以下、図面を参照して実施形態について説明する。図面において、同一の機能及び構成要素については、同一符号を付して説明を省略するか、又は、簡単に説明を行う。
[着信通知システムの構成]
図1は、第1、第2の実施形態に適用される着信通知システムの一例を示している。
着信通知システム10は、発信元電話機30と通信可能に接続されている。着信通知システム10は、例えばPBX20と、内線電話機40と、情報処理装置60とを備える。
例えば、PBX20は、後述する内線電話番号等の交換機情報D1を記憶する図示せぬ記憶装置を備えており、交換機情報D1に基づき、公衆回路網50に接続された外線としての発信元電話機30と、内線電話機40としての第1の電話機41、第2の電話機42とを選択的に接続する機能を有している。
さらに、PBX20は、発信元電話機30からの発信に対して第2の電話機42を呼び出し、第2の電話機42が不応答の場合、第2の電話機42の着信を第1の電話機41に転送する機能を有している。
なお、PBX20は、例えば、複数の内線電話機を複数の外線電話機に順番に繋ぐシステムを備えていてもよいし、内線番号を複数の内線電話機に付与するシステムを備えていてもよい。
本実施形態において、PBX20は、特殊な構成、アプリケーション、機能などを搭載しない汎用的なPBXでもよい。PBX20の種別、機能は限定されず、自由に変更可能である。本実施形態において、PBX20が汎用の装置であっても、着信通知システム10は、目的の機能を実行することが可能であり、本実施形態の作用・効果を実現できる。
PBX20としては、例えばFMC(Fixed Mobile Convergence)−PBX又はIP(Internet Protocol)−PBXを適用することが可能である。
内線電話機40は、例えば第1の電話機41、第2の電話機42を含んでいる。第1の電話機41は、電話機能を備える各種の装置であり、例えばスマートフォンなどの携帯端末である。第1の電話機41が携帯端末の場合、第1の電話機41の使用位置は、自由に変更可能である。第2の電話機42は、電話機能を備える各種の装置であり、例えば固定の内線電話機である。
第1の電話機41は、例えばスマートデバイス(スマートフォン)、携帯電話、及び通話機能を有するPDA(Personal Data Assistance)、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット型端末などを含む。第1の電話機41は、例えばPBX20及び公衆回線網を経由する通話機能に加えて、インターネット等のネットワークを経由する通信機能を備えている。第1の電話機41は、端末識別ID、及び内線番号などの固有の番号を有する。端末識別IDは、製造番号などであり、第1の電話機41を特定する。内線番号は、任意の番号であり、第1の電話機41又は第1の電話機41のユーザに割り当てられている。なお、内線番号は、第1の電話機41のユーザの所属に対応付けられており、ユーザの所属するグループの識別に用いられてもよい。
第2の電話機42は、後述するように、使用形態によって省略可能である。
情報処理装置60は、例えばCTI(Computer Telephony Integration)装置61、データサーバ62、及び通知サーバ63を備えている。
CTI装置61は、CTIエンジンを含むサーバ装置であり、インターフェース(I/F)を介して、PBX20、データサーバ62、通知サーバ63、及び第1の電話機41と通信することが可能である。
本実施形態は、CTI装置61の機能に特徴があり、上述のように、PBX20自体は、一般的なPBXでよい。
CTI装置61は、PBXの機能を備えず、PBX20の発信及び着信のコールイベントを取得して各種の動作を実行する。
CTI装置61は、例えばPBX20の着信のコールイベントを取得すると、PBX20から送信される着信通知に基づきデータサーバ62から後述する着信情報D2を取得し、着信情報D2を第1の電話機41や通知サーバ63に通知するなどの動作を実行する。着信通知は、例えば発信元電話機30の電話番号を含むとする。
なお、CTI装置61は、例えば発信元電話機30からPBX20への着信を検知し、この検知結果に基づいて、データサーバ62から着信情報D2を取得してもよい。
さらに、CTI装置61は、発信元電話機30からPBX20経由で第1の電話機41が着信を受けた場合に、第1の電話機41がPBX20経由で着信を受けたことを認識可能な情報がPBX20から第1の電話機41へ提供されない場合、PBX20経由の着信であることを示す情報を第1の電話機41へ送信してもよい。
CTI装置61は、クラウドなどのWeb上のネットワーク70に接続されていてもよい。
データサーバ62は、例えば着信情報D2及び各種の情報を記憶する。
データサーバ62は、物理的にCTI装置61に内包されていてもよい。
通知サーバ63は、インターフェース(I/F)を介して、第1の電話機41と通信することが可能であり、CTI装置61から受信した例えば着信情報D2などを第1の電話機41に送信することが可能である。
通知サーバ63は、データサーバ62と同様に物理的にCTI装置61に内包されていてもよい。また、通知サーバ63は、省略することも可能である。
図2は、図1に示す第1の電話機41の構成を概略的に示している。
第1の電話機41は、第1の不揮発性メモリ41a、プロセッサ41b、第1の揮発性メモリ41c、通信装置41d、表示装置41e、入力装置41f、及び通話装置41gなどを備える。
第1の不揮発性メモリ41aは、例えばフラッシュメモリなどにより構成され、第1の揮発性メモリ41cと供に記憶領域を構成する。
第1の不揮発性メモリ41aは、各種ソフトウェア、例えば、オペレーティングシステム(OS)、ブラウザ、メーラー、及び各種アプリケーションプログラムなどを記憶している。第1の不揮発性メモリ41aは、プログラムP1を記憶する。
プロセッサ41bは、各種ソフトウェア(プログラム)を実行し、第1の電話機41全体を制御する。プロセッサ41bは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Microprocessor Unit)、DSP(Digital Signal Processing)などである。
プロセッサ41bは、例えば、第1の不揮発性メモリ41a、又は、第1の不揮発性メモリ41aから第1の揮発性メモリ41cに移されたプログラムPを実行することにより、例えば、着信情報受信部411、着信情報記憶部412、着信情報表示部413、情報削除部414として機能する。
着信情報受信部411は、通信装置41dを用いて、CTI装置61から着信情報を受信するための処理を実行する。
着信情報記憶部412は、受信した着信情報を、第1の揮発性41cにおける連絡先記録部415に記憶する。
