JP2006246808A - 油脂のエステル交換方法 - Google Patents

油脂のエステル交換方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006246808A
JP2006246808A JP2005069318A JP2005069318A JP2006246808A JP 2006246808 A JP2006246808 A JP 2006246808A JP 2005069318 A JP2005069318 A JP 2005069318A JP 2005069318 A JP2005069318 A JP 2005069318A JP 2006246808 A JP2006246808 A JP 2006246808A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lipase
transesterification
oil
fat
fats
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005069318A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Arakawa
浩 荒川
Toru Nezu
亨 根津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Original Assignee
Adeka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Adeka Corp filed Critical Adeka Corp
Priority to JP2005069318A priority Critical patent/JP2006246808A/ja
Publication of JP2006246808A publication Critical patent/JP2006246808A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Fats And Perfumes (AREA)

Abstract

【課題】 固定化によるリパーゼ活性の損失がなく、且つ、従来の粉末リパーゼによるエステル交換方法に比べてエステル交換活性が高く、さらには、粉末リパーゼの回収率が高く、長期にわたってエステル交換活性を高く保持することができる、油脂のエステル交換方法を提供すること。
【解決手段】 粉末リパーゼを触媒として使用して油脂のエステル交換を行なう方法において、原料油脂中に粉末リパーゼが、下記i)及びii)の条件を満たす粒度で分散している状態で、回分反応を行なった後、粉末リパーゼを回収、再利用する。
i)粒径の平均値が0.2〜10μm(個数基準)
ii)粒径0.1〜1.0μmの粒子が20〜100%(個数基準)
【選択図】 なし

Description

本発明は、粉末リパーゼを用いた油脂のエステル交換方法に関する。
従来からリパーゼを触媒として使用した油脂のエステル交換反応によって油脂の改質を行なう方法が広く行なわれている。この油脂のエステル交換反応には、回分反応と連続反応があり、またリパーゼを固定化して使用する方法と粉末のまま使用する方法がある。
従来はリパーゼを何らかの担体、例えば陰イオン交換樹脂(特許文献1参照)、フェノール樹脂(特許文献2参照)、疎水性担体(特許文献3参照)、陽イオン交換樹脂(特許文献4参照)、キレート樹脂(特許文献5参照)等に固定化して使用する方法が行なわれてきたが、これらに記載の方法は、リパーゼを担体に固定することでリパーゼ活性が低下する欠点に加え、高価な担体を使用するため、コストが高くなる欠点があった。
そこで、リパーゼ活性を低下させることなく、また高価な担体を使用しない低コストの油脂のエステル交換反応として、リパーゼを固定化せずに粉末のまま使用する方法が行なわれるようになってきており、例えば、超音波処理等の方法で反応時の粉末リパーゼの粒径を90%以上が1〜100μmとなるように調整して回分反応を行なう方法(特許文献6参照)や、濾過器内に粉末状リパーゼを単独又は濾過助剤とともに層を形成するように封入し、その濾過器に油脂を通油させる方法(特許文献7参照)が提案されている。
