JP2019050321A - 樹脂封止型電子部品及びその製造方法 - Google Patents

樹脂封止型電子部品及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 リード線根元の屈曲強度が強い樹脂封止型電子部品及びその製造方法を提供すること。【解決手段】 チップ状の電子部品本体2と、電子部品本体に先端側が接続されたリード線5と、電子部品本体を内部に収納する筒状部材3と、リード線の基端側を外部に突出させた状態で電子部品本体と筒状部材との間に充填されて電子部品本体を樹脂材料で封止する樹脂封止部4とを備え、樹脂封止部が、筒状部材の先端開口部を覆って充填されている先端樹脂部4Aと、筒状部材の基端開口部を覆って充填されている基端樹脂部4Bとを有し、基端樹脂部の表面層4bのうち少なくともリード線の周囲が、先端樹脂部の表面層4aよりも柔らかい。【選択図】 図1

Description

本発明は、樹脂封止されリード線を有したサーミスタ素子等の樹脂封止型電子部品及びその製造方法に関する。
従来、サーミスタ素子等の電子部品では、樹脂又は金属キャップに電子部品を入れ、熱硬化樹脂で注型したものや、樹脂で封止された電子部品が一般に知られている。例えば、特許文献1では、チップ状の電子部品本体(サーミスタ素子等)と、電子部品本体を内部に収納する筒状部材と、電子部品本体と筒状部材との間に充填されて電子部品本体を封止する樹脂封止部とを備えた樹脂封止型電子部品が記載されている。
このような電子部品では、電子部品本体に一対のリード線の一端側が接続され、リード線の他端側が封止材から突出した状態で樹脂封止されている。この樹脂封止では、筒状部材内に、リード線が接続された電子部品本体を挿入し、この状態で射出成形金型のキャビティ内にセットし、溶融した樹脂材料をキャビティ内に射出して筒状部材内に充填すると共に樹脂封止部を成形する射出成形工程が行われている。
特開2016−152263号公報
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
リード線を屈曲させた状態で実装する場合を考慮すると、樹脂封止部から突出しているリード線の根元の強度が高いことが要求される。このため、例えば、筒状部材側を固定し、リード線の突出端部に5N(510g)の錘を保持させ、リード線を左右90°方向に屈曲させるリード線屈曲試験などを行って、リード線の根元強度を測定している。しかしながら、上記従来の技術では、溶融した樹脂材料を射出成形した際に、金型に接している表面の樹脂部分が急冷されて内部の柔らかい樹脂部分(以下、コア層という)よりも硬質化した層(以下、スキン層という)になるため、リード線の根元を屈曲させた際にリード線の根元に接触しているスキン層が硬いことで、リード線を曲げた際に根元に強い応力が集中して屈曲強度が弱くなってしまう不都合があった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、リード線根元の屈曲強度が強い樹脂封止型電子部品及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係る樹脂封止型電子部品は、チップ状の電子部品本体と、前記電子部品本体に先端側が接続されたリード線と、前記電子部品本体を内部に収納する筒状部材と、前記リード線の基端側を外部に突出させた状態で前記電子部品本体と前記筒状部材との間に充填されて前記電子部品本体を樹脂材料で封止する樹脂封止部とを備え、前記樹脂封止部が、前記筒状部材の先端開口部を覆って充填されている先端樹脂部と、前記筒状部材の基端開口部を覆って充填されている基端樹脂部とを有し、前記基端樹脂部の表面層のうち少なくとも前記リード線の周囲が、前記先端樹脂部の表面層よりも柔らかいことを特徴とする。
この樹脂封止型電子部品では、基端樹脂部の表面層のうち少なくともリード線の周囲が、先端樹脂部の表面層よりも柔らかいので、比較的柔らかい層でリード線の根元が保護され、リード線を根元で屈曲させてもリード線根元に集中する応力が緩和され、強い屈曲強度を得ることができる。