着信情報表示部413は、第1の電話機41が着信を受けた場合に、通話状態となる前に、着信情報記憶部412に記憶されている着信情報を表示装置41eにより表示するための処理を実行する。
情報削除部414は、例えば、着信情報表示部413によって着信情報を表示した後、又は、通話が終了した後、連絡先記録部415から着信情報を削除する。
メインメモリとしての第1の揮発性メモリ41cは、例えばRAM(Random Access Memory)により構成され、ワークエリアなどとして使用される。ワークエリアは、プロセッサ41bが各種ソフトウェアを実行する時に使用される。
第1の揮発性メモリ41cは、例えば後述する連絡先記録部415を有している。連絡先記録部415は、例えば発信元の電話番号などを一時的に記憶する領域であり、連絡先記録部415にCTI装置61から送信される着信情報が記憶される。連絡先記録部415は、例えば、第1の電話機41に備えられている電話帳機能により管理及び制御されてもよい。連絡先記録部415は、例えば、第1の不揮発性メモリ41aに含まれていてもよい。
通信装置41dは、ネットワークを経由した各種サーバ装置との通信、及びCTI装置61との通信を制御する。通信装置41dは、例えば無線LANなどの無線通信機能を備えてもよい。
表示装置41eは、図示せぬ駆動回路を備え、着信情報などの各種情報を表示する。
入力装置41fは、携帯端末としての第1の電話機41が例えばスマートフォンの場合、スクリーンキーボード又はタッチセンサであり、第1の電話機41が通話機能を有する例えばタブレット型端末の場合、例えばマウスを含んでもよい。
通話装置41gは、第1の電話機41により通話するための装置であり、図示せぬマイクロホン及びスピーカを含む。
図3は、図1に示すCTI装置61の構成を概略的に示している。
CTI装置61は、第2の不揮発性メモリ61a、プロセッサ61b、第2の揮発性メモリ61c、及び通信装置61dなどを備える。
第2の不揮発性メモリ61aは、例えばハードディスク又はSSD(Solid State Drive)により構成され、各種ソフトウェアやデータを記憶する。各種ソフトウェアは、オペレーティングシステム(OS)、データ管理プログラム、及び各種アプリケーションプログラム等を含む。第2の不揮発性メモリ61aは、プログラムP2を記憶する。
プロセッサ61bは、各種ソフトウェア(プログラム)を実行し、CTI装置61全体を制御する。プロセッサ61bは、例えば、CPU、MPU、DSPなどである。
プロセッサ61bは、例えば、第2の不揮発性メモリ61a、又は、第2の不揮発性メ
モリ61aから第2の揮発性メモリ61cに移されたプログラムP2を実行することにより、例えば、着信通知受信部611、着信情報取得部612、着信情報送信部613として機能する。
着信通知受信部611は、通信装置61dを用いて、PBX20から着信通知を受信するための処理を実行する。
着信情報取得部612は、PBX20から着信情報を受信した場合に、データサーバ62を参照し、発信元電話機30に関する着信情報を取得する。
本実施形態では、発信元電話機30からPBX20経由で第1の電話機41が着信を受けた場合に、第1の電話機41がPBX20経由で着信を受けたことを認識可能な情報がPBX20から第1の電話機41へ提供されない場合、着信情報取得部612は、PBX20経由の着信であることを示す情報を、着信情報に含めてもよい。
例えば、着信情報取得部612は、第1の電話機41が発信元電話機30からPBX20を経由し、転送ではなく直接着信を受けた場合、PBX20経由であることを示す情報を、着信情報に含める。PBX20経由であることを示す情報としては、例えば、PBX20に対応する電話番号が用いられてもよく、第1の電話機41に対応する内線番号が用いられてもよい。
着信情報送信部613は、自発的に、又は、第1の電話機41から問い合わせを受信した場合に、通信装置61dを用いて、着信情報を、第1の電話機41に送信するための処理を実行する。
メインメモリとしての第2の揮発性メモリ61cは、例えばRAMにより構成され、例えばワークエリアなどとして使用される。ワークエリアは、プロセッサ61bが各種ソフトウェアを実行する時に使用される。
通信装置61dは、第1の電話機41、PBX20、データサーバ62、及び通知サーバ63と通信する。通信装置61dは、例えば無線LAN等の無線通信機能を備えてもよい。
その他、CTI装置61は、表示装置及び入力装置などを備えてもよい。
図4は、PBX20に格納され、PBX20の内線情報等を管理する交換機情報D1の一例を示している。
交換機情報D1は、例えば、PBX11の電話番号(例えば代表番号など)、第2の電話機42の内線番号、携帯端末としての第1の電話機41の電話番号を、互いに関連付けている。交換機情報D1により、内線番号と第1の電話機41との対応関係が管理される。交換機情報D1の内容は、これに限定されるものではなく、変形可能である。
図5は、データサーバ62に格納される着信情報D2の一例を示す図である。
着信情報D2は、例えば発信元電話機30などの発信元電話機の電話番号、発信元の名称としてのユーザ名、及びユーザ名に関連する会社名、部署名を含んでいる。すなわち、着信情報D2は、発信元電話機30の電話番号に対応して発信元電話機30のユーザを特定する情報を管理している。着信情報D2の内容は、これに限定されるものではなく、適宜変形可能である。
上記構成において、動作について説明する。
着信通知システム10は、CTI装置61から携帯端末としての第1の電話機41への通知型アプローチ(第1の動作形態)と、第1の電話機41からCTI装置61への問い合わせ型アプローチ(第2の動作形態)を有している。通知型アプローチと、問い合わせ型アプローチは、第1の電話機41にインストールされているOSの特性により使い分けてもよい。OS又はプログラムP1は、第1の電話機41からCTI装置61をアクセスした際に、通知型アプローチと問い合わせ型アプローチとを切り替え可能であり、アプローチの切り替え指示をCTI装置61に送信してもよい。この場合、CTI装置61は、第1の電話機41からの切り替え指示に応じて、通知型アプローチと問い合わせ型アプローチとを切り替える。
(第1の実施形態)
(通知型アプローチ)
CTI装置61から携帯端末としての第1の電話機41への通知型アプローチには、PBXへの着信を固定の内線電話に送信したが内線電話が不応答であるため携帯端末に転送する場合(転送呼出し動作と称す)と、PBXへの着信に基づいて携帯端末を直接呼び出す場合(直接呼出し動作と称す)とがある。
(転送呼出し動作)
先ず、図6を参照して、固定内線電話への着信を携帯端末に転送する転送呼出し動作について説明する。
