JPH11100510A - 絹フィブロインディスパージョン水及びその製造方法など - Google Patents

絹フィブロインディスパージョン水及びその製造方法など

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JPH11100510A
JPH11100510A JP26344997A JP26344997A JPH11100510A JP H11100510 A JPH11100510 A JP H11100510A JP 26344997 A JP26344997 A JP 26344997A JP 26344997 A JP26344997 A JP 26344997A JP H11100510 A JPH11100510 A JP H11100510A
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silk fibroin
water
fiber
pulverizing
dispersion water
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Yoshiomi Toyama
善臣 外山
Shizuo Hayashi
鎮雄 林
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NIPPON FUKKAA KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 タンパク繊維である絹としての優れた特性を
維持し,無機塩などの不純物を一切含まない絹フィブロ
イン微粉末とその製造方法などを提供する。 【解決手段】 まず,原料の乾燥絹パイルを乾燥状態で
物理的に粉砕し(工程A),続いて,水と共に物理的に
粉砕し(工程B),石臼型超微粒摩砕機等により,水と
共に物理的な方法で繊維長1〜200μmになるまで微
粉砕し(工程C),絹フィブロインディスパージョン水
を得る。これは,無機塩等の不純物が全く含まれていな
いため人体に安全で優しく,また,塊や絡み合いによる
沈殿等がなく平滑性に優れているため,絹フィブロイン
の優れた特性を十分に生かすことができ,化粧品、不織
布表面吹き付け、粉末状絹フィブロイン繊維など様々な
用途への応用が期待できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,絹フィブロイン繊
維を微粉砕して得られる絹フィブロインを水中に微分散
させた絹フィブロインディスパージョン水とその製造方
法,上記絹フィブロイン繊維の微粉末とその製造方法,
及び上記絹フィブロインディスパージョン水を吸着させ
た絹フィブロイン吸着繊維組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば,製糸できない絹糸屑や繭屑を石
ケン及び炭酸ソーダ等で精錬することにより,真綿状の
絹フィブロイン繊維を得ることができる。このようにし
て得られた絹フィブロイン繊維を極めて細かく粉砕して
得られる絹フィブロイン粉末は,その適度な吸湿性,保
水性,皮膚に対する優れた親和性,紫外線吸収性などの
優れた特性から,化粧品の添加剤としての利用などさま
ざまな用途が期待でき,今まで無駄になっていた絹繊維
の有効利用を図ることができるものと期待される。とこ
ろが,この絹フィブロイン繊維は硬いため,簡単に微粉
砕することができず,従来のグラインダによる粉砕方法
ではせいぜい1〜2mm程度の粉末しか得られなかっ
た。これでは粒子が大きすぎ,得られた粉末は非常に凝
縮しやすいために平滑性を欠き,上述したような優れた
特性を十分に生かすことができなかった。そこで,加水
分解を利用して,絹フィブロイン繊維の微粉末を製造す
る方法が,例えば特開昭61−183298号公報に提
案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記加
水分解を用いた方法では,着色,着臭が生じたり,無機
塩などの不純物が生じるなどの問題点があった。これ
は,例えば得られた絹フィブロイン微粉末を,人体に直