第2の発明に係る樹脂封止型電子部品は、第1の発明において、前記基端樹脂部の内部で前記リード線が接触している部分が、前記先端樹脂部の表面層よりも柔らかいことを特徴とする。
すなわち、この樹脂封止型電子部品では、基端樹脂部の内部でリード線が接触している部分が、先端樹脂部の表面層よりも柔らかいので、基端樹脂部の表面層だけでなく基端樹脂部の内部の柔らかいコア層でリード線の周囲が覆われていることで、よりリード線の根元に集中する応力が緩和される。
第3の発明に係る樹脂封止型電子部品は、第1又は第2の発明において、前記リード線が、複数の導体線で構成された撚り線と、前記撚り線を覆った絶縁性の被覆部とを備えていることを特徴とする。
すなわち、この樹脂封止型電子部品では、リード線が、複数の導体線で構成された撚り線を備えているので、複数の導体線が撚られていることで、外力が線間摩擦によるすべり変位や熱に変換されることや曲げRが大きくなって、単線に比べて強い屈曲強度が得られる。特に、撚り線の撚りピッチを小さく設定することで、屈曲強度の向上効果をより得ることができる。
第4の発明に係る樹脂封止型電子部品は、第1から第3の発明のいずれかにおいて、前記電子部品本体が、サーミスタ素体であることを特徴とする。
すなわち、この樹脂封止型電子部品では、電子部品本体が、サーミスタ素体であるので、リード線根元の屈曲強度に優れ、高い実装信頼性を有する温度センサが得られる。
第5の発明に係る樹脂封止型電子部品の製造方法は、第1から第4の発明のいずれかの樹脂封止型電子部品の製造方法であって、前記筒状部材内に、前記リード線が接続された前記電子部品本体を挿入し、この状態で射出成形金型のキャビティ内にセットする工程と、溶融した前記樹脂材料を前記キャビティ内に射出して前記筒状部材内に充填すると共に前記樹脂封止部を成形する射出成形工程とを有し、前記射出成形工程が、前記射出後に前記基端樹脂部となる部分で少なくとも前記リード線の根元の周囲に充填される前記樹脂材料の冷却速度を、前記先端樹脂部となる部分よりも低く設定した冷却工程を有していることを特徴とする。
すなわち、この樹脂封止型電子部品の製造方法では、射出成形工程が、射出後に基端樹脂部となる部分で少なくともリード線の根元の周囲に充填される樹脂材料の冷却速度を、先端樹脂部となる部分よりも低く設定した冷却工程を有しているので、射出後に基端樹脂部のリード線の根元周囲において樹脂材料の急冷が抑制され、部分的に硬質なスキン層の形成を防止して、リード線の根元周囲を柔らかい樹脂の層で保護することができる。なお、先端樹脂部では、樹脂材料の冷却速度が高いため、樹脂材料が急冷されて硬質なスキン層が形成され、高い強度を維持することができる。このように樹脂封止部の成形において、先端側の硬質性とリード線根元周囲の軟質性とを両立することができる。
第6の発明に係る樹脂封止型電子部品の製造方法は、第5の発明において、前記射出成形金型が、前記キャビティの前記基端樹脂部に対応する部分の近傍に熱源を備え、前記冷却工程において、前記熱源により前記射出成形金型のうち前記基端樹脂部に対応する部分の周囲を予め加温することを特徴とする。
すなわち、この樹脂封止型電子部品の製造方法では、熱源により射出成形金型のうち前記基端樹脂部に対応する部分の周囲を予め加温するので、熱源の加温によりリード線の根元周囲において樹脂材料の急冷が抑制されると共に冷却速度の制御も可能になる。また、基端樹脂部となる部分の近傍に配されたリード線自体も熱源により加温されることになり、基端樹脂部内でリード線に接触している部分も比較的柔らかいコア層となる。
第7の発明に係る樹脂封止型電子部品の製造方法は、第5の発明において、前記射出成形金型が、前記キャビティの前記基端樹脂部に対応する部分の周囲に、前記先端樹脂部に対応する部分の周囲よりも熱伝導率の低い低熱伝導部を有していることを特徴とする。
すなわち、この樹脂封止型電子部品の製造方法では、射出成形金型が、キャビティの基端樹脂部に対応する部分の周囲に、先端樹脂部に対応する部分の周囲よりも熱伝導率の低い低熱伝導部を有しているので、キャビティ内に射出された樹脂材料が、低熱伝導部内では熱伝導が悪く、他の部分よりも冷却速度が低くなって、基端樹脂部となる部分の急冷を抑制することができる。
