JP2019061243A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】繰り返し画像を形成したときに生じる残留電位の上昇を抑制する電子写真感光体を提供すること。【解決手段】硬化樹脂と、多環キノン系顔料及びペリレン系顔料よりなる群から選択される少なくとも1種の顔料と、一般式(ET)で表される電子輸送材料と、を含む下引層であって、下引層に対する前記顔料の総含有量が50質量%以上である、又は、下引層の体積抵抗率が1.0×104(Ω/m)以上10×1010(Ω/m)以下である下引層を有する電子写真感光体である。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置としては、電子写真感光体を用いて帯電、静電潜像形成、現像、転写、クリーニング等の工程を順次行う装置が広く知られている。
電子写真感光体としては、アルミニウム等の導電性を有する基体上に、電荷を発生する電荷発生層と、電荷を輸送する電荷輸送層を積層する機能分離型の感光体、又は、電荷を発生する機能と電荷を輸送する機能を同一の層が果たす単層型感光体が知られている。
ここで、特許文献1には、「導電性支持体上に下引き層、感光層を順次積層してなる電子写真感光体において、該下引き層がポリアミド樹脂中に有機顔料、及び、ロジン化合物を含有させてなることを特徴とする電子写真感光体。」が開示されている。
また、特許文献2には、「導電性支持体上に、感光層が形成された負帯電型の電子写真感光体において、導電性支持体と感光層との間に、電子輸送性顔料及び反応性の有機金属化合物を含有する下引き層を設けたことを特徴とする電子写真感光体。」が開示されている。
また、特許文献3には、「導電性基体と感光層との間に下引き層を設けた電子写真感光体において、該下引き層が電子輸送性有機顔料とポリビニルアセタール樹脂とメラミン樹脂とを含有することを特徴とする電子写真感光体。」が開示されている。
特開平11−184129号公報 特公平08−023710号公報 特許第3409540号
導電性基体と感光層との間に設けられ、硬化樹脂と、多環キノン系顔料及びペリレン系顔料よりなる群から選択される少なくとも1種の顔料と、のみを含む下引層であって、下引層に対する前記顔料の総含有量が50質量%以上である、又は、下引層の体積抵抗率が1.0×10(Ω/m)以上10×1010(Ω/m)以下である下引層を有する電子写真感光体(以下「特定の電子写真感光体」とも称する)は、繰り返し画像を形成すると残留電位が上昇する傾向がある。
そこで、本発明の課題は、特定の電子写真感光体に比べ、繰り返し画像を形成したときに生じる残留電位の上昇を抑制する電子写真感光体を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
[1] 導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた下引層であって、硬化樹脂と、多環キノン系顔料及びペリレン系顔料よりなる群から選択される少なくとも1種の顔料と、下記一般式(ET)で示される電子輸送材料と、を含み、下引層に対する前記顔料の総含有量が50質量%以上である下引層と、
前記下引層上に設けられた感光層と、
を有する電子写真感光体。
(一般式(ET)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R18は、アルキル基、−L19−O−R20、アリール基、又はアラルキル基を示す。ただし、L19はアルキレン基を示し、R20はアルキル基を示す。)
[2] 導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた下引層であって、硬化樹脂と、多環キノン系顔料及びペリレン系顔料よりなる群から選択される少なくとも1種の顔料と、下記一般式(ET)で示される電子輸送材料と、を含み、下引層の体積抵抗率が1.0×10(Ω/m)以上10×1010(Ω/m)以下である下引層と、
前記下引層上に設けられた感光層と、
を有する電子写真感光体。
(一般式(ET)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R18は、アルキル基、−L19−O−R20、アリール基、又はアラルキル基を示す。ただし、L19はアルキレン基を示し、R20はアルキル基を示す。)
[3] 前記多環キノン系顔料が、下記一般式(QP)で示される顔料である前記[1]又は[2]に記載の電子写真感光体。
(一般式(QP)中、RQ1、RQ2、RQ3、RQ4、RQ5、RQ6、RQ7、RQ8、RQ9、及びRQ10は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基、又はアリール基を表す。)
[4] 前記一般式(QP)において、RQ1、RQ2、RQ3、RQ4、RQ5、RQ6、RQ7、RQ8、RQ9、及びRQ10は、各々独立に、水素原子、又はハロゲン原子を表す前記[3]に記載の電子写真感光体。
[5] 前記ペリレン系顔料が、下記一般式(PP)で示される顔料及び一般式(PN)で示される顔料からなる群より選択される少なくとも1種以上である前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
(一般式(PP)中、RP1、及びRP2は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ニトロ基、又は−L―Xを表す。Lは、アルキレン基を表し、Xはアリール基を表す。
一般式(PN)中、ArN1及びArN2は、各々独立に、炭素数5以上18以下の2価の芳香族環を表す。)
[6] 前記一般式(PP)において、RP1、及びRP2が、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はアルキル基を表す前記[5]に記載の電子写真感光体。
[7] 前記一般式(PN)において、ArN1及びArN2が、各々独立に、炭素数5以上14以下の2価の芳香族環を表す前記[5]に記載の電子写真感光体。
[8] 前記一般式(ET)において、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はアルキル基を示し、R18は、アルキル基を示す前記[1]〜[7]のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
[9] 前記硬化樹脂が、ポリイミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、及びメラミン樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種である前記[1]〜[8]のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
[10] 前記硬化樹脂が、ポリイミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、及びフェノール樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種である前記[9]に記載の電子写真感光体。
[11] 前記[1]〜[10]のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
[12] 前記[1]〜[10]のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、又は[8]に記載の発明によれば、導電性基体と感光層との間に設けられ、硬化樹脂と、多環キノン系顔料及びペリレン系顔料よりなる群から選択される少なくとも1種の顔料と、のみを含む下引層であって、下引層に対する前記顔料の総含有量が50質量%以上である、又は、下引層の体積抵抗率が1.0×10(Ω/m)以上10×1010(Ω/m)以下である下引層と、下引層上に設けられた感光層と、を有する電子写真感光体である場合に比べ、繰り返し画像を形成したときに生じる残留電位の上昇を抑制する電子写真感光体が提供される。
[9]、又は[10]に記載の発明によれば、下引層において硬化樹脂の代わりに、結着樹脂としてポリエチレンを用いた電子写真感光体である場合に比べ、繰り返し画像を形成したときに生じる残留電位の上昇を抑制する電子写真感光体が提供される。
[11]、又は[12]に記載の発明によれば、
導電性基体と感光層との間に設けられ、硬化樹脂と、多環キノン系顔料及びペリレン系顔料よりなる群から選択される少なくとも1種の顔料と、のみを含む下引層であって、下引層に対する前記顔料の総含有量が50質量%以上である、又は、下引層の体積抵抗率が1.0×10(Ω/m)以上10×1010(Ω/m)以下である下引層と、下引層上に設けられた感光層と、を有する電子写真感光体を備えた画像形成装置を用いた場合に比べ、繰り返し画像を形成したときに生じる電子写真感光体における残留電位の上昇を抑制するプロセスカートリッジ、又は画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の一例を示す概略斜視図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例の概略断面図である。 本実施形態に係る画像形成装置の他の例の概略斜視図である。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。これらの説明および実施例は、実施形態を例示するものであり、発明の範囲を制限するものではない。
