JP3690951B2 - 油脂のエステル交換反応方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉末状のリパーゼを用いた油脂のエステル交換方法に関し、粉末状のリパーゼを層を形成するように封入した濾過機に油脂を通油させることで、簡易な工程で油脂をエステル交換方法させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エステル交換反応は動植物油脂類の改質をはじめ、各種脂肪酸のエステル、糖エステルやステロイドの製造法として重要な技術である。このエステル交換反応の触媒として、酵素が存在する。また、油脂については、特に油脂加水分解リパーゼであるリパーゼを用いると、室温ないし約80℃程度の温和な条件下でエステル交換反応を行うことができ、従来の化学反応に比べ、副反応の抑制やエネルギ−コストが低減化されるだけでなく、触媒としてリパーゼが天然物であることから安全性も高い。また、その基質特異性や位置特異性により目的物を効率よく生産することができることが知られている。
ところが、粉末状リパーゼを油脂中に添加する等、そのままエステル交換反応に用いても水溶性のリパーゼを油性原料中に均一に分散させることは困難であり、活性が十分に発現せず、また、油脂中に分散した粉末状リパーゼを再度使用するために行う回収が困難であるという問題があった。
このため、従来は粉末状リパーゼを何らかの担体、例えば陰イオン交換樹脂(特開昭60−98984号)、フェノール吸着樹脂(特開昭61−202688号)、疎水性担体(特開平2−138986号)、陽イオン交換樹脂(特開平3−61485号)、キレート樹脂(特開平1−262795号)等に固定化してエステル交換反応に用いることが行われている。このように粉末状リパーゼ等を担体に固定化した固定化リパーゼは、油脂中での分散性、反応後の回収性に優れているが、固定化リパーゼは固定化処理によりリパーゼの活性が損失し、また、多孔性担体を用いた場合には細孔に原料や生成物が詰まり、結果としてエステル交換活性の低下を招くという問題が生じていた。さらに、従来の固定化リパーゼを用いたエステル交換反応においては、担体が保持する水分が反応系に持ち込まれるため、副反応が生じるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、粉末状のリパーゼを使用し、該粉末状のリパーゼを濾過機に内に層を形成するように封入することで、簡易な工程で、かつ、良好なエステル交換反応を達成することができ、さらに副反応を抑制することが可能で、粉末状リパーゼの回収作業が不要である、油脂のエステル交換方法を提供することを課題とする。
【0004】
【発明が解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、濾過機内に粉末状リパーゼを単独または濾過助剤を層を形成するように封入し、その濾過機に油脂を通油することで、簡易な工程でエステル交換反応を行うことができ、かつ、エステル交換反応性も良好であることを見出し本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、濾過機内に粉末状リパーゼを単独または濾過助剤とともに層を形成するように封入し、その濾過機に油脂を通油させることを特徴とする油脂のエステル交換反応方法に関する。好ましくは、無溶剤および無水条件下でエステル交換が行われる。
好ましくは粉末状リパーゼの90%以上の粒径を1〜100μmの範囲の粒径に保たれた粉末状リパーゼを用い、好ましくは濾過助剤の粒子の90%以上の粒径を1〜1000μmの範囲の粒径に保たれ濾過助剤を用い、さらには、粉末状リパーゼの粒子径と濾過助剤の粒子径の比が、1:0.1〜10である場合が好ましい。
濾過機内に封入された、濾過機内に粉末状リパーゼを単独または濾過助剤の層の厚さが1mm〜500mmであることが好ましく、通油時の油圧が10Pa〜1000Paであることが好ましく、また、濾過機が1または2以上の平状の濾過膜を有することが好ましい。
また、濾過機に通油させる油脂は、粉末状リパーゼまたは/および濾過助剤を含有する油脂であることが好ましい。
また、一度の通油でエステル交換率が30%以上となることが好ましく、通油された油脂を更に1度または2度以上通油させることで、好ましくは通油された油脂を循環させることで目的のエステル交換率を達成させることができる。
