JP2019070104A - 表面保護フィルム - Google Patents

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【課題】薄い被着体に用いる場合であっても剥離することなく被着体を充分に保護できるとともに、保護終了後には被着体を損傷することなく容易に剥離することのできる表面保護フィルムを提供する。【解決手段】シリコーン化合物を含有する硬化型粘着剤層(A層)と、刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する硬化型又は非硬化型粘着剤層(B層)と、基材とをこの順に有する表面保護フィルムであって、前記A層と被着体を貼り合わせた後に前記B層に刺激を与えると前記A層と前記被着体との界面の少なくとも一部に剥離が生じる、表面保護フィルム。【選択図】 なし

Description

本発明は、薄い被着体に用いる場合であっても剥離することなく被着体を充分に保護できるとともに、保護終了後には被着体を損傷することなく容易に剥離することのできる表面保護フィルムに関する。
粘着フィルムは簡便に接合が可能なことから各種産業分野に用いられている。建築分野では養生シートの仮固定、内装材の貼り合わせ等に、自動車分野ではシート、センサー等の内装部品の固定、サイドモール、サイドバイザー等の外装部品の固定等に、電気電子分野ではモジュール組み立て、モジュールの筐体への貼り合わせ等に粘着フィルムが用いられている。より具体的には例えば、光学デバイス、金属板、塗装した金属板、樹脂板、ガラス板等の部材の表面を保護するための表面保護フィルムとしても粘着フィルムが広く用いられている(例えば、特許文献1〜3)。また、近年では、液晶ディスプレイ等の光学部材を輸送の際の振動や衝撃から保護するために表面保護フィルムが使用されている。
表面保護フィルムには保護中に剥がれることのない高い粘着力が要求される一方、保護が必要でなくなった際には簡単に剥がすことができる軽剥離性も要求される(以下、「高接着軽剥離」ともいう。)。
高接着軽剥離を実現する方法として粘着剤層に気体発生剤を含有させる方法が知られている。特許文献4には、アゾ化合物等の刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する接着層を有する両面接着テープを用いたウエハの処理方法が記載されている。特許文献4に記載されたウエハの処理方法では、まず、両面接着テープを介してウエハを支持板に固定する。その状態で研削工程等を行った後に刺激を与えると、気体発生剤から発生した気体がテープの表面とウエハとの界面に放出され、その圧力によって少なくとも一部が剥離される。
特開平1−129085号公報 特開平6−1958号公報 特開平8−12952号公報 特開2003−231872号公報
近年、技術の進歩によってエレクトロニクス分野では部材が小型化、薄化してきており、このような薄化した部材では剥離に力がかかると部材が変形、損傷してしまうことから、表面保護フィルムにより高い軽剥離性が求められる。しかしながら、従来の気体発生剤を含む表面保護フィルムでは、薄化した部材に用いた場合部材の変形や損傷を抑えるのに充分でないという問題がある。また、気体発生剤を用いた場合、気体発生時の反応で生じる副生成物が被着体を汚染してしまうという問題もある。
本発明は、上記現状に鑑み、薄い被着体に用いる場合であっても剥離することなく被着体を充分に保護できるとともに、保護終了後には被着体を損傷することなく容易に剥離することのできる表面保護フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、シリコーン化合物を含有する硬化型粘着剤層(A層)と、刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する硬化型又は非硬化型粘着剤層(B層)と、基材とをこの順に有する表面保護フィルムであって、前記A層と被着体を貼り合わせた後に前記B層に刺激を与えると前記A層と前記被着体との界面の少なくとも一部に剥離が生じる、表面保護フィルムである。
以下に本発明を詳述する。
本発明の表面保護フィルムは、シリコーン化合物を含有する硬化型粘着剤層(A層)と、刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する硬化型又は非硬化型粘着剤層(B層)と、基材とをこの順に有する。
被着体と接するA層を硬化型粘着剤層とすることで、被着体保護時には被着体から表面保護フィルムが剥がれることがない一方で、保護終了後には硬化型粘着剤層を硬化させることによって容易に表面保護フィルムを剥離することができる。また、A層にシリコーン化合物を含有することで被着体との界面にシリコーン化合物がブリードアウトして表面保護フィルムをより剥離しやすくすることができる。また、基材とA層の間にA層とは異なるB層を設けることで、シリコーン化合物が基材との界面で粘着力を低下させ難いため、基材の剥離を防止できる。更に、B層に気体発生剤を含有することで、気体発生剤に刺激を与えて気体を発生させると、B層と基材との界面に凹凸が生じ、それがA層とB層との界面及びA層と被着体との界面に転写されることで、A層と被着体との界面の少なくとも一部に剥離を生じる。その結果、表面保護フィルムを更に軽い力で剥離することができる。なお、本発明の表面保護フィルムは、A層とB層の間に他の層を有していてもよい。
