JP2019064940A - 微小球形粒 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明では、マッサージ効果に優れ、さらに洗浄効果(崩壊性)にも優れる粉末状セルロースを含有してなる微小球形粒を提供することを目的とする【解決手段】粉末状セルロースを含有する微小球形粒であって、下記条件(A)〜(D)を満たすことを特徴とする微小球形粒。条件(A):平均粒子径が20〜2000μm、真球度0.7〜1.0の微小球形粒であること。条件(B):平均粒子径TAの粉末状セルロースAを含有する内核Aを含むこと。条件(C):平均粒子径TBの粉末状セルロースBを、内核Aに積層させた外殻Bを含むこと。条件(D):平均粒子径TA<TBであること。【選択図】なし
Description
本発明は、粉末状セルロースを含む微小球形粒に関する。
洗浄用クリームなどの洗浄用組成物や化粧品用途において、その洗浄性やマッサージ効果を高めるためにスクラブ剤を用いられてきており、特にアメリカなどの諸外国において好まれている。
その様なスクラブ剤としてはタルクや雲母チタン、カオリン等の無機顔料や、ポリエチレン等の有機材料粉末が選択され使用されており、特に材料の入手性や製造性、マッサージ効果に優れるものとして、ポリエチレンビーズが用いられている(特許文献1)。
しかし、そのようなスクラブ剤は微小なため下水に排出された際に除去することができず、また生分解性を要しないため環境中に堆積しやすく、河川や海洋などの環境破壊が懸念され始めており、環境適応性の高い代替え品が求められている。
生分解性を有するスクラブ剤としては、結晶セルロースを用いた造粒物(特許文献2)や、生分解性のあるデンプンなどの粉状物質とアニオン性バインダーとを造粒し2価以上の陽イオンでコーティングする方法(特許文献3)が提案されている。また、洗浄剤組成物として、セルロース等の繊維と界面活性剤を用いた洗浄組成物(特許文献4)が提案されている。
しかし特許文献2では結晶セルロースを造粒物とするために造粒時に水溶性の結合剤を用いており、水を含む化粧品などに添加すると、結合剤が溶出し造粒物の崩壊が発生しやすくマッサージ効果が低下する問題があった。
また特許文献3では、この様な水溶性のバインダーを用いても、造粒後に2価以上の陽イオンをコーティングすることで耐水性を得られることが述べられているが、塩の形態となるために粉状物の均一な崩壊が起こり難くなり洗浄効果が低下する、という問題があった。
また、特許文献4では、無機材料や有機材料粉末を用いた場合に比べ硬度に劣るため、そのマッサージ効果(スクラブ感)に劣るものであった。
そこで本発明では、マッサージ効果に優れ、さらに洗浄効果(崩壊性)にも優れる粉末状セルロースを含有してなる微小球形粒を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意研究の結果、下記の手段によって上記課題を解決し得ることを見出し、本願発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下(1)〜(6)である。
(1)粉末状セルロースを含有する微小球形粒であって、下記条件(A)〜(D)を満たすことを特徴とする微小球形粒。
条件(A):平均粒子径が20〜2000μm、真球度0.7〜1.0の微小球形粒であること。
条件(B):平均粒子径TAの粉末状セルロースAを含有する内核Aを含むこと。
条件(C):平均粒子径TBの粉末状セルロースBを、内核Aに積層させた外殻Bを含むこと。
条件(D):平均粒子径TA<TBであること。
(2)前記粉末状セルロースAが平均粒子径10〜50μm、平均重合度50〜750であることを特徴とする(1)いずれかに記載の微小球形粒。
(3)前記粉末状セルロースBが平均粒子径10〜50μm、平均重合度50〜2000であることを特徴とする(1)〜(2)いずれかに記載の微小球形粒。
(4)(1)〜(3)いずれかに記載の微小球形粒を含む、マッサージ組成物。
(5)(1)〜(3)いずれかに記載の微小球形粒を含む、化粧用組成物。
(6)(1)〜(3)いずれかに記載の微小球形粒を含む、洗浄用組成物。
条件(A):平均粒子径が20〜2000μm、真球度0.7〜1.0の微小球形粒であること。
条件(B):平均粒子径TAの粉末状セルロースAを含有する内核Aを含むこと。
条件(C):平均粒子径TBの粉末状セルロースBを、内核Aに積層させた外殻Bを含むこと。
条件(D):平均粒子径TA<TBであること。