工程的にいえば、少なくとも粉末状のリパーゼを単独または濾過助剤とともに層を形成するように封入された濾過機とタンクからなる循環系内で、通油した油脂を循環させ、一定のエステル交換率になった後、循環系外に油脂を送油する油脂のエステル交換のシステムである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は、濾過機内に粉末状リパーゼを単独または濾過助剤とともに層を形成するように封入し、その濾過機に油脂を通油させることを特徴とする油脂のエステル交換反応方法に関する。
粉末状リパーゼとは固定化されていない粉末状のリパーゼであり、この粉末状のリパーゼを単独または濾過助剤とともに濾過機に層を形成すように封入するが、この場合、通油効率、反応効率によって、粉末状リパーゼ、濾過助剤の封入する順序、量、および、粉末リパーゼと濾過助剤の質量比等を好適に調整することができる。また、粉末状リパーゼまたは濾過助剤は直接封入しても、油脂等の液体に投入し攪拌等したものを通液することで封入しても良い。層を形成するように封入するためには、粉末状リパーゼまたはろ助剤を液体、特に油脂に投入し攪拌等したものを通油することで封入することが好ましい。
ここで、粒子の90%以上の粒径を1〜100μmの範囲の粒径に保たれた粉末状リパーゼを用いることで好適なエステル交換反応がなされ、また、粒子の90%以上の粒径を1〜1000μmの範囲の粒径に保たれ濾過助剤を用いることで、通油効率が良好になる。さらには、粉末状リパーゼの粒子径と濾過助剤の粒子径の比が、1:0.1〜10に調整した場合は、好適なエステル交換反応と、好適な通油効率が達成される。つまり、効率の良いエステル交換油の製造がなされるといえる。
油脂のエステル交換方法に関するものであるため、リパーゼがリパーゼであることが好ましく、また、担体で固定化されていない粉末状リパーゼを使用することから実質的に無溶剤および無水条件下でエステル交換が行われる。また、本発明で油脂とは液状の油脂をいい、反応時に液体である全ての油脂をいう。また、油脂は2種以上の油脂が配合されたもの、炭素数2〜28の直鎖脂肪酸等のカルボン酸、グリセリン等のアルコールの1種または2種以上が配合されたものを含む。
濾過機内に封入された粉末状リパーゼ単独または濾過助剤とともに形成された層の厚さが1mm〜500mmであると油脂とリパーゼが好適に接触するため良好なエステル反応がなされ、通油効率も良好である。通油時の油圧が10Pa〜1000Paであることでリパーゼとの接触・反応が促進されるので好ましい。また、濾過機については、特に1または2以上の平状の濾過膜を有する濾過機が好ましく、この濾過膜の一面に粉末状リパーゼ等の層が形成される。ここで、濾過機内で濾過膜に形成された層の1つを通油される場合も、同一濾過機内の2以上の層を通油することも求めるエステル交換率等によって選択できる。
上記の態様で、粉末状リパーゼ等が封入された濾過機に通油することで、簡易な工程で、粉末状リパーゼの回収が不要で、良好なエステル交換反応が得られる、油脂のエステル交換方法である。
ここで、濾過機に通油させる油脂は、粉末状リパーゼまたは/および濾過助剤を含有させることができ、これにより、反応性、通油性を調整するこができ、また、リパーゼの失活や詰まりによる濾過効率の低下に適時対応することができ、反応性、通油性を補完することができる。
また、一度の通油でエステル交換率が30%以上となるように調整することができる。さらに、通油された油脂を更に1度または2度以上通油させることでエステル交換率を向上させることができ、またさらに、目的のエステル交換率を達成するまで通油された油脂を循環・通油させることができる。
つまり、工程的にいえば、少なくとも粉末状リパーゼを単独または濾過助剤とともに層を形成するように封入された濾過機とタンクからなる循環系内で、通油した油脂を循環させ、一定のエステル交換率になった後、循環系外に油脂を送油する油脂のエステル交換のシステムとすることができる。
【0006】
本発明で油脂とは、液状の油脂をいい、エステル交換反応時に液状である全ての油脂をいう。また、油脂は2種以上の油脂が配合されたもの、また、炭素数2〜28の直鎖脂肪酸等のカルボン酸、グリセリン等のアルコールの1種または2種以上配合されたものを含む。
油脂とは、カルボン酸とアルコールのエステルであり、動物、植物、魚介類、微生物、鉱物等の天然物から抽出し、あるいは常法によりエステル合成して得ることができる。
油脂の種類としては、植物体、植物種子、植物果実などを圧搾および/または抽出してなる原料油脂を精製し、または動物性の脂肪を精製してなるものがあげられる。具体的には、大豆油、菜種油、高オレイン酸菜種油、ゴマ油、コーン油、綿実油、紅花油、高オレイン酸紅花油、ヒマワリ油、高オレイン酸ヒマワリ油、パーム油、パームオレイン油、パーム核油、パームステアリン、ヤシ油、カカオ油、米糠油、落花生油、オリーブ油、シソ油、エゴマ油、亜麻仁油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、ボラージ油、ババス油、ツクム油、綿実油、小麦胚芽油、藻類油、牛脂、豚脂、鶏油、魚油、乳脂、卵油、ラード、アザラシ油、品種改良によって低飽和化されたこれらの油脂およびこれらの水素添加油脂などが使用できる。