―電子写真感光体―
本実施形態に係る電子写真感光体は、導電性基体と、前記導電性基体と感光層との間に設けられ、硬化樹脂と、多環キノン系顔料及びペリレン系顔料よりなる群から選択される少なくとも1種の顔料と、一般式(ET)で表される電子輸送材料と、を含む下引層であって、下引層に対する前記顔料の総含有量が50質量%以上である、又は、下引層の体積抵抗率が1.0×10(Ω/m)以上10×1010(Ω/m)以下である下引層と、下引層上に設けられた感光層と、を有する電子写真感光体である。
従来、電子写真感光体において、抵抗を確保する目的で、下引層に対し顔料を添加する技術が知られている。具体的には、「硬化樹脂と、多環キノン系顔料及びペリレン系顔料よりなる群から選択される少なくとも1種の顔料と、のみを含む下引層であって、下引層に対する前記顔料の総含有量が50質量%以上である、又は、下引層の体積抵抗率が1.0×10(Ω/m)以上10×1010(Ω/m)以下である下引層を有する電子写真感光体」が知られている。この感光体は、下引層の抵抗が適度であるため、感光層の電子注入が抑えられる。しかし、この電子写真感光体では、下引層の電子輸送性が低いため、繰り返し画像を形成したときに残留電位が上昇し易い。下引層において残留電位が上昇し易いと、画像の濃度ムラなどが生じやすくなる。
それに対して、本実施形態に係る電子写真感光体では、下引層に、硬化樹脂と顔料と、に加えて、一般式(ET)で示される電子輸送材料を含んだ構成をとる。
本構成を有する電子写真感光体は、推定ではあるが、電子輸送性が高い一般式(ET)で示される電子輸送材料を含むことで、下引層における抵抗値を低く維持したまま、下引層の電子輸送性が高まる。下引層の電子輸送性が高くなることにより、電子が下引層に蓄積し難くなる。その結果、繰り返し画像を形成したときに生じる残留電位の上昇を抑制した電子写真感光体が得られる。
以下、本実施形態に係る電子写真感光体の各層について、詳細に説明する。なお、符号は省略して説明する。
図1に示す電子写真感光体7Aは、いわゆる機能分離型感光体(又は積層型感光体)であり、導電性基体4上に下引層1が設けられ、その上に電荷発生層2、及び電荷輸送層3が順次形成された構造を有するものである。電子写真感光体7Aにおいては、電荷発生層2及び電荷輸送層3により感光層5が構成される。本実施形態に係る電子写真感光体は、その他の層、例えば、保護層を含んで構成してもよい。
[下引層]
本実施形態における下引層は、硬化樹脂と、顔料と、電荷輸送材料と、を含んで構成される。なお、下引層は、その他の添加物を含んでもよい。
(電子輸送材料)
本実施形態における電子輸送性材料について説明する。
電子輸送性材料は、下記一般式(ET)で表される化合物である。
一般式(ET)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R18は、アルキル基、−L19−O−R20、アリール基、又はアラルキル基を示す。ただし、L19はアルキレン基を示し、R20はアルキル基を示す。
一般式(ET)中、R11〜R17が示すハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
一般式(ET)中、R11〜R17が示すアルキル基としては、置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられる。
一般式(ET)中、R11〜R17が示す無置換のアルキル基としては、炭素数1以上12以下(好ましくは炭素数5以上10以下)の直鎖状のアルキル基、炭素数3以上10以下(好ましくは炭素数5以上10以下)の分岐状のアルキル基が挙げられる。
炭素数1以上12以下の直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル基等が挙げられる。
炭素数3以上10以下の分岐状のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
上記の中でも、無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(ET)中、R11〜R17が示すアルキル基における置換基としては、例えば、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、無置換のアリール基、炭素数1以上4以下のアルキル基若しくはアルコキシ基で置換されたフェニル基、炭素数7以上10以下のアラルキル基、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基、及びハロゲン原子(塩素、ヨウ素、臭素)等が挙げられる。
アルコキシ置換アルキル基のアルコキシ基としては、一般式(ET)中のR11〜R17が示すアルコキシ基と同様の基が挙げられる。また、アリール置換アルキル基のアリール基としては、一般式(ET)中のR11〜R17が示す無置換のアリール基と同様の基が挙げられる。
一般式(ET)中、R11〜R17が示すアルコキシ基としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
一般式(ET)中、R11〜R17が示すアリール基としては、置換若しくは無置換のアリール基が挙げられる。
一般式(ET)中、R11〜R17が示す無置換のアリール基としては、例えば、炭素数6以上30以下のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等が挙げられる。上記の中でも、フェニル基が好ましい。
一般式(ET)中、R11〜R17が示すアリール基における置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、及びハロゲン原子(塩素、ヨウ素、臭素)等が挙げられる。アルキル置換アリール基のアルキル基としては、一般式(ET)中のR11〜R17が示す無置換のアルキル基と同様の基が挙げられる。また、アルコキシ置換アリール基のアルコキシ基としては、一般式(ET)中のR11〜R17が示すアルコキシ基と同様の基が挙げられる。
一般式(ET)中、R11〜R17が示すアラルキル基としては、炭素数7以上15以下(望ましくは7以上14以下)のアラルキル基が挙げられる。
具体的なアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、ビニルベンジル基、ヒドロキシフェニルメチル基等が挙げられる。
一般式(ET)中、R18が示すアルキル基としては、例えば、炭素数1以上12以下(好ましくは炭素数5以上10以下)の直鎖状のアルキル基、炭素数3以上10以下(好ましくは炭素数5以上10以下)の分岐状のアルキル基が挙げられる。
炭素数1以上12以下の直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル基等が挙げられる。
一般式(ET)中、R18が示す炭素数3以上10以下の分岐状のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
一般式(ET)中、R18が示す−L19−O−R20で示される基は、L19がアルキレン基を示し、R20は、アルキル基を示す。
19が示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基等が挙げられる。
20が示すアルキル基としては、上記R11〜R17が示すアルキル基と同様の基が挙げられる。
一般式(ET)中、R18が示すアリール基としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基等が挙げられる。
なお、R18が示すアリール基は、アルキル基で置換されたアルキル置換アリール基であることが、溶解性の観点で好ましい。アルキル置換アリール基のアルキル基としては、R11〜R17が示すアルキル基と同様の基が挙げられる。
一般式(ET)中、R18が示すアラルキル基としては、−L21−Arで示される基が挙げられる。但し、L21は、アルキレン基を示す、Arは、アリール基を示す。
21が示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基等が挙げられる。
Arが示すアリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基等が挙げられる。
一般式(ET)中、R18が示すアラルキル基として具体的には、ベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、フェニルエチル基、メチルフェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等が挙げられる。
一般式(ET)で表される電子輸送材料としては、繰り返し画像を形成したときに生じる残留電位の上昇を抑制する観点から、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はアルキル基を示し、R18は、アルキル基を示すことが好ましい。
上記の中でも、R18は炭素数5以上10以下のアルキル基、又はアラルキル基を示すことが好ましい。また、R11〜R17が各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はアルキル基を示し、かつ、R18が炭素数5以上10以下のアルキル基又はアラルキル基を示すことが、さらに好ましい。
