JP2019076073A - 焼菓子生地 - Google Patents
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Abstract
【課題】ソフトでしっとりしたクッキーを得ることができる焼菓子生地を提供すること。【解決手段】油分含有量が20質量〜65質量%である水中油型乳化物を、澱粉類100質量部に対し、75質量部〜300質量部練り込んだ焼菓子生地であって、焼菓子生地に含まれる油分含有量の90質量%以上が、該水中油型乳化物由来であることを特徴とする焼菓子生地。【選択図】なし
Description
本発明は、ソフトでしっとりしたクッキーを得ることができる焼菓子生地に関する。
ベーカリー食品の中でもクッキーやビスケットに代表される焼菓子は水分含量が低いことから保存性の点で優れ、ショートニングやマーガリンを使用したさくさくした食感が特徴であるところ、近年はソフトでしっとりした食感に対する要望も多く、このような食感のクッキーは「ソフトクッキー」として、近年はクッキーの種類の1種としてすっかり定着している。
このようなソフトクッキーを得るには、基本的には水分や水分の多い原材料、好ましくは液糖を多く配合することとなるが、ただ単に水や液糖の配合量を増やしただけでは、保水性が低いため、完全に焼き上げると逆に硬いがりがりした食感になってしまうという問題があった。
このような問題を避けながら、ソフトでしっとりしたソフトクッキーを得る方法としては、特定の増粘安定剤を使用する方法(たとえば特許文献1参照)、ゲル化剤と乳蛋白質と水で構成される複合体を配合する方法(たとえば特許文献2参照)、特定の食物繊維を水中油型乳化物として添加する方法(たとえば特許文献3参照)、特定のフラワーペーストを練り込む方法(例えば特許文献4参照)などの方法が提案されている。
しかし、特許文献1に記載の方法は添加量を増やすと生地が増粘してしまうため、成形が困難になる問題があり、特許文献2〜4に記載の方法は複合体や水中油型乳化物、フラワーペーストの添加量のわりには改良効果が低いため、添加量を増やすにつれてしとり感は増加するもののソフト感が低下し、くちゃつき感が発生する問題に加え、食感以外に食味への影響も大きいという問題があった。さらに、特許文献2〜4の方法はパン生地での効果は高いもののクッキーでの効果は限定的であるという問題もあった。
そのため、ソフトでしっとりしたソフトクッキーを、生地物性や食感・食味の悪化を伴うことなく、簡単に得ることのできる焼菓子生地が求められていた。
そのため、ソフトでしっとりしたソフトクッキーを、生地物性や食感・食味の悪化を伴うことなく、簡単に得ることのできる焼菓子生地が求められていた。
従って、本発明の目的は、ソフトでしっとりしたソフトクッキーを、生地物性や食感・食味の悪化を伴うことなく、簡単に得ることのできる焼菓子生地を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決すべく種々検討した結果、従来ソフトクッキー製造に使用する可塑性油脂組成物に代えて、逆の乳化形態である水中油型乳化型であって油分含量が特定範囲である水中油型乳化物を使用し、焼菓子生地に含まれる油分の大部分をこの水中油型乳化物由来のものとすることで上記問題を解決可能であることを見出した。
即ち本発明は、油分含有量が20〜65質量%である水中油型乳化物を、澱粉類100質量部に対し、75〜300質量部練り込んだ焼菓子生地であって、焼菓子生地に含まれる油分含有量の90質量%以上が、該水中油型乳化物由来であることを特徴とする焼菓子生地を提供するものである。
即ち本発明は、油分含有量が20〜65質量%である水中油型乳化物を、澱粉類100質量部に対し、75〜300質量部練り込んだ焼菓子生地であって、焼菓子生地に含まれる油分含有量の90質量%以上が、該水中油型乳化物由来であることを特徴とする焼菓子生地を提供するものである。
本発明の焼菓子生地を焼成することで、ソフトでしっとりしたソフトクッキーを、生地物性や食感・食味の悪化を伴うことなく、簡単に得ることができる。
以下、本発明の焼菓子生地について好ましい実施形態に基づき詳述する。
まず、本発明で使用する水中油型乳化物について述べる。
まず、本発明で使用する水中油型乳化物について述べる。
上記水中油型乳化物に使用する油脂としては特に制限されず、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記水中油型乳化物における油分含有量は、水中油型乳化物に使用するその他の原材料に含まれる油分も含め、20〜65質量%であることが必要であるが、好ましくは20〜40質量%、より好ましくは20〜30質量%である。20質量%未満であると本発明の効果は得られず、65質量%を超えると水中油型乳化物が安定に製造できない可能性がある。
上記水中油型乳化物における油分含有量は、水中油型乳化物に使用するその他の原材料に含まれる油分も含め、20〜65質量%であることが必要であるが、好ましくは20〜40質量%、より好ましくは20〜30質量%である。20質量%未満であると本発明の効果は得られず、65質量%を超えると水中油型乳化物が安定に製造できない可能性がある。
