JP6412309B2 - サーミスタ素子、温度センサ及びサーミスタ素子の製造方法 - Google Patents

サーミスタ素子、温度センサ及びサーミスタ素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、導電性を有し、その抵抗値が温度によって変化する導電性酸化物焼結体からなるサーミスタ本体を備えるサーミスタ素子、及び、これを用いた温度センサに関する。また、そのようなサーミスタ素子の製造方法に関する。
従来より、導電性を有し、その抵抗値が温度によって変化する導電性酸化物焼結体からなるサーミスタ本体を用いて温度測定を行うサーミスタ素子、さらには、このサーミスタ素子を用いた温度センサが知られている。例えば、特許文献1には、直方体形状の感温素子(サーミスタ本体)を内側保護層(第1被覆層)で被覆して封止した感温体(サーミスタ素子)が開示されている。この特許文献1では、結晶化ガラス粉末を溶剤と共に混合したガラスペースト中に、予め電極線(引出線)を接合した感温素子をディップしてガラスペーストを付着させ、その後熱処理して内側保護層を形成する。
特許第4990256号公報
この感温体(サーミスタ素子)では、上述したように感温素子(サーミスタ本体)をペーストにディップして内側保護層(第1被覆層)を形成するため、この内側保護層は外形が扁平球状(回転楕円体形状)となる。このため、内側保護層の層厚は、直方体形状の感温素子の平坦な外表面上では十分確保できても、感温素子のうち頂点(角部)上では相対的に薄くなる。
感温素子の頂点における内側保護層の層厚が薄くなると、この部位で還元性ガスの侵入を防止する特性が劣るので、例えば、特許文献1では、内側保護層全体をさらに外側から外側保護層で被覆して還元性ガスの侵入を防いでいる。しかしながら、被覆層を二重(内側保護層と外側保護層)にすることにより、内側保護層と外側保護層との熱膨張収縮の違いによる応力が発生するほか、サーミスタ素子の熱応答性が低下する不具合が生じる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであって、1層の被覆層によって、サーミスタ本体に向かう還元性ガスの侵入を全体にわたって適切に抑制できるサーミスタ素子、及び、これを用いた温度センサを提供するものである。また、そのようなサーミスタ素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、導電性酸化物焼結体からなり直方体状のサーミスタ本体と、耐還元性を有し、上記サーミスタ本体の周囲を被覆し、自身の外表面の少なくとも一部が外部に露出する露出外表面をなす第1被覆層と、を備えるサーミスタ素子であって、上記第1被覆層は、ガラスあるいはガラスと金属酸化物粒子との混合物からなり、上記サーミスタ本体上の起点から上記露出外表面に至る上記第1被覆層内の最小直線距離を、当該起点における露出層厚としたとき、上記第1被覆層は、直方体状の上記サーミスタ本体のうち、いずれの頂点を上記起点とした上記露出層厚も、当該頂点をなす三辺及び三平面内の点(但し、上記当該頂点を除く)を起点とする上記露出層厚のうち最も小さい最小露出層厚以上の厚さを有し、前記サーミスタ本体に接続され、前記第1被覆層を貫通して外部に延出する引出線と、耐還元性を有し、上記第1被覆層とは異なる材質からなる第2被覆層と、を備え、上記第2被覆層は、上記引出線及び上記第1被覆層の一部を覆って、上記引出線と上記第1被覆層とがなす界面を気密に閉塞してなり、前記第1被覆層の熱膨張係数をX1、前記第2被覆層の熱膨張係数をX2、前記引出線の熱膨張係数をX3としたとき、X1>X2、かつ、X3>X2を満たし、前記第1被覆層の熱膨張係数X1と前記第2被覆層の熱膨張係数X2との差(X1−X2)が、(X1−X2)≦15×10 -7 /℃を満たし、かつ、前記引出線の熱膨張係数X3と上記第2被覆層の熱膨張係数X2との差(X3−X2)が、(X3−X2)≦15×10 -7 /℃を満たすサーミスタ素子である。
上述のサーミスタ素子では、第1被覆層の、サーミスタ本体のいずれの頂点を起点とした露出層厚も、当該頂点をなす三辺及び三平面内の点(当該頂点を除く)を起点とする露出層厚のうち最も小さい最小露出層厚以上の厚さを有する。このため、1層の第1被覆層によって、サーミスタ本体の頂点に向かう場合を含め、サーミスタ本体のいずれの部位に向かう還元性ガスの侵入をも、サーミスタ素子全体にわたって適切に抑制することができる。
但し、サーミスタ素子がサーミスタ本体に接続され、第1被覆層を貫通して外部に延出する引出線を備える場合、引出線と第1被覆層との界面を通じて還元性ガスが侵入しやすい。
これに対し、前述のサーミスタ素子では、第2被覆層が引出線の一部及び第1被覆層の一部を覆って、界面を気密に閉塞している。このため、この第2被覆層により、第1被覆層と引出線との界面を通じて還元性ガスが侵入するのを適切に防止できる。
さらに、上述のサーミスタ素子では、第2被覆層の熱膨張係数X2が第1被覆層の熱膨張係数X1よりも小さく、かつ、引出線の熱膨張係数X3よりも小さい。従って、焼成後、第2被覆層には圧縮応力がかかり、第2被覆層における割れの発生を抑えることができ、第1被覆層と引出線との界面を通じて還元性ガスが侵入するのを確実に抑えたサーミスタ素子とすることができる。
加えて、上述のサーミスタ素子では、差(X1−X2)が15×10 -7 /℃以下であり、かつ、差(X3−X2)が15×10 -7 /℃以下である。つまり、第1被覆層、第2被覆層及び引出線の各熱膨張係数X1,X2,X3の違いが少ない。従って、サーミスタ素子の環境温度が変化しても、第1被覆層と第2被覆層との間、及び、引出線と第2被覆層との間に隙間や剥離(亀裂)が生じがたく、この第2被覆層により、引出線の隣在部及び第1被覆層の周囲外表面部とを確実に封止したサーミスタ素子とすることができる。
また上述のサーミスタ素子では、第1被覆層がガラスあるいはガラスと金属酸化物粒子との混合物からなるため、1層の第1被覆層によって、頂点を含めたサーミスタ本体に向かう還元性ガスの侵入を、サーミスタ素子全体にわたって確実に抑制できる。
なお、直方体の頂点とは、3つの辺が共有する点、即ち直方体状のサーミスタ素子をなす3つの稜線が集まった点をいう。また、直方体は、立方体を含む。
加えて、第2被覆層が引出線及び第1被覆層の一部を覆って界面を気密に閉塞してなる形態としては、例えば、引出線の第1被覆層から延出した延出部のうち、第1被覆層に隣り合って存在する部位、即ち、第1被覆層に隣在する隣在部、及び、第1被覆層の外表面のうち、隣在部の周囲の周囲外表面部を被覆する形態が挙げられる。
さらに、第1被覆層として用いうるガラスの材質としては、SiO2−RO−B23(R:アルカリ土類金属)、SiO2−RO−Al23、SiO2−RO−ZnO、SiO2−RO−Al23−ZrO2、SiO2−RO−TiO2、SiO2−B23−Al23、SiO2−B23−ZnOからなる結晶化ガラスや、SiO2−RO、SiO2−RO−B23、SiO2−RO−Al23、SiO2−RO−Al23−ZrO2からなる非晶質ガラスが挙げられる。なお、結晶化ガラスの方が非晶質ガラスよりも耐熱性が高いため、第1被覆層に結晶化ガラスを用いるのがより好ましい。また、金属酸化物粒子の材質としては、例えば、酸化イットリウム(Y23)、酸化アルミニウム(Al23)が挙げられる。
