JP5830636B1 - 温度センサ、及び、温度センサの製造方法 - Google Patents

温度センサ、及び、温度センサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂からなる被覆層を備え、温度検知精度の高い温度センサを提供する。【解決手段】温度センサ1は、素子本体11と、引き出し線12a,12bとリード線13a,13bの接続部位16a,16bと、を覆う樹脂被覆層20と、を備え、樹脂被覆層20は、素子本体11と接続部位16a,16bを封止し、PFAからなる内層21と、内層21の周囲に配置され、PFAよりも融点が高く、かつ、熱収縮性を有するPTFEからなる外層23と、を備える。外層23は、直方体状の外観形状をなしており、平坦な外側面を有している。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂製のチューブで被覆されている温度センサに関する。
周知のように、温度センサにおいて温度を検知する素子本体としてサーミスタが多用されている。温度検知対象が置かれる周囲の環境に対して、耐油性、耐薬品性、耐熱性、耐寒性などの各種の耐性が求められる用途向けの温度センサは、サーミスタを樹脂からなる被覆層の内部に封入したものが用いられている。例えば、特許文献1は、サーミスタ素子にリード線を接続したサーミスタ温度センサにおいて、サーミスタ素子およびこのサーミスタ素子とリード線との接続部を絶縁チューブによって絶縁状態に収縮被覆し、その外側を被覆チューブによって弾性被覆したものを提案している。
特許文献1の提案によると、サーミスタ素子およびこのサーミスタ素子とリード線との接続部に絶縁チューブ及び被覆チューブを被せるのみで温度センサを製造することができるので、当該温度センサの製造作業が簡易化して製造コストを低額化させることができる。また、絶縁チューブ及び被覆チューブとして市販のチューブを使用することができるため、この点からも製造コストを低額化させることができる。
特開2012−084674号公報
特許文献1の提案による温度センサは、被せられた円筒状のチューブは熱収縮するものの、その外観は円形を引き継ぐ。したがって、温度を検知する対象が平坦な面である場合には、温度センサと検知対象は、線で接触することになるので、検知対象から温度センサへの熱の伝達が十分に得られない。そのために、検知対象の温度変化に当該温度センサの反応が遅れてしまい、高い温度検知精度を得ることができない。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、樹脂からなる被覆層を備え、温度検知精度の高い温度センサを提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明の温度センサは、サーミスタに一対の引き出し線が接続されたサーミスタ素子と、一対の引き出し線の各々と接続されるリード線と、サーミスタ素子と、引き出し線とリード線の接続部位と、を覆う樹脂被覆層と、を備える。
本発明の樹脂被覆層は、サーミスタ素子と接続部位を封止し、内層樹脂材からなる内層と、内層の周囲に配置され、内層樹脂材よりも融点が高く、かつ、熱収縮性を有する外層樹脂材からなる外層と、を備える。そして、本発明の温度センサは、外層が平坦な外側面を有しており、平坦な外側面は、引き出し線が延設される長手方向に互いに傾く第1当接面と第2当接面を備え、長手方向に山折り形状をなしていることを特徴としている。
本発明の温度センサは、樹脂被覆層の外層が平坦な外側面を有しているので、検知対象が平坦な面を有していれば、この検知対象の平坦な面に外側面を面接触させて温度検知を行うことができるので、検知温度の精度の向上に寄与する。
詳しくは後述するが、本発明の温度センサは、内層樹脂材が外層樹脂材よりも融点が低いことに基づいて、平坦な外側面を容易に形成することができる。
本発明の温度センサにおいて、樹脂被覆層は、直方体状の外観を有していることが好ましい。
この温度センサは、四つの平坦な外側面を有しているので、温度センサの向きに関わらず検知対象と面接触が得られるので、温度センサの設置の自由度が高い。
本発明の温度センサにおいて、内層の内部において、接続部位を含め、一対の引き出し線の間と、一対のリード線の間とに、内層樹脂材が満たされることが好ましい。両者の間の絶縁を確実に図るためである。
本発明の温度センサにおいて、平坦な外側面は、長手方向に互いに傾く第1当接面と第2当接面を備え、長手方向に山折り形状をなしている。
検知対象の温度検知面が一様に連なる平坦な面を備え、かつ温度センサに対して平行な場合には、本発明の温度センサの外側面も一様に連なる平坦な面を備えていれば足りる。しかし、温度検知面が、傾いていたり、捩じれていたりすることがあり、この場合には、温度センサの外側面が一様に連なる平坦な面であれば、温度検知面と外側面との接触面積が十分に得ることができなくなる。そこで、本発明において、当接面を上述した山折り形状にし、これを温度検知面に押し当てて、当接面を平坦に近づくように変形させることにより、温度検知面に対して当接面が倣いやすくする。
なお、本発明において、引き出し線が延設される方向を長手方向と定義する。