【0007】
カルボン酸としては、例えば、炭素数2〜50の飽和または不飽和、直鎖状または側鎖状の脂肪族一塩基酸いわゆる脂肪酸、脂肪族二塩基酸および三塩基酸が好適なものとしてあげられる。脂肪酸としては、酢酸、酪酸、カプリル酸、イソオクチル酸、イソノナン酸、カプリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、パルミトオレイン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレン酸、エルシン酸、ベヘン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、セロチン酸、モンタン酸、ノナコサン酸、メリシン酸、ペンタトリアコンタン酸、ヘキサトリアコンタン酸、ヘキサテトラコンタン酸等を例示でき、脂肪族二塩基酸としてはコハク酸、リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカジカルボン酸等を例示でき、また脂肪族三塩基酸としてはクエン酸等を例示できる。
【0008】
また、アルコールとしては、例えば、炭素数1〜50の飽和または不飽和、直鎖状または側鎖状の脂肪族一価アルコール、及び二価〜六価アルコールが好適なものとしてあげられる。これらのアルコール類の例として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサノール、イソオクタノール、イソノナノール、ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、オクタコサノール、米国ペトロライト社製のユニリンアルコール425(平均分子量:510)、同ユニリンアルコール550(平均分子量:660)、同ユニリンアルコール700(平均分子量:850)等の一価アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール等の二価アルコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等の三価以上のアルコールを挙げることができる。さらに、アルコール類として、キシロース、フラクトース、ガラクトース、グルコサミン、グルコース、β−メチルグルコサイド、マルトース、ラフィノースなどの糖類、コレステロール、ラノステロール、テストステロン、アントドロスタンディオール、ナンドロロン、エルゴカルシフェノール、コレカルシフェノール、2,2−ジヒドロエルゴステロール、ジモステロールなどのステロール類やスフィンゴシン、リグノセリールスフィンゴシンなどもあげられる。なお、前記カルボン酸およびアルコールにおいて、炭素数の上限は工業的に容易に入手できるものとして設定したが、これ以上にも入手可能であればさしつかえない。
【0009】
粉末リパーゼとは、粉末状リパーゼとは固定化されていない粉末状のリパーゼであり、ここで使用する粉末状リパーゼとは動物、植物、および微生物のいずれの起源のものでもよく、たとえばブタ膵臓リパーゼ、大豆、米ヌカ、ヒマ種子など由来のリパーゼ、アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)、キャンディダ シリンドラセ(Candida cylindracea)、リゾプス デレマー(Rhizopus delemar)、リゾプス ジャバニカス(Rhizopus javanicus)、アルカリゲネス エスピー(Alcaligenes sp.)、アルカリゲネス ファエカリス(Alcaligenes faecalis)、ムコール ミーハイ(Mucor miehei)、シュードモナス フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)など由来のリパーゼをあげることができる。かかるリパーゼは常法により前記組織もしくは培養液から抽出、精製して調整することも出来るが市販品を利用することが至便である。
【0010】
本発明において、粒子の90%以上の粒径を1〜100μm、好ましくは5〜70μm、更に好ましくは10〜60μmの範囲の粒径に保たれた粉末状リパーゼを用いることで好適なエステル交換反応がなされる。粉末状リパーゼは粒径が大きすぎると油脂との接触効率が悪くなり反応性が低下し、逆に粒径が小さすぎると通液性が悪くなる。