以下、一般式(ET)の電子輸送材料の例示化合物を示すが、これに限定されるわけではない。なお、以下の例示化合物番号は、例示化合物(ET−番号)と以下表記する。具体的には、例えば、例示化合物15は、「例示化合物(ET−15)」と以下表記する。
なお、上記例示化合物中の略記号は、以下の意味を示す。
・−Ph:フェニル基
下引層における電子輸送材料が、一般式(ET)に表される化合物であると、電子輸送能が高いため、繰り返し画像を形成したときに生じる残留電位の上昇が抑制された電子写真感光体が提供される。
本実施形態に係る電子輸送材料は、これら電子輸送化合物を1種含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。これら電子輸送化合物が本実施形態に係る硬化樹脂に占める質量割合は、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、0.1質量%以上10質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上5質量%以下が更に好ましい。
(顔料)
本実施形態における顔料は、多環キノン系顔料及びペリレン系顔料よりなる群から選択される少なくとも1種である。
多環キノン系顔料について説明する。
多環キノン系顔料は、少なくとも2つのアントロン骨格を有する、又は、1つのアントラキノン骨格を有する顔料である。なお、アントロン及びアントラキノンは、三環式の芳香族ケトンである。
多環キノン系顔料としては、例えば、アセナフトキノン、フェナンスレン−9,10−キノン、クリセン−1,4−キノン、アントラキノン、アントアントロン、イソビオラントロン、ビオラントロン、ピラントロン、フラバントロン、及びそれらの誘導体等が挙げられる。
多環キノン系顔料としては、繰り返し画像を形成したときに生じる残留電位の上昇を抑制する観点から、下記一般式(QP)で示される化合物であることが好ましい。
一般式(QP)中、RQ1、RQ2、RQ3、RQ4、RQ5、RQ6、RQ7、RQ8、RQ9、及びRQ10は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基、又はアリール基を表す。
一般式(QP)中のアルキル基としては、置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられる。
一般式(QP)中の無置換のアルキル基としては、炭素数1以上12以下(好ましくは炭素数5以上10以下)の直鎖状のアルキル基、炭素数3以上10以下(好ましくは炭素数5以上10以下)の分岐状のアルキル基が挙げられる。
炭素数1以上12以下の直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル基等が挙げられる。
炭素数3以上10以下の分岐状のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
上記の中でも、無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(QP)中のアルキル基における置換基としては、例えば、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、無置換のアリール基、炭素数1以上4以下のアルキル基若しくはアルコキシ基で置換されたフェニル基、炭素数7以上10以下のアラルキル基、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基、及びハロゲン原子(塩素、ヨウ素、臭素)等が挙げられる。
アルコキシ置換アルキル基のアルコキシ基としては、一般式(QP)中のRQ1〜RQ10が示すアルコキシ基と同様の基が挙げられる。また、アリール置換アルキル基のアリール基としては、一般式(QP)中のRQ1〜RQ10が示す無置換のアリール基と同様の基が挙げられる。
一般式(QP)中のアルコキシ基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
一般式(QP)中のアリール基としては、置換若しくは無置換のアリール基が挙げられる。
一般式(QP)中の無置換のアリール基としては、例えば、炭素数6以上30以下のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等が挙げられる。上記の中でも、フェニル基が好ましい。
一般式(QP)中のアリール基における置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、及びハロゲン原子(塩素、ヨウ素、臭素)等が挙げられる。アルキル置換アリール基のアルキル基としては、一般式(QP)中のRQ1〜RQ10が示す無置換のアルキル基と同様の基が挙げられる。また、アルコキシ置換アリール基のアルコキシ基としては、一般式(QP)中のRQ1〜RQ10が示すアルコキシ基と同様の基が挙げられる。
一般式(QP)中のハロゲン原子としては、塩素、ヨウ素、臭素が挙げられる。
以下に多環キノン系顔料の具体例を例示するが、これに限定されるわけではない。

下引層における顔料が、一般式(QP)に表される化合物であると、繰り返し画像を形成したときに生じる残留電位の上昇が抑制された電子写真感光体が提供され易くなる。
ペリレン系顔料について説明する。
ペリレン系顔料は、2つのナフタレン環が1位と8位で結合した骨格を有する顔料である。
ペリレン系顔料としては、例えば、ペリレン、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二水和物(ピグメントレッド224)、1,12−ベンゾペリレン、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド(ピグメントレッド179)、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ビスベンゾイミダゾール(PTCBI)、及びそれらの誘導体等が挙げられる。
ペリレン系顔料としては、繰り返し画像を形成したときに生じる残留電位の上昇を抑制する観点から、下記一般式(PP)で示される顔料及び一般式(PN)で示される顔料からなる群より選択される少なくとも1種以上であることが好ましい。
一般式(PP)中、RP1、及びRP2は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ニトロ基、又は−L―Xを表す。Lはアルキレン基を表し、Xはアリール基を表す。
分子内にLが複数個存在する場合、Lは互いに同じ構造であっても、異なる構造であってもよい。
一般式(PN)中、ArN1及びArN2は、各々独立に、炭素数5以上18以下の2価の芳香族環を表す。
一般式(PP)中のアルキル基としては、置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられる。
一般式(PP)中の無置換のアルキル基としては、炭素数1以上12以下(好ましくは炭素数5以上10以下)の直鎖状のアルキル基、炭素数3以上10以下(好ましくは炭素数5以上10以下)の分岐状のアルキル基が挙げられる。
炭素数1以上12以下の直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル基等が挙げられる。
炭素数3以上10以下の分岐状のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
上記の中でも、無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基等の低級アルキル基が好ましい。
一般式(PP)中のアルキル基における置換基としては、例えば、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、無置換のアリール基、炭素数1以上4以下のアルキル基若しくはアルコキシ基で置換されたフェニル基、炭素数7以上10以下のアラルキル基、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基、及びハロゲン原子(塩素、ヨウ素、臭素)等が挙げられる。
アルコキシ置換アルキル基のアルコキシ基としては、一般式(PP)中のRP1及びRP2が示すアルコキシ基と同様の基が挙げられる。また、アリール置換アルキル基のアリール基としては、一般式(PP)中のRP1及びRP2が示す無置換のアリール基と同様の基が挙げられる。
一般式(PP)中のアルコキシ基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
一般式(PP)中のアリール基としては、置換若しくは無置換のアリール基が挙げられる。
一般式(PP)中の無置換のアリール基としては、例えば、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等が挙げられる。
一般式(PP)中のアリール基における置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、及びハロゲン原子(塩素、ヨウ素、臭素)等が挙げられる。アルキル置換アリール基のアルキル基としては、一般式(PP)中のRP1及びRP2が示す無置換のアルキル基と同様の基が挙げられる。また、アルコキシ置換アリール基のアルコキシ基としては、一般式(PP)中のRP1及びRP2が示すアルコキシ基と同様の基が挙げられる。
