JP2019070117A - ポリエチレン系重合体パウダー及びリチウムイオン2次電池セパレータ - Google Patents
ポリエチレン系重合体パウダー及びリチウムイオン2次電池セパレータ Download PDFInfo
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Abstract
Description
すなわち、本発明は以下のとおりである。
エチレン単独重合体、又は、エチレンと炭素数が3以上4以下のα−オレフィンとの共重合体を含み、
デカリン溶媒中、135℃で測定した極限粘度IVが10dL/g以上32dL/g以下であり、
Alの含有量が5質量ppm以上1000質量ppm以下であり、
MgとSiの含有量の比Mg/Si(質量比)が0.01以上1.00以下であり、
MgとSiの合計に対するAlの含有量の比Al/(Mg+Si)(質量比)が0.03以上0.31以下である、
ポリエチレン系重合体パウダー。
〔2〕
AlとSiの含有量の比Al/Si(質量比)が0.1以上0.6以下である、
上記〔1〕に記載のポリエチレン系重合体パウダー。
〔3〕
13CNMRで測定されたα−オレフィン含有量が0mol%以上0.50mol%以下である、上記〔1〕又は〔2〕に記載のポリエチレン系重合体パウダー。
〔4〕
リチウムイオン2次電池セパレータ用である、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のポリエチレン系重合体パウダー。
〔5〕
上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のポリエチレン系重合体パウダーより得られる、リチウムイオン2次電池セパレータ。
〔6〕
上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のポリエチレン系重合体パウダーと、デカリン溶媒中、135℃で測定した極限粘度IVが1dL/g以上10dL/g未満のポリエチレンパウダーと、を含む、リチウムイオン2次電池セパレータ。
本実施形態のポリエチレン系重合体パウダーは、エチレン単独重合体、又は、エチレンと炭素数が3以上4以下のα−オレフィンとの共重合体を含み、当該ポリエチレン系重合体パウダーは、デカリン溶媒中、135℃で測定した極限粘度IVが10dL/g以上32dL/g以下であり、Alの含有量が5質量ppm以上1000質量ppm以下であり、MgとSiの含有量の比Mg/Si(質量比)が0.01以上1.00以下であり、MgとSiの合計に対するAlの含有量の比Al/(Mg+Si)(質量比)が0.03以上0.31以下である。
ポリエチレン系重合体パウダーは、上述の構成を有することにより、薄膜における膜の均一性、平滑性を効果的に向上することができるセパレータ原料となる。
なお、ここでいう「薄膜における膜の均一性、平滑性」とは、薄膜全面にしわがなく平滑である性質をいう。
よって、本実施形態のポリエチレン系重合体パウダーによれば、耐酸化性を向上させつつ、薄膜における膜の均一性、平滑性を効果的に向上することができるセパレータ原料となるポリエチレン系重合体パウダーを提供することができる。
ポリエチレン系重合体パウダーは、エチレン単独重合体、又は、エチレンと炭素数が3以上4以下のα−オレフィン(以下、単に「コモノマー」ともいう。)との共重合体を含む。本実施形態で用いることができるコモノマーは、特に限定されないが、例えば下記式のα−オレフィンが挙げられる。
H2C=CHR
(式中、Rは、直鎖状又は分岐状である、炭素数1〜2のアルキル基を示す。)
MgとSiの含有量の比Mg/Si(質量比)が0.01以上であることにより、Mg元素がSi元素に対してある程度の量で存在することとなり、得られるリチウムイオン2次電池セパレータの耐酸化性が向上する傾向にある。また、1.00以下であることにより、Mg含有量が多くなりすぎず、得られるリチウムイオン2次電池セパレータ薄膜表面にMgが偏析して、凹凸が発生することによる厚みムラを抑制することができる。
Al含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。本実施形態におけるMg元素およびSi元素は、触媒残渣由来とすることができる。
本実施形態のポリエチレン系重合体パウダーの製造方法は、触媒を用いて、エチレンを単独重合、又は、エチレンと炭素数が3以上4以下のα−オレフィンとを共重合することにより、上記ポリエチレン系重合体を得る重合工程を有する。触媒としては、後述する担持型メタロセン触媒を用いることが好ましい。
本実施形態で用いることができる担持型メタロセン触媒は、特に限定されないが、少なくとも(ア)無機担体物質(以下、「成分(ア)」、「(ア)」ともいう。)、(イ)有機アルミニウム化合物(以下、「成分(イ)」、「(イ)」ともいう。)、(ウ)環状η結合性アニオン配位子を有する遷移金属化合物(以下、「成分(ウ)」、「(ウ)」ともいう。)、及び(エ)遷移金属化合物と反応して触媒活性を発現する錯体を形成可能な活性化剤(以下、「成分(エ)」、「(エ)」ともいう。)から調製される。
(a)ポリエチレンと可塑剤を混練する混練工程。