(2)前記粉末状セルロースAが平均粒子径10〜50μm、平均重合度50〜750であることを特徴とする(1)いずれかに記載の微小球形粒。
(3)前記粉末状セルロースBが平均粒子径10〜50μm、平均重合度50〜2000であることを特徴とする(1)〜(2)いずれかに記載の微小球形粒。
(4)(1)〜(3)いずれかに記載の微小球形粒を含む、マッサージ組成物。
(5)(1)〜(3)いずれかに記載の微小球形粒を含む、化粧用組成物。
(6)(1)〜(3)いずれかに記載の微小球形粒を含む、洗浄用組成物。
本発明によれば、マッサージ効果に優れ、さらに洗浄効果(崩壊性)にも優れる粉末状セルロースを含有してなる微小球形粒を提供することができる。
以下、本発明の詳細を記述する。なお、特に規定がない限り、「AA〜BB%」という記載は、「AA%以上BB%以下」を示すこととする。
本発明の微小球形粒は、粉末状セルロースを含有する微小球形粒であって、下記条件(A)〜(D)を満たす。
条件(A):平均粒子径が20〜2000μm、真球度0.7〜1.0の微小球形粒であること。
条件(B):平均粒子径TAの粉末状セルロースAを含有する内核Aを含むこと。
条件(C):平均粒子径TBの粉末状セルロースBを、内核Aに積層させた外殻Bを含むこと。
条件(D):平均粒子径TA<TBであること。
条件(A):平均粒子径が20〜2000μm、真球度0.7〜1.0の微小球形粒であること。
条件(B):平均粒子径TAの粉末状セルロースAを含有する内核Aを含むこと。
条件(C):平均粒子径TBの粉末状セルロースBを、内核Aに積層させた外殻Bを含むこと。
条件(D):平均粒子径TA<TBであること。
<微小球形粒>
本発明の微小球形粒は、後述する粉末状セルロースを造粒して得ることができ、所望の効果を阻害しない範囲において、バインダーなどを含有させることができる。
本発明の微小球形粒は、後述する粉末状セルロースを造粒して得ることができ、所望の効果を阻害しない範囲において、バインダーなどを含有させることができる。
上記バインダーとしては、粉末状セルロース同士の結着力を向上させる、有機系バインダー、無機系バインダーなどを例示することができる。
しかしながら、この様なバインダーを配合すると、排水の汚染につながる可能性があったり、粉末状セルロース同士の結着が強くなりすぎるため洗浄効果を発現させるための崩壊性に影響を及ぼす可能性がある。しかし、本発明の微小球形粒はいわゆる結着剤を配合せずに形成することができるため、本発明の好ましい一形態としては、バインダーを含有せずに所望のマッサージ感を得られる造粒を行うことが挙げられる。
すなわち、本発明の微小球形粒は、粉末状セルロース同士を結合させるための結合剤を含まない造粒物としてもよい。また、本発明の微小球形粒は、実質的に前記粉末状セルロースのみからなる造粒物としてもよい。
本発明の微小球形粒を得る方法としては、粉末状セルロースを造粒し球形粒を作成できるものであればよく公知の造粒方法を用いることができ、転動造粒法、転動流動造粒法、遠心転動造粒法、流動層造粒法、撹拌転動造粒法、噴霧乾燥造粒法、押出造粒法、溶融造粒法などの湿式造粒法が好ましく、本発明の微小球形粒を得るには転動造粒法がより好ましく、遠心転動造粒法がさらに好ましい。
その様な遠心転動造粒法を行う場合、CFグラニュレータ(フロイント産業社製)等の遠心転動造粒装置を用いることができる。遠心転動造粒時の回転数は、使用する装置により異なるが、通常100〜500rpmとすることができる。
遠心転動造粒装置に粉末状セルロースを仕込む際には、飛散しないように予め水又は水を主成分とする液体を添加し湿潤にさせていることが好ましく、遠心転動造粒中には、さらに水又は水を主成分とする液体を粉末状セルロースに噴霧する。水又は水を主成分とする液体とは、水単独または水とエタノールの混合溶液等を用いることができるが、硬度や比重に優れる造粒物を得るためには、水のみを用いることが好ましい。造粒乾燥時にはセルロース間に水素結合や分子間力などの相互作用が形成され造粒物を形成していくが、造粒後の乾燥が阻害されないバランス内において、添加・噴霧液中の水比率が高くなるほど、セルロース間の相互作用が促進され、比重や硬度に優れる微小球形粒となることができると推測される。
