、釜110の温度は58〜86℃、釜120の温度は92〜104℃であった。下段の釜120の方が温度が高くなるのは、温度計125の位置が、上段の蒸気の流路112に近いことによるものと推測される。
この加温工程において、胡麻の焙煎は行わない。
加温が終了すると、圧搾機による圧搾が行われる(ステップS12)。原料として未搾油の胡麻を使用しているため、「一番搾り」の非焙煎胡麻油が得られることになる。
こうして得られた一番搾りに対しては、無機濾過工程を2回施し(ステップS13)、有機濾過工程を1回施して(ステップS14)、製造工程終了となる。
無機濾過工程は、フィルタープレスにより、助剤としてパーライト、活性白土、珪藻土、セライトを用いて行うことができ、なかでもパーライトを用いることが好ましい。無機濾過工程における胡麻油と濾過助剤との比率は、胡麻油/濾過助剤=150〜170L/1kgとすることが好ましい。また2回目以降はこの比率を下げることが好ましく、例えば、200〜800L/1kgとすることが好ましい。
濾過工程では、静置と濾過を行うことになる。静置は、25℃以下で150時間以上とすることが好ましい。また、濾過は、20〜35℃で行うことが好ましい。
有機系濾過工程は、水平濾板濾過器により、粉末セルロースを助剤として用いて行う。有機濾過工程における胡麻油と濾過助剤との比率は、40000〜200000L/1kgとすることが好ましい。
こうして得られる本実施例の一番搾りは、精製工程を経なくとも、含有されるリン脂質が230ppm以下という品質を有しており、ロビボンド色相値が15〜20のものなど30±15という薄い色の胡麻油となる。しかも、精製工程を経ていないため、胡麻特有の風味や香りが残っており、比較的はっきりとしたナッツ臭を有する特徴がある。
一番搾りの圧搾(ステップS12)で得られた搾りかすは、二番搾りを得るために、さらに搾油をしてもよい。図の右側に、二番搾りの製造工程を示した。
二番搾りの場合は、一番搾りの搾りかすを蒸煮する(ステップS20)。この工程では、上下の釜110、120ともに生蒸気を供給し、搾りかすに直接に蒸気をあてる。並行して、流路112、122への乾燥蒸気の供給も継続する。搾油しやすいように、搾りかすを更に温めるのである。本明細書では、二番搾りも非焙煎胡麻油を意味するから、焙煎は行わない。
蒸煮が終わると、圧搾機による圧搾を行う(ステップS21)。この工程は、一番搾りの場合と同様である。
そして、得られた二番搾りの胡麻油に対しては、脱ガム、脱酸、脱色、脱ろう、脱臭による精製を行う(ステップS22)。二番搾りは、単独で利用してもよいが、図中に破線で示したように、一番搾りにブレンドしてもよい。一番搾りと二番搾りの配合割合は、最終的に得られる胡麻油の風味、香りなどを確認しながら、任意に決めることができる。
このように一番搾りに二番搾りをブレンドすることにより、一番搾りの有する風味、香りの強さを調整することが可能となる。また、二番搾りは精製工程を経ているため、一番搾りの品質を損ねることもない。
非焙煎胡麻油に、焙煎胡麻油をブレンドしてもよい。図の左側に、焙煎胡麻油の製造工程を示した。
この工程では、原料となる胡麻の選別を行う(ステップS30)。原料となる胡麻は、未搾油の胡麻である。選別の基準は、焙煎胡麻油と同じく胡麻の酸価が2.5KOHmg/g以下となるという基準でもよいし、他の基準を用いても良い。
次に選別した胡麻を焙煎する(ステップS31)。焙煎は種々の方法で行うことができるが、本実施例では、熱風式のロータリーキルンを用いて150〜250℃で15〜25分焙煎するものとした。
次に焙煎後の胡麻を蒸煮する(ステップS32)。二番搾りと同様、上下の釜110、120ともに生蒸気を供給し、搾りかすに直接に蒸気をあて、流路112、122への乾燥蒸気の供給も継続する。
蒸煮が完了すると、圧搾機により圧搾を行う(ステップS33)。得られた油に対して精製工程は必要ないが、濾過工程を施す。本実施例では、図示するように、濾過工程の前に、一番搾りとブレンドし、その後、濾過工程(ステップS13、S14)を施すものとした。こうすることにより、個別に濾過工程を行うよりも製造工程の簡略化を図ることができる。焙煎胡麻油に対して、一番搾りとは別に濾過工程を施した上で、両者をブレンドするようにしても構わない。
このように焙煎胡麻油と一番搾りとをブレンドすることにより、焙煎胡麻油の色、香りを活かした胡麻油を製造することが可能となる。両者の配合割合は、最終的に得られる胡麻油の風味、香りなどを確認しながら、任意に決めることができる。また、胡麻油と一番搾りをブレンドしたものに対して、さらに二番搾りをブレンドするようにしてもよい。
図2に示した製造工程は、必ずしも二番搾りおよび焙煎胡麻油のブレンドを必要とするものではない。一番搾り(ステップS10〜S14)の製造のみで最終製品としてもよいし、二番搾りおよび焙煎胡麻油の一方または双方をブレンドしてもよい。一番搾りにブレンドする油は、胡麻油に限定されるものでもない。例えば、二番搾り、焙煎胡麻油に代えて、またはこれらとともに、大豆油、キャノーラ油など、他の植物から製造された植物油をブレンドしてもよい。このように種々の油をブレンドすることにより、風味の向上や、胡麻油の抗酸化性を活かしブレンド油に酸化安定性を付与することが可能となる。