(b)混練工程を経て得られた混練物を押し出す押出工程。
(c)押出工程を経て得られた押出物を、シート状に成形して冷却固化させるシート成形工程。
(d)シート成形工程を経て得られたシート状成形物を一軸以上の方向へ延伸する延伸工程。
(e)延伸工程を経て得られた延伸フィルムから可塑剤を抽出する抽出工程。
(f)抽出工程を経た延伸フィルムを加熱して熱固定する後加工工程。
(a)の混練工程において用いられるポリエチレンとしては、例えば、エチレン単独重合体、並びに、エチレン、プロピレン、1−ブテンよりなる群から選ばれる少なくとも2種以上のモノマーを重合して得られる共重合体が挙げられる。
後述の実施例及び比較例で得られた各ポリエチレン系重合体パウダーの極限粘度(IV)は、ISO1628−3(2010)に準拠し、以下に示す方法によって求めた。
まず、溶解管にポリエチレン系重合体パウダーを4.0〜4.5mgの範囲内で秤量(秤量した質量を下記数式中で「m」と表記)し、溶解管内部の空気を真空ポンプで脱気し窒素で置換した後、真空ポンプで脱気し窒素で置換した20mLのデカヒドロナフタレン(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを1g/L加えたもの、以下、デカリンと表記)を加え、150℃で90分間攪拌してポリエチレン系重合体パウダーを溶解させ、デカリン溶液とした。その後、デカリン溶液を135℃の恒温液槽中で、キャノン−フェンスケ型粘度計(柴田科学器械工業社製:製品番号−100)に投入し、標線間の落下時間(ts)を測定した。ブランクとしてポリエチレン系重合体パウダーを入れていない、デカリンのみの落下時間(tb)を測定した。下記数式(A)に従って比粘度(ηsp)を求めた。
ηsp=ts/tb−1 (数式A)
比粘度(ηsp)と濃度(C)(単位:g/dL)から、下記数式B、Cを用いて、極限粘度IVを算出した。
C=m/(20×γ)/10(単位:g/dL) (数式B)
γ=(デカリン20℃での密度)/(デカリン135℃での密度)
=0.888/0.802=1.107
IV=(ηsp/C)/(1+0.27×ηsp)(数式C)
ポリエチレン系重合体パウダーの表面付着物を除去するため、まずエタノールとクロロホルムの1:1混合溶媒中で60分攪拌し、60分静置後、溶媒に浮いたパウダーを回収してドラフト内で乾燥させた。このパウダーをマイクロウェーブ分解装置(型式ETHOS TC、マイルストーンゼネラル社製)を用い加圧分解し、内部標準法にて、ICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析装置、型式Xシリーズ X7、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)にて、ポリエチレン系重合体パウダー中のAl、Mg、Si(質量比)の元素含有量を測定し、Mg/Si(質量比)、Al/Si(質量比)及びAl/(Mg+Si)(質量比)を算出した。
ポリエチレン系重合体パウダーのα−オレフィン含有量は13C−NMRにより、以下の条件で測定した。
装置:AVANCEIII 500HD Prodigy
(Bruker Biospin社)
観測周波数:125.77MHz(13C)
パルス幅:5.0μsec
パルス繰り返し時間:5sec
積算回数:10,000回
測定温度:120℃
基準:29.9ppm(PE:Sδδ)
溶媒:o−C6D4Cl2
試料濃度:0.1g/mL
試料管:5mmφ
測定で得られたスペクトルを(1)エチレン/プロピレン共重合体については、「J.Polym.Sci.PartA:Polym.Chem.,29,1987−1990(1991)」、(2)エチレン/1−ブテン共重合体については、「Macromolecules,15,353−360(1982)」、(3)エチレン/1−ヘキセン共重合体については、「Macromolecules,15,1402−1406(1982)」の文献に従い、観測ピークの帰属後、α−オレフィン含有量を求めた。
100ccのポリカップに、ポリエチレン系重合体パウダー15.0g、及び酸化防止剤としてペンタエリスリチルーテトラキスー[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を0.015g(0.3質量%)投入して、ドライブレンドすることにより、ポリマー等混合物を得た。さらに、流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10ー5m2/s)35.0g(ポリエチレン濃度30質量%)を投入し、室温にてスパチュラで撹拌することにより、均一なスラリーを得た。上記ポリエチレン系重合体パウダーは、参考例のパウダー60%(9.0g)に対して、実施例、比較例のパウダー40%(6.0g)とした。
○:延伸膜全面にしわがなく平滑であり、電池セパレータとして評価可能
△:延伸膜の一部にしわが見られたが、延伸膜の中央部にはしわがなく、電池セパレータとして評価可能
×:延伸時に破膜した、または、延伸膜の中央部にしわが寄っており、電池セパレータとしての評価が不可能
コイン電池を作製し耐酸化性を評価した。
a.正極の作製