一般式(PP)中のハロゲン原子としては、塩素、ヨウ素、臭素が挙げられる。
一般式(PP)中のLで表されるアルキレン基としては、例えば、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基等が挙げられる。
上記の中でも、炭素数1以上6以下の直鎖アルキレン基が好ましく、炭素数1以上4以下の直鎖アルキレン基がより好ましい。
一般式(PP)中のXで表されるアリール基としては、置換若しくは無置換のアリール基が挙げられる。
一般式(PP)中のXで表される無置換のアリール基としては、例えば、炭素数6以上30以下のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等が挙げられる。上記の中でも、フェニル基が好ましい。
一般式(PP)中のXで表されるアリール基における置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、及びハロゲン原子(塩素、ヨウ素、臭素)等が挙げられる。アルキル置換アリール基のアルキル基としては、一般式(PP)中のRP1及びRP2が示す無置換のアルキル基と同様の基が挙げられる。また、アルコキシ置換アリール基のアルコキシ基としては、一般式(PP)中のRP1及びRP2が示すアルコキシ基と同様の基が挙げられる。
一般式(PN)中、ArN1及びArN2で表される炭素数5以上18以下の2価の芳香族環としては、置換又は無置換の2価の芳香族環が挙げられる。
炭素数5以上18以下の無置換の2価の芳香族環としては、例えば、ピリジン、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、ベンゾアントレン(テトラフェン)、ベンゾフェナントレン(クリセン)、トリフェニレン、ピレン、ビフェニル、パラテルフェニル、メタテルフェニル、1−フェニルナフタレン等の芳香族炭化水素から、任意の2つの水素原子を除いた2価の芳香族環が挙げられる。
2価の芳香族環が、一般式(PN)中の各窒素原子とそれぞれ連結する部位は、特に限定されず、任意の2点で連結してよい。
炭素数5以上18以下の芳香族環とは、置換基を含まない芳香族環のみからなる骨格の炭素数が、5以上18以下であることを意味する。
一般式(PN)中、ArN1及びArN2で表される炭素数5以上18以下の無置換の芳香族環における置換基としては、例えば、アルキル基、ハロゲン原子(塩素、ヨウ素、臭素)等が挙げられる。
アルキル置換の芳香族環におけるアルキル基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
上記の中でも、一般式(PN)におけるArN1及びArN2は、繰り返し画像を形成したときに生じる残留電位の上昇を抑制する観点から、各々独立に、炭素数5以上14以下の芳香族環であることが好ましい。
一般式(PN)中、ArN1及びArN2で表される5以上14以下の無置換の芳香族環の具体例としては、下記のAr−1〜Ar−7が挙げられる。なお、下記Ar−1〜Ar−7において「*」は、一般式(PN)中の各窒素原子とそれぞれ連結する部位を表す。
以下にペリレン系顔料の具体例を例示するが、これに限定されるわけではない。
下引層における顔料が、一般式(PP)で表される顔料及び一般式(PN)で示される顔料からなる群より選択される少なくとも1種以上であると、繰り返し画像を形成したときに生じる残留電位の上昇が抑制された電子写真感光体が提供され易くなる。
本実施形態に係る顔料は、下引層に対する総含有量が50質量%以上であり、好ましくは55質量%以上であり、より好ましくは58質量%以上であり、さらに好ましくは60質量%以上である。
下引層に対する顔料の総含有量が50質量%以上であると、繰り返し画像を形成したときに生じる残留電位の上昇が抑制された電子写真感光体が得られる。
本実施形態に係る顔料の質量比は、電荷輸送材料に対して、70質量%以上95質量%以下が好ましく、80質量%以上90質量%以下がより好ましい。
(硬化樹脂)
下引層に用いる硬化樹脂としては、例えば、ポリイミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アルキド樹脂、ポリアミノビスマレイミド、フラン樹脂、尿素樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂等の、熱硬化性の高分子化合物が挙げられる。
上記の中でも、繰り返し画像を形成したときに生じる残留電位の上昇を抑制する観点から、ポリイミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、及びメラミン樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種である事が好ましく、ポリイミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、及びフェノール樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。これら硬化樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
なお、硬化樹脂は、多官能エポキシ化合物、及び多官能イソシアネート化合物等の硬化剤を用いてもよい。
多官能エポキシ化合物としては、ジグリシジルエーテル化合物、トリグリシジルエーテル化合物、テトラグリシジルエーテル化合物などの多官能エポキシ誘導体やハロエポキシ化合物などが使用可能である。具体的には、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリルジグリシジルエーテル、グリセリルトリグリシジルエーテルなどの多価アルコールのグリシジルエーテル化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどの芳香族系多価フェノールのグリシジルエーテル化合物、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、β-メチルエピクロロヒドリンなどのハロエポキシ化合物が挙げられる。
多官能イソシアネート化合物としては、3個以上のイソシアネート基を有するものが好ましく、具体的には、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−イソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート等のポリイソシアネート単量体等が用いられる。また、3個以上のイソシアネート基を含有する化合物の中で、最終的に得られる架橋膜の成膜性、耐クラック(ひび)性及び取扱いの容易性等の面から、ポリイソシアネート単量体から得られる誘導体やプレポリマー等の変性体を用いることがより望ましい。
これらの例としては、ポリオールを過剰の前記3官能イソシアネート化合物で変性したウレタン変性体、尿素結合を有する化合物をイソシアネート化合物で変性したビュレット変性体、ウレタン基にイソシアネートが付加したアロファネート変性体等が特に好ましく、その他にもイソシアヌレート変性体、カルボジイミド変性体等が用いられる。
本実施形態に係る硬化樹脂は、下引層に対する総含有量が30質量%以上50質量%以下であることが好ましく、35質量%以上45質量%以上であることがより好ましい。
(その他の添加物)
下引層には、種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、例えば、樹脂粒子を添加してもよい。樹脂粒子としては、シリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂粒子等の公知の材料が挙げられる。
下引層の体積抵抗率は、繰り返し画像を形成したときに生じる残留電位の上昇を抑制する観点から、1.0×10(Ω/m)以上10×1010(Ω/m)以下である。
上記の範囲でも、1.0×10(Ω/m)以上10×10(Ω/m)以下であることが好ましく、1.0×10(Ω/m)以上10×10(Ω/m)以下であることがより好ましく、1.0×10(Ω/m)以上10×10(Ω/m)以下であることがさらに好ましい。
下引層の体積抵抗率が1.0×10(Ω/m)以上、又は10×1010(Ω/m)以下であると、繰り返し画像を形成したときに生じる残留電位の上昇が抑制された電子写真感光体が提供される。
電子写真感光体から、体積抵抗率測定用の下引層試料を作製する方法は、以下の通りである。例えば、下引層を被覆している電荷発生層、電荷輸送層等の塗膜をアセトン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール等の溶媒を用いて除去し、露出された下引層上に真空蒸着法やスパッタ法等により金電極を装着することで、体積抵抗率測定用の下引層試料とする。
交流インピーダンス法による体積抵抗率の測定には、電源としてSI1287 electrochemical interface(東陽テクニカ製)、電流計としてSI1260 inpedance/gain phase analyzer(東陽テクニカ製)、電流アンプとして1296 dielectric interface(東陽テクニカ製)を用いる。
