JP2019049034A - 機械部品及び機械部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械的強度が改善されたチタン合金製の機械部品を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る機械部品は、チタン合金製の機械部品である。チタン合金は、プライマリα相と、セカンダリα相とを含有する。チタン合金中におけるプライマリα相の面積率は、1パーセント以上10パーセント未満である。チタン合金は、Ti−6Al−4V合金である。
【選択図】図1
【解決手段】一実施形態に係る機械部品は、チタン合金製の機械部品である。チタン合金は、プライマリα相と、セカンダリα相とを含有する。チタン合金中におけるプライマリα相の面積率は、1パーセント以上10パーセント未満である。チタン合金は、Ti−6Al−4V合金である。
【選択図】図1
Description
本発明は、機械部品及び機械部品の製造方法に関する。より具体的には、本発明は、チタン合金製の機械部品及びチタン合金製の機械部品の製造方法に関する。
従来から、チタン(Ti)合金製の機械部品として、特開2003−13159号公報(特許文献1)に記載のファスナ材が知られている。特許文献1に記載のファスナ材は、4.0質量パーセント以上5.0質量パーセント以下のアルミニウム(Al)、2.5質量パーセント以上3.5質量パーセント以下のバナジウム(V)、1.5質量パーセント以上2.5質量パーセント以下の鉄(Fe)及び1.5質量パーセント以上2.5質量パーセント以下のモリブデン(Mo)を含有するチタン合金により構成されている。
特許文献1に記載のファスナ材を構成するチタン合金中において、プライマリα相の体積比率は10パーセント以上90パーセント以下であり、プライマリα相の結晶粒径は10μm以下である。
特許文献1に記載のファスナ材は、プライマリα相の体積比率が大きい。すなわち、特許文献1に記載のファスナ材を構成するチタン合金の機械的強度に関しては、プライマリα相の支配的な要素となっている。プライマリα相は、溶体化処理後の冷却過程において生じるセカンダリα相と比較して、機械的強度が低い。そのため、特許文献1に記載のファスナ材は、その機械的強度に改善の余地がある。
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。より具体的には、本発明は、機械的強度が改善されたチタン合金製の機械部品を提供するものである。
本発明の一態様に係る機械部品は、チタン合金製の機械部品である。チタン合金は、プライマリα相と、セカンダリα相とを含有する。チタン合金中におけるプライマリα相の面積率は、1パーセント以上10パーセント未満である。チタン合金は、Ti−6Al−4V合金である。
本発明の一態様に係る機械部品を構成するチタン合金中において、プライマリα相の面積比率が10パーセント未満である。そのため、セカンダリα相の強度が、本発明の一態様に係る機械部品を構成するチタン合金の強度に対して、支配的な影響を及ぼす。また、本発明の一態様に係る機械部品を構成するチタン合金中において、プライマリα相の面積比率が1パーセント以上である。そのため、溶体化処理中におけるプライマリα相のピン止め効果により溶体化処理中におけるβ相の粗大化が抑制される結果、β相が相変態することにより形成されるセカンダリα相の粗大化も抑制される。そのため、本発明の一態様に係る機械部品によると、機械的強度を改善することができる。
上記の機械部品においては、セカンダリα相の結晶粒径が、10μm以下であってもよい。この場合には、機械部品の機械的強度をさらに改善することができる。
本発明の一態様に係る機械部品の製造方法は、チタン合金製の加工対象部材を準備する工程と、チタン合金に溶体化処理を行う溶体化工程と、溶体化工程が行われたチタン合金を冷却する冷却工程とを備えている。チタン合金は、Ti−6Al−4V合金である。冷却工程が行われたチタン合金は、プライマリα相と、セカンダリα相とを含有する。冷却工程が行われたチタン合金中におけるプライマリα相の面積率は、1パーセント以上10パーセント未満である。
本発明の一態様に係る機械部品の製造方法によると、機械的強度の改善された機械部品を得ることができる。