尚、第1の電話機41内の第1の揮発性メモリ41cに設けられた連絡先記録部415には、一例として説明を簡略化するために何も登録されていないものとする。また、第1の電話機41は、公衆回線による接続、FMC接続、IP接続のいずれもが使用可能とする。
第1の電話機103aは、CTI装置61と通信可能なプログラムP1を起動してCTI装置61とTCPレベルの接続を確立し、ユーザ固有の識別情報及びパスワードによって認証処理を行う。認証後、第1の電話機103aは、プログラムP1によりCTI装置61へ永続型のソケット接続を行い、第1の電話機103aのプログラムP1とCTI装置61との間で通信状態を維持する。すなわち、第1の電話機103a内のプログラムP1は、CTI装置61との永続型ソケット接続を監視し、接続が切断された場合、自発的に再接続する。さらに、プログラムP1は、通知型アプローチと問い合わせ型アプローチとのうちのどちらを使用するかを指定するコマンドを、CTI装置61へ送信する。このコマンドに応じて、CTI装置61のプログラムP2は、動作を切り替える。
上記状態において、発信元電話機30からPBX20の電話番号が発信され(ステップS11)、PBX20に着信すると(ステップS12)、PBX20は、CTI装置61に着信通知を送信する(ステップS13a)。この着信通知は、発信元電話機30の電話番号、例えば“03−1111−1111”、発信元の名称、発信先電話番号“03−5000−0001”などを含んでいる。
さらに、PBX20は、例えば発信元電話機30のユーザの要求に応じて、内線電話としての第2の電話機42に着信通知を送信して第2の電話機42を呼び出す(ステップS13b)。
CTI装置61は、PBX20からの着信通知を受信すると、着信通知に基づきデータサーバ62内の着信情報D2を取得(検索)し(ステップS14)、発信元電話機30の電話番号に対応する着信情報、例えば会社名を取得する(ステップS15)。
CTI装置61は、取得した会社名と発信元電話機30の電話番号、及びPBX20の電話番号(PBX20を経由した着信であることを示す情報)を第1の電話機41に通知する(ステップS16)。
尚、CTI装置61と第1の電話機41との接続が切断されている場合、CTI装置61は、図1に示す例えば通知サーバ63へ会社名と発信元電話機30の電話番号、及びPBX20の電話番号(着信番号)を送信し、通知サーバ63から、会社名と発信元電話機30の電話番号、及びPBX20の電話番号が第1の電話機41に送信される。
第1の電話機41は、PBX20の電話番号に対応して、発信元電話機30の電話番号と会社名とを図2に示す第1の揮発性メモリ41cの連絡先記録部415に記憶する(ステップS17)。
具体的には、2件の連絡先が第1の揮発性メモリ41cの連絡先記録部415に記憶される。すなわち、1件目の連絡先として、例えばPBX20の電話番号“03−5000−0001”に対応して、発信元電話機30の電話番号“03−1111−1111”、会社名“株式会社TA様”が第1の揮発性メモリ41cの連絡先記録部415に記憶される。
さらに、2件目の連絡先として、例えば発信元電話機30の電話番号“03−1111−1111”、会社名“株式会社TA様”が第1の揮発性メモリ41cの連絡先記録部415に記憶される。
一方、ステップS13において呼び出された第2の電話機42が応答しない場合(ステップS18)、PBX20は、例えば交換機情報D1に基づき、内線番号に対応する携帯端末の電話番号を取得し、この携帯端末の電話番号により、第1の電話機41に着信を転送し、第1の電話機41を呼び出す(ステップS19)。
第1の電話機41は、着信が発生すると、第1の揮発性メモリ41cの連絡先記録部415に第1の連絡先として記憶されたPBX20の電話番号“03−5000−0001”、発信元電話機30の電話番号“03−1111−1111”、会社名“株式会社TA様”を表示装置41eに表示する(ステップS20)。
図7(a)は、第1の電話機41の表示の一例を示している。表示装置41eには、PBX20の電話番号“03−5000−0001”、会社名“株式会社TA様”、 発信元電話機30の電話番号“03−1111−1111”が表示されている。このため、第1の電話機41のユーザは、この着信がPBX20を介して転送されてきたものと認識することができる。
さらに、表示装置41eには、操作ボタン41hが表示されている。
この後、表示装置41eに表示された操作ボタン41hを操作して応答を指示すると、第1の電話機41と発信元電話機30とが接続され、通話可能な状態となる(ステップS21)。
第1の電話機41は、発信元電話機30との通話が終了し(ステップS22)、予め定められた時間が経過すると、第1の揮発性メモリ41cの連絡先記録部415に記憶された1件目の情報のうち、例えばPBX20の電話番号、“03−5000−0001”と発信元電話機30の電話番号“03−1111−1111”を消去する(ステップS23)。
尚、データサーバ62に、発信元の着信情報が未登録であり、ステップS15において、発信元の会社名を取得することができなかった場合、第1の電話機41は、表示装置41eにステップS20で表示した内容とは異なる内容を表示してもよい。具体的には、例えば、第1の電話機41は、クラウドなどのWebネットワークから着信情報に係る情報を取得し、この情報を表示装置41eに表示してもよい。
また、ステップS23に示す着信情報の消去は、通話開始、通話中、又は、通話終了後のどのタイミングで行ってもよい。さらに、着信情報の消去は、第1の電話機41が自動的に行ってもよいし、ユーザが任意のタイミングで行ってもよい。
上記の図6において、PBX20がCTI装置61へ着信通知を送信してからCTI装置61が第1の電話機41へ着信情報を送信するまでの処理(S13a,S14、S15,S16)と、PBX20が第2の電話機42を呼び出してから第1の電話機41を呼び出すまでの処理(S13b,S18,S19)とは、並列に実行されてもよい。具体的には、PBX20は、例えば、CTI装置61へ着信通知を送信することと、第2の電話機42を呼び出すこととを、ほぼ同時に実行してもよい。あるいは、PBX20は、例えば、CTI装置61へ着信通知を送信することと、第1の電話機41を呼び出すこととを、ほぼ同時に実行してもよい。換言すれば、PBX20の呼制御とCTI装置61の処理とは、並列に実行されてもよい。
(直接呼出し動作)
次に、図8を参照して、CTI装置61から携帯端末としての第1の電話機41への通知型アプローチにおいて、PBX20への着信に対して携帯端末を直接呼び出す直接呼出し動作について説明する。
図8において、ステップS11からS17までの動作は、転送呼出し動作とほぼ同様である。すなわち、PBX20が発信元電話機30からの発信を受けると(ステップS11、S12)、PBX20は、CTI装置61に着信通知を送信する(ステップS13a)。