ここで、図1にA層と被着体との界面の少なくとも一部に剥離が生じた状態を模式的に示した。刺激を与える前は、図1(a)に示すように基材1、B層2、A層3からなる表面保護フィルムが被着体4に貼り付けられた状態になっている。ここでA層3及びB層2に刺激を与えると、A層3が硬化して粘着力が低下すると同時に、B層2中の気体発生剤から気体が発生する。気体発生剤から発生した気体は、図1(b)に示したように基材1とB層2との界面に集まり気泡5が形成されて凹凸ができる。この凹凸がA層3に転写されることで、硬化によって粘着力が低下したA層3と被着体4との界面の一部に剥離が生じる。
上記A層を構成する硬化型粘着剤としては、例えば、光によって硬化する光硬化型粘着剤や熱によって硬化する熱硬化型粘着剤が挙げられる。上記光硬化型粘着剤としては、例えば、重合性ポリマーを主成分として光重合開始剤を含有する光硬化型粘着剤が挙げられる。上記熱硬化型粘着剤としては、例えば、重合性ポリマーを主成分として熱重合開始剤を含有する熱硬化型粘着剤が挙げられる。
上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)をあらかじめ合成し、これを、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)とを反応させることにより得ることができる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、アルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られるものである。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万〜200万程度である。なお、本発明において重量平均分子量は、例えばGPC法により測定することができ、例えばカラムとしてWater社製「2690 Separations Model」、溶媒として酢酸エチルを用い、ポリスチレン標準により求めることができる。
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、カルボキシル基含有モノマーや、ヒドロキシル基含有モノマーや、エポキシ基含有モノマーや、イソシアネート基含有モノマーや、アミノ基含有モノマー等が挙げられる。上記カルボキシ基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。上記ヒドロキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等が挙げられる。上記エポキシ基含有モノマーとしては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等が挙げられる。上記イソシアネート基含有モノマーとしては、アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等が挙げられる。上記アミノ基含有モノマーとしては、アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等が挙げられる。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、粘着力を高める観点から、カルボキシル基含有単量体として、アクリル酸やメタクリル酸を有することが好ましい。カルボキシル基含有単量体としてアクリル酸やメタクリル酸を有する場合、粘着力を高める観点から、上記アクリル酸又はメタクリル酸の含有量は、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーを構成する全単量体に基づいて、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.3〜5重量%、更に好ましくは0.5〜2重量%である。
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合はエポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられる。同官能基がヒドロキシル基の場合はイソシアネート基含有モノマーが用いられる。同官能基がエポキシ基の場合はカルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられる。同官能基がアミノ基の場合はエポキシ基含有モノマーが用いられる。