しかしながら、特許文献6の方法では、エステル交換反応時の粉末リパーゼの粒径を微細化することができず、粒径が1〜100μmと大きいため重量あたりの表面積が小さく、反応効率が低い問題があった。また、粉末リパーゼの回収・再利用についても触れられているが、回収方法として、精密濾過膜、遠心分離、不活性有機溶媒による洗浄しか挙げられておらず、これらの回収方法では、粉末リパーゼの回収率が低く、徐々に粉末リパーゼが流出し失われ、エステル交換活性が短期間で低下する問題があった。また、精密濾過膜に通液しただけでは目詰まりしやすいという問題、遠心分離や不活性有機溶媒による洗浄では大掛かりな装置を必要とするという問題、加えて不活性有機溶媒による洗浄では、有機溶剤の回収ロスを生じるという問題もあった。
特許文献7の方法は、連続反応法であるため回分反応に比べ反応効率が劣るため、元々エステル交換活性が低い問題があることに加え、連続反応法は回分反応法に比べエステル交換反応時の温度を高く設定する必要があるためリパーゼの熱失活が起こりやすく、さらには、粉末リパーゼが徐々に流出し失われるため、エステル交換活性が早期に失われるという問題があった。
特開昭60−98984号公報 特開昭61−202688号公報 特開平2−138986号公報 特開平3−61485号公報 特開平1−262795号公報 特開平7−79789号公報 特開2001−178488号公報
従って、本発明の目的は、固定化によるリパーゼ活性の損失がなく、且つ、従来の粉末リパーゼによるエステル交換方法に比べてエステル交換活性が高く、さらには、粉末リパーゼの回収率が高く、長期にわたってエステル交換活性を高く保持することができる、油脂のエステル交換方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、粉末リパーゼを触媒として使用して油脂のエステル交換を行なう方法において、原料油脂中に粉末リパーゼが特定の粒径となって分散した状態で、回分反応を行ない、その後、粉末リパーゼを回収、再利用することで、上記目的を達成できることを知見した。
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、粉末リパーゼを触媒として使用して油脂のエステル交換を行なう方法において、原料油脂中に粉末リパーゼが、下記i)及びii)の条件を満たす粒度で分散している状態で、回分反応を行なった後、粉末リパーゼを回収、再利用することを特徴とする油脂のエステル交換方法を提供するものである。
i)粒径の平均値が0.2〜10μm(個数基準)
ii)粒径0.1〜1.0μmの粒子が20〜100%(個数基準)
また、本発明は、上記の油脂のエステル交換方法において、上記粉末リパーゼの回収を、濾過助剤存在下、加圧密閉型濾過機に通液することによって行なう油脂のエステル交換方法を提供するものである。
また、本発明は、上記の油脂のエステル交換方法において、上記粉末リパーゼの回収を、濾過助剤存在下、加圧密閉型濾過機に通液後、さらにその濾液を膜分離装置に通液することによって行なう油脂のエステル交換方法を提供するものである。
本発明の油脂のエステル交換方法によれば、リパーゼ活性の損失がなく、且つ、エステル交換活性が高く、さらには、粉末リパーゼの回収率が高く、長期にわたってエステル交換活性を高く保持することができるため、一定期間における、単位酵素重量あたりのエステル交換油生産重量を高めることができ、エステル交換油脂の生産性を向上させることができる。
以下、本発明の油脂のエステル交換方法について詳細に説明する。
本発明の油脂のエステル交換方法で用いる原料油脂としては、特に限定されず、脂肪酸組成が炭素数4〜24の飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸からなる油脂、例えばパーム油、大豆油、菜種油、コーン油、ヒマワリ油、サフラワー油、オリーブ油、キャノーラ油、綿実油、米油、カカオ脂、サル脂、シア脂、マンゴー核油、ヤシ油、パーム核油、牛脂、豚脂、魚油、乳脂等の各種植物油脂及び動物油脂、並びにこれらを水素添加及び/又は分別処理を施した加工油脂から選ばれた1種又は2種以上を挙げることができる。
