JP2012060070A - サーミスタ素子の製造方法 - Google Patents
サーミスタ素子の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012060070A JP2012060070A JP2010204577A JP2010204577A JP2012060070A JP 2012060070 A JP2012060070 A JP 2012060070A JP 2010204577 A JP2010204577 A JP 2010204577A JP 2010204577 A JP2010204577 A JP 2010204577A JP 2012060070 A JP2012060070 A JP 2012060070A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thermistor
- coating layer
- slurry
- lead wire
- manufacturing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Thermistors And Varistors (AREA)
Abstract
【解決手段】測定雰囲気の温度変化に応じて抵抗値が変化する直方体のサーミスタ部110の外面における対面する二つの電極面に形成された電極部に、それぞれ、該電極面の辺との角度が45°となるようにリード線130を接続する。そして、リード線130を鉛直方向に沿った状態(すなわち、被覆層用スラリー410の液面に対面するサーミスタ部110の外面と液面とが45°の角度をなす状態)で、サーミスタ部110を被覆層用スラリー410に浸漬すると共に、該サーミスタ部110を被覆層用スラリー410から取出し(図3)、サーミスタ部110に被覆層用スラリーを付着させる。
【選択図】図3
Description
こうすることにより、スラリーの液面に対面するサーミスタ部の平面が液面に対し傾いた状態で、サーミスタ部を浸漬することができる。このため、該平面が液面に平行な状態でサーミスタ部が浸漬される場合に比べ、該平面の下方に空気が混入してしまうことを抑えることができる。また、該平面の下方に空気が混入したとしても、該平面が水平方向に対し傾いているため、混入した空気が上方に抜け易くなり、該平面の下方に混入した空気が残留してしまうことを防ぐことができる。したがって、サーミスタ部を被覆する被覆層に生じる気泡の量が抑えられ、また、大きな気泡が生じるのを抑制することができる。
そこで、取出しステップにおいて、スラリーの液面に対面する平面が水平方向に対し傾きを有する状態で、サーミスタ部をスラリーから取り出しても良い。
このようなサーミスタ素子に対し上述の製造方法を適用することで、サーミスタ部を被覆する被覆層に生じる気泡の量を抑えることができる。
まず、NTC(負抵抗温度係数)のサーミスタ特性を有する本実施形態のサーミスタ素子の構成について、図1(a)を用いて説明する。図1(a)には、サーミスタ素子100の外観を模式的に示す斜視図(図1(a−1))と側面図(図1(a−2))とが記載されている。
また、サーミスタ素子100を1つの電極面側から平面視したときには、図1(a−2)に記載されているように、リード線130の中心線(中心軸線)と、リード線130と交差する電極面の辺の角度であるθは、45°となっている。このように、θが45°であるサーミスタ素子100を、実施例1のサーミスタ素子100と記載する。
次に、実施例1,2、及び比較例のサーミスタ素子の製造方法について説明する。
(1)サーミスタ部を構成するための粉末を金型に充填し、該粉末を、一軸プレス機を用いて直径40mm、厚み5mmの円板状に成形する。なお、上記粉末とは、Y,Nd,Yb,Ca,Sr,Cr,Mn,Fe,Al等から適宜選択された金属の酸化物、或いは、該金属からなる炭酸塩を混合,仮焼,粉砕することで得られたものである。
(2)上記粉末を円板状に成形した成形体を所定の温度で焼成し、導電性酸化物焼結体を得る。
(3)導電性酸化物焼結体の両面を研磨して厚みを0.5mmとしたのち、両方の主面に対し、白金ペーストを用いて直径28mmの円のスクリーン印刷を行う。その後、当該導電性酸化物焼結体を熱処理し白金ペーストの焼き付けを行い、サーミスタウエハーを得る。
(4)サーミスタウエハーを切断して0.6mm×0.6mm×0.5mmの直方体形状の切片(個片)を切り出し、これらの切片のうち、白金電極が形成されている部分から切り出されたものを上述のサーミスタ部とする。なお、サーミスタ部に印刷された白金により電極部が形成されており、電極部が形成された電極面は、□0.6mmの正方形に形成されている。
(5)白金ペーストを用いてサーミスタ部の電極部にリード線を接続する。その後、熱処理し白金ペーストの焼き付けを行う。なお、電極部とリード線とを接続する白金の部分が、上述の接続部となる。