本発明の温度センサにおいて、第1当接面と第2当接面は、第1当接面と第2当接面の境界をなす稜線が、長手方向において、引き出し線が設けられる領域内に配置するように形成されることが好ましい。
検知対象からの熱は、サーミスタに直接的に伝えられるのに加えて、一対の引き出し線を介してサーミスタに伝えられる。したがって、他の部分よりも検知対象に優先して押し付けられて密に接触する稜線を、引き出し線が設けられる領域内に配置することにより、引き出し線を介するサーミスタへの熱伝導を促進できる。特に、稜線をサーミスタに近接して設けることが好ましい。
本発明の温度センサにおいて、第1当接面と第2当接面に対向する外側面である対向面は、長手方向に谷折り形状をなしていることが好ましい。
温度センサを検知対象に押し付ける場合に、対向面の側が谷折り形状をなしていると、樹脂被覆層が変形しやすいので、第1当接面と第2当接面が検知対象の表面性状に倣いやすい。
本発明の温度センサにおいて、内層樹脂材は、PFAからなり、外層樹脂材は、PTFEからなり、リード線の被覆材は、PTFEからなることが好ましい。
PFA及びPTFEは、ともに耐性の高いフッ素樹脂であり、融点は、PFAが302〜310℃、PTFEが327℃である。
本発明は、以上説明した温度センサを低コストで製造する方法を提供する。
この製造方法は、内層樹脂材からなる内層用チューブを、サーミスタ素子と接続部位に亘って被せるとともに、外層樹脂材からなる外層用チューブを、内層用チューブの周囲に被せてセンサアセンブリを得るチューブ被覆工程と、センサアセンブリの内層用チューブ及び外層用チューブの部分を、内層材樹脂の融点を超え、外層材樹脂の融点未満の温度に加熱して、溶融した内層材樹脂によりサーミスタ素子と接続部位を封止する封止工程と、溶融している内層樹脂材が凝固するまでの間に、外層用チューブの外周面に平坦面を成形する成形工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の製造方法において、溶融している内層樹脂材が凝固するまでの間に、外層用チューブの外周面に平坦面を成形する。そうすれば、外層用チューブの外周面に平坦面を形成するために加えられた圧力が、溶融している内層樹脂材にも伝えられ、内層樹脂材にも外層用チューブの平坦面に対応する平坦面が形成される。この状態を維持したままで内層樹脂材が凝固すると、凝固した内層樹脂材が外層用チューブと密着されるので、外層用チューブに形成された平坦面もそのまま維持される。この過程で、外層用チューブも融点近傍まで加熱されているので、その外周面に平坦面を成形するのが容易である。
本発明の製造方法において、平坦面を成形する成形工程は任意であるが、少なくとも一部に平坦な押圧面を有する金型を用いて行われるプレス加工を採用するのが好ましい。
本発明の製造方法において、長手方向に互いに傾く第1当接面と第2当接面が長手方向に山折り形状を、上述した成形工程で得ることができるが、成形工程において真直に成形された樹脂被覆層を、前述した山折り形状に成形するフォーミング工程を備えることが好ましい。
山折り形状の当接面を備える本発明の温度センサは、検知対象に押し付けられて当接面の全体が平坦になって使用される。したがって、この使用時の形態において、温度センサの構成要素に生ずる応力が低いことが、温度センサの継続的な使用にとって有利であり、そのために、一旦は真直に成形してから、山折り形状に成形することが好ましい。
本発明の温度センサによれば、樹脂被覆層の外層が平坦な外側面を有しているので、検知対象が平坦な面を有していても、検知対象の平坦な面に外側面を面接触させて温度検知を行うことができるので、検知温度の精度向上に寄与する。しかも本発明によれば、樹脂被覆層の外層の、平坦な外側面を山折り形状にすることにより、温度検知面との間で面接触が得やすくなるので、温度検知対象の温度変化に対する高い感受性を確保することができるようになり、検知温度の精度向上に寄与する。
参考形態に係る温度センサを示し、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図、(d)は横断面図である。 図1の温度センサの縦断面図である。 図1の温度センサの製造手順の概略を示す図である。 図1の温度センサの製造手順の中のプレス加工の手順を示す断面図である。 図1の温度センサ及びその変更例を検知対象に配置した状態を示す図である。 被覆層に平坦な外側面を形成する他の手法を示す図である。 参考形態による温度センサと比較センサを用いて行った温度測定の試験結果を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る温度センサを示す縦断面図であり、(a)は平断面図、(b)は側断面面図である。 参考形態に係る温度センサが有する課題を説明する図である。 図9に対応し、本発明の実施形態に係る温度センサの効果を説明する図である。 図9の温度センサの製造手順の主要部を示す図である。 本発明の実施形態に係る温度センサの変形例を示す図である。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
参考形態]