上記光重合開始剤は、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられる。このような光重合開始剤としては、アセトフェノン誘導体化合物や、ベンゾインエーテル系化合物や、ケタール誘導体化合物や、フォスフィンオキシド誘導体化合物や、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。上記アセトフェノン誘導体化合物としては、メトキシアセトフェノン等が挙げられる。上記ベンゾインエーテル系化合物としては、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。上記ケタール誘導体化合物としては、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱重合開始剤としては、熱により分解し、重合硬化を開始する活性ラジカルを発生するものが挙げられ、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエール、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。これら熱重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化型粘着剤は、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することが好ましい。ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することにより、光硬化性、熱硬化性が向上する。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは加熱又は光の照射による硬化型粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート又は上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。その他、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート、上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。これらの多官能オリゴマー又はモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化型粘着剤は、更に、粘着付与剤を含有してもよい。
上記粘着付与剤は特に限定されないが、耐候性等を高める観点から、軟化点が80℃以上であることが好ましく、90〜140℃であることがより好ましい。上記粘着付与剤として、例えば、脂肪族共重合体、芳香族共重合体、脂肪族芳香族共重合体、脂環式共重合体等の石油系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、重合ロジン等のロジン系樹脂、(アルキル)フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、及び、これらの水素添加物等が挙げられる。また、ポリオレフィン樹脂との混合物として市販されている粘着付与剤を用いてもよい。これらの粘着付与剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、上記硬化型粘着剤層の剥離性、耐候性等を高めるためには、上記粘着付与剤は、水素添加物であることが好ましい。
上記粘着付与剤の含有量は特に限定されないが、上記硬化型粘着剤100重量部に対する好ましい下限は3重量部、好ましい上限は50重量部である。上記粘着付与剤の含有量がこの範囲内であると、特に高い初期粘着力を発揮しながら、被着体の表面から表面保護フィルムを剥離する際に被着体の表面に粘着剤が残存(糊残り)するのを防止することができる。初期粘着力の更なる向上及び糊残りの更なる抑制の観点から、上記粘着付与剤の含有量のより好ましい下限は5重量部、より好ましい上限は40重量部である。
上記A層は、粘着力の制御等を目的に、必要に応じて、例えば、軟化剤、酸化防止剤、接着昂進防止剤等の添加剤を含有してもよい。
上記硬化型粘着剤が光硬化型粘着剤である場合、上記硬化型粘着剤層を硬化させる光の照射条件は用いる重合性ポリマーと光重合開始剤との組み合わせによって適宜調節することができる。例えば、側鎖にビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性ポリマーと、200〜410nmの波長で活性化する光重合開始剤を用いる場合、365nm以上の波長の光を照射することにより、上記硬化型粘着剤層を架橋、硬化させることができる。
このような硬化型粘着剤層に対しては、例えば、波長365nmの光を5mW以上の照度で照射することが好ましく、10mW以上の照度で照射することがより好ましく、20mW以上の照度で照射することが更に好ましく、50mW以上の照度で照射することが特に好ましい。また、波長365nmの光を300mJ以上の積算照度で照射することが好ましく、500mJ以上、10000mJ以下の積算照度で照射することがより好ましく、500mJ以上、7500mJ以下の積算照度で照射することが更に好ましく、1000mJ以上、5000mJ以下の積算照度で照射することが特に好ましい。
また、上記硬化型粘着剤が熱硬化型粘着剤であり、側鎖にビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性ポリマーと50〜150℃程度の加熱で活性化する熱重合開始剤を含有する熱硬化型粘着剤を用いた場合、50〜150℃程度の温度にまで加熱することにより、上記硬化型粘着剤を架橋、硬化させることができる。