さらに、上述のサーミスタ素子であって、前記引出線は、前記サーミスタ本体の1つの端面を介して対向する対向面にそれぞれ接続され、上記端面を越えて同方向に引き出された一対の引出線であり、前記第2被覆層は、前記第1被覆層の前記外表面のうち、上記端面よりも上記引出線の延出方向に位置する外表面内に形成されてなるサーミスタ素子とすると良い。
上述のサーミスタ素子では、第2被覆層は第1被覆層の外表面のうち、上述の端面よりも延出方向に位置する外表面内に形成されている。このため、上述の端面よりサーミスタ本体側(延出方向とは逆側)の外表面上にも第2被覆層を形成したサーミスタ素子に比べ、サーミスタ素子の良好な熱応答性を確保することができる。
なお、サーミスタ本体の1つの端面とは、2つの対向面との間を結ぶ4つの面(側面)のうち、サーミスタ本体において、引出線の延出方向側に位置する面(第1側面)を指す。
さらに、上述のいずれかのサーミスタ素子であって、前記第2被覆層は、ガラスあるいはガラスと金属酸化物粒子との混合物からなるサーミスタ素子とすると良い。
上述のサーミスタ素子では、第2被覆層がガラスあるいはガラスと金属酸化物粒子との混合物からなるため、この第2被覆層により、第1被覆層と引出線との界面を通じて還元性ガスが侵入するのを確実に防止できる。
なお、第2被覆層として用いうるガラスの材質としては、SiO2−RO−B23(R:アルカリ土類金属)、SiO2−RO−Al23、SiO2−RO−Al23−ZrO2、SiO2−RO−ZnO、SiO2−RO−TiO2、SiO2−B23−Al23、SiO2−B23−ZnOからなる結晶化ガラスや、SiO2−RO、SiO2−RO−B23、SiO2−RO−Al23、SiO2−RO−Al23−ZrO2からなる非晶質ガラスが挙げられる。なお、非晶質ガラスの方が結晶化ガラスよりも、焼成時に軟化流動して、第1被覆層と引出線との界面を埋めることができるため、第2被覆層に非晶質ガラスを用いるのがより好ましい。また、金属酸化物粒子の材質としては、例えば、酸化イットリウム(Y23)、酸化アルミニウム(Al23)が挙げられる。
さらに、上述のサーミスタ素子であって、前記第2被覆層をなすガラスは、非晶質ガラスであるサーミスタ素子とすると良い。
上述のサーミスタ素子では、第2被覆層をなすガラスが非晶質ガラスである。非晶質ガラスは、結晶化ガラスに比べて、焼成時に軟化流動して、第1被覆層と引出線との界面を埋めることができるため、この第2被覆層により、第1被覆層と引出線との界面を通じて還元性ガスが侵入するのを確実に防止できる。
さらに、上述のいずれかのサーミスタ素子であって、前記第1被覆層をなすガラスは、結晶化ガラスであるサーミスタ素子とすると良い。
上述のサーミスタ素子では、第1被覆層をなすガラスが結晶化ガラスである。結晶化ガラスの耐熱性は、一般に非晶質ガラスよりも高いため、第1被覆層をなすガラスに結晶化ガラスを用いることで、第1被覆層を介するサーミスタ本体の高温信頼性を確保できる。
また、一般に、結晶化ガラスの熱伝導率は、非結晶質ガラスの熱伝導率よりも高いため、第1被覆層をなすガラスとして結晶化ガラスを用いることで、第1被覆層を介してサーミスタ本体に熱が伝わりやすく、熱応答性を確保しやすい。
さらに、上述のいずれかのサーミスタ素子であって、前記第1被覆層の外形が、直方体状の前記サーミスタ本体の各平面と平行な平面を有する直方体状とされてなるサーミスタ素子とすると良い。
上述のサーミスタ素子では、第1被覆層の外形が、サーミスタ本体の各平面と平行な平面を有する直方体状とされてなるため、各頂点を起点とした露出層厚を、確実に辺や平面内の点を起点とする露出層厚以上にでき、1層の第1被覆層によって、サーミスタ本体に向かう還元性ガスの侵入を、サーミスタ素子全体にわたって確実に抑制できる。
さらに、上述のいずれかのサーミスタ素子であって、前記第1被覆層の外形が、直方体状の前記サーミスタ本体の互いに対向する一対の平面と平行な一対の平面を有する円柱形状とされてなるサーミスタ素子とすると良い。
上述のサーミスタ素子では、第1被覆層の外形が、サーミスタ本体の互いに対向する一対の平面と平行な一対の平面を有する円柱形状とされてなるため、各頂点を起点とした露出層厚を、確実に辺や平面内の点を起点とする露出層厚以上にでき、1層の第1被覆層によって、サーミスタ本体に向かう還元性ガスの侵入を、サーミスタ素子全体にわたって確実に抑制できる。
さらに、本発明の他の一態様は、前述のいずれかのサーミスタ素子を用いた温度センサである。
上述の温度センサは、前述のサーミスタ素子を用いているので、耐還元性が良好で、かつ、熱応答性が良好な温度センサとすることができる。
さらに、本発明の他の一態様は、導電性酸化物焼結体からなり直方体状のサーミスタ本体と、耐還元性を有し、上記サーミスタ本体の周囲を被覆し、自身の外表面の少なくとも一部が外部に露出する露出外表面をなす第1被覆層と、を備え、上記第1被覆層は、ガラスあるいはガラスと金属酸化物粒子との混合物からなり、上記サーミスタ本体上の起点から上記露出外表面に至る上記第1被覆層内の最小直線距離を、当該起点における露出層厚としたとき、上記第1被覆層は、直方体状の上記サーミスタ本体のうち、いずれの頂点を上記起点とした上記露出層厚も、当該頂点をなす三辺及び三平面内の点(但し、上記当該頂点を除く)を起点とする上記露出層厚のうち最も小さい最小露出層厚以上の厚さを有し、前記サーミスタ本体に接続され、前記第1被覆層を貫通して外部に延出する引出線と、耐還元性を有し、上記第1被覆層とは異なる材質からなる第2被覆層と、を備え、上記第2被覆層は、上記引出線及び上記第1被覆層の一部を覆って、上記引出線と上記第1被覆層とがなす界面を気密に閉塞してなり、前記第1被覆層の熱膨張係数をX1、前記第2被覆層の熱膨張係数をX2、前記引出線の熱膨張係数をX3としたとき、X1>X2、かつ、X3>X2を満たし、前記第1被覆層の熱膨張係数X1と前記第2被覆層の熱膨張係数X2との差(X1−X2)が、(X1−X2)≦15×10 -7 /℃を満たし、かつ、前記引出線の熱膨張係数X3と上記第2被覆層の熱膨張係数X2との差(X3−X2)が、(X3−X2)≦15×10 -7 /℃を満たすサーミスタ素子の製造方法であって、焼成により上記第1被覆層となる未焼成第1被覆層を、上記サーミスタ本体を内包する形態にプレス成形するプレス工程と、上記未焼成第1被覆層を焼成して上記第1被覆層を形成する焼成工程と、を備えるサーミスタ素子の製造方法である。
上述のサーミスタ素子の製造方法は、上述のプレス工程と焼成工程とを備える。このうちプレス工程では、プレス成形により未焼成第1被覆層を形成する。このため、サーミスタ本体をペーストにディップして被覆層を形成した場合とは異なり、サーミスタ本体の各頂点を起点とした露出層厚が、当該頂点をなす三辺及び三平面内の点(当該頂点を除く)を起点とする露出層厚以上の厚さを有する形態のサーミスタ素子を容易に製造できる。これにより、1層の第1被覆層によって、サーミスタ本体の頂点に向かう場合を含め、サーミスタ本体のいずれの部位に向かう還元性ガスの侵入をも、サーミスタ素子全体にわたって適切に抑制できるサーミスタ素子を製造できる。
実施形態1にかかるサーミスタ素子の斜視図である。 実施形態1にかかるサーミスタ素子の上面図である。 実施形態1にかかるサーミスタ素子の側面図である。 実施形態1,変形形態にかかるサーミスタ素子の製造方法の説明図である。 実施形態1にかかるサーミスタ素子の製造方法のうち、プレス工程の説明図である。 変形形態にかかるサーミスタ素子の斜視図である。 変形形態にかかるサーミスタ素子の上面図である。 変形形態にかかるサーミスタ素子の側面図である。 実施形態2にかかる温度センサの説明図である。 変形例にかかるサーミスタ素子の製造方法の説明図である。