図1及び図2に示すように、参考形態に係る温度センサ1は、サーミスタ素子10と、樹脂からなる被覆層20とを備えている。温度センサ1は、サーミスタ素子10を樹脂被覆層20により封止するので、耐性が要求される環境下での使用に適している。また、温度センサ1は、樹脂被覆層20の外観が直方体状をなしており、平坦な側面を有しているので、平坦な面を有する検知対象に面同士を接触させて配置できるので、温度検知の精度が高い。以下、温度センサ1の構成要素について説明したのちに、製造工程に言及する。
[温度センサ1の構成]
[サーミスタ素子10]
サーミスタ素子10は、サーミスタからなる素子本体11と、素子本体11から引き出される一対の引き出し線12a,12bと、を備えている。
素子本体11は、電気抵抗に温度特性を有するサーミスタ素材から構成される。
素子本体11から引き出される、例えばジュメット線からなる引き出し線12a,12bは、それぞれ、リード線13a,13bに接続される。引き出し線12a,12bは、図示を省略する電極を介して素子本体11に接続される。リード線13a,13bは、必要に応じて他の電線を介して、図示を省略する温度計測回路に接続される。引き出し線12a,12bは単一の導線から構成される。リード線13a,13bは、細い導線を撚り合わせた撚線14a,14bと、撚線14a,14bを覆う被覆15a,15bから構成される。被覆15a,15bは、フッ素樹脂、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)からなり、後述する外層23と同等の融点を有している。後述する加熱処理の際に、被覆15a,15bが溶融するのを避けるためである。
引き出し線12a,12bとリード線13a,13bの接続部位16a,16bは、例えば、レーザ溶接、抵抗溶接などの溶接、あるいは、はんだ付けにより接続される。圧着端子を用いて引き出し線12a,12bとリード線13a,13bを接続することもできる。
サーミスタ素子10は、一方のリード線13を介して素子本体11に所定の電流を流し、さらに他方のリード線13に通ずる計測経路の抵抗値の変化に基づいて対象物の温度を検知することができる。
[被覆層20]
被覆層20は、素子本体11の先端から引き出し線12a,12bとリード線13a,13bの接続部位16a,16bまでを覆い、周囲の環境から素子本体11らを保護している。
被覆層20は、内層21と外層23からなる。内層21と外層23は、ともに前駆体としてチューブを用いるので当初は外形が円形をなしているが、温度センサ1の製造過程において、直方体状のキャビティを有する金型を用いてプレス加工するために、被覆層20は横断面が概ね矩形をなしている。このように横断面が矩形をなし、平坦な側面を有することが、被覆層20の特徴である。
内層21は、外層23の内側に配置され、サーミスタ素子10を直接的に被覆する。内層21は、チューブ形状の前駆体が、製造過程で溶融、凝固して形成されるので、素子本体11の先端から接続部位16a,16bまでを気密に封止する。特に、内層21は、接続部位16a,16b及びその近傍において、引き出し線12aと引き出し線12bの間、及び、リード線13aとリード線13bの間にも隙間なく入り込んでいる。これは、プレス加工により被覆層20を加工していることに基づいている。また、一旦は溶融し、凝固して形成される内層21は、横断面が矩形をなす被覆層20を得るために、重要な役割を担う。この点については、製造工程の説明において言及する。
内層21は、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)からなるフッ素樹脂である。PTFEとPFAは同じフッ素樹脂であり優れた耐性を有している点では共通するが、PTFEの方がPFAよりも融点が高い。
次に、外層23は、内層21の外側に密着して配置される。
外層23は、内層21とともに温度センサ1に耐性を付与するものであるのに加えて、製造過程において溶融する内層21を保持する役割を担う。そのために、外層23は、内層21を形成するPFAよりも融点の高いPTFEで形成されている。つまり、PFAの融点は302〜310℃であるのに対して、PTFEの融点は327℃であるから、例えば315℃まで加熱すると、内層21の前駆体チューブは溶融するが、外層23の前駆体チューブは溶融することなく、形状を維持することができる。ただし、外層23の前駆体チューブは、この温度まで加熱されると収縮する。PTFEの線膨張係数は10×10−5/℃程度と金属材料に比べると大きく、溶融状態にある内層21を強く圧縮するので、内層21の緻密化に寄与するのに加え、内層21と外層23の間に生ずる圧力によって両者の間の防水性が担保される。
[温度センサ1の製造手順]
次に、図3〜図4を参照して、温度センサ1の製造手順を説明する。
温度センサ1を製造するに当たり、図3(a)に示すように、サーミスタ素子10と、内層21に対応する前駆体チューブ22と、外層23に対応する前駆体チューブ24とが用意される。前駆体チューブ22はPFAから形成され、前駆体チューブ24はPTFEから形成される。前駆体チューブ22は、内部にサーミスタ素子10を収容できる内径を有し、前駆体チューブ24は、内部に前駆体チューブ22を収容できる内径を有している。前駆体チューブ22は、溶融、凝固後にサーミスタ素子10を気密に封止できるようにその内径が設定される。前駆体チューブ22は、熱収縮による圧縮力が溶融状態の前駆体チューブ22に及ぶように、その内径が設定され、また、溶融状態の前駆体チューブ22が両端の開口から漏れ出ないように、その長さが設定される。