その様な造粒時における噴霧条件(噴霧量、時間、回数)は、回転数や、原料となる粉末状セルロースの量などとの関係で異なり、一概に規定することは出来ないが、一例として、回転数を定めたのち、スリットエアー量と噴霧液とのバランスを適宜調整し定めることができる。例えばスリットエアー量としては原料1kgに対し100〜400L/minの範囲に調整することができ、水の噴霧量としては原料1kgに対し総量で0.8〜1.5kgの範囲に調整することができ、造粒時間としては1〜4時間の範囲に調整することができる。
なお、本発明において、平均粒子径を所望の範囲にするための方法としては、遠心転動造粒装置の造粒条件をコントロールする、あるいは造粒した微小球形粒に粉砕処理、分級処理を施すことによりコントロールすることも可能である。
本発明の微小球形粒は、平均粒子径20〜2000μmであることが重要であり、50〜1700μmがより好ましく、100〜1500μmが更に好ましく、300〜900μmが更に好ましい。平均粒子径が20μm未満であると、マッサージ感は得られにくくなる。平均粒子径が2000μmを超えると、粒子が大きすぎるためスクラブ剤としてのマッサージ感が劣る傾向が高まる。
そのような平均粒子径は、例えば、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置(例えば、マイクロトラックMT3300EX、マイクロトラックベル株式会社)を使用し、測定に用いる分散媒としてメタノールを用い、試料0.2gを加えて測定し、堆積累計50%粒子径を平均粒子径として求めることができる。
また本発明の微小球形粒は、真球度0.7〜1.0であることが重要であり、0.8〜1.0が好ましく、0.84〜1.0がより好ましい。本発明の微小球形粒は、上記記載の通り、粉末状セルロース又は粉末状セルロース組成物を造粒して得るため、その様な微小球形粒の真球度が0.7未満であると、微小球形粒の形が歪になるためマッサージ中に歪み箇所を起点に崩壊しやすく、継続的なマッサージ感が得らにくく、スクラブ剤に適しにくくなる。
そのような真球度とは、光学顕微鏡(製品名:デジタルマイクロスコープVHX‐600、キーエンス社製)を用い、観察対象の微小球形粒の画像データを取得し、その後得られた画像データ中の微小球形粒を、Image HyperII(デジモ社製)を用いて画像解析し得られる。その様な真球度は、画像解析により求められる微小球形粒の面積Aと、計算で求められる微小球形粒の最大長径を直径とする真球形状とみなした際の面積Bとから、真球度=A/Bとして得ることができる。よって、真球度が1に近づくほど真球形状に近く、1から遠ざかるほど不定形状となる。なお、微小球形粒は20個を観察し、真球度は各粒子の平均値を示した。
本発明の微小球形粒は、後述する粉末状セルロースAを含む微小球形粒を内核(以下、内核A)として、後述する粉末状セルロースBを内核Aに積層させた外殻Bを含むことが重要である。
そのような内核Aは粉末状セルロースAを含むことが重要であり、粉末状セルロースAを主成分として含む。なお、「主成分として含む」とは、実質上粉末状セルロースAからなることを示すが、内核Aの物性上に影響の少ない範囲で、他の成分を含むことができる。
内核Aは平均粒子径10〜1000μmの微小球形粒であることが好ましく、平均粒子径20〜500μmがさらに好ましく、40〜500μmがより好ましい。
また内核Aの真球度は0.6〜1.0が好ましく、0.8〜1.0がさらに好ましい。
本発明の微小球形粒は、例えば、上述する遠心転動造粒装置により粉末状セルロースAを含む内核Aを形成後、粉末状セルロースBをさらに加え、内核Aに積層するように粉末状セルロースBからなる外殻Bを形成することができる。その様な場合、内核Aの乾燥後に外殻Bを積層することもできるし、内核Aが水分を多量に含んだ、湿潤状態で外殻Bを形成することもできる。
その様にして形成される外殻Bは粉末状セルロースBを含むことが重要であり、粉末状セルロースBを主成分として含む。なお、「主成分として含む」とは、実質上粉末状セルロースBからなることを示すが、外殻Bの物性上に影響の少ない範囲で、他の成分を含むことができる。
ここで粉末状セルロースAの平均粒子径TAと、粉末状セルロースBの平均粒子径TBは、平均粒子径TA<TBであることが重要である。本発明の微小球形粒は、平均粒子径の異なる粉末状セルロースからなる、密度の異なる層を含むことで、マッサージ効果に優れる硬度と、崩壊による洗浄効果を得ることができる。
さらに粉末状セルロースAの見掛け比重HAと、粉末状セルロースBの見掛け比重HBは、見かけ比重HA>HBの条件を満たすことが好ましい。本条件を満たすことで、内核Aは密度が高く硬度に優れているためマッサージ効果をより強く発揮することができ、外殻Bは密度が内核Aよりも低くなるため、崩壊性が向上し、洗浄効果をより効果的に発揮することができる。
