JP5385097B2 - 低サイクル疲労特性に優れたニアβ型チタン合金 - Google Patents

低サイクル疲労特性に優れたニアβ型チタン合金 Download PDF

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本発明は、ディスク型鍛造品等として、航空機用のエンジン部品や機体部品に用いることができるニアβ型チタン合金、より詳しくは、低サイクル疲労特性に優れたニアβ型チタン合金に関するものである。
従来から航空機用ガスタービンエンジンの圧縮機には、軽量で高強度な金属材料であることからチタン合金が多く用いられている。なかでも外周部に動翼が付く回転体ディスク材には、高度な信頼性が要求されるためチタン合金製の鍛造品が使用されることが殆どである。ディスク材に要求される材料特性は高疲労強度と優れた靭性であって、最高450℃までの温度域で使用することができる材料の事例として、AMS4981に定められたTi−6Al−2Sn−4Zr−6Mo合金(Ti−6246合金)がある。
従来からチタン合金製のディスク鍛造品は、ベータ変態点Tβ以下の温度域(α+β域)で鍛造加工することで製造されており。このα+β域鍛造で得られるチタン合金の組織は、等軸α粒とマトリックスがβ相中に微細な針状のα相を含む変態α+βの2相組織であるが、この組織を有するチタン合金は破壊靭性値が低いという特性上の課題があった。
この課題を解決するディスク鍛造品の製造方法として、βプロセス鍛造法と呼ばれるβ域加熱による鍛造法がある。この鍛造法で得られるチタン合金の組織は、β相中に微細な針状のα相を含む全面針状組織となり、高い破壊靭性値を得ることができる。従来のα+β域鍛造で得られるディスク鍛造品の室温での破壊靭性値が30MPa・m1/2レベルであるのに対し、βプロセス鍛造法では破壊靭性値が50MPa・m1/2レベル以上のディスク鍛造品を製造することができる。
このように、βプロセス鍛造法で得られるチタン合金は高い破壊靭性値を得ることができるが、低サイクル疲労寿命は必ずしも高くはなく、近年の更なる航空機用のエンジン部品や機体部品のコスト低減という要望に対応するためには、より高い低サイクル疲労特性を得ることが必須課題となっている。
これらチタン合金に関する先行技術として、特許文献1〜4記載の先行技術を掲げることができる。
特許文献1記載の技術は、ニアβ型チタン合金の一つであるTi−17合金における破壊靭性と延性に優れた鍛造方法に関する技術であって、粗鍛造の後、β変態点より高い温度に加熱して、急冷してから、α+β域で鍛造し、その後、溶体化時効処理、或いは時効処理を施す技術が開示されている。この鍛造方法でTi−17合金材料を鍛造することにより、他の機械的性質を犠牲にすることなく破壊靭性値を大幅に改善することができる。しかしながら、この特許文献1記載の技術は、βプロセス鍛造法で得られるチタン合金の低サイクル疲労特性を向上させる技術に該当するものではない。
また、特許文献2には、Ti−6246合金等をα+β温度域で鍛造してから、β温度域で加熱した後、急冷して針状α相を晶析させ、更にその後に、再度α+β温度域で鍛造するチタン合金鍛造法が開示されている。しかしながら、この特許文献2記載の技術も、特許文献1に記載の技術と同様、βプロセス鍛造法で得られるチタン合金の低サイクル疲労特性を向上させる技術に該当するものではない。
また、特許文献3には、Ti−6246合金素材を、β変態点以上の温度で鍛造した後、β変態点以下の温度で溶体化処理、時効処理を行うための、熱処理条件が規定されたTi−6246合金の熱処理方法に関する技術が開示されているが、チタン合金の具体的な金属組織については全く着目していない。
