JP2009228053A - チタン材料およびその製造方法 - Google Patents

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Shun Sasaki
洵 佐々木
Takayuki Moto
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Abstract

【課題】従来に比べ、強度に優れたチタン材料を提供すること。比較的簡単に強度に優れたチタン材料を得ることが可能な製造方法を提供すること。
【解決手段】常温、常圧でα相とω相とが混在しているチタン材料とする。ω相の割合は、1〜99質量%の範囲内にあると良い。上記チタン材料は、準備したチタン材料(純チタン、αチタン合金、α+βチタン合金)に対して、1.5GPa以上の圧力下で加工歪0.5以上の塑性加工を施すことにより得ることができる。上記塑性加工時におけるチタン材料の表面温度は700℃以下であると良い。
【選択図】図3

Description

本発明は、チタン材料およびその製造方法に関するものである。
チタン材料は、一般に、純チタン、αチタン合金、α+βチタン合金、βチタン合金に大別される。
純チタンは常温で稠密六方晶(α相)であるが、約885℃で体心立方晶(β相)に同素変態(または相変態ともいう。)する。純チタンに合金元素を添加すると、元素の種類、添加量によりβ変態点が変化し、αとβの2相領域が出現する。
合金化しても、常温においてα単相のものがαチタン合金、αとβの2相が存在するものがα+βチタン合金と一般に呼ばれている。また、β変態点以上の温度から焼き入れで純安定的にβ単相となり得る合金がβチタン合金と呼ばれている。
この種のチタン材料は、鉄鋼材料に比べて比強度(=引張強さ/比重)に優れることから、古くから航空、軍事、宇宙、海洋探査等の分野で使用されてきた。最近では、人工骨等の生体材料、眼鏡フレームなどの装身具、ゴルフクラブ等のスポーツ用品などにも使用分野が広がりつつある。
従来から、チタン材料の利点の一つである強度をさらに向上させる試みが各方面でなされている。チタン材料の高強度化の手法としては、例えば、化学組成を最適化する方法が知られている。
また例えば、特許文献1には、チタンまたはチタン合金にショットピーニング処理を施し、高強度化を図る技術が開示されている。
特開2006−89812号公報
しかしながら、従来技術は、以下のような問題があった。
すなわち、前者の化学組成を最適化する方法は、添加元素の種類や割合等のバランスを試行錯誤により調整しなければならない。
一方、後者のショットピーニング処理は、その効果が最表層部に限定される。つまり、チタン材料の内部まで高強度化することは難しい。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、従来に比べ、強度に優れたチタン材料を提供することにある。また、比較的簡単に強度に優れたチタン材料を得ることが可能な製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係るチタン材料は、常温、常圧でα相とω相とが混在していることを要旨とする。
ここで、上記ω相の割合は、1〜99質量%の範囲内にあることが好ましい。
また、上記チタン材料は、塑性加工を受けていることが好ましい。
また、上記チタン材料のヤング率は、20〜220GPaの範囲内にあることが好ましい。
また、上記チタン材料のビッカース硬さは、150〜600Hvの範囲内にあることが好ましい。
一方、本発明に係るチタン材料の製造方法は、準備したチタン材料に対して、1.5GPa以上の圧力下で加工歪0.5以上の塑性加工を施す工程を有することを要旨とするものである。
ここで、上記塑性加工時におけるチタン材料の表面温度は、700℃以下であることが好ましい。
また、上記塑性加工時にチタン材料に対して、捻り力、摺擦力、曲げ力、圧縮力、引張力、および、剪断力から選択される1または2以上の力を作用させて上記加工歪を導入することが好ましい。
また、上記チタン材料の製造方法は、上記塑性加工後のチタン材料に対して、熱処理を行う工程を有していても良い。