粉末状リパーゼの粒子径は調整することができ、例えば超音波処理、粉砕処理、精密濾過処理、遠心沈降処理等により調整することができる。
【0011】
濾過助剤としはセルロース系、セライト系、等の助剤が上げられるがこれに限らずいかなる濾過助剤でも使用できる。特にセルロース系の濾過助剤が好適である。
濾過助剤の粒子が大きすぎても小さすぎても通液スピードを上げることは出来ない。粉末状リパーゼを使用する場合、粒子の90%以上の粒径を1〜1000μmの範囲に保たれた濾過助剤を用いることで、通油効率が良好になる。
【0012】
さらには、粉末状リパーゼの粒子径と濾過助剤の粒子径の比が、1:0.1〜10、好ましくは1:0.5〜5、さらに好ましくは1:1〜3に調整した場合は、好適なエステル交換反応と、好適な通油効率が達成される。つまり、効率の良いエステル交換油の製造がなされるといえる。
【0013】
また、担体で固定化されていない粉末状リパーゼを使用することから、担体からの水分等の混入がないため、実質的に無溶剤および無水条件下でエステル交換が行われる。副反応が抑制され、不純物の発生の抑制、反応性の向上がなされ、品質の向上、生産効率の向上等がはかられる。
【0014】
この粉末状のリパーゼを単独または濾過助剤とともに濾過機に層を形成すように封入するが、この場合、通油効率、反応効率によって、粉末状リパーゼ、濾過助剤の封入する順序、量、および、粉末リパーゼと濾過助剤の質量比等を好適に調整することができる。通液スピードをコントロールするため、必要に応じて濾過助剤を用いるが、濾過助剤を予め濾過膜等にベットとして用いる方法や、粉末状リパーゼとともに層を形成させる方法があるが、これらに限定させるものではない。
また、粉末状リパーゼまたは濾過助剤は直接封入しても、油脂等の液体に投入し攪拌等して分散させたものを通液することで封入しても良い。本発明においては、粉末状リパーゼまたは濾過助剤を液体、特に油脂に投入し攪拌等したものを通油することで、層を形成するように封入することが好ましい。
分散に要する攪拌時間は特に制限はないが30〜60分程度で十分である。
【0015】
形成される層は、粉末状リパーゼ単独または濾過助剤とともに、濾過膜等の一面に形成され、その層を油脂が通油することでエステル交換反応がなされる。
油脂が層を通油する条件、つまり、粉末状リパーゼとの接触条件にエステル交換の度合いは影響を受ける。
粉末状リパーゼの量、接触効率に関係がある粉末リパーゼの粒子径、粉末リパーゼと油脂の接触時間等が影響を与えることになるが、このことから、この層の厚さはエステル交換の度合いに影響をあたることになる。さらに、この層の厚さは通油性にも影響を与える。
本発明においては、粉末状リパーゼ単独または濾過助剤とともに形成された層の厚さが1mm〜500mmであると油脂とリパーゼが好適に接触するため良好なエステル反応がなされ、また、通油性も良好である。ここで、層の厚さは上記範囲に限られるものではない。
【0016】
粉末状リパーゼ等で形成された層の厚さは、その粉末状リパーゼと濾過剤の粒径比、質量比や、形成させる層に濾過助剤を含ませるか否かや、通油させる方法によっても異なる。
例えば、始めから粉末状リパーゼと濾過助剤が存在する層を形成させる場合、粉末状リパーゼと濾過助剤の粒径の比が1:1、質量比が1:1となるようにし、層の厚さは20〜100mmになるように形成させることが好ましい。また、例えば予め濾過助剤でベットして用いる場合は、粉末状リパーゼとの粒径の比が1:5である濾過助剤で100〜400mmの層を形成し、その後、粉末状リパーゼで更に10〜50mmの層を上乗せすることが好ましい。上記は例示であって、これらに限定されるものではない。
【0017】
エステル交換とは、例えば、カルボン酸とアルコールとのエステルから選ばれる1種もしくは2種以上のエステル、あるいはこれにカルボン酸またはアルコールを共存させ、前記エステルのカルボン酸残基若しくはアルコール残基を交換することである。
油脂のエステル交換とは、例えば、グリセリンと脂肪酸とのエステルから選ばれる1種もしくは2種以上のエステル、あるいはこれにカルボン酸またはアルコールを共存させ、前記エステルのカルボン酸残基若しくはアルコール残基を交換することである。
【0018】
エステル交換率とは、エステル交換反応の進行度合いを測る指標であり、エステル交換率は100%にする必要はなく、目的の品質に応じたエステル交換率を設定し、そのエステル交換率で反応を停止することができ、また、本交換率はその指標とすることができる。
エステル交換率の内容は、反応開始前の油脂の特定トリグリセリド成分と完全にエステル交換がなされた後の特定トリグリセリド成分との差を100とし、任意のエステル交換油脂の特定トリグリセリド成分が、反応開始前と比較して変化した度合いを100分率で表したものであり、詳細には、特表平10−508497に記載される。具体的には下記の式によって算出される。