(6)被覆層を形成するためのガラス粉末とバインダーと分散媒とを混練することで被覆層用スラリーを生成する。
また、バインダーと分散媒の配合量は適宜定めることができ、バインダーの配合量は、通常、原料粉末全量に対し、5〜20質量部、好ましくは10〜20質量部である。
(7)図3〜5に記載されているように、被覆層用スラリー410が充填された容器400にリード線が接続されたサーミスタ部を浸漬することでサーミスタ部に被覆層用スラリー410を付着させ、サーミスタ部のディップコートを行う。このとき、被覆層用スラリー410の液面(静止した状態の液面)の上方で支持されたリード線が液面に対し直交する状態で、サーミスタ部が被覆層用スラリー410に浸漬される。
(8)サーミスタ部に付着した被覆層用スラリーを乾燥させ、その後、所定の温度で焼き付けを行うことで、被覆層を形成する。これにより、実施例1,2、及び比較例のサーミスタ素子が得られる。
次に、本実施形態のサーミスタ素子の効果を確認するために行った実験の結果について説明する。
上記検査結果から、角度θを90°未満とすること、すなわち、被覆層用スラリー410の液面に対面するサーミスタ部の側面が液面に対し傾きを有する状態で、サーミスタ部のディップコートを行うことで、被覆層に生じる気泡の量を抑えられることがわかり、量産に適することがわかる。また、角度θを45°とすること、すなわち、被覆層用スラリー410の液面と、液面に対面するサーミスタ部の側面との角度θを45°とすることで、被覆層に生じる気泡の量をより一層抑えることができることがわかる。
(1)実施例1,2のサーミスタ素子では、リード線の中心線とリード線と交差する電極面の辺の角度θは45°或いは70°となっているが、θの値はこれに限定されることはなく、0°<θ<90°の範囲で設定することで、同様の効果を得ることができる。
(2)本実施形態における実施例1,2のサーミスタ素子の製造方法では、リード線が被覆層用スラリー410の液面に対し直交する状態で、サーミスタ部が被覆層用スラリー410に浸漬されるが、リード線を電極面の対面方向に沿って傾けた状態で、サーミスタ部を被覆層用スラリー410に浸漬させても良い。このような場合には、先端側稜部の端部が最初に被覆層用スラリー410の液面に接触するように、サーミスタ部を被覆層用スラリー410に浸漬させることができ、同様の効果を得ることができる。
(3)本実施形態における製造方法では、比較例のサーミスタ素子300のディップコートの際に、リード線330が被覆層用スラリー410の液面に対し直交する状態でサーミスタ部310を被覆層用スラリー410に浸漬するものとした。しかしながら、リード線330と液面との角度を90°未満とすることで、サーミスタ部310の先端側側面314と被覆層用スラリー410の液面とがなす角度ωを0°<ω<90°(好適には45°程度)とし、ωを保持してサーミスタ部310を被覆層用スラリー410に浸漬しても良い(図4(a)参照)。こうすることにより、サーミスタ部310を浸漬する際、サーミスタ部310における先端側側面314に隣接する稜部を最初に被覆層用スラリー410の液面に接触させることができる。このため、被覆層340に生じる気泡の量を抑えることができる。
(4)また、比較例のサーミスタ素子300のリード線330を直線とするのではなく、例えば、リード線330の中央で当該リード線330を屈曲させても良い(図4(b)参照)。こうすることにより、リード線330の後端側を被覆層用スラリー410の液面に対し直交する状態とすることで、サーミスタ部310の先端側側面314が被覆層用スラリー410の液面に対し所定角度分傾いた状態とすることができる。このため、サーミスタ部310を被覆層用スラリー410に浸漬する際、先端側側面314と被覆層用スラリー410の液面とがなす角度ωを0°<ω<90°で保持することが容易となり、被覆層340に生じる気泡の量をより容易に抑えることができる。
(5)本実施形態では、直方体形状のサーミスタ部を有し、該サーミスタ部の外面における対面する二つの電極面にリード線が接続されたサーミスタ素子を例に挙げて、被覆層の形成するためのディップコートの方法について説明した。しかしながら、このディップコートの方法は、異なる形状のサーミスタ部を有するサーミスタ素子や、サーミスタ部に挿入された状態、或いはサーミスタ部を貫通した状態でリード線とサーミスタ部とが接続されたサーミスタ素子の被覆層の形成にも適用することができる。図7(a)〜(g)には、このディップコートの方法を適用可能なサーミスタ素子の例が記載されている。
これらのサーミスタ素子500〜800に関しても、サーミスタ部の外面に形成されたいずれかの平面を水平方向に対し傾いた状態で被覆層用スラリー410の液面に対面させ、この傾きを維持しつつサーミスタ部を被覆層用スラリー410に浸漬させることで、同様の効果を得ることができる。換言すれば、リード線と平行ないずれかのサーミスタ部の断面の頂部が最初に被覆層用スラリーの液面に接触するようにサーミスタ部を被覆層用スラリーに浸漬することで、同様の効果を得ることができる。