また、これらの原料油脂は、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸等の炭素数が6〜24の脂肪酸又はその低級アルコールエステル及び植物ステロール等の、水酸基を有する化合物を添加した混合物とすることもできる。
なお、本発明の油脂のエステル交換方法を実施するに際しては、上記原料油脂の水分を常法により、100〜800ppmに調整することが好ましく、より好ましくは200〜500ppmに調整する。
本発明で用いられる粉末リパーゼは、例えば、リパーゼを含む微生物培養液をアセトン沈殿、精製、乾燥等の工程により粉末化したもので、担体に固定化していないものである。
例えば、リゾプス属、ムコール属、アスペルギルス属、シュードモナス属、アルカリゲネス属、キャンディダ属等の微生物由来のもの、及び、動植物由来のものを挙げることができる。本発明においては、エステル交換能が最も高いことからアルカリゲネス属の粉末リパーゼを使用することが最も好ましい。
本発明の油脂のエステル交換方法は、上記原料油脂に上記粉末リパーゼを添加してエステル交換反応させるものであるが、その際に、原料油脂中に粉末リパーゼが、上記i)及びii)の条件を満たす粒度で分散していることが必要である。
例え原料油脂中に上記i)及びii)の条件を満たす粒度の粉末リパーゼを添加したとしても、ただ添加、分散しただけでは、粉末リパーゼは粒径100μm〜数100μm、あるいはそれらが更に会合した巨大分子、いわゆるダマの状態になってしまうこともあり、その場合、本発明の効果を得ることができない。
すなわち、本発明の油脂のエステル交換方法における原料油脂中の粉末リパーゼの粒径の平均値は、上記i)の条件の通り、0.2〜10μm(個数基準)、好ましくは0.2〜5μm、より好ましくは0.2〜1μmである。粒径の平均値が0.2μm未満であるような超微細なものであると、粉末リパーゼの回収にも超微細なメッシュの濾過装置を必要とし、その場合、すぐに目詰まりしてしまい、実質的に粉末リパーゼの回収、再利用が困難であり、10μmを超えると、高いエステル交換活性を得ることができない。
また、本発明の油脂のエステル交換方法における原料油脂中の粉末リパーゼの粒度分布において、粒径0.1〜1.0μmの粒子の占める割合は、上記ii)の条件の通り、20〜100%(個数基準)、好ましくは50%〜100%、より好ましくは、80%〜100%である。粒径0.1〜1.0μmの粒子が20%未満であると、高いエステル交換活性を得ることができない。
原料油脂中に粉末リパーゼが、上記i)及びii)の条件を満たす粒度で分散している状態に調製する方法としては、原料油脂に粉末リパーゼを添加、分散した後、各種均質化装置や撹拌装置を使用して均質化する方法が挙げられる。その一例として例えば、原料油脂の一部、好ましくは粉末リパーゼを2〜30倍重量、より好ましくは5〜20倍重量の原料油脂中に添加し、ホモミキサーを用いて好ましくは500〜20,000rpm、より好ましくは1,000〜15,000rpmで、好ましくは10〜60分、より好ましくは10〜30分均質化処理し、このスラリー状とした粉末リパーゼ分散原料油脂に残余の原料油脂を添加、混合する方法を挙げることができる。
なお、粉末リパーゼの粒度は、レーザー式粒度分布測定器等を用いて簡単に測定することができる。
上記粉末リパーゼの添加量は、原料油脂に対し、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜5質量%、さらに好ましくは0.2〜3質量%である。上記粉末リパーゼの添加量が0.1質量%未満であると、反応時間が長くかかりすぎ、生産効率が低下してしまう。また、10質量%を超えると、後述の粉末リパーゼ回収の際に濾過装置の負荷が過大となるため、通液速度が低下し、また、目詰まりしやすくなってしまう。
本発明の油脂のエステル交換方法では、粉末リパーゼが上記i)及びii)の条件を満たす粒度で分散している原料油脂を、タンク中で回分反応を行なうものである。
回分反応は連続反応に比べ、油脂温度を下げることができるため、リパーゼの熱失活が少ないという利点を有する。
本発明の油脂のエステル交換方法では、回分反応の温度条件は好ましくは20〜80℃、より好ましくは40〜70℃、さらに好ましくは50〜60℃であり、回分時間は5分〜24時間、好ましくは窒素雰囲気下で行なう。なお、反応温度が20℃未満では反応速度が遅く、また80℃超ではリパーゼの熱失活が著しいため好ましくない。
