JP6414689B2 - 電子部品及びその製造方法 - Google Patents
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特許文献1のように、被着体である金属ケースに樹脂を一体成形する場合、樹脂が金属ケースから抜けることを防止するために、金属ケースの内面に凹凸のアンダー形状を設けている。しかしながら、このアンダー形状は、旋盤のボーリング加工で作製する必要があり、加工費用が高いと共に時間がかかるという問―題があった。また、特許文献2のように、金属ケースとは別に樹脂ホルダを作製し、金属ケースのネジ部に樹脂ホルダを螺着させる方法であると、樹脂ホルダを予め作製し別途用意する必要があり、部材の調達・管理コストが増大してしまうと共に、金属ケースのネジ部に樹脂ホルダをねじ込んで取り付けるために、金属と樹脂との密着性が不十分になる可能性があった。さらに、特許文献1では、樹脂が熱収縮した際に金属ケースと樹脂との密着性が無くなり、互いに回ってしまう問題があった。また、特許文献3では、金属ケースの開口端を絞り加工でかしめて樹脂ベースの抜け止めを行っているが、やはり回りやすくなってしまう。このため、金属ケースの外周面にダボ加工を行うことや金属ケースの開口端面に切り欠き部を形成することで、回り止めを行うことも考えられるが、絞り加工、ダボ加工又は切り欠き部加工等の追加加工を行うと、製造コストが増大してしまう不都合があった。
特に、第1の雌ネジ部と第2の雌ネジ部とが、互いに異なるピッチ又は回転方向で螺旋溝が形成されているので、成形樹脂部が回転しようとしても、第1の雌ネジ部に対する回転と第2の雌ネジ部に対する回転との移動量又は回転方向が相違するため、回転が規制される。したがって、第1の雌ネジ部と第2の雌ネジ部とによって、抜け止め機能と回り止め機能とを兼ね備えることができる。
すなわち、この電子部品では、成形樹脂部が、筒状部材の開口端面に密着して形成されたフランジ部を有しているので、射出成形後に成形樹脂部が熱収縮した場合、成形樹脂部の雌ネジ部に密着している部分と、筒状部材の開口端面に密着しているフランジ部とが収縮し、開口端面でより高い密着性を確保することができる。特に、過酷な環境下において、樹脂が熱膨張・収縮を繰り返して劣化した場合でも、フランジ部が筒状部材の開口端面に密着することで、高い密着性及び防水性が得られる。
すなわち、この電子部品では、電子部品本体が感温素子であるサーミスタ素子とリード線とコネクタ端子とを備えているので、低コストで作製でき、かつ高い抜け止め強度及び防水性等を有した温度センサとなる。
すなわち、この電子部品の製造方法では、筒状部材の内周面にネジタッピング加工によって第1の雌ネジ部と第2の雌ネジ部とを形成し、その筒状部材内に射出成形によって電子部品本体と共に成形樹脂部を一体成形するので、容易に雌ネジ部を形成できると共に、筒状部材内の第1の雌ネジ部と第2の雌ネジ部とによって高い抜け止め強度及び密着性を有した成形樹脂部が得られる。
すなわち、本発明に係る電子部品及びその製造方法によれば、筒状部材の内周面に第1の雌ネジ部と第2の雌ネジ部とが形成され、成形樹脂部が、筒状部材内に射出成形によって電子部品本体と共に一体成形されるので、容易に雌ネジ部を低コストで高精度に形成でき、射出成形によって雌ネジ部への高い密着性を確保すると共に高い抜け止め性及び防水性が得られる。特に、第1の雌ネジ部と第2の雌ネジ部とが、互いに異なるピッチ又は回転方向で螺旋溝が形成されているので、抜け止め機能と回り止め機能とを兼ね備えることができる。
したがって、本発明においてサーミスタ素子のような感熱素子を電子部品本体に用いることで、安価で高信頼性の温度センサを得ることができる。
上記筒状部材2の内周面には、第1の雌ネジ部2Aと第2の雌ネジ部2Bとが軸方向に分けて形成されている。すなわち、第1の雌ネジ部2Aと第2の雌ネジ部2Bとは、同一軸上に形成されている。