CTI装置61は、着信通知に基づきデータサーバ62内の着信情報D2を取得し、発信元電話機30の電話番号に対応する例えば会社名を取得する(ステップS15)。
CTI装置61は、取得した会社名と発信元電話機30の電話番号、及びPBX20の電話番号を第1の電話機41に通知する(ステップS16)。
第1の電話機41は、PBX20の電話番号に対応して、発信元電話機30の電話番号と会社名とを図2に示す第1の揮発性メモリ41cの連絡先記録部415に記憶する(ステップS17)。
一方、PBX20は、発信元電話機30からの発信を受け、例えば内線番号に対応する第1の電話機41の電話番号が指定されると、第1の電話機41を直接呼び出す(ステップS13c)。
第1の電話機41は、着信が発生すると、第1の揮発性メモリ41cの連絡先記録部415に第1の連絡先として記憶された発信元電話機30の電話番号“03−1111−1111”、会社名“株式会社TA様”を表示装置41eに表示する(ステップS20)。
図7(b)は、第1の電話機41の表示の一例を示している。表示装置41eには、発信元の会社名“株式会社TA様”、発信元電話機30の電話番号“03−1111−1111”が表示されている。このため、第1の電話機41のユーザは、例えば、第1の電話機41に登録されていない発信元からの電話であるのに発信元が表示されることによりPBX20を介した着信であることを認識することができ、転送が発生することなくPBX20が第1の電話機41を直接呼び出したことを認識することができる。
また、例えば、表示装置41eは、PBX20を経由した着信の場合には、例えば、転送の場合と別形態でPBX20の電話番号又は内線番号を表示するなど、PBX20を経由した着信であることを示す情報を表示する。これにより、第1の電話機41のユーザは、PBX20を経由した着信であるか、又は、PBX20を経由することなく直接第1の電話機4が呼ばれた着信であるか、認識することができる。
この後、表示装置41eに表示された操作ボタン41hを操作して応答を指示すると、第1の電話機41が発信元電話機30と接続され、通話可能な状態となる(ステップS21)。
第1の電話機41は、例えば、発信元電話機30との通話が終了し、予め定められた時間が経過すると(ステップS22)、第1の揮発性メモリ41cの連絡先記録部415に記憶された例えばPBX20の電話番号“03−5000−0001”と発信元電話機30の電話番号“03−1111−1111”を消去する(ステップS23)。
上記の図8において、PBX20がCTI装置61へ着信通知を送信してからCTI装置61が第1の電話機41へ着信情報を送信するまでの処理(S13a,S14,S15,S16)と、PBX20が第1の電話機41を呼び出す処理(S13c)とは、並列に実行されてもよい。具体的には、PBX20は、例えば、CTI装置61へ着信通知を送信することと、第1の電話機41を呼び出すこととを、ほぼ同時に実行してもよい。換言すれば、PBX20の呼制御とCTI装置61の処理とは、並列に実行されてもよい。
第1の実施形態によれば、PBX20に着信があった場合、CTI装置61は、データサーバ62から着信情報を取得して第1の電話機41に送信し、携帯端末としての第1の電話機41は、PBX20から着信があると、発信元電話機30と通話を開始する前に、CTI装置61から通知された着信情報を表示装置41eに表示する。このため、第1の電話機41のユーザは、PBX20からの転送呼出しの場合、及びPBX20から非転送の直接呼出しの場合であっても、発信元電話機30のユーザを認識することができる。したがって、第1の電話機41のユーザは、発信元電話機30のユーザを認識した後、発信元電話機30のユーザと通話を開始することが可能である。
第1の実施形態によれば、第1の電話機41のユーザは、PBX20を経由した着信であるか、又は、PBX20を経由することなく直接第1の電話機4が呼ばれた着信であるか、認識することができる。
また、データサーバ62に格納された着信情報は、CTI装置61が取得してPBX20の動作とは関係なく第1の電話機(携帯端末)41に通知する。このため、PBX20の機能を変更する必要がなく、既存のPBXを使用することが可能である。
(第2の実施形態)
(問い合わせ型アプローチ)
次に、CTI装置61から携帯端末としての第1の電話機41への問い合わせ型アプローチについて説明する。通知型アプローチの場合、第1の電話機41内の第1の揮発性メモリ41cに設けられた連絡先記録部415を有していたが、問い合わせ型アプローチの場合、連絡先記録部415は、省略可能である。
問い合わせ型アプローチにおいても、転送呼出し動作と、直接呼出し動作とがある。
(転送呼出し動作)
先ず、図9、10を参照して、転送呼出し動作について説明する。
図9に示す問い合わせ型アプローチの転送呼出し動作において、ステップS11〜S15までの動作は、通知型アプローチとほぼ同様である。通知型アプローチの場合、CTI装置61により取得された着信情報は、CTI装置61によって自発的に第1の電話機に41に送信された。これに対して、問い合わせ型アプローチの場合、CTI装置61により取得された着信情報は、第1の電話機41から送信依頼が送られてから第1の電話機41に送信される。
具体的には、発信元電話機30の発信をPBX20が受け、第2の電話機42を呼び出して不応答の場合、PBX20は第1の電話機41を呼び出す(S13b、S18、S19)。
第1の電話機41は、PBX20からの呼び出しを受けると、表示装置41eにPBX20から送信されたPBX20の電話番号“03−5000−0001”を表示する(S31)。
図10(a)は、表示装置41eにPBX20の電話番号“03−5000−0001”が表示された状態を示している。これにより、第1の電話機41のユーザは、会社の内線電話がPBX20により転送されてきたことを認識することができる。しかし、この時点において、誰からの着信か認識することができない。
この後、第1の電話機41は、CTI装置61に着信情報の送信を依頼する(ステップS32)。すなわち、第1の電話機41は、着信番号“03−5000−0001”に対応する着信情報の送信を依頼する。
CTI装置61は、ステップS15において取得した着信番号“03−5000−0001”と対応する着信情報を第1の電話機41に送信する(ステップS33)。
第1の電話機41は、CTI装置61から送信された着信情報を表示装置41eに表示する(ステップS34)。
図10(b)は、表示装置41eに着信情報として、例えば内線番号“200”、発信元の情報“株式会社TA様”が表示された状態を示している。この表示された着信情報より、第1の電話機41のユーザは、この着信が内線番号200から転送されたものであり、発信元が“株式会社TA様”であることを認識することができる。