図6はブレンド油の酸化安定性の変化を示すグラフである。大豆油への非焙煎胡麻油の一番搾りのブレンド割合(%)を横軸にとり、それぞれの酸化安定性を縦軸にとって示した。縦軸の酸化安定性は、基準油脂分析試験法に準じたCDM試験によって得られる値である。CDMとは、試料を反応容器に入れ、120℃に加熱しながら、清浄空気を送り込み、酸化により生成された揮発性の分解生成物を水中に捕集させ、その導電率が急激に変化する折曲点までの時間を言う。CDMが大きいほど、酸化安定性が良いことを表している。
具体的な測定結果は、非焙煎胡麻油のブレンド割合を0,20,40,50,60,80,100(%)にそれぞれ変化させたとき、CDMは、2.8,2.7,3.01,3.09,3.16,3.61,4.24(時間)に変化した。これをプロットしたものが図6のグラフである。
図示する通り、非焙煎胡麻油の割合が増加するにつれて、CDMが非線形的に増加することが分かる。この例では、非焙煎胡麻油の割合が60%以上の範囲では、それ以下の範囲よりもCDMが急増することが確認された。
大豆油と非焙煎胡麻油とのブレンドの割合は、かかる実験結果に基づいて定めてもよい。例えば、CDMの目標値が定まっている場合には、図6のグラフに基づき、対応する割合を求めればよい。目標のCDMが定まっていない場合には、非焙煎胡麻油を60%以上ブレンドする範囲(図中の矢印Rの範囲)において、風味、色などの要素に基づいてブレンド割合を決めればよい。こうすれば、非焙煎胡麻油による酸化安定性の向上効果を有効に活用したブレンド油を得ることが可能となる。
C.加温条件の設定方法:
図3(a)は、加温条件の設定方法について示す工程図である。胡麻油の製造工程における胡麻の加温(図2のステップS11)の条件を設定するための工程に相当する。加温条件の設定は、胡麻油を製造するたびに行う必要はなく、量産を開始する前や、原料となる胡麻の水分量などの特性が変わった場合などに、それぞれ加温条件を実験的に定めるために行う工程である。
この工程では、まず複数の加温条件および品質基準の設定をする(ステップS40)。加温条件は、種々の方法で設定が可能である。例えば、ケトル100から排出され圧搾される直前の胡麻の温度、圧搾機で搾られた胡麻油の温度、ケトル100への蒸気の供給の仕方、原料となる胡麻がケトル100を通過する時間などが考えられる。本実施例では、ケトル100の上段の釜110への生蒸気の供給の有無、乾燥蒸気の供給の有無、および下段の釜120への乾燥蒸気の供給の有無の組合せで4段階の加温条件を設定した。
品質基準についても、種々の設定をすることができる。例えば、油を加熱した際の泡高、リン脂質の含有量、ロビボンド比色値などのように数値等によって評価可能な基準を用いても良いし、香りや味、コクなどのように官能的に評価できる基準を持ちいてもよい。これらの基準は、複数を用いても良いし、単独で用いても良い。本実施例では、泡高、香り、色(ロビボンド比色値)、リン脂質を併用するものとした。
次に、それぞれの加温条件で非焙煎胡麻油を搾油する(ステップS41)。この搾油の工程は、図2のステップS10〜S14で示したものと同じで良い。
そして、得られた複数種類の胡麻油の品質を評価し(ステップS42)、最適な加温条件を選択するのである(ステップS43)。
図3(b)に、加温条件と品質評価の例を模式的に示した。ケースAは、上段の釜110への生蒸気の供給有り(図中では「上段直接」と記載した)、上下の釜110、120ともに乾燥蒸気の供給有り(図中ではそれぞれ「上段ジャケット」「下段ジャケット」と記載した)という条件である。ケースBは、生蒸気の供給はせず、上下の釜110、120ともに乾燥蒸気の供給有りという条件である。ケースCは、上段の釜110への乾燥蒸気の供給のみという条件である。ケースDは、釜120への乾燥蒸気の供給のみという条件である。これらの4通りの加温条件で得られた油に対して、泡高、香り、色(ロビボンド比色値)、リン脂質という4つの基準で評価した結果が図示した通りであれば、加温条件Cを最適な条件として選択することができる。図3(b)では、評価結果を〇×などの記号で示しているが、数値で得られるものは数値が基準値に達するか否かで評価することができる。
また、図3(b)では、ケースCがいずれの基準も高い評価となっているが、加温条件や評価基準によっては、評価にばらつきが生じることがある。例えば、ケースCは泡高については基準を満たすものの、その他の基準については、他のケースの方が良好である、というような場合である。かかる場合には、評価基準に優先度を設けたり、重み付けを行うなどして、総合評価をしてもよい。
従来、非焙煎の胡麻油については、精製しなくては品質を保つことができないと考えられていたが、本願の発明者は、未搾油の胡麻を用いたいわゆる一番搾りの胡麻油であれば、圧搾前の胡麻の加温を調整することにより、圧搾により要求された品質を保った油を得ることが可能であることを見いだした。図3で説明した方法によれば、精製工程なしでも評価基準に適合した品質の非焙煎胡麻油を得るための加温条件を求めることができるのである。