上記の第1の雌ネジ部2Aと第2の雌ネジ部2Bとは、互いに異なるピッチで螺旋溝が形成されている。本実施形態では、第1の雌ネジ部2Aのピッチが、第2の雌ネジ部2Bよりも大きく設定されている。
すなわち、この電子部品1は、例えば自動車の水温測定等に使用される温度センサである。
上記コネクタ端子7は、(銅、ニッケル、ジュメット)等の細長い金属板材で形成されている。
成形樹脂部3は、先端部に配したサーミスタ素子5からリード線6を含んでコネクタ端子7の一端までを封止している。この成形樹脂部3の基端側は、コネクタ部となっている。
上記第2の雌ネジ部2Bは、中間穴部2eの内周面に形成されていると共に、上記第1の雌ネジ部2Aは、基端穴部2dの内周面に形成されている。
上記成形樹脂部3は、(PBT、PA、PPS)等の樹脂による射出成形で形成されている。この成形樹脂部3は、筒状部材2の開口端面2fに密着したフランジ部3aを有している。
上記第1の雌ネジ部2Aと第2の雌ネジ部2Bとを形成する工程では、互いに異なるピッチで螺旋状の刃が形成された第1の雌ネジ部2A用のタップと第2の雌ネジ部2B用のタップと用いる。
上記射出成形では、先端穴部2cの先端側にサーミスタ素子5を配して電子部品本体4を封止用穴2bにセットし、その状態で封止用穴2bに溶融樹脂を射出成形して成形樹脂部3を一体成形する。
なお、第2実施形態においては、第1の雌ネジ部22Aと第2の雌ネジ部22Bとのピッチは、互いに異なるものでも同じものでも構わない。
例えば、上記各実施形態では、第1の雌ネジ部と第2の雌ネジ部とをそれぞれ軸方向に1つずつ設けているが、少なくとも一方を複数形成しても構わない。
Claims (4)
- 金属製の筒状部材と、
前記筒状部材内に少なくとも一部が封入される成形樹脂部と、
前記成形樹脂部内に封入される電子部品本体とを備え、
前記筒状部材の内周面に第1の雌ネジ部と第2の雌ネジ部とが軸方向に分けて形成され、
前記成形樹脂部が、前記筒状部材内に射出成形によって前記電子部品本体と共に一体成形され、
前記第1の雌ネジ部と前記第2の雌ネジ部とが、互いに異なるピッチ又は回転方向で螺旋溝が形成されていることを特徴とする電子部品。 - 請求項1に記載の電子部品において、
前記成形樹脂部が、前記筒状部材の開口端面に密着して形成されたフランジ部を有していることを特徴とする電子部品。 - 請求項1又は2に記載の電子部品において、
前記電子部品本体が、一対の電極を有するサーミスタ素子と、
前記サーミスタ素子の一対の電極に一端が接続された一対のリード線と、
前記一対のリード線の他端が一端に結線され電気的に接続された一対のコネクタ端子とを備え、
前記成形樹脂部が、先端部に配した前記サーミスタ素子から前記リード線を含んで前記コネクタ端子の一端までを封止していることを特徴とする電子部品。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の電子部品の製造方法であって、
前記筒状部材の内周面にネジタッピング加工によって前記第1の雌ネジ部と前記第2の雌ネジ部とを形成する工程と、
前記筒状部材内に射出成形によって前記電子部品本体と共に前記成形樹脂部を一体成形する工程とを有していることを特徴とする電子部品の製造方法。
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JP2015033570A JP6414689B2 (ja) | 2015-02-24 | 2015-02-24 | 電子部品及びその製造方法 |
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JP2015033570A JP6414689B2 (ja) | 2015-02-24 | 2015-02-24 | 電子部品及びその製造方法 |
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