交流インピーダンス測定試料におけるアルミニウム基材を陰極、金電極を陽極として、1Vp−pの交流電圧を周波数1MHzから1mHzまでの範囲で高周波側から印加し、各試料の交流インピーダンスを測定し、この測定より得られたCole−ColeプロットのグラフをRC並列の等価回路にフィッティングすることで体積抵抗率を算出する。
下引層は、ビッカース硬度が35以上であることがよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、ケトン系溶剤、ケトンアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
下引層形成用塗布液を調製するときの無機粒子の分散方法としては、例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が挙げられる。
下引層形成用塗布液を導電性基体上に塗布する方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
下引層の膜厚は、例えば、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上50μm以下の範囲内に設定される。下引層の膜厚測定は、サンコー電子社製渦電流式膜厚計CTR−1500Eを用いて測定する。
[導電性基体]
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013(Ω/cm)未満であることをいう。
導電性基体の表面は、電子写真感光体がレーザプリンタに使用される場合、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制する目的で、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化されていることが好ましい。なお、非干渉光を光源に用いる場合、干渉縞防止の粗面化は、特に必要ないが、導電性基体の表面の凹凸による欠陥の発生を抑制するため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、例えば、研磨剤を水に懸濁させて導電性基体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、回転する砥石に導電性基体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が挙げられる。
粗面化の方法としては、導電性基体の表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、導電性基体の表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も挙げられる。
陽極酸化による粗面化処理は、金属製(例えばアルミニウム製)の導電性基体を陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することにより導電性基体の表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、例えば、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、多孔質陽極酸化膜に対して、酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、例えば、0.3μm以上15μm以下が好ましい。この膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
導電性基体には、酸性処理液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
[感光層]
(電荷発生層)
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
これらの中でも、近赤外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、金属フタロシアニン顔料、又は無金属フタロシアニン顔料を用いることが好ましい。具体的には、例えば、特開平5−263007号公報、特開平5−279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン;特開平5−98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン;特開平5−140472号公報、特開平5−140473号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン;特開平4−189873号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンがより好ましい。
一方、近紫外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;チオインジゴ系顔料;ポルフィラジン化合物;酸化亜鉛;三方晶系セレン;特開2004−78147号公報、特開2005−181992号公報に開示されたビスアゾ顔料等が好ましい。
450nm以上780nm以下に発光の中心波長があるLED,有機ELイメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合にも、上記電荷発生材料を用いてもよいが、解像度の観点より、感光層を20μm以下の薄膜で用いるときには、感光層中の電界強度が高くなり、基体からの電荷注入による帯電低下、いわゆる黒点と呼ばれる画像欠陥を生じやすくなる。これは、三方晶系セレン、フタロシアニン顔料等のp−型半導体で暗電流を生じやすい電荷発生材料を用いたときに顕著となる。
これに対し、電荷発生材料として、縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、アゾ顔料等のn−型半導体を用いた場合、暗電流を生じ難く、薄膜にしても黒点と呼ばれる画像欠陥を抑制し得る。n−型の電荷発生材料としては、例えば、特開2012−155282号公報の段落[0288]〜[0291]に記載された化合物(CG−1)〜(CG−27)が挙げられるがこれに限られるものではない。
なお、n−型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn−型とする。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択され、また、結着樹脂としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択してもよい。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、質量比で10:1から1:10までの範囲内であることが好ましい。
電荷発生層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷発生層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷発生層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。なお、電荷発生層の形成は、電荷発生材料の蒸着により行ってもよい。電荷発生層の蒸着による形成は、特に、電荷発生材料として縮環芳香族顔料、ペリレン顔料を利用する場合に好適である。
電荷発生層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等が挙げられる。これら溶剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いる。
電荷発生層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式等が挙げられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷発生層形成用塗布液を下引層上(又は中間層上)に塗布する方法としては、例えばブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上5.0μm以下、より好ましくは0.2μm以上2.0μm以下の範囲内に設定される。
(電荷輸送層)
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物;キサントン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;シアノビニル系化合物;エチレン系化合物等の電子輸送性化合物が挙げられる。電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送性化合物も挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種を単独で又は2種以上で用いられるが、これらに限定されるものではない。
電荷輸送材料としては、電荷移動度の観点から、下記構造式(a−1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び下記構造式(a−2)で示されるベンジジン誘導体が好ましい。