エステル交換率(%)=(Xt−XO)/(Xeq−XO)×100
X:トリグリセリド混合物の分子組成に依存する、測定可能な特性であって、エステル交換開始前の組成物と、完全にエステル交換がなされた後の組成物が、その両極端の値を有する特性
XO:エステル交換前のXの値
Xeq:完全にエステル交換がなされた後のXの値
Xt:エステル交換が測定されることになっている組成物のXの値
【0019】
粉末状リパーゼ等封入し、油脂を通油させる濾過機は、単板型、多段型、円筒型、フィルタープレス型などが上げられるが、これらに限らずいかなる濾過器でも用いることが出来る。
濾過膜の種類は、綿布、麻布、ろ紙等の繊維、羊毛布、絹布、フェルト等の動物繊維、ナイロン、サラン、クレハロン、ビニロン布等の合成繊維による各種ろ紙、ビニルスポンジ、ゴム、焼結金属、素焼き、セラミック、多孔磁器等の多孔物質、グラスウール、グラスファイト等を材料とした、平膜、板状膜、中空膜等を使用することができる。
濾過方式は機械的な加圧による方法、真空または減圧による吸引等の方法が可能であり、また、濾過膜に対して垂直に通油させる方式でも、膜に対して並行に通油させるクロスフロー方式でも本発明の効果は得られる。
【0020】
また、濾過機については、特に平状の1または2以上の濾過膜を有する濾過機が好ましく、この濾過膜の一面に粉末状リパーゼ等の層が形成される。平状の濾過膜に層が形成された場合、層の厚さが全体的に均一になり、反応性等にかたよりが生じたり、ある部分が詰まり易くなったりしないため好ましい。ここで、濾過機内で濾過膜に形成された層の1つを通油される場合も、同一濾過機内の2以上の層を通油する場合もあり、求めるエステル交換率等によって好適に選択できる。
【0021】
また、濾過機への通油時の油圧が10Pa〜1000Paである場合、リパーゼとの接触・反応が促進されるので好ましい。
流速は0.01Kg/min〜1000kg/minで調整されることが好ましく、層の厚さとの関係もあるが、粉末状リパーゼ等で形成された層に滞留している時間が10秒〜10時間であることが好ましい。
反応温度はリパーゼ反応が出来る温度である−50〜150℃であればいかなる温度でも可能であるが。食用油脂を反応させる場合には風味・品質の面から、40〜80℃が好適である。
【0022】
本発明では、粉末状リパーゼを濾過機内に封入することを特徴とし、その層を形成するように封入された粉末状リパーゼに油脂を通油させることで反応を行っているので、通常の粉末状リパーゼの場合のように、油脂中に分散させ、油脂と接触させ反応を進行させるために長時間攪拌し、使用したリパーゼを回収し、再利用のため油脂へ再度添加する必要はない。使用しているリパーゼの回収や、再利用のための油脂への添加や、分散や反応促進のための攪拌が不要である。
また、濾過機内に封入されたリ粉末状パーゼは、その粉末状リパーゼが期待される反応を達成できない程度に失活するまで連続して使用され、その後は排出される。この間、エステル交換率、通油性を観察しながら新規な粉末状リパーゼ、濾過助剤を添加することはあるが、濾過機に封入されている粉末状リパーゼを、一定時間ごとに回収し、油脂へ再添加させる必要はない。ここで、上記記載は、通油性が悪くなり排出された、失活していないリパーゼの再添加ができないという意味ではない。
また、通常、濾過機には自動もしくは手動の排出機構がついていることから、使用後の粉末リパーゼ等の排出は非常に容易である。
作業性、工程全体のコスト低減、副反応の抑制等に優れているといえる。
【0023】
本発明によれば、上記に記載された態様で粉末状リパーゼ等が封入された濾過機に油脂を通油させることで、油脂をエステル交換させることができる。また、粉末状リパーゼが封入された濾過機に、新しい原料油脂を通油させることはもちろん、粉末状リパーゼを封入させる際に使用した油脂を再度通油させることも当然に可能であり、作業上も好ましい。
本発明は、簡易な工程で、粉末状リパーゼの回収が不要で、良好なエステル交換反応が得られる、油脂のエステル交換方法である。
【0024】
ここで、濾過機に通油させる油脂は、粉末状リパーゼまたは/および濾過助剤を含有させることができ、これを通油させることで本発明のエステル交換方法を行うことができる。通油させる油脂に粉末状酵素や、濾過助剤を添加することができる。これにより、連続的なエステル交換反応油の製造中に、この連続的な製造を中止することなく反応性、通油性を調整するこができ、また、リパーゼの失活や、詰まりによる濾過効率の低下に対応することができ、適時反応性、通油性を補完することができる。
【0025】