本発明の油脂のエステル交換方法では、回分反応終了後、密閉型加圧濾過、膜分離、遠心分離、有機溶媒による洗浄等の公知の方法により、反応液から粉末リパーゼを回収し、濾液は定法により精製処理してエステル交換油脂を得る。
本発明の油脂のエステル交換方法では、上記粉末リパーゼの回収方法としては、濾過助剤存在下、加圧密閉型濾過機に通液することによって行なう方法が、粉末リパーゼの回収率を向上させることが可能な点、通液速度を速く設定可能な点及び目詰まりしにくい点で好ましい。なお、加圧密閉型濾過器としては、リーフフィルター、フンダバッグフィルター等を用いることができる。
また、上記粉末リパーゼ回収の際に用いられる濾過助剤としては、例えば、珪藻土、パーライト、セルロース、活性炭等を挙げることができる。上記濾過助剤は1種あるいは2種以上を組み合わせて用いることができるが、粉末リパーゼの回収率を最も高めることができることから、珪藻土を使用することが好ましい。また、濾過助剤の使用量は、粉末リパーゼ添加量の0.5〜5倍量が望ましい。0.5倍未満では、粉末リパーゼの回収率が低くなるので好ましくない。また、5倍を超える添加量は、それ以上改良効果はないため好ましくない
また、本発明の油脂のエステル交換方法においては、濾過助剤存在下、加圧密閉型濾過機に通液後、さらにその濾液を膜分離装置に通液し、再度粉末リパーゼを回収することで、更に粉末リパーゼの回収率を向上させることができる。
なお、上記膜分離装置としては、分離対象物質の粒径により、精密濾過膜濾過機、限外濾過膜濾過機、透析膜濾過機、電気透析膜濾過機、逆浸透膜濾過機等があるが、本発明の油脂のエステル交換方法においては、精密濾過膜濾過機又は限外濾過膜濾過機を使用することが、通液速度が速く、目詰まりしにくく、粉末リパーゼ回収や洗浄が容易である点で好ましい。
なお、精密濾過膜濾過機に使用する膜としては、セラミック膜、酢酸セルロース+ニトロセルロース混合膜、ポリビニルデンジフルオライド多孔質膜、トッラック・エッチング膜等が挙げられ、限外濾過装置に使用する膜としては、ポリアクリロニトリル膜、ポリ塩化ビニル−ポリアクリロニトリル共重合体膜、ポリスルフォン膜、ポリエーテルスルフォン膜、ポリプロピレン膜、セラミック膜等が挙げられる。
本発明においては、上記膜の中でも、洗浄の容易性、耐久性が良好なことからセラミック膜を使用することが好ましい。
本発明の油脂のエステル交換方法では、上記の方法により回収した粉末リパーゼは次回以降のエステル交換反応に再利用する。なお、その際に必要に応じ、粉末リパーゼ、濾過助剤の追加添加や、再均質化を行なうことができる。
そして上記のエステル交換反応を繰り返すことで、長期にわたって高いエステル交換活性を保持したままの状態とすることができる。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何等制限されるものではない。なお、例中に示す%は、特に記載がない限り質量%を意味する。
〔実施例1〕
パームオレインとナタネ極度硬化油の3:1混合物を、90℃、20Torrで30分間、減圧脱水を行ない、原料油脂とした。この原料油脂の水分は300ppmであった。300mlビーカーに上記原料油脂100gとアルカリゲネス属由来の粉末リパーゼ(リパーゼQLM:名糖産業(株)製:平均粒径3μm)10gを入れ、ホモミキサーで60℃、5分間均質化処理を行ない、粉末リパーゼ分散スラリーとした。
2,000mlのセパラブルフラスコに上記原料油脂900gをとり、これに上記粉末リパーゼ分散スラリー110gを投入し、撹拌羽根を用いて60℃、300rpm、5分攪拌し、粉末リパーゼを十分に分散させた。ここで原料油脂中に存在する粉末リパーゼの粒径を、(株)島津製作所製レーザー式粒度分布計により測定し、i)粒径の平均値、及び、ii)粒径0.1〜1.0μmの粒子が占める割合を算出し、その結果を表1に記載した。次いで、濾過助剤として珪藻土(セライトハイフロー:セライト社製:平均粒径7μm)20gを投入し、撹拌羽根を用いて60℃、300rpm、窒素雰囲気下で回分反応を行なった。
反応生成物については、GLCでステアリルジベヘン含量を測定し、下記に示す式で反応率を求めた。
反応率=(反応生成物のステアリルジベヘン含量−原料油脂のステアリルジベヘン含量)/(反応平衡組成物のステアリルジベヘン含量−原料油脂のステアリルジベヘン含量)
