JP2019068273A - 画像読取装置および画像読取方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シェーディングデータ取得時の、基準部材の清掃工数を削減する。【解決手段】基準部材を読み取ったデータであるシェーディングデータで画像データを補正する補正部を有する画像読取装置において、補正部は、記憶部と、記憶部に記憶されたシェーディングデータから、異物を読み取ったデータ位置である異物データ位置を検知する異物検知部と、記憶部に記憶されたシェーディングデータの一部を置き換えるデータ置換部とを有する。データ置換部は、シェーディングデータにおける異物データ位置のデータを異物検知後に読み取られたシェーディングデータである置換シェーディングデータにおける異物データ位置のデータで置き換える置換処理を行い、補正部はさらに、置換処理後のシェーディングデータである補正後シェーディングデータに、異物検知部により異物データ位置が検知されなくなるまで、データ置換部によるデータの置き換えを行う。【選択図】図4

Description

本発明は、画像読取装置および画像読取方法に関する。
従来、複写機やFAXの読取装置、コンピュータ入力用のスキャナ等では、原稿の搬送方向に直交する方向に長い照射範囲をもつ光源を用いて、原稿に光を照射し、照射された原稿から反射した反射光をイメージセンサなどのセンサで受光することで、原稿上の画像を読み取ることが知られている。
このような画像読取装置では、搬送方向に直交する方向の位置によって、光源から照射される光量にばらつきがあったり、また経時的に光源の光量が変動したりすることがある。この光量が変動すると、例えばハーフトーンの画像が一様に形成された原稿を読み取った場合に、出力される画像信号が光源の光量に応じたばらつきを有する不均一なものとなってしまう。
そこで、原稿の搬送方向に直交する方向に伸びる白色の部材(基準部材)を光源に対向させ、この基準部材に対して光源から光を照射し、基準部材から反射した反射光をセンサで受光し、原稿の搬送方向に直交する方向の照度分布に対応する補正用データ(以降シェーディングデータと呼ぶ)をあらかじめ取得しておく手法が知られている。実際の原稿読取動作時には、原稿を読み取って得られた画像データを、シェーディングデータを用いて補正(シェーディング補正)することで光源の光量分布に起因するムラを除去している。
ここで、基準部材によりシェーディングデータを取得する際、基準部材にごみや汚れが付着している可能性がある。その状態で取得されたシェーディングデータで行われたシェーディング補正の結果、ごみや汚れに対応する位置にスジが入ってしまう。
そこでシェーディングデータを取得する際に、基準部材のごみや汚れを清掃する作業が生じる。清掃は、布で拭き取ったり、エアブローで飛ばすことが一般的だが、この場合異物を完全に拭き取れなかったり、吹き飛ばしたごみが再度別なところに付着したりすることがあり、ごみや汚れが取り除けるまで清掃を繰り返すことになる。
特許文献1には、濃度基準部材を読み取って得られた読取データにおけるごみが付着した状態で取得された画素の位置を特定し、その画素位置についてはあらかじめ保存しておいたシェーディングデータで補間する技術が記載されている。
しかし、特許文献1に記載の技術では、シェーディングデータを取得する際に必要となる、基準部材の清掃工数を削減する点について考慮されていない。
上記課題を解決するために、請求項1にかかる発明は、光を照射する照射部と、前記照射部から照射された光の反射光を受光する受光部とを有し、原稿で反射され前記受光部が受光した光に基づき前記原稿を読み取ったデータである画像データを生成し、基準部材で反射され前記受光部が受光した光に基づき前記基準部材を読み取ったデータであるシェーディングデータで前記画像データを補正する補正部を有する画像読取装置において、前記補正部は、前記シェーディングデータを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されたシェーディングデータから、前記基準部材以外である異物を読