JP6959573B2 - 樹脂封止型電子部品 - Google Patents
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Description
コーティング電子部品部を筒状部材の中に配置した状態で、溶融した樹脂材料を筒状部材内に射出成形して樹脂封止部を成形する際、筒状部材内部のコーティング電子部品部が筒状部材の軸線上から外れて筒状部材の内周面側に寄ってしまう場合がある。このようにコーティング電子部品部が筒状部材の軸線からずれてしまうと、厳しいPCT試験(プレッシャークッカー試験)や水中熱衝撃試験等を実施した場合、コーティング電子部品部と樹脂封止部との熱膨張係数の差による応力に起因して、コーティング電子部品部が寄っている側の筒状部材の端面から剥離する現象が発生することがある。すなわち、温度サイクル等の熱的応力がコーティング電子部品部と筒状部材との間の樹脂が薄い部分に集中し、完全に溶融しきれていない筒状部材の端面が剥離の起点になってしまうおそれがあった。また、電子部品本体としてサーミスタ素体を採用し、熱交換器の銅パイプ等の測定対象物に直接接触させて温度を測定する温度センサとした場合、コーティング電子部品部が筒状部材の軸線からずれていると、応答性にばらつきが生じてしまう問題があった。
すなわち、この樹脂封止型電子部品では、凸部が、筒状部材の軸線に沿って延在した突条部であるので、筒状部材の軸線方向において安定してコーティング電子部品部を軸線上で支持することができる。
すなわち、この樹脂封止型電子部品では、凸部が、筒状部材の両端の一方から他方に向けて内方への突出量が漸次大きく設定されているので、コーティング電子部品部の径のばらつきがあっても、テーパ形状の凸部の途中に当接してセンタリングが可能になる。
すなわち、この樹脂封止型電子部品では、凸部が、前記筒状部材の両端の一方から他方の途中に段差部を有し、コーティング電子部品部が段差部に当接しているので、コーティング電子部品部の径のばらつきがあっても、段差部に係止されてセンタリングが可能になる。また、コーティング電子部品部が段差部で係止されることで、軸方向の位置決めも容易になる。
すなわち、この樹脂封止型電子部品では、コーティング電子部品部が、筒状部材の両端から軸方向内側に離間して配されているので、コーティング電子部品部と樹脂封止部との熱膨張係数の差による応力が筒状部材の端面に集中し難くなり、剥離の起点となり難くなる。
すなわち、この樹脂封止型電子部品では、電子部品本体が、サーミスタ素体であるので、温度サイクルに強く熱応答性のばらつきが小さい高信頼性及び高精度の温度センサを得ることができる。
すなわち、本発明に係る樹脂封止型電子部品によれば、コーティング電子部品部が凸部に当接した状態で筒状部材の軸線上に配されているので、コーティング電子部品部が当接した各凸部により筒状部材の半径方向で位置決めされ、筒状部材の軸線からずれずに樹脂封止部内で封止される。
したがって、周方向で封止樹脂の肉薄部が無くなると共に封止樹脂の肉厚が周方向で均一となることで、応力集中を回避することが可能になると共に、熱伝導の等方性が得られ、熱応答性のばらつきも低減することができる。
特に、電子部品本体としてサーミスタ素体を採用することで、高信頼性及び高精度の温度センサを得ることができる。
上記凸部3aは、筒状部材3の軸線Cに沿って延在した突条部とされている。
凸部3aの断面形状は、図2に示すように、円弧状又は半円形状とされている。なお、凸部3aの断面形状としては、台形状等の他の形状でも構わない。
また、コーティング電子部品部7は、筒状部材3の両端から軸方向内側に離間して配されている。すなわち、コーティング電子部品部7は、筒状部材3の両端から離れており、筒状部材3の軸方向中央に配されている。
上記樹脂封止部4は、筒状部材3内に電子部品本体2を挿入した状態で筒状部材3内に樹脂材料を射出成形により充填して形成されている。
この樹脂封止部4は、筒状部材3の先端開口部を覆って充填されている先端樹脂部4Aと、筒状部材3の基端開口部を覆って充填されている基端樹脂部4Bとを有している。