次いで、反応時間を横軸に、ln〔1/(1−反応率)〕を縦軸にプロットし、原点を通る一次近似式を設定して、1時間あたりのln〔1/(1−反応率)〕を読み取り、エステル交換活性能aとした。
このエステル交換活性能aと、原料油脂に対する粉末リパーゼ添加量(%)から、下記に示す式で算出した値を、エステル交換活性値とし、表1に記載した。
エステル交換活性値=〔エステル交換活性能a/原料油脂に対する粉末リパーゼ添加量(%)〕×100
反応率が0.9以上になったところで、反応を終了し、加圧密閉型濾過機(加圧ヌッチェ機・IHI製:360メッシュ金網使用)を使用して粉末リパーゼを回収し、その濾液中の残存リパーゼ活性から粉末リパーゼ回収率を算出し、表1に記載した。
次いで、回収した粉末リパーゼの全量を、1,000gの新たな原料油脂中に添加、分散し、2、000mlのセパラブルフラスコに再び投入し、上記同様の条件でエステル交換反応を再度行なった。
同一の操作を、エステル交換活性値が1/2となるまで繰り返し、その間に生産することができたエステル交換油の総生産量(kg)を、最初に投入した粉末リパーゼ量(g)で除し、エステル交換活性値が1/2となるまでの期間における粉末リパーゼ1gあたりのエステル交換油の生産量を、エステル交換油脂の生産性の指標とし、表1に記載した。
〔実施例2〕
粉末リパーゼ回収時に、加圧密閉型濾過機(加圧ヌッチェ機・IHI製:360メッシュ金網使用)で濾過し、粉末リパーゼを回収した後、濾過液をさらに膜分離装置(精密濾過膜濾過機・セラミック膜使用:細孔径0.1μm)で濾過した以外は、実施例1と同様にしてエステル交換反応を行なった。
なお、原料油脂中に存在する粉末リパーゼの粒径、エステル交換活性値、粉末リパーゼ回収率、エステル交換活性値が1/2となるまでの期間における粉末リパーゼ1gあたりのエステル交換油の生産量を実施例1と同一の方法で算出し、それぞれ結果を表1に記載した。
〔比較例1〕
粉末リパーゼの均質化処理を行なわず、原料油脂1,000g、粉末リパーゼ10g及び珪藻土(セライトハイフロー:セライト社製:平均粒径7μm)20gを直接セパラブルフラスコに投入し、撹拌羽根を用いて60℃、300rpm、窒素雰囲気下で回分反応を行ない、さらに粉末リパーゼ回収時に、加圧密閉型濾過機と膜分離装置の併用に代えて、遠心分離装置(3,000rpm、30分)を使用した以外は、実施例2と同様にしてエステル交換反応を行なった。
なお、原料油脂中に存在する粉末リパーゼの粒径、エステル交換活性値、粉末リパーゼ回収率、エステル交換活性値が1/2となるまでの期間における粉末リパーゼ1gあたりのエステル交換油の生産量を実施例1と同一の方法で算出し、それぞれ結果を表1に記載した。
〔比較例2〕
粉末リパーゼの均質化処理を行なわず、原料油脂1,000g、粉末リパーゼ10g及び珪藻土(セライトハイフロー:セライト社製:平均粒径7μm)20gを直接セパラブルフラスコに投入し、撹拌羽根を用いて60℃、300rpm、窒素雰囲気下で回分反応を行なった以外は、実施例2と同様にしてエステル交換反応を行なった。
なお、原料油脂中に存在する粉末リパーゼの粒径、エステル交換活性値、粉末リパーゼ回収率、エステル交換活性値が1/2となるまでの期間における粉末リパーゼ1gあたりのエステル交換油の生産量を実施例1と同一の方法で算出し、それぞれ結果を表1に記載した。
〔比較例3〕
粉末リパーゼの均質化処理を行なわず、原料油脂1,000g、粉末リパーゼ10gを直接セパラブルフラスコに投入し、撹拌羽根を用いて60℃、300rpm、5分攪拌後、45kHzの超音波処理を1分間行なった後、濾過助剤として珪藻土(セライトハイフロー:セライト社製:平均粒径7μm)20gを投入し、撹拌羽根を用いて60℃、300rpm、窒素雰囲気下で回分反応を行なった以外は、実施例2と同様にしてエステル交換反応を行なった。
なお、原料油脂中に存在する粉末リパーゼの粒径、エステル交換活性値、粉末リパーゼ回収率、エステル交換活性値が1/2となるまでの期間における粉末リパーゼ1gあたりのエステル交換油の生産量を実施例1と同一の方法で算出し、それぞれ結果を表1に記載した。
〔実施例3〕
均質化処理時間を30分間とした以外は、実施例2と同様にしてエステル交換反応を行なった。