み取ったデータ位置である異物データ位置を検知する異物検知部と、前記記憶部に記憶されたシェーディングデータの一部を置き換えるデータ置換部とを有し、前記データ置換部は、前記シェーディングデータにおける前記異物データ位置のデータを、前記異物検知後に読み取られたシェーディングデータである置換シェーディングデータにおける前記異物データ位置のデータで置き換える置換処理を行い、前記補正部はさらに、前記置換処理後のシェーディングデータである補正後シェーディングデータに、前記異物検知部により異物データ位置が検知されなくなるまで、前記データ置換部によるデータの置き換えを行う画像読取装置である。
本発明によれば、シェーディングデータを生成し保存する際に必要となる装置の清掃の工数を削減できる。
画像読取装置の説明図である。 画像読取装置制御ブロック図である。 電気回路要部を示す図である。 白補正部の機能ブロック図の第一の例である。 異物検知処理フローである。 データ置換処理フローである。 初期のシェーディングデータと清掃実施後のシェーディングデータの概念図である。 データ置換後のシェーディングデータである。 白補正部の機能ブロック図の第二の例である。 白補正部350の機能ブロック図の第三の例である。 第三の実施形態の効果を示す概念図である。 画像読取装置が搭載された画像形成装置の説明図である。
以下、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の実施の形態を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
画像読取装置111は、セットされた原稿束から原稿を一枚毎に分離して給送する分離給送する機能を有する。そして、給送された原稿を一度整合させ、さらに整合後の原稿を引き出して搬送する。さらに、搬送される原稿をターンさせて、原稿面を読取りに向けて搬送し、原稿の表面画像を、コンタクトガラスの下方より読取を行わせる。その後読取後の原稿の裏面画像を読みとり、表裏の読取が完了した原稿を機外に排出し、読取完了後の原稿を積載保持する。以下図1および図2を用いて、上述した画像読取装置111が有する各機能を実現する構成および詳細動作を説明する。
図1は画像読取装置111の断面図、図2は制御ブロック図である。
読取を行う原稿束1は、可動原稿テーブル3を含む原稿テーブル2上に、原稿面を上向きの状態でセットされる。更に原稿束1の巾方向は、サイドガイド等によって搬送方向と直交する方向に位置決めされる。原稿のセットはセットフィラー4、セットセンサ5により検知され、I/F107により本体制御部51に送信される。
更に、原稿テーブル面に設けられた原稿長さ検知センサ30又は31(反射型センサ又は、原稿1枚にても検知可能なアクチェーター・タイプのセンサが用いられる)により原稿の搬送方向長さの概略が判定される。少なくとも同一原稿サイズの縦か横かを判断可能にセンサが配置されていればよい。
可動原稿テーブル3は底板上昇モータ45により図1中で矢印Aのように上下動する。可動原稿テーブル3の下方には、ホームポジションセンサ6が設けられており、このホームポジションセンサ6は、可動原稿テーブル3がホームポジションにあるか否かを検知するようになっている。原稿がセットされた事を前記セットフィラー4、セットセンサ5により検知すると底板上昇モータ45が正転し、原稿束1の最上面がピックアップローラ7と接触するように可動原稿テーブル3を上昇させる。
ピックアップローラ7は、ピックアップモータ41により一例としてカム機構などで図1中の矢印Bに示す方向に動作する。それと共に、可動原稿テーブル3が上昇し、ピックアップローラ7は可動テーブル3上の原稿上面により押されて上がり、テーブル給紙適正位置センサ8により検知される。ここで給紙適正位置とは、原稿束の最上位の原稿と、後述するピックアップローラ7とが接触する位置をいう。
操作部48よりプリントキーが押下され、本体制御部51からI/F47を介してコントローラ50に原稿給紙信号が送信されると、ピックアップローラ7は給紙モータ42の正転によりコロが回転駆動し、原稿テーブル2上の数枚(理想的には1枚)の原稿をピックアップする。ピックアップローラ7の回転方向は、最上位の原稿を給紙口に搬送する方向である。