更には、特許文献4には、Ti−6246品の鍛造温度、溶体化処理条件、時効条件を特定の範囲とすることで、Ti−6246品の機械的特性、特に延性を向上させる方法が記載されている。しかしながら、この特許文献4においても、チタン合金の具体的な金属組織については全く着目していない。
このように、ニアβ型チタン合金の具体的な金属組織にも着目した先行技術はなく、機械的特性、その中でも特に低サイクル疲労特性に優れたニアβ型チタン合金自体の具体的な金属組織については解明されていないのが現状である。
特開昭62−164860号公報 特開平1−287259号公報 特開平1−162755号公報 特開2009−149985号公報
本発明は、上記従来の実情を鑑みてなされたもので、引張強度、伸びが優れている上に、高い低サイクル疲労寿命を有する低サイクル疲労特性に優れたニアβ型チタン合金を提供することを課題とするものである。
請求項1記載の発明は、[Mo]+[Ta]/5+[Nb]/3.5+[W]/2.5+[V]/1.5+1.25[Cr]+1.25[Ni]+1.7[Mn]+1.7[Co]+2.5[Fe]という式から求められるMo当量が5〜10%のニアβ型チタン合金であって、金属組織中に占める一次α相の平均面積率が40〜52%であると共に、前記一次α相の平均アスペクト比が3.3〜5.0、平均最大長径が25〜40μmであることを特徴とする低サイクル疲労特性に優れたニアβ型チタン合金である。但し、上式で[ ]は、各元素の含有量(質量%)を示す。
請求項2記載の発明は、前記ニアβ型チタン合金は、AMS4981に定められたTi−6Al−2Sn−4Zr−6Mo合金、またはAMS4995に定められたTi−5Al−2Sn−2Zr−4Mo−4Cr合金である請求項1記載の低サイクル疲労特性に優れたニアβ型チタン合金である。
本発明によると、引張強度、伸びが優れている上に、高い低サイクル疲労寿命を有する低サイクル疲労特性に優れたニアβ型チタン合金を得ることができる。
実施例の引張試験に用いた引張試験片を示す平面図である。 実施例の低サイクル疲労試験に用いた疲労試験片を示す平面図である。 実施例で一次α相の平均面積率、一次α相の平均アスペクト比、平均最大長径を、夫々求めるために用いたレーザ顕微鏡によるチタン合金の組織観察写真である。
βプロセス鍛造法で得られるチタン合金は高い破壊靭性値を得ることができるため、従来から航空機用のエンジン部品や機体部品に多く用いられてきたが、近年、更なる航空機用のエンジン部品や機体部品のコスト低減の観点から、より高い低サイクル疲労特性を得ることが課題となっている。本発明者らは、これらの状況を踏まえ、優れた低サイクル疲労特性を備えたニアβ型チタン合金を見出すために、鋭意、実験、研究を重ねた。
その結果、ニアβ型チタン合金のMo当量を規定すると共に、金属組織中に占める一次α相の平均面積率、また、一次α相の平均アスペクト比、平均最大長径を適宜範囲に規定することで、高い低サイクル疲労寿命のほか、併せて優れた引張強度、伸びも得ることができることを確認し、本発明の完成に至った。
以下、本発明を実施形態に基づいて更に詳細に説明する。
本発明は、チタン合金に添加させる合金元素等の含有量(質量%)を[ ]で表したときに、[Mo]+[Ta]/5+[Nb]/3.5+[W]/2.5+[V]/1.5+1.25[Cr]+1.25[Ni]+1.7[Mn]+1.7[Co]+2.5[Fe]という式から求められるMo当量が5〜10%のニアβ型チタン合金を対象とする。
[Mo]+[Ta]/5+[Nb]/3.5+[W]/2.5+[V]/1.5+1.25[Cr]+1.25[Ni]+1.7[Mn]+1.7[Co]+2.5[Fe]という式から求められるMo当量が5〜10%のニアβ型チタン合金を対象とした理由は、高強度、高靭性、更に高い低サイクル疲労特性を得るためにはβ鍛造後に溶体化時効処理を施すが、この際、Mo当量が上記の範囲外となると、非常に特殊な条件で製造しなければならず、非効率でためである。具体的には、Mo当量が5%未満ではβ鍛造後の冷却中に塊状のα相が多く生成して、延性、靭性、低サイクル疲労特性が悪化するため、鍛造後の冷却速度を極めて速くする必要があり、大型鍛造部品は製造することができない。一方、Mo当量が10%を超えると長時間の時効時間が必要であり、生産性を阻害する。