本発明に係るチタン材料は、常温、常圧でα相とω相とが混在している。そのため、強度に優れる。
ここで、ω相の割合が上記特定の範囲内にある場合には、特に強度に優れる。
また、ヤング率が上記特定の範囲内にある場合には、相対的に大きな弾性変形を示しやすくなる利点がある。
また、ビッカース硬さが上記特定の範囲内にある場合には、高強度を示しやすくなる利点がある。
一方、本発明に係るチタン材料の製造方法は、準備したチタン材料に対して、1.5GPa以上の圧力下で、加工歪0.5以上の塑性加工を施す工程を有している。
そのため、常温でα相とω相とが混在しているチタン材料を得ることができる。したがって、上記製造方法によれば、従来に比較して簡単に強度に優れたチタン材料を得ることができる。
ここで、塑性加工時におけるチタン材料の表面温度が700℃以下である場合には、塑性加工により導入される転位等の格子欠陥を回復・消滅させにくくできるため、加工後ω相がα相へ逆変態するのを抑制しやすく、常温、常圧でのω相の割合を多くしやすくなる。そのため、強度に優れたチタン材料を得やすくなる。
また、塑性加工時にチタン材料に対して、上述した捻り力等の力を作用させた場合には、常温、常圧にてω相を残存させやすくなる。そのため、強度に優れたチタン材料を得やすくなる。
上記塑性加工後のチタン材料に対して、熱処理を行う工程を有している場合には、塑性加工により生じたω相の割合を調整することができる。そのため、用途に応じて、強度、延性、硬度、ヤング率等のバランスを調整することができるなどの利点がある。
以下、本発明の一実施形態に係るチタン材料(以下、「本チタン材料」ということがある。)およびその製造方法(以下、「本製造方法」ということがある。)について詳細に説明する。
1.本チタン材料
本チタン材料は、常温、常圧でα相とω相とが混在した相構成を有している。
本チタン材料は、常温、常圧でω相が残存しておれば、他に常温、常圧でβ相を含んでいても良い。ω相の割合を多くし、強度を向上させる等の観点から、好ましくは、α相とω相との2相から構成されていると良い。
本チタン材料中に占めるω相の割合の下限値は、剛性、高強度化等の観点から、好ましくは、1質量%以上、より好ましくは、5質量%以上、さらに好ましくは、10質量%以上であると良い。
一方、本チタン材料中に占めるω相の割合の上限値は、弾性変形量を確保しやすくなる、強度と延性との両立等の観点から、好ましくは、99質量%以下、より好ましくは、95質量%以下、さらに好ましくは、90質量%以下であると良い。
なお、各相の存在および種類は、X線回折により求めることができる。また、ω相の割合は、X線回折の結果を、リートベルト解析することにより算出することができる。
本チタン材料は、塑性加工を受けていると良い。好ましくは、加圧下にて、捻り力、摺擦力、曲げ力、圧縮力、引張力、剪断力などによる歪加工を受けていると良い。なお、塑性加工に起因してω相が生成していることは、XRDやTEM/SAD、SEM/EBSP等の手法によりω相を同定することにより把握することができる。
本チタン材料のヤング率の下限値は、剛性等の観点から、好ましくは、20GPa以上、より好ましくは、30GPa以上、さらに好ましくは、40GPa以上であると良い。
一方、本チタン材料のヤング率の上限値は、弾性変形能等の観点から、好ましくは、220GPa以下、より好ましくは、200GPa以下、さらに好ましくは、180GPa以下であると良い。
なお、上記ヤング率は、ISO 14577−1 計装化押し込み硬さにおける硬さおよび材料パラメータ(Annex A)に準拠して測定することができる。
本チタン材料のビッカース硬さの下限値は、強度、硬度、耐摩耗性等の観点から、好ましくは、150Hv以上、より好ましくは、175Hv以上、さらに好ましくは、200Hv以上であると良い。
一方、本チタン材料のビッカース硬さの上限値は、脆性等の観点から、好ましくは、600Hv以下、より好ましくは、500Hv以下、さらに好ましくは、400Hv以下であると良い。
なお、上記ビッカース硬さは、ω相が存在する組織表面から測定される値である。