D.製造例および効果:
非焙煎胡麻油の製造例を以下に示す。表1の「非焙煎胡麻油(一番搾り)」が、図2の工程に従って製造した胡麻油である。焙煎胡麻油および二番搾りはブレンドしていない。
本実施例では、加温条件は、ケトル100の上段の釜110への乾燥蒸気の供給のみによって加温するという条件を用いた。表1は、3回の製造で得られた胡麻油に対するリン脂質およびリンの含有量を示している。比較例として、非焙煎胡麻油の二番搾り、非焙煎胡麻油の精製後、焙煎胡麻油の一番搾り、焙煎胡麻油の二番搾りの値をそれぞれ示した。
表に示す通り、実施例の非焙煎胡麻油(一番搾り)は、リン脂質が100.6〜229.3ppmの範囲となっており、焙煎胡麻油(一番搾り)の907.9〜1032.9ppmよりも低く抑えられていることが分かる。リン脂質は低いほど、胡麻油の泡高が抑えられることが分かっており、非焙煎胡麻油(二番搾り)のように6000を超える値では調理等に使用するには不適切であるとされており、精製によってリン脂質を十分に低減させることが必要とされている。一方、焙煎胡麻油(一番搾り)の907.9〜1032.9ppm程度のリン脂質であれば、精製を行わなくとも調理等に使用可能であるとされている。
実施例の非焙煎胡麻油(一番搾り)は、精製後ほど低い値でなないものの、リン脂質が焙煎胡麻油(一番搾り)よりも十分に低く抑えられているため、精製工程を経なくても、十分に泡高を抑えることができ、調理に使用可能な品質を備えていることが分かる。
なお、いずれのリン脂質も、図4に示した手順で測定した値である。
リンとリン脂質とは比例関係にあるから、実施例の非焙煎胡麻油(一番搾り)は、リンを指標として用いても、焙煎胡麻油(一番搾り)よりも十分に低い値にあることが分かる。
Figure 2019081833
また、実施例の非焙煎胡麻油(一番搾り)は、いずれも明瞭なナッツ臭が確認された。色は焙煎胡麻油よりも薄く、ロビボンド比色値が15〜20のものを含め、30±15の範囲にあることも確認された。ここでロビボンド比色値は、図5に示した手順で測定したものである。
上述の実施例の製造工程において、以下の温度を計測したところ、次に示す結果が得られた。従って、加温条件は、これらの温度を用いて定義することも可能である。
(1)搾油前の胡麻の温度
搾油前の胡麻の温度を計測したところ、73.1〜74.2℃という結果が得られた。この温度は、ケトル100から胡麻が排出される排出口を開き、温度計を挿入して計測したものである。計測誤差や、排出口を開いてからの温度低下なども考慮すると、加温終了後の胡麻の温度が75℃以下となる条件、または73〜75℃となる条件というように加温条件を定義してもよい。
(2)圧搾直後の胡麻油の温度
圧搾直後の胡麻油の温度を計測したところ、圧搾機出口での温度は80.3〜82.7℃、タンクでの温度は75.8〜77.7℃であった。圧搾機出口での温度は、圧搾機を一旦停止し、搾油された出口付近の油の温度を計測したものである。タンクでの温度は、圧搾され、タンクに流れ込んだ直後の油の温度を計測したものである。いずれも計測に伴う温度変化や、圧搾過程および圧搾機からタンクへの搬送過程での温度変化などの影響を考慮すると、圧搾直後の圧搾機内での胡麻油の温度が80〜85℃または圧搾機から排出された直後の胡麻油の温度が75〜80℃というように加温条件を定義してもよい。
(3)搾油直前の胡麻の水分
加温が終わった後、搾油直前の胡麻の水分を計測したところ、4.0〜4.4重量%であった。従って、加温後の胡麻の水分含量で加温条件を定義してもよい。
(4)釜の温度
加温中の釜110、120の温度を計測したところ、上段の釜110は58〜86℃、下段の釜120は92〜104℃であった。従って、これらのいずれかの温度を用いて加温条件を定義してもよい。
以上で説明した実施例の胡麻油の製造方法によれば、精製工程なく品質基準を満たす非焙煎胡麻油を製造することができ、非焙煎胡麻油の風味、香りを向上させることが可能となる。また、精製工程を省略できるため、リン酸等の酸、水酸化ナトリウム等のアルカリ、脱色剤等の化学品の使用を回避することが可能となる利点もある。
実施例で説明した種々の特徴は必ずしも全てを備えている必要はなく、本発明は、適宜、その一部を組み合わせたり省略したりしても良い。また、実施例では、非焙煎胡麻油について精製工程を行わない例を示したが、得られた風味、香りを大幅に損なわない範囲で、脱ガム、脱酸、脱色、脱ろう、脱臭などの精製工程の全部または一部を行うようにすることもできる。
本発明は、圧搾法による胡麻油の製造に利用できる。
10 :ホッパ
20 :圧搾機
21 :タンク
30 :濾過装置
40 :ストレーナー
50 :チェックフィルタ
60 :濾過装置
100 :ケトル
101 :原料入口
102 :回転軸
103 :減速機
104 :モータ
105 :回転部材
110 :釜
111 :間接蒸気入口
112 :流路
113 :排気口
114 :生蒸気入口
115 :温度計
120 :釜
121 :間接蒸気入口
122 :流路
123 :排気口
124 :生蒸気入口
125 :温度計