接使用する化粧品などに利用する場合には,特に致命的
な欠陥となる。例えば,化粧品に無機塩などの不純物が
たとえ微量でも混入すると,化粧品自体の安定性に影響
を与えるだけでなく,皮膚に刺激を与えるなど,人体に
悪影響を及ぼす危険性もある。また,上記無機塩などの
不純物を完全に除去することは困難であり,仮にできた
としても非常にコストがかかってしまうと共に,この塩
類の処理という工程上,公害的要素が加わることにな
る。更に,上記加水分解を用いると,製造された絹フィ
ブロイン繊維の微粉末はアミノ酸の状態まで分解されて
しまい,タンパク繊維である絹としての優れた特性の多
くを失ってしまうという問題点もあった。また,加水分
解により得られた微粉末の粒子は球形に近い形状を呈し
ており,化粧品等に用いる場合には肌から剥離されやす
く,また,他の繊維などとの絡みが弱いために不織布等
の表面に吹き付けて使用するといった用途に向かないと
いう問題点もあった。本発明は上記事情に鑑みてなされ
たものであり,その目的とするところは,タンパク繊維
である絹としての優れた特性を維持し,無機塩などの不
純物を一切含まない絹フィブロイン微粉末とその製造方
法などを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は,絹フィブロイン繊維を水と共に物理的に微
粉砕して得られる絹フィブロインディスパージョン水と
して構成されている。更には,絹フィブロイン繊維を水
と共に物理的に微粉砕して得られる絹フィブロインディ
スパージョン水を,所定の方法で乾燥させて得られる絹
フィブロイン微粉末である。更には,絹フィブロイン繊
維を水と共に物理的に微粉砕して得られる絹フィブロイ
ンディスパージョン水を,所定の処理により任意の繊維
組成物に吸着させて得られる絹フィブロイン吸着繊維組
成物である。この時,上記所定の処理としては,例えば
上記絹フィブロインディスパージョン水の上記任意の繊
維組成物への吹き付けや塗布,或いは上記絹フィブロイ
ンディスパージョン水への上記任意の繊維組成物の浸漬
等が考えられる。上記絹フィブロインディスパージョン
水を製造する方法は,絹フィブロイン繊維を水と共に物
理的な方法で微粉砕する微粉砕工程を具備する絹フィブ
ロインディスパージョン水の製造方法として構成され
る。また,上記微粉砕工程の前に,上記絹フィブロイン
繊維を物理的若しくは化学的に粗粉砕する粗粉砕工程を
具備するように構成することもできる。この時,上記粗
粉砕工程を,上記絹フィブロイン繊維を乾燥状態で物理
的に粉砕する第1の粗粉砕工程と,上記乾燥粗粉砕工程
で粉砕された上記絹フィブロイン繊維を,水と共に物理
的に粉砕する第2の粗粉砕工程とで構成することもでき
る。
【0005】また,上記微粉砕工程において,上記絹フ
ィブロイン繊維を1〜200μmになるまで微粉砕する
ことにより,塊や絡み合いによる沈殿等がなく,より平
滑性に優れた絹フィブロインディスパージョン水が得ら
れ,絹フィブロインの優れた特性を十分に生かすことが
でき,様々な用途への応用が期待できる。尚,上記微粉
砕工程には,例えば石臼型超微粒摩砕機を用いることが
できる。また,上記絹フィブロイン微粉末を製造する方
法としては,絹フィブロイン繊維を水と共に物理的な方
法で微粉砕する微粉砕工程と,上記微粉砕工程で得られ
た絹フィブロインディスパージョン水を,所定の方法で
乾燥させて粉末化する粉末化工程とを具備する絹フィブ
ロイン微粉末の製造方法として構成される。上記粉末化
工程における上記所定の方法としては,スプレードライ
やフリーズドライによる方法を用いることができる。ま
た,上記粉末化工程において,上記絹フィブロインディ
スパージョン水を乾燥させ,得られた固形物を乾燥状態
で微粉砕して粉末化することもできる。
【0006】
【作用】本発明に係る絹フィブロインディスパージョン
水の製造方法では,まず,粗粉砕工程において,原料の
絹フィブロイン繊維が粗粉砕される。この粗粉砕工程
は,更に,上記絹フィブロイン繊維を乾燥状態で物理的
に粉砕する第1の粗粉砕工程と,上記乾燥粗粉砕工程で
粉砕された上記絹フィブロイン繊維を,水と共に物理的
に粉砕する第2の粗粉砕工程とで構成できる。尚,この