本チタン材料の化学組成は、特に限定されるものではない。チタンおよび不可避不純物よりなっていても良いし、チタン以外に他の合金元素を含んでいても良い。後者の場合、ω相を生成させやすくなるなどの観点から、通常αチタン合金になるとされる化学組成や、通常α+βチタン合金になるとされる化学組成などが好適である。
通常αチタン合金になるとされる化学組成としては、具体的には、例えば、Ti−5Al−2.5Snなどを例示することができる。また、通常α+βチタン合金になるとされる化学組成としては、具体的には、例えば、Ti−6Al−4V、Ti−6Al−6V−2Sn、Ti−3Al−2.5Vなどを例示することができる。
また、本チタン材料の形状も特に限定されるものではなく、本チタン材料の用途等に合わせて、板状、棒状、線状、球状などの各種の形状を選択することができる。
本発明に係る本チタン材料の用途としては、具体的には、例えば、エンジンバルブ、ゴルフクラブ等のスポーツ用品、インプラント部材、医療器具、ファスナー部材、眼鏡フレーム等の装身具などを例示することができる。
2.本製造方法
本製造方法は、準備したチタン材料に対して、特定範囲の圧力下で特定範囲の加工歪による塑性加工を施す工程を有している。
準備するチタン材料としては、ω相を生成しやすくするなどの観点から、純チタン、αチタン合金、α+βチタン合金などを好適に用いることができる。
準備するαチタン合金の化学組成としては、Ti−5Al−2.5Snなどが挙げられる。また、準備するα+βチタン合金の化学組成としては、Ti−6Al−4V、Ti−6Al−6V−2Sn、Ti−3Al−2.5Vなどが挙げられる。
準備するチタン材料の形状は、例えば、板状、棒状、線状、球状等が挙げられるが、特に限定されるわけではなく、製品形状等を考慮して適宜選択することができる。
ここで、準備したチタン材料に加える圧力の下限値は、ω相を発生しやすくする等の観点から、1.5GPa以上、好ましくは、1.5GPa超、より好ましくは、2GPa以上、さらに好ましくは、5GPa以上であると良い。
なお、準備したチタン材料に加える圧力の上限値は、特に限定されるものではないが、製造性などの観点から、好ましくは、10GPa以下であると良い。
一方、準備したチタン材料に加える加工歪の下限値は、ω相を発生しやすくする等の観点から、0.5以上、好ましくは、1以上、さらに好ましくは、2以上であると良い。
なお、準備したチタン材料に加える加工歪の上限値は、特に限定されるものではないが、ω相の発生が飽和する、製造性などの観点から、好ましくは、100以下であると良い。
上記塑性加工時におけるチタン材料の表面温度は、ω相がα相へ逆変態するのを抑制しやすく、常温、常圧でのω相の割合を多くしやすくなる等の観点から、好ましくは、700℃以下、より好ましくは、500℃以下、さらに好ましくは、200℃以下であると良い。
なお、塑性加工時におけるチタン材料の表面温度を上記温度範囲内に維持するためには、塑性加工時に液体窒素などによる冷却、空冷、水冷、油冷などの各種の冷却を行えば良い。
本製造方法では、上記塑性加工時に、ω相を発生しやすくする等の観点から、上記圧力下にて、捻り力、摺擦力、曲げ力、圧縮力、引張力、剪断力等の力を作用させて歪加工すると良い。これら作用させる力は、1または2以上組み合わせることが可能である。また、塑性加工時にチタン材料を、単一方向、往復方向、多方向に変形させても良い。好ましくは、低歪量でω相を残存させやすい観点から、多方向に変形させると良い。
本製造方法では、上記塑性加工後のチタン材料に対して、熱処理を行っても良い。熱処理により、ω相をα相に逆変態させることで、ω相の割合を調整でき、用途に応じて、強度、延性、硬度、ヤング率等のバランスを採ることが可能になるからである。
この場合、上記熱処理温度は、ω相の割合を調整しやすい等の観点から、好ましくは、常温〜700℃、より好ましくは、常温〜500℃、さらに好ましくは、常温〜200℃の範囲内から好適に選択することができる。
以下、本発明を実施例を用いてより具体的に説明する。なお、以下にいう化学成分の単位は質量%である。
1.実施例および比較例に係るチタン材料の作製