正極活物質としてニッケル、マンガン、コバルト複合酸化物(NMC)(Ni:Mn:Co=1:1:1(元素比)、密度4.70g/cm3)を90.4質量%、導電助材としてグラファイト粉末(KS6)(密度2.26g/cm3、数平均粒子径6.5μm)を1.6質量%及びアセチレンブラック粉末(AB)(密度1.95g/cm3、数平均粒子径48nm)を3.8質量%、並びにバインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)(密度1.75g/cm3)を4.2質量%の比率で混合し、これらをN−メチルピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを、正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の片面にダイコーターを用いて塗布し、130℃において3分間乾燥した後、ロールプレス機を用いて圧縮成形することにより、正極を作製した。この時の正極活物質塗布量は109g/m2であった。
負極活物質としてグラファイト粉末A(密度2.23g/cm3、数平均粒子径12.7μm)を87.6質量%及びグラファイト粉末B(密度2.27g/cm3、数平均粒子径6.5μm)を9.7質量%、並びにバインダとしてカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩1.4質量%(固形分換算)(固形分濃度1.83質量%水溶液)及びジエンゴム系ラテックス1.7質量%(固形分換算)(固形分濃度40質量%水溶液)を精製水中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを負極集電体となる厚さ12μmの銅箔の片面にダイコーターで塗布し、120℃において3分間乾燥した後、ロールプレス機で圧縮成形することにより、負極を作製した。この時の負極活物質塗布量は5.2g/m2であった。
各実施例及び比較例で得られたポリエチレン系重合体パウダーから評価1に従って延伸膜を作製し、それぞれを18mmφに切り出した。正極及び負極を、それぞれ16mmφの円形(円板)に切り出した。そして、正極と負極との活物質面が対向するよう、正極、セパレータ、及び負極の順に積層した後に、蓋付きステンレス金属製容器に収納した。
容器と蓋とは絶縁されており、容器は負極の銅箔と、蓋は正極のアルミニウム箔と、それぞれ接するように配置した。この容器内に上記電解液を注入して密閉し、その状態で室温にて1日放置することにより、電池を作製した。ここで、電解液としては、エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート=1/2(体積比)の混合溶媒に、溶質としてLiPF6を濃度1.0mol/Lとなるように溶解させることにより調製したものを用いた。
次いで、上記の電池につき、25℃の雰囲気下、6mA(1.0C)の電流値で電池電圧4.2Vまで充電し、更に4.2Vを保持するようにして電流値を6mAから絞り始めるという方法により、合計3時間充電を行った。次に6mA(1.0C)の電流値で電池電圧3.0Vまで放電した。次に、60℃雰囲気下、6mA(1.0C)の電流値で電池電圧4.2Vまで充電し、更に4.2Vを保持するようにして電流値を6mAから絞り始めるという方法により、合計3時間充電を行った。次いで、4.2Vを保持するように充電を続けた状態にて60℃の雰囲気下で4日間保存を行った後、6mA(1.0C)の電流値で電池電圧3.0Vまで放電した。この電池からセパレータを取り出し、付着物を取り除くためにジメトキシエタン、エタノール、及び1規定の塩酸中で、順次に各15分間の超音波洗浄を行った。その後、空気中にて乾燥し、セパレータの正極接触面側の水分散液塗布部の黒色変色具合を目視にて観察し、耐酸化性の評価を行った。
黒色に変色した割合が面積当たりで5%以下のものを○(極めて良好)、5%を超えて10%以下のものを△(良好)、10%を超えるものを×(不良)と判定した。
リチウムビススルホニルアミドとジメチルカーボネートをモル比1:1.1で混合したものを電解液として使用し、充電電圧を4.7Vとした以外は、評価2と同様の手順で高電圧耐酸化性の評価を行った。
参考例のポリエチレンを60質量%と、実施例・比較例のポリエチレンを40質量%とを、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドした。得られた混合物99質量%に酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を1質量%添加し、再度タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドすることにより、混合物を得た。得られた混合物を、窒素雰囲気下で二軸押出機へフィーダーにより供給した。また、流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10-5m2/s)を押出機シリンダーにプランジャーポンプにより注入した。押し出される全混合物中に占める流動パラフィンの割合が65質量%となるように、すなわち、ポリマー濃度(以下、「PC」と略記することがある。)が35質量%となるように、フィーダー及びポンプの運転条件を調整した。