上記水中油型乳化物に使用する水としては特に制限されず、例えば、水道水、ミネラル水、地下水等が挙げられる。本発明においては、これらの水を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。また、卵、クリーム、液糖など、水分を含有する食品素材に含まれる水分を、該水として使用することもできる。
上記水中油型乳化物における水分含有量は、水中油型乳化物に使用するその他の原材料に含まれる水分も含め、好ましくは30〜70質量%、より好ましくは40〜60質量%である。
上記水中油型乳化物における水分含有量は、水中油型乳化物に使用するその他の原材料に含まれる水分も含め、好ましくは30〜70質量%、より好ましくは40〜60質量%である。
上記水中油型乳化物は、甘味度30超の糖類を10〜50質量%含有することが好ましく、より好ましくは12〜50質量%、さらに好ましくは15〜50質量%含有することが好ましい。
甘味度30超の糖類の含有量が10質量%未満であると、焼菓子生地に好ましい甘さを付与することができないことがあり、50質量%よりも多いと、甘さが過剰となってしまい、焼菓子にすっきりとした甘味の焼菓子が得られないことがある。
上記甘味度30超の糖類としては、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、乳糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、還元乳糖、還元水飴、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、はちみつ等が挙げられる。本発明では、これらの中から選ばれた1種又は2種以上の糖類を用いることができる。これらの中でも、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、麦芽糖が好ましく用いられる。
なお、上記糖類の含有量には、下記の乳製品、ホワイトチョコレート、さらにはその他の成分に含まれる含有量についても含めて算出するものとする。
甘味度30超の糖類の含有量が10質量%未満であると、焼菓子生地に好ましい甘さを付与することができないことがあり、50質量%よりも多いと、甘さが過剰となってしまい、焼菓子にすっきりとした甘味の焼菓子が得られないことがある。
上記甘味度30超の糖類としては、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、乳糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、還元乳糖、還元水飴、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、はちみつ等が挙げられる。本発明では、これらの中から選ばれた1種又は2種以上の糖類を用いることができる。これらの中でも、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、麦芽糖が好ましく用いられる。
なお、上記糖類の含有量には、下記の乳製品、ホワイトチョコレート、さらにはその他の成分に含まれる含有量についても含めて算出するものとする。
上記水中油型乳化物は、良好な風味を焼菓子に付与することが可能であるために蛋白質及びアミノ酸の合計した含有量が0.3〜8質量%であることが好ましく、1〜6質量%であることがより好ましい。
上記蛋白質としては、特に限定されないが、例えば、α−ラクトアルブミンやβ−ラクトグロブリン、乳清アルブミン等のホエイ蛋白質、カゼイン、カゼインカルシウム、カゼインナトリウム、カゼインカリウム等のカゼイン蛋白質、その他の乳蛋白質、低密度リポ蛋白質、高密度リポ蛋白質、ホスビチン、リベチン、リン糖蛋白質、オボアルブミン、コンアルブミン、オボムコイド等の卵蛋白質、グリアジン、グルテニン等の小麦蛋白質、プロラミン、グルテリン等の米蛋白質、その他動物性及び植物性蛋白質等の蛋白質が挙げられる。これらの蛋白質は、目的に応じて1種ないし2種以上の蛋白質として、或いは1種ないし2種以上の蛋白質を含有する食品素材の形で添加してもよく、好ましくは乳及び乳製品として含有することが好ましい。
上記乳及び乳製品としては、発酵乳・牛乳・全粉乳・脱脂粉乳・トータルミルクプロテイン、ホエイパウダー、ミネラル濃縮ホエイパウダー、蛋白質濃縮ホエイパウダー、ホエイプロテインコンセントレート(WPC)、バターミルクパウダー・ヨーグルト・練乳・加糖練乳・全脂練乳・脱脂練乳・濃縮乳等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記蛋白質としては、特に限定されないが、例えば、α−ラクトアルブミンやβ−ラクトグロブリン、乳清アルブミン等のホエイ蛋白質、カゼイン、カゼインカルシウム、カゼインナトリウム、カゼインカリウム等のカゼイン蛋白質、その他の乳蛋白質、低密度リポ蛋白質、高密度リポ蛋白質、ホスビチン、リベチン、リン糖蛋白質、オボアルブミン、コンアルブミン、オボムコイド等の卵蛋白質、グリアジン、グルテニン等の小麦蛋白質、プロラミン、グルテリン等の米蛋白質、その他動物性及び植物性蛋白質等の蛋白質が挙げられる。これらの蛋白質は、目的に応じて1種ないし2種以上の蛋白質として、或いは1種ないし2種以上の蛋白質を含有する食品素材の形で添加してもよく、好ましくは乳及び乳製品として含有することが好ましい。
