JP2019071857A - 軟体水産物のブランチング処理方法及び冷凍保存方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】軟体水産物を冷凍する際に身崩れを防止し、冷凍保存及びその後の解凍においても優れた食材品質を維持できるブランチング処理方法及び冷凍保存方法の提供を目的とする。【解決手段】軟体水産物の表面部を過熱蒸気を用いて、加熱処理することを特徴とする【選択図】 図1
Description
本発明は軟体水産物を冷凍する際に、身崩れを防ぐのに有効なブランチング処理方法及びそれによる冷凍保存方法に関する。
ウニ,白子,ナマコ,イカ等の軟体水産物は、冷凍する際に身崩れを起こしやすく冷凍保存が難しい。
特に、ウニから取り出した生ウニ(生殖腺)はそのまま冷凍しようとすると、液状になってしまい最も冷凍保存が難しい食材とされている。
従来は生ウニを冷凍凍結する前に、ミョウバンの水溶液を用いて前処理し、短時間湯通しするブランチング処理を行っていた。
しかし、ミョウバンは苦味があり、味が変質する恐れが高く、その毒性も問題視されており、輸出用には規制により使用できない。
特に、ウニから取り出した生ウニ(生殖腺)はそのまま冷凍しようとすると、液状になってしまい最も冷凍保存が難しい食材とされている。
従来は生ウニを冷凍凍結する前に、ミョウバンの水溶液を用いて前処理し、短時間湯通しするブランチング処理を行っていた。
しかし、ミョウバンは苦味があり、味が変質する恐れが高く、その毒性も問題視されており、輸出用には規制により使用できない。
特許文献1には、生ウニにトレハロースを含有せしめた後に、表皮部を加熱処理するブランチング処理方法を開示するが、トレハロースは糖質の1つであり、生ウニの食味に変化を与える恐れがあり、また、生ウニの冷凍保存性も充分ではない。
本発明は、軟体水産物を冷凍する際に身崩れを防止し、冷凍保存及びその後の解凍においても優れた食材品質を維持できるブランチング処理方法及び冷凍保存方法の提供を目的とする。
本発明に係るブランチング処理方法は、軟体水産物の表面部を過熱蒸気を用いて、加熱処理することを特徴とする。
ここでブランチング処理方法は、食材を冷凍する際に身崩れや変質を抑え、冷凍耐性を向上させるための加熱処理をいう。
従来のブランチング処理は、短時間湯通しする方法やスチームを当てる方法が採用されていた。
これに対して本発明は、水蒸気を100℃を超える過熱蒸気で軟体水産物の表面部を加熱処理した点に特徴がある。
これにより表面部が少し硬くなり、冷凍時の身崩れを防ぐとともに、過熱蒸気の環境下にて酸化を抑え変質を防ぐ。
従来のブランチング処理は、短時間湯通しする方法やスチームを当てる方法が採用されていた。
これに対して本発明は、水蒸気を100℃を超える過熱蒸気で軟体水産物の表面部を加熱処理した点に特徴がある。
これにより表面部が少し硬くなり、冷凍時の身崩れを防ぐとともに、過熱蒸気の環境下にて酸化を抑え変質を防ぐ。
従来の湯通しでは、軟体水産物の身崩れを防止するのが不充分であり、通常のスチームを当てる方法では軟体水産物の表面にて冷却され、湿気となりベタつくとともに冷凍保存できる期間が短い。
本発明において過熱蒸気とは、水を沸騰させることで発生した水蒸気をさらに過熱した100℃を超える蒸気をいい、好ましくは200〜500℃に過熱したものがよい。
また、加熱ヒーターを備えた加熱庫内に前記軟体水産物を入れ、前記加熱庫内に過熱蒸気を噴霧することで過熱蒸気が液化するのを抑えるとさらに好ましい。
また、加熱ヒーターを備えた加熱庫内に前記軟体水産物を入れ、前記加熱庫内に過熱蒸気を噴霧することで過熱蒸気が液化するのを抑えるとさらに好ましい。
軟体水産物を上記の方法にてブランチング処理すると、その後の冷凍凍結により長期に保存が可能になり、解凍して食する際にも変質がほとんどない。
本発明における軟体水産物には、生ウニ,白子の他にナマコ,イカ等の軟体性の水産物が含まれる。
本発明における軟体水産物には、生ウニ,白子の他にナマコ,イカ等の軟体性の水産物が含まれる。
本発明は、軟体水産物を過熱蒸気を用いてブランチング処理したことにより、軟体水産物の表面部のみが少し硬くなり、その後の冷凍において身崩れすることがなく、過熱蒸気の酸化防止作用により、食材の変質や変色を抑える。
これにより、その後の冷凍凍結により長期間の保存が実現し、一年中を通した通期の流通が可能となる。
これにより、その後の冷凍凍結により長期間の保存が実現し、一年中を通した通期の流通が可能となる。
図1は、ブランチング処理に用いた装置の構造例を示し、加熱庫11と扉12を備え、扉12の開閉に伴い加熱台13が前後移動する。
加熱庫11の上部に上部加熱ヒーター14、下部に下部加熱ヒーター15を備え、加熱庫内に過熱蒸気を噴霧するための過熱蒸気噴出口16を有する。