この後、表示装置41eに表示された操作ボタン41hを操作して応答を指示すると、第1の電話機41は発信元電話機30と接続され、通話可能な状態となる(ステップS21)。
上記の図9において、PBX20がCTI装置61へ着信通知を送信してからCTI装置61がデータサーバ62から着信情報を受信するまでの処理(S13a,S14,S15)と、PBX20が第2の電話機42を呼び出してから第1の電話機41を呼び出すまでの処理(S13b,S18,S19)とは、並列に実行されてもよい。具体的には、PBX20は、例えば、CTI装置61へ着信通知を送信することと、第2の電話機42を呼び出すこととを、ほぼ同時に実行してもよい。あるいは、PBX20は、例えば、CTI装置61へ着信通知を送信することと、第1の電話機41を呼び出すこととを、ほぼ同時に実行してもよい。換言すれば、PBX20の呼制御とCTI装置61の処理とは、並列に実行されてもよい。
(直接呼出し動作)
次に、図11、図12を参照して、問い合わせ型アプローチの直接呼び出し動作について説明する。
図11に示す問い合わせ型アプローチの直接呼び出し動作において、ステップS11〜S13a、S14、S15までの動作は、問い合わせ型アプローチの直接呼出し動作と同様である。この場合も、CTI装置61により取得された着信情報は、第1の電話機41から送信依頼が送られてから第1の電話機41に送信される。
一方、PBX20は、発信元電話機30からの着信に伴い、例えば内線番号に対応する第1の電話機41の電話番号が指定されると、第1の電話機41を直接呼び出す(ステップS13c)。
第1の電話機41は、PBX20からの着信があると、表示装置41eにPBX20から送信された発信元電話機30の電話番号(発信元の電話番号)“03−1111−1111”を表示する(S41)。
図12(a)は、表示装置41eに発信元電話機30の電話番号“03−1111−1111”が表示された状態を示している。これにより、第1の電話機41のユーザは、外線電話がかかってきたことを認識することができる。しかし、この電話番号の情報が第1の電話機41に登録されていないため、表示装置41eに発信元電話機30の情報が表示されない。したがって、この時点において、第1の電話機41のユーザは、PBX20から直接呼び出されたのか、PBX20を経由することなく直接外線がかかってきたのを認識することができない。
この後、第1の電話機41は、CTI装置61に着信情報の送信を依頼する(ステップS42)。すなわち、第1の電話機41は、着信番号“03−1111−1111”をCTI装置61に送信し、この着信番号に対応する着信情報の送信を依頼する。
CTI装置61は、ステップS15において取得した着信番号“03−1111−1111”と対応する着信情報を第1の電話機41に送信する(ステップS43)。
第1の電話機41は、CTI装置61から送信された着信情報を表示装置41eに表示する(ステップS44)。
図12(b)は、表示装置41eに着信情報として、例えば発信元の電話番号“03−1111−1111”、発信元の情報“株式会社TA様”が表示された状態を示している。この表示された着信情報と表示の切り替わりにより、第1の電話機41のユーザは、この着信がPBX20から送信されたものであり、発信元が“株式会社TA様”であることを認識することができる。
また、第1の電話機41は、例えば、着信情報がPBX20を経由した着信であることを示す情報を含む場合に、この情報を表示する。これにより、PBX20を経由した着信であるか、又は、PBX20を経由することなく直接第1の電話機4が呼ばれた着信であるかを示す情報を、認識することができる。
この後、表示装置41eに表示された操作ボタン41hを操作して応答を指示すると、第1の電話機41が1の電話機30と接続され、通話可能な状態となる(ステップS21)。
上記の図11において、PBX20がCTI装置61へ着信通知を送信してからCTI装置61がデータサーバ62から着信情報を受信するまでの処理(S13a,S14,S15)と、PBX20が第1の電話機41を呼び出す処理(S13c)とは、並列に実行されてもよい。具体的には、PBX20は、例えば、CTI装置61へ着信通知を送信することと、第1の電話機41を呼び出すこととを、ほぼ同時に実行してもよい。換言すれば、PBX20の呼制御とCTI装置61の処理とは、並列に実行されてもよい。
上記第2の実施形態によれば、第1の電話機(携帯端末)41は、PBX20から非転送にて直接呼び出された後、発信元電話機30と通話を開始する前に、CTI装置61に着信情報の送信を依頼し、CTI装置61から通知された着信情報を表示装置41eに表示する。そのため、第1の電話機(携帯端末)41のユーザは、PBX20からの転送呼出しの場合、及びPBX20からの非転送による直接呼出しの場合であっても、発信元電話機30のユーザを認識することができる。したがって、第1の電話機41のユーザは、発信元電話機30のユーザを認識した後、発信元電話機(発信元電話機)30のユーザと通話を開始することが可能である。
第1の実施形態によれば、第1の電話機41のユーザは、PBX20を経由した着信であるか、又は、PBX20を経由することなく直接第1の電話機4が呼ばれた着信であるか、認識することができる。
また、第2の実施形態においてもデータサーバ62に格納された着信情報は、CTI装置61が取得して第1の電話機(携帯端末)41に通知する。このため、PBX20の機能を変更する必要がなく、既存のPBXを使用することが可能である。
(第3の実施形態)
第3の実施形態においては、上記第1及び第2の実施形態の変形例について説明する。
第3の実施形態に係るPBX20は、当該PBX20の仮想内線に対する呼び出し(着信又は鳴動)が発生した場合に、仮想内線に対する呼び出しを当該仮想内線に関連付けられている内線番号に対応する呼び出しへ切り替え、切り替え先の内線番号に対応する第1の電話機41を呼び出す。この仮想内線に対する呼び出しから第1の電話機41に対する呼び出しまでの処理と並列して、PBX20が情報提供を行うCTI装置61に着信通知を送信し、CTI装置61が着信通知にしたがってデータサーバ62から発信元電話機30の電話番号に関する情報を取得し、取得した情報を含む着信情報を第1の電話機41に提供する処理を実行する。第1の電話機41は、CTI装置61から受信した着信情報を表示する。
第3の実施形態において、仮想内線とは、PBX20において内線データとして通常の内線と同様に定義・管理されているが、PBX20配下の物理的な電話機(通信装置などのデバイス)に関連付けられていない内線である。仮想内線は、物理的な電話機と関連付けられない場合であっても通常の内線と同様に電話機に近い高機能を持つことも可能である。また、仮想内線は、必ずしもPBX20内でデータのみで定義される必要はなく、PBX20内部に備えられたプログラムを包括した形式で定義されていてもよい。