粗粉砕工程は化学的な方法を用いて行ってもよい。上記
粗粉砕工程で得られた粗粉砕繊維は,次の微粉砕工程に
おいて,例えば石臼型超微粒摩砕機により,水と共に物
理的な方法で繊維長10μm以下になるまで微粉砕さ
れ,絹フィブロイン繊維の微粉末が水中に微分散した状
態の絹フィブロインディスパージョン水が得られる。こ
のように物理的な粉砕方法を用いて得られた絹フィブロ
インディスパージョン水は,無機塩等の不純物が全く含
まれていないため人体に安全で優しく,また,塊や絡み
合いによる沈殿等がなく平滑性に優れているため,絹フ
ィブロインの優れた特性を十分に生かすことができ,化
粧品など様々な用途への応用が期待できる。更に,物理
的な方法のみを用いて絹繊維を微粉砕しているために,
得られた絹フィブロインディスパージョン水内の絹フィ
ブロイン繊維は天然のタンパク質の状態を維持してお
り,タンパク繊維である絹の優れた特性,例えば適度な
吸湿性,保水性,皮膚に対する親和性,紫外線吸収性な
どを失うことなく有している。また,得られた絹フィブ
ロインディスパージョン水内の絹フィブロイン繊維の粒
子は,角のある不規則な形状を呈しており,他の繊維な
どと絡みやすいため,不織布等の表面に吹き付けて使用
するといった用途にも適している。上述のようにして得
られた絹フィブロインディスパージョン水は,例えばス
プレードライ,フリーズドライ,乾燥後ドライ粉砕など
の方法を用いて,粉末状の絹フィブロイン繊維として,
化粧品などの用途に利用することもできる。この粉末化
方法の違いにより,それぞれ特性の異なる絹フィブロイ
ン粉末が得られるため,用途に応じて使い分けることが
できる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照して,本発明
の実施の形態及び実施例につき説明し,本発明の理解に
供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は本発明を具
体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する
性格のものではない。ここに,図1は本発明の実施の形
態に係る絹フィブロインディスパージョン水の製造方法
の概略工程を示す図である。本実施の形態に係る絹フィ
ブロインディスパージョン水は,図1に示すような3段
階の工程(工程A〜C)により製造される。尚,原料と
しては,前述の如く絹糸屑や繭屑を精錬精製して得られ
た乾燥絹パイルを使用する。以下,図1を用いて,絹フ
ィブロインディスパージョン水の製造工程を順を追って
説明する。 (工程A(第1の粗粉砕工程に相当))まず,粗粉砕機
(カッターミル)1を用いて,原料の乾燥絹パイルをド
ライの状態で粗粉砕する。この工程では,乾燥絹パイル
を繊維長2〜3mm程度までカッティングする。上記粗
粉砕機1としては,カッター枚数5〜9枚,標準能力1
0〜150Kg/Hr程度のものが適当である。具体的
には,増幸産業株式会社製のMKCM−5等が使用でき
る。
【0008】(工程B(第2の粗粉砕工程に相当))上
記工程Aで得られた粉末を,水を満たしたタンク2に投
入してスラリー化させ,これを2枚の摩砕用円盤状特殊
砥石を用いた摩砕機(コロイドミル)3に投入し,摩砕
する。この工程では,必要に応じて上記摩砕機3による
摩砕を数回(3〜4回程度)繰り返すことにより目的に
あった繊維長まで摩砕する。上記摩砕機3としては,グ
ラインダ直径360mm程度,標準能力300〜300
0Kg/Hr程度のものが適当である。具体的には,増
幸産業株式会社製のMKZA15−40等が使用でき
る。 (工程C(微粉砕工程に相当))上記工程Bで得られた
スラリーを,2枚の摩砕用円盤状特殊砥石を用いた超微
粒摩砕機5により,切断と共に捻じり,ひねりを与えな
がら摩砕する。上記工程Bと本工程Cとにより,最終的
に繊維長1〜10μmになるまで摩砕することができ
る。上記超微粒摩砕機5としては,グラインダ直径15
0〜200mm程度,標準能力30〜200Kg/Hr
程度のものが適当である。具体的には,増幸産業株式会
社製のMKZA6−5等が使用できる。この工程で得ら