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
Claims (3)
- 測定雰囲気の温度変化により抵抗値が変化し、その外面には少なくとも一つの平面が形成されているサーミスタ部と、前記サーミスタ部に接続される一組のリード線と、前記リード線が接続された前記サーミスタ部を被覆する被覆層とを有するサーミスタ素子の製造方法であって、
前記リード線が接続された前記サーミスタ部全体を、前記被覆層を形成するための材料を含むスラリーに浸漬することで、該サーミスタ部に前記スラリーを付着させる付着ステップと、
前記スラリーに浸漬された前記サーミスタ部を取り出す取出しステップと、
前記サーミスタ部に付着した前記スラリーを乾燥させたのち、所定の温度で焼き付けて前記被覆層を形成する被覆層形成ステップと、
を有し、
前記付着ステップにおいて、前記スラリーの液面に対面する前記平面が水平方向に対し傾きを有する状態で、前記サーミスタ部を前記スラリーに浸漬すること、
を特徴とする製造方法。 - 請求項1に記載の製造方法において、
前記取出しステップにおいて、前記スラリーの液面に対面する前記平面が水平方向に対し傾きを有する状態で、前記サーミスタ部を前記スラリーから取り出すこと、
を特徴とする製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載の製造方法において、
前記サーミスタ部の形状は直方体であること、
を特徴とする製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010204577A JP2012060070A (ja) | 2010-09-13 | 2010-09-13 | サーミスタ素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010204577A JP2012060070A (ja) | 2010-09-13 | 2010-09-13 | サーミスタ素子の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012060070A true JP2012060070A (ja) | 2012-03-22 |
Family
ID=46056764
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010204577A Pending JP2012060070A (ja) | 2010-09-13 | 2010-09-13 | サーミスタ素子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012060070A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016012697A (ja) * | 2014-06-30 | 2016-01-21 | 日本特殊陶業株式会社 | サーミスタ素子および温度センサ |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5942067A (ja) * | 1982-09-02 | 1984-03-08 | Canon Inc | 塗布方法 |
JPS61187969A (ja) * | 1985-02-14 | 1986-08-21 | Ricoh Co Ltd | 浸漬塗工方法 |
JPS63205171A (ja) * | 1987-02-20 | 1988-08-24 | Ideya:Kk | 樹脂コ−テイング装置 |
JPS6435703U (ja) * | 1987-08-26 | 1989-03-03 | ||
JPH02307201A (ja) * | 1989-05-22 | 1990-12-20 | Technol Seven Co Ltd | ガラス封止サーミスタ及びその製造方法 |
JP2005045175A (ja) * | 2003-07-25 | 2005-02-17 | Oizumi Seisakusho:Kk | 電子部品の組立方法とその方法によって組み立てられた電子部品 |
-
2010
- 2010-09-13 JP JP2010204577A patent/JP2012060070A/ja active Pending
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5942067A (ja) * | 1982-09-02 | 1984-03-08 | Canon Inc | 塗布方法 |