上記の機械部品の製造方法において、セカンダリα相の結晶粒径は、10μm以下であってもよい。上記の機械部品の製造方法において、溶体化工程における保持温度は、チタン合金のβ単相変態点より60℃低い温度以上チタン合金のβ単相変態点以下であり、かつ溶体化工程における保持時間は、60秒以上10×103秒以下であってもよい。
本発明の一態様に係る機械部品によると、機械的強度を改善することができる。本発明の一態様に係る機械部品の製造方法によると、機械的強度の改善された機械部品を得ることができる。
実施形態に係る機械部品を、図面を参照して説明する。なお、以下の図面においては、同一又は相当する部分に同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さないものとする。
以下に、実施形態に係る機械部品の構成を説明する。
図1は、実施形態に係る機械部品10の断面図である。図1に示すように、機械部品10は、例えば転がり軸受の内輪である。但し、機械部品10は、これに限られるものではない。例えば、機械部品10は、転がり軸受の外輪やすべり軸受であってもよい。
図1は、実施形態に係る機械部品10の断面図である。図1に示すように、機械部品10は、例えば転がり軸受の内輪である。但し、機械部品10は、これに限られるものではない。例えば、機械部品10は、転がり軸受の外輪やすべり軸受であってもよい。
機械部品10は、チタン合金により構成されている。機械部品10に用いられるチタン合金は、α+β型のチタン合金である。α+β型のチタン合金とは、室温においてα相とβ相との二相組織を呈するチタン合金である。α相とは、hcp(hexagonal closed packed)構造を有するチタンの低温相である。β相とは、bcc(body center cubic)構造を有するチタンの高温相である。より具体的には、機械部品10を構成するチタン合金は、Ti−6Al−4V合金である。ここで、Ti−6Al−4V合金とは、JIS60種のチタン合金である。表1に、Ti−6Al−4V合金の化学成分を示す。なお、機械部品10に用いられるチタン合金は、α型のチタン合金であってもよい。α型のチタン合金は、室温においてα相の単相組織を呈するチタン合金である。
機械部品10を構成するチタン合金は、プライマリα相とセカンダリα相とを含有している。プライマリα相は、プライマリα相は、溶体化工程S2においてβ相に変態せずに残留したα相である。セカンダリα相は、溶体化工程S2において生じたβ相を冷却工程S3において冷却することにより得られるチタンのマルテンサイト相である。セカンダリα相には、hcp構造を有するα’相と、斜方晶構造を有するα’’相とがある。セカンダリα相の結晶粒は、等軸状又は針状の組織を有している。
機械部品10を構成するチタン合金中におけるプライマリα相の面積比率は、1パーセント以上10パーセント未満である。機械部品10を構成するチタン合金中において、セカンダリα相の結晶粒径は、10μm以下であることが好ましい。
プライマリα相の面積比率及びセカンダリα相の結晶粒径の測定は、ミクロ観察組織像を用いて行われる。ミクロ観察組織像の取得に際しては、第1に、機械部品10を構成するチタン合金の圧延方向に平行な断面に対し、鏡面研磨が行われる。第2に、この鏡面研磨面に対して、腐食が行われる。腐食は、例えばクロール液(2重量パーセントのフッ化水素と6重量パーセントの硝酸とを含有する水溶液)により行われる。
第3に、この腐食面に対してEBSD(Electron Back Scatter Diffraction)法を用いて、ミクロ組織観察が行われる。ミクロ組織観察は、表面から0.2mmの位置において行われる。これにより、腐食面のミクロ組織観察像が得られる。
ミクロ組織観察像に対して画像処理を行うことにより、プライマリα相の面積比率が算出される。
セカンダリα相の結晶粒径の測定に際しては、ミクロ組織観察像から、結晶粒径が大きい順に10個のセカンダリα相の結晶粒が特定される(以下において、これらの結晶粒を「対象結晶粒」という)。セカンダリα相の結晶粒径は、対象結晶粒の球相当径の平均値とされる。より具体的には、セカンダリα相の結晶粒径の測定方法は、以下のとおりである。