上記A層はシリコーン化合物を含有する。
シリコーン化合物を含有することでA層と被着体との間にシリコーン化合物がブリードアウトするため、保護が必要なくなった際に表面保護フィルムをより容易に剥離することができる。上記シリコーン化合物は被着体への汚染を抑える観点から、上記硬化型粘着剤と架橋可能な官能基を有することが好ましい。上記硬化型粘着剤と架橋可能な官能基を有するシリコーン化合物としては、例えば、両末端に二重結合基(例えば、メタクリル基、アクリル基)を有するシリコーン化合物や、片末端に二重結合基(例えば、メタクリル基、アクリル基)を有するシリコーン化合物等が挙げられる。上記両末端にメタクリル基を有するシリコーン化合物の市販品としては、信越化学工業社製のX−22−164、X−22−164AS、X−22−164A、X−22−164B、X−22−164C、X−22−164E等が挙げられる。上記片末端にメタクリル基を有するシリコーン化合物の市販品としては、信越化学工業社製のX−22−174DX、X−22−2426、X−22−2475等が挙げられる。上記アクリル基を有するシリコーン化合物の市販品としては、ダイセルサイテック社製のEBECRYL350、EBECRYL1360等が挙げられる。上記アクリル基を有するシリコーン化合物の市販品としては、東亞合成社製のAC−SQ TA−100、AC−SQ SI−20等が挙げられる。上記メタクリル基を有するシリコーン化合物の市販品としては、東亞合成社製のMAC−SQ TM−100、MAC−SQ SI−20、MAC−SQ HDM等が挙げられる。これらのシリコーン化合物は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
被着体からさらに容易に剥離可能となる観点から、上記シリコーン化合物剤の含有量の好ましい下限は、上記重合性ポリマー100重量部に対して0.5重量部、より好ましい下限は1重量部、好ましい上限は30重量部、より好ましい上限は20重量部である。
刺激を与えた後の上記A層は、アクリル板に対する粘着力が3gf/inch以下であることが好ましい。
硬化型粘着剤層の硬化及び上記気体発生剤からの気体発生によって、A層のアクリル板に対する粘着力を3gf/inch以下とすることで、薄化した部材の保護に用いた場合に部材の変形や破損をより抑制することができる。同様の観点から、刺激を与えた後の上記A層のアクリル板に対する粘着力は2.7gf/inch以下であることがより好ましく、2.5gf/inch以下であることがさらに好ましく、2gf/inch以下であることがさらにより好ましく、1.7gf/inch以下であることが特に好ましく、1.5gf/inch以下であることが最も好ましい。刺激を与えた後の上記A層のアクリル板に対する粘着力の下限は特に限定されないが、通常0gf/inch以上である。なお、アクリル板に対する粘着力はJIS Z0237に準拠した方法で測定することができる。
上記A層の厚さは特に限定されないが、剥離性の観点から、好ましい下限は0.1μm、より好ましい下限は0.3μm、更に好ましい下限は0.5μmである。凹凸伝達の観点から、上記A層の厚さの好ましい上限は10μm、より好ましい上限は5μm、更に好ましい上限は1μmである。
上記B層を構成する硬化型又は非硬化型粘着剤層は特に限定されない。上記B層が硬化型粘着剤層である場合、硬化型粘着剤層として上記A層を構成する硬化型粘着剤層と同様のものを用いることができる。ただし、上記B層として上記A層を構成する硬化型粘着剤層と同様のものを用いる場合、基材との粘着力を低下させ、基材が剥がれる原因となることから、上記B層には上記シリコーン化合物を配合しないことが好ましい。
上記B層が非硬化型粘着剤層である場合、上記非硬化型粘着剤層を構成する非硬化型粘着剤は、非硬化型であれば特に限定されず、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等が挙げられる。なかでも、硬化型粘着剤層との密着性がよいことからアクリル系粘着剤が好ましい。
上記B層を構成する硬化型又は非硬化型粘着剤層は刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する。
B層が気体発生剤を含有すると、B層に刺激を与えることで気体発生剤から発生した気体がB層と基材の界面及びA層とB層の界面に移動して各界面に凹凸を生じさせる。この凹凸がA層と被着体の界面に転写されることで、A層と被着体との界面の少なくとも一部に剥離が生じ、表面保護フィルムを容易に被着体から剥離することができる。また、被着体と直接接しないB層に気体発生剤を含有させることで、気体発生の反応の副生成物によって被着体が汚染されにくい。
気体発生剤から気体を発生させる刺激とは、例えば、光、熱、衝撃等が挙げられる。なかでも、他の部材にダメージを与えにくい観点から、上記刺激は光であることが好ましく、200〜800nm(特に254〜405nm)の波長を有する紫外線がより好ましい。