給紙ベルト9が給紙モータ42の正転により給紙方向に駆動され、リバースローラ10が給紙モータ42の正転により給紙と逆方向に回転駆動され、その結果、最上位の原稿とその下の原稿を分離して、最上位の原稿のみを給紙する。さらに詳しく説明すると、リバースローラ10は給紙ベルト9と所定圧で接し、給紙ベルト9と直接接している時、又は原稿1枚を介して接している状態では給紙ベルト9の回転につられて反時計方向につれ回りする。万が一原稿が2枚以上給紙ベルト9とリバースローラ10の間に侵入した時は、連れ回り力がトルクリミッターのトルクよりも低くなるように設定されている。したがってリバースローラ10は本来の駆動方向である時計方向に回転して余分な原稿を押し戻す働きをし、その結果重送が防止される。
給紙ベルト9とリバースローラ10との作用により1枚に分離された原稿は給紙ベルト9によって更に送られ、突き当てセンサ11によって先端が検知され更に進んで停止しているプルアウトローラ12に突き当たる、その後前出の突き当てセンサ11の検知から所定量定められた距離送られ、結果的には、プルアウトローラ12に所定量撓みを持って押し当てられた状態で給紙モータ42を停止させることにより、給紙ベルト9の駆動が停止する。この時、ピックアップモータ41を回転させることでピックアップローラ7を原稿上面から退避させ原稿を給紙ベルトの搬送力のみで送ることにより、原稿先端は、プルアウトローラ12の上下ローラ対のニップに進入し、先端の整合(スキュー補正)が行われる。
プルアウトローラ12は、前記スキュー補正機能を有すると共に、分離後にスキュー補正された原稿を中間ローラ14まで搬送するためのローラで、給紙モータ42の逆転により駆動される。またこの時、つまり給紙モータ42逆転時、プルアウトローラ12と中間ローラ14は駆動されるが、ピックアップローラ7と給紙ベルト9は駆動されていない。
原稿幅センサ13は、図1の紙面垂直方向に複数個並べられ、プルアウトローラ12により搬送された原稿の搬送方向に直交する幅方向のサイズを検知する。また、原稿の搬送方向の長さは原稿の先端後端を突き当てセンサ11で読取ることによりモータパルスから原稿の長さを検知する。
プルアウトローラ12及び中間ローラ14の駆動により原稿が搬送される際には、以下のように搬送速度を制御して原稿を第一読取部20へ送り込む処理時間の短縮が図られている。すなわち、原稿先端が読取入口センサ15により検出されると、読取入口ローラ16の上下ローラ対のニップへと原稿先端が進入する前に、原稿搬送速度を読取搬送速度と同速にする為に原稿搬送速度の減速が開始される。それと同時に、読取りモータ43が正転駆動され、読取入口ローラ16、読取り出口ローラ23、CIS出口ローラ27が駆動される。次に、原稿の先端をレジストセンサ17にて検知すると、所定の搬送距離をかけて原稿搬送速度が減速され、原稿は第一読取部20の手前で一時停止する。この一時停止と共に、コントローラ50は、本体制御部51にI/F47を介してレジスト停止信号を送信する。
続いてコントローラ50が本体制御部51より読取り開始信号を受信すると、レジスト停止していた原稿は読取位置に原稿先端が到達するまでに所定の搬送速度に立ち上がるように増速されて搬送される。読取りモータ43のパルスカウントにより検出された原稿先端が第一読取部20に到達するタイミングで、本体制御部51に対して第1面の副走査方向有効画像領域を示すゲート信号が、第一読取部20を原稿後端が抜けるまで送信される。ここで、原稿は、第一読取部20をその後端が抜けるまでの間、ガイド部材32とすくいあげ部材22によってガイドされる。したがって、原稿は読取りに悪影響を及ぼす撓みやあばれの無いように搬送される。
片面原稿読取りの場合には、第一読取部20第二読取部25を通過し排出される。つまり、排紙センサ24により原稿の先端を検知すると、排紙モータ44が正転駆動して排紙ローラ28を反時計方向に回転させる。また、排紙センサ24による原稿の先端検知からの排紙モータパルスカウントにより、原稿後端が排紙ローラ28の上下ローラ対のニップから抜ける直前に排紙モータ駆動速度を減速させて、排紙トレイ29上に排出される原稿が飛び出さない様に制御される。