図2に、過熱蒸気発生器20の構造例を示す。
略L字形状のハウジング21の底部側に水Wを注入し、この部分に沸騰ヒーター22を取り付け沸騰させる。
沸騰した水蒸気はL字型のハウジング21の上部に設けた過熱ヒーター23にて200℃以上に過熱され、噴出口24を加熱庫の過熱蒸気噴出口16に連結してある。
加熱庫11の上部に上部加熱ヒーター14、下部に下部加熱ヒーター15を備え、加熱庫内に過熱蒸気を噴霧するための過熱蒸気噴出口16を有する。
図2に、過熱蒸気発生器20の構造例を示す。
略L字形状のハウジング21の底部側に水Wを注入し、この部分に沸騰ヒーター22を取り付け沸騰させる。
沸騰した水蒸気はL字型のハウジング21の上部に設けた過熱ヒーター23にて200℃以上に過熱され、噴出口24を加熱庫の過熱蒸気噴出口16に連結してある。
上部ヒーター14及び下部ヒーター15を300℃に設定し、加熱庫11に生ウニを入れ、420℃の過熱蒸気を噴霧し、約45秒間ブランチング処理した。
なお、この時の加熱庫内の温度は約240℃であった。
その後に-20℃以下の冷凍庫にて冷凍保存した。
数ヶ月経過後に解凍したが身崩れがなく、変色等もなかった。
なお、この時の加熱庫内の温度は約240℃であった。
その後に-20℃以下の冷凍庫にて冷凍保存した。
数ヶ月経過後に解凍したが身崩れがなく、変色等もなかった。
ここで加熱庫内に設けた加熱ヒーターは、過熱蒸気が冷却され、湿気を帯びないように加熱するためのものであり、過熱蒸気の乾燥状態を維持する。
このように過熱蒸気の乾燥状態を維持することで、加熱庫内の酸素濃度が相対的に低くなり還元状態になることから食材の酸化防止作用が生ずる。
よって加熱ヒーターは、過熱蒸気を100℃を超えた状態に維持できれば、その配置構造に制限がない。
本実施例では、加熱庫の上部側と下部側とに配置した例になっている。
また、ヒーター温度は200〜500℃の範囲が好ましい。
このように過熱蒸気の乾燥状態を維持することで、加熱庫内の酸素濃度が相対的に低くなり還元状態になることから食材の酸化防止作用が生ずる。
よって加熱ヒーターは、過熱蒸気を100℃を超えた状態に維持できれば、その配置構造に制限がない。
本実施例では、加熱庫の上部側と下部側とに配置した例になっている。
また、ヒーター温度は200〜500℃の範囲が好ましい。
過熱蒸気は軟体水産物の表面のタンパク質を硬くするためのものであり、短時間に処理するには200℃以上の過熱蒸気が好ましい。
11 加熱庫
12 扉
13 加熱台
14 上部加熱ヒーター
15 下部加熱ヒーター
16 過熱蒸気噴出口
20 過熱蒸気発生器
21 ハウジング
22 沸騰ヒーター
23 過熱ヒーター
24 噴出口
12 扉
13 加熱台
14 上部加熱ヒーター
15 下部加熱ヒーター
16 過熱蒸気噴出口
20 過熱蒸気発生器
21 ハウジング
22 沸騰ヒーター
23 過熱ヒーター
24 噴出口
Claims (4)
- 軟体水産物の表面部を過熱蒸気を用いて、加熱処理することを特徴とするブランチング処理方法。
- 前記過熱蒸気は、水蒸気を200〜500℃に過熱したものであることを特徴とする請求項1記載のブランチング処理方法。
- 加熱ヒーターを備えた加熱庫内に前記軟体水産物を入れ、前記加熱庫内に過熱蒸気を噴霧することで過熱蒸気が液化するのを抑えたことを特徴とする請求項1又は2記載のブランチング処理方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のブランチング処理した後に冷凍することを特徴とする軟体水産物の冷凍保存方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017202174A JP2019071857A (ja) | 2017-10-18 | 2017-10-18 | 軟体水産物のブランチング処理方法及び冷凍保存方法 |
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Cited By (2)
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JP2020183827A (ja) * | 2019-05-08 | 2020-11-12 | 清己 吉村 | 解凍庫及び冷蔵庫 |
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-
2017
- 2017-10-18 JP JP2017202174A patent/JP2019071857A/ja active Pending
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