本発明によれば、1度の通油により、エステル交換率が1%〜99%の反応がなされ、好適にはエステル交換率が30%以上となるように調整することができる。さらに、通油された油脂を更に再度または更に2度以上通油させることでエステル交換率を向上させることができ、またさらに、目的のエステル交換率を達成するまで通油された油脂を循環させ、濾過機に通油させることができる。
【0026】
つまり、工程的にいえば、少なくとも粉末状リパーゼを単独または濾過助剤とともに層を形成するように封入された濾過機とタンクからなる循環系内で、通油した油脂を循環させ、一定のエステル交換率になった後、循環外に油脂を送油する油脂のエステル交換のシステムとすることができる。
さらに具体的には、濾過機内に粉末状リパーゼを封入した後、油脂を循環通液させ、濾過機出口でのエステル交換率が所定の値に達したところで、それ以上は循環せずに濾過機より反応液を系外へ抜き取る。反応終了後、濾過機の出口のバルブを操作するだけで行うことができる。
その後は、粉末状リパーゼを濾過機に封入したまま、新しい原料油脂を濾過機に通油させ、上記と同様に循環通油させ、濾過機出口のエステル交換率が所定の値に達したところで、それ以上は循環せずに濾過機より反応液を系外へ抜き取る。これをリパーゼが失活する等でエステル交換反応が目的の条件まで進まなくなるような状態になるまで、繰り返すことができる。その後、再度、粉末状リパーゼを上記の態様で封入し、油脂を通油、循環することで、本発明のエステル交換方法を行うことができる。簡便に、繰り返してエステル交換反応を行うことができる。
【0027】
本発明によれば、使用するリパーゼが粉末状であるので、油脂との接触が良好であるため、エステル交換の反応性が良好であり、さらに、濾過助剤を使用することで、通油効率も良好である。つまり、反応性、通油が良好であり、目的とするエステル交換油脂の生産効率が良好であるということである。
また、原料油脂に、リパーゼ、助剤を添加して濾過機に通油させることで、エステル交換率・通油速度の調整や、エステル交換率の低下を補完することもできる。
上記で1度の通油でのエステル交換率を調整することができるとともに、循環させ、通油を繰返すこと、つまり、通油回数によってもエステル交換率を調整することができる。
また、粉末状リパーゼを使用しているが、本発明によればリパーゼの回収作業はないので、回収によるリパーゼの損失、吸湿による活性の低下をさけることができ、現場作業性の面からも好ましい。
担体に固定化された固定化リパーゼを使用しないため、また、リパーゼの回収作業がないため、系内に水分が混入することが可能性が少なく、副反応がおこりにくい。
また、当然ではあるが、濾過工程も兼務させるこができる。
本発明によれば、簡便に、繰り返してエステル交換反応を行うことができる。
【0028】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を示すが、実施例によって本発明は何ら制限されない。
以下に、粉末状リパーゼおよび濾過助剤の粒径の測定方法、エステル交換率の測定方法を下記に示す。
<粉末状リパーゼおよび濾過助剤の粒径の測定方法>
粉末状リパーゼを精製された油脂に分散させ、レーザー回析式粒度分布測定装置LA500((株)堀場製作所社製)を用いて粒径を測定した。
<エステル交換率>
エステル交換された油脂を、キャピラリーガスクロマトグラフにてその組成を測定し特定の分子種の相対的変化を率として算出した。具体的には、【0018】の方法による。
【0029】
実施例1
パームオレイン5Kgおよびなたね油5Kgの混合油脂にアルカリゲネス属由来のリパーゼ(名糖産業製「リパーゼPL」)200gを加え、粒径調整のため超音波処理により粉末状リパーゼ(90%以上の粒子の粒子径が1μm〜100μm、平均粒径40μm)を分散させた後、濾過助剤としてセルロースパウダー200g(90%以上の粒子の粒子径が10μm〜80μm、平均粒径40μm)添加した。この分散液をタンクに移し、60℃に保持しながら、総濾過面積約0.1平方メートルの加圧濾過機に通油させ、粉末リパーゼ等の層を形成させた(層厚約50mm)。その後、油脂を濾過機に通油させ、タンクを介して循環させることによりエステル交換反応を行なった。循環中の濾過機へ送油する油圧は300Paへであった。
通油開始直後と、通油開始16hr後に濾過機出口の反応油のエステル交換率を、構成脂肪酸の炭素数の合計が52のトリグリセリドの変化をキャピラリーガスクロマトグラフ(島津製作所社製GC17A)で分析して算出した。エステル交換率は通油開始直後が30%、通油開始16hr後が94%であった。通油開始16hr後に濾過機出口の経路を切替え循環系外へ送油し、反応油を回収した。ここで、回収開始直後および終了直前の濾過機出口での反応油のエステル交換率は、いずれも94%であった。