なお、原料油脂中に存在する粉末リパーゼの粒径、エステル交換活性値、粉末リパーゼ回収率、エステル交換活性値が1/2となるまでの期間における粉末リパーゼ1gあたりのエステル交換油の生産量を実施例1と同一の方法で算出し、それぞれ結果を表1に記載した。
〔実施例4〕
均質化処理時間を60分間とした以外は、実施例2と同様にしてエステル交換反応を行なった。
なお、原料油脂中に存在する粉末リパーゼの粒径、エステル交換活性値、粉末リパーゼ回収率、エステル交換活性値が1/2となるまでの期間における粉末リパーゼ1gあたりのエステル交換油の生産量を実施例1と同一の方法で算出し、それぞれ結果を表1に記載した。
〔実施例5〕
パームオレインとパーム核ステアリンとナタネ極度硬化油の4:1:1混合物を原料油脂とし、濾過助剤として珪藻土(セライトスタンダードハイフロー:セライト社製:平均粒径7μm)30gを用いた以外は、実施例4と同様にしてエステル交換反応を行なった。
なお、原料油脂中に存在する粉末リパーゼの粒径、エステル交換活性値、粉末リパーゼ回収率、エステル交換活性値が1/2となるまでの期間における粉末リパーゼ1gあたりのエステル交換油の生産量を実施例1と同一の方法で算出し、それぞれ結果を表1に記載した。
(実施例6)
パームスーパーオレインとパーム核油とナタネ極度硬化油の2:3:1混合物を原料油脂とし、濾過助剤として珪藻土(セライトスーパーセル:セライト社製:平均粒径7μm)40gを用いた以外は、実施例4と同様にしてエステル交換反応を行なった。
なお、原料油脂中に存在する粉末リパーゼの粒径、エステル交換活性値、粉末リパーゼ回収率、エステル交換活性値が1/2となるまでの期間における粉末リパーゼ1gあたりのエステル交換油の生産量を実施例1と同一の方法で算出し、それぞれ結果を表1に記載した。
上記[表1]に示す結果から、粉末リパーゼを触媒として使用して油脂のエステル交換を行なう方法において、原料油脂中に粉末リパーゼが、i)粒径の平均値が0.2〜10μm(個数基準)且つii)粒径0.1〜1.0μmの粒子が20〜100%(個数基準)となるように分散させることにより、エステル交換活性値を高めることができる(実施例1〜6参照)。
ここで、粉末リパーゼ回収方法として、加圧濾過器の単独使用(実施例1)に比べ、加圧濾過器と膜濾過器を併用(実施例2〜6)することで、粉末リパーゼの回収率をさらに向上させることができるため、エステル交換油脂の生産性がさらに向上する。
これに対し、粉末リパーゼを触媒として使用して油脂のエステル交換を行なう方法において、原料油脂中の粉末リパーゼの粒径が上記範囲外であると、エステル交換活性値が低く(比較例1〜3参照)、たとえ高率で粉末リパーゼを回収することができた場合においても、エステル交換油脂の生産性は低いものであった(比較例2及び3参照)。

Claims (4)

  1. 粉末リパーゼを触媒として使用して油脂のエステル交換を行なう方法において、原料油脂中に粉末リパーゼが、下記i)及びii)の条件を満たす粒度で分散している状態で、回分反応を行なった後、粉末リパーゼを回収、再利用することを特徴とする油脂のエステル交換方法。
    i)粒径の平均値が0.2〜10μm(個数基準)
    ii)粒径0.1〜1.0μmの粒子が20〜100%(個数基準)
  2. 上記粉末リパーゼの回収を、濾過助剤存在下、加圧密閉型濾過機に通液することによって行なう請求項1記載の油脂のエステル交換方法。
  3. 上記粉末リパーゼの回収を、濾過助剤存在下、加圧密閉型濾過機に通液後、さらにその濾液を膜分離装置に通液することによって行なう請求項1記載の油脂のエステル交換方法。
  4. 上記膜分離装置が、精密濾過膜濾過機又は限外濾過膜濾過機である請求項3記載の油脂のエステル交換方法。
JP2005069318A 2005-03-11 2005-03-11 油脂のエステル交換方法 Pending JP2006246808A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005069318A JP2006246808A (ja) 2005-03-11 2005-03-11 油脂のエステル交換方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005069318A JP2006246808A (ja) 2005-03-11 2005-03-11 油脂のエステル交換方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006246808A true JP2006246808A (ja) 2006-09-21