また本発明の微小球形粒は、本発明の効果を阻害しない範囲で、外殻Bにさらに平均粒子径の異なる粉末状セルロースを積層し、多層構造としても良い。
そのような本発明の微小球形粒は、粒子顆粒硬度計(製品名:ニューグラノ、岡田精工株式会社製)を用いて測定される圧潰(破断)する荷重(gf)で現される圧潰強度のピーク値が、2つ以上の異なるピーク値を示すことが好ましい。本発明の微小球形粒は、最も低いピーク値P1(gf)とし、最も高いピーク値P2(gf)とした際に、P2>1.5×P1の関係を満たすことが好ましく、さらにP2>2×P1の関係を満たすことがより好ましく、P2>4×P1の関係を満たすことがさらに好ましい。
その様な本発明の微小球形粒は、密度の異なる2つ以上の層が、それぞれマッサージ効果又は洗浄効果のどちらかに優れた効果を発揮しやすく、本発明の効果をより効果的に得ることができる。
なお、圧潰強度のピーク値とは、縦軸に荷重(gf)を、横軸に変位(μm)を取った荷重曲線において、荷重曲線の凸部分を示す。
<粉末状セルロース>
本発明において、粉末状セルロースの原料としては、広葉樹由来のパルプ、針葉樹由来のパルプ、リンター由来のパルプ、非木材由来のパルプなど特に限定されるものではないが、微小球形粒化の造粒調整の簡便性から平均粒子径が小さい粉末状セルロースを得ることが好ましく、繊維径や繊維幅が針葉樹パルプよりも小さい広葉樹パルプを用いることが好ましい。
<粉末状セルロース>
本発明において、粉末状セルロースの原料としては、広葉樹由来のパルプ、針葉樹由来のパルプ、リンター由来のパルプ、非木材由来のパルプなど特に限定されるものではないが、微小球形粒化の造粒調整の簡便性から平均粒子径が小さい粉末状セルロースを得ることが好ましく、繊維径や繊維幅が針葉樹パルプよりも小さい広葉樹パルプを用いることが好ましい。
また、本発明において、パルプ化法(蒸解法)は特に限定されるものではなく、サルファイト蒸解法、クラフト蒸解法、ソーダ・キノン蒸解法、オルガノソルブ蒸解法などを例示することができるが、これらの中では、環境面の点から、平均重合度が低くなる、サルファイト蒸解法が好ましい。
本発明に用いられる粉末状セルロースは、塩酸、硫酸、硝酸などの鉱酸で酸加水分解処理したパルプを粉砕処理、あるいは酸加水分解処理を施さないパルプを機械粉砕して得ることができる。
上記のパルプ原料を酸加水分解処理し機械粉砕して粉末状セルロースを得る場合、原料パルプスラリー調製工程、酸加水分解反応工程、中和・洗浄・脱液工程、乾燥工程、粉砕工程、分級工程を経て製造される。
パルプ原料は、流動状態でもシート状でも可能である。パルプ漂白工程からの流動パルプを原料とする場合は、加水分解反応槽へ投入する前に、濃度を高める必要があり、スクリュープレスやベルトフィルターなどの脱水機で濃縮され、反応槽へ所定量が投入される。パルプのドライシートを原料とする場合は、ロールクラッシャーなどの解砕機などでパルプをほぐした後、反応槽へ投入する。
次に、酸濃度0.10〜1.2Nに調整したパルプ濃度3〜10重量%(固形分換算)の分散液を、温度80〜100℃、時間30分間〜3時間の条件で処理する。パルプの加水分解処理後、脱水工程で加水分解処理されたパルプと廃酸とに固液分離される。加水分解処理されたパルプはアルカリ剤を添加して中和し、洗浄される。その後、乾燥機で乾燥され、粉砕機で規定の大きさに機械的に粉砕・分級される。
粉砕機としては、カッティング式ミル:メッシュミル(株式会社ホーライ製)、アトムズ(株式会社山本百馬製作所製)、ナイフミル(パルマン社製)、カッターミル(東京アトマイザー製造株式会社製)、CSカッタ(三井鉱山株式会社製)、ロータリーカッターミル(株式会社奈良機械製作所製)、パルプ粗砕機(株式会社瑞光製)シュレッダー(神鋼パンテック株式会社製)等、ハンマー式ミル:ジョークラッシャー(株式会社マキノ製)、ハンマークラッシャー(槇野産業株式会社製)、衝撃式ミル:パルベライザ(ホソカワミクロン株式会社製)、ファインインパクトミル(ホソカワミクロン株式会社製)、スーパーミクロンミル(ホソカワミクロン株式会社製)、イノマイザ(ホソカワミクロン株式会社製)、ファインミル(日本ニューマチック工業株式会社製)、CUM型遠心ミル(三井鉱山株式会社製)、イクシードミル(槇野産業株式会社製)、ウルトラプレックス(槇野産業株式会社製)、コントラプレックス(槇野産業株式会社製)、