セカンダリα相の結晶粒は、針状組織である場合と等軸状組織である場合とがある。図2は、針状組織のセカンダリα相の形態を示す模式図である。図2に示すように、セカンダリα相の結晶粒が針状組織である場合、セカンダリα相の結晶粒の形状は、高さがa/2、底面直径がbの円錐の底面同士を重ねた形状により近似される。すなわち、セカンダリα相の結晶粒が針状組織である場合には、セカンダリα相の結晶粒の体積は、π×a×b2/12で近似される。直径がdである球の体積は、π×d3/6である。そのため、セカンダリα相の結晶粒が針状組織である場合には、セカンダリα相の結晶粒の球相当径dは、2×(a×b2/16)1/3となる。
したがって、セカンダリα相の結晶粒が針状組織である場合、ミクロ組織観察像からa及びbの値を測定して2×(a×b2/16)1/3に代入することにより各々の対象結晶粒の球相当径が得られ、これらの値の平均値を計算することによりセカンダリα相の結晶粒径が得られる。
図3は、等軸状組織のセカンダリα相の形態を示す模式図である。図3に示すように、セカンダリα相の結晶粒が等軸状組織である場合、セカンダリα相の結晶粒の形状は、長軸の長さがa、短軸の長さがbである楕円を長軸周りに回転させることにより得られる形状で近似される。すなわち、セカンダリα相の結晶粒が等軸状組織である場合には、セカンダリα相の結晶粒の体積は、π×a×b2/6で近似される。そのため、セカンダリα相の結晶粒が等軸状組織である場合に、セカンダリα相の結晶粒の球相当径dは、(a×b2)1/3となる。
したがって、セカンダリα相の結晶粒が等軸状組織である場合、ミクロ組織観察像からa及びbの値を測定して(a×b2)1/3に代入することにより各々の対象結晶粒の球相当径が得られ、これらの値の平均値を計算することによりセカンダリα相の結晶粒径が得られる。
好ましくは、機械部品10の硬さは、370Hv以上である。機械部品10の硬さは、JIS規格(JIS Z 2244:2009)に定められるビッカース硬さ試験法にしたがって測定される。なお、試験時の荷重は、300gとする。
以下に、実施形態に係る機械部品10の製造方法を説明する。
図4は、実施形態に係る機械部品10の製造方法を示す工程図である。図4に示すように、機械部品10の製造方法は、準備工程S1と、溶体化工程S2と、冷却工程S3とを有している。機械部品10の製造方法は、時効処理工程S4をさらに有していてもよい。
図4は、実施形態に係る機械部品10の製造方法を示す工程図である。図4に示すように、機械部品10の製造方法は、準備工程S1と、溶体化工程S2と、冷却工程S3とを有している。機械部品10の製造方法は、時効処理工程S4をさらに有していてもよい。
準備工程S1においては、加工対象部材の準備が行われる。加工対象部材は、機械部品10が転がり軸受の内輪、外輪又はすべり軸受である場合、リング状の部材である。加工対象部材は、チタン合金により形成されている。加工対象部材は、例えばα型又はα+β型のチタン合金により形成されている。より具体的には、加工対象部材は、Ti−6Al−4V合金により形成されている。
溶体化工程S2においては、加工対象部材に対する溶体化処理が行われる。溶体化工程S2においては、加工対象部材は、炉内に、所定の温度(以下においては、「保持温度」という)で、所定の時間(以下においては、「保持時間」という)保持される。溶体化工程S2に用いられる炉は、還元炉である。炉内の雰囲気には、例えばアルゴン(Ar)ガスが用いられる。
保持温度及び保持時間は、チタン合金中のプライマリα相の面積比率が1パーセント以上10パーセント未満となるように選択される。なお、保持温度は、加工対象部材を構成するチタン合金のβ単相変態点未満である。β単相変態点とは、チタン合金がβ相単相に変態する温度である。なお、Ti−6Al−4V合金の場合、β単相変態点は、995℃である。
図5は、保持時間とプライマリα相の面積比率との関係を示すグラフである。図5中において、横軸は保持時間であり、縦軸はプライマリα相の面積比率である。図5に示すように、プライマリα相の面積率は、保持時間が長くなるほど減少している。また、プライマリα相の面積率は、保持温度が高くなるほど減少している。