サーミスタ素子10、前駆体チューブ22及び前駆体チューブ24を、図3(a)に示すように、サーミスタ素子10を前駆体チューブ22の内部に収容し、さらに、サーミスタ素子10が収容された前駆体チューブ22を前駆体チューブ24の内部に収容する。このとき、サーミスタ素子10から接続部位16a,16bまでが覆われるように、前駆体チューブ22を被せる。また、前駆体チューブ22の全域が覆われるように、前駆体チューブ24を被せて、センサアセンブリ2を得る。
次に、センサアセンブリの被覆層20に対応する部分を加熱する。
加熱は、前駆体チューブ22を構成するPFAの融点MP以上であって、かつ、前駆体チューブ24を構成するPTFEの融点MP未満である。なお、MPは302〜310℃であり、MPは327℃である。この加熱処理により、前駆体チューブ22は溶融し、前駆体チューブ24は熱収縮する。この段階では、前駆体チューブ24は、図3(b)に示すように先端部分が細くなるものの、外観が円形の形状を維持している。
次に、前駆体チューブ22が溶融している間に、センサアセンブリの被覆層20に対応する部分をプレス加工する。これにより、図3(c)に示すように、直方体状の被覆層20が得られるが、プレス加工している間に、溶融している前駆体チューブ22は凝固する。
プレス加工としては、図4(a)に示すように、矩形のキャビティ102を有し扁平な押圧面を有する下型101と、キャビティ102の開口面積に合う扁平な押圧面を有する上型105と、からなる金型100を用いて行うことができる。つまり、図4(b)に示すように、所定の温度に加熱された被覆層20に対応する部分をキャビティ102に配置した後に、図4(c)に示すように、上型105をキャビティ102に挿入、押圧して、直方体状の被覆層20に成形する。
押圧の過程で、前駆体チューブ22と前駆体チューブ24はともに、横断面が円形から矩形に成形されるが、溶融していた前駆体チューブ22は矩形のままで凝固する。前駆体チューブ24は、融点MP近傍まで加熱されているので、プレス加工の後にも矩形断面はある程度維持されるが、前駆体チューブ22が溶融、凝固することにより、矩形断面が容易に維持される。つまり、溶融した前駆体チューブ22が凝固する際に外側に配置される前駆体チューブ24が接合されるので、前駆体チューブ24は、矩形断面とされた前駆体チューブ22により元の円形断面に復帰するのが拘束される結果、前駆体チューブ24の矩形断面は、プレス加工後にも容易に維持される。
プレス加工は、被覆層20を直方体状に成形するのに加えて、接続部位16a,16b及びその近傍において、引き出し線12aと引き出し線12bの間隔、及び、リード線13aとリード線13bの間隔に内層21を隙間なく入り込ませるのに貢献する。つまり、加熱により熱収縮する前駆体チューブ24は、溶融した前駆体チューブ22を当該間隔に供給することができるが、プレス加工を加えることで、この供給が加速される。本発明者らの検討によると、熱収縮による供給だけでは、接続部位16a,16b及びその近傍における絶縁を担保するのが難しいのに対して、プレス加工を施すことで、工業生産の規模において、満足できるレベルの絶縁が確保されることを確認できる。
[温度センサ1の効果]
温度センサ1は、被覆層20が直方体状をなしているので、四つの平坦な外側面を備えている。したがって、温度センサ1は、図5(a)に示すように、平坦な面を有する温度検知対象200に、面同士で接触できるので、温度検知対象200の温度変化に対する感受性が高くなり、検知温度の精度向上に寄与する。
また、温度センサ1は、内層21をなす樹脂だけで接続部位16a,16b及びその近傍における絶縁を確保できる。したがって、当該部分を格別な絶縁材料で被覆する必要がないので、コストをその分だけ削減できる。また、接続部位16aと接続部位16bの位置を長手方向にずらせば、絶縁材料で被覆する必要はないが、その分だけ、温度センサ1の寸法が長くなる。これに対して温度センサ1は、接続部位16aと接続部位16bの位置が長手方向で一致していても、格別な絶縁材料で被覆する必要がないので、コスト削減に加えて、温度センサ1の小型化にも寄与する。
本実施形態に従って作製された温度センサ1を用い、効果を確認する温度測定を行った。結果を図7に示す。比較として、プレス加工を施さない以外は、本実施形態と同様の温度センサ(比較センサ)についても同様の測定を行った。結果を図7に示す。本実施形態による温度センサ1は、5分(300秒)経過後の到達温度が比較センサよりも10℃程度高くなることが確認された。熱時定数(63.2%応答)を比較すると、比較センサが約43秒であるのに対して、温度センサ1は約24秒である。
なお、測定の条件は、室温にて、180℃に加熱された金属製ブロックに、温度センサ1及び比較センサをそれぞれ所定荷重にて押し付けながら継時的に温度を測定する、というものである。
以上、本発明の参考形態を説明したが、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記参考形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
[形状の変更例]