コロプレックス(槇野産業株式会社製)、サンプルミル(株式会社セイシン製)、バンタムミル(株式会社セイシン製)、アトマイザー(株式会社セイシン製)、トルネードミル(日機装株式会社製)、ネアミル(株式会社ダルトン製)、HT形微粉砕機(株式会社ホーライ製)、自由粉砕機(株式会社奈良機械製作所製)、ニューコスモマイザー(株式会社奈良機械製作所製)、ギャザーミル(株式会社西村機械製作所製)、スパーパウダーミル(株式会社西村機械製作所製)、ブレードミル(日清エンジニアリング株式会社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング株式会社製)、Npaクラッシャー(三庄インダストリー株式会社製)、ウイレー粉砕機(株式会社三喜製作所製)、パルプ粉砕機(株式会社瑞光製)ヤコブソン微粉砕機(神鋼パンテック株式会社製)、ユニバーサルミル(株式会社徳寿工作所製)、気流式ミル:CGS型ジェットミル(三井鉱山株式会社製)、ミクロンジェット(ホソカワミクロン株式会社製)、カウンタジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製)、クロスジェットミル(株式会社栗本鐵工所製)、超音速ジェットミル(日本ニューマチック工業株式会社製)、カレントジェット(日清エンジニアリング株式会社製)、ジェットミル(三庄インダストリー株式会社製)、エバラジェットマイクロナイザ(株式会社荏原製作所製)、エバラトリアードジェット(株式会社荏原製作所製)、セレンミラー(増幸産業株式会社製)ニューミクロシクトマット(株式会社増野製作所製)、クリプトロン(川崎重工業株式会社製)、竪型ローラーミル:竪型ローラーミル(シニオン株式会社製)、縦型ローラーミル(シェフラージャパン株式会社製)、ローラーミル(コトブキ技研工業株式会社製)、VXミル(株式会社栗本鐵工所)、KVM型竪形ミル(株式会社アーステクニカ)、ISミル(株式会社IHIプラントエンジニアリング)等が例示される。
本発明における粉末状セルロースに、機能性付与、もしくは機能性向上を目的に、粉末状セルロースの原料とその他有機および/または無機成分を単独もしくは2種類以上任意の割合で混合し、粉砕することも可能である。また、原料に使用する天然セルロースの重合度を大幅に損なわない範囲で、化学的処理を施すことが可能である。
一方、酸加水分解処理を施していないパルプを原料から機械粉砕のみで粉体を製造する場合、粉砕機は、微粉砕性の高い、竪型ローラーミルを用いることが好ましい。本発明において、竪型ローラーミルとは、ローラーミルに属する遠心式の竪型粉砕機のことであり、円盤状のターンテーブルと、竪型ローラーで磨り潰すようにして粉砕する。竪型ローラーミルの最大の特徴は、微粉砕性に優れることであり、その理由として、ローラーとテーブル間で原料を圧縮する力と、ローラーとテーブル間で発生する剪断力とで、原料を粉砕することが挙げられる。従来から使用されている粉砕機としては、竪型ローラーミル(シニオン株式会社製)、縦型ローラーミル(シェフラージャパン株式会社製)、ローラーミル(コトブキ技研工業株式会社製)、VXミル(株式会社栗本鐵工所)、KVM型竪形ミル(株式会社アーステクニカ)、ISミル(株式会社IHIプラントエンジニアリング)等が例示される。
その様にして得られる粉末状セルロースは、平均粒子径10〜70μm、平均重合度50〜2000、見掛け比重0.15〜0.6g/mlであることが好ましい。
なお、粉末状セルロースの平均粒子径の測定方法は、前述される微小球形粒の平均粒子径と同様にして行うことができる。
粉末状セルロースの平均重合度の測定方法は特に限定されなく、公知の方法で測定することができる。例えばパルプ・ポリマー用全自動粘度測定システムRPV−1(RHEOTEK製)を用い、極限粘度を計測し、「VISCOSITY MEASUREMENTS OF CELLULOSE/SO2−AMINE DIMETHYLSULFOXIDE SOLUTION」(磯貝ら著、1998)に記載の〔η〕=0.909×DP0.85(文献中の式(2))の式から導く方法などが挙げられる。
粉末状セルロースの見掛け比重は、100mlメスシリンダーに試料を10g投入し、メスシリンダーの底を試料の高さが低下しなくなるまでたたき続け、平らになった表面のメモリを読み、算出した値(g/ml)である。
(粉末状セルロースA)