Claims (10)

  1. 胡麻油の製造方法であって、
    (a) 未搾油の胡麻を選別する工程と、
    (b) 前記工程(a)で選別された胡麻を焙煎することなく加温する工程と、
    (c) 前記工程(b)で加温された胡麻を圧搾する工程とを備え、
    前記工程(b)は、予め
    (d1)複数通りの条件で胡麻を加温する工程と、
    (d2)前記工程(d1)で加温されたそれぞれの胡麻を圧搾する工程と、
    (d3)前記工程(d2)で圧搾された油を所定の指標に基づいて品質評価することにより、予め設定された品質基準を満たす加温の条件を選択する工程と、
    により設定された条件で前記加温を行う工程である胡麻油の製造方法。
  2. 請求項1記載の胡麻油の製造方法であって、
    前記工程(d3)における所定の指標は、油を加熱した際の泡高および/またはリン脂質の含有量である胡麻油の製造方法。
  3. 胡麻油の製造方法であって、
    (a) 未搾油の胡麻を選別する工程と、
    (b1) 前記工程(a)で選別された胡麻を焙煎することなく加温する工程と、
    (c) 前記工程(b1)で加温された胡麻を圧搾する工程とを備え、
    前記工程(b1)は、前記胡麻を収容した釜の外部に蒸気を通過させることにより、当該胡麻に直接蒸気をあてずに加温する方法である胡麻油の製造方法。
  4. 請求項3記載の胡麻油の製造方法であって、
    前記工程(b1)は、前記胡麻が順次通過する複数の釜のうち、最終段階の釜には蒸気を通過させずに加温する方法である胡麻油の製造方法。
  5. 胡麻油の製造方法であって、
    (a) 未搾油の胡麻を選別する工程と、
    (b2) 前記工程(a)で選別された胡麻を焙煎することなく加温する工程と、
    (c) 前記工程(b2)で加温された胡麻を圧搾する工程とを備え、
    前記工程(b2)は、該工程終了後の前記胡麻の温度を75℃以下となる条件で加温する方法である胡麻油の製造方法。
  6. 胡麻油の製造方法であって、
    (a) 未搾油の胡麻を選別する工程と、
    (b3) 前記工程(a)で選別された胡麻を焙煎することなく加温する工程と、
    (c) 前記工程(b3)で加温された胡麻を圧搾する工程とを備え、
    前記工程(b3)は、圧搾直後の圧搾機内での前記胡麻油の温度が80〜85℃または圧搾機から排出された直後の前記胡麻油の温度が75〜80℃となる条件で加温する方法である胡麻油の製造方法。
  7. 請求項1〜6いずれか記載の胡麻油の製造方法であって、
    前記工程(c)の後に、さらに、
    (e)無機系濾過助剤を用いた濾過工程と、
    (f)有機系濾過助剤を用いた濾過工程と、
    を併用する胡麻油の製造方法。
  8. 請求項1〜7いずれか記載の胡麻油の製造方法であって、
    (g)製造された胡麻油に対して、さらに、別途用意された焙煎胡麻油または胡麻以外の植物油をブレンドする工程を備える胡麻油の製造方法。
  9. 非焙煎、非精製の胡麻油であって、
    含有されるリン脂質が230ppm以下である胡麻油。
  10. 非焙煎、非精製の胡麻油であって、
    ロビボンド色相値が30±15である胡麻油。