例えば、温度センサ1の被覆層20は直方体状をなし、四つの平坦な外側面を備えているが、面同士の接触による検知温度の精度向上は、平坦な外側面を少なくとも一つ備えていれば実現できる。したがって、本発明は、図5(b)に示すように、平坦な外側面が一つだけの被覆層20、あるいは、図5(c)に示すように、対向する二つの外側面が平坦な被覆層20を包含する。
また、平坦な外側面を形成する加工は任意であり、例えば、図6(a)に示すように、平坦な面を有する下型107aと上型107bを用いて、二つの平坦な外側面を有する被覆層20を得ることができる。また、図6(b)に示すように一対のロール108a,108bの間を通過させることによっても、二つの平坦な外側面を有する被覆層20を得ることもできる。ただし、図4に示したように、四つの側面から押圧できるプレス加工を用いる方が、引き出し線12aと引き出し線12bの間、及び、リード線13aとリード線13bの間に、内層21を構成する樹脂を隙間なく入り込ませる上で好ましい。換言すれば、矩形状に成形することが、結果として、樹脂を隙間なく入り込ませるのに有効であると言える。
施形態]
次に、本発明の実施形態に係る温度センサ3を説明する。
施形態は、例えば、温度センサ3に対して温度検知対象200が傾いている場合であっても、または、温度検知対象200の温度検知面が平坦でない場合でも、温度検知対象200の温度変化に対する感受性を確保できる温度センサ3を提案する。
温度センサ3は、図8に示すように、サーミスタ素子10と、樹脂からなる被覆層20とを備えている。サーミスタ素子10は、サーミスタからなる素子本体11と、素子本体11から引き出される一対の引き出し線12a,12bと、を備えており、被覆層20は、内層21と外層23を備えている。温度センサ3は、基本的な構成が温度センサ1と同じであるので、温度センサ1との相違点を中心に説明するとともに、以下で参照する図面においては、温度センサ1と同じ構成要素には参考形態で用いたのと同じ符号を用いている。
温度センサ3は、被覆層20の外観形状が参考形態の温度センサ1と異なる。つまり、温度センサ1は、被覆層20が軸方向に真直であるのに対して、温度センサ3は、被覆層20が互いに長手方向X(図8(b))に傾く、第1当接面25Aと第2当接面25B、及び、第1対向面26Aと第2対向面26Bを備えている。このように、第1当接面25Aと第2当接面25Bが傾いているので、長手方向Xにおいて、一方の外側面25は山折り形状をなし、外側面25に対向する外側面26は谷折り形状をなしている。外側面25における第1当接面25Aと第2当接面25Bの境界部分には稜線27が、また、外側面26における第1当接面25Aと第2当接面25Bの境界部分には谷線28が形成される。外側面25は、稜線27を境にして、それぞれが平坦な面からなる第1当接面25Aと第2当接面25Bに区分され、外側面26は、谷線28を境にして、それぞれが平坦な面からなる第1対向面26Aと第2対向面26Bに区分される。稜線27及び谷線28は、それぞれ、長手方向Xに直交する幅方向Z(図8(a))の全域に亘って連なる。稜線27は、素子本体11と引き出し線12a,12bの接続部位よりも少しだけ後端側に変位した位置に設けられる。谷線28も同様である。なお、温度センサ3において、2本のリード線13a,13bが並ぶ方向を幅方向Zとし、幅方向Zに直交する方向を高さ方向Y(図8(b))とする。また、温度センサ3において、素子本体11が設けられる側を前、リード線13a,13bが引き出される側を後とする。なお、ここでは、第1当接面25Aと第2当接面25Bのそれぞれを平坦な面で構成したが、両者を合わせて曲率の小さい円弧面で代替することもできる。この円弧面により山折り形状を構成した場合にも、次に説明する作用及び効果を奏することができる。
次に、温度センサ3の外側面25が第1当接面25Aと第2当接面25Bが山折り形状をなしていることによる作用及び効果について、図9及び図10を参照して説明する。
はじめに、図9を参照して温度検知対象200の相違による、参考形態の温度センサ1の温度検知対象200への接触状態を説明する。
図9(a)は、温度検知対象200の温度検知面201が一様に連なる平坦な面をなし、かつ、温度センサ1の外側面(当接面)25と平行な場合を示し(図9(a)の左側)、この場合には、参考形態にて説明したように、外側面25は温度検知面201と面接触させることができる(図9(a)の右側)。なお、図9及び図10において、温度センサ1,3は、白抜き矢印で示す荷重Fで、温度検知対象200に押し付けられるものとする。
ところが、図9(b)に示すように、温度検知面201が外側面25に対して傾いていると(図9(b)の左側)、温度センサ1が傾かない限り、面接触を得ることができずに、外側面25は第1当接面25Aの後端において温度検知面201と線接触する(図9(b)の右側)。しかも、図9(b)のように温度検知面201が傾いている場合には、素子本体11から最も離れたリード線13a,13bの引き出し側の後端において線接触するので、温度検知対象200の温度変化に対する素子本体11の感受性は劣る。
また、図9(c)に示すように、温度検知面201が窪んでいると(図9(c)の左側)、外側面25はその前端と後端において温度検知面201と線接触するのみである(図9(c)の右側)。