前述する内核Aには、粉末状セルロースAを含むことが重要である。その様な粉末状セルロースAとしては、平均粒子径が10〜50μmであることが好ましく、平均粒子径が10〜30μmであることがより好ましく、平均粒子径が10〜25μmであることが更に好ましい。
前述する内核Aには、粉末状セルロースAを含むことが重要である。その様な粉末状セルロースAとしては、平均粒子径が10〜50μmであることが好ましく、平均粒子径が10〜30μmであることがより好ましく、平均粒子径が10〜25μmであることが更に好ましい。
また粉末状セルロースAの平均重合度は50〜750であることが好ましく、平均重合度100〜500であることがより好ましい。
粉末状セルロースAが上記平均粒子径の範囲、平均重合度の範囲を満たすことで、より優れたマッサージ効果を得ることができる。
内核Aには、粉末状セルロースAが主成分となるように含まれることが好ましく、実質上粉末状セルロースAからなることがより好ましい。
(粉末状セルロースB)
前述する外殻Bには、粉末状セルロースBを含むことが重要である。その様な粉末状セルロースBとしては、平均粒子径が10〜50μmであることが好ましく、平均粒子径が15〜50μmであることがより好ましく、平均粒子径が25μm超50μm以下であることが更に好ましい。
前述する外殻Bには、粉末状セルロースBを含むことが重要である。その様な粉末状セルロースBとしては、平均粒子径が10〜50μmであることが好ましく、平均粒子径が15〜50μmであることがより好ましく、平均粒子径が25μm超50μm以下であることが更に好ましい。
また粉末状セルロースBの平均重合度は50〜2000であることが好ましく、平均重合度100〜1500であることがより好ましい。
粉末状セルロースBが上記平均粒子径の範囲、平均重合度の範囲を満たすことで、より優れた洗浄効果を得ることができる。
外殻Bには、粉末状セルロースBが主成分となるように含まれることが好ましく、実質上粉末状セルロースBからなることがより好ましい。
本発明の微小球形粒が、マッサージ効果及び洗浄性に優れるのは以下の理由が推測される。すなわち、密度の高く硬い内核が適度なマッサージ効果を与えるとともに、密度の低く崩壊しやすい外殻が、崩壊による洗浄性を適切に発揮する。
本発明の微小球形粒は、集合体をそのまま皮膚に適用してマッサージ用に利用してもよいが、基剤に混合してマッサージ用組成物としてもよい。マッサージ用組成物に用いうる基剤は、本発明の微小球形粒を分散させるための媒体であって皮膚に適用しうるものであれば、特に制限なく使用しうる。そのような物としては例えば、化粧用組成物や洗浄性化合物などが挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に示すが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
<製造例1(内核A1)>
粉末セルロースW−400G(日本製紙株式会社製、平均重合度が150、平均粒子径が24μm、見掛け比重が0.48g/ml、安息角が52°)1kgを遠心転動造粒装置CF−360N(フロイント産業社製)に仕込み、回転円板を回転しながら、スリットエアー量220L/minで100分間中に水を1.2kg噴霧し造粒を行った。生成粒子を流動乾燥して平均粒子径150m、真球度0.73の微小球形粒である内核A1を得た。
粉末セルロースW−400G(日本製紙株式会社製、平均重合度が150、平均粒子径が24μm、見掛け比重が0.48g/ml、安息角が52°)1kgを遠心転動造粒装置CF−360N(フロイント産業社製)に仕込み、回転円板を回転しながら、スリットエアー量220L/minで100分間中に水を1.2kg噴霧し造粒を行った。生成粒子を流動乾燥して平均粒子径150m、真球度0.73の微小球形粒である内核A1を得た。
<実施例1>
内核A1を400g遠心転動装置CF−360N(フロイント産業社製)に仕込み、回転円板を回転しながら、スリットエアー量300L/minで水を120g噴霧した。次に、外核となるW−100G(日本製紙株式会社製、平均重合度が450、平均粒子径が35μm、見掛け比重が0.29g/ml、安息角が58°)を50gずつ10分おきに添加し、150g入れたところで添加をやめ、水をさらに140g噴霧し造粒を行った。生成粒子を流動乾燥して、平均粒子径240μm、真球度0.81、圧潰強度P1=30gf、圧潰強度P2=180gf、見掛け比重0.67g/mlの微小球形粒を得た。