第8の発明に係る樹脂封止型電子部品の製造方法は、第5の発明において、前記冷却工程において、前記リード線を予め加温する工程を有していることを特徴とする。
すなわち、この樹脂封止型電子部品の製造方法では、冷却工程において、リード線を予め加温する工程を有しているので、加温されたリード線に接触する部分の樹脂材料の冷却速度が低くなり、硬質な層の発生を抑制することができる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る樹脂封止型電子部品によれば、基端樹脂部の表面層のうち少なくともリード線の周囲が、先端樹脂部の表面層よりも柔らかいので、比較的柔らかい層でリード線の根元が保護され、リード線を根元で屈曲させてもリード線根元に集中する応力が緩和され、強い屈曲強度を得ることができる。
また、本発明に係る樹脂封止型電子部品の製造方法によれば、射出成形工程が、射出後に基端樹脂部となる部分で少なくともリード線の根元の周囲に充填される樹脂材料の冷却速度を、先端樹脂部となる部分よりも低く設定した冷却工程を有しているので、射出後に基端樹脂部のリード線の根元周囲において樹脂材料の急冷が抑制され、部分的に硬質なスキン層の形成を防止して、容易に本発明の樹脂封止型電子部品を作製することができる。
本発明に係る樹脂封止型電子部品及びその製造方法の第1実施形態を示す軸方向の断面図である。 第1実施形態において、射出成形金型を示す簡易的な断面図である。 本発明に係る樹脂封止型電子部品及びその製造方法の第2実施形態において、射出成形金型を示す簡易的な断面図である。 本発明に係る樹脂封止型電子部品及びその製造方法の第3実施形態において、リード線を接続した電子部品本体(a)及び樹脂封止型電子部品を示す軸方向の断面図(b)である。 第3実施形態において、射出成形金型を示す簡易的な断面図である。
以下、本発明に係る樹脂封止型電子部品及びその製造方法の第1実施形態を、図1及び図2を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能又は認識容易な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
本実施形態の樹脂封止型電子部品1は、図1及び図2に示すように、チップ状の電子部品本体2と、電子部品本体2に先端側が接続されたリード線5と、電子部品本体2を内部に収納する筒状部材3と、リード線5の基端側を外部に突出させた状態で電子部品本体2と筒状部材3との間に充填されて電子部品本体2を樹脂材料で封止する樹脂封止部4とを備えている。
上記筒状部材3は、例えば樹脂製の円筒状パイプであり、筒状部材3の両端開口部から凸状に樹脂封止部4が露出している。
上記樹脂封止部4は、筒状部材3内に電子部品本体2を挿入した状態で筒状部材3内に樹脂材料を射出成形により充填して形成されている。
この樹脂封止部4は、筒状部材3の先端開口部を覆って充填されている先端樹脂部4Aと、筒状部材3の基端開口部を覆って充填されている基端樹脂部4Bとを有している。
上記基端樹脂部4Bの表面層4bのうち少なくともリード線5の周囲は、先端樹脂部4Aの表面層4aよりも柔らかい。なお、本実施形態では、基端樹脂部4Bの表面層4b全体が、先端樹脂部4Aの表面層4aよりも柔らかい。
また、基端樹脂部4Bの内部でリード線5が接触している部分4cは、先端樹脂部4Aの表面層4aよりも柔らかい。
すなわち、先端樹脂部4Aの表面層4aは、内部よりも緻密で硬質なスキン層で形成され、基端樹脂部4Bの表面層4bと、基端樹脂部4Bの内部でリード線5が接触している部分4cとは、スキン層よりも柔らかいコア層で形成されている。
なお、上記樹脂封止部4及び筒状部材3は、例えば樹脂材料としてポリプロピレン(PP)等の汎用プラスチックで形成されている。
上記電子部品本体2の両端には、一対の端子電極部(図示略)が形成され、一対の端子電極部に一対のリード線5の先端が接続されていると共に、筒状部材3の基端開口部から一対のリード線5の基端側が突出している。なお、リード線5と端子電極部とは、半田材、導電性ペースト等の導電性接着剤で接続されている。また、端子電極部としては、例えばAg電極等が採用される。