このろ液を、通常のアルカリ脱酸、脱色、脱臭処理した。
【0030】
実施例2
パーム油となたね油の混合油をエステル交換した。濾過機への導入方法として、まず、セルロースパウダー(90%以上の粒子の粒子粒径100μm〜400μm、平均粒径150μm)400gを混合油5Kgに混合した液を通液して濾過面に濾過助剤の層(10mm)を形成し、続いてリパーゼ(名糖産業製「リパーゼQL」、90%以上の粒子の粒子径が1μm〜100μm、平均粒径30μm)3gを混合油5Kgに分散させた分散液を通油し層を形成(リパーゼの層厚25mm)した。
その後、実施例1と同様に油脂を循環させた。循環中の圧力は200Paであった。
通油開始直後と、通油開始16hr後に濾過機出口の反応油のエステル交換率を、構成脂肪酸の炭素数の合計が52のトリグリセリドの変化をキャピラリーガスクロマトグラフで分析して算出した。エステル交換率は通油開始直後が20%、通油開始16hr後が95%であった。通油開始16hr後に濾過機出口の経路を切替え循環系外へ送油し、反応油を回収した。ここで、回収開始直後および終了直前の濾過機出口での反応油のエステル交換率は、いずれも95%であった。
このろ液を、通常のアルカリ脱酸、脱色、脱臭処理した。
【0031】
実施例3
パームステアリンとパーム核油のエステル交換を実施例1と同様に行った。通油直後のエステル交換率は35%であった。通油開始16hr後が98%であった。通油開始16hr後に濾過機出口の経路を切替え循環系外へ送油し、反応油を回収した。ここで、回収開始直後および終了直前の濾過機出口での反応油のエステル交換率は、いずれも98%であった。
【0032】
実施例4
極硬菜種油とトリアセチンを実施例1と同様にエステル交換を行った。ただし酵素はリパーゼ(名糖産業製「リパーゼQL」、90%以上の粒子の粒子径が1μm〜100μm、平均粒径30μm)5gを用い、濾過助剤はセライトパウダー(90%以上の粒子の粒子粒径30μm〜100μm、平均粒径60μm)10gを用いた。通油直後のエステル交換率は30%であった。通油開始16hr後が99%であった。通油開始16hr後に濾過機出口の経路を切替え循環系外へ送油し、反応油を回収した。ここで、回収開始直後および終了直前の濾過機出口での反応油のエステル交換率は、いずれも99%であった。
【0033】
実施例1〜4の油脂の種類、リパーゼの種類および粒径、濾過助剤の種類および粒径、エステル交換率を表1にまとめた。
【0034】
【表1】
Figure 0003690951
【0035】
実施例5
パームステアリン5Kgとパーム核油5Kgの混合油を用いて、実施例1と同様の手順・条件で反応させた。ただし、リパーゼとしてアルカリゲネスリパーゼ(名糖産業製「リパーゼQL」)を10g用い、セルロースパウダーも10gとした。反応温度は50℃とした。
16hr後に反応油脂を回収した後、タンクに新たな混合油を入れて再び濾過機に通油・循環させ、反応を行い16時間循環させた後、同様に反応油脂を回収した。この操作を繰り返して、16時間の循環を1回とし、計50回の反応を行なった。
反応第1回目、25回目および50回目の反応油脂のエステル交換率はそれぞれ99%、92%、85%であった。第2回目以降の酸価は0.6〜0.8であった。
【0036】
実施例6
パームステアリン5Kgとパーム核油5Kgの混合油を用いて、実施例5と同様に手順・条件で反応させた。ただし、10回毎にリパーゼ1gとセルロースパウダー1gを追加した。反応第1回目、25回目および50回目の反応油脂のエステル交換率はそれぞれ99%、98%、99%であった。第2回目以降の酸価は0.6〜0.8であった。
【0037】
比較例1
実施例5と同様の油脂、粉末状リパーゼ、濾過助剤を、粒径等も同一の条件に調整したものを用い、通常のバッチ式のエステル交換反応を行なった。粉末状リパーゼを添加した混合油をタンクに移した後、プロペラ攪拌機にて攪拌し均一に分散させ、エステル交換反応させるためさらに攪拌をし続け、16hr後に、セルロースパウダーを添加し、粉末状酵素を含んだ反応油脂を濾過することで、反応油脂および粉末状リパーゼを回収した。ここで、回収された粉末状リパーゼとセルロースパウダーの混合物を、再度新たな油脂へ添加し、同じ手順で攪拌、反応させ、計50回のエステル交換反応を行なった。
反応第1回目、25回目および50回目のろ液のエステル交換率はそれぞれ99%,70%、50%であった。第2回目以降のろ液の酸価は1.1〜1.9であった。
【0038】
実施例5および6、比較例の1の油脂の種類、リパーゼの種類および粒径、濾過助剤の種類および粒径、エステル交換率および酸価を表2にまとめた。