Family

ID=37087921

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005069318A Pending JP2006246808A (ja) 2005-03-11 2005-03-11 油脂のエステル交換方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006246808A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012144599A1 (ja) * 2011-04-21 2012-10-26 株式会社カネカ ダイレクトエステル交換油脂の製造方法
JP2019081833A (ja) * 2017-10-30 2019-05-30 竹本油脂株式会社 胡麻油の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012144599A1 (ja) * 2011-04-21 2012-10-26 株式会社カネカ ダイレクトエステル交換油脂の製造方法
JP2019081833A (ja) * 2017-10-30 2019-05-30 竹本油脂株式会社 胡麻油の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2724740C1 (ru) Уменьшение содержания глицидиловых эфиров в пищевых маслах
TW200946673A (en) Process for heterogeneously catalysed esterification of fatty acids
CN106457100A (zh) 重金属回收过程以及有利于这过程的物料
JP5201858B2 (ja) 遊離脂肪酸が低減された油脂の製造方法
RU2556718C2 (ru) Переработка растительных масел
JP2006246808A (ja) 油脂のエステル交換方法
US11180445B2 (en) Method for recycling urea in urea adduct process
JP3690951B2 (ja) 油脂のエステル交換反応方法
EP0182396A2 (en) Process for treating triglyceride oil
JP5080771B2 (ja) 固定化酵素を用いた有用物質の製造方法
CA3075814A1 (en) A process for the cell-free enzymatic production of 10-hydroxystearic acid (10-hsa) from bio-based oils for lubricant formulation
JP4942421B2 (ja) 固定化リパーゼ及びその製造方法
JP6990076B2 (ja) 脂肪酸類の製造方法
JPS62287A (ja) 酵素による油脂の精製法
JP5080797B2 (ja) 固定化酵素を用いた有用物質の製造方法
JP2011256245A (ja) エステル交換油脂の精製方法
JP2007029085A (ja) 脂肪酸類の製造方法
RO130618A0 (ro) Procedeu şi catalizator pentru obţinerea biodieselului
WO2008072382A1 (ja) 固定化酵素を用いた有用物質の製造方法
JP5284663B2 (ja) 油脂のエステル交換反応方法
CN105255852B (zh) 利用陶瓷膜分离固定化酶和肝素酶解液的方法
JPWO2012144599A1 (ja) ダイレクトエステル交換油脂の製造方法
JP5833849B2 (ja) 消泡剤組成物
JP2006136258A (ja) 固定化酵素の製造方法
JP5242236B2 (ja) 脂肪酸類の製造方法