JP2017209414A 2017-10-30 2017-10-30 胡麻油の製造方法 Pending JP2019081833A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017209414A JP2019081833A (ja) 2017-10-30 2017-10-30 胡麻油の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017209414A JP2019081833A (ja) 2017-10-30 2017-10-30 胡麻油の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019081833A true JP2019081833A (ja) 2019-05-30

Family

ID=66670138

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017209414A Pending JP2019081833A (ja) 2017-10-30 2017-10-30 胡麻油の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019081833A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109957444A (zh) * 2017-12-14 2019-07-02 丰益(上海)生物技术研发中心有限公司 一种机榨小磨香油及其制备方法
CN111040867A (zh) * 2019-12-17 2020-04-21 河南省农业科学院 一种水代法芝麻香油的制取方法

Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002291408A (ja) * 2001-03-30 2002-10-08 Yoshihara Oil Mill Ltd 食用油
KR20030008236A (ko) * 2001-07-16 2003-01-25 김철환 고순도 참기름의 제조방법
WO2005073356A1 (ja) * 2004-01-29 2005-08-11 J-Oil Mills, Inc. ゴマ油及びその製造方法
JP2005237313A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Fuji Oil Co Ltd フライ用油脂組成物
JP2006246808A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Adeka Corp 油脂のエステル交換方法
JP2007177062A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Kao Corp 胡麻香味油の製造方法
JP2009144123A (ja) * 2007-12-18 2009-07-02 Nisshin Oillio Group Ltd ごま油の製造方法
JP2010501689A (ja) * 2006-09-01 2010-01-21 グレース・ゲーエムベーハー・ウント・コムパニー・カーゲー スタッガード濾過システム及び油のような流体を処理するためにこれを用いる方法
CN102453603A (zh) * 2010-10-26 2012-05-16 王连义 一种制取芝麻油的方法
WO2012086565A1 (ja) * 2010-12-22 2012-06-28 不二製油株式会社 油脂の乾式分別法
CN104082431A (zh) * 2014-06-10 2014-10-08 丰益(上海)生物技术研发中心有限公司 调和油组合物及其制备方法
JP2016174550A (ja) * 2015-03-19 2016-10-06 日清オイリオグループ株式会社 食用油脂
JP2017048309A (ja) * 2015-09-02 2017-03-09 日清オイリオグループ株式会社 大豆油の製造方法、大豆トコフェロールの製造方法