両面原稿読取りの場合には、排紙センサ24にて原稿先端を検知してから読取りモータ43のパルスカウントにより第二読取部25に原稿先端が到達するタイミングで第二読取部25に対してコントローラ50から副走査方向の有効画像領域を示すゲート信号が読取部を原稿後端が抜けるまで送信される。第二読取ローラ26は第二読取部25に対する原稿の浮きを抑えると同時に、第二読取部25におけるシェーディングデータを取得する為の濃度基準部材である基準白部を兼ねるものである。
第二読取部25は照射部251および受光部252を有し、原稿が通過するタイミングで照射部251が原稿に光を照射し、原稿からの反射光を受光部252が受光する。照射部251はLED,蛍光灯、あるいは冷陰極管などからなる光源を有し、受光部は反射光を電気的に処理する電気回路を有する。
図3は、受光部252が有する電気回路300の要部を示す図である。電気回路300は、主走査方向(原稿幅方向に対応する方向)に並ぶ複数のセンサチップ310、それぞれのセンサチップ310に個別に接続された複数のアンプ回路320、それぞれのアンプ回路320に個別に接続された複数のA/D(Analogue/Digital)コンバータ330も有している。A/Dコンバータ出力の信号には信号成分以外に黒レベルオフセットがあり、これを除去する黒補正部340を有している。
電気回路300は更に、白補正部350、画像処理部360、フレームメモリ370、出力制御回路380、I/F回路390も有している。
電気回路300の各部で行われる処理について説明する。原稿で反射した反射光は、たとえばロットレンズアレイを経由してセンサチップ310に集光されて画像情報として読み取られる。それぞれのセンサチップ310で読み取られた画像情報は、アンプ回路320によって増幅された後、A/Dコンバータ330によってデジタル画像情報に変換される。これらデジタル画像情報は、黒補正部340でオフセット成分を除去される。
黒補正部340の出力信号に対しては、光源のムラやセンサの感度不均一による画像データへの影響であるシェーディングを除去するための白補正が、白補正部350によって行われる。白補正部350には、後述するように濃度基準部材である基準白部を読み取り、この最後の読み取り結果と過去の基準白部の読み取り結果との比較に基づいて光量低下の度合い(補正係数)を求め、シェーディングを除去するための補正データであるシェーディング補正データをさらに補正する機能も搭載されている。
白補正部350からの出力は、画像処理部360に入力される。画像処理部360によってライン間補正などが施された後、フレームメモリ370に一時記憶される。さらに、出力制御回路380によって本体制御部51に受入可能なデータ形式に変換された後、I/F回路390を経由して本体制御部51に出力される。なお、コントローラ50からは原稿の先端が第2読取部25による読取位置に到達するタイミング(そのタイミング以降の画像情報が有効データとして扱われる)を知らせるためのタイミング信号Tや光源の点灯信号、電源Pが出力されるようになっている。このように本体制御部51は、各部材それぞれで行われる動作も含め、画像読取装置111で行われる動作全体の制御部として機能する。
図4を用いて第一の実施形態を説明する。補正部としての白補正部350の機能ブロック図の第一の例である。第一記憶部351、データ置換部352、異物検知部353、第二記憶部354を有する。
第一記憶部351、第二記憶部354は、シェーディングデータを記憶可能なメモリである。異物検知部353は、第二記憶部354に記憶されたデータの異物位置を検知する機能を有する。異物検知部353はさらに、検知した位置をデータ置換部352に通知する機能を有する。
データ置換部352は、第二記憶部354に記憶されたシェーディングデータについて、異物検知部353が通知した異物検知位置を、第一記憶部351内のデータを用いて置換する機能を有する。なお、それ以外の位置についてはデータを置換しない。その結果、第二記憶部354のシェーディングデータが補正される。詳細を以のフローチャートを用いて説明する。