れた最終状態のスラリーは,このまま沈殿又は遠心脱水
しても直ちに水に分散させることにより,塊や絡み合い
による沈殿等のない安定したディスパージョン水とな
る。
【0009】以上の3段階の工程では,加水分解等の化
学的な方法は一切用いておらず,物理的な方法のみを用
いて絹繊維を微粉砕しているため,最終的に無機塩等の
不純物が全く含まれない人体に安全で優しい絹フィブロ
インディスパージョン水が得られる。また,得られた絹
フィブロインディスパージョン水に含まれる絹繊維長は
1〜10μm程度と非常に細かく,塊や絡み合いによる
沈殿等がなく平滑性に優れているため,絹フィブロイン
の優れた特性を十分に生かすことができ,様々な用途へ
の応用が期待できる。尚,用途に応じて繊維長1〜20
0μm間のコントロールが必要である。また,物理的な
方法のみを用いて絹繊維を微粉砕しているために,得ら
れた絹フィブロインディスパージョン水内の絹フィブロ
イン繊維はタンパク質の状態を維持しており,タンパク
繊維である絹の優れた特性,例えば適度な吸湿性,保水
性,皮膚に対する親和性,紫外線吸収性などを失うこと
なく有している。また,得られた絹フィブロインディス
パージョン水内の絹フィブロイン繊維の粒子は,,物理
的に引き裂かれたものであるため,角のある不規則な形
状を呈しており,他の繊維などと絡みやすいため,不織
布等の表面に吹き付けて使用するといった用途にも適し
ている。尚,上記工程A,Bについては上述のような物
理的な粉砕方法ではなく,化学的な方法を用いてもよ
い。最終的に上記工程Cにより上記のような性質の絹フ
ィブロインディスパージョン水を得られればよい。もち
ろんその場合には不純物の除去などに細心の注意を払う
必要がある。
【0010】
【実施例】上記実施の形態により得られた絹フィブロイ
ンディスパージョン水は,絹の適度な保湿性,保水性,
皮膚への親和性などの優れた特性を利用して,例えばそ
のままの状態で化粧水,入浴剤,石鹸,歯磨きなどに用
いることができる。また,様々な素材(例えばレーヨ
ン,ウール)の不織布,織布やカード綿,紙などの繊維
組成物の表面に吹き付ければ,絹不織布等と同様の肌触
りが得られ,繊維組成物の高機能化,高付加価値化が可
能となる。尚,繊維組成物への吹き付けの際には,絹フ
ィブロインディスパージョン水をそのまま使用しても表
面への付着力は十分得られるが,より耐久性を高めるた
めに接着剤などを混入してもよい。或いは,接着剤を吹
き付けた繊維組成物に絹フィブロインディスパージョン
水や後述する絹フィブロイン粉末を吹き付けてもよい。
また,絹フィブロインディスパージョン水を繊維組成物
に吹き付ける以外に,例えば絹フィブロインディスパー
ジョン水を繊維組成物の表面に塗布したり,繊維組成物
を絹フィブロインディスパージョン水に浸漬することに
より吸着させてもよく,用途によって使い分けることが
できる。また,上記絹フィブロインディスパージョン水
から絹フィブロイン微粉末を取り出し,粉末の状態で化
粧品などに使用することもできる。上記絹フィブロイン
ディスパージョン水から絹フィブロイン微粉末を取り出
す方法としては,例えば下記のような3つの方法が考え
られる。
【0011】(スプレードライによる方法)上記絹フィ
ブロインディスパージョン水を,スプレードライ方式で
粉末化する方法である。この方法では,絹フィブロイン
繊維がスプレー粒子のままで脱水されるため,得られる
粒子形は一定し,粒子相互の絡み合いがなく,流動性の
ある粉末が得られる。絹フィブロインディスパージョン
水を粉末化する方法としては,このスプレードライによ
る方法を標準的に用いることが望ましい。この方法で
は,スプレー粒子の大きさ等により,得られる粉末の大
きさや濃度,粘性等が変化するため,スプレー粒子の大
きさ等を使用目的に応じて適当に変化させることが必要
である。具体的な例として,この方法を用いて次のよう
な条件で絹フィブロイン微粉末を製造したところ,平均
粒子径約10μmの流動性のある絹フィブロイン微粉末