上記乳及び乳製品としては、発酵乳・牛乳・全粉乳・脱脂粉乳・トータルミルクプロテイン、ホエイパウダー、ミネラル濃縮ホエイパウダー、蛋白質濃縮ホエイパウダー、ホエイプロテインコンセントレート(WPC)、バターミルクパウダー・ヨーグルト・練乳・加糖練乳・全脂練乳・脱脂練乳・濃縮乳等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
また、上記アミノ酸としては、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、アラニン、ロイシン、トリプトファン、チロシン、バリン、シトルリン、オルニチンなどがあげられる。これらのアミノ酸は遊離のアミノ酸でもよいし、塩やペプチドの形態でもよい。
上記水中油型乳化油脂組成物は、濃厚ですっきりした乳風味を焼菓子に付与することを可能とするためには、無脂乳固形分が7質量%以上、より好ましくは7.5質量%以上であることが好ましい。なお、無脂乳固形分とは牛乳中の乳脂肪分以外の固形分であり、乳及び乳製品の成分規格に関する省令(乳等省令)で定められている。
上記水中油型乳化油脂組成物は、濃厚ですっきりした乳風味を呈するため、加糖練乳及び/又はホワイトチョコレートを含有することが好ましい。加糖練乳とは、上述の乳製品の1種の「生乳、牛乳又は特別牛乳にしょ糖を加えて濃縮したもの」であり、またホワイトチョコレートはカカオ脂に多量の全粉乳や脱脂粉乳を使用し、長時間の加温処理を行われているため、乳製品として全粉乳や脱脂粉乳をそのまま水中油型乳化物の原材料として使用するのに比べ、より良好な乳風味を付与することができ、その結果、焼菓子にも好ましい乳風味を付与することが可能となる。
なお、水中油型乳化物における加糖練乳の好ましい添加量は2〜10質量%、より好ましくは4〜10質量%である。
また、ホワイトチョコレートの好ましい含有量は2〜10質量%、より好ましくは4〜10質量%である。
なお、水中油型乳化物における加糖練乳の好ましい添加量は2〜10質量%、より好ましくは4〜10質量%である。
また、ホワイトチョコレートの好ましい含有量は2〜10質量%、より好ましくは4〜10質量%である。
上記水中油型乳化物は、必要に応じ、乳化剤、安定剤、甘味度30未満の糖類及び甘味料、乳清ミネラル、果汁、ジャム、ホワイトチョコレート以外のカカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品等の呈味成分、調味料、食塩、酸味料、着香料、着色料、保存料、酸化防止剤、pH調整剤等のその他の成分を任意に配合してもよい。その他の成分の配合量は、通常の使用量の範囲で使用することができるが、好ましくは15質量%以下、より好ましくは5質量%以下とする。
上記の乳化剤としては、特に限定されないが、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリン酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム及びポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等の合成乳化剤や、例えば大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン、酵素処理卵黄、サポニン、植物ステロール類、乳脂肪球皮膜等の天然乳化剤や天然乳化成分が挙げられる。本発明においては、必要に応じてこれらの中から選ばれた1種又は2種以上を使用することができる。乳化剤を使用する場合、水中油型乳化物中の乳化剤の含有量は0.1〜10質量%とすることが好ましい。
上記安定剤としては、リン酸塩(ヘキサメタリン酸、トリポリリン酸、オルソリン酸、ピロリン酸、第3リン酸、第2リン酸、第1リン酸)、クエン酸のアルカリ金属塩(カリウム、ナトリウム等)、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、カラギーナン、アルギン酸塩、ファーセルラン、ローカストビーンガム、ペクチン、カードラン、澱粉、化工澱粉、結晶セルロース、ゼラチン、デキストリン、寒天、デキストラン等が挙げられる。これらの安定剤は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。安定剤を使用する場合、水中油型乳化物中の安定剤の含有量は0.01〜3質量%とすることが好ましい。
次に上記水中油型乳化物を製造する方法について述べる。
上記水中油型乳化物の製造方法は、通常のホイップクリームと同様であり、その一例として以下の方法が挙げられる。
まず、油脂に必要によりその他の原料を加えた油性相を用意する。一方、水に甘味度30超の糖類、蛋白質及び/又はアミノ酸、必要によりその他の原料を加えた水性相を用意する。該水性相を、上記油性相と混合し、水中油型に乳化することにより、上記水中油型乳化物が得られる。
乳化の際には、まず予備乳化物を調製し、次にこれを必要によりバルブ式ホモジナイザー、ホモミキサー、コロイドミル等の均質化装置により圧力0〜100MPaの範囲で均質化してもよい。