次いで、それらを二軸押出機内で溶融混練した。なお、溶融混練条件は、温度:230℃、スクリュー回転数:240rpm、吐出量:12kg/hとした。
続いて、得られた溶融混練物を、T−ダイを経て表面温度90℃に制御された冷却ロール上に押し出し、その押出物を冷却ロールに接触させ成形して冷却固化することにより、シート状成形物であるゲルシートを得た。
次に、得られたゲルシートを同時二軸テンター延伸機に導き、二軸延伸により延伸シートを得た。設定延伸条件は、MD倍率を7.0倍、TD倍率を7.5倍、すなわち、面倍率を7×7.5=52.5倍、二軸延伸温度を123℃とした。
次いで、得られた延伸フィルムをメチルエチルケトン槽に導き、メチルエチルケトン中に十分に浸漬して可塑剤である流動パラフィンを抽出除去し、その後メチルエチルケトンを乾燥除去した。
次に、熱固定を行うべく延伸フィルムをTDテンターに導いた。そこで、温度130℃、延伸倍率1.7倍の条件で熱固定を行い、その後、緩和率(HS緩和率)が0.8倍の緩和操作を行った。
次いで、延伸フィルム1000mを巻き取ったマスターロール(MR、幅:2000mm、厚さ:6μm)を、60℃の恒温室内に24時間放置し、エージング処理(MRエージング処理)を行った。
マスターロールからの延伸フィルムの端部のくりだし性を以下の指標で評価した。
○:片手で中央部をもってロールからフィルムのカット端部をくりだすことができる
△:両手で両端部をもってロールからフィルムのカット端部をくりだすことができる
×:両手手両端部をもってもロールからフィルムのカット端部をくりだすことができず、表面を折り曲げないとくりだせない
〔担持触媒[A]〕
1リットルのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売製、(商品名)エキネンF−3)300ml及び蒸留水300mlを入れ、濃塩酸15.0g及びジメチルベヘニルアミン(ライオン(株)製、(商品名)アーミンDM22D)42.4g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製、(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mlで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより125gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を7μmとした。
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、20%トリイソブチルアルミニウムヘキサン溶液142mLを添加して60℃で3時間撹拌した。その後、空気中で濾過、200mLのヘキサンにて2回洗浄後、80℃で12時間真空乾燥した。その後、温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後にトリイソブチルアルミニウムで処理した有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライドを0.600g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、担持触媒[A](表中、単に「A」と示す。)を得た。
窒素雰囲気下550℃で焼成された触媒担体用シリカ(平均粒子径8μm、細孔容積1.20mL/g、比表面積480m2/g)40gを、容量1.8Lのオートクレーブ中にて、ヘキサン800mL中に投入し、撹拌しながら25℃に保ち、トリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(濃度1mol/L)を68mL加えた。その後2時間攪拌し、更に、ジブチルマグネシウムのヘキサン溶液(濃度1mol/L)を68mL加えた、その後2時間撹拌し、金属処理シリカ[a]のヘキサンスラリーを得た。
1リットルのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売製、(商品名)エキネンF−3)300ml及び蒸留水300mlを入れ、濃塩酸15.0g及びジメチルベヘニルアミン(ライオン(株)製、(商品名)アーミンDM22D)42.4g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製、(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mlで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより125gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を7μmとした。
窒素雰囲気下550℃で焼成された触媒担体用シリカ(平均粒子径8μm、細孔容積1.20mL/g、比表面積480m2/g)40gを、容量1.8Lのオートクレーブ中にて、ヘキサン800mL中に投入し、撹拌しながら25℃に保ち、トリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(濃度1mol/L)を68mL加えた。その後2時間撹拌し、金属処理シリカ[a]のヘキサンスラリーを得た。
1リットルのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売製、(商品名)エキネンF−3)300ml及び蒸留水300mlを入れ、濃塩酸15.0g及びジメチルベヘニルアミン(ライオン(株)製、(商品名)アーミンDM22D)42.4g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製、(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mlで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより125gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を7μmとした。
特許第5774084号公報、実施例3に記載の方法で参考例のポリエチレン系重合体パウダーを得た。
以下に示す連続式スラリー重合法によりポリエチレン系重合体パウダーを得た。具体的には、攪拌装置を備えたベッセル型340L重合反応器を用い、重合温度50℃、重合圧力0.20MPaG、平均滞留時間1.8時間の条件で連続重合を行った。溶媒として脱水ノルマルヘキサン80L/時間、触媒として上述の担持型メタロセン触媒[A]をTi原子換算で1.40mmol/時間、助触媒としてトリイソブチルアルミニウムを反応器内濃度が0.25mmol/Lとなるように供給した。また、分子量調整のための水素をエチレンの気相濃度に対して35ppmになるように供給することで、エチレンを重合させた。重合反応器内の重合スラリーは、重合反応器のレベルが一定に保たれるように圧力0.050MPa、温度70℃のフラッシュタンクに導き、未反応のエチレン、1−ブテン、水素を分離した。次に、スラリーは、フラッシュタンクのレベルが一定に保たれるように連続的に遠心分離機に送り、パウダーとそれ以外の溶媒等を分離した。分離されたパウダー(ポリエチレン系重合体)を、系内温度110℃、酸素濃度80ppmのロータリードライヤーに搬送し、滞留時間1時間で乾燥した。得られた実施例1のポリエチレン系重合体パウダーの評価結果を表1に示す。
表1に記載の触媒、重合温度、重合圧力、水素濃度、1−ブテン濃度、助触媒とした以外は、実施例1と同様の方法により、ポリエチレン系重合体パウダーを得た。測定結果及び評価結果を表1及び表2に示す。
なお、各表中、i−Bu3Alは、トリイソブチルアルミニウムを表し、Bu2Mgは、ジブチルマグネシウムを表す。
担持触媒[E]を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、ポリエチレン系重合体パウダーの作製を試みたが、重合体は得られなかった。
Claims (6)
- エチレン単独重合体、又は、エチレンと炭素数が3以上4以下のα−オレフィンとの共重合体を含み、
デカリン溶媒中、135℃で測定した極限粘度IVが10dL/g以上32dL/g以下であり、
Alの含有量が5質量ppm以上1000質量ppm以下であり、
MgとSiの含有量の比Mg/Si(質量比)が0.01以上1.00以下であり、
MgとSiの合計に対するAlの含有量の比Al/(Mg+Si)(質量比)が0.03以上0.31以下である、
ポリエチレン系重合体パウダー。 - AlとSiの含有量の比Al/Si(質量比)が0.1以上0.6以下である、
請求項1に記載のポリエチレン系重合体パウダー。 - 13C−NMRで測定されたα−オレフィン含有量が0mol%以上0.50mol%以下である、請求項1又は2に記載のポリエチレン系重合体パウダー。
- リチウムイオン2次電池セパレータ用である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリエチレン系重合体パウダー。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリエチレン系重合体パウダーより得られる、リチウムイオン2次電池セパレータ。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリエチレン系重合体パウダーと、デカリン溶媒中、135℃で測定した極限粘度IVが1dL/g以上10dL/g未満のポリエチレンパウダーと、を含む、リチウムイオン2次電池セパレータ。
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- 2018-10-05 JP JP2018190045A patent/JP7171354B2/ja active Active
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WO2023054514A1 (ja) | 2021-09-29 | 2023-04-06 | 旭化成株式会社 | 超高分子量ポリエチレンパウダー及びこれを成形してなる成形体 |
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