(実施例1)
次に、本発明の実施形態1のうち実施例1について説明する。
まず、実施例1にかかるサーミスタ素子1について図1〜3を参照しつつ説明する。このサーミスタ素子1は、導電性酸化物焼結体からなり直方体状のサーミスタ本体10と、耐還元性を有し、サーミスタ本体10の周囲全体を被覆する第1被覆層20とを備える(図1参照)。また、サーミスタ本体10に接続され、第1被覆層20を貫通してこの外部に延出する一対の引出線40,40と、耐還元性を有する第2被覆層30とを備える(図1参照)。
このうち、サーミスタ本体10は、図4に示すように、ダイシング加工によって直方体状に切断してなる。このサーミスタ本体10は、互いに平行に対向する接続面(第1接続面11A,第2接続面11B)を有する。なお、これら接続面11A,11B上には、白金からなる電極層ESがそれぞれ形成されており、この電極層ESを介して、各接続面11A,11Bに引出線40,40がそれぞれ接続されている(図1,2,4参照)。
また、サーミスタ本体10は、2つの接続面11A,11Bとの間を結ぶ4つの側面12A〜12Dを有する(図1,2,4参照)。このうち、第1側面12Aは、サーミスタ本体10において、引出線40が第1被覆層20の外部に延出する延出方向DX側に位置する。また、第2側面12Bは、第1側面12Aと対向している。一方、第3側面12Cと第4側面12Dも、互いに対向している(図1,3,4参照)。
また、サーミスタ本体10は、図4に示すように、第1接続面11Aをなす4つの辺(第1〜4辺13A〜13D)と、第2接続面11Bをなす4つの辺(第5〜8辺14A〜14D)とを有する。さらに、4つの側面(第1側面12A、第2側面12B、第3側面12C及び第4側面12D)同士の間に位置する4つの辺(第9〜12辺15A〜15D)を有する(図4参照)。
また、このサーミスタ本体10は、三辺が交わる(また三平面が交わる)8個の頂点を有する。具体的には、図4に示すように、第1接続面11Aをなす第1〜4頂点16A〜16D、及び、第2接続面11Bをなす第5〜8頂点17A〜17Dを有する(図4参照)。
一方、引出線40は、50〜900℃における線熱膨張係数が98×10-7/℃の白金−ロジウム合金からなる円柱棒状である。この引出線40は、第1被覆層20内に位置する内側部41と、第1被覆層20からこの外部に延出する延出部42とからなる(図2参照)。このうち、内側部41は、この一部がサーミスタ本体10の第1接続面11A(または第2接続面11B)の電極層ESに接続されている。また、延出部42は、内側部41及び第1被覆層20の隣に存在する、即ち、第1被覆部20に隣在し、第2被覆層30に被覆されている隣在部42Eと、第2被覆層30に被覆されずに外部に露出する露出部42Fとを有する。
また、第1被覆層20は、50〜900℃における線熱膨張係数が99×10-7/℃の結晶化ガラスからなる。この第1被覆層20の外表面20Fは、外部に露出する露出外表面20Rと第2被覆層30に被覆された被覆外表面20Sとを含む。
なお、本実施形態1にかかるサーミスタ素子1では、第1被覆層20の外形も、概略サーミスタ本体10の各平面(接続面11A,11B及び側面12A〜12D)と平行な平面を有する直方体状である(図1参照)。この第1被覆層20は、第1被覆層20を介してサーミスタ本体10の第1接続面11A、第2接続面11B、第1側面12A、第2側面12B、第3側面12Cあるいは第4側面12Dとそれぞれ平行な、第1平面21、第2平面22、第3平面23、第4平面24、第5平面25及び第6平面26を有している(図2,3参照)。
また、本実施形態1にかかるサーミスタ素子1では、サーミスタ本体10上の起点から露出外表面20Rに至る第1被覆層20内の最小直線距離を、この起点における露出層厚としたとき、いずれの頂点16A〜16D,17A〜17Dをこの起点とした露出層厚も、当該頂点をなす三辺及び三平面内の点(頂点16A〜16D,17A〜17Dを除く)を起点とする露出層厚のうち最も小さい最小露出層厚以上の厚さを有している。
具体的に、サーミスタ本体10の8つの頂点のうちの第1頂点16Aについて考える。この第1頂点16Aは、前述したように、第2辺13B、第3辺13C及び第11辺15Cの三辺が交わる点である。また、第1接続面11A、第2側面12B及び第3側面12Cの三平面が交わる点である。
なお、本実施形態1の第1被覆層20は、第1接続面11Aと第1平面21との間に介在する第1被覆層20の層厚(第1層厚)がTX1である(図2参照)。また、第2側面12Bと第4平面24との間に介在する層厚(第2層厚)がTX2、第3側面12Cと第5平面25との間に介在する層厚(第3層厚)がTX3である(図3参照)。
第1接続面11Aと第1平面21、第2側面12Bと第4平面24、及び、第3側面12Cと第5平面25とはいずれも平行であるので、サーミスタ本体10の第1接続面11A上のいずれの起点においても露出層厚は第1層厚TX1である。また、第2側面12B及び第3側面12Cにおける露出層厚はそれぞれ第2層厚TX2,第3層厚TX3である。なお、本実施形態1では、第1層厚TX1、第2層厚TX2及び第3層厚TX3は、TX3<TX1<TX2である。
但し、第1被覆層20は焼成した結晶化ガラスからなるため、サーミスタ本体10とは異なり、第1被覆層20の各平面21〜26のうち隣り合う二平面が交わる辺、及び、三辺及び三平面が交わる頂点の部分は、丸みを帯びた形態となっている。
しかしながら、図1〜3に示すように、第1被覆層20の各平面21〜26はいずれも、対応するサーミスタ本体10の各平面(各接続面11A,11B及び各側面12A〜12D)よりも大きい。このため、第1頂点16Aをなす3本の辺のうち、第2辺13B上のいずれの起点においても、露出層厚が第1層厚TX1である。また、第3辺13C及び第11辺15Cにおける露出層厚がいずれも第3層厚TX3である。
以上より、本実施形態1では、サーミスタ本体10の第1頂点16Aをなす三辺(第2辺13B,第3辺13C,第11辺15C)及び三平面(第1接続面11A,第2側面12B,第3側面12C)内の点(第1頂点16Aを除く)を起点とする露出層厚のうち最も小さい最小露出層厚は第3層厚TX3である。
一方、第1頂点16Aは、第1被覆層20の三平面(第1平面21,第4平面24,第5平面25)に囲まれているため、この第1頂点16Aを起点とした露出層厚は、第1層厚TX1、第2層厚TX2及び第3層厚TX3のうちで最も小さい第3層厚TX3である。従って、第1頂点16Aの露出層厚(第3層厚TX3)は、この第1頂点16Aをなす三辺及び三平面の最小露出層厚(第3層厚TX3)と同じ厚さを有することが判る。
本実施形態1では、第1被覆層20は、サーミスタ本体10の第1接続面11A、第2接続面11B、第1〜4側面12A〜12Dとそれぞれ平行、かつ、広面積な第1〜6平面21〜26を有している。このため、上述した第1頂点16A以外の頂点16B〜16D,17A〜17Dに関しても、第1頂点16Aと同様、各頂点の露出層厚は、当該頂点をなす三辺及び三平面の最小露出層厚と同じ厚さを有する。