構造式(a−1)中、ArT1、ArT2、及びArT3は、各々独立に置換若しくは無置換のアリール基、−C−C(RT4)=C(RT5)(RT6)、又は−C−CH=CH−CH=C(RT7)(RT8)を示す。RT4、RT5、RT6、RT7、及びRT8は各々独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を示す。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。

構造式(a−2)中、RT91及びRT92は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、又は炭素数1以上5以下のアルコキシ基を示す。RT101、RT102、RT111及びRT112は各々独立に、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上2以下のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは無置換のアリール基、−C(RT12)=C(RT13)(RT14)、又は−CH=CH−CH=C(RT15)(RT16)を示し、RT12、RT13、RT14、RT15及びRT16は各々独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。Tm1、Tm2、Tn1及びTn2は各々独立に0以上2以下の整数を示す。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
ここで、構造式(a−1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び前記構造式(a−2)で示されるベンジジン誘導体のうち、特に、「−C−CH=CH−CH=C(RT7)(RT8)」を有するトリアリールアミン誘導体、及び「−CH=CH−CH=C(RT15)(RT16)」を有するベンジジン誘導体が、電荷移動度の観点で好ましい。
高分子電荷輸送材料としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の電荷輸送性を有する公知のものが用いられる。特に、特開平8−176293号公報、特開平8−208820号公報等に開示されているポリエステル系の高分子電荷輸送材は特に好ましい。なお、高分子電荷輸送材料は、単独で使用してよいが、結着樹脂と併用してもよい。
電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの中でも、結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂が好適である。これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上で用いる。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
電荷輸送層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷輸送層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
電荷輸送層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状又は直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層の上に塗布する際の塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は、例えば、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下の範囲内に設定される。
(保護層)
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
1)反応性基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に有する反応性基含有電荷輸送材料を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり当該反応性基含有電荷輸送材料の重合体又は架橋体を含む層)
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
反応性基含有電荷輸送材料の反応性基としては、連鎖重合性基、エポキシ基、−OH、−OR[但し、Rはアルキル基を示す]、−NH、−SH、−COOH、−SiRQ1 3−Qn(ORQ2Qn[但し、RQ1は水素原子、アルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、RQ2は水素原子、アルキル基、トリアルキルシリル基を表す。Qnは1〜3の整数を表す]等の周知の反応性基が挙げられる。
連鎖重合性基としては、ラジカル重合しうる官能基であれば特に限定されるものではなく、例えば、少なくとも炭素二重結合を含有する基を有する官能基である。具体的には、ビニル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、スチリル基(ビニルフェニル基)、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基等が挙げられる。なかでも、その反応性に優れることから、連鎖重合性基としては、ビニル基、スチリル基(ビニルフェニル基)、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基であることが好ましい。
反応性基含有電荷輸送材料の電荷輸送性骨格としては、電子写真感光体における公知の構造であれば特に限定されるものではなく、例えば、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の含窒素の正孔輸送性化合物に由来する骨格であって、窒素原子と共役している構造が挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン骨格が好ましい。
これら反応性基及び電荷輸送性骨格を有する反応性基含有電荷輸送材料、非反応性の電荷輸送材料、反応性基含有非電荷輸送材料は、周知の材料から選択すればよい。
保護層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
保護層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた保護層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱等の硬化処理することで行う。
保護層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ系溶剤;イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
なお、保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
保護層形成用塗布液を感光層(例えば電荷輸送層)上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
保護層の膜厚は、例えば、好ましくは1μm以上20μm以下、より好ましくは2μm以上10μm以下の範囲内に設定される。
(単層型感光層)
単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、電荷発生材料と電荷輸送材料と、必要に応じて、結着樹脂、及びその他周知の添加剤と、を含む層である。なお、これら材料は、電荷発生層及び電荷輸送層で説明した材料と同様である。
そして、単層型感光層中、電荷発生材料の含有量は、全固形分に対して10質量%以上85質量%以下がよく、好ましくは20質量%以上50質量%以下である。また、単層型感光層中、電荷輸送材料の含有量は、全固形分に対して5質量%以上50質量%以下がよい。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。
単層型感光層の膜厚は、例えば、5μm以上50μm以下がよく、好ましくは10μm以上40μm以下である。
―画像形成装置、及びプロセスカートリッジ―
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段を備える装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー像の転写後、帯電前の電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー像の転写後、帯電前に電子写真感光体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;電子写真感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための電子写真感光体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、電子写真感光体を備える部分が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。なお、プロセスカートリッジには、電子写真感光体以外に、例えば、帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図2に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