上記気体発生剤は特に限定されないが、例えば、アゾ化合物、アジド化合物、フェニル酢酸、ジフェニル酢酸、トリフェニル酢酸等のカルボン酸化合物又はその塩や、1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾール、5,5−アゾビス−1H−テトラゾール等のテトラゾール化合物又はその塩等が挙げられる。なかでもガス発生性能が良好であることからアゾ化合物が好ましい。
上記気体発生剤の含有量は、上記B層を構成する粘着剤100重量部に対する好ましい下限が5重量部、好ましい上限が50重量部である。上記気体発生剤の含有量が5重量部以上であることで、より剥離に適した量の気体を発生させることができる。気体発生剤の含有量が50重量部以下であることで、気体発生剤がより粘着剤に溶けやすくなる。同様の観点から、上記気体発生剤の含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は30重量部である。
上記B層は、光増感剤を含有してもよい。
上記光増感剤は、上記気体発生剤への光による刺激を増幅する効果を有することから、より少ない光の照射により気体を放出させることができる。また、より広い波長領域の光により気体を放出させることができる。
上記非硬化型粘着剤は、上記A層の硬化型粘着剤と同様の粘着付与剤や添加剤を含有してもよい。
上記B層の厚さは特に限定されないが、粘着性の観点から、好ましい下限は1μm、より好ましい下限は2μm、更に好ましい下限は3μmである。凹凸伝達の観点から、上記B層の厚さの好ましい上限は300μm、より好ましい上限は200μm、更に好ましい上限は100μmである。
上記基材は特に限定されず、例えば、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、変性オレフィン系樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、シクロオレフィンポリマー樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリイミドフィルム等が挙げられる。上記ポリオレフィン系樹脂フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等が挙げられる。上記ポリエステル系樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム等が挙げられる。上記変性オレフィン系樹脂フィルムとしては、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。なお、より高い剥離性を発揮するためには、比較的弾性率が高い基材が好適である。また、表面保護テープ越しに被着体の状態を確認したい場合には、比較的ヘイズ値が低い(例えば、ヘイズが2以下)基材が好適である。
上記基材は、帯電防止剤、離型剤、酸化防止剤、耐候剤、結晶核剤等の添加剤や、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、エラストマー等の樹脂改質剤等を含有してもよい。
上記基材は、基材のB層と接する表面の少なくとも一部に離型処理が施されており、離型処理が施された面の任意の単位面積1cm×1cmにおいて、離型処理された部分の面積が0.02〜0.55cmであることが好ましい。
基材に離型処理を施すことで、上記気体発生剤から発生した気体が離型処理を施した部分に集まるため気泡の位置や大きさ、つまり、B層と基材の界面に生じる凹凸を制御することができる。特に、上記離型処理された面の任意の1cm×1cmの区画において、離型処理が施された面積を0.02〜0.55cmとすることで、B層と基材の界面に生じる凹凸を適度かつ均一な大きさとすることができる。そして、この凹凸が上記A層と被着体との界面に転写されると、被着体とA層が均一に剥離されるため、軽剥離性をより向上させることができる。軽剥離性をさらに向上させる観点から、上記離型処理された部分の面積のより好ましい下限は0.03cm、更に好ましい下限は0.04cm、特に好ましい下限は0.05cmである。上記離型処理された部分の面積のより好ましい上限は0.53cm、更に好ましい上限は0.5cm、特に好ましい上限は0.3cm、最も好ましい上限は0.2cmである。なお、本明細書において離型処理とは、周囲(離型処理を施していない部分)に対して粘着力又は接着力の低い領域を形成する処理をすべて含む。
上記基材のB層と接する表面の少なくとも一部に施される離型処理はドット状であることが好ましい。
ドット状の離型処理を施すことで、気体発生剤から発生した気体はより均一な大きさの気泡となり、基材とB層の界面に適度かつ均一な凹凸を形成することができる。
なお、ドット状とは、離型処理部のドットが基材の略全面に規則的に又はランダムに分布していることを意味する。
図2(a)(b)にドット状の離型処理の例を表す模式図を示したが、本発明はこれらの例にのみ限定されるものではない。
なお、本発明においてドットの形状は円形に限定されず、多角形、楕円、十字形、星形、ハート形等どのような形状であってもよい。