Mo当量が5〜10%のニアβ型チタン合金の代表例としては、AMS4981に定められたTi−6Al−2Sn−4Zr−6Mo合金、もしくはAMS4995に定められたTi−5Al−2Sn−2Zr−4Mo−4Cr合金を例示することができる。
また、金属組織中に占める一次α相の平均面積率の範囲を規定した。ニアβ型チタン合金の金属組織としては、この一次α相のほか、二次α相とβ相が存在するが、本発明では、金属組織中に占める一次α相の平均面積率を40〜52%の範囲に規定した。一次α相の平均面積率が40%未満であると、延性が低下して低サイクル疲労寿命が短くなる。一方、一次α相の平均面積率が52%を超えても、低サイクル疲労寿命が短くなる。尚、金属組織中に占める一次α相の平均面積率のより好ましい範囲の下限は43%、上限は50%である。尚、ここで示す平均面積率とは、後述する実施例でも説明するように、レーザ顕微鏡にて1500倍の倍率で、約75μm×約100μmの視野を5ヶ所観察し、各視野で測定された面積率を平均化することで求め出したものである。
製造条件にもよるが、特にβプロセス鍛造法で得られるチタン合金においては一次α相は針状である。本発明では、この針状の一次α相の平均アスペクト比と平均最大長径についても規定した。尚、平均アスペクト比とは、対象となる視野内に存在する一次α相の長径/短径から求めた平均値のことであり、後述する実施例でも説明するように、レーザ顕微鏡にて1500倍の倍率で、約75μm×約100μmの視野を5ヶ所観察し、各視野で測定された各一次α相の長径/短径を平均化することで求め出したものである。また、平均最大長径とは、複数の視野内に存在する一次α相の最大長径を各視野ごとに抽出し、算出した平均値のことであるが、特に平均最大長径の求め方については、後述する実施例で詳しく説明する。
本発明で規定する一次α相の平均アスペクト比は3.3〜5.0である。一次α相の平均アスペクト比が3.3未満であると、引張強度が低下してしまう。一方、一次α相の平均アスペクト比が5.0を超えると、破壊靭性値は優れるものの、低サイクル疲労強度を高めることができない。尚、この一次α相の平均アスペクト比のより好ましい下限は3.5、上限は4.5である。
本発明で規定する一次α相の平均最大長径は25〜40μmである。一次α相の平均最大長径が23μm未満であると、引張強度が低下してしまう。一方、一次α相の平均最大長径が40μmを超えると、破壊靭性値は優れるものの、低サイクル疲労寿命が低下する。尚、この一次α相の平均最大長径のより好ましい下限は27μm、上限は38μmである。
次に、本発明の低サイクル疲労特性に優れたニアβ型チタン合金の製造方法の一例について説明する。尚、製造方法については、必ずしも以下に示す方法で製造する必要はないが、本発明の低サイクル疲労特性に優れたニアβ型チタン合金を製造するための製造条件を、本発明者らが鋭意検討したところ、以下に示す製造条件を採用することで、本発明で意図する低サイクル疲労特性に優れたニアβ型チタン合金を確実に製造することができることを確認した。
本発明の低サイクル疲労特性に優れたニアβ型チタン合金は、[Mo]+[Ta]/5+[Nb]/3.5+[W]/2.5+[V]/1.5+1.25[Cr]+1.25[Ni]+1.7[Mn]+1.7[Co]+2.5[Fe]という式から求められるMo当量が5〜10%のニアβ型チタン合金素材を、ベータ変態点Tβ〜Tβ+50℃の範囲の温度域で加熱してβ単相組織とした後、そのチタン合金素材を大気中に取り出して鍛造を行い、その鍛造の終了後に冷却速度および冷却開始時間を制御して室温付近まで冷却する。その後、Tβ−100℃〜Tβの温度域から空冷もしくは水冷する溶体化処理を行い、更にその後にTβ−400℃〜Tβ−250℃の温度域で時効処理を行うことで製造することができる。