が得られ,製造状況は極めて良好であった。 絹フィブロインディスパージョン水濃度:3% 比重 :1.03 粘度 :約100cps 色 :白色 温度 :室温約15°C 使用液量 :9L 運転時間 :215min アドマイザ(RPM) :30000 入口温度 :150°C 出口温度 :78°C サイクロンΔPmmAP :100 (フリーズドライによる方法)上記絹フィブロインディ
スパージョン水を,フリーズドライにより粉末化する方
法である。この方法で得られる絹フィブロインは,上記
スプレードライによる方法で得られる微粉末のような粒
子形態ではなく,微細繊維が積み重なった積層状態で得
られる。しかしこの積層物は,上記絹フィブロインディ
スパージョン水を自然又は加熱乾燥して得られる塊状の
ものとは異なり,個々の繊維が一つの塊状になることは
なく,軽く力を加えることによりバラバラになるため,
例えばミキサー等にかけることにより簡単に微粉末が得
られる。上記スプレードライにより得られる微粉末を球
体とすると,このフリーズドライにより得られる微粉末
は繊維状であるといえる。
【0012】(乾燥後ドライ粉体化方法)上記絹フィブ
ロインディスパージョン水を自然又は加熱乾燥しただけ
では粉末状の絹フィブロインは得られず,硬い塊状の乾
燥繊維となる。しかし,これを粉砕機などで再び細かく
粉砕すると,不定型の粉末が得られる。このようにして
得られた粉末は,上記スプレードライなどで得られた粉
末とは粒の密度などが異なるため,異なる分野への応用
が期待できる。以上の3つの方法により得られる絹フィ
ブロイン微粉末はそれぞれ特性が異なるため,使用目的
に合わせて最適な方法を用いることが望ましい。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように,本発明に係る製造
方法により得られる絹フィブロインディスパージョン水
は,絹フィブロイン繊維を水と共に物理的に微粉砕して
得られる絹フィブロインディスパージョン水として構成
されているため,無機塩等の不純物が全く含まれず人体
に安全で優しく,また,塊や絡み合いによる沈殿等がな
く平滑性に優れているため,絹フィブロインの優れた特
性を十分に生かすことができ,化粧品など様々な用途へ
の応用が期待できる。更に,物理的な方法のみを用いて
絹繊維を微粉砕しているために,得られた絹フィブロイ
ンディスパージョン水内の絹フィブロイン繊維は天然の
タンパク質の状態を維持しており,タンパク繊維である
絹の優れた特性,例えば適度な吸湿性,保水性,皮膚に
対する親和性,紫外線吸収性などを失うことなく有して
いる。また,得られた絹フィブロインディスパージョン
水内の絹フィブロイン繊維の粒子は,角のある不規則な
形状を呈しており,他の繊維などと絡みやすいため,例
えば不織布等の表面に吹き付けて使用するといった用途
にも適している。また,本発明に係る製造方法により得
られる絹フィブロイン微粉末は,絹フィブロイン繊維を
水と共に物理的に微粉砕して得られる絹フィブロインデ
ィスパージョン水を,所定の方法で乾燥させて得られる
絹フィブロイン微粉末であるため,上記絹フィブロイン
ディスパージョン水と同様の優れた特性を有している。
尚,絹フィブロインディスパージョン水を,粉末化する
粉末化工程は,例えばスプレードライやフリーズドラ
イ,乾燥後ドライ粉砕などの方法を用いることができる
が,それぞれ得られる粉末の特性が異なるため,用途に
応じて使い分けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る絹フィブロインデ
ィスパージョン水の製造方法の概略工程を示す図。
【符号の説明】
1…粗粉砕機 2,4…タンク 3…摩砕機 5…超微粒摩砕機

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絹フィブロイン繊維を水と共に物理的に
    微粉砕して得られる絹フィブロインディスパージョン
    水。
  2. 【請求項2】 絹フィブロイン繊維を水と共に物理的に
    微粉砕して得られる絹フィブロインディスパージョン水
    を,所定の方法で乾燥させて得られる絹フィブロイン微
    粉末。
  3. 【請求項3】 絹フィブロイン繊維を水と共に物理的に
    微粉砕して得られる絹フィブロインディスパージョン水