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002291408A (ja) * 2001-03-30 2002-10-08 Yoshihara Oil Mill Ltd 食用油
KR20030008236A (ko) * 2001-07-16 2003-01-25 김철환 고순도 참기름의 제조방법
WO2005073356A1 (ja) * 2004-01-29 2005-08-11 J-Oil Mills, Inc. ゴマ油及びその製造方法
JP2005237313A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Fuji Oil Co Ltd フライ用油脂組成物
JP2006246808A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Adeka Corp 油脂のエステル交換方法
JP2007177062A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Kao Corp 胡麻香味油の製造方法
JP2010501689A (ja) * 2006-09-01 2010-01-21 グレース・ゲーエムベーハー・ウント・コムパニー・カーゲー スタッガード濾過システム及び油のような流体を処理するためにこれを用いる方法
JP2009144123A (ja) * 2007-12-18 2009-07-02 Nisshin Oillio Group Ltd ごま油の製造方法
CN102453603A (zh) * 2010-10-26 2012-05-16 王连义 一种制取芝麻油的方法
WO2012086565A1 (ja) * 2010-12-22 2012-06-28 不二製油株式会社 油脂の乾式分別法
CN104082431A (zh) * 2014-06-10 2014-10-08 丰益(上海)生物技术研发中心有限公司 调和油组合物及其制备方法
JP2016174550A (ja) * 2015-03-19 2016-10-06 日清オイリオグループ株式会社 食用油脂
JP2017048309A (ja) * 2015-09-02 2017-03-09 日清オイリオグループ株式会社 大豆油の製造方法、大豆トコフェロールの製造方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
岩手県工業技術センター研究報告, 2000, VOL.16, 「地場産エゴマ油に含まれるリン脂質の低減に関する検討」, JPN6019033480, ISSN: 0004225030 *

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109957444A (zh) * 2017-12-14 2019-07-02 丰益(上海)生物技术研发中心有限公司 一种机榨小磨香油及其制备方法
CN109957444B (zh) * 2017-12-14 2022-07-19 丰益(上海)生物技术研发中心有限公司 一种机榨小磨香油及其制备方法
CN111040867A (zh) * 2019-12-17 2020-04-21 河南省农业科学院 一种水代法芝麻香油的制取方法
CN111040867B (zh) * 2019-12-17 2023-03-31 河南省农业科学院 一种水代法芝麻香油的制取方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101510712B1 (ko) 가열내성이 우수한 튀김용 유지 조성물의 제조방법
Srivastava et al. A study on monitoring of frying performance and oxidative stability of virgin coconut oil (VCO) during continuous/prolonged deep fat frying process using chemical and FTIR spectroscopy
Rostami et al. Optimizing the extraction process of sesame seed's oil using response surface method on the industrial scale
CN102329690B (zh) 油茶籽油低温冷榨及二元连续式精炼加工方法
CN102365027B (zh) 食用油脂的制造方法
CN102533441A (zh) 一种食用植物油脱胶工艺及其应用
JP6246878B2 (ja) ツバキ油およびその製造方法
JP6232325B2 (ja) 加熱調理用油脂組成物とその製造方法及び食品
JP2019081833A (ja) 胡麻油の製造方法
CN102204597A (zh) 保健玉米油及制备工艺
KR20170030738A (ko) 벤조피렌이 발생하지 않는 참기름과 들기름 제조방법
CN104987951A (zh) 一种食用植物油脱色工艺
US20220240532A1 (en) Method of producing refined oil and/or fat
CN108165363A (zh) 一种低色价浓香菜籽油的制备工艺
JP4294068B2 (ja) 食用油の製造法
JP5873690B2 (ja) 食用油脂の製造方法及び加工油脂製品の製造方法
CN115678666B (zh) 花生油制备方法以及花生物料
JP6253729B2 (ja) 油脂の製造方法
Patel et al. Assessment and biochemical analysis of black soybean (with and without seed coat)
KR102613946B1 (ko) 들깨를 포함하는 컵 스프
Shende et al. Effect of process parameters on the oil recovery of maize germ oil
JP4159102B1 (ja) 加熱耐性に優れた揚げ物用油脂組成物の製造方法
JP2005304411A (ja) なたね香味油の製造法
TWI788507B (zh) 油炸調理用油脂組成物之著色的抑制方法
AU2021246144A1 (en) Pongamia oil compositions, and methods for producing and using thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190710

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20190710

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20191018

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191023

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191029

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191226

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200304