上記電子部品本体2は、サーミスタ素体である。この電子部品本体2のサーミスタ素体の材料としては、NTC型、PTC型、CTR型等のサーミスタ材料があるが、本実施形態では、例えばNTC型サーミスタを採用している。このサーミスタ材料は、Mn−Co−Cu系材料、Mn−Co−Fe系材料等のサーミスタ材料で形成されている。
特に、本実施形態のサーミスタ素体は、例えばMn−Co系複合金属酸化物(例えば、Mn−Co系複合金属酸化物)又は、Mn−Co系複合金属酸化物に、Ni、Fe、Cu、Alのうち少なくとも一種類の元素を含む複合金属酸化物(例えば、Mn−Co−Fe系複合金属酸化物)からなるスピネル系の複合金属酸化物膜を有したものである。
また、サーミスタ素体の他の例としては、ペロブスカイト型酸化物を含有する金属酸化物焼結体であって、例えば一般式:La1−yCa(Cr1−xMn)O(0.0≦x≦1.0、0.0<y≦0.7)で示される複合酸化物を含む焼結体で構成されているものでもよい。なお、この焼結体に、さらに絶縁体材料として、例えばY,ZrO,MgO,Al,CeOを添加しても構わない。
また、サーミスタ素体として、Mn,CoおよびFeの金属酸化物を含有するセラミックス焼結体、すなわちMn−Co−Fe系材料で形成されたものを採用しても構わない。
この電子部品本体2は、リード線5の接続部分と共に、ガラスペースト等によるコーティング層6で覆われている。
また、リード線5は、1本の銅線が被覆された単線が使用されている。
本実施形態の樹脂封止型電子部品1の製造方法は、図2に示すように、筒状部材3内に、リード線5が接続されコーティング層6で覆われた電子部品本体2を挿入し、この状態で射出成形金型10のキャビティ13c内にセットする工程と、溶融した樹脂材料をキャビティ13c内に射出して筒状部材3内に充填すると共に樹脂封止部4を成形する射出成形工程とを有している。
また、上記射出成形工程は、射出後に基端樹脂部4Bとなる部分で少なくともリード線5の根元の周囲に充填される樹脂材料の冷却速度を、先端樹脂部4Aとなる部分よりも低く設定した冷却工程を有している。
この冷却工程を行うために、キャビティ13cの基端樹脂部4Bに対応する部分の近傍に熱源14を備えた射出成形金型10を用いる。
すなわち、冷却工程において、熱源14により射出成形金型10のうち前記基端樹脂部4Bに対応する部分の周囲予め加温する。
上記熱源14は、例えば射出成形金型10に設けられたヒータであり、射出成形金型10の上型11及び下型12の両方において、筒状部材3の基端開口部の近傍に配置されている。
上記射出成形金型10では、キャビティ13c内に溶融した樹脂材料を注入するためのスプール13a及びランナ13bが、熱源14とは反対側に配されており、筒状部材3の先端開口部側から溶融した樹脂材料が注入されるように配される。
この射出成形工程では、熱源14により射出成形金型10のうち前記基端樹脂部4Bに対応する部分の周囲を予め加温する。すなわち、溶融した樹脂材料がキャビティ13c内に注入され、射出成形金型10に接している基端樹脂部4Bの表面層4bが成形される際に急冷されず、先端樹脂部4Aの表面層4aの成形に比べてゆっくり冷却、硬化する。このため、基端樹脂部4Bの表面層4bが硬質なスキン層にならず、比較的柔らかいコア層となる。
なお、硬質なスキン層であるか、柔らかいコア層であるかは、X線回折等による分析で比較して判別することが可能である。
このように本実施形態の樹脂封止型電子部品1では、基端樹脂部4Bの表面層4bのうち少なくともリード線5の周囲が、先端樹脂部4Aの表面層4aよりも柔らかいので、比較的柔らかい層でリード線5の根元が保護され、リード線5を根元で屈曲させてもリード線5根元に集中する応力が緩和され、強い屈曲強度を得ることができる。なお、先端樹脂部4Aでは、樹脂材料の冷却速度が高いため、樹脂材料が急冷されて硬質なスキン層が形成され、高い強度を維持することができる。このように樹脂封止部4の成形において、先端側の硬質性とリード線根元周囲の軟質性とを両立することができる。