保持時間及び保持時間は、セカンダリα相の結晶粒径が10μm以下となるように選択されることが好ましい。図6は、保持時間とセカンダリα相の結晶粒径との関係を示すグラフである。図6中において、横軸は保持時間であり、縦軸はセカンダリα相の結晶粒径である。図6に示すように、セカンダリα相の結晶粒径は、保持時間が長くなるほど大きくなっている。また、セカンダリα相の結晶粒径は、保持温度が高くなるほど大きくなっている。なお、図7は、保持時間及び保持温度と硬さとの関係を示すグラフである。
図5及び図6に示す関係から、プライマリα相の面積率を1パーセント以上10パーセント未満とするために、保持温度がβ単相変態点より60℃低い温度以上β単相変態点以下であり、保持時間が60秒以上10×103秒以下であることが好ましい。セカンダリα相の結晶粒径を10μm以下とするために、保持温度がβ単相変態点より60℃低い温度以上β単相変態点以下であり、保持時間は60秒以上10×103秒以下であることが好ましい。さらに好ましくは、保持温度が980℃以上β単相変態点以下であり、保持時間が1.2×103秒以上4.8×103秒以下である。特に好ましくは、保持温度が980℃以上β単相変態点以下であり、保持時間が2.4×103秒以上4.8×103秒以下である。
冷却工程S3においては、加工対象部材の冷却が行われる。加工対象部材の冷却は、加工対象部材の温度が加工対象部材を構成するチタン合金のMS点以下となる温度まで冷却される。加工対象部材の冷却は、例えば水冷により行われる。
時効処理工程S4においては、加工対象部材に対する時効処理が行われる。時効処理工程S4は、加工対象部材を構成するチタン合金中のセカンダリα相が分解される。これにより、機械部品10の組織の安定性が改善され、使用中に他の組織に変態しにくくなる。時効処理工程S4は、例えば530℃において18×103秒保持することにより行われる。
以下に、実施形態に係る機械部品10の効果を説明する。
機械部品10を構成するチタン合金中におけるプライマリα相の面積比率は、10パーセント未満である。そのため、機械部品10を構成するチタン合金の機械的強度においては、セカンダリα相の機械的強度が、支配的な要因となる。セカンダリα相の機械的強度は、プライマリα相の機械的強度よりも優れている。
機械部品10を構成するチタン合金中におけるプライマリα相の面積比率は、10パーセント未満である。そのため、機械部品10を構成するチタン合金の機械的強度においては、セカンダリα相の機械的強度が、支配的な要因となる。セカンダリα相の機械的強度は、プライマリα相の機械的強度よりも優れている。
機械部品10を構成するチタン合金中のプライマリα相の面積比率が小さすぎる場合、プライマリα相によるピン止め効果が作用しにくくなり、溶体化工程S2において、β相が粗大化してしまう。その結果、β相が相変態することにより形成されるセカンダリα相の結晶粒が粗大化する。セカンダリα相の結晶粒の粗大化は、機械的強度の劣化につながる。
しかしながら、機械部品10を構成するチタン合金中におけるプライマリα相の面積比率は、1パーセント以上である。そのため、機械部品10においては、プライマリα相のピン止め効果により、溶体化工程S2におけるセカンダリα相の結晶粒の粗大化が抑制される。したがって、機械部品10によると、機械的強度を改善することができる。
セカンダリα相の結晶粒が微細化されることにより、セカンダリα相の機械的強度は改善される。そのため、機械部品10においてセカンダリα相の結晶粒径が10μm以下である場合、機械的強度をさらに改善することができる。
以下に、プライマリα相の面積比率及びセカンダリα相の結晶粒径と機械部品10の機械的強度の関係を明らかにするために行った試験結果を説明する。
<試験サンプル>
表2に示されるように、サンプル1においては、プライマリα相の面積比率は、5.5パーセントである。すなわち、サンプル1においては、プライマリα相の面積比率は、1パーセント以上10パーセント未満の範囲内にある。サンプル2においては、プライマリα相の面積比率は、6.1パーセントであり、セカンダリα相の結晶粒径は6.5μmである。すなわち、サンプル2においては、プライマリα相の面積比率が1パーセント以上10パーセント未満の範囲内にあり、かつセカンダリα相の結晶粒径がサンプル1よりも小さい。サンプル3においては、プライマリα相の面積比率は、31.1パーセントであり、セカンダリα相の結晶粒径が5.1μmである。すなわち、サンプル3においては、プライマリα相の面積比率が1パーセント以上10パーセント未満の範囲内にない。