【0039】
【表2】
Figure 0003690951
【0040】
実施例1〜4から、本発明の方法によれば簡易な工程・労力で、好適かつ均一なエステル交換反応油が得られることがわかった。
実施例5、6および比較例1から、本発明の方法によれば、通常のバッチ式の方法に比べ、長時間好適なエステル交換反応率を維持することができ、さらに、酵素等の回収作業がないため不純物や水分の混入が抑制されるため、反応油の劣化が抑制されることがわかった。
上記のことは、長時間酵素を使用することが可能であり、これはコスト的にも優れているということである。また、劣化が抑制されている点も併せて高品質の油脂が得られるということがわかる。
また、通常のバッチ方法は、循環が終了するたびに回収作業が必要であるので、作業負担が非常に大きい。本発明の方法の場合、回収作業は主に酵素失活したために廃棄する時に行えば良く、作業負担は非常に軽い。本発明の方法によれば、長時間の連続反応が可能であるので、さらに作業性が良好である。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、リパーゼの回収作業は必要なく回収によるリパーゼの損失、吸湿による活性の低下をさけることができ、また、回収作業の労力の低減を図ることができる。
また、反応性および通油性が良好であるので、目的とするエステル交換油脂の生産効率が良好であり、また、1度の通油でのエステル交換率を調整することができるとともに、循環させ、通油を繰返すことによって、つまり、通油回数によってもエステル交換率を調整することができる。本発明によれば、簡便に繰り返してエステル交換反応を行うことができる。

Claims (15)

  1. 濾過機内に粉末状リパーゼを単独または濾過助剤とともに層を形成するように封入し、その濾過機に油脂を通油させることを特徴とする油脂のエステル交換反応方法。
  2. 無溶剤および無水条件下で行う請求項1に記載のエステル交換方法。
  3. 粉末状リパーゼの90%以上の粒径を1〜100μmの範囲の粒径に保つことを特徴とする請求項1または2に記載のエステル交換反応方法。
  4. 濾過助剤の粒子の90%以上の粒径を1〜1000μmの範囲の粒径に保つことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエステル交換方法。
  5. 粉末状リパーゼの粒子径と濾過助剤の粒子径の比が、1:0.1〜10である請求項1〜4のいずれか1項に記載のエステル交換方法。
  6. 濾過機が1または2以上の平状の濾過膜を有するものである請求項1〜5のいずれか1項に記載のエステル交換方法。
  7. 粉末状リパーゼまたは/および濾過助剤を含有する油脂を通油する請求項1〜6のいずれか1項に記載のエステル交換方法。
  8. 一度の通油でエステル交換率が30%以上となる、請求項1〜7のいずれか1項に記載のエステル交換方法。
  9. 通油された油脂を更に1度または2度以上通油させる請求項1〜8のいずれか1項に記載のエステル交換方法。
  10. 通油された油脂を循環させる請求項1〜9のいずれか1項に記載のエステル交換方法。
  11. 通油回数によってエステル交換率を調整することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のエステル交換方法。
  12. 循環時間によってエステル交換率を調整することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のエステル交換方法。
  13. 少なくとも粉末状のリパーゼを単独または濾過助剤とともに層を形成するように封入された濾過機とタンクからなる循環系内で、
    通油した油脂を循環させ、一定のエステル交換率になった後、循環系外に油脂を送油する請求項1〜12のいずれか1項に記載の油脂のエステル交換方法
  14. 少なくとも粉末状のリパーゼを単独または濾過助剤とともに層を形成するように封入された濾過機と、
    油脂用タンクと、
    一定のエステル交換率になった後に系外へ油脂を送油する経路と、
    を有することを特徴とする油脂のエステル交換システム。
  15. 少なくとも粉末状のリパーゼを単独または濾過助剤とともに層を形成するように封入された濾過機と、
    油脂用タンクと、
    油脂のエステル交換率の測定部と、
    一定のエステル交換率になった後に系外へ油脂を送油する経路と、
    を有することを特徴とする油脂のエステル交換システム。
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