第3の実施形態において、PBX20は、PBX20に対応する電話番号と、仮想内線の電話番号と、第1の電話機41の電話番号とを関連付けた交換機情報に基づいて、仮想内線に対する呼び出しと並列(ほぼ同時)に、第1の電話機41を呼び出すとしてもよい。
仮想内線の呼び出しに応じて第1の電話機41を呼び出す第1の方式としては、仮想内線呼び出しをトリガとして第1の電話機41をほぼ同時に呼び出す同時呼び出し方式がある。
仮想内線の呼び出しに応じて第1の電話機41を呼び出す第2の方式としては、仮想内線を呼び出したが仮想内線の不応答が検出された場合に第1の電話機41を呼び出す不応答方式がある。
CTI装置61は、PBX20の仮想内線が呼び出された場合に、PBX20から着信通知を受信する。CTI装置61は、仮想内線の呼び出しに対応する着信情報を第1の電話機41に送信する。これにより、PBX20が仮想内線の呼び出しに応じて第1の電話機41を呼び出した場合に、第1の電話機41は着信情報を表示することができる。
第3の実施形態においてPBX20の種類、仮想内線の種類は、様々に変更可能である。第3の実施形態では、図13から図15の3種類のPBX及び3種類の仮想内線を例として説明する
図13は、第3の実施形態に係る着信通知システムの第1の例を示す構成図である。
着信通知システム10Aは、発信元電話機30、PBX20、CTI装置61、データサーバ62、第1の電話機41を備える。なお、サーバ装置がCTI装置61とデータサーバ62とを含むとしてもよい。
発信元電話機30は、公衆回線経由でPBX20へ接続する外部の電話機でもよく、PBX20の配下にあり第1の電話機41と同じ内線グループに属する内部の電話機でもよい。
PBX20は、プロセッサ8と記憶部9とを含む。記憶部9は、プログラムPaと交換機情報Daとを記憶する。第3の実施形態において、PBX20には、仮想内線Vが用意されている。
プロセッサ8は、記憶部9に記憶されているプログラムPaを実行することにより仮想内線Vを用いる交換機制御を行う。この図13では、プロセッサ8内に仮想内線Vが図示されているが、PBX20によっては仮想内線Vがプログラムにより搭載可能である。
交換機情報Daは、PBX20に対応する電話番号(以下、PBX電話番号という)AAと、仮想内線Vの電話番号(仮想内線番号)BBと、第1の電話機41の電話番号CCとを関連付けている。なお、PBX電話番号は複数存在してもよい。複数のPBX電話番号は、個別の仮想内線に割り当てられていてもよい。具体的には、PBX電話番号は、例えば、会社等の代表電話番号でもよいし、社員個人に割り振られた専用の外線番号(ダイヤルイン番号)でもよい。
プロセッサ8は、発信元電話機30からPBX20の仮想内線Vに対する呼び出しを受けると、CTI装置61へ着信通知を送信する。
プロセッサ8は、発信元電話機30からPBX20の仮想内線Vに対する呼び出しを受けると、上記の着信通知の送信と並列して、記憶部9の交換機情報Daを読み出し、仮想内線Vの内線番号BBに関連付けられている電話番号CCを取得し、電話番号CCを用いて第1の電話機41を呼び出す。
CTI装置61は、PBX20から着信通知を受信する。着信通知は、例えば、発信元電話機30の電話番号と呼び出し対象の第1の電話機41の電話番号(発信先の電話番号)CCとを含む。CTI装置61は、例えば、受信した着信通知に基づいてデータサーバ62を参照し、発信元電話機30の電話番号に関する情報を取得し、取得した情報を含む着信情報を呼び出し対象の第1の電話番号41へ送信する。CTI装置61から第1の電話機41への着信情報の送信は、通知型アプローチで行われてもよく、問い合わせ型アプローチで行われてもよい。
第3の実施形態において、CTI装置61又はデータサーバ62は、PBX電話番号を持つとする。例えば、CTI装置61又はデータサーバ62は、PBX電話番号を記憶していてもよい。また、例えば、着信通知がPBX電話番号をさらに含んでおり、CTI装置61は、PBX20から受信した着信通知からPBX電話番号を取得するとしてもよい。
第3の実施形態において、着信情報は、例えば、発信元電話機30の電話番号、呼び出し対象の第1の電話機41の電話番号(内線)、呼び出し対象の第1の電話機41の電話番号に対応するPBX電話番号(外線)、発信元電話機30の電話番号に関する情報(名称等)を含む。
図14は、第3の実施形態に係る着信通知システムの第2の例を示す構成図である。この図14の着信通知システム10Bにおいては、仮想内線Vに対する呼び出しが複数の複数の第1の電話機41_1〜41_nに切り替えられ、複数の第1の電話機41_1〜41_nに対して同時呼び出しが行われる。
着信通知システム10Bは、発信元電話機30、PBX20、CTI装置61、データサーバ62、複数の第1の電話機41_1〜41_nを備える。
記憶部9は、プログラムPbと交換機情報Dbとを記憶する。
プロセッサ8は、記憶部9に記憶されているプログラムPbを実行することにより仮想内線Vを用いる交換機制御を行う。
交換機情報Dbは、PBX20の電話番号AAと、仮想内線Vの電話番号BBと、複数の第1の電話機41_1〜41_nの電話番号CC1〜CCnとを関連付けている。
プロセッサ8は、発信元電話機30からPBX20の仮想内線Vに対する呼び出しを受けると、CTI装置61へ着信通知を送信する。
プロセッサ8は、発信元電話機30からPBX20の仮想内線Vに対する呼び出しを受けると、上記の着信通知の送信と並列して、記憶部9の交換機情報Dbを読み出し、仮想内線Vの内線番号BBに関連付けられている複数の電話番号CC1〜CCnを取得し、電話番号CC1〜CCnを用いて複数の第1の電話機41_1〜41_nの電話番号CC1〜CCnへ一斉に呼び出しを行う。
CTI装置61は、PBX20から着信通知を受信する。着信通知は、例えば、発信元電話番号と着信情報を送信すべき呼び出し対象の第1の電話機41_1の電話番号CC1とを含む。CTI装置61は、受信した着信通知に基づいてデータサーバ62を参照し、発信元電話機30の電話番号に関する情報を取得し、取得した情報を含む着信情報を呼び出し対象の第1の電話番号41_1へ送信する。CTI装置61から第1の電話機41_1への着信情報の送信は、通知型アプローチで行われてもよく、問い合わせ型アプローチで行われてもよい。この図14の例では、着信情報を送信すべき呼び出し対象が第1の電話機41_1である場合を示しているが、着信情報を送信すべき呼び出し対象は第1の電話機41_1〜41_nのうちの複数の電話機でもよく、全ての電話機でもよい。
図15は、第3の実施形態に係る着信通知システムの第3の例を示す構成図である。この図15の着信通知システム10Cにおいては、仮想内線Vに対する呼び出しに応じて、PBX20と呼び出し対象の第1の電話機41との間でリンク接続がなされる。