なお、異物検知の手法に関しては、公知の技術を用いて実施する。たとえば基準白部を読み取り、読みとった出力データに画素ごとに番号を付与する。そして各出力データをそれぞれあらかじめ定められた閾値と比較して、閾値を超えている場合には、その画素番号を異物データ位置(以降異物位置とよぶことがある。)として検知することができる。また、閾値を超えた出力データを持つ画素番号の有無により、異物の有無も検知できる。
図5は、異物検知処理を説明するフローチャートである。一例として、濃度基準部材の初めの読取が完了するとスタートする処理である。
まず、白補正部350は、変数nを初期化、ここではn=0とする(S1)。次に、基準白部を読み取って生成した初期のシェーディングデータを第一記憶部351に記憶する(S2)。さらに、第一記憶部351に記憶してあるシェーディングデータを、第二記憶部354に記憶する(S3)。
次に、異物検知部353は、第二記憶部354に格納されたシェーディングデータにおいて異物検知を行う(S4)。異物が検知された場合は、データ置換処理へ進む(S5)。異物位置が検知されなければ第二記憶部354のシェーディングデータを第一記憶部351に記憶させ(S6)、処理を終了する。原稿読取時のシェーディング補正は、ステップS6で第一記憶部に記憶されたシェーディングデータを用いて実施する。
図6は、データ置換処理を説明するフローチャートである。これは、最後の読取により異物による出力低下が現れた新たな箇所については、初期のシェーディングデータを維持する処理である。
まず変数nを、1増加させる(S5−1)。次に、異物検知部353は、第二記憶部354に記憶されたシェーディングデータの異物位置を検知し、データ置換部352に通知する(S5−2)。ここで、操作者などにより基準白部や第二読取部25の清掃が実施され、その後操作部48などから読み取り指示が入力されると、画像読取装置111は、清掃後の基準白部の読取を行う(S5−3)。白補正部350は、新たに読み取って生成したシェーディングデータnを、第一記憶部351に記憶する(S5−4)。そして異物データ置換部352は、第二記憶部354に記憶されているシェーディングデータのうち、通知された異物位置のデータを、同じ位置の今回のシェーディングデータnで置換する(S5−5)。ここで本フローは終了し、図5のステップS4へ戻る。
図7は、初期に取得したシェーディングデータと清掃実施後に取得したシェーディングデータの概念図である。より詳しく説明すると、図7の実線は、基準白部やその周辺に異物Aおよび異物Bが付着した状態で取得されたシェーディングデータ(初期)の例である。異物Aによる出力データの低下(以下出力低下と呼ぶことがある。)が位置P1に、異物Bによる出力低下が位置P2で検知されたものとして、以下説明する。
図7の点線は、図7の実線のデータ取得後、清掃を実施した結果、前述の異物Aは除去され、前述の異物Bは別の位置に再度付着した状態で取得されたシェーディングデータ1の例である。この、清掃後取得されたシェーディングデータ1の一部を用いて、清掃前に取得されたシェーディングデータ(初期)の一部を置換する。この清掃後に取得されたシェーディングデータを以降、置換シェーディングデータと呼ぶことがある。図7の点線を見ると、異物Aは除去された為、位置P1に出力低下は無い。また異物Bは移動したため、位置P2にも出力低下は無い。一方、異物Bが移動してまた付着している為、異物Bによる出力低下が新たに位置P3に現れている。
前述の図5、図6の処理の結果、シェーディングデータ(初期)にて異物検知された箇所のみ、シェーディングデータ1により補正する。つまり、シェーディングデータ(初期)の、位置P1,P2,P3それぞれについて以下のように置換または保持された結果として、シェーディングデータが補正される。
位置P1:シェーディングデータ1のデータで置換。
位置P2:シェーディングデータ1のデータで置換。