以上の通りであり、温度センサ1のように、外側面25が一様に連なる一つの平坦面からなる場合には、温度検知面201の性状によっては、温度検知対象200の温度変化に対する素子本体11の感受性が劣ることがある。温度センサ3は、以上の問題点を解消するべく、外側面25を、山形形状をなす第1当接面25Aと第2当接面25Bから構成する。以下、図10を参照して、その作用及び効果を説明する。なお、図10(a),(b),(c)のそれぞれにおける温度検知対象200の性状は、図9(a),(b),(c)のそれと一致している。
図10(a)は、温度検知対象200の温度検知面201が水平をなしており(図10(a)の左側)、この場合には、無負荷であれば温度センサ3の稜線27が温度検知面201と線接触するのにとどまる。しかし、被覆層20の前端及び後端に荷重Fを加えて温度検知面201に押し付けると、山折り形状の外側面25は、温度検知面201に倣って一様に連なる平坦面に変形し、温度検知面201と面接触する。このとき、稜線27は、稜線27を挟む第1当接面25A及び第2当接面25Bよりも、温度検知面201に密に接触する。
したがって、図9(a)に示す面接触と同等以上の温度変化に対する感受性を得ることができる。
ここで、温度センサ3は、外側面26が谷折り形状をなしているで、被覆層20の前端部及び後端部の2点に荷重Fを印加すれば、被覆層20を真直に変形させることができる。これは、被覆層20を保持する部材が、少なくともこの2点で保持すれば足りることを意味している。
次に、図10(b)に示すように、温度検知面201が水平に対して傾いている場合であっても(図10(b)の左側)、山折り形状の外側面25を、温度検知面201に倣って一様に連なる平坦面に変形させることにより、温度検知面201と面接触させることができる(図10(b)の右側)。
次に、図10(c)に示すように、温度検知面201が窪んでいる場合であっても(図10(c)の左側)、山折り形状の外側面25を、温度検知面201に倣って一様に連なる平坦面に変形させることにより、温度検知面201と面接触させることができる(図10(c)の右側)。
以上の通りであり、温度センサ3は、種々の温度検知面201の性状に関わらず、温度検知面201との面接触を確保することができる。
ここでは、外側面25(第1当接面25A,第2当接面25B)の全域が温度検知面201と面接触する例を示したが、温度検知面201の性状によっては部分的な面接触しか得られない場合もある。しかし、図10を参照した以上の説明から、一様に連なる平坦な面だけで外側面25を形成するのに比べて、当接面を山折り形状になすことで、当接面が温度検知面201の形状に倣って、面接触が得やすくなることは明らかである。
次に、本発明者らは、仮に外側面25が温度検知面201と線接触するのに留まるとしても、その位置によって、温度変化に対する感受性が相違することを知見している。
温度センサ3は、図8(b)に示すように、稜線27が素子本体11と引き出し線12a,12bの接続部位よりも後端側にわずかに変位した位置に設けられている。つまり、稜線27が温度検知面201に接触すると(図10(a)の左側)、当該接触位置から素子本体11までの距離が短いので、温度検知対象200の温度変化に対する感受性は高いといえる。ここで、温度変化に対する感受性は、素子本体11が直接受ける熱だけに影響されるのではなく、引き出し線12a,12bを介して、いわば間接的に受ける熱にも影響される。特に、引き出し線12a,12bは、ジュメット線のような金属材料で構成されているので、熱伝導性が高く、温度検知面201からの熱を主に稜線27を介して受けた熱を素子本体11に迅速に伝えることができる。しかも、稜線27は、温度検知面201と最も密に接触するので、他の部位に比べて温度検知面201からの熱伝達が確実に行われるので、引き出し線12a,12bを介した素子本体11への熱の伝達が促進される。
以上説明したことを含め、温度センサ3の効果をまとめると、以下の通りである。
温度センサ3は、温度検知面201と接する外側面25を山折り形状にすることにより、温度検知面201との間で面接触が得やすくなる。したがって、温度検知対象200の温度変化に対する高い感受性を確保することができる。
山折り形状は、長手方向Xにおける任意の位置に設けることができる。このことは、複数の温度センサ3について稜線27を同じ位置に設けることにより、複数の温度センサ3の間で得られる測定温度結果のばらつきを抑えることができる。
また、温度センサ3は、稜線27を素子本体11と引き出し線12a,12bの接続部位よりも後端側に変位した位置に設けるので、素子本体11が直接受ける熱に加えて、引き出し線12a,12bを介する間接的な熱の伝達を受ける。よって、温度センサ3は、温度検知対象200の温度変化に対する感受性が高い。
温度センサ3において、被覆層20の長手方向の寸法Lに対する第2部20Bの先端部におけるそり量Hの比率(%)は、0.5%以上、好ましくは1%以上あれば、その効果を十分に得ることができる。一方で、そり量が必要以上に大きくなると、温度センサ3の高さ方向Yの寸法が大きくなり、温度センサ3を狭隘部に用いる場合に不利となる。この点を考慮した一つの目安として、寸法Lに対するそり量Hの比率(%)は、5%以下とする。
[温度センサ3の製造方法(フォーミング)]
次に、温度センサ3の製造方法について、図11を参照して説明する。なお、以下では、被覆層20が真直な温度センサ1をプレス加工により温度センサ3に成形(フォーミング)する例を説明する。