一方、第2被覆層30は、50〜900℃における線熱膨張係数が84×10-7/℃である非晶質ガラスからなる。この第2被覆層30は、直方体状の第1被覆層20のうち、前述した第3平面23上に形成されている。また、引出線40の一部、具体的には、引出線40の第1被覆層20から延出した延出部42のうち第1被覆層20の隣に位置する隣在部42E、及び、第1被覆層20の一部、具体的には、その外表面20Fのうち隣在部42Eの周囲の周囲外表面部20STを、両者に跨がって被覆する。これにより、第2被覆層30が引出線40と第1被覆層20との界面VEを気密に閉塞している(図1〜3参照)。
なお、本実施形態1のサーミスタ素子1について、第1被覆層20の外表面20Fを、サーミスタ本体10の第1側面12Aよりも延出方向DXに位置する延出側外表面V1と、逆に、第1側面12Aよりもサーミスタ本体側(延出方向DXとは逆側)に位置する本体側外表面V2とに分ける。つまり、図2に示す第1側面12Aを含む仮想平面VFを基準に、第1被覆層20の外表面20Fを延出側外表面V1と本体側外表面V2とに分ける。すると、第2被覆層30は、延出側外表面V1内に形成されている。このため、第1側面12Aよりもサーミスタ本体10側の外表面(上述の本体側外表面V2)にも第2被覆層を形成したサーミスタ素子に比べ、サーミスタ素子1の良好な熱応答性を確保することができる。
次いで、サーミスタ素子1の製造について説明する。
まず、直方体状のサーミスタ本体10を用意する。なお、このサーミスタ本体10は、表裏面全面に電極層ESとなる白金層を形成した大判のセラミック板を形成し、これをダイシング加工によって直方体状に切断した。
サーミスタ本体10に設けた電極層ES、及び、白金−ロジウム合金からなる引出線40に、白金を含有するペーストをそれぞれ塗布した後、熱処理によりこれらを接合した(図4参照)。
次いで、プレス工程について説明する。このプレス工程は、焼成により前述した第1被覆層20となる未焼成第1被覆層20Bを、サーミスタ本体10を内包する形態にプレス成形する工程である。
このプレス工程では、具体的に、第1方向DPに延びる貫通孔61を有する矩形筒型状の第1金型60と、この第1金型60の2つの開口(第1開口61A,第2開口61B)をそれぞれ塞ぐ矩形板状の第2金型70及び第3金型80とからなる金型50を用いる(図5参照)。このうち、第1金型60は、この内側寸法が前述した第1被覆層20の外側寸法よりも大きく成型されている。
また、第2金型70は、第1金型60の第1方向DP一方側(図5中、上方)の第1開口61A内に配置されて、この第1開口61Aを塞ぐ。また、第3金型80は、第1金型60の第1方向DP他方側(図5中、下方)の第2開口61B内に配置されて、この第2開口61Bを閉塞する。このうち第2金型70は、第1方向DPに貫通する2つの貫通孔71,71を有する。この貫通孔71は、プレス成形する際、サーミスタ本体10に接続された引出線40を挿通するためのものである。なお、貫通孔71の内径寸法は、引出線40の外径寸法よりもわずかにだけ大きくしてあり、プレス工程の際、貫通孔71と引出線40との間の隙間を通じて、未焼成第1被覆層20Bをなす粉末が金型50(第2金型70)の外部にもれ出るのを抑制している。
プレス工程では、まず、第1金型60の2つの開口61A,61Bのうち、第2開口61Bの内側に第3金型80を配置して、この第2開口61Bを第3金型80で塞ぐ。その後、第1開口61Aを通じて、第1金型60の内部の中央に、引出線40を接続したサーミスタ本体10を配置する。このとき、引出線40の延出方向DXを、第1金型60の第1方向DPと同方向にし、引出線40が第1開口61Aから第1金型60の外部に延出させる。そして、第1金型60とサーミスタ本体10との間に、SiO2−RO−Al23−ZrO2(R:アルカリ土類金属)からなるガラス粉末を所定量満たす。
その後、第2金型70で、第1金型60の第1開口61Aを塞いで、第1金型60を密閉する。このとき、第1金型60の内部から延出する2本の引出線40,40を各貫通孔71,71に挿通させる。さらに、第2金型70に外力Fをかけて、サーミスタ本体10を内包する形態にガラス粉末をプレス成形する。これにより、金型50(第1金型60、第2金型70及び第3金型80)の内部には、焼成前の未焼成第1被覆層20Bができる(図5参照)。なお、本実施形態1では、第2金型70のみに外力Fを加えてガラス粉末をプレス成形しているが、第3金型80にも外力Fをかけてガラス粉末をプレス成形しても良い。
次いで、上述した未焼成第1被覆層20Bを焼成して(1050℃で1時間)、第1被覆層20を形成した(焼成工程)。
続いて、第1被覆層20の第3平面23上に、既知のディスペンサ(液体定量吐出装置)を用いて、SiO2−RO−Al23(R:アルカリ土類金属)からなるガラス粉末を含むペーストを塗布した。塗布したペーストを乾燥させた後、これを焼成して(950℃で1時間)、第2被覆層30を形成した。
なお、本実施形態1では、第1被覆層20の熱膨張係数(=99×10-7/℃)をX1、第2被覆層30の熱膨張係数(=84×10-7/℃)をX2、引出線40の熱膨張係数(=98×10-7/℃)をX3としたとき、X1>X2、かつ、X3>X2を満たす。このため、焼成後、第2被覆層30には圧縮応力がかかり、第2被覆層30における割れの発生を抑えて形成できる。
かくして、本実施形態1にかかるサーミスタ素子1が出来上がる(図1〜3参照)。
得られたサーミスタ素子1について、以下のようにして耐還元性の評価を行った。
即ち、まず、サーミスタ素子1について、900℃の大気環境下における初期抵抗値を測定した。その後、サーミスタ素子1を、900℃の還元ガス(Ar:H2=95:5)中に1時間保持した後の抵抗値を測定した。そして、初期抵抗値から還元ガスに保持した後の抵抗値を減じた値を初期抵抗値で除した値の百分率を抵抗値変化率として、これを算出した。なお、抵抗値変化率が1%未満のものを合格、1%以上のものを不合格とした。
試料数Nを10とし(N=10)、各回数において合否を判定し、合格率を算出した。
評価結果(合格率)について表1に示す。また、第1被覆層20の熱膨張係数X1と第2被覆層30の熱膨張係数X2との差(X1−X2)、及び、引出線40の熱膨張係数X3と第2被覆層30の熱膨張係数X2との差(X3−X2)についても、表1に示す。
Figure 0006412309
(実施例2〜8,比較例1)
また、上述した実施例1のサーミスタ素子1とは異なる実施例2〜8の各サーミスタ素子と、比較例1のサーミスタ素子を用意した。
具体的には、実施例2のサーミスタ素子は、第2被覆層を有しない点で実施例1のサーミスタ素子1とは異なる(表1参照)。
また、実施例3のサーミスタ素子は、第2被覆層の材質に非晶質ガラスと酸化イットリウムとの混合物を用いている点で、実施例1のサーミスタ素子1とは異なる(表1参照)。
また、実施例4のサーミスタ素子は、第2被覆層の材質に結晶化ガラスと酸化アルミニウムとの混合物を用い、かつ、この結晶化ガラスに、ガラス組成がSiO2−RO−Al23−ZrO2(R:アルカリ土類金属)のものを用いている点で、実施例1のサーミスタ素子1とは異なる(表1参照)。
また、実施例5のサーミスタ素子は、第1被覆層の材質に結晶化ガラスと酸化アルミニウムとの混合物を用いている点で、実施例1のサーミスタ素子1とは異なる(表1参照)。
また、実施例6のサーミスタ素子は、第1被覆層の材質に結晶化ガラスと酸化アルミニウムとの混合物を用い、かつ、第2被覆層の材質に非晶質ガラスと酸化イットリウムとの混合物を用いている点で、実施例1のサーミスタ素子1とは異なる(表1参照)。