ドットの形状が円形である場合、上記ドットの直径の好ましい下限は0.5mm、好ましい上限は3.0mmである。上記ドット(円形)の直径が0.5mm以上であると、基材とB層の界面に生じる凹凸が大きくなるため、A層と被着体の界面に生じる凹凸も大きくなり、表面保護フィルムをより剥離しやすくすることができる。軽剥離性を更に向上させる観点から、上記ドット(円形)の直径が3.0mm以下であると、形成される凹凸の高さの差が小さくなりすぎず、転写先であるA層と被着体の界面の凹凸が大きくなるため、表面保護フィルムをより剥離しやすくすることができる。
上記離型処理は、上記離型処理を施したドット(円形)の直径をxmm、1cmあたりのドット(円形)の個数をyとしたときに、xとyとが0.5≦x≦3.0、y≧1.0であり、かつ、下記式(1)〜(3)を満たすことが好ましい。
y≦18−12x (0.5≦x≦1.0) (1)
y≦10−4x (1.0≦x≦1.5) (2)
y≦7−2x (1.5≦x≦3.0) (3)
ドット(円形)の直径を上記範囲とすることで表面保護フィルムの軽剥離性をより高めることができる。なお、yのカウントに関して、任意の1cmあたりにおいて、ドットが一部でも含まれる場合は、そのドットを1とカウントする。yは、好ましくは12以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは8以下である。
ドットの形状が楕円である場合、長径と短径の和を2で割った数値をxmmとして、上記xとyの範囲を満足することが好ましい。ドットの形状が円形及び楕円以外である場合、一つのドットの面積から算出した真円換算直径をxとして、上記xとyの範囲を満足することが好ましい。
上記ドット状の離型処理を施す方法は特に限定されないが、離型剤を塗布することにより処理することが好ましく、さらに、離型剤をグラビア印刷等の印刷方法により処理する方法が簡便であり、より好ましい。
上記離型剤は特に限定されず、例えば、シリコン系、長鎖アルキル系、フッ素系の離型剤等を用いることができる。
上記長鎖アルキル系離型剤は、例えば、一方社油脂工業社製のピーロイル1050、ピーロイル406等が挙げられる。
上記シリコン系離型剤は、例えば、信越化学工業社製のKM722T、KF412SP等が挙げられる。
上記フッ素系離型剤は、例えば、スリーエム社製のEGC−1720、日進化成社製のダイフリー等が挙げられる。
また、離型剤を用いる方法以外にも、基材にコロナ処理等の接着性向上処理を施す際に、ドット状にマスクしたうえでコロナ処理を行う方法等が挙げられる。
上記基材の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は25μm、好ましい上限は200μmである。上記基材の厚さが上記範囲であることによって取り扱い性に優れた表面保護フィルムとすることができる。取り扱い性を更に高める観点から、上記基材の厚さのより好ましい下限は50μm、より好ましい上限は188μmである。
本発明の表面保護フィルムは、550nmにおける全光線透過率が85%以上であることが好ましい。550nmにおける全光線透過率が85%以上であることで、表面保護フィルムを被着体に貼り付けたままアライメント等の光を利用した作業工程を行うことができるため生産性を向上させることができる。生産性を更に高める観点から、上記550nmにおける全光線透過率のより好ましい下限は90%である。なお、全光線透過率は分光光度計を用いることで測定することができる。なお、本発明の表面保護フィルムは、550nmにおける全光線透過率が通常100%以下である。
本発明の保護フィルムを製造する方法は特に限定されず、例えば、以下の方法で製造することができる。まず、溶媒に重合性ポリマーと、光又は熱重合開始剤と、必要に応じて各種添加剤を加えて混合することで硬化型粘着剤溶液を調製する。一方で、溶媒に硬化型又は非硬化型粘着剤と、必要に応じて各種添加剤を加えて混合することで硬化型又は非硬化型粘着剤溶液を調製する。その後、基材上に硬化型又は非硬化型粘着剤溶液を塗布、乾燥させてB層を形成し、次いで離型フィルム上に硬化型粘着剤溶液を塗布、乾燥させることでA層を形成し、その後A層とB層を貼り合わせることで本発明の表面保護フィルムを製造することができる。
本発明の表面保護フィルムの被着体は特に限定されない。例えば、光学デバイス(液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイパネル、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ、陰極管表示装置、表面電界ディスプレイ、電子ペーパー等)、光学フィルム(偏光板、円偏光板、位相差板等)、金属板、塗装した金属板、樹脂板、ガラス板等の部材の表面を保護するために好適に用いられる。なかでも本発明は硬化型粘着剤、シリコーン化合物及び気体発生剤の併用によって従来の表面保護フィルムよりも軽剥離性に優れることから、変形、損傷しやすい薄い部材に対して特に好適に用いることができる。
本発明によれば、薄い被着体に用いる場合であっても剥離することなく被着体を充分に保護できるとともに、保護終了後には被着体を損傷することなく容易に剥離することのできる表面保護フィルムを提供することができる。
A層と被着体との界面の少なくとも一部に剥離が生じた状態を模式的に示した図である。 ドット状の離型処理の例を表す模式図である。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