JPS61187969A (ja) * | 1985-02-14 | 1986-08-21 | Ricoh Co Ltd | 浸漬塗工方法 |
JPS63205171A (ja) * | 1987-02-20 | 1988-08-24 | Ideya:Kk | 樹脂コ−テイング装置 |
JPS6435703U (ja) * | 1987-08-26 | 1989-03-03 | ||
JPH02307201A (ja) * | 1989-05-22 | 1990-12-20 | Technol Seven Co Ltd | ガラス封止サーミスタ及びその製造方法 |
JP2005045175A (ja) * | 2003-07-25 | 2005-02-17 | Oizumi Seisakusho:Kk | 電子部品の組立方法とその方法によって組み立てられた電子部品 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016012697A (ja) * | 2014-06-30 | 2016-01-21 | 日本特殊陶業株式会社 | サーミスタ素子および温度センサ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5855149B2 (ja) | 1200℃膜抵抗体 | |
JP3460683B2 (ja) | チップ型電子部品及びその製造方法 | |
CN105307994B (zh) | 铋系玻璃组合物、粉末材料及粉末材料糊剂 | |
TWI537992B (zh) | Ceramic electronic parts and manufacturing method thereof | |
JP6412309B2 (ja) | サーミスタ素子、温度センサ及びサーミスタ素子の製造方法 | |
US20120188051A1 (en) | Thermistor and Method for Manufacturing the Same | |
JP5218602B2 (ja) | ガスセンサ素子及びその製造方法、並びにガスセンサ | |
JP5344179B2 (ja) | チップ型ptcサーミスタ | |
KR101834747B1 (ko) | 적층 세라믹 전자부품 | |
JPH07312301A (ja) | 抵抗体素子 | |
TW201108268A (en) | Laminated coil component | |
US20150279570A1 (en) | Laminated ceramic electronic component and manufacturing method therefor | |
JP2007206082A (ja) | セラミックヒータ、積層型ガスセンサ素子及びその製造方法、並びに積層型ガスセンサ素子を備えるガスセンサ | |
JP2007121323A (ja) | ガスセンサ | |
JP2006171013A (ja) | セラミックヒータ、積層型ガスセンサ素子及び積層型ガスセンサ素子を備えるガスセンサ | |
JP6297914B2 (ja) | 感温素子および温度センサ | |
TWI580568B (zh) | Ceramic electronic parts and manufacturing method thereof | |
JP2009080099A (ja) | ガスセンサ素子及びその製造方法 | |
JP6359436B2 (ja) | NOxセンサ | |
JP2010147098A (ja) | 電子部品 | |
JP2012060070A (ja) | サーミスタ素子の製造方法 | |
US20150131702A1 (en) | Temperature sensor | |
JP2007132954A (ja) | セラミックヒータ、積層型ガスセンサ素子及び積層型ガスセンサ素子を備えるガスセンサ | |
JP5413600B2 (ja) | サーミスタ素子およびその製造方法 | |
TWI765919B (zh) | 使用基於電阻合金的糊料用以生產層狀結構的方法及層狀結構 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130523 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140206 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140212 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140331 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140507 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20140909 |