PBX20と呼び出し対象の第1の電話機41との間でリンク接続がされた場合には、例えば、PBX20から第1の電話機41への呼び出しが行われた後、再度、PBX20へ制御を戻すなど、特殊な呼び出し管理を実行可能である。
着信通知システム10Cのプロセッサ8は、発信元電話機30からPBX20の仮想内線Vに対する呼び出しを受けると、着信通知をCTI装置61へ送信し、当該着信通知の送信処理と並列に、記憶部9の交換機情報Dcを読み出し、仮想内線Vの内線番号BBに関連付けられている電話番号CCを取得し、PBX20と電話番号CCに対応する第1の電話機41との間でリンク接続を確保する処理を実行する。
図16は、第3の実施形態に係る着信通知システムの動作を示す第1のシーケンスチャートである。この図16の動作は、例えば、上記図13の着信通知システム10Aで通知型アプローチを実現する場合に適した動作である。図16では、上記図6に示す第2の電話機42が、仮想内線Vに置き換わっている。
発信元電話機30からPBX20の電話番号が発信され(ステップST11)、PBX20に着信すると(ステップST12)、PBX20は、CTI装置61に着信通知を送信する(ステップST13a)。この着信通知は、発信元電話機30の電話番号“03−1111−1111”、呼び出し対象の第1の電話機41の電話番号“090−9000−9000”などを含んでいる。
着信通知の送信と並列して、PBX20は、仮想内線Vを呼び出す(ステップST13b)。
CTI装置61は、PBX20からの着信通知を受信すると、着信通知に基づきデータサーバ62を検索し(ステップST14)、発信元電話機30の電話番号“03−1111−1111”に対応する情報を取得する(ステップST15)。
CTI装置61は、取得した情報を含む着信情報を第1の電話機41に通知する(ステップST16)。着信情報は、上述したように、例えば、発信元電話機30の電話番号“03−1111−1111”、呼び出し対象の第1の電話機41の電話番号“090−9000−9000”、呼び出し対象の電話番号“090−9000−9000”に対応するPBX電話番号“03−5000−0001”、発信元電話機30の電話番号に関する情報を含む。発信元電話機30の電話番号に関する情報は、例えば、会社名、及びPBX20を経由した着信であることを示す情報を含むとしてもよい。着信情報に含まれているPBX電話番号“03−5000−0001”は、例えば、PBX20を経由した着信であることを示す情報として用いられてもよく、この場合、PBX20を経由した着信であることを示す情報は、発信元電話機30の電話番号に関する情報から削除されてもよい。
第1の電話機41は、着信情報を連絡先記録部415に記憶する(ステップST17)。
ステップST13bにおいて仮想内線Vが応答しないため(ステップST18)、PBX20は、例えば交換機情報Daに基づき、仮想内線Vに対応する電話番号CCを取得し、この電話番号CCにより第1の電話機41に着信を転送し、第1の電話機41を呼び出す(ステップST19)。
第1の電話機41は、着信が発生すると、連絡先記録部415に記憶された着信情報を表示装置41eに表示する(ステップST20)。
上記の図16において第1の電話機41が公衆回線網に接続された外線電話からPBX20経由で呼び出しを受けた場合、第1の電話機41は、PBX20からPBX電話番号“03−5000−0001”を受ける。第1の電話機41は、PBX電話番号“03−5000−0001”を含む着信情報を検索・表示することにより、発信元電話機30の電話番号に関する情報を表示可能である。
第1の電話機41が内線電話からPBX20経由で呼び出しを受けた場合、第1の電話機41は、PBX20から発信元電話機30の電話番号“03−1111−1111”を受ける。第1の電話機41は、発信元電話機30の電話番号“03−1111−1111”を含む着信情報を検索・表示することにより、発信元電話機30に関する情報を表示可能になる。
このように、第1の電話機41は、外線・内線のいずれから呼び出されても情報表示を実現できる。
この後、第1の電話機41に対して応答指示がなされると、第1の電話機41と発信元電話機30とが接続され、通話可能な状態となる(ステップST21)。
第1の電話機41は、発信元電話機30との通話が終了し(ステップST22)、予め定められた時間が経過すると、連絡先記録部415に記憶された着信情報の一部又は全部を消去する(ステップST23)。
尚、ステップST23に示す着信情報の消去は、通話開始、通話中、又は、通話終了後のどのタイミングで行ってもよい。さらに、着信情報の消去は、第1の電話機41が自動的に行ってもよいし、ユーザが任意のタイミングで行ってもよい。
図17は、第3の実施形態に係る着信通知システムの動作を示す第2のシーケンスチャートである。この図17の動作は、例えば、上記図14及び図15の着信通知システム10B,10Bで通知型アプローチを実現する場合に適した動作である。図17では、上記図16におけるステップST18が削除されており、仮想内線Vが不応答であることの通知を待つことなく、仮想内線Vに対する呼び出し(ステップST13b)と並列(ほぼ同時)に、第1の電話機41に対する呼び出しを行う(ステップST19)。
したがって、この図17の動作では、PBX20は、CTI装置61への着信通知の送信(ステップS13a)と、仮想内線の呼び出し(ステップST13b)と、第1の電話機41の呼び出し(ステップST19)とを、並列に実行する。
図18は、第3の実施形態に係る着信通知システムの動作を示す第3のシーケンスチャートである。この図18の動作は、例えば、上記図13の着信通知システム10Aで問い合わせ型アプローチを実現する場合に適した動作である。図18では、上記図9に示す第2の電話機42が、仮想内線Vに置き換わっている。
発信元電話機30の発信をPBX20が受け、仮想内線Vを呼び出して不応答の場合、PBX20は第1の電話機41を呼び出す(ST11,ST13b、ST18、ST19)。
この図18において、PBX20からCTI装置61へ送信される着信通知は、発信元電話機30の電話番号“03−1111−1111”と呼び出し対象の第1の電話機41の電話番号“090−9000−9000”とを含むとする。しかしながら、呼び出し対象の第1の電話機41の電話番号“090−9000−9000”は着信通知に含まれていなくてもよい。
第1の電話機41は、PBX20からの呼び出しを受けると、表示装置41eにPBX20から送信されたPBX20の電話番号“03−5000−0001”を表示する(ST31)。これにより、第1の電話機41のユーザは、会社の内線電話がPBX20により転送されてきたことを認識することができる。しかし、この時点において、誰からの着信か認識することができない。