位置P3:シェーディングデータ(初期)のデータを保持。つまり置換を実施しない。
図8は、図5、図6のフローによるデータ置換された補正後シェーディングデータである。図6の処理が完了した時点で第二の記憶部352に記憶されている。図8に示されるように、位置P1、位置P2のみシェーディングデータ1のデータで置換され、位置P3はすでに取得された異物の無いデータが保持されている。位置P1,P2以外、つまり位置P3と同様にシェーディングデータ(初期)において異物検知されていない位置は、やはりすでに取得された異物の無いデータが保持される。その結果、補正後シェーディングデータとして、異物による出力低下を含まないシェーディングデータが得られる。このように、新たに付着した異物については清掃しなくても、異物による出力低下を含まないシェーディングデータを得ることができており、したがって清掃工数を削減することができる。
ここで、図8では、異物Aは除去され、異物Bは別な位置に移動してまた検知された例を示した。この図8の例は、1度の清掃とデータ置換により、異物による出力低下のないシェーディングデータへの補正が行われた例である。一方で、清掃が不十分な場合や清掃箇所が適切でなかった場合等、異物が同じ位置に残る場合もある。
例えば異物Aを清掃しそこねた場合、清掃後も位置P1に異物Aを原因とする出力値の低下が現れ、その低下した出力値でデータ置換が行われる。つまり1度の清掃とデータ置換を行っても、補正後のシェーディングデータには異物による出力低下が含まれている。
この時、第二の記憶部352に記憶されている、データの置換と保持によって補正が施されたシェーディングデータについて、S4で再度異物位置が検知される。そこで、再度清掃が行われ、清掃後の基準部材の読み取りが実行され、シェーディングデータ2が取得される(S5−3)。ここで、再度異物検知されているので、シェーディングデータ2の位置P1のデータにより、第二記憶部352に記憶されている補正後シェーディングデータのうち、位置P1のデータが置換される(S5−5)。このように、第二の記憶部352に記憶されているシェーディングデータに異物検知がされなくなるまで清掃とデータ置換処理が繰り返される。
この清掃とデータ置換処理を繰り返す間に、新たな位置に異物が付着する可能性もある。その場合新たに取得したシェーディングデータには、この新たな位置に対応して異物による出力低下が含まれる。しかし、その新たな位置には第二記憶部352に記憶されている補正後シェーディングデータでは出力低下していない。つまり異物検知されないため、データ置換は行われない。したがって、図8の例と同様に、新たに付着した異物まで清掃する必要はなく、その分、清掃工数を削減することができる。
なお異物データ置換部352は、シェーディングデータ(初期)を用いてシェーディングデータ1を補正する場合に、以下の式1を用いてデータの置換を行う。
補正後データ(m)=シェーディングデータ1(m)×α …(式1)
m:置換対象の画素位置
α:補正係数
突発的なノイズでシェーディングデータが高くなったり、低くなったりするケースも想定されるが、式1に示すように補正係数αを乗算することで、突発的なノイズを防ぐことが出来る。なお、α=1とした場合は、シェーディングデータ1(m)でシェーディングデータ(初期)(m)を置き換える。
このように本実施形態では、あるタイミング、一例としてシェーディングデータ(初期)にて異物検知された位置をターゲットとして、その後のタイミングで取得したシェーディングデータで置き換える補正を行う。その為、清掃後に初期の位置から異物がシフトしたり、拭き取り作業中に新たな異物が付着したりしても、その新たな付着位置のデータは初期データで適切に取得済みである。したがって、補正後シェーディングデータにおいて、異物が検知されなくなるまで、補正を繰り返せばよく、初期位置にて一度でも異物が無い状態のシェーディングデータが取得できていれば良い。つまり、異物がすべて取り除かれた状態まで清掃した上でシェーディングデータを取得する必要がなく、その分、シェーディングデータを取得し、記憶するための作業時間を短縮することができる。結果として、生産工程での作業時間の短縮をすることが出来る。