さらに、基端樹脂部4Bの内部でリード線5が接触している部分4cが、先端樹脂部4Aの表面層4aよりも柔らかいので、基端樹脂部4Bの表面層4bだけでなく基端樹脂部4Bの内部の柔らかいコア層でリード線5の周囲が覆われていることで、よりリード線5の根元に集中する応力が緩和される。
したがって、電子部品本体2をサーミスタ素体とすることで、リード線5根元の屈曲強度に優れ、高い実装信頼性を有する温度センサが得られる。
本実施形態の樹脂封止型電子部品の製造方法では、射出成形工程が、射出後に基端樹脂部4Bとなる部分で少なくともリード線5の根元の周囲に充填される樹脂材料の冷却速度を、先端樹脂部4Aとなる部分よりも低く設定した冷却工程を有しているので、射出後に基端樹脂部4Bのリード線5の根元周囲において樹脂材料の急冷が抑制され、部分的に硬質なスキン層の形成を防止して、リード線5の根元周囲を柔らかい樹脂の層で保護することができる。
また、熱源14により射出成形金型10のうち前記基端樹脂部4Bに対応する部分の周囲を予め加温するので、熱源14の加温によりリード線5の根元周囲において樹脂材料の急冷が抑制されると共に冷却速度の制御も可能になる。また、基端樹脂部4Bとなる部分の近傍に配されたリード線5自体も熱源14により加温されることになり、基端樹脂部4B内でリード線5に接触している部分も比較的柔らかいコア層となる。
次に、本発明における樹脂封止型電子部品及びその製造方法の第2及び第3実施形態を、図3から図5に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、射出成形金型10に熱源14を設けて基端樹脂部4Bとなる部分の冷却速度を下げているのに対し、第2実施形態の樹脂封止型電子部品の製造方法では、図3に示すように、射出成形金型20が、キャビティ13cの基端樹脂部4Bに対応する部分の周囲に、先端樹脂部4Aに対応する部分の周囲よりも熱伝導率の低い低熱伝導部24を有している点である。
第2実施形態では、例えば低熱伝導部24以外の射出成形金型10の部分は、アルミニウム材で形成し、低熱伝導部24は、アルミニウム材よりも熱伝導率が低い材質であるステンレス材で形成している。
また、低熱伝導部24と低熱伝導部24以外の金型10の部分とを同じ材質で形成した場合、低熱伝導部24を樹脂コーティングし、低熱伝導部24以外の射出成形金型10の部分よりも熱伝導率を下げても構わない。
このように第2実施形態の樹脂封止型電子部品の製造方法では、射出成形金型20が、キャビティ13cの基端樹脂部4Bに対応する部分の周囲に、先端樹脂部4Aに対応する部分の周囲よりも熱伝導率の低い低熱伝導部24を有しているので、キャビティ13c内に射出された樹脂材料が、低熱伝導部24内では熱伝導が悪く、他の部分よりも冷却速度が低くなって、基端樹脂部4Bとなる部分の急冷を抑制することができる。
次に、第3実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、リード線5が1本の導体線が被覆された単線で構成されているのに対し、第3実施形態の樹脂封止型電子部品31では、図4に示すように、リード線35が、複数の導体線で構成された撚り線35aと、撚り線35aを覆った絶縁性の被覆部35bとを備えている点である。
また、第3実施形態で使用する射出成形金型30は、図5に示すように、射出成形金型30にセットした状態でリード線35を加温するリード加温機構32を備えている点で第1実施形態と異なっている。
すなわち、第3実施形態の樹脂封止型電子部品31の製造方法では、冷却工程において、リード加温機構32によりリード線35を予め加温する工程を有している。
上記リード加温機構32は、例えば射出成形金型30から突出しているリード線35を直接加温するヒータ等で構成されている。
このように第3実施形態の樹脂封止型電子部品31では、リード線35が、複数の導体線で構成された撚り線35aを備えているので、複数の導体線が撚られていることで、外力が線間摩擦によるすべり変位や熱に変換されることや曲げRが大きくなって、単線に比べて強い屈曲強度が得られる。特に、撚り線35aの撚りピッチを小さく設定することで、屈曲強度の向上効果をより得ることができる。