また、実施例7のサーミスタ素子は、第1被覆層の結晶化ガラスに、ガラス組成がSiO2−RO−ZnO(R:アルカリ土類金属)のものを用い、かつ、第2被覆層の材質に結晶化ガラスと酸化アルミニウムとの混合物を用い、さらに、第2被覆層の結晶化ガラスに、ガラス組成がSiO2−RO−Al23−ZrO2(R:アルカリ土類金属)のものを用いている点で、実施例1のサーミスタ素子1とは異なる(表1参照)。
また、実施例8のサーミスタ素子は、第2被覆層の非晶質ガラスに、ガラス組成がSiO2−RO−B23(R:アルカリ土類金属)のものを用いている点で、実施例1のサーミスタ素子1とは異なる(表1参照)。
一方、比較例1のサーミスタ素子は、結晶化ガラスからなる第1被覆層が扁平球状(回転楕円体形状)である点で、第1被覆層20が概略直方体状である実施例1〜8の各サーミスタ素子とは異なる(表1参照)。なお、この比較例1のサーミスタ素子については、実施例1と同様のサーミスタ本体に引出線を接続した後、ガラス粉末を含むペーストにディップして扁平球状に形成し、焼成して第1被覆層とした。
実施例2〜8及び比較例1の各サーミスタ素子についても、実施例1のサーミスタ素子1と同様にして、耐還元性の評価を行った。各サーミスタ素子の評価結果(合格率)についても、表1に示す。
表1によれば、比較例1のサーミスタ素子の合格率が1/10であるのに対し、実施例1〜8のサーミスタ素子の合格率が6/10以上であり、比較例のものよりも高いことが判る。第1被覆層の形態が扁平球状(回転楕円体形状)の比較例1のサーミスタ素子では、直方体状のサーミスタ本体の頂点における第1被覆層の層厚がその周囲よりも薄くなっており、この部位において還元性ガスが侵入したためと考えられる。
これに対し、実施例1〜8の各サーミスタ素子(サーミスタ素子1)では、第1被覆層20の、サーミスタ本体10のいずれの頂点を起点とした露出層厚も、最小露出層厚以上の厚さを有する。このため、1層の第1被覆層20によって、サーミスタ本体10の頂点に向かう場合を含め、サーミスタ本体10のいずれの部位に向かう還元性ガスの侵入をも、サーミスタ素子1全体にわたって適切に抑制することができたと考えられる。
また、実施例1〜8のうち、第2被覆層を有しない実施例2のサーミスタ素子の合格率が、他のサーミスタ素子よりも低かった。第1被覆層を貫通して外部に延出する引出線と第1被覆層との界面を通じて還元性ガスが侵入しやすいため、これら引出線及び第1被覆層を被覆する第2被覆層を有しない実施例2のサーミスタ素子では、サーミスタ本体に向けた還元性ガスの侵入を防止できなかったと考えられる。
これに対し、実施例1,3〜8の各サーミスタ素子(サーミスタ素子1)では、第2被覆層30が引出線40の隣在部42E及び第1被覆層20の周囲外表面部20STを覆って、引出線40と第1被覆層20との界面VEを気密に閉塞している。このため、この第2被覆層30により、第1被覆層20と引出線40との界面VEを通じて還元性ガスが侵入するのを適切に防止できたと考えられる。
また、表1によれば、第1被覆層20の熱膨張係数X1と第2被覆層30の熱膨張係数X2の関係がX1<X2である実施例7のサーミスタ素子の合格率(7/10)が、X1>X2である実施例1,3〜6,8の各サーミスタ素子の合格率よりも低いことが判る。第2被覆層30の熱膨張係数X2が第1被覆層20の熱膨張係数X1より低いと、焼成後、第2被覆層30に圧縮応力が十分かからず、この第2被覆層30において割れが生じやすいためと考えられる。
これに対し、実施例1,3〜6,8の各サーミスタ素子(サーミスタ素子1)について、第1被覆層20の熱膨張係数X1、第2被覆層30の熱膨張係数X2、及び、引出線40の熱膨張係数X3の関係が、X1>X2、かつ、X3>X2を満たしている。従って、焼成後、第2被覆層30には圧縮応力が十分にかかり、第2被覆層30における割れの発生を抑えることができ、第1被覆層20と引出線40との界面VEを通じて還元性ガスが侵入するのを確実に抑えたサーミスタ素子1とすることができる。
さらに、実施例1,3〜6,8の各サーミスタ素子のうち、差(X1−X2)及び差(X3−X2)がいずれも15×10-7/℃を超える実施例8の合格率(8/10)は、差(X1−X2)が15×10-7/℃以下、かつ、差(X3−X2)が15×10-7/℃以下の実施例1,3〜6の合格率よりも低い。これは、第1被覆層20、第2被覆層30及び引出線40の各熱膨張係数X1,X2,X3の違いが少ない実施例1,3〜6の各サーミスタ素子は、サーミスタ素子の環境温度が変化しても、第1被覆層20と第2被覆層30との間、及び、引出線40と第2被覆層30との間に隙間や剥離(亀裂)が生じがたいためと考えられる。かくして、実施例1,3〜6の各サーミスタ素子1は、第2被覆層30により、引出線40と第1被覆層20との界面VEを確実に閉塞したサーミスタ素子1とすることができる。
また、実施例1,3〜8の各サーミスタ素子(サーミスタ素子1)では、第2被覆層30がガラスあるいはガラスと金属酸化物粒子との混合物からなるため、この第2被覆層30により、第1被覆層20と引出線40との界面VEを通じて還元性ガスが侵入するのを確実に防止できる。
さらに、実施例1,3,5,6,8の各サーミスタ素子(サーミスタ素子1)では、第2被覆層30をなすガラスが非晶質ガラスである。非晶質ガラスは、結晶化ガラスに比べて、焼成時に軟化流動して、第1被覆層20と引出線40との界面VEを埋めることができるため、この第2被覆層30により、第1被覆層20と引出線40との界面VEを通じて還元性ガスが侵入するのを確実に防止できる。
さらに、実施例1〜8の各サーミスタ素子(サーミスタ素子1)では、第1被覆層20がガラスあるいはガラスと金属酸化物粒子との混合物からなるため、1層の第1被覆層20によって、頂点を含めたサーミスタ本体10に向かう還元性ガスの侵入を、サーミスタ素子1全体にわたって確実に抑制できる。
また、実施例1〜8の各サーミスタ素子(サーミスタ素子1)では、第1被覆層20をなすガラスが結晶化ガラスである。結晶化ガラスの耐熱性は、一般に非晶質ガラスよりも高いため、第1被覆層20をなすガラスに結晶化ガラスを用いることで、第1被覆層20を介するサーミスタ本体10の高温信頼性を確保できる。
また、実施例1〜8の各サーミスタ素子(サーミスタ素子1)では、第1被覆層20の外形が、サーミスタ本体10の各平面と平行な平面を有する概略直方体状とされてなるため、各頂点を起点とした露出層厚を、確実に辺や平面内の点を起点とする露出層厚以上にでき、1層の第1被覆層20によって、サーミスタ本体10に向かう還元性ガスの侵入を、サーミスタ素子1全体にわたって確実に抑制できる。
一方、実施形態1(実施例1〜8)の各サーミスタ素子(サーミスタ素子1)の製造方法は、前述のプレス工程と焼成工程とを備える。このうちプレス工程では、プレス成形により未焼成第1被覆層20Bを形成する。このため、サーミスタ本体10をペーストにディップして被覆層を形成した場合とは異なり、サーミスタ本体10の各頂点を起点とした露出層厚が、当該頂点をなす各辺及び各平面内の点(当該頂点を除く)を起点とする露出層厚以上の厚さを有する形態のサーミスタ素子1を容易に製造できる。これにより、1層の第1被覆層20によって、サーミスタ本体10の頂点に向かう場合を含め、サーミスタ本体10のいずれの部位に向かう還元性ガスの侵入をも、サーミスタ素子1全体にわたって適切に抑制できるサーミスタ素子1を製造できる。
(変形形態)
次に、本発明の変形形態にかかるサーミスタ素子101について、図面を参照しつつ説明する。