表2に示されるように、サンプル1においては、プライマリα相の面積比率は、5.5パーセントである。すなわち、サンプル1においては、プライマリα相の面積比率は、1パーセント以上10パーセント未満の範囲内にある。サンプル2においては、プライマリα相の面積比率は、6.1パーセントであり、セカンダリα相の結晶粒径は6.5μmである。すなわち、サンプル2においては、プライマリα相の面積比率が1パーセント以上10パーセント未満の範囲内にあり、かつセカンダリα相の結晶粒径がサンプル1よりも小さい。サンプル3においては、プライマリα相の面積比率は、31.1パーセントであり、セカンダリα相の結晶粒径が5.1μmである。すなわち、サンプル3においては、プライマリα相の面積比率が1パーセント以上10パーセント未満の範囲内にない。
なお、サンプル1は、980℃の保持温度、4.8×103秒の保持時間で溶体化工程S2が行われた。サンプル2は、980℃の保持温度、2.4×103秒の保持時間で溶体化工程S2が行われた。サンプル3は、940℃の保持温度、40秒の保持時間で溶体化工程S2が行われた。
<試験方法>
サンプル1〜サンプル3の機械的強度は、ビッカース硬さ試験により測定された。
サンプル1〜サンプル3の機械的強度は、ビッカース硬さ試験により測定された。
<試験結果>
表3に示すように、サンプル1の硬さは、377Hvであった。他方、サンプル3の機械的強度は、368Hvであった。このサンプル1とサンプル3との比較から、プライマリα相が1パーセント以上10パーセント未満であることにより、機械部品10の機械的強度が改善されることが、実験的にも示された。また、サンプル2の機械的強度は、382Hvであった。このサンプル1とサンプル2との比較から、セカンダリα相の結晶粒径が微細になることにより、機械部品10の機械的強度が改善されることが、実験的も示された。
表3に示すように、サンプル1の硬さは、377Hvであった。他方、サンプル3の機械的強度は、368Hvであった。このサンプル1とサンプル3との比較から、プライマリα相が1パーセント以上10パーセント未満であることにより、機械部品10の機械的強度が改善されることが、実験的にも示された。また、サンプル2の機械的強度は、382Hvであった。このサンプル1とサンプル2との比較から、セカンダリα相の結晶粒径が微細になることにより、機械部品10の機械的強度が改善されることが、実験的も示された。
以上のように本発明の実施形態について説明を行ったが、上述の実施形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むことが意図される。
上記の実施形態は、チタン合金製の機械部品及びチタン合金製の機械部品の製造方法に特に有利に適用される。
10 機械部品、S1 準備工程、S2 溶体化工程、S3 冷却工程、S4 時効処理工程。
Claims (5)
- チタン合金製の機械部品であって、
前記チタン合金は、プライマリα相と、セカンダリα相とを含有し、
前記チタン合金中における前記プライマリα相の面積率は、1パーセント以上10パーセント未満であり、
前記チタン合金は、Ti−6Al−4V合金である、機械部品。 - 前記セカンダリα相の結晶粒径は、10μm以下である、請求項1に記載の機械部品。
- チタン合金製の加工対象部材を準備する工程と、
前記チタン合金に溶体化処理を行う溶体化工程と、
前記溶体化工程が行われた前記チタン合金を冷却する冷却工程とを備え、
前記チタン合金は、Ti−6Al−4V合金であり、
前記冷却工程が行われた前記チタン合金は、プライマリα相と、セカンダリα相とを含有し、
前記冷却工程が行われた前記チタン合金中における前記プライマリα相の面積率は、1パーセント以上10パーセント未満である、機械部品の製造方法。 - 前記セカンダリα相の結晶粒径は、10μm以下である、請求項3に記載の機械部品の製造方法。
- 前記溶体化工程において、保持温度は前記チタン合金のβ単相変態点より60℃低い温度以上前記チタン合金のβ単相変態点以下であり、かつ保持時間は60×秒以上10×103秒以下である、請求項3又は4に記載の機械部品の製造方法。
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