また、必要により、インジェクション式、インフージョン式等の直接加熱方式、あるいはプレート式、チューブラー式、掻き取り式等の間接加熱方式を用いたUHT・HTST・低温殺菌、バッチ式、レトルト、マイクロ波加熱等の加熱滅菌若しくは加熱殺菌処理を施してもよく、あるいは直火等の加熱調理により加熱してもよい。また、加熱後に必要に応じて再度均質化してもよい。また、必要により急速冷却、徐冷却等の冷却操作を施してもよい。
上記水中油型乳化物の製造方法は、通常のホイップクリームと同様であり、その一例として以下の方法が挙げられる。
まず、油脂に必要によりその他の原料を加えた油性相を用意する。一方、水に甘味度30超の糖類、蛋白質及び/又はアミノ酸、必要によりその他の原料を加えた水性相を用意する。該水性相を、上記油性相と混合し、水中油型に乳化することにより、上記水中油型乳化物が得られる。
乳化の際には、まず予備乳化物を調製し、次にこれを必要によりバルブ式ホモジナイザー、ホモミキサー、コロイドミル等の均質化装置により圧力0〜100MPaの範囲で均質化してもよい。
また、必要により、インジェクション式、インフージョン式等の直接加熱方式、あるいはプレート式、チューブラー式、掻き取り式等の間接加熱方式を用いたUHT・HTST・低温殺菌、バッチ式、レトルト、マイクロ波加熱等の加熱滅菌若しくは加熱殺菌処理を施してもよく、あるいは直火等の加熱調理により加熱してもよい。また、加熱後に必要に応じて再度均質化してもよい。また、必要により急速冷却、徐冷却等の冷却操作を施してもよい。
なお、上記水中油型乳化物は気相を含むものであってもよいが、本発明においては気相を含有するものであると、焼菓子生地を安定的に製造することがやや困難になってしまうことから、気相を含有しないことが好ましい。
続いて、本発明の焼菓子生地について述べる。
本発明の焼菓子生地は、主要原料として小麦粉、卵類、油脂、糖類を含有し、上記水中油型乳化物を、焼菓子生地に使用する澱粉類100質量部に対し、75〜300質量部、好ましくは、100〜250質量部、より好ましくは120〜220質量部含有し、焼菓子生地に含まれる油分含有量の90質量%以上、好ましくは95質量%以上が、該水中油型乳化物由来であることを特徴とする。ここで、本発明の焼菓子生地における上記水中油型乳化物の含有量が澱粉類100質量部に対し75質量部未満であると、ソフトでしっとりした焼菓子が得られない。また、300質量部超であると、生地が流動状となって成形ができなくなることや、べちゃついた食感で、さらには焼き流れしてしまい、良好な外観と食感の焼菓子が得られない。
また、本発明の焼菓子生地において該水中油型乳化物由来の油分含有量が、焼菓子生地に含まれる油分含有量の90質量%未満であると、ソフトでしっとりした焼菓子が得られない。
本発明の焼菓子生地は、主要原料として小麦粉、卵類、油脂、糖類を含有し、上記水中油型乳化物を、焼菓子生地に使用する澱粉類100質量部に対し、75〜300質量部、好ましくは、100〜250質量部、より好ましくは120〜220質量部含有し、焼菓子生地に含まれる油分含有量の90質量%以上、好ましくは95質量%以上が、該水中油型乳化物由来であることを特徴とする。ここで、本発明の焼菓子生地における上記水中油型乳化物の含有量が澱粉類100質量部に対し75質量部未満であると、ソフトでしっとりした焼菓子が得られない。また、300質量部超であると、生地が流動状となって成形ができなくなることや、べちゃついた食感で、さらには焼き流れしてしまい、良好な外観と食感の焼菓子が得られない。
また、本発明の焼菓子生地において該水中油型乳化物由来の油分含有量が、焼菓子生地に含まれる油分含有量の90質量%未満であると、ソフトでしっとりした焼菓子が得られない。
本発明で使用することのできる小麦粉は特に制限されず、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉、胚芽等が挙げられ、特に薄力粉が好ましく用いられる。
本発明の焼菓子生地で使用することのできる卵類は特に制限されず、全卵、卵黄、卵白、加塩全卵、加塩卵黄、加塩卵白、加糖全卵、加糖卵黄、加糖卵白、乾燥全卵、乾燥卵黄、乾燥卵白、凍結全卵、凍結卵黄、凍結卵白、凍結加糖全卵、凍結加糖卵黄、凍結加糖卵白、酵素処理全卵、酵素処理卵黄などを用いることができ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
本発明の焼菓子生地で使用する油脂については、上記水中油型乳化物に使用する油脂については上述のとおりであるが、焼菓子生地において該水中油型乳化物由来の油分含有量が、焼菓子生地に含まれる油分含有量の90質量%未満とならない範囲内で使用することのできる油脂についても同様の油脂を使用することができる。本発明において、焼菓子生地における油脂の含有量は、上記水中油型乳化物に含まれる油分や下記その他の成分に含まれる油分も含め、焼菓子生地に使用する澱粉類100質量部に対し、40質量部以上、好ましくは40〜120質量部、より好ましくは40〜100質量部である。40質量部未満であると、油分が少ないためソフトでしっとりした焼菓子が得られない。