内核A1を400g遠心転動装置CF−360N(フロイント産業社製)に仕込み、回転円板を回転しながら、スリットエアー量300L/minで水を120g噴霧した。次に、外核となるW−100G(日本製紙株式会社製、平均重合度が450、平均粒子径が35μm、見掛け比重が0.29g/ml、安息角が58°)を50gずつ10分おきに添加し、150g入れたところで添加をやめ、水をさらに140g噴霧し造粒を行った。生成粒子を流動乾燥して、平均粒子径240μm、真球度0.81、圧潰強度P1=30gf、圧潰強度P2=180gf、見掛け比重0.67g/mlの微小球形粒を得た。
<比較例1>
粉末状セルロースW−400G(日本製紙株式会社製、平均粒子径が24μm、平均重合度が140、見掛け比重0.48g/ml、安息角が52°)500gを混合機に入れ、水を適量加えて攪拌混合した。この湿潤粉末を遠心転動造粒装置CF−360N(フロイント産業社製)に仕込み、回転円板を回転しながら、100分間中に水を適宜噴霧し造粒を行った。生成粒子を流動乾燥して平均粒子径340μm、真球度0.84、圧潰強度247gf、見掛け比重0.83/mlの微小球形粒を得た。
粉末状セルロースW−400G(日本製紙株式会社製、平均粒子径が24μm、平均重合度が140、見掛け比重0.48g/ml、安息角が52°)500gを混合機に入れ、水を適量加えて攪拌混合した。この湿潤粉末を遠心転動造粒装置CF−360N(フロイント産業社製)に仕込み、回転円板を回転しながら、100分間中に水を適宜噴霧し造粒を行った。生成粒子を流動乾燥して平均粒子径340μm、真球度0.84、圧潰強度247gf、見掛け比重0.83/mlの微小球形粒を得た。
<比較例2>
粉末状セルロースW−100G(日本製紙株式会社製、平均粒子径が35μm、平均重合度が450、見掛け比重が0.29g/ml、安息角が58°)500gを混合機に入れ、水を適量加えて攪拌混合した。この湿潤粉末を遠心転動造粒装置CF−360N(フロイント産業社製)に仕込み、回転円板を回転しながら、100分間中に水を適宜噴霧し造粒を行った。生成粒子を流動乾燥して平均粒子径420μm、真球度0.84、圧潰強度128gf、見掛け比重0.65g/mlの微小球形粒を得た。
粉末状セルロースW−100G(日本製紙株式会社製、平均粒子径が35μm、平均重合度が450、見掛け比重が0.29g/ml、安息角が58°)500gを混合機に入れ、水を適量加えて攪拌混合した。この湿潤粉末を遠心転動造粒装置CF−360N(フロイント産業社製)に仕込み、回転円板を回転しながら、100分間中に水を適宜噴霧し造粒を行った。生成粒子を流動乾燥して平均粒子径420μm、真球度0.84、圧潰強度128gf、見掛け比重0.65g/mlの微小球形粒を得た。
<評価>
<平均粒子径>
レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置(マイクロトラックベル株式会社製、マイクロトラックMT3300EXおよびMalvern社製、MASTERSIZER2000 Hydro2000MU)を使用した。測定に用いる分散媒はエタノールとし、試料を加え測定を実施し、体積累計50%粒子径(平均粒子径)を得た。
<平均粒子径>
レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置(マイクロトラックベル株式会社製、マイクロトラックMT3300EXおよびMalvern社製、MASTERSIZER2000 Hydro2000MU)を使用した。測定に用いる分散媒はエタノールとし、試料を加え測定を実施し、体積累計50%粒子径(平均粒子径)を得た。
<真球度測定>
光学顕微鏡(株式会社キーエンス社製、デジタルマイクロスコープVHX−600)を用い、観察対象の微小球形粒の画像データを取得し、画像解析(株式会社デジモ社製、Image HyperII)を実施した。画像解析により求められる微小球形粒の面積Aと、計算で求められる微小球形粒の最大直径を直径とする真球形状とみなした際の面積Bとから、真球度 = A/Bを得た。
光学顕微鏡(株式会社キーエンス社製、デジタルマイクロスコープVHX−600)を用い、観察対象の微小球形粒の画像データを取得し、画像解析(株式会社デジモ社製、Image HyperII)を実施した。画像解析により求められる微小球形粒の面積Aと、計算で求められる微小球形粒の最大直径を直径とする真球形状とみなした際の面積Bとから、真球度 = A/Bを得た。
<硬度測定>
粒子顆粒硬度計(岡田精工株式会社製、ニューグラノ)を用い、1個の微小球形粒の圧潰強度のピーク値を測定し、粒子20個の平均値を乾式硬度(gf)として得た。