図11(a)は、温度センサ3を得るために行うフォーミングに用いられる金型110の概略構成を示している。
金型110は、概ね矩形のキャビティ112を有する下型111と、キャビティ112の開口面積に合う押圧面116を有する上型115と、からなり、温度センサ1を成形するのに用いた金型100と以下の点を除いて同じ構成を備える。
下型111は、キャビティ112に臨む下部成形面113が、温度センサ3の第1当接面25Aと第2当接面25Bにそれぞれ対応する第1成形面113Aと第2成形面113Bを備えている。
また、上型115の押圧面116は、温度センサ3の外側面26における第1対向面26Aと第2対向面26Bにそれぞれ対応する第1成形面116Aと第2成形面116Bを備えている。
フォーミングは、温度センサ1を所定の温度に加熱した後に、図11(b)に示すように、下型111のキャビティ112に収容する。その後、図11(c)に示すように、上型115をキャビティ112に挿入、押圧して、真直な被覆層20を、所定の角度をなして傾く第1部20Aと第2部20Bからなる形態に成形する。成形の形態が維持できるまで押圧を所定時間継続したのちに、温度センサ3をキャビティ112から取り出す(図11(d))。
フォーミングは、被覆層20を変形できれば足りるので、温度センサ1を得るのに比べて低い温度で加熱すればよい。具体的には、前駆体チューブ22を構成するPFAが変形可能な程度に軟化する融点MP未満の加熱温度を採用すればよい。
以上では、温度センサ1にフォーミングを施して温度センサ3を得ているが、温度センサ1を得るための金型100に代えて金型110を用いることにより、山折り形状を有する温度センサ3を直接的に得ることもできる。
ただし、一旦は真直な被覆層20を有する温度センサ1を得て、これにフォーミングする手順を適用して山折り形状を得ることが好ましい。これは、図10を用いて説明したように、温度センサ3は使用状態においては、被覆層20が真直に変形されることになり、この真直な状態が継続する。この継続的な使用に亘って、温度センサ3の構成要素に生ずる応力が低いことが、各構成要素の健全性を維持するために好ましい。したがって、一旦は真直に成形してから、山折り形状に成形する手順を踏めば、使用状態と山折り形状に成形する前の真直な状態と一致又は近似するので、使用状態に生ずる応力を低くできる。これに対して、最初から山折り形状に成形すると、真直になる使用状態は応力が高くなる。このことを引き出し線12a,12bを例にして説明する。
真直な被覆層20を有する温度センサ1において、引き出し線12a,12bは真直であり、このときには、引き出し線12a,12bには曲げ応力は生じていない。しかし、フォーミングを経ると引き出し線12a,12bは曲げられる(図8(a))ので、引き出し線12a,12bには曲げ応力が生ずる。ところが、使用状態において、被覆層20が真直になると、引き出し線12a,12bの曲げが開放され真直ぐになるので、曲げ応力も解放される。
フォーミングは、前述したように、第1当接面25A及び第2当接面25Bを山折り形状に形成することが主たる目的であるが、温度センサ1が形状精度にばらつきを有している場合に、このばらつきを矯正する機能をも有している。つまり、温度センサ1は、外側面25が平坦面から形成されることを前提としているが、現実には、外側面25には微小な凹凸が生じたり、捩じれが生じたりすることがある。したがって、多数の温度センサ1を生産する場合には、外側面25の性状は個々の温度センサ1によって相違しかねない。そこで、温度センサ1にフォーミングを施すことにより、外側面25を例外なく山折り形状にすることで性状のばらつきを低減し、温度センサ3による測定温度のばらつきを低減することができる。
本発明者らは、この効果を確認するために、20個の温度センサ1(フォーミング前),温度センサ3(フォーミング後)について、100℃の熱源を用いて温度測定した。その結果、到達温度のばらつき及び熱時定数のばらつきが以下のように相当に狭くなる。
到達温度:
82.7〜89.1℃(フォーミング前)→87.7〜90.0℃(フォーミング後)
熱時定数:
19.6〜74.3s(フォーミング前)→18.3〜25.4s(フォーミング後)
以上、施形態に係る温度センサ3を説明したが、当接面を山折り形状にする形態は、温度センサ3に限らない。図12を参照して説明する。
はじめに、温度センサ3は、稜線27を素子本体11と引き出し線12a,12bの接続部位の近傍に設けたが、本発明はこれに限定されず、図12(a)に示すように、稜線27を当該接続部位から離して設けることができる。ただし、この場合にも、稜線27は、長手方向Xにおいて、引き出し線12a,12bが設けられる領域内に配置されることが、前述した引き出し線12a,12bを介した熱の伝達の効果を得る上で好ましい。
また、温度センサ3は、外側面26が谷折り形状をなしているが、本発明はこれに限定されず、図12(b)に示すように、外側面26を平坦にすることもできる。ただし、この形態だと前端及び後端の2カ所に荷重を印加しただけでは、被覆層20を真直に変形させることは困難であるから、外側面26を平坦にする場合には、被覆層20を保持する部材の、外側面26に対応する部分を山折り形状にするといった工夫が必要である。また、外側面26を平坦にすると、外側面26を谷折り形状にするのに比べて、高さ方向Yの肉厚が厚くなり、その分だけ断面係数が大きくなるので、真直に変形させるのに必要な荷重が大きくなる。