図2におけるプロセスカートリッジ300は、ハウジング内に、電子写真感光体7、帯電装置8(帯電手段の一例)、現像装置11(現像手段の一例)、及びクリーニング装置13(クリーニング手段の一例)を一体に支持している。クリーニング装置13は、クリーニングブレード(クリーニング部材の一例)131を有しており、クリーニングブレード131は、電子写真感光体7の表面に接触するように配置されている。なお、クリーニング部材は、クリーニングブレード131の態様ではなく、導電性又は絶縁性の繊維状部材であってもよく、これを単独で、又はクリーニングブレード131と併用してもよい。
なお、図2には、画像形成装置として、潤滑材14を電子写真感光体7の表面に供給する繊維状部材132(ロール状)、及び、クリーニングを補助する繊維状部材133(平ブラシ状)を備えた例を示してあるが、これらは必要に応じて配置される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の各構成について説明する。
−帯電装置−
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
−露光装置−
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
−現像装置−
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像装置11に使用される現像剤は、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。これら現像剤は、周知のものが適用される。
−クリーニング装置−
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
−転写装置−
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
−中間転写体−
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図3に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。なお、特に断りがない限り「部」は「質量部」を意味する。
[実施例1]
―電子写真感光体の作製―
(硬化樹脂としてポリウレタンを形成するために使用した材料の準備)
・ブチラート樹脂 :エスレックBM−1、積水化学社製
・ブロック化イソシアネート:スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製
(下引層の作製)
表2に示す種類と組成の、顔料、電子輸送材料、及び硬化樹脂を形成するために使用した材料、に加えて、触媒ジオクチルスズジラウレート0.005質量部を、溶媒メチルエチルケトン80mLに溶解、室温で混合し、各実施例および比較例の下引層形成用の塗布液とした。
次に、導電性基体として直径30mm、長さ340mm、肉厚1mmの円筒状アルミニウム基体を準備し、得られた下引層形成用の塗布液を、浸漬塗布法にて、円筒状アルミニウム基体上に塗布し、170℃、40分の乾燥硬化を行い、厚さ18.7μmの下引層を得た。
上記で準備した下引層形成用の塗布液を、浸漬塗布法にて、直径30mm、長さ365mm、肉厚1mmのアルミニウム基材上に塗布し、180℃、30分の乾燥硬化を行い、厚さ25μmの下引層を得た。
(電荷発生層の作製)
電荷発生物質としてのCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10質量部、及びn−酢酸ブチル200質量部からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液にn−酢酸ブチル175質量部、及びメチルエチルケトン180質量部を添加し、攪拌して電荷発生層形成用塗布液を得た。
得られた電荷発生層形成用塗布液を先に円筒状アルミニウム基体に形成した下引層上に浸漬塗布し、常温(25℃)で乾燥して、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
(電荷輸送層の作製)
まず、次のようにして、ポリカーボネート共重合体(1)を得た。
ホスゲン吹込管、温度計及び攪拌機を備えたフラスコに窒素雰囲気下にて1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(以下Zと称する)106.9g(0.398モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(以下BPと称する)24.7g(0.133モル)、ハイドロサルファイト0.41g、9.1%水酸化ナトリウム水溶液825ml(水酸化ナトリウム2.018モル)、塩化メチレン500mlを仕込んで溶解し、攪拌下18〜21℃に保持し、ホスゲン76.2g(0.770モル)を75分要して吹込みホスゲン化反応させた。ホスゲン化反応終了後p−tert−ブチルフェノール1.11g(0.0075モル)および25%水酸化ナトリウム水溶液54ml(水酸化ナトリウム0.266モル)を加え撹拌し、途中トリエチルアミン0.18mL(0.0013モル)を添加し、30〜35℃の温度で2.5時間反応させた。分離した塩化メチレン相を無機塩類及びアミン類がなくなるまで酸洗浄及び水洗した後、塩化メチレンを除去してポリカーボネート共重合体(1)を得た。このポリカーボネートは、ZとBPとの構成単位の比がモル比で75:25であった。
次に、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)25質量部、下記構造式(A)で示す化合物20質量部、及び結着樹脂としてポリカーボネート共重合体(1)(粘度平均分子量:5万)55質量部をテトラヒドロフラン560質量部、トルエン240質量部に加えて溶解し、電荷輸送層用塗布液を得た。この塗布液を電荷発生層上に塗布し、135℃、45分の乾燥を行って膜厚が22μmの電荷輸送層を形成した。
以上のようにして、電子写真感光体を作製した。作製した電子写真感光体を、富士ゼロックス社製 Docucentre−V C7775に装着した。
[実施例2〜10、16〜20及び比較例1〜2]
実施例1において、下引層形成用の塗布液の配合量を、表2及び表3に示す仕様に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、電子写真感光体を得た。比較例2のみ、下引層形成用の塗布液中に電子輸送材料を含まない組成とした。なお、各実施例で用いたPN−3A及びPN−4Aの構造を下記に示す。
[実施例11]
実施例1において、下引層形成用の塗布液の組成と配合量を、下記の仕様に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、電子写真感光体を得た。
―下引層形成用の塗布液の組成―
・顔料 :表2に記載
・電子輸送材料:表2に記載
・硬化樹脂としてポリイミドを形成するために使用した材料
:ポリイミド(ユピア−ST、宇部興産株式会社製)、40質量部
・溶媒 :NMP(和光純薬工業株式会社製)、60質量部
[実施例12]
実施例1において、下引層形成用の塗布液の組成と配合量を、下記の仕様に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、電子写真感光体を得た。
・顔料 :表2に記載
・電子輸送材料:表2に記載
・硬化樹脂としてエポキシ樹脂を形成するために使用した材料
:エポキシ樹脂(1001B80、三菱ケミカル株式会社製)
40質量部
・溶媒 :メチルエチルケトン(和光純薬工業株式会社製)、60質量部
[実施例13]
実施例1において、下引層形成用の塗布液の組成と配合量を、下記の仕様に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、電子写真感光体を得た。
・顔料 :表2に記載
・電子輸送材料:表2に記載
・硬化樹脂としてフェノール樹脂を形成するために使用した材料
:フェノール樹脂(WR−103、DIC社製)、40質量部
・溶媒 :シクロヘキサノン(和光純薬工業株式会社製)、60質量部
[実施例14]
実施例1において、下引層形成用の塗布液の組成と配合量を、下記の仕様に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、電子写真感光体を得た。
・顔料 :表2に記載
・電子輸送材料:表2に記載
・硬化樹脂としてユリア樹脂を形成するために使用した材料
:ユリア樹脂(リードライト、株式会社台和製)、40質量部
・溶媒 :酢酸ブチル(和光純薬工業株式会社製)、60質量部
[実施例15]
実施例1において、下引層形成用の塗布液の組成と配合量を、下記の仕様に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、電子写真感光体を得た。
・顔料 :表2に記載
・電子輸送材料:表2に記載
・硬化樹脂としてメラミン樹脂を形成するために使用した材料
:メラミン樹脂(MX−730、株式会社三和ケミカル製)、40質量部
・溶媒 :2-プロパノール(和光純薬工業株式会社製)、60質量部