粒子顆粒硬度計(岡田精工株式会社製、ニューグラノ)を用い、1個の微小球形粒の圧潰強度のピーク値を測定し、粒子20個の平均値を乾式硬度(gf)として得た。
<マッサージ効果>
市販の身体洗浄料(花王株式会社製、ビオレu RF)95gに対し、実施例/比較例で得た微小球形粒を5g添加し、よく撹拌し、混合液を作製した。得られた混合液を、5名からなる被験者の頬に、それぞれ5g塗り、掌で塗布部を20回擦り、擦り時の触感について評価し、平均値として示す。
A:触感があり、マッサージ感を強く感じる。
B:触感があり、マッサージ感を感じる。
C:触感があるが、マッサージ感が弱い。
D:触感がなく、マッサージ感がない。
市販の身体洗浄料(花王株式会社製、ビオレu RF)95gに対し、実施例/比較例で得た微小球形粒を5g添加し、よく撹拌し、混合液を作製した。得られた混合液を、5名からなる被験者の頬に、それぞれ5g塗り、掌で塗布部を20回擦り、擦り時の触感について評価し、平均値として示す。
A:触感があり、マッサージ感を強く感じる。
B:触感があり、マッサージ感を感じる。
C:触感があるが、マッサージ感が弱い。
D:触感がなく、マッサージ感がない。
<洗浄効果>
市販の身体洗浄料(花王株式会社製、ビオレu RF)95gに対し、実施例/比較例で得た微小球形粒を5g添加し、よく撹拌し、混合液を作製した。得られた混合液を、パネラーの左掌部分に、油性青マジック(ゼブラ株式会社製、ハイマッキーケア)で2×2cm範囲をまんべんなく塗った。その後、上記洗浄液を5g塗工部に塗り、両掌で100回擦って洗浄し、水洗後の乾燥した掌をマイクロスコープ(株式会社キーエンス社製、デジタルマイクロスコープVHX−600)を用いて20倍での観察を行い、青マジックの落ち具合(洗浄性)を評価した。
A:洗浄性が非常に良く、大部分の青色が落ちる。
B:洗浄性があり、青色が落ちる。
C:洗浄性はみられるが、青色が薄く残る。
D:洗浄性がみられず、青色が残る。
市販の身体洗浄料(花王株式会社製、ビオレu RF)95gに対し、実施例/比較例で得た微小球形粒を5g添加し、よく撹拌し、混合液を作製した。得られた混合液を、パネラーの左掌部分に、油性青マジック(ゼブラ株式会社製、ハイマッキーケア)で2×2cm範囲をまんべんなく塗った。その後、上記洗浄液を5g塗工部に塗り、両掌で100回擦って洗浄し、水洗後の乾燥した掌をマイクロスコープ(株式会社キーエンス社製、デジタルマイクロスコープVHX−600)を用いて20倍での観察を行い、青マジックの落ち具合(洗浄性)を評価した。
A:洗浄性が非常に良く、大部分の青色が落ちる。
B:洗浄性があり、青色が落ちる。
C:洗浄性はみられるが、青色が薄く残る。
D:洗浄性がみられず、青色が残る。
Claims (6)
- 粉末状セルロースを含有する微小球形粒であって、下記条件(A)〜(D)を満たすことを特徴とする微小球形粒。
条件(A):平均粒子径が20〜2000μm、真球度0.7〜1.0の微小球形粒であること。
条件(B):平均粒子径TAの粉末状セルロースAを含有する内核Aを含むこと。
条件(C):平均粒子径TBの粉末状セルロースBを、内核Aに積層させた外殻Bを含むこと。
条件(D):平均粒子径TA<TBであること。 - 前記粉末状セルロースAが平均粒子径10〜50μm、平均重合度50〜750であることを特徴とする請求項1いずれかに記載の微小球形粒。
- 前記粉末状セルロースBが平均粒子径10〜50μm、平均重合度50〜2000であることを特徴とする請求項1〜2いずれかに記載の微小球形粒。
- 請求項1〜3いずれかに記載の微小球形粒を含む、マッサージ組成物。
- 請求項1〜3いずれかに記載の微小球形粒を含む、化粧用組成物。
- 請求項1〜3いずれかに記載の微小球形粒を含む、洗浄用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017189597A JP2019064940A (ja) | 2017-09-29 | 2017-09-29 | 微小球形粒 |
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-
2017
- 2017-09-29 JP JP2017189597A patent/JP2019064940A/ja active Pending
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