本変形形態では、第1被覆層の外形が円柱形状である点で、上述した実施形態1(実施例1〜8)と異なる。
そこで、実施形態1と異なる点を中心に説明し、同様の部分の説明は省略または簡略化する。なお、同様の部分については同様の作用効果を生じる。また、同内容の部材、部位には同番号を付して説明する。
本変形形態にかかるサーミスタ素子101は、実施形態1と同様の、直方体状のサーミスタ本体10及び一対の引出線40,40のほか、耐還元性を有する、第1被覆層120及び第2被覆層130を備える(図6参照)。
このうち第1被覆層120は、実施形態1と同様の結晶化ガラスからなる。
なお、本変形形態では、第1被覆層120の外形が円柱形状である点で、前述した実施形態1の第1被覆層20と異なる(図6参照)。具体的には、この第1被覆層120は、第1被覆層120を介してサーミスタ本体10の第1側面12Aあるいは第2側面12Bとそれぞれ平行な第1平面121及び第2平面122を有している(図7参照)。また、サーミスタ本体10の第1接続面11A、第2接続面11B、第3側面12C及び第4側面12Dの外側に位置する円筒状の側面123を有している(図6,7参照)。なお、本変形形態では、側面123の円筒軸AXの軸線方向DAとサーミスタ本体10の延出方向DXとは平行である。
この第1被覆層120は、外表面120Fのうち外部に露出する露出外表面120Rと第2被覆層130に被覆された被覆外表面120Sとを含む。なお、本変形形態では、第2平面122及び側面123の各外表面が露出外表面120Rに、第1平面121の外表面の一部が被覆外表面120Sにそれぞれ該当する(図7参照)。
また、本変形形態にかかるサーミスタ素子101では、サーミスタ本体10のいずれの頂点16A〜16D,17A〜17Dをこの起点とした露出層厚も、この頂点をなす三辺及び三平面内の点(頂点16A〜16D,17A〜17Dを除く)を起点とする露出層厚のうち最も小さい最小露出層厚以上の厚さを有している。
具体的に、サーミスタ本体10の第1頂点16Aについて考える。この第1頂点16Aは、前述したように、第2辺13B、第3辺13C及び第11辺15Cの三辺が交わる点であり、第1接続面11A、第2側面12B及び第3側面12Cの三平面が交わる点である(図4参照)。
第1頂点16Aで交わる三平面のうち、第2側面12Bは、前述したように、第1被覆層120の第2平面122と平行である。このため、これら第2側面12Bと第2平面122との間に介在する第1被覆層120の層厚(第4層厚)をTX4とすれば、サーミスタ本体10の第2側面12B上のいずれの起点においても露出層厚は第4層厚TX4である。
一方、第1接続面11Aは、サーミスタ素子101を外部から延出方向DXに見た側面図である図8において、厚み方向DT(図8中、上下方向)及び延出方向DX(図8中、手前から奥行き方向)に延びている。
なお、本変形形態のサーミスタ素子101は、前述した実施形態1と同じように、金型(第1金型)内にサーミスタ本体10を配置した後、第1金型とサーミスタ本体10との間に充填したガラス粉末をプレス成形して作製する。このため、サーミスタ素子101では、サーミスタ本体10が第1被覆層120の円形の横断面の中心から少しずれて配置されることがある。
そこで、本変形形態のサーミスタ素子101として、サーミスタ本体10の中心線BX(即ち、厚み方向DTの中心、かつ、幅方向DWの中心であり、延出方向DXに延びる線)が、第1被覆層120の円筒軸AXよりも、厚み方向DTに見て図8中、上方向に、かつ、幅方向DWに見て図8中、右方向にずれて配置されたものを示す(図8参照)。
この場合、第1接続面11Aをなす部位のうち側面123に近い部位は、第1接続面11Aをなす第3辺13Cである。この第3辺13Cと側面123との間に介在する第1被覆層120の層厚(第5層厚)をTX5とすれば、サーミスタ本体10の第1接続面11A内の点を起点とする露出層厚の最小値は第5層厚TX5である。
また、第3側面12Cは、図8において、幅方向DW(図8中、左右方向)及び延出方向DX(図8中、手前から奥行き方向)に延びている。なお、サーミスタ本体10の中心線BXが第1被覆層120の円筒軸AXからずれているため、第3側面12Cをなす部位のうち、側面123に近い部位は、上述した第1接続面11Aと共通の第3辺13Cである。従って、サーミスタ本体10の第3側面12C内の点を起点とする露出層厚の最小値もまた第5層厚TX5である。
但し、第1被覆層120は、実施形態1と同様、焼成した結晶化ガラスからなるため、第1被覆層120の各平面121,122と側面123とが交わる辺の部分は、丸みを帯びた形態となっている。
しかしながら、図6〜8に示すように、第1被覆層120の第2平面122は、対応するサーミスタ本体10の第2側面12Bよりも大きい。さらに、図7に示すように、第1被覆層120の側面123が、サーミスタ本体10の第1接続面11A及び第3側面12Cよりも、軸線方向DA(延出方向DX)に大きい。
このため、第1頂点16Aをなす3本の辺のうち、第2辺13B及び第11辺15Cにおける露出層厚が第4層厚TX4である一方、第3辺13Cにおける露出層厚が第5層厚TX5である。
なお、本変形形態のサーミスタ素子101では、層厚TX4,TX5は、TX4<TX5である。従って、本変形形態のサーミスタ素子101では、サーミスタ本体10の第1頂点16Aをなす三辺(第2辺13B,第3辺13C,第11辺15C)及び三平面(第1接続面11A,第2側面12B,第3側面12C)内の点(第1頂点16Aを除く)を起点とする露出層厚のうち最も小さい最小露出層厚は第4層厚TX4である。
一方、第1頂点16Aは、第1被覆層120の第2平面122及び側面123に囲まれているため、この第1頂点16Aを起点とした露出層厚は、第4層厚TX4である。従って、本変形形態においては、第1頂点16Aの露出層厚(第4層厚TX4)は、この第1頂点16Aをなす三辺及び三平面の最小露出層厚(第4層厚TX4)と同じ厚さを有することが判る。
本変形形態のサーミスタ素子101では、第1被覆層120は、サーミスタ本体10の第1,2側面12A,12Bとそれぞれ平行、かつ、広面積な第1,2平面121,122を有する。さらに、軸線方向DAがサーミスタ本体10の延出方向DXと平行、かつ、サーミスタ本体10の第1,2接続面11A,11B及び第3,4側面12C,12Dよりも軸線方向DA(延出方向DX)に大きい側面123を有する。このため、本変形形態では、上述した第1頂点16A以外の頂点16B〜16D,17A〜17Dに関しても、第1頂点16Aと同様、各頂点の露出層厚は、当該頂点をなす三辺及び三平面の最小露出層厚と同じ厚さを有している。
一方、第2被覆層130は、実施形態1と同様の非晶質ガラスからなる。この第2被覆層130は、第1被覆層120のうち、前述した第1平面121上に形成されている。また、この第2被覆層130は、引出線40の第1被覆層120から延出した延出部42のうち、第1被覆層120の隣に位置する隣在部42E、及び、第1被覆層120の外表面120Fのうち、隣在部42Eの周囲の周囲外表面部120STを、両者に跨がって被覆している。
また、この第2被覆層130は、実施形態1と同様、第1被覆層120の外表面120Fのうち、第1側面12Aよりも延出方向DXに位置する延出側外表面V1内に形成されている(図7参照)。このため、実施形態1のサーミスタ素子1と同様、本体側外表面V2にまで第2被覆層を形成したサーミスタ素子に比べ、サーミスタ素子の良好な熱応答性を確保することができる。