本発明の焼菓子生地で使用することのできる糖類としては、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、乳糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、還元乳糖、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテーム、はちみつの中から選ばれた1種又は2種以上を使用することができる。本発明において、焼菓子生地における糖類の含有量は、上記水中油型乳化物に含まれる糖分や、上記卵類、さらには下記その他の成分に含まれる糖分も含め、焼菓子生地に使用する澱粉類100質量部に対し、好ましくは、糖の固形分として、40〜150質量部、より好ましくは40〜100質量部である。40質量部未満であると、焼菓子に必要な甘味が得られず、またしっとりとした食感とならない。また、150質量部を超えると、べとついた食感の焼菓子になってしまうという問題が生じる。
本発明では、通常の焼菓子に使用することのできるその他の成分を使用することができる。該その他の成分としては、例えば、水、でんぷん、乳化剤、増粘安定剤、イースト、β―カロチン・カラメル・紅麹色素などの着色料、トコフェロール・茶抽出物などの酸化防止剤、デキストリン、カゼイン・ホエー・クリーム・脱脂粉乳・発酵乳・牛乳・全粉乳・ヨーグルト・練乳・加糖練乳・全脂練乳・脱脂練乳・濃縮乳などの乳や乳製品、ナチュラルチーズ・プロセスチーズ・クリームチーズ・ゴーダチーズ・チェダーチーズなどのチーズ類、原料アルコール、焼酎・ウイスキー・ウォッカ・ブランデーなどの蒸留酒、ワイン・日本酒・ビールなどの醸造酒、各種リキュール、膨張剤、無機塩類、食塩、ベーキングパウダー、イーストフード、生地改良剤、カカオおよびカカオ製品、コーヒーおよびコーヒー製品、ハーブ、豆類、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、保存料、苦味料、酸味料、pH調整剤、日持ち向上剤、酵素、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、調味料、香辛料、香料、野菜類・肉類・魚介類などの食品素材、コンソメ・ブイヨンなどの植物および動物エキス、食品添加物などを挙げることができる。
なお、上記「澱粉類100質量部に対し」という部分における「澱粉類」とは、上記小麦粉に加え、ライ麦粉、大麦粉、米粉などのその他の穀粉類、アーモンド粉、へーゼルナッツ粉、カシュ―ナッツ粉、オーナッツ粉、松実粉などの堅果粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉、米澱粉などの澱粉や、これらの澱粉をアミラーゼなどの酵素で処理したものや、アルファ化処理、分解処理、エーテル化処理、エステル化処理、架橋処理、グラフト化処理などの中から選ばれた1種又は2種以上の処理を施した化工澱粉を含むものとする。ただし、本発明の焼菓子生地では、澱粉類中、好ましくは小麦粉を50質量%以上、より好ましくは70質量%以上使用することが、良好なボリュームの焼菓子が得られる点で好ましい。
なお、本発明の焼菓子生地の好ましい比重は0.4〜1.0、より好ましくは0.5〜1.0である。
本発明の焼菓子生地は、ソフトクッキー生地をはじめ、バターケーキ生地、チーズケーキ生地、チョコレートケーキ生地、オレンジケーキ生地、バナナケーキ生地、マフィン生地、フィナンシェ生地、マドレーヌ生地、バームクーヘン生地等、各種の焼菓子生地として使用することができるが、とくに、ソフトクッキー生地であることが好ましい。
次に本発明の焼菓子生地の製造方法について述べる。
本発明の焼菓子生地の製造方法は特に制限されるものではないが、オールインミックス法、溶かしバター法、別立て法、後粉法、後油法、湯捏法など一般的な生地の製法を適宜選択し、必要により組み合わせて適用することが可能である。ただし、本発明では、オールインミックス法であることが、生地の乳化安定性が高い点で好ましい。なお、上記水中油型乳化物は起泡性を有するため、とくに製菓用起泡剤の別途添加は必要ない。
本発明の焼菓子生地の製造方法は特に制限されるものではないが、オールインミックス法、溶かしバター法、別立て法、後粉法、後油法、湯捏法など一般的な生地の製法を適宜選択し、必要により組み合わせて適用することが可能である。ただし、本発明では、オールインミックス法であることが、生地の乳化安定性が高い点で好ましい。なお、上記水中油型乳化物は起泡性を有するため、とくに製菓用起泡剤の別途添加は必要ない。
次に、本発明の焼菓子について説明する。
本発明の焼菓子は、上記本発明の焼菓子生地を焼成することにより、得られるものである。
焼菓子の種類としては、上述のように、ソフトクッキーをはじめ、バターケーキ、チーズケーキ、チョコレートケーキ、オレンジケーキ、バナナケーキ、マフィン、フィナンシェ、マドレーヌ、バームクーヘン等が挙げられる。
本発明の焼菓子は、上記本発明の焼菓子生地を焼成することにより、得られるものである。
焼菓子の種類としては、上述のように、ソフトクッキーをはじめ、バターケーキ、チーズケーキ、チョコレートケーキ、オレンジケーキ、バナナケーキ、マフィン、フィナンシェ、マドレーヌ、バームクーヘン等が挙げられる。