    を,所定の処理により任意の繊維組成物に吸着させて得
    られる絹フィブロイン吸着繊維組成物。
  4. 【請求項4】 上記所定の処理が,上記絹フィブロイン
    ディスパージョン水の上記任意の繊維組成物への吹き付
    けである請求項3記載の絹フィブロイン吸着繊維組成
    物。
  5. 【請求項5】 上記所定の処理が,上記絹フィブロイン
    ディスパージョン水への上記任意の繊維組成物の浸漬で
    ある請求項3記載の絹フィブロイン吸着繊維組成物。
  6. 【請求項6】 上記所定の処理が,上記絹フィブロイン
    ディスパージョン水の上記任意の繊維組成物への塗布で
    ある請求項3記載の絹フィブロイン吸着繊維組成物。
  7. 【請求項7】 絹フィブロイン繊維を水と共に物理的な
    方法で微粉砕する微粉砕工程を具備する絹フィブロイン
    ディスパージョン水の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記微粉砕工程の前に,上記絹フィブロ
    イン繊維を物理的若しくは化学的に粗粉砕する粗粉砕工
    程を具備する請求項7記載の絹フィブロインディスパー
    ジョン水の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記粗粉砕工程が,上記絹フィブロイン
    繊維を乾燥状態で物理的に粉砕する第1の粗粉砕工程
    と,上記乾燥粗粉砕工程で粉砕された上記絹フィブロイ
    ン繊維を,水と共に物理的に粉砕する第2の粗粉砕工程
    とで構成される請求項8記載の絹フィブロインディスパ
    ージョン水の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記微粉砕工程において,上記絹フィ
    ブロイン繊維を1〜200μm以下になるまで微粉砕す
    る請求項7〜9のいずれかに記載の絹フィブロインディ
    スパージョン水の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記微粉砕工程に,石臼型超微粒摩砕
    機を用いる請求項7〜10のいずれかに記載の絹フィブ
    ロインディスパージョン水の製造方法。
  12. 【請求項12】 絹フィブロイン繊維を水と共に物理的
    な方法で微粉砕する微粉砕工程と,上記微粉砕工程で得
    られた絹フィブロインディスパージョン水を,所定の方
    法で乾燥させて粉末化する粉末化工程とを具備する絹フ
    ィブロイン微粉末の製造方法。
  13. 【請求項13】 上記所定の方法が,スプレードライで
    ある請求項12記載の絹フィブロイン微粉末の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 上記所定の方法が,フリーズドライで
    ある請求項12記載の絹フィブロイン微粉末の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 上記粉末化工程において,上記絹フィ
    ブロインディスパージョン水を乾燥させ,得られた固形
    物を乾燥状態で微粉砕して粉末化する請求項12記載の
    絹フィブロイン微粉末の製造方法。
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WO2000075219A1 (fr) * 1999-06-03 2000-12-14 Japan As Represented By Director General Of National Institute Of Sericultural And Entomological Science Ministry Of Agriculture, Forestry And Fisheries Procede de production d'une poudre de soie cristalline et ultrafine
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