また、鍛造終了時のチタン合金素材の表面温度を、830〜1050℃、好ましくは850〜950℃とし、鍛造による相当歪量(ε)を0.6〜1.7とし、更には、鍛造後の冷却速度は1〜10℃/secの範囲とすればより確実に、本発明で意図する低サイクル疲労特性に優れたニアβ型チタン合金を確実に製造することができる。
以上説明した製造条件で、鍛造加工前に全面針状のβ単相組織とする加熱温度を、ベータ変態点Tβ〜Tβ+50℃の範囲の温度域とした理由は、ベータ変態点Tβ未満の加熱温度であると、α相が残存し、鍛造時に欠陥が発生し易いこと、および鍛造熱処理後の強度低下を招くためである。一方で、加熱温度の上限をTβ+50℃としたのは、加熱温度がTβ+50℃を超えると、β粒が粗大化することによって、機械的特性、特に伸びや低サイクル疲労強度が劣化するためである。
また、溶体化処理は、Tβ−100℃〜Tβの温度域から空冷もしくは水冷することとした理由は、β粒を粗大化させることなく、高強度化するためである。
また、時効処理は、Tβ−400℃〜Tβ−250℃の温度域で行うとした理由は、微細な針状α相(二次α相)を生成させ、高強度化するためである。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。
本実施例では、まず、表1に示す成分組成のチタン合金丸棒(ビレット)を鋳造により得た。このチタン合金ビレットの形状は、直径:50〜200mmの丸棒形状である。尚、表1に示す合金略号Aの場合は1000℃で、合金略号Bの場合は930℃で加熱してβ単相組織とした。
Figure 0005385097
このチタン合金ビレットを用いて、表2に示す各条件で据え込み鍛造を行い、直径:約210mm×高さ:約60mmの円盤状(パンケーキ状)とした。その後、表2に示す各条件で溶体化処理並びに時効処理を行い、試験に用いる供試材とした。この供試材から、試験片を採取し、以下に示す各試験を実施した。
<引張試験>
前記した供試材から引張試験片を採取した。引張試験片の採取位置は、直径:約210mmの1/2R部分、高さ:約60mmの中央部分で、引張試験片の軸方向が円周接線方向と一致するようにして採取した。また、引張試験片に加工する前の小片を切り出した時点で超音波顕微鏡を用いて欠陥がないことを確認してから図1に示す引張試験片を得た。引張試験はASTM規格のE8に準拠して実施した。試験結果から、引張強度(TS)が1100MPaを超え、伸び(EL)が5%を超えるものを合格とした。この試験で求められた各引張試験片の引張強度(TS)と伸び(EL)を表2に示す。
<低サイクル疲労試験>
前記した供試材から図2に示す疲労試験片を採取した。疲労試験片の採取位置は、前記した引張試験片と同様に、直径:約210mmの1/2R部分、高さ:約60mmの中央部分で、疲労試験片の軸方向が円周接線方向と一致するようにして採取した。また、疲労試験片に加工する前の小片を切り出した時点で超音波顕微鏡を用いて欠陥がないことを確認してから疲労試験片とした。低サイクル疲労試験はASTM規格のE466に準拠して実施した。負荷応力は1030MPaとした。試験結果から、低サイクル疲労(LCF)が10000サイクルを超えるものを合格とした。この試験で求められた各疲労試験片の、低サイクル疲労(LCF)を表2に示す。
<組織観察>