次に、図9を用いて第二の実施形態を説明する。補正部としての白補正部350の機能ブロック図の第二の例である。図4との差異は、第三の記憶部355をさらに有する点である。その他の構成については、第一の実施形態と共通である。第三の記憶部355は不揮発性メモリである。白補正部350はシェーディングデータを、第一記憶部351を介して第三の記憶部355に記憶する。第三記憶部は白補正部305以外に配置されており、フラッシュメモリなどを想定している。
不揮発性メモリにシェーディングデータを書き込んでおくことで、画像読取装置111が電源OFFの状況下でもシェーディングデータを保持することができる。ここでいう記憶は上書きでもよいし、少なくとも最新のシェーディングデータが把握できれば、蓄積していってもよい。
さらに、図10を用いて第三の実施形態を説明する。図10は、補正部としての白補正部350の機能ブロックである。図4、図9との差異は、出力補正部356と出力レベル比率算出部357をさらに有する点である。その他の構成については、第一の実施形態、第二の実施形態と共通である。
出力レベル比率算出部357は、第一記憶部351と第二記憶部354に記憶されているシェーディングデータの出力レベルの比率を算出する機能を有する。出力レベルの比率を算出する場合は、以下の式2で示すように第一記憶部351と第二記憶部354に記憶されているシェーディングデータの任意のエリアの平均値で算出する。
出力レベル比率=第二記憶部の任意のエリアの平均値/第一記憶部の任意のエリアの平均値 …(式2)
出力補正部356は、出力レベル比率算出部357が算出したレベル比率を第一記憶部351からの出力に乗算した後に、異物データ置換部352に出力する。演算式は、以下の式3で示される。
出力レベル補正部の出力(m)=第一記憶部のデータ(m)×出力レベル比率 …(式3)
m:対象の画素位置
図11を用いて第三の実施形態の効果を説明する。
まず図7において、実線であらわされるシェーディングデータ(初期)と点線であらわされるシェーディングデータ1では、位置P1、P2に出力方向の絶対量の差がある。これはそれぞれのデータを読み取った時間が異なるため、例えば光源の温度が異なることで、出力分布の形状は同じでも、その絶対値に差が出る可能性がある。
この場合、シェーディングデータ1でシェーディングデータ(初期)を補正しても、光量の差による段差が発生してしまい、段差の度合いによってはシェーディング補正後にスジが発生してしまう。その為、シェーディングデータ(初期)とシェーディングデータ1との間の出力レベルを合わせる必要がある。
図11に示すように、第三の例により、位置P1,位置P2においてもシェーディングデータ(初期)とシェーディングデータ1間の光量差に出力の段差を抑えることができており、スジ発生を防ぐことができる。
図12は、本画像読取装置111が搭載された画像形成装置を側面から透視した図である。画像形成装置1000は、コピー機能、FAX機能、プリント機能、スキャナ機能、また、入力画像(スキャナ機能による読取原稿や、プリント機能あるいはFAX機能により入力された画像)を保存や配信する機能等を複合して有するMFP(Multi Functional Peripheral/Printer)と呼ばれる装置である。
画像形成装置1000は、前述した画像読取装置111と、スキャナ部112と、画像形成部120と、給紙部130とを有する。画像形成装置1000の制御は、一例として前述の本体制御部51が実行する。以下にスキャナ部112と、画像形成部120と、給紙部130のそれぞれについて述べる。
スキャナ部112は、光源113と、ミラー114と、センサ115と、コンタクトガラス116とを有する。スキャナ部112は、光源113からの光をコンタクトガラス116上に置かれた原稿に照射し、ミラー114による反射光をセンサ115で取得し、結果で得られたデータに基づき画像データを生成する。スキャナ部112はその全部または一部が主走査方向、副走査方向に移動して、コンタクトガラス116上に置かれた原稿全体を読み取ることができる。光源113と、ミラー114と、センサ115とは、第一読取部20における読取も行う。