本変形形態にかかるサーミスタ素子101では、第1被覆層120の外形が、サーミスタ本体10の互いに対向する一対の平面(第1側面12A,12B)と平行な一対の平面である第1平面121及び第2平面122を有する円柱形状とされてなる。このため、各頂点を起点とした露出層厚を、確実に辺や平面内の点を起点とする露出層厚以上にでき、1層の第1被覆層120によって、サーミスタ本体10に向かう還元性ガスの侵入を、サーミスタ素子101全体にわたって確実に抑制できる。
(実施形態2)
次いで、実施形態2にかかる温度センサ200について、図面を参照しつつ説明する。 この温度センサ200は、前述した実施形態1にかかるサーミスタ素子1(または変形形態にかかるサーミスタ素子101)と、このサーミスタ素子1(101)を内部に収容する筐体210とを有する(図9参照)。このうち、筐体210は、円筒形状の本体部211と、この本体部211から突出する、本体部211よりも径小な円筒形状の突出部212とからなる。この突出部212は、内側にサーミスタ素子1(101)を配置しており、突出部212の周囲の温度を測温することができる。
なお、本実施形態2にかかる温度センサ200は、例えば、図9に示すように、車両のエンジン(図示しない)から排出されてエキゾーストパイプEP内を流れる排気ガスEGの温度を計測するのに用いる。この場合、筐体210の突出部212をエキゾーストパイプEPの内側に配置しつつ、筐体210の本体部211をエキゾーストパイプの壁に固定する(図9参照)。
本実施形態2にかかる温度センサ200は、前述のサーミスタ素子1(101)を用いているので、耐還元性が良好で、かつ、熱応答性が良好な温度センサ200とすることができる。
次に、前述の実施例1〜8及び後述する比較例2のサーミスタ素子1等を用いた温度センサ200について、以下のようにして熱応答性の評価を行った。
まず、温度センサ200を室温(25℃)の大気中で1時間保持した。その後、温度センサを、ガス温度100℃、流速20m/secの測定ガス(Air)の流路内へ投入した。これにより、温度センサ200で検知される検知温度は、室温に相当する初期温度から上昇するが、やがてガス温度に近い飽和温度で飽和する。そこで、温度センサ200の検知温度の初期温度から飽和温度までの変化を100%とした場合の、63%に相当する温度を63%温度とする。そして、初期温度からこの63%温度に達するまでの応答時間を計測した。試料数Nを10とし(N=10)、各試料の応答時間の平均を算出し、各実施例及び比較例について、熱応答性の良否を判定した。具体的には、応答時間の平均が5sec未満の場合に「○」を、5sec以上の場合に「×」を付した。結果を前述の表1に示す。
次いで、ガスセンサ200に用いたサーミスタ素子について説明する。但し、実施例1〜8のサーミスタ素子については、既に説明したので、説明を省略する。実施例1,3〜8のサーミスタ素子では、第2被覆層は延出側外表面V1のみ被覆している。また、実施例2のサーミスタ素子は、第2被覆層を有していない。
一方、比較例2のサーミスタ素子は、第2被覆層で第1被覆層の外表面の全面を覆ってなる点で、即ち、第2被覆層で、延出側外表面V1のほか本体側外表面V2の全面を被覆している点で、第1被覆層の一部を第2被覆層で覆うあるいは第2被覆層が存在しない実施例1〜8のサーミスタ素子と異なる(表1参照)。比較例2のサーミスタ素子は、実施例1と同様にサーミスタ本体に第1被覆層を形成した後、ディップにより第1被覆層の全面を覆うように、ガラス粉末を含むペーストを塗布し、その後、焼成して第2被覆層とした。
そして、実施例1〜8、及び比較例2のサーミスタ素子を温度センサに組み付けて、上述した熱応答性の評価を行った。
表1に示したように、比較例2のサーミスタ素子を用いた温度センサの熱応答性は、「×」(応答時間が5sec以上)であった。これに対し、実施例1〜8のサーミスタ素子を用いた温度センサの熱応答性は、「○」(応答時間が5sec未満)であり、比較例2のサーミスタ素子を用いた温度センサよりも熱応答性が良好であることが判る。第2被覆層で第1被覆層の全面を覆っている比較例2のサーミスタ素子は、サーミスタ本体側の外表面(本体側外表面V2:図2参照)上にも第2被覆層が形成されているので、本体側外表面V2が第2被覆層に覆われていない実施例1〜8のサーミスタ素子に比べ、外部からサーミスタ本体への熱の伝わりが遅くなったと考えられる。また、第2被覆層に用いた非晶質ガラスの熱伝導率は、一般に、結晶化ガラスよりも低いことも影響したと考えられる。
この結果から、第1被覆層20の外表面20Fのうち、本体側外表面V2にまで第2被覆層30を設けるのに比して、延出側外表面V1内にのみ第2被覆層30を設けるのが好ましいことが判る。
以上において、本発明を実施形態1,2及び変形形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
実施形態1及び変形形態では、直方体状のサーミスタ本体の周囲全体を、直方体状、或いは、円筒形状の第1被覆層で被覆し、第1被覆層について、直方体状のサーミスタ本体のうちいずれの頂点を起点とした露出層厚も、当該頂点をなす三辺及び三平面内の点を起点とする最小露出層厚の厚さと同じになる形態を示した。しかしながら、直方体状のサーミスタ本体の頂点を起点とした露出層厚を、当該頂点をなす三辺及び三平面内の点を起点とする最小露出層厚の厚さよりも厚くした形態のサーミスタ素子としても良い。
また、実施形態1及び変形形態では、図4に示すように、各面が長方形となる直方体状のサーミスタ本体を用いたが、これに限らず、各面が正方形となる立方体状のサーミスタ本体を用いたサーミスタ素子としても良い。
さらに、実施形態1及び変形形態では、図5に示す金型50を用いてプレス工程を行ったが、このほかに、例えば図10に示す金型350を用いてプレス工程を行っても良い。
具体的には、この金型350は、第1方向DP(図10中、上下方向)に延びる貫通孔361を有する矩形筒状の第1金型360と、この第1金型360の2つの開口(第1開口361A,第2開口361B)をそれぞれ塞ぐ矩形板状の第2金型370及び第3金型380とからなる。
このうち、第1金型360は、上型362と下型363を組み合わせてなり、プレス成形する際、第1方向DPに嵌め合わせることができる。そして、上型362及び下型363には、それぞれ、貫通孔361から第1方向DPに垂直な第2方向DQ(図10中、左上右下方向)に沿って延びる2つの溝364、364が設けられている。この2つの溝364、364は、第2方向DQに沿って半円筒状に窪んだ形態である。この2つの溝364、364は、上型362と下型363とを嵌め合わせた際、サーミスタ本体10に接続された引出線40を包囲するためのものである。
また、第2金型370は、第1金型360の第1方向DP一方側(図10中、上方)の第1開口361A内に配置されて、この第1開口361Aを塞ぐ。また、第3金型380は、第1金型360の第1方向DP他方側(図10中、下方)の第2開口361B内に配置されて、この第2開口361Bを塞ぐ。
プレス工程では、まず、下型363の第2開口361B内に第3金型380を配置して、この第2開口361Bを塞ぐ。次に、下型363の上端面363F上に引出線40を接続したサーミスタ本体10を配置する。具体的には、下型363の上端面363Fに設けた2つの溝364、364に、引出線40を配置する。そして、下型363の上端面363F上に上型362を嵌め合わせる。このとき、上型362の2つの溝364、364が引出線40に重なるようにして、上型362の溝364、及び、下型363の溝364で引出線40を包囲する。