上記焼菓子生地は平展板で焼成可能であるが、必要に応じ、金属製や紙製、シリコン製など各種焼型に入れて焼成してもよい。
焼成方法は、通常の焼菓子同様、好ましくは120℃〜250℃、より好ましくは160℃〜220℃で行なう。120℃未満であると火抜けが悪く、焼成時間が延びてしまいやすく、その場合、ソフトでしっとりした食感が得られないものとなってしまうおそれがある。また250℃を超えると焦げを生じ、食味が悪くなりやすく、しっとりした食感が得られないおそれがある。
以下、実施例、比較例をもって本発明をさらに詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例などによって何ら制限を受けるものではない。
<乳清ミネラルの製造>
チーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエーをナノ濾過膜分離した後、さらに逆浸透濾過膜分離により固形分が20質量%となるまで濃縮し、次いで、80℃、20分の加熱処理をして生じた沈殿を遠心分離して除去し、これをさらにエバポレーターで濃縮し、スプレードライ法により、固形分98質量%の乳清ミネラル1を得た。得られた乳清ミネラル1の固形分中のカルシウム含有量は0.4質量%、灰分の含有量は55質量%であった。
チーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエーをナノ濾過膜分離した後、さらに逆浸透濾過膜分離により固形分が20質量%となるまで濃縮し、次いで、80℃、20分の加熱処理をして生じた沈殿を遠心分離して除去し、これをさらにエバポレーターで濃縮し、スプレードライ法により、固形分98質量%の乳清ミネラル1を得た。得られた乳清ミネラル1の固形分中のカルシウム含有量は0.4質量%、灰分の含有量は55質量%であった。
<使用油脂>
・エステル交換油脂A
パーム核油及びパーム極度硬化油を50:50の質量比率で混合した油脂を、化学触媒を用いてランダムエステル交換したエステル交換油脂
・パーム分別中部油
ヨウ素価52のパーム油を2段分別して得られた中融点画分(融点:33℃)
・エステル交換油脂A
パーム核油及びパーム極度硬化油を50:50の質量比率で混合した油脂を、化学触媒を用いてランダムエステル交換したエステル交換油脂
・パーム分別中部油
ヨウ素価52のパーム油を2段分別して得られた中融点画分(融点:33℃)
<水中油型乳化物の調製>
(製造例1)
水44.38質量部を60℃に昇温し、攪拌しながら乳清ミネラル1(蛋白質含有量18.9質量%)0.4質量部、脱脂粉乳(蛋白質含有量34質量%、)6質量部、トータルミルクプロテイン(蛋白質含有量91.4質量%、)0.5質量部、グラニュー糖15質量部、クエン酸ナトリウム0.05質量部、グアーガム0.05質量部、キサンタンガム0.02質量部を溶解させた水性相を用意した。一方、エステル交換油脂A2質量部、パーム分別中部油3質量部、パーム核油23質量部、大豆レシチン0.2質量部、シュガーエステル0.2質量部、グリセリンモノ脂肪酸エステル0.1質量部、香料0.1質量部、ホワイトチョコレート(砂糖含有量50質量%、蛋白質含有量5.2質量%、無脂乳固形分15質量%)5質量部、を溶解させた油性相を用意し、上記水性相に該油性相を加え、混合攪拌して予備乳化物を調製した。予備乳化後5MPaの圧力で均質化し、次いでVTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で142℃にて4秒間殺菌し、再度10MPaの圧力で均質化後、5℃まで冷却した。その後、冷蔵庫で24時間のエージングを行い、甘味度30超の糖類の含有量が17.5質量%、蛋白質含有量が2.57質量%、無脂乳固形分が7.7質量%である水中油型乳化物Aを得た。
(製造例1)
水44.38質量部を60℃に昇温し、攪拌しながら乳清ミネラル1(蛋白質含有量18.9質量%)0.4質量部、脱脂粉乳(蛋白質含有量34質量%、)6質量部、トータルミルクプロテイン(蛋白質含有量91.4質量%、)0.5質量部、グラニュー糖15質量部、クエン酸ナトリウム0.05質量部、グアーガム0.05質量部、キサンタンガム0.02質量部を溶解させた水性相を用意した。一方、エステル交換油脂A2質量部、パーム分別中部油3質量部、パーム核油23質量部、大豆レシチン0.2質量部、シュガーエステル0.2質量部、グリセリンモノ脂肪酸エステル0.1質量部、香料0.1質量部、ホワイトチョコレート(砂糖含有量50質量%、蛋白質含有量5.2質量%、無脂乳固形分15質量%)5質量部、を溶解させた油性相を用意し、上記水性相に該油性相を加え、混合攪拌して予備乳化物を調製した。予備乳化後5MPaの圧力で均質化し、次いでVTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で142℃にて4秒間殺菌し、再度10MPaの圧力で均質化後、5℃まで冷却した。その後、冷蔵庫で24時間のエージングを行い、甘味度30超の糖類の含有量が17.5質量%、蛋白質含有量が2.57質量%、無脂乳固形分が7.7質量%である水中油型乳化物Aを得た。
(製造例2)