なお、上記樹脂封止部4及び筒状部材3は、例えば樹脂材料としてポリプロピレン(PP)等の汎用プラスチックで形成されている。
特に、本実施形態のサーミスタ素体は、例えばMn−Co系複合金属酸化物(例えば、Mn3O4−Co3O4系複合金属酸化物)又は、Mn−Co系複合金属酸化物に、Ni、Fe、Cu、Alのうち少なくとも一種類の元素を含む複合金属酸化物(例えば、Mn3O4−Co3O4−Fe2O3系複合金属酸化物)からなるスピネル系の複合金属酸化物膜を有したものである。
また、サーミスタ素体として、Mn,CoおよびFeの金属酸化物を含有するセラミックス焼結体、すなわちMn−Co−Fe系材料で形成されたものを採用しても構わない。
次に、溶融した樹脂材料をキャビティ内に射出して筒状部材3内に充填すると共に樹脂封止部4を成形する。このとき、凸部3aにコーティング電子部品部7が当接して支持された状態で射出成形が行われ、コーティング電子部品部7がセンタリングされた状態となる。
さらに、コーティング電子部品部7が、筒状部材3の両端から軸方向内側に離間して配されているので、コーティング電子部品部7と樹脂封止部4との熱膨張係数の差による応力が筒状部材3の端面に集中し難くなり、剥離の起点となり難くなる。
したがって、本実施形態では、電子部品本体2がサーミスタ素体であるので、温度サイクルに強く熱応答性のばらつきが小さい高信頼性及び高精度の温度センサを得ることができる。
なお、本実施形態では、断面矩形状の段差部33bを採用しているが、段差が傾斜した断面テーパ状の段差部としても構わない。
その結果、PCT試験として、120℃、2atmの環境下で250時間行っても、本発明の実施例に剥離は発生しなかった。
また、水中熱衝撃試験として、水中で5℃と95℃とを各2分間交互に20000サイクル行っても、本発明の実施例に剥離は発生しなかった。
例えば、上記各実施形態では、電子部品本体にサーミスタ素体を採用したサーミスタ素子に適用したが、他の電子部品本体としてICチップ、チップ状のRFID、抵抗やコンデンサを採用した抵抗部品やコンデンサ部品等としても構わない。
Claims (3)
- チップ状の電子部品本体と前記電子部品本体を絶縁性材料で覆ったコーティング層とを有するコーティング電子部品部と、
前記コーティング電子部品部を内部に収納する筒状部材と、
前記コーティング電子部品部と前記筒状部材との間に充填されて前記コーティング電子部品部を樹脂材料で封止する樹脂封止部とを備え、
前記筒状部材が、内周面から内方に突出した凸部を周方向に互いに間隔を空けて少なくとも3つ有し、
前記コーティング電子部品部の先端側が、凸形状とされ、
前記凸部が、前記筒状部材の軸線に沿って延在した突条部であると共に、前記筒状部材の両端の一方から他方の途中に段差部を有し、
前記凸部が、前記段差部を境にして前記筒状部材の一方の端部側よりも他方の端部側の方が突出量が大きくなっており、
前記コーティング電子部品部の先端側外周面が前記段差部の突出した角部に当接していると共に、前記コーティング電子部品部の前記段差部よりも前記筒状部材の一方の端部側における外周面の一部も前記凸部に当接した状態で、前記コーティング電子部品部が前記筒状部材の軸線上に配されていることを特徴とする樹脂封止型電子部品。 - 請求項1に記載の樹脂封止型電子部品において、
前記コーティング電子部品部が、前記筒状部材の両端から軸方向内側に離間して配されていることを特徴とする樹脂封止型電子部品。 - 請求項1又は2に記載の樹脂封止型電子部品において、
前記電子部品本体が、サーミスタ素体であることを特徴とする樹脂封止型電子部品。
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JP2017175527A JP6959573B2 (ja) | 2017-09-13 | 2017-09-13 | 樹脂封止型電子部品 |
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