(A層用硬化型粘着剤の製造)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、2−エチルヘキシルアクリレート94重量部、アクリル酸1重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5重量部、ラウリルメルカプタン0.01重量部、酢酸エチル80重量部を加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.01重量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを0.01重量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt−ヘキシルパーオキシピバレートを0.05重量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、固形分55重量%、重量平均分子量60万の官能基含有アクリル系ポリマーの酢酸エチル溶液を得た。得られた官能基含有アクリル系ポリマーの酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させた。更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤2重量部、シリコンジアクリレート10重量部、ポリイソシアネート系架橋剤1.25重量部を混合してA層用硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を調製した。なお、光重合開始剤は、日本シイベルヘグナー社製エサキュアワンを用いた。シリコンジアクリレートは、ダイセル・オルネクス社製EBECRYL 1360を用いた。ポリイソシアネート系架橋剤は総研化学社製コロネートL45を用いた。
(B層用硬化型粘着剤の製造)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、2−エチルヘキシルアクリレート51重量部、イソボロニルアクリレート37重量部、ヒドロキシエチルアクリレート19重量部、メタクリル酸1重量部、ラウリルメルカプタン0.01重量部と、酢酸エチル180重量部を加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.01重量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを0.01重量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt−ヘキシルパーオキシピバレートを0.05重量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、固形分40重量%、重量平均分子量30万のアクリル共重合体を得た。得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート8重量部を加えて反応させた。
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、気体発生剤20重量部、増感剤2重量部、光重合開始剤2重量部、ポリイソシアネート系架橋剤1.25重量部を加え、光硬化性粘着組成物の酢酸エチル溶液を調整した。なお、気体発生剤、増感剤、光重合開始剤、ポリイソシアネート系架橋剤は以下のものを用いた。
気体発生剤:和光純薬工業社製、VAm−110
増感剤:日本化薬社製、DETX−S
光重合開始剤:IGM社製、OMNIRAD 369E
ポリイソシアネート系架橋剤:総研化学社製、コロネートL45
(基材の製造)
両面にコロナ処理を施した厚さ75μmの透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの一方の面の全面に易接着処理した。その後、グラビア方式を用いて図2において黒で示したドットの模様(a)と同様に、長鎖アルキル系離型剤ピーロイル1050を印刷した。これにより一方の面に、直径0.8mm、密度8個/cmの円形のドットからなる離型処理が、1cm当たり0.04cmの面積となるように施された基材を得た。
(表面保護フィルムの製造)
上記基材の製造で得られた基材の離型処理を施した面に、B層用硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を乾燥皮膜の厚さが79μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させてB層を形成した。次いで、片面にシリコン離型処理がなされた厚さ25μmのPETフィルムの離型処理面にA層用硬化型粘着剤溶液の酢酸エチル溶液を乾燥皮膜の厚さが1μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させてA層を形成した。得られたA層とB層が積層されるように貼り合わせて表面保護フィルムを得た。得られた表面保護フィルムに対して分光光度計を用いて550nmにおける光の透過率を測定したところ91%であった。
(実施例2〜9、比較例1〜4)