また、第3実施形態の樹脂封止型電子部品31の製造方法では、冷却工程において、リード線35を予め加温する工程を有しているので、加温されたリード線35に接触する部分の樹脂材料の冷却速度が低くなり、硬質な層の発生を抑制することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記各実施形態では、電子部品本体にサーミスタ素体を採用したサーミスタ素子に適用したが、他の電子部品本体としてICチップ、チップ状のRFID、抵抗やコンデンサを採用した抵抗部品やコンデンサ部品等としても構わない。
1,31…樹脂封止型電子部品、2…電子部品本体、3…筒状部材、4…樹脂封止部、4A…先端樹脂部、4a…先端樹脂部の表面層、4B…基端樹脂部、4b…基端樹脂部の表面層、4c…基端樹脂部の内部でリード線が接触している部分、5,35…リード線、10,20,30…射出成形金型、13c…キャビティ、14…熱源、24…低熱伝導部、35a…撚り線、35b…被覆部

Claims (8)

  1. チップ状の電子部品本体と、
    前記電子部品本体に先端側が接続されたリード線と、
    前記電子部品本体を内部に収納する筒状部材と、
    前記リード線の基端側を外部に突出させた状態で前記電子部品本体と前記筒状部材との間に充填されて前記電子部品本体を樹脂材料で封止する樹脂封止部とを備え、
    前記樹脂封止部が、前記筒状部材の先端開口部を覆って充填されている先端樹脂部と、前記筒状部材の基端開口部を覆って充填されている基端樹脂部とを有し、
    前記基端樹脂部の表面層のうち少なくとも前記リード線の周囲が、前記先端樹脂部の表面層よりも柔らかいことを特徴とする樹脂封止型電子部品。
  2. 請求項1に記載の樹脂封止型電子部品において、
    前記基端樹脂部の内部で前記リード線が接触している部分が、前記先端樹脂部の表面層よりも柔らかいことを特徴とする樹脂封止型電子部品。
  3. 請求項1又は2に記載の樹脂封止型電子部品において、
    前記リード線が、複数の導体線で構成された撚り線と、
    前記撚り線を覆った絶縁性の被覆部とを備えていることを特徴とする樹脂封止型電子部品。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の樹脂封止型電子部品において、
    前記電子部品本体が、サーミスタ素体であることを特徴とする樹脂封止型電子部品。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の樹脂封止型電子部品の製造方法であって、
    前記筒状部材内に、前記リード線が接続された前記電子部品本体を挿入し、この状態で射出成形金型のキャビティ内にセットする工程と、
    溶融した前記樹脂材料を前記キャビティ内に射出して前記筒状部材内に充填すると共に前記樹脂封止部を成形する射出成形工程とを有し、
    前記射出成形工程が、前記射出後に前記基端樹脂部となる部分で少なくとも前記リード線の根元の周囲に充填される前記樹脂材料の冷却速度を、前記先端樹脂部となる部分よりも低く設定した冷却工程を有していることを特徴とする樹脂封止型電子部品の製造方法。
  6. 請求項5に記載の樹脂封止型電子部品の製造方法において、
    前記射出成形金型が、前記キャビティの前記基端樹脂部に対応する部分の近傍に熱源を備え、
    前記冷却工程において、前記熱源により前記射出成形金型のうち前記基端樹脂部に対応する部分の周囲を予め加温することを特徴とする樹脂封止型電子部品の製造方法。
  7. 請求項5に記載の樹脂封止型電子部品の製造方法において、
    前記射出成形金型が、前記キャビティの前記基端樹脂部に対応する部分の周囲に、前記先端樹脂部に対応する部分の周囲よりも熱伝導率の低い低熱伝導部を有していることを特徴とする樹脂封止型電子部品の製造方法。
  8. 請求項5に記載の樹脂封止型電子部品の製造方法において、
    前記冷却工程において、前記リード線を予め加温する工程を有していることを特徴とする樹脂封止型電子部品の製造方法。
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