この後、第1の電話機41は、CTI装置61に着信情報の送信を依頼する(ステップST32)。
上記の図18において、第1の電話機41が内線電話からPBX20経由で呼び出しを受けた場合、第1の電話機41は、PBX20から発信元電話機30の電話番号“03−1111−1111”を受ける。
また、第1の電話機41が公衆回線網に接続された外線電話からPBX20経由で呼び出しを受けた場合、第1の電話機41は、PBX20からPBX電話番号“03−5000−0001”を受ける。
第1の電話機41は、例えば、着信情報の送信をCTI装置61に依頼するとともに、PBX20から発信元電話機30の電話番号“03−1111−1111”を受信した場合には、PBX20から受信した発信元電話機30の電話番号“03−1111−1111”をCTI装置61に送信する。
第1の電話機41は、例えば、着信情報の送信をCTI装置61に依頼するとともに、PBX20からPBX電話番号“03−5000−0001”を受信した場合には、PBX20から受信したPBX電話番号“03−5000−0001”をCTI装置61に送信する。なお、第1の電話機41からCTI装置61へPBX電話番号を送信することは、省略されてもよい。
CTI装置61は、ステップST15において取得した情報を含む着信情報を第1の電話機41に送信する(ステップST33)。
具体的には、CTI装置61は、例えば、第1の電話機41から着信情報の送信の依頼とともに発信元電話機30の電話番号“03−1111−1111”を受信した場合には、発信元電話機30の電話番号“03−1111−1111”に基づいて上記図5の着信情報D2を検索し、着信情報を第1の電話機41に送信する。
CTI装置61は、例えば、第1の電話機41から着信情報の送信の依頼とともにPBX電話番号“03−5000−0001”を受信した(換言すれば、発信元電話機30の電話番号“03−1111−1111”を受信しなかった)場合には、このPBX電話番号“03−5000−0001”の前に受信した着信通知に含まれている発信元電話機30の電話番号“03−1111−1111”に基づいて上記図5の着信情報D2を検索し、着信情報を第1の電話機41に送信する。
このように、第1の電話機41は、外線・内線のいずれから呼び出されても情報表示を実現できる。
第1の電話機41は、CTI装置61から送信された着信情報を表示装置41eに表示する(ステップST34)。
この後、第1の電話機41に対して応答指示がなされると、第1の電話機41と発信元電話機30とが接続され、通話可能な状態となる(ステップST21)。
図19は、第3の実施形態に係る着信通知システムの動作を示す第4のシーケンスチャートである。この図19の動作は、例えば、上記図14及び図15の着信通知システム10B,10Bで問い合わせ型アプローチを実現する場合に適した動作である。図19では、上記図17におけるステップST18が削除されており、仮想内線Vが不応答であることの通知を待つことなく、仮想内線Vに対する呼び出し(ステップST13b)と並列(ほぼ同時)に、第1の電話機41に対する呼び出しを行う(ステップST19)。
したがって、この図19の動作では、PBX20は、CTI装置61への着信通知の送信(ステップS13a)と、仮想内線の呼び出し(ステップST13b)と、第1の電話機41の呼び出し(ステップST19)とを、並列に実行する。
第3の実施形態において、交換機情報Da〜Dcは、PBX20の記憶部9に記憶されている。しかしながら、交換機情報Da〜Dcは、例えば、データサーバ62、CTI装置61などの他の装置に記憶されており、PBX20のプロセッサ8は、データサーバ62、CTI装置61などの他の装置から交換機情報Da〜Dcを読み出すとしてもよい。
以上説明した第3の実施形態に係る着信通知システム10A〜10Bにおいて、PBX20には、CTI装置61が通信可能に接続されており、CTI装置61は、PBX20からの着信通知を受信する。着信通知は、例えば、発信元電話機30の電話番号と、発信先の第1の電話機41の電話番号とを含む。これにより、CTI装置61は、発信元と発信先とを認識可能であり、発信元に関する着信情報をデータサーバ62から取得する。
着信情報は、例えば、発信元電話番号、発信元名称(例えば会社名、部署名、氏名など)、PBX20を経由する呼び出しであることを示す情報、その他の発信元に関わる情報を含むとしてもよい。
通知型アプローチでは、発信元電話機30からPBX20の仮想内線Vが呼び出された場合に、CTI装置61が仮想内線Vに関連付けられた内線番号の第1の電話機41へ着信情報を送信し、第1の電話機41が着信情報を受信し表示する。
問い合わせ型アプローチでは、発信元電話機30からPBX20の仮想内線Vが呼び出された場合に、仮想内線Vに関連付けられた内線番号の第1の電話機41がCTI装置61へ着信情報の問い合わせを行い、当該問い合わせに応じてCTI装置61が仮想内線Vに関連付けられた内線番号の第1の電話機41へ着信情報を送信し、第1の電話機41が着信情報を受信し表示する。
第3の実施形態においては、PBX20がまず仮想内線Vで発信元電話機30からの着信を受けることで、電話番号に統一性を持たすことができ、呼び出し対象となる内線内の電話機の設定と切り替えとを容易に行うことができる。
第3の実施形態においては、第1の電話機41がCTI装置61から受信した着信情報を記憶(登録)する。この着信情報は、例えば、発信元電話機30の電話番号、呼び出し対象の第1の電話機41の電話番号、呼び出し対象の第1の電話機41の電話番号に対応するPBX電話番号、発信元電話機30の電話番号に関する情報を含む。これにより、第1の電話機41が公衆回線網に接続された外線電話により呼び出しを受けた場合、第1の電話機41は、PBX電話番号による呼び出しに応じて発信元電話機30の電話番号に関する情報を表示することができる。第1の電話機41が内線電話により呼び出しを受けた場合、第1の電話機41は、発信元電話機30の電話番号による呼び出しに応じて発信元電話機30の電話番号に関する情報を表示することができる。したがって、第1の電話機41は、外線・内線のいずれから呼び出されても対応可能となる。
第3の実施形態に係る着信通知システム10A〜10Cでは、仮想内線Vを呼び出し、その後第1の電話機41が呼び出される。しかしながら、仮想内線Vが使用できない環境の場合には、仮想内線Vに代えて物理的なデバイスに対応する内線を用いて上記の着信通知システム10A〜10Cと同様の制御を実現してもよい。
なお、本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削減してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合せてもよい。