[比較例3]
実施例1において、下引層形成用の塗布液の組成と配合量を、下記の仕様に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、電子写真感光体を得た。
・顔料 :表3に記載
・電子輸送材料:表3に記載
・硬化樹脂としてポリエチレンを形成するために使用した材料
:ポリエチレン(ネオゼックス、日本ゼオン株式会社製)、40質量部
・溶媒 :トルエン(和光純薬工業株式会社製)、60質量部
[評価]
各例で得られた電子写真感光体について、次の評価を実行した。評価結果を、表2及び表3に示す。
―残留電位の評価―
電子写真感光体の電気特性は、表面電位計(トレック社製、トレック334)を用いて、電子写真感光体の表面から1mm離れた位置に測定対象の領域に表面電位プローブを設け、除電した後の残留電位を測定し、初期の残留電位(初期残留)、及び各環境70,000枚出力後の残留電位(長期残留)を算出した。
各残留電位について、以下の評価基準で評価し、評価結果を表2及び表3に記載した。
A+: 20V未満
A : 20V以上40V未満
B : 40V以上80V未満
C : 80V以上
―体積抵抗率の評価―
下引層の体積抵抗率は、発明を実施するための形態に記述の方法にしたがって、測定した。各体積抵抗率について、以下の評価基準で評価し、評価結果を表2及び表3に記載した。
A+: 1.0×10(Ω/m)以上1.0×1010(Ω/m)以下
A : 1.0×1010(Ω/m)超え1.0×1011(Ω/m)以下
B : 1.0×1011(Ω/m)超え1.0×1013(Ω/m)以下
C : 1.0×1013(Ω/m)超え
―膜厚ムラの評価―
アルミ基板(3×3cm)の上に、各実施例及び比較例と同じ条件で下引層を形成した。形成した下引き層において、アルミ基板の中心と、縦横方向に、それぞれ±1cm動かした合計5箇所について、渦電流膜厚計を用いて膜厚測定を行った。その後、5箇所の膜厚のうち、最大と最小の膜厚差について、以下の基準で評価し、評価結果を表2に記載した。
A+:0.0μm以上2.0μm未満
A :2.0μm以上3.0μm未満
B :3.0μm以上5.0μm未満
C :5.0μm以上
上記結果から、本実施例の電子写真感光体は、比較例の電子写真感光体に比べ、繰り返し画像を形成したときに生じる残留電位の上昇を抑制していることがわかった。具体的に、硬化樹脂と、下引層に対する総含有量が50質量%以上の顔料と、一般式(ET)に示す電荷輸送材料と、を含んで構成される下引層を用いた各実施例の電子写真感光体では、初期残留電位および長期残留電位が低い結果が得られている。また、体積抵抗率を1.0×10(Ω/m)以上10×1010(Ω/m)以下とすることでも、初期残留電位および長期残留電位が低い結果が得られている。
一方、硬化樹脂と、顔料と、のみを含んで構成される下引層を用いた比較例2の電子写真感光体では、繰り返し画像を形成したときに生じる残留電位が、初期、長期共に高い傾向にあった。
同様に、本実施形態に係る構成を有さない、すなわち、硬化樹脂の代わりに熱可塑性の樹脂であるポリエチレンを用いた比較例3の電子写真感光体、及び、下引層に対する顔料の総含有量が50質量%未満である比較例1の電子写真感光体においても、繰り返し画像を形成したときに生じる残留電位が、初期、長期共に高い傾向にあった。
また、本実施形態に係る構成を持たない比較例1〜3では、体積抵抗率が、1.0×10(Ω/m)以上10×1010(Ω/m)以下の範囲になかった。
また、下引層の顔料として、一般式(QP)、一般式(PP)又は一般式(PN)で表される顔料を用いた各実施例の電子写真感光体では、繰り返し画像を形成したときに生じる残留電位の上昇が抑制された結果が得られた。
また、ポリイミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、及びメラミン樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種を用いた各実施例の電子写真感光体においても、繰り返し画像を形成したときに生じる残留電位の上昇が抑制された結果が得られた。
1 下引層、2 電荷発生層、3 電荷輸送層、4 導電性基体、7A,7 電子写真感光体、8 帯電装置、9 露光装置、11 現像装置、13 クリーニング装置、14 潤滑剤、40 転写装置、50 中間転写体、100 画像形成装置、120 画像形成装置、131 クリーニングブレード、132 繊維状部材(ロール状)、133 繊維状部材(平ブラシ状)、300 プロセスカートリッジ

Claims (12)

  1. 導電性基体と、
    前記導電性基体上に設けられた下引層であって、硬化樹脂と、多環キノン系顔料及びペリレン系顔料よりなる群から選択される少なくとも1種の顔料と、下記一般式(ET)で示される電子輸送材料と、を含み、下引層に対する前記顔料の総含有量が50質量%以上である下引層と、
    前記下引層上に設けられた感光層と、
    を有する電子写真感光体。

    (一般式(ET)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R18は、アルキル基、−L19−O−R20、アリール基、又はアラルキル基を示す。ただし、L19はアルキレン基を示し、R20はアルキル基を示す。)
  2. 導電性基体と、
    前記導電性基体上に設けられた下引層であって、硬化樹脂と、多環キノン系顔料及びペリレン系顔料よりなる群から選択される少なくとも1種の顔料と、下記一般式(ET)で示される電子輸送材料と、を含み、下引層の体積抵抗率が1.0×10(Ω/m)以上10×1010(Ω/m)以下である下引層と、
    前記下引層上に設けられた感光層と、
    を有する電子写真感光体。

    (一般式(ET)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R18は、アルキル基、−L19−O−R20、アリール基、又はアラルキル基を示す。ただし、L19はアルキレン基を示し、R20はアルキル基を示す。)
  3. 前記多環キノン系顔料が、下記一般式(QP)で示される顔料である請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。

    (一般式(QP)中、RQ1、RQ2、RQ3、RQ4、RQ5、RQ6、RQ7、RQ8、RQ9、及びRQ10は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基、又はアリール基を表す。)
  4. 前記一般式(QP)において、RQ1、RQ2、RQ3、RQ4、RQ5、RQ6、RQ7、RQ8、RQ9、及びRQ10は、各々独立に、水素原子、又はハロゲン原子を表す請求項3に記載の電子写真感光体。
  5. 前記ペリレン系顔料が、下記一般式(PP)で示される顔料及び一般式(PN)で示される顔料からなる群より選択される少なくとも1種以上である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。

    (一般式(PP)中、RP1、及びRP2は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ニトロ基、又は−L―Xを表す。Lは、アルキレン基を表し、Xはアリール基を表す。
    一般式(PN)中、ArN1及びArN2は、各々独立に、炭素数5以上18以下の2価の芳香族環を表す。)
  6. 前記一般式(PP)において、RP1、及びRP2が、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はアルキル基を表す請求項5に記載の電子写真感光体。
  7. 前記一般式(PN)において、ArN1及びArN2が、各々独立に、炭素数5以上14以下の2価の芳香族環を表す請求項5に記載の電子写真感光体。
  8. 前記一般式(ET)において、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はアルキル基を示し、R18は、アルキル基を示す請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  9. 前記硬化樹脂が、ポリイミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、及びメラミン樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  10. 前記硬化樹脂が、ポリイミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、及びフェノール樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項9に記載の電子写真感光体。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
    画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
  12. 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    を備える画像形成装置。
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