先ず、表1に示すように、純チタン(純度99.9%)、所定の化学組成を有するチタン合金を、アルゴン雰囲気中にて800℃で1時間アニール処理した。次いで、アニール処理した各材料から円板状供試材(直径20mm、厚み0.85mm)をそれぞれ切り出した。
表1に、実施例および比較例に係るチタン材料の作製に用いたチタン・チタン合金の化学組成を示す。
次に、準備した各円板状供試材を金型内にセットした。
なお、上記金型は、高靱性・高硬度マトリックス型ハイス(温間・冷間鍛造型用鋼)製であり、直径20mm、深さ0.25mmの窪みを有する上型および下型を有している。各窪み面は、円板状供試材と金型との間で摩擦力が発生するように粗面化されている。上記金型は、上型の窪みと下型の窪みとの間に円板状供試材を挟み込んだ状態で、所定圧力・所定回転速度で下型を回転させることができるようになっている。つまり、挟み込んだ円板状供試材に対して所定圧力下、所定応力にて捻り力を作用させることができるようになっている。また、円板状供試材の表面から1mm離れた上型内部中央には、K型熱電対が設置されており、塑性加工時における円板状供試材の表面温度を測定することができるようになっている。
次に、後述の表3、表4に示すHPT(high-Pressure Torsion:高圧下ねじり)加工条件にて、所定圧力を加えつつ、所定回転速度で下型を回転させることにより、各円板状供試材に対して所定加工歪の塑性加工を施した。この際、上記塑性加工は、室温にて行い、K型熱電対により測定される温度が、100℃以下となるように空冷した。
以上により、実施例および比較例に係るチタン材料を作製した。なお、一部のものについては、塑性加工後に真空中、所定温度にて熱処理を行った。
2.各種特性
得られた各チタン材料について、ω相の割合、引張強さ、引張伸び、ビッカース硬さ、ヤング率を以下のようにして測定した。
(ω相の割合)
各チタン材料についてのX線回折結果をリートベルト解析することによりω相の割合を求めた。この際、X線回折用試料は、ワイヤカット放電加工機を用いて塑性加工後の直径20mmの試料から、試料中心より5mmの箇所を中心として円周に接するように直径10mmの円板を切り出し、その後、湿式研磨にて鏡面仕上げしたものを用いた。
上記リートベルト解析によるω相の割合算出は、具体的には、以下の通りである。すなわち、X線回折プロファイルを、国際結晶学連合粉末回折委員会(Commission of Powder Diffraction of IUCr:International Union of Crystallography)製リートベルト法解析プログラムQuantoを使用してX線リートベルト解析を行った。解析に用いた結晶パラメータを表2に示す。解析にはLe Bail法を用い、プロファイル関数にはPearsonVII関数を用いた。なお、相の割合は、質量%で算出される。
(引張強さ及び引張伸び)
引張強さ及び引張伸びは、各チタン材料から、平行部が長さ1mm、幅1mm、厚さ0.5mmとなるように切り出した微小試験片を用いて、初期歪速度10−3−1で測定した。
(ビッカース硬さ)
ビッカース硬さは、塑性加工した各チタン材料の円板表面を研磨した試験片を用いて、ビッカース硬度計(荷重500g)にて測定した。なお、硬度測定面はω相が存在している面である。
(ヤング率)
ヤング率は、塑性加工した各チタン材料の円板表面を研磨した試験片を用いて、ISO 14577−1 計装化押し込み硬さにおける硬さおよび材料パラメータ(Annex A)に準拠して測定した。
具体的には、ヤング率の測定には計装化押し込み硬さ試験機を用いた。荷重一定にて負荷−除荷試験を行い、全過程での荷重−変位曲線を得る(図1)。除荷曲線は弾塑性変形の過程を表しており、最大荷重から除荷開始直後までの荷重(最大荷重の77%)の範囲で得られた除荷曲線の変位結果より係数S(Stiffness)を求め、以下の二式を連立させて求解することで、試験に供した試料のヤング率Eを求める。
・S=αEr(A)1/2
・1/Er=(1−νi)/E+(1−νs)/Es