また、温度センサ3は、外側面25を山折り形状にし、外側面26を谷折り形状にしているが、本発明はこれに限定されず、図12(c)に示すように、外側面25に加えて、外側面26も山折り形状にすることもできる。
さらに、温度センサ3は、外側面25に一つの稜線27を設けているが、図12(d)に示すように、外側面25に2つの稜線27を設け、外側面25を第1当接面25A、第2当接面25B及び第3当接面25Cを区分することができる。
1,3 温度センサ
2 センサアセンブリ
10 サーミスタ素子
11 素子本体
12a,12b 引き出し線
13a,13b リード線
14a,14b 撚線
15a,15b 被覆
16a,16b 接続部位
20 樹脂被覆層(被覆層)
20A 第1部
20B 第2部
21 内層
22 前駆体チューブ
23 外層
24 前駆体チューブ
25 外側面
25A 第1当接面
25B 第2当接面
25C 第3当接面
26 外側面
26A 第1対向面
26B 第2対向面
27 稜線
28 谷線
100 金型
101 下型
102 キャビティ
105 上型
107a 下型
107b 上型
108a,108b ロール
110 金型
111 下型
112 キャビティ
113 下部成形面
113A 第1成形面
113B 第2成形面
115 上型
116 押圧面
116A 第1成形面
116B 第2成形面
200 温度検知対象
201 温度検知面

Claims (10)

  1. サーミスタに一対の引き出し線が接続されたサーミスタ素子と、
    一対の前記引き出し線の各々と接続されるリード線と、
    前記サーミスタ素子と、前記引き出し線と前記リード線の接続部位と、を覆う樹脂被覆層と、を備え、
    前記樹脂被覆層は、
    前記サーミスタ素子と前記接続部位を封止し、内層樹脂材からなる内層と、
    前記内層の周囲に配置され、前記内層樹脂材よりも融点が高く、かつ、熱収縮性を有する外層樹脂材からなる外層と、を備え、
    前記外層は、
    平坦な外側面を有しており、
    前記平坦な前記外側面は、
    前記引き出し線が延設される長手方向に互いに傾く第1当接面と第2当接面を備え、前記長手方向に山折り形状をなしている、
    ことを特徴とする温度センサ。
  2. 前記樹脂被覆層は、
    直方体状の外観を有している、
    請求項1に記載の温度センサ。
  3. 前記内層の内部において、
    前記接続部位を含め、一対の前記引き出し線の間と、一対の前記リード線の間とに、前記内層樹脂材が満たされることで、絶縁が図られている、
    請求項1又は請求項2に記載の温度センサ。
  4. 前記第1当接面と前記第2当接面は、
    前記第1当接面と前記第2当接面の境界をなす稜線が、前記長手方向において、前記引き出し線が設けられる領域内に配置するように形成される、
    請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の温度センサ。
  5. 前記稜線は、前記長手方向において、前記サーミスタに近接して設けられる、
    請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の温度センサ。
  6. 前記第1当接面と前記第2当接面に対向する前記外側面である対抗面は、
    前記長手方向に谷折り形状をなしている、
    請求項〜請求項のいずれか一項に記載の温度センサ。
  7. 前記内層樹脂材は、PFAからなり、
    前記外層樹脂材は、PTFEからなり、
    前記リード線の被覆材は、PTFEからなる、
    請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の温度センサ。
  8. 請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の温度センサの製造方法であって、
    前記内層樹脂材からなる内層用チューブを、前記サーミスタ素子と前記接続部位に亘って被せるとともに、前記外層樹脂材からなる外層用チューブを、前記内層用チューブの周囲に被せてセンサアセンブリを得るチューブ被覆工程と、
    前記センサアセンブリを、前記内層材樹脂の融点を超え、前記外層材樹脂の融点未満の温度に加熱して、溶融した前記内層樹脂により前記サーミスタ素子と前記接続部位を封止する封止工程と、
    溶融している前記内層樹脂材が凝固するまでに、前記平坦面を成形する成形工程と、
    を備えることを特徴とする温度センサの製造方法。
  9. 前記成形工程は、
    平坦な押圧面を有する金型を用いて行われるプレス加工である、
    請求項に記載の温度センサの製造方法。
  10. 前記成形工程において真直に成形された前記樹脂被覆層を、
    請求項に記載の山折り形状に成形するフォーミング工程を備える、
    請求項又は請求項に記載の温度センサの製造方法。
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