水47.38質量部を60℃に昇温し、攪拌しながら乳清ミネラル1(蛋白質含有量18.9質量%)0.4質量部、脱脂粉乳(蛋白質含有量34質量%、)3質量部、トータルミルクプロテイン(蛋白質含有量91.4質量%、)0.5質量部、グラニュー糖15質量部、クエン酸ナトリウム0.05質量部、グアーガム0.05質量部、キサンタンガム0.02質量部を溶解させた水性相を用意した。一方、エステル交換油脂A3質量部、パーム分別中部油4質量部、パーム核油26質量部、大豆レシチン0.2質量部、シュガーエステル0.2質量部、グリセリンモノ脂肪酸エステル0.1質量部、香料0.1質量部を溶解させた油性相を用意し、上記水性相に該油性相を加え、混合攪拌して予備乳化物を調製した。予備乳化後5MPaの圧力で均質化し、次いでVTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で142℃にて4秒間殺菌し、再度10MPaの圧力で均質化後、5℃まで冷却した。その後、冷蔵庫で24時間のエージングを行い、甘味度30超の糖類の含有量が15質量%、蛋白質含有量が1.55質量%、無脂乳固形分が4.0質量%である水中油型乳化物Bを得た。
水47.38質量部を60℃に昇温し、攪拌しながら乳清ミネラル1(蛋白質含有量18.9質量%)0.4質量部、脱脂粉乳(蛋白質含有量34質量%、)3質量部、トータルミルクプロテイン(蛋白質含有量91.4質量%、)0.5質量部、グラニュー糖15質量部、クエン酸ナトリウム0.05質量部、グアーガム0.05質量部、キサンタンガム0.02質量部を溶解させた水性相を用意した。一方、エステル交換油脂A3質量部、パーム分別中部油4質量部、パーム核油26質量部、大豆レシチン0.2質量部、シュガーエステル0.2質量部、グリセリンモノ脂肪酸エステル0.1質量部、香料0.1質量部を溶解させた油性相を用意し、上記水性相に該油性相を加え、混合攪拌して予備乳化物を調製した。予備乳化後5MPaの圧力で均質化し、次いでVTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で142℃にて4秒間殺菌し、再度10MPaの圧力で均質化後、5℃まで冷却した。その後、冷蔵庫で24時間のエージングを行い、甘味度30超の糖類の含有量が15質量%、蛋白質含有量が1.55質量%、無脂乳固形分が4.0質量%である水中油型乳化物Bを得た。
<焼菓子生地の調製>
〔実施例1〕
水中油型乳化物A200質量部、及び粉糖16質量部をミキサーボウルに投入し、卓上ミキサーに装着し、ワイヤーホイッパーを使用し、高速で比重が0.45になるまでホイップした。ここで全卵20質量部を投入し、軽く混合後、薄力粉100質量部にベーキングパウダー0.5質量部を混合し篩った混合粉体を添加し、生地が均質になるまで混合し、比重0.85の、焼菓子生地Aを得た。なお、この焼菓子生地Aに含まれる油分含有量のすべてが、該水中油型乳化物A由来であった。この焼菓子生地Aを星型口金を装着した絞り袋に入れ、天板に12gずつ絞りだし、固定オーブンで上火180℃、下火150℃で12分間焼成し、ソフトクッキーAを得た。
得られたソフトクッキーAはきわめてソフトでしっとりした良好な食感のソフトクッキーであった。
〔実施例1〕
水中油型乳化物A200質量部、及び粉糖16質量部をミキサーボウルに投入し、卓上ミキサーに装着し、ワイヤーホイッパーを使用し、高速で比重が0.45になるまでホイップした。ここで全卵20質量部を投入し、軽く混合後、薄力粉100質量部にベーキングパウダー0.5質量部を混合し篩った混合粉体を添加し、生地が均質になるまで混合し、比重0.85の、焼菓子生地Aを得た。なお、この焼菓子生地Aに含まれる油分含有量のすべてが、該水中油型乳化物A由来であった。この焼菓子生地Aを星型口金を装着した絞り袋に入れ、天板に12gずつ絞りだし、固定オーブンで上火180℃、下火150℃で12分間焼成し、ソフトクッキーAを得た。
得られたソフトクッキーAはきわめてソフトでしっとりした良好な食感のソフトクッキーであった。
〔実施例2〕
水中油型乳化物Aに代えて水中油型乳化物Bを使用した以外は実施例1の配合及び製法に従って比重0.85の、焼菓子生地B、及び、ソフトクッキーBを得た。
得られたソフトクッキーBはソフトクッキーAに比べて生地のだれがやや強く、ややしとり感が弱く、またややねちゃつきは感じられるものの、ソフトでしっとりした良好な食感のソフトクッキーであった。
水中油型乳化物Aに代えて水中油型乳化物Bを使用した以外は実施例1の配合及び製法に従って比重0.85の、焼菓子生地B、及び、ソフトクッキーBを得た。
得られたソフトクッキーBはソフトクッキーAに比べて生地のだれがやや強く、ややしとり感が弱く、またややねちゃつきは感じられるものの、ソフトでしっとりした良好な食感のソフトクッキーであった。
〔実施例3〕
水中油型乳化物Aの添加量を200質量部から100質量部に変更し、粉糖の添加量を16質量部から33.5質量部に変更した以外は実施例1の配合及び製法に従って比重0.85の、焼菓子生地C、及び、ソフトクッキーCを得た。
得られたソフトクッキーCはソフトクッキーAに比べてややしとり感が弱く、またややソフト性は低いものの、ソフトでしっとりした良好な食感のソフトクッキーであった。