続いて、上型362の第1開口361Aから空間内に、SiO2−RO−Al23−ZrO2(R:アルカリ土類金属)からなるガラス粉末を所定量満たす。
その後、第2金型370で、第1金型360(上型362)の第1開口361Aを塞いで、第1金型360を密閉する。さらに、第2金型370及び第3金型380に外力Fをかけて、サーミスタ本体10を内包する形態にガラス粉末をプレス成形する。これにより、金型350(第1金型360、第2金型370及び第3金型380)の内部に、焼成前の未焼成第1被覆層20Bを形成する(図10参照)。
この未焼成第1被覆層20Bを焼成することで、実施形態1及び変形形態と同様、第1被覆層20を形成することができる。
1,101 サーミスタ素子
10 サーミスタ本体
11A 第1接続面(平面,対向面)
11B 第2接続面(平面,対向面)
12A 第1側面(平面,端面)
12B 第2側面(平面)
12C 第3側面(平面)
12D 第4側面(平面)
13A〜13D 第1〜4辺(辺)
14A〜14D 第5〜8辺(辺)
15A〜15D 第9〜12辺(辺)
16A〜16D 第1〜4頂点(頂点)
17A〜17D 第5〜8頂点(頂点)
20,120 第1被覆層
20B 未焼成第1被覆層
20F,120F 外表面
20R,120R 露出外表面
20ST,120ST 周囲外表面部(第1被覆層の一部)
21〜26 第1〜6平面(平面)
30,130 第2被覆層
40 引出線
42E 隣在部(引出線の一部)
121,122 第1,2平面(一対の平面)
200 温度センサ
DX 延出方向
V1 延出側外表面(外表面)
VE 界面

Claims (9)

  1. 導電性酸化物焼結体からなり直方体状のサーミスタ本体と、
    耐還元性を有し、上記サーミスタ本体の周囲を被覆し、自身の外表面の少なくとも一部が外部に露出する露出外表面をなす第1被覆層と、を備える
    サーミスタ素子であって、
    上記第1被覆層は、
    ガラスあるいはガラスと金属酸化物粒子との混合物からなり、
    上記サーミスタ本体上の起点から上記露出外表面に至る上記第1被覆層内の最小直線距離を、当該起点における露出層厚としたとき、
    上記第1被覆層は、
    直方体状の上記サーミスタ本体のうち、いずれの頂点を上記起点とした上記露出層厚も、当該頂点をなす三辺及び三平面内の点(但し、上記当該頂点を除く)を起点とする上記露出層厚のうち最も小さい最小露出層厚以上の厚さを有し、
    前記サーミスタ本体に接続され、前記第1被覆層を貫通して外部に延出する引出線と、
    耐還元性を有し、上記第1被覆層とは異なる材質からなる第2被覆層と、を備え、
    上記第2被覆層は、
    上記引出線及び上記第1被覆層の一部を覆って、上記引出線と上記第1被覆層とがなす界面を気密に閉塞してなり、
    前記第1被覆層の熱膨張係数をX1、前記第2被覆層の熱膨張係数をX2、前記引出線の熱膨張係数をX3としたとき、
    X1>X2、かつ、X3>X2を満たし、
    前記第1被覆層の熱膨張係数X1と前記第2被覆層の熱膨張係数X2との差(X1−X2)が、(X1−X2)≦15×10 -7 /℃を満たし、かつ、
    前記引出線の熱膨張係数X3と上記第2被覆層の熱膨張係数X2との差(X3−X2)が、(X3−X2)≦15×10 -7 /℃を満たす
    サーミスタ素子。
  2. 請求項1に記載のサーミスタ素子であって、
    前記引出線は、
    前記サーミスタ本体の1つの端面を介して対向する対向面にそれぞれ接続され、上記端面を越えて同方向に引き出された一対の引出線であり、
    前記第2被覆層は、
    前記第1被覆層の前記外表面のうち、上記端面よりも上記引出線の延出方向に位置する外表面内に形成されてなる
    サーミスタ素子。
  3. 請求項1または請求項2に記載のサーミスタ素子であって、
    前記第2被覆層は、
    ガラスあるいはガラスと金属酸化物粒子との混合物からなる
    サーミスタ素子。
  4. 請求項3に記載のサーミスタ素子であって、
    前記第2被覆層をなすガラスは、非晶質ガラスである
    サーミスタ素子。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のサーミスタ素子であって、
    前記第1被覆層をなすガラスは、結晶化ガラスである
    サーミスタ素子。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のサーミスタ素子であって、
    前記第1被覆層の外形が、直方体状の前記サーミスタ本体の各平面と平行な平面を有する直方体状とされてなる
    サーミスタ素子。
  7. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のサーミスタ素子であって、
    前記第1被覆層の外形が、直方体状の前記サーミスタ本体の互いに対向する一対の平面と平行な一対の平面を有する円柱形状とされてなる
    サーミスタ素子。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のサーミスタ素子を用いた温度センサ。
  9. 導電性酸化物焼結体からなり直方体状のサーミスタ本体と、
    耐還元性を有し、上記サーミスタ本体の周囲を被覆し、自身の外表面の少なくとも一部が外部に露出する露出外表面をなす第1被覆層と、を備え、
    上記第1被覆層は、ガラスあるいはガラスと金属酸化物粒子との混合物からなり、
    上記サーミスタ本体上の起点から上記露出外表面に至る上記第1被覆層内の最小直線距離を、当該起点における露出層厚としたとき、
    上記第1被覆層は、
    直方体状の上記サーミスタ本体のうち、いずれの頂点を上記起点とした上記露出層厚も、当該頂点をなす三辺及び三平面内の点(但し、上記当該頂点を除く)を起点とする上記露出層厚のうち最も小さい最小露出層厚以上の厚さを有し、
    前記サーミスタ本体に接続され、前記第1被覆層を貫通して外部に延出する引出線と、
    耐還元性を有し、上記第1被覆層とは異なる材質からなる第2被覆層と、を備え、
    上記第2被覆層は、
    上記引出線及び上記第1被覆層の一部を覆って、上記引出線と上記第1被覆層とがなす界面を気密に閉塞してなり、
    前記第1被覆層の熱膨張係数をX1、前記第2被覆層の熱膨張係数をX2、前記引出線の熱膨張係数をX3としたとき、
    X1>X2、かつ、X3>X2を満たし、
    前記第1被覆層の熱膨張係数X1と前記第2被覆層の熱膨張係数X2との差(X1−X2)が、(X1−X2)≦15×10 -7 /℃を満たし、かつ、
    前記引出線の熱膨張係数X3と上記第2被覆層の熱膨張係数X2との差(X3−X2)が、(X3−X2)≦15×10 -7 /℃を満たす
    サーミスタ素子の製造方法であって、
    焼成により上記第1被覆層となる未焼成第1被覆層を、上記サーミスタ本体を内包する形態にプレス成形するプレス工程と、
    上記未焼成第1被覆層を焼成して上記第1被覆層を形成する焼成工程と、を備える
    サーミスタ素子の製造方法。
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