A層の有無、シリコーン化合物の有無、気体発生剤の有無、基材の離型処理の有無、離型処理の面積、ドットの直径及び個数を表1、2の通りとした以外は実施例1と同様にして表面保護フィルムを得て、光の透過率を測定した。
<評価>
実施例、比較例で得られた表面保護フィルムについて、以下の評価を行った。結果を表1、2に示した。
(初期粘着力の測定)
表面保護フィルムを25mm幅に裁断した。裁断した表面保護フィルムをアクリル板(PMMA、旭化成テクノプラス株式会社、品番:デラグラス A999)に、室温23℃、相対湿度50%で、2kgの圧着ゴムローラーを用いて10mm/SECの速度で貼り付けた。30分間放置した後、JIS Z0237に準拠し、表面保護フィルムを300mm/minの速度で引き剥がして180度剥離強度を測定した。これを初期粘着力とした。
(UV照射後粘着力の測定)
表面保護フィルムを25mm幅に裁断した。裁断した表面保護フィルムをアクリル板(PMMA、旭化成テクノプラス株式会社、品番:デラグラス A999)に、室温23℃、相対湿度50%で、2kgの圧着ゴムローラーを用いて10mm/SECの速度で貼り付けた。30分間放置した後、高圧水銀UV照射機を用いて、365nmの紫外線を表面保護フィルム表面への照射強度が50mW/cmとなるよう照度を調節して、基材側から36秒間照射し、A層を硬化させるとともにB層の気体発生剤から気体を発生させた。その後、JIS Z0237に準拠し、表面保護フィルムを5000mm/minの速度で引き剥がして180度剥離強度を測定した。これをUV照射後粘着力とした。
(1)基材界面の凹凸の評価
UV照射後粘着力の測定において、UV照射後の表面保護フィルムを目視にて観察し、基材とB層との間に凹凸が形成されている場合を「〇」、凹凸が形成されていない場合を「×」として基材界面の凹凸を評価した。
(2)硬化型粘着剤層(A層)の剥離の評価
UV照射後粘着力の測定において、A層を硬化させた後の表面保護フィルムを目視にて観察し、A層とアクリル板の間に剥離が生じている場合を「〇」、剥離が生じていない場合を「×」としてA層の剥離を評価した。
(3)残渣の評価
UV照射後粘着力の測定において、表面保護フィルム剥離後のアクリル板を光学顕微鏡を用いて100倍の倍率で観察し、残渣のない面積が全体の90%以上である場合を「A」、80%以上90%未満である場合を「B」、80%未満である場合を「C」として残渣を評価した。
(4)被着体の変形の評価
表面保護フィルムを25mm幅に裁断した。裁断した表面保護フィルムを厚さ20μmのアルミフィルムに貼り付けた。次いで、高圧水銀UV照射機を用いて、365nmの紫外線を表面保護フィルム表面への照射強度が50mW/cmとなるよう照度を調節して、基材側から36秒間照射した。その後、表面保護フィルムを剥離した。UV照射後及び表面保護フィルム剥離後のアルミフィルムを目視にて観察し、下記基準で被着体の変形を評価した。
A:UV照射後及び表面保護フィルム剥離後のどちらとも形状の変化が見られなかった
B:UV照射後では若干変形したが、表面保護フィルム剥離後では変形が見られなかった
C:UV照射後では大きく変形したが、表面保護フィルム剥離後では変形が見られなかった
D:表面保護フィルム剥離後も変形が見られた
Figure 2019070104
Figure 2019070104
本発明によれば、薄い被着体に用いる場合であっても剥離することなく被着体を充分に保護できるとともに、保護終了後には被着体を損傷することなく容易に剥離することのできる表面保護フィルムを提供することができる。
1 基材
2 B層
3 A層
4 被着体
5 気泡

Claims (6)

  1. シリコーン化合物を含有する硬化型粘着剤層(A層)と、刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する硬化型又は非硬化型粘着剤層(B層)と、基材とをこの順に有する表面保護フィルムであって、前記A層と被着体を貼り合わせた後に前記B層に刺激を与えると前記A層と前記被着体との界面の少なくとも一部に剥離が生じる、表面保護フィルム。
  2. 刺激を与えた後のA層は、アクリル板に対する粘着力が3gf/inch以下である、請求項1記載の表面保護フィルム。
  3. 基材のB層と接する表面の少なくとも一部に離型処理が施されており、
    離型処理が施された面の任意の単位面積1cm×1cmにおいて、離型処理された部分の面積が0.02〜0.55cmである、請求項1又は2記載の表面保護フィルム。
  4. 基材のB層と接する表面にドット状の離型処理が施されている、請求項1、2又は3記載の表面保護フィルム。
  5. ドットの直径をxmm、1cm当たりのドットの個数をyとしたときに、0.5≦x≦3、y≧1.0であり、かつ、下記式(1)〜(3):
    y≦18−12x (0.5≦x≦1.0) (1)
    y≦10−4x (1.0≦x≦1.5) (2)
    y≦7−2x (1.5≦x≦3.0) (3)
    を満たす、請求項4記載の表面保護フィルム。
  6. 550nmにおける全光線透過率が85%以上である、請求項1、2、3、4又は5記載の表面保護フィルム。
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