画像形成部120は、露光部121と、感光体ドラム122Y、122M、122C、122Kとをそれぞれ含む作像ユニット123Y、123M、123C、123Kと、転写ベルト124と、二次転写ユニット125と、定着部126とを有する。
露光部121は画像読取装置111やスキャナ部112に読み取られた読取データや、外部装置から受信した印刷指示などに基づいて、感光体ドラム122Y上を露光して潜像を形成する。作像ユニット123Yは、潜像に感光体ドラム15YにYトナーを供給して現像する。
作像ユニット123M,123C,123Kでも同様にそれぞれの感光体ドラム122M,122C,122K上に形成されたトナー画像される。各トナー像は、順次転写ベルト124上に転写され、その結果、転写ベルト124上に4色の画像が重ね合わさったカラー画像が形成される。そして転写ベルト124上に形成された画像が、二次転写ユニット125に矢印で示されるように搬送される記録媒体に転写される。こうして、4色の画像が重ね合わさったカラー画像が記録媒体上に形成される。
その後、記録媒体は定着装置126に搬送され、定着装置126は記録媒体上のトナー画像のトナーを溶融して、記録媒体にカラー画像を定着する。
給紙部130は、それぞれにサイズの異なる記録媒体を収納可能な給紙カセット131,132と、給紙手段133とを有している。給紙カセット131、132に収納された記録媒体を、各種ローラからなる給紙手段133が画像形成部120に搬送する。
111 画像読取装置
350 白補正部
特開2005−277752

Claims (5)

  1. 光を照射する照射部と、
    前記照射部から照射された光の反射光を受光する受光部とを有し、
    原稿で反射され前記受光部が受光した光に基づき前記原稿を読み取ったデータである画像データを生成し、
    基準部材で反射され前記受光部が受光した光に基づき前記基準部材を読み取ったデータであるシェーディングデータで前記画像データを補正する補正部を有する画像読取装置において、
    前記補正部は、
    前記シェーディングデータを記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶されたシェーディングデータから、前記基準部材以外である異物を読み取ったデータ位置である異物データ位置を検知する異物検知部と、
    前記記憶部に記憶されたシェーディングデータの一部を置き換えるデータ置換部とを有し、
    前記データ置換部は、前記シェーディングデータにおける前記異物データ位置のデータを、前記異物検知後に読み取られたシェーディングデータである置換シェーディングデータにおける前記異物データ位置のデータで置き換える置換処理を行い、
    前記補正部はさらに、前記置換処理後のシェーディングデータである補正後シェーディングデータに、前記異物検知部により異物データ位置が検知されなくなるまで、前記データ置換部によるデータの置き換えを行う画像読取装置。
  2. 前記異物検知部は、画素毎に付与された画素番号で前記異物データ位置を検知し、
    前記異物データ置換部は、前記異物データ位置である画素番号について、前記置換シェーディングデータに補正係数を乗算したデータを用いて前記データの置き換え行う請求項1の画像読取装置。
  3. 前記画像読取装置は、不揮発性の記憶部を有し、
    前記補正部は、前記記憶部に格納されたシェーディングデータを、前記不揮発性の記憶部に記憶する請求項1または2の画像読取装置。
  4. 前記シェーディングデータと、前記置換シェーディングデータとの出力レベル比率を算出する出力レベル比率算出部と、
    前記置換シェーディングデータに対して前記出力レベル比率を演算して前記異物データ置換部に出力する出力補正部とを有する請求項1ないし3の画像読取装置。
  5. 請求項1ないし4の画像読取装置を搭載する画像形成装置。
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