直径:約210mm×高さ:約60mmの円盤状の供試材の1/2R部分の円周方向から上下が据えこみ鍛造方向になるようにして材料調整を行い、レーザ顕微鏡(KEYENCE、VK−9700)を用いることで組織観察を実施した。レーザ顕微鏡を用いて1500倍で代表的な組織を5視野写真撮影して、それらの写真をもとに、画像解析ソフト(三谷商事、WinROOF)を用いて、撮影された金属組織中に占める一次α相の平均面積率と、一次α相の平均アスペクト比(長径/短径)を求めた。また、一次α相の平均最大長径は、5視野の画像(約75μm×約100μm)内の一次α相の最大長径を夫々求め、それらの平均値を算出する(5点平均)ことで得た。組織観察の結果を表2に示す。
尚、これらの値を求め出す際に、一次α相が交差しているときには、分断した後、一つ一つのα相を定量化することで画像解析する必要があるが、画像処理前の修正を以下の基準にて行った。
1.一次α相同士が交差しているところは、くびれ(凹み)が大きい方を切る。2.一次α相がβ粒内で向きが変わっていて、両側からくびれが見られるところは切る。3.β粒界上の一次α相は湾曲するが、大きくくびれているところは切る。(大きいくびれの定義:その一次α相の短径の半分以上のくびれ)4.写真端にかかっている一次α相は、平均アスペクト比を求める際の解析の対象としない。(但し、一次α相の平均面積率を求める際の対象にはする。)
参考のため示すが、一次α相の平均面積率は図3に示すレーザ顕微鏡による組織観察写真を用いて、一次α相の平均アスペクト比と平均最大長径は図3に示す写真から写真端を除去した組織観察写真を用いて、夫々求め出した。
Figure 0005385097
尚、この試験に用いたチタン合金素材は、表1に示すように2種類であり、合金略号Aと記載のものは、いわゆるAMS4981に定められたTi−6Al−2Sn−4Zr−6Mo合金(Ti−6246合金)、合金略号Bと記載のものは、いわゆるAMS4995に定められたTi−5Al−2Sn−2Zr−4Mo−4Cr合金(Ti−17合金)であるが、2種類のチタン合金素材共に、その成分組成は本発明の要件を満足しており、Mo当量は夫々6.0と9.5である。
以下、試験結果について説明する。表2に記載の発明例であるNo.4,5,6,7,12は、先に説明したようにMo当量は6.0或いは9.5であり、また、金属組織中に占める一次α相の平均面積率、一次α相の平均アスペクト比、一次α相の平均最大長径は、全て本発明で規定する条件を満足していたため、引張試験による引張強度(TS)と伸び(EL)、低サイクル疲労試験による低サイクル疲労(LCF)は、全て合格判定基準を満足している。
これに対し、各比較例は、Mo当量は6.0或いは9.5であるが、金属組織中に占める一次α相の平均面積率、一次α相の平均アスペクト比、一次α相の平均最大長径のいずれか1項目以上で本発明で規定する条件を満足していなかったため、引張試験結果、低サイクル疲労試験結果のいずれかで合格判定基準を満足することができなかった。

Claims (2)

  1. [Mo]+[Ta]/5+[Nb]/3.5+[W]/2.5+[V]/1.5+1.25[Cr]+1.25[Ni]+1.7[Mn]+1.7[Co]+2.5[Fe]という式から求められるMo当量が5〜10%のニアβ型チタン合金であって、
    金属組織中に占める一次α相の平均面積率が40〜52%であると共に、
    前記一次α相の平均アスペクト比が3.3〜5.0、平均最大長径が25〜40μmであることを特徴とする低サイクル疲労特性に優れたニアβ型チタン合金。
    但し、上式で[ ]は、各元素の含有量(質量%)を示す。
  2. 前記ニアβ型チタン合金は、AMS4981に定められたTi−6Al−2Sn−4Zr−6Mo合金、またはAMS4995に定められたTi−5Al−2Sn−2Zr−4Mo−4Cr合金である請求項1記載の低サイクル疲労特性に優れたニアβ型チタン合金。
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