水中油型乳化物Aの添加量を200質量部から100質量部に変更し、粉糖の添加量を16質量部から33.5質量部に変更した以外は実施例1の配合及び製法に従って比重0.85の、焼菓子生地C、及び、ソフトクッキーCを得た。
得られたソフトクッキーCはソフトクッキーAに比べてややしとり感が弱く、またややソフト性は低いものの、ソフトでしっとりした良好な食感のソフトクッキーであった。
〔比較例1〕
水中油型乳化物A200質量部に代えて製菓用ショートニング(「プレミアムショート」:株式会社ADEKA製)55質量部を使用し、粉糖の添加量を16質量部から51質量部に変更し、ワイヤーホイッパーに代えてビーターを使用した以外は実施例1の配合及び製法に従って比重0.85の、焼菓子生地D、及び、クッキーDを得た。
得られた焼菓子生地Dは生地が硬すぎ、また、得られたクッキーDはソフト性もしとり感もない通常の絞りクッキーのサクサクした食感であった。
水中油型乳化物A200質量部に代えて製菓用ショートニング(「プレミアムショート」:株式会社ADEKA製)55質量部を使用し、粉糖の添加量を16質量部から51質量部に変更し、ワイヤーホイッパーに代えてビーターを使用した以外は実施例1の配合及び製法に従って比重0.85の、焼菓子生地D、及び、クッキーDを得た。
得られた焼菓子生地Dは生地が硬すぎ、また、得られたクッキーDはソフト性もしとり感もない通常の絞りクッキーのサクサクした食感であった。
〔比較例2〕
水中油型乳化物Aの添加量を200質量部から55質量部に変更し、粉糖の添加量を16質量部から43質量部に変更した以外は実施例1の配合及び製法に従って比重0.85の、焼菓子生地E、及び、クッキーEを得た。
得られた焼菓子生地Eは生地が硬すぎ、また、得られたクッキーEはソフト性もしとり感もない通常の絞りクッキーのサクサクした食感であった。
水中油型乳化物Aの添加量を200質量部から55質量部に変更し、粉糖の添加量を16質量部から43質量部に変更した以外は実施例1の配合及び製法に従って比重0.85の、焼菓子生地E、及び、クッキーEを得た。
得られた焼菓子生地Eは生地が硬すぎ、また、得られたクッキーEはソフト性もしとり感もない通常の絞りクッキーのサクサクした食感であった。
〔比較例3〕
水中油型乳化物Aの添加量を200質量部から55質量部に変更し、さらに転化糖シロップを70質量部添加した以外は実施例1の配合及び製法に従って比重0.85の、焼菓子生地F、及び、クッキーFを得た。
得られた焼菓子生地Fは生地が軟らかすぎ、また、得られたクッキーFは焼き流れがひどく、また、ソフト性もしとり感も弱い不良な食感であった。
水中油型乳化物Aの添加量を200質量部から55質量部に変更し、さらに転化糖シロップを70質量部添加した以外は実施例1の配合及び製法に従って比重0.85の、焼菓子生地F、及び、クッキーFを得た。
得られた焼菓子生地Fは生地が軟らかすぎ、また、得られたクッキーFは焼き流れがひどく、また、ソフト性もしとり感も弱い不良な食感であった。
Claims (3)
- 油分含有量が20質量%〜65質量%である水中油型乳化物を、澱粉類100質量部に対し、75質量部〜300質量部練り込んだ焼菓子生地であって、該焼菓子生地に含まれる油分含量の90質量%以上が、該水中油型乳化物由来であることを特徴とする焼菓子生地。
- 上記水中油型乳化物が甘味度30超の糖類を10質量%〜50質量%含有することを特徴とする請求項1記載の焼菓子生地。
- 上記水中油型乳化物の無脂乳固形分が7質量%以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の焼菓子生地。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017207938A JP2019076073A (ja) | 2017-10-27 | 2017-10-27 | 焼菓子生地 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017207938A JP2019076073A (ja) | 2017-10-27 | 2017-10-27 | 焼菓子生地 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2019076073A true JP2019076073A (ja) | 2019-05-23 |
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ID=66626187
Family Applications (1)
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JP2017207938A Pending JP2019076073A (ja) | 2017-10-27 | 2017-10-27 | 焼菓子生地 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2019076073A (ja) |
-
2017
- 2017-10-27 JP JP2017207938A patent/JP2019076073A/ja active Pending
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