ここで、αは圧子の幾何学的形状で決まる定数、Aは圧子と試料の接触面積または投影面積、Er、Esはそれぞれ圧子と試料の複合ヤング率および圧子のヤング率、νi、νsはそれぞれ試料および圧子のポアソン比である。ビッカース圧子の場合、ヤング率、ポアソン比はそれぞれEs=1.44×10N/mm、0.77である。上述の方法で求めたヤング率Eを、図2を用いてJIS Z 2280(金属材料のヤング率)で求められる正規のヤング率に変換した。
表3、表4に、実施例および比較例に係るチタン材料の各種特性の測定結果等をまとめて示す。また、代表例として、実施例10に係るチタン材料の透過型電子顕微鏡写真(TEM写真)を図3に示す。
これらの結果から以下のことが分かる。すなわち、比較例に係るチタン材料は、本発明で規定される範囲の圧力下で加工歪を加えていないので、常温、常圧にてω相が生成せず、α相とω相とが混在した組織を有していない。そのため、比較例に係るチタン材料は、何れも相対的に延性はあるが低強度な材料であった。
これらに対し、実施例に係るチタン材料は、本発明で規定される範囲の圧力下で加工歪を加えているので、常温、常圧でω相が残存し、α相とω相とが混在した組織を有している。
そのため、実施例に係るチタン材料は、比較例に係るチタン材料に比較して、何れも相対的に強度に優れていることが分かる。また、本発明によれば、化学組成を試行錯誤により調整することなく、強度を向上させることができると言える。また、ω相の割合を変えることで、延性を調整することができることも分かる。
また、図3に示したTEM写真からも分かるように、実施例に係るチタン材料は、高転位密度が観察されるため、強歪加工による塑性変形を受けていることが分かる。
また、実施例に係るチタン材料のうち、同じ化学組成のもの同士を比較すると、ω相の割合が多くなるほど、強度が向上していることが分かる。
また、塑性加工後に熱処理を施すことで、塑性加工時に生成したω相の割合を調整し、強度、延性、硬度、ヤング率等のバランスを調整可能であることが分かる。
上記結果から、本発明によれば、従来より強度に優れたチタン材料を比較的簡単に提供することが可能であることが確認できた。
以上、本発明に係るチタン材料およびその製造方法について説明したが、本発明は、上記実施形態、実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能なものである。
ヤング率の測定方法を説明するための図である。 ヤング率Eを、JIS Z 2280(金属材料のヤング率)で求められる正規のヤング率に変換するために使用した図である。 実施例10に係るチタン材料の透過型電子顕微鏡写真(TEM写真)である。

Claims (9)

  1. 常温、常圧でα相とω相とが混在していることを特徴とするチタン材料。
  2. 前記ω相の割合が、1〜99質量%の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載のチタン材料。
  3. 塑性加工を受けていることを特徴とする請求項1または2に記載のチタン材料。
  4. ヤング率が、20〜220GPaの範囲内にあることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のチタン材料。
  5. ビッカース硬さが、150〜600Hvの範囲内にあることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のチタン材料。
  6. 準備したチタン材料に対して、1.5GPa以上の圧力下で加工歪0.5以上の塑性加工を施す工程を有することを特徴とするチタン材料の製造方法。
  7. 前記塑性加工時における前記チタン材料の表面温度が700℃以下であることを特徴とする請求項6に記載のチタン材料の製造方法。
  8. 前記塑性加工時に前記チタン材料に対して、捻り力、摺擦力、曲げ力、圧縮力、引張力、および、剪断力から選択される1または2以上の力を作用させることを特徴とする請求項6または7に記載のチタン材料の製造方法。
  9. 前記塑性加工後のチタン材料に対して、熱処理を行う工程を有することを特徴とする請求項6から8